JP2007131718A - アニオン重合により得られる重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アニオン重合性モノマーからアニオン重合により得られる低分子量の重合体の分子量分布を狭くすることが可能な重合体の製造方法、および該製造方法により得られる重合体に関する。
【解決手段】アニオン重合性モノマーと、炭化水素系溶媒と、有機アルカリ金属化合物とを系内に供給する第1工程と、該第1工程の後に、ルイス塩基性化合物を添加し、重合反応を進行させる第2工程とを含む重合体の製造方法であって、該重合体における該アニオン重合性モノマーの繰り返し数が3〜30の範囲内である重合体の製造方法、および該製造方法により得られる重合体に関する。
【選択図】なし
【解決手段】アニオン重合性モノマーと、炭化水素系溶媒と、有機アルカリ金属化合物とを系内に供給する第1工程と、該第1工程の後に、ルイス塩基性化合物を添加し、重合反応を進行させる第2工程とを含む重合体の製造方法であって、該重合体における該アニオン重合性モノマーの繰り返し数が3〜30の範囲内である重合体の製造方法、および該製造方法により得られる重合体に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、アニオン重合性モノマーのアニオン重合により得られる重合体であって狭い分子量分布を有する低分子量の重合体およびその製造方法に関する。
ポリマーの重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合が代表的な重合方法として挙げられ、アニオン重合性モノマーからの重合反応を行なう場合には、ラジカル重合とアニオン重合との2つの方法が考えられる。
ラジカル重合による工業的な重合体の生産においては、生長ラジカルの再結合反応等による停止反応や、ラジカルの溶媒またはモノマーへの移動反応によって、分子量分布が広いものとなる場合が多い。
分子量分布の狭い重合体を得る方法としてはリビング重合法があり、たとえば、汎用の開始剤であるブチルリチウムを用いて行なうアニオン重合性モノマーからのアニオン重合によれば、移動反応や停止反応のない重合系、いわゆるリビング重合系を形成し、極めて単分散に近い重合体を得ることができる。
特許文献1には、ブタジエン重合体もしくは、ビニル芳香族化合物とブタジエンとの共重合体のガラス転移温度が−50℃以上であり、かつ該重合体の高分子鎖のうち、少なくとも70重量%の高分子鎖が8官能性あるいは4官能性の結合剤で結合された形状を有する分岐重合体が提案され、重合開始剤として有機リチウム化合物、重合体のガラス転移温度を制御するための変性剤としてルイス塩基性化合物がそれぞれ用いられる旨記載されている。
しかし、分子量が極めて小さい重合体を製造する場合、開始剤の投入速度や開始反応速度の微妙な差が生成する重合体の分子量に影響し、分子量分布Mw/Mnが1.4以下のものを得ることは困難であるという問題がある。
特開昭58−168611号公報
本発明は上記の課題を解決し、アニオン重合性モノマーからアニオン重合により得られる低分子量の重合体の分子量分布を狭くすることが可能な重合体の製造方法、および該製造方法により得られる重合体を提供することを目的とする。
本発明は、アニオン重合性モノマーと、炭化水素系溶媒と、有機アルカリ金属化合物とを系内に供給する第1工程と、該第1工程の後に、ルイス塩基性化合物を添加し、重合反応を進行させる第2工程とを含む重合体の製造方法であって、該重合体における該アニオン重合性モノマーの繰り返し数が3〜30の範囲内である重合体の製造方法に関する。
本発明はまた、ルイス塩基性化合物の添加量が、有機アルカリ金属化合物の供給量に対して10モル%以上とされる、重合体の製造方法に関する。
本発明はまた、上記の炭化水素系溶媒が芳香族炭化水素または脂環式炭化水素である重合体の製造方法に関する。
本発明はまた、上記の製造方法により得られる重合体に関する。特に、上記の製造方法により得られ、分子量分布Mw/Mnが1.4以下である重合体に関する。
本発明によれば、アニオン重合性モノマーからアニオン重合により低分子量の重合体を製造する際に、アニオン重合性モノマー、炭化水素系溶媒、および重合開始剤としての有機アルカリ金属化合物を系内に供給した後、重合反応の開始直前にルイス塩基性化合物を系内に後添加することにより、重合開始剤の会合による凝集が抑制され、かつ重合反応が一斉に開始することにより、分子量分布の狭い低分子量重合体を製造することが可能となる。
本発明の製造方法においては、アニオン重合性モノマーを炭化水素系溶媒中で溶液重合により重合させ、該アニオン重合性モノマーの繰り返し単位が3〜30の範囲内である重合体を得る。
本発明において、アニオン重合性モノマーとしては、付加重合または開環重合においてアニオン重合することが可能なモノマーが用いられ、たとえば、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸アミド、α,β−不飽和ケトン、α,β−不飽和ニトリル、2−ビニルピリジン等の極性基を有するα,β−不飽和カルボニル系モノマー、2−ビニルピリジン等の極性基を有するα,β−不飽和ニトリル系モノマー、ε−カプロラクトン等のラクトン化合物、スチレン、2−ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸エステルの好ましい例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸アリル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N、N−ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル、α−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチル等のα−アルコキシアクリル酸エステル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸エステル、3−メトキシアクリル酸エステル等の3−アルコキシアクリル酸エステル等を挙げることができる。α,β−不飽和カルボン酸アミドの好ましい例としては、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド化合物を挙げることができる。α,β−不飽和ケトンの好ましい例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルイソプロペニルケトン等を挙げることができる。α,β−不飽和ニトリルの好ましい例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。本発明においては、これらのアニオン重合性モノマーを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において用いられる有機アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムのような金属を含有する炭化水素化合物や、該金属と極性化合物との錯体が例示される。また、有機アルカリ金属化合物としては、アルキルリチウム化合物が好ましく用いられる。アルキルリチウム化合物の具体例としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−プロピルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、ヘキシルリチウム等が挙げられ、特に、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−プロピルリチウム、フェニルリチウム等が、重合活性、入手容易性等の点で好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において製造される重合体はモノマーの繰り返し数が3〜30の範囲内の低分子量重合体であるため、分子量分布を狭くするためには、開始剤である有機アルカリ金属化合物の凝集を防止することによって開始反応に寄与しない有機アルカリ金属化合物の量をできる限り低減し、開始反応を精密に制御すること、および重合反応を一斉に開始させることが特に重要である。本発明においては、電子対供与体であるルイス塩基性化合物を用いることによって、該ルイス塩基性化合物の分子中に存在する非共有電子対が有機アルカリ金属化合物のアルカリ金属に一斉に配位し、有機アルカリ金属化合物の会合による凝集が抑制される。これにより、反応系に添加した有機アルカリ金属化合物のうち開始反応に寄与しないものの量を低減させ、仕込み量による設計通りかつ一斉に開始反応を進行させることにより、分子量分布の狭い低分子量重合体を得ることが可能となる。
本発明におけるルイス塩基性化合物としては、入手容易性の観点から、酸素のヘテロ原子を有するものとしてのエーテル、または、窒素のヘテロ原子を有するものとしての3級アミンが好ましく用いられる。
エーテルとしては、たとえば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等の脂肪族モノエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等の脂肪族ジエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。中でも入手容易性の観点でテトラヒドロフランが好ましい。
また3級アミンとしては、トリブチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の鎖状アミン、ピリジン、ジエチルアニリン、キノリン等の環状アミン等が挙げられる。中でも入手容易性の観点でテトラメチルエチレンジアミンが好ましい。
本発明において得られる重合体は、アニオン重合性モノマーの繰り返し数が3〜30の範囲内のものである。このような重合体はたとえばゴム、プラスチック製品の軟化剤、粘着付与剤として利用することができ、たとえばタイヤ等のゴム製品、粘着テープ、接着剤、印刷インキ等の用途に好ましく用いられる。
本発明において添加されるルイス塩基性化合物の添加量は、有機アルカリ金属化合物の10モル%以上、さらに15モル%以上、さらに20モル%以上であることが好ましい。添加量が10モル%以上である場合、溶媒中で会合により安定化した有機アルカリ金属化合物の中で開始反応に寄与しないものの割合を少なくすることができ、得られる重合体の分子量分布が広くなることを防止できるとともに、仕込み量から計算される理論分子量と異なる分子量の重合体が生成してしまうことも防止できる。
本発明において使用される炭化水素系溶媒としては、生長ラジカルの再結合反応等による停止反応やラジカルの溶媒またはモノマーへの移動反応によって分子量分布が広い重合体が生成してしまうという現象を起こし難いという点で、比較的極性の低い芳香族炭化水素または脂環式炭化水素が好ましい。具体的には、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン等が好ましく挙げられる。
本発明においては、アニオン重合性モノマーと、炭化水素系溶媒と、有機アルカリ金属化合物とをまず系内に供給し(第1工程)、しかる後に該系内にルイス塩基性化合物を添加し、重合反応を進行させる(第2工程)。ルイス塩基性化合物を重合開始直前に添加することによって、一斉に重合反応が開始することによって重合体の分子量のばらつきが小さくなるという効果が得られる。
第1工程においてアニオン重合性モノマーと炭化水素系溶媒と有機アルカリ金属化合物とを系内に供給する際、これら3成分を同時に供給しても良いが、たとえば撹拌手段を備えた反応器内に炭化水素系溶媒をまず供給し、次いでアニオン重合性モノマー、有機アルカリ金属化合物の順に各成分を供給することが好ましい。この場合、アニオン重合性モノマー、有機アルカリ金属化合物がそれぞれ溶液中に均一に供給されるため、初期反応の不均一により生成する重合体の分子量分布が広くなってしまうことを防止できる。
本発明においては、重合温度が40℃以下、さらに30℃以下とされることが好ましい。重合温度が40℃以下である場合、反応系内が高温になり過ぎることによる有機アルカリ金属化合物の失活が防止される。
本発明において得られる重合体の分子量分布Mw/Mnは1.0以上1.4以下、さらに1.3以下、さらに1.25以下であることが好ましい。分子量分布Mw/Mnが1.4以下である場合、重合体は十分に狭い分子量分布を有する。なお得られる重合体の分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算により求めることができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<重合反応>
(実施例1)
十分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン35ml、スチレン2.5g、1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.68mlを入れて室温で十分撹拌し(第1工程)、さらにテトラヒドロフラン0.25mlを入れて室温で撹拌し(第2工程)、重合反応を進行させた。1時間後、メタノールを入れて重合反応を停止させ、実施例1に係る重合体を得た。
(実施例1)
十分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン35ml、スチレン2.5g、1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.68mlを入れて室温で十分撹拌し(第1工程)、さらにテトラヒドロフラン0.25mlを入れて室温で撹拌し(第2工程)、重合反応を進行させた。1時間後、メタノールを入れて重合反応を停止させ、実施例1に係る重合体を得た。
(実施例2)
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液の添加量を2.7ml、テトラヒドロフランの添加量を1mlとした他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例2に係る重合体を得た。
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液の添加量を2.7ml、テトラヒドロフランの添加量を1mlとした他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例2に係る重合体を得た。
(実施例3)
スチレンに代えてアクリル酸メチル1.96gを添加した他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例3に係る重合体を得た。
スチレンに代えてアクリル酸メチル1.96gを添加した他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例3に係る重合体を得た。
(実施例4)
テトラヒドロフランに代えてテトラメチルエチレンジアミン0.47mlを添加した他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例4に係る重合体を得た。
テトラヒドロフランに代えてテトラメチルエチレンジアミン0.47mlを添加した他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例4に係る重合体を得た。
(実施例5)
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液の添加量を0.49ml、テトラヒドロフランの添加量を0.0025mlとした他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例5に係る重合体を得た。
1.6mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液の添加量を0.49ml、テトラヒドロフランの添加量を0.0025mlとした他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、実施例5に係る重合体を得た。
(比較例1)
n−ブチルリチウムヘキサン溶液とテトラヒドロフランの添加順序を入れ替えた他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、比較例1に係る重合体を得た。
n−ブチルリチウムヘキサン溶液とテトラヒドロフランの添加順序を入れ替えた他は実施例1と同様の方法で重合を行ない、比較例1に係る重合体を得た。
<分子量の評価>
実施例1〜5および比較例1に係る重合体につき、標準ポリスチレン換算にて数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwを評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜5および比較例1に係る重合体につき、標準ポリスチレン換算にて数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwを評価した。結果を表1に示す。
注1:シクロヘキサンは、和光純薬工業(株)製である。
注2:スチレンは、和光純薬工業(株)製である。
注3:アクリル酸メチルは、和光純薬工業(株)製である。
注4:n−ブチルリチウムは、和光純薬工業(株)製である。
注5:テトラヒドロフランは、和光純薬工業(株)製である。
注6:テトラメチルエチレンジアミンは、和光純薬工業(株)製である。
注2:スチレンは、和光純薬工業(株)製である。
注3:アクリル酸メチルは、和光純薬工業(株)製である。
注4:n−ブチルリチウムは、和光純薬工業(株)製である。
注5:テトラヒドロフランは、和光純薬工業(株)製である。
注6:テトラメチルエチレンジアミンは、和光純薬工業(株)製である。
表1に示す結果から、本発明のルイス塩基性化合物としてのテトラヒドロフランを後添加した実施例1〜3,5、および本発明のルイス塩基性化合物としてのテトラメチルエチレンジアミンを後添加した実施例4においては、分子量分布Mw/Mnが1.16〜1.26の範囲内であり、テトラヒドロフランを添加した後にn−ブチルリチウムヘキサン溶液を添加した比較例1のMw/Mnの1.52に対して分子量分布が狭くなっていることから、本発明の製造方法のようにルイス塩基性化合物を後添加することにより、分子量分布の狭い重合体を得ることが可能であることが分かる。
また、モノマーの平均繰り返し数は、実施例5については理論値より大きくなったが、実施例1〜4についてはほぼ理論値通りであった。よって、ルイス塩基性化合物のモル数が有機アルカリ金属化合物のモル数の10%以上である実施例1〜4については、有機アルカリ金属化合物の仕込み量と得られる重合体の分子量との整合性が良好であり、ルイス塩基性化合物を添加することによる有機アルカリ金属化合物の会合の抑制効果が良好に得られていることが分かる。
<タイヤ評価>
表2に示す配合処方に従って混練り配合し、試験用ゴム組成物を得た。これを170℃で20分間プレス加硫し、加硫物として下記の試験を行なった。
表2に示す配合処方に従って混練り配合し、試験用ゴム組成物を得た。これを170℃で20分間プレス加硫し、加硫物として下記の試験を行なった。
(グリップ性能)
上記の試験用ゴム組成物をタイヤのトレッドに用いて、常法にて215/45R17のサイズのタイヤを作製した。このタイヤを用いて、アスファルト路面の1周3.2kmのテストコースを10周走行した。テストドライバーにより、操舵時のグリップ性能について、比較例2のタイヤのフィーリングを3点として下記の基準で5点満点で評価した。
5点:良い。
4点:やや良い。
3点:普通。
2点:やや悪い。
1点:悪い。
数値が大きい程グリップ性能が良いことを示している。結果を表2に示す。
上記の試験用ゴム組成物をタイヤのトレッドに用いて、常法にて215/45R17のサイズのタイヤを作製した。このタイヤを用いて、アスファルト路面の1周3.2kmのテストコースを10周走行した。テストドライバーにより、操舵時のグリップ性能について、比較例2のタイヤのフィーリングを3点として下記の基準で5点満点で評価した。
5点:良い。
4点:やや良い。
3点:普通。
2点:やや悪い。
1点:悪い。
数値が大きい程グリップ性能が良いことを示している。結果を表2に示す。
(耐摩耗性)
上記のタイヤを用いてテストコースを20周走行し、走行前後におけるタイヤの溝の深さを計測し、比較例2を100として指数表示した。数値が大きい程耐摩耗性が良いことを示している。結果を表2に示す。
上記のタイヤを用いてテストコースを20周走行し、走行前後におけるタイヤの溝の深さを計測し、比較例2を100として指数表示した。数値が大きい程耐摩耗性が良いことを示している。結果を表2に示す。
注7:スチレンブタジエンゴムは、JSR(株)製の「SBR1502」である。
注8:天然ゴムは、テックビーハング社製の「RSS♯3」である。
注9:カーボンブラックは、昭和キャボネット(株)製の「ショウブラックN220」(窒素吸着比表面積:125m2/g)
注10:アロマオイルは、(株)ジャパンエナジー製の「JOMOプロセスX140」である。
注11:芳香族ビニル重合体は、実施例1において得られた重合体である。
注12:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」である。
注13:ステアリン酸は、日本油脂(株)製のステアリン酸である。
注14:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜鉛華1号」である。
注15:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」である。
注16:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーNS」である。
注8:天然ゴムは、テックビーハング社製の「RSS♯3」である。
注9:カーボンブラックは、昭和キャボネット(株)製の「ショウブラックN220」(窒素吸着比表面積:125m2/g)
注10:アロマオイルは、(株)ジャパンエナジー製の「JOMOプロセスX140」である。
注11:芳香族ビニル重合体は、実施例1において得られた重合体である。
注12:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」である。
注13:ステアリン酸は、日本油脂(株)製のステアリン酸である。
注14:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜鉛華1号」である。
注15:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」である。
注16:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーNS」である。
表2に示す結果から、本発明のアニオン重合体を配合処方した実施例6および7においては、比較例2に比べてグリップ性能および耐摩耗性に優れていることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の製造方法によれば、たとえばタイヤ等のゴム製品、粘着テープ、接着剤、印刷インキ等に対して好適に用いられる低分子量の重合体を狭い分子量分布で得ることが可能である。
Claims (5)
- アニオン重合性モノマーと、炭化水素系溶媒と、有機アルカリ金属化合物とを系内に供給する第1工程と、
前記第1工程の後に、ルイス塩基性化合物を添加し、重合反応を進行させる第2工程と、
を含む重合体の製造方法であって、
前記重合体における前記アニオン重合性モノマーの繰り返し数が3〜30の範囲内である、重合体の製造方法。 - 前記ルイス塩基性化合物の添加量が、前記有機アルカリ金属化合物の供給量に対して10モル%以上とされる、請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 前記炭化水素系溶媒が芳香族炭化水素または脂環式炭化水素である、請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られる重合体。
- 分子量分布Mw/Mnが1.4以下である、請求項4に記載の重合体。
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CN112867739A (zh) * | 2018-09-27 | 2021-05-28 | 富士胶片株式会社 | 聚合物的制造方法及制造聚合物的流式反应系统 |
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