JP2007131516A - タッチパネル用スペーサーおよびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のタッチパネル用スペーサーは、光電子分光法により求められる炭素とケイ素との表面原子数比(C/Si)が0.01〜1.0ある、シリカ粒子を用いてなることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
これまで、このようなシリカ粒子については、シリコンアルコキシドを原料として加水分解および重縮合することによりシリカ粒子を得る方法、具体的には、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを原料として加水分解、重縮合するシリカ粒子の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。しかしながら、粒子径の比較的大きなシリカ粒子(例えば10μm以上)を得ようとした場合、この製造方法では何度も繰り返して粒子の粒径を成長させ分級する操作を行わなければならず、所望の大きな粒径のものをより粒度分布のシャープな状態で得るためには非常に複雑な操作を必要とするため、経済性・生産性が低い。
さらに、ポリオルガノシロキサン粒子を焼成したシリカ粒子を本体粒子(シード粒子)として、この本体粒子の表面にアルキルトリアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランを反応させて成長させ粒径を大きくした後、焼成する(焼成は必要に応じて行う)、いわゆる成長法を利用したシリカ粒子の製造方法も知られている(例えば、特許文献5参照)。この製造方法は、比較的大きな粒径のシリカ粒子を粒径精度の高い状態で得ることができるという点で優れた方法であるが、シード成長と焼成とを繰り返して行う等の工程が複雑で経済性・生産性が低い上、前述しているような大粒径のシリカ粒子(例えば10μm以上)を、上記優れた点を保持した上で得ることは非常に困難である。仮に、この製法により大粒径のシリカ粒子を得ようとしても、成長過程等において粒子同士が凝集してしまうため粒度分布がブロードになり、粒径精度が低下するという問題がある。
一方、従来公知のシリカ粒子においては、例えば、液晶表示装置やタッチパネル等のシール部における隙間保持材(スペーサー)として用いた場合に、シール剤等のバインダー成分への分散性が低く、シール部近傍においてギャップむらが生じたり、十分なシール強度が得られないという問題があった。
かかる知見に基づき試行錯誤の実験および検討を繰り返した結果、ポリシロキサン粒子の存在下に重合性モノマーを加え、この重合性モノマーをポリシロキサン粒子に吸収させ、かつ、該重合性モノマーの重合を行うことにより、ポリシロキサン粒子(無機質)とポリマー(有機質)との複合体である重合体粒子を生成し、その後この重合体粒子を焼成することによってシリカ粒子を製造する方法を見出した。
また、このような製法により得られるシリカ粒子は、従来に無い粒径の大きさと粒度分布のシャープさとを兼ね備えた真球状のシリカ粒子であることを確認し、本発明を完成するに至った。
さらに、このような製法により得られるシリカ粒子は、例えば、吸収させる重合性モノマーの量や焼成条件等を適宜設定することにより、得られるシリカ粒子中の有機質分の含有量を調整することができる。そこで、シリカ粒子表面の炭素とケイ素の表面原子数比(C/Si)に着目したところ、この値が特定範囲を満たすシリカ粒子であれば、有機質分への分散性に非常に優れたものとなること、具体的には、例えば、液晶表示装置やタッチパネル等のシール部における隙間保持材(スペーサー)として用いた場合に、特に、タッチパネル用スペーサーとして用いた場合に、シール剤等のバインダー成分への分散性に優れたものとなり、シール部近傍での電極基板間の隙間距離(セル厚)が均一となり、十分なシール強度が得られること、を確認して、本発明を完成するに至った。
また、本発明にかかるタッチパネルは、スペーサーとして、上記本発明にかかるタッチパネル用スペーサーを用いてなる、ことを特徴とする。
本発明にかかるシリカ粒子の製造方法(以下、本発明の製造方法と称することがある。)は、重合性モノマーを必須とするモノマー成分をポリシロキサン粒子に吸収させ前記モノマー成分を重合させることにより得られた重合体粒子を焼成することにより前記シリカ粒子を得ることを特徴とする。詳しくは、(1)無機質粒子であるポリシロキサン粒子に重合性モノマーを必須とするモノマー成分を吸収させ、吸収させた上記モノマー成分を重合させることにより、ポリシロキサン粒子(無機質)のポリシロキサン骨格間に上記モノマー成分に由来するポリマー(有機質)が存在して複合一体化してなる、重合体粒子を得る工程(以下、吸収重合工程と称することがある。)と、(2)得られた重合体粒子を焼成する工程(以下、焼成工程と称することがある。)と、を含むことを特徴とする。本発明の製造方法においては、上記各工程以外にも他の工程を含むことができる。
本発明においては、上記ポリシロキサン粒子は、通常一般的に知られている加水分解および縮合可能なシリコン化合物を、加水分解および縮合して得られるものであることが好ましい。
上記加水分解および縮合可能なシリコン化合物としては、下記一般式(1):
R1 nSi(OR2)4−n (1)
(ここで、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基および不飽和脂肪族基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、R2は、水素原子、アルキル基およびアシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。nは0〜3の整数である。)
で表されるシリコン化合物(以下、シリコン化合物(1)と称することがある。)や、その誘導体を好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても併用してもよい。
以下、上記吸収重合工程および焼成工程について詳しく説明する。
(吸収重合工程)
吸収重合工程は、上記シリコン化合物(1)および/またはその誘導体を加水分解および縮合して得られるポリシロキサン粒子からなる無機質粒子に、重合性モノマーを必須として含むモノマー成分を吸収させる吸収過程と、該吸収過程で吸収させたモノマー成分を重合させ無機質粒子の構造中に重合体を含むようにする重合過程とにより、無機質成分と有機質成分とが複合してなる重合体粒子を得る工程である。
無機質粒子については、その粒度分布のシャープさ(粒子径の変動係数(CV値))は、特に限定されるわけではないが、10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、最も好ましくは5%以下である。上記変動係数(CV値)が上記範囲内である場合は、後述する重合性モノマーの吸収が効率よく行えるといった有利な効果を発揮することができる。10%を超える場合は、最終的に得られるシリカ粒子の粒子径のばらつきが大きくなり、各種基板間の隙間を均一にする隙間保持材としての用途に用いた場合、隙間距離の均一性が不十分となるおそれがある。
縮合工程は、シリコン化合物(1)および/またはその誘導体を加水分解および縮合する工程であり、この縮合工程では、触媒としてアンモニア等の塩基性触媒を好ましく用いてもよい。シリコン化合物(1)および/またはその誘導体としては、上述したとおりである。
無機質粒子は、シリコン化合物(1)および/またはその誘導体を、水を含む溶媒中で加水分解させ縮合させて得られる。加水分解および縮合については、一括、分割、連続等、任意の方法を採ることができる。加水分解および縮合をさせるにあたり、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよい。また、溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤が存在していてもよい。
加水分解および縮合は、特に限定はされないが、具体的には、例えば、上記シリコン化合物(1)および/またはその誘導体と有機溶剤等とを、水を含む溶媒に添加し、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃の温度範囲で、30分〜100時間撹拌することによって行うことが好ましい。
このようにして、上記シリコン化合物(1)および/またはその誘導体を、水を含む溶媒中で、適切な条件下で、加水分解および縮合させることにより、粒子が析出しスラリーが生成する。ここで、適切な条件とは、特に限定はされないが、具体的には、例えば、得られたスラリーにおいて、シリコン化合物(1)および/またはその誘導体の濃度が、20重量%以下、水濃度が40%以上、触媒濃度が10重量%以下となるような条件が好ましい。
無機質粒子は、上述のようにシリコン化合物(1)および/またはその誘導体を原料無機化合物として得られるものであるため、この無機化合物中のケイ素原子に由来する無機質部分(ポリシロキサン骨格)を含んでなるものである。
無機質粒子の形状は、球状(真球状)、針状、板状、鱗片状、粉砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されないが、球状(真球状)であることがより好ましい。
上記吸収過程においては、上記無機質粒子に重合性モノマーを必須とするモノマー成分が加えられるが、最終的に上記無機質粒子の存在下に上記モノマー成分を存在させた状態で吸収させればよい。よって、特に限定はされないが、例えば、無機質粒子を分散させた溶媒中にモノマー成分を加えておいてもよいし、モノマー成分を含む溶媒中に無機質粒子を加えておいてもよいとする。なかでも、前者のように、予め無機質粒子を分散させた溶媒中に、モノマー成分を加えておくことが、好ましく、さらには無機質粒子を合成して得られた無機質粒子分散液から無機質粒子を取り出すことなく該分散液にモノマー成分を加えておくことが、複雑な工程を必要とせず、生産性に優れており、好ましい。
上記ラジカル重合性ビニルモノマーとしては、分子内に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を含有する化合物であればよく、その種類等は特に限定されず、適宜選択することができる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体類;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、等のポリエチレングリコール成分を有する単量体類;(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタンフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロアミル(メタ)アクリレート等のフッ素原子含有(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等を用いることが好ましい。これらラジカル重合性ビニルモノマーは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、無機質粒子に上記モノマー成分を吸収させる際に、あらかじめ上記モノマー成分を乳化分散させエマルションを生成させておくにあたり、安定なエマルションとするため、疎水性のラジカル重合性ビニルモノマーを好適に用いることができる。同様に、架橋性のラジカル重合性ビニルモノマーを用いてもよい。また、吸収過程においては、上記ラジカル重合性ビニルモノマーと併せて、加水分解性シリル基を有するシリコン化合物を用いることができる。加水分解性シリル基を有するシリコン化合物を用いた場合は、後述する焼成工程において、該シリコン化合物由来のSi−O−Si結合が残存し、シリカ粒子の骨格の一部を形成することができる点で好ましい。また、加水分解性シリル基を有するシリコン化合物のなかでも、ラジカル重合性ビニル基を有するシリコン化合物が、他の疎水モノマーと共重合して十分にシリカ粒子の骨格を形成できる点で好ましい。
上記乳化剤としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、分子中に1個以上の重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する重合性界面活性剤等がある。なかでも、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が、無機質粒子や、モノマー成分を吸収した無機質粒子や、重合体粒子の分散状態を安定化させることもできるので好ましい。これら乳化剤は、1種のみを使用しても2種以上を併用してもよい。
上記非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド類;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、エチレンオキサイドと脂肪酸アミン、アミドまたは酸との縮合生成物等を好ましく挙げることができる。
上記重合性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、プロペニル−2−エチルヘキシルベンゼンスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステルのリン酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のノニオン性重合性界面活性剤等を好ましく挙げることができる。
上記乳化分散については通常、上記モノマー成分を乳化剤とともにホモミキサーや超音波ホモジナイザー等を用いて水中で乳濁状態とすることが好ましい。
上記重合過程において、無機質粒子に吸収させたモノマー成分を重合する方法は、特に限定はされないが、例えば、ラジカル重合開始剤等の開始剤を用いた方法、紫外線や放射線を照射する方法、熱を加える方法などが挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、過可硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;などを好ましく挙げることができる。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の上記溶媒に対する仕込み方は、特に限定はなく、最初(反応開始前)に全量仕込んでもよいし、最初に一部を仕込んでおいてから残りを連続フィード添加しても、断続的にパルス添加しても、両者を組み合わせた手法で添加してもよいし、重合前に全量仕込んでも良い。
重合過程においては、上記ラジカル重合する際の反応時間は用いる重合開始剤の種類により適宜変更可能であるが、5〜600分であることが好ましく、10〜300分がより好ましい。上記反応時間が5分未満の場合は、重合度が十分に上がらない結果となり、600分を超える場合は、粒子間の凝集が起こり易くなる。
重合体粒子の粒子径については、無機質粒子の構造中に含有される重合体の量を調節することにより適宜所望の大きさにすることができる。本発明の製造方法においては、後述する焼成工程において重合体粒子を焼成するが、その際、粒子径が縮小する場合があるので、その場合は縮小率なども勘案して重合体粒子の大きさを設定し調製することが好ましい。
重合体粒子の形状は、特に限定されるわけではなく、具体的には、例えば、球状(真球状)、針状、板状、鱗片状、紛砕状、偏状、まゆ状、こんぺい糖状などの形状を挙げることができるが、球状(真球状)であることがより好ましい。
(焼成工程)
焼成工程は、上記吸収重合工程により得られた重合体粒子を焼成することにより、該重合体粒子に含まれる有機質成分である重合体の一部または全部を分解し、シリカ粒子を得る工程である。焼成後得られたシリカ粒子においては、有機質成分が完全に分解されていてもよいし残存していてもよく、特に限定はされない。
焼成工程において用いることのできる装置は、特に限定はされないが、具体的には、1500℃まで加熱可能な焼成炉が好ましい。焼成する際は、上記吸収重合工程により得られた重合体粒子をそのまま焼成するか、あるいは、200℃以下の温度で1〜10時間予備真空乾燥を行った後に焼成することが好ましい。
焼成温度は、特に限定はされないが、具体的には、200〜1400℃であることが好ましく、より好ましくは250〜1200℃、さらに好ましくは300〜1000℃である。焼成を上記温度範囲内で行うことによって、得られるシリカ粒子の表面の、光電子分光法により求められる炭素原子とケイ素原子との表面原子数比(C/Si)を、0.01〜1.0の範囲に制御することができる。焼成温度が200℃未満であると、上記表面原子数比が1.0を超えるおそれがあり、1400℃を超える場合は、上記表面原子数比が0.01未満となるおそれがある。また、焼成工程においては、まず、200〜500℃の温度範囲で10分〜10時間予備焼成を行って、有機分を十分に分解しておいてから、600〜1400℃でさらに10分〜10時間焼成を行うことが好ましい。このように段階的に焼成することにより、シリカ粒子の着色を効果的に防止することができる。
第1のシリカ粒子の平均粒子径は、上述のように15〜100μmであるが、特に限定はされるわけではなく、より好ましくは17〜90μmであり、さらに好ましくは20〜80μmである。15μm未満の場合、上述したような効果が得られず、100μmを超えると、各種基板間の隙間を均一にする隙間保持材としての用途に用いた場合その隙間距離が大きくなりすぎ、例えばタッチパネル用スペーサーとして用いた場合、基板を押圧して入力操作を行っても電極基板面どうしを接触させることができないおそれがある。
第1のシリカ粒子の平均粒子径および粒子径の変動係数は、下記実施例に記載した測定方法により求められる値である。
本発明の第1のシリカ粒子において、その構造等については、特に限定はされないが、具体的には、例えば、ポリシロキサン骨格構造からなる無機質粒子(ポリシロキサン粒子)が焼成されてなるSi−O−Si骨格構造からなる粒子を必須とすることが好ましい。
上記有機質成分を含む場合において、該有機質成分としては、特に限定はされないが、例えば、本発明の第1のシリカ粒子を製造する段階において粒子構造中に残存したものなどを挙げることができ、より具体的には、例えば、本発明にかかるシリカ粒子の製造方法において、吸収重合工程において吸収させるモノマーの量や焼成工程での焼成条件を制御することにより残存し得る重合体などを挙げることができる。なお、本発明の第1のシリカ粒子においては、上記有機質成分を含む場合の形態としては、該有機質成分のほとんどがシリカ粒子の表面を被覆している形態や、有機質成分がシリカ粒子の表面にグラフトしてなる形態などは含まないとする。すなわち、本発明の第1のシリカ粒子を各種用途に用いた場合に実質的に性能を低下させる程度の、シリカ粒子の粒径精度の低下を生じさせるような形態は含まないとする。
上記有機質成分としては、特に限定はされないが、例えば、本発明の第2のシリカ粒子を製造する段階において粒子構造中に残存したものなどを挙げることができ、より具体的には、例えば、本発明にかかるシリカ粒子の製造方法において、吸収重合工程において吸収させるモノマーの量や焼成工程での焼成条件を制御することにより残存し得る重合体などを挙げることができる。なお、本発明の第2のシリカ粒子においては、上記有機質成分を含む場合の形態としては、該有機質成分のほとんどがシリカ粒子の表面を被覆している形態や、有機質成分がシリカ粒子の表面にグラフトしてなる形態などは含まないとする。すなわち、本発明の第2のシリカ粒子を各種用途に用いた場合に実質的に性能を低下させる程度の、シリカ粒子の粒径精度の低下を生じさせるような形態は含まないとする。
第2のシリカ粒子の粒子径の変動係数は、特に限定はされるわけではないが、具体的には、10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは4%以下である。10%を超える場合は、シリカ粒子の粒子径のばらつきが大きくなり、例えば、各種基板間の隙間を均一にする隙間保持材としての用途に用いた場合、隙間距離の均一性が不十分となるおそれがある。
本発明の第1および第2のシリカ粒子の形状は、例えば、球状(真球状)、針状、板状、鱗片状、粉砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子形状であればよく、特に限定はされないが、前述した各種用途においてより優れた性能を発揮することができるため球状(真球状)であることが好ましい。
本発明の第1および第2のシリカ粒子における無機質成分中のSiO2含有量は、特に限定はされないが、具体的には、例えば、80〜99.5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは85〜99重量%、さらに好ましくは90〜98重量%である。上記SiO2含有量が、80重量%未満の場合は、粒子が柔軟すぎるために、例えば各種基板間の隙間保持材としての用途に用いた場合、隙間距離を均一に保持することができないおそれがあり、99.5重量%を超える場合は、重合体粒子が硬くなりすぎ、同様に例えば隙間保持材としての用途に用いた場合、基板表面に損傷を与えてしまうおそれがある。
本発明の第1および第2のシリカ粒子を染色する方法としては、従来公知の方法がとられる。例えば、上記の「化学便覧応用化学編 日本化学会編」や「日本化薬染料便覧」に記載されている方法等で行うことができる。
本発明の第1および第2のシリカ粒子の用途としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、前述したように、液晶表示素子(液晶表示素子用面内スペーサー、液晶表示素子用シール部スペーサー)、EL表示素子用スペーサー、タッチパネル(タッチパネル用スペーサー、タッチパネル用シール部スペーサー)、セラミックやプラスチック等の各種基板間の隙間を均一に保持し得る隙間保持材等の隙間距離保持用スペーサーや、導電性粒子などを好ましく挙げることができる。
本発明の導電性粒子は、上記本発明のシリカ粒子を有するので、電気的に接続される一対の電極基板間の隙間距離を一定に保持する為に必要な粒子径および粒度分布のシャープさ、そして硬度および破壊強度を有するとともに、電極に対して物理的ダメージを与えにくい。このため、一対の電極基板間の隙間距離を一定に保持しやすく、加圧による導体層の剥がれ落ち、電気的に接続されるべきではない電極間のショート、電気的に接続されるべき電極間の接触不良、などを防ぐことができる。
本発明のスペーサーは、液晶表示素子用面内スペーサー、液晶表示素子用シール部スペーサー、EL表示素子用スペーサー、タッチパネル用スペーサー、セラミックやプラスチック等の各種基板間の隙間を均一に保持し得る隙間保持材などとして用いることができる。
本発明のスペーサーは、上記本発明のシリカ粒子のみからなるスペーサーであっても、このシリカ粒子全体やその表面等に何らかの処理を施すことにより特定の物性を有するようにしたスペーサーであってよく、いずれの形態であっても各種用途において有用なスペーサーとして用いることができる。例えば、本発明のシリカ粒子を本体粒子としてその表面に樹脂等を付着させたりグラフト化したりして被覆することにより接着層を形成させた接着性スペーサーや、本発明のシリカ粒子を生成する反応系に染料などを含ませておくことによって粒子そのものを着色した着色スペーサー、または、これら接着性と着色の機能を組み合わせた接着性着色スペーサー、などが好ましく挙げられる。
熱可塑性樹脂によるシリカ粒子表面の被覆の形態は、粒子表面の全体が被覆されていてもよいし一部であってもよく、上述したような効果を発揮できる程度の被覆割合であれば特に限定はされない。
上述のように、熱可塑性樹脂を本発明のシリカ粒子の表面に被覆させる方法としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、ヘテロ凝集法、グラフト重合法、コアセルベーション法、界面析出重合法、液中硬化被覆法、液中乾燥法、高速気流中衝撃法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の従来公知の樹脂被覆法を用いることができる。なかでも、界面析出重合法や高速気流中衝撃法は、被覆が簡便であるためより好ましい。
高速気流中衝撃法としては、具体的には、本発明のシリカ粒子と熱可塑性樹脂の粉体とを混合し、この混合物を気相中に分散させ、衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーを上記シリカ粒子と熱可塑性樹脂の粉体とに与えることで、上記シリカ粒子表面を熱可塑性樹脂で被覆する方法が挙げられる。
本発明にかかる液晶表示装置は、上記本発明のシリカ粒子を用いてなる液晶表示装置である。具体的には、本発明のシリカ粒子を液晶表示装置用スペーサーとして用いた液晶表示装置であり、さらにこの液晶表示装置用のスペーサーとして上記本発明の隙間距離保持用スペーサーを用いてなる液晶表示装置であることが好ましい。
また、本発明の液晶表示装置においては、スペーサーとして、本発明のシリカ粒子を、電極基板面内およびシール部の両方に介在させてもよいし、電極基板面内またはシール部のいずれかのみに介在させてもよいが、どちらの場合であっても、電極基板間の距離を十分な間隔で且つ均一に保つことができる。特に、本発明の第1のシリカ粒子を用いた場合、該シリカ粒子は大きな粒子径を有するものであるため、例えば、電極基板間に大きな段差のある構造物や凹部がある場合であっても十分にギャップを形成することができ、画像ムラが無く鮮明でコントラストに優れる液晶表示装置とすることができる。また、本発明の第2のシリカ粒子を用いた場合は、前述したように、特にシール部においてシール剤との親和性がよく分散性に優れるため、シール部近傍での電極基板間の隙間距離(セル厚)が均一となり、シール強度をより向上させることもできる。
本発明の液晶表示装置を製造する方法については、特に限定はされるわけではなく、従来公知の液晶表示装置の製造方法に従えばよい。以下、従来公知の液晶表示装置およびその製造方法の一般的説明をする。
一般的に、液晶表示装置は、第1電極基板、第2電極基板、スペーサー、シール剤および液晶等を備えている。第1電極基板は、第1基板と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有し、第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形成された第2電極とを有しており、第1電極基板と第2電極基板は、互いの電極どうしが対向するよう配置される。電極は、通常、透明電極である。スペーサーは、第1電極基板と第2電極基板との間に介在してこれら両電極基板間の間隔を保持する役目をする。シール剤は、第1電極基板と第2電極基板とを周辺部で接着し、この接着された部分がシール部となる。液晶は、第1電極基板と第2電極基板との間に封入されており、第1電極基板と第2電極基板とシール剤とで囲まれた空間に充填されている。
シール剤としては、エポキシ樹脂などの接着シール剤が使用される。
液晶としては、従来から使用されているものでよく、例えば、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。特に、TFT−LCDの場合、液晶としてはフッ素系のものが好ましい。
本発明にかかるタッチパネルは、上記本発明のシリカ粒子を用いてなるタッチパネルである。具体的には、本発明のシリカ粒子をタッチパネル用スペーサーとして用いたタッチパネルであり、さらにこのタッチパネル用のスペーサーとして上記本発明の隙間距離保持用スペーサーを用いてなるタッチパネルであることが好ましい。
また、本発明のタッチパネルにおいては、スペーサーとして、本発明のシリカ粒子を、電極基板面内およびシール部の両方に介在させてもよいし、電極基板面内またはシール部のいずれかのみに介在させてもよいが、どちらの場合であっても、電極基板間の距離を十分な間隔で且つ均一に保つことができ、誤入力のないタッチパネルとすることができる。特に、本発明の第1のシリカ粒子を用いた場合、該シリカ粒子は大きな粒子径を有するものであるため、上記作用効果は顕著となる。また、本発明の第2のシリカ粒子を用いた場合は、前述したように、特にシール部においてシール剤との親和性がよく分散性に優れるため、シール部近傍での電極基板間の隙間距離(セル厚)が均一となり、シール強度をより向上させることもできる。
本発明のタッチパネルを製造する方法については、特に限定はされるわけではなく、従来公知のタッチパネルの製造方法に従えばよいが、例えば、以下の条件で製造することが好ましい。
すなわち、本発明のタッチパネルを製造するにあたり、本発明のシリカ粒子を、スペーサーとして、電極基板面内に、1〜300個/mm2の密度で配することが好ましく、より好ましくは5〜150個/mm2、さらに好ましくは10〜100個/mm2である。電極基板面内に上記密度で配することにより、電極基板間の絶縁性に優れ、かつ、入力時の反応がよく誤入力の無いタッチパネルとすることができる。上記密度が1個/mm2未満の場合は、軽い圧力でも電極が接触しやすくなり誤入力が生じやすくなるおそれがあり、300個/mm2を超える場合は、入力圧を大きくする必要が生じ入力しにくくなったり、部分的に入力できないところが生じたりし、快適に使用することができなくなるおそれがある。
以下の実施例・比較例において、各種粒子の平均粒子径および粒子径の変動係数は、下記測定方法により測定した。
(平均粒子径)
コールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により、30000個の粒子の粒子径を測定し、その数平均粒子径として求めた。
(粒子径の変動係数)
下記式に従って求めた。
−実施例1−1−
脱イオン水250gに25%アンモニア水1gを加えたものを撹拌機、滴下口および温度計を備えたフラスコに投入し、この混合液の温度を20±0.5℃に調整して保持しつつ、撹拌しながらγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン125gにメタノール125gを加えた混合液を滴下口より投入して、加水分解・縮合反応を開始し、さらに撹拌を続けてこの加水分解・縮合反応を進めることによりポリシロキサン粒子の懸濁液を得た。得られたポリシロキサン粒子の粒子径を計測したところ、平均粒子径は15.4μm、粒子径の変動係数は2.2%であった。
加水分解・縮合反応の開始から2時間後、上記エマルションを滴下口から一括投入して、さらに1時間撹拌することにより、上記加水分解・縮合反応により得られたポリシロキサン粒子に、上記エマルションを吸収させた。
重合後の調製液を、100メッシュの金網でろ過し、さらにヌッチェろ過により固液分離して、重合体粒子のケーキを得た。得られた重合体粒子を、40℃で2時間真空乾燥した後、粒子径を計測したところ、平均粒子径は32.7μm、粒子径の変動係数は2.2%であった。
次に、上記重合体粒子を、900℃で1時間焼成することによりシリカ粒子(1)を得た。
−実施例1−2−
脱イオン水650gに25%アンモニア水1gを加えたものを撹拌機、滴下口および温度計を備えたフラスコに投入し、この混合液の温度を20±0.5℃に調整して保持しつつ、撹拌しながらγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン200gにメタノール400gを加えた混合液を滴下口より投入して、加水分解・縮合反応を開始し、さらに撹拌を続けてこの加水分解・縮合反応を進めることによりポリシロキサン粒子の懸濁液を得た。得られたポリシロキサン粒子の粒子径を計測したところ、平均粒子径は24.5μm、粒子径の変動係数は3.1%であった。
加水分解・縮合反応の開始から2時間後、上記エマルションを滴下口から一括投入して、さらに1時間撹拌することにより、上記加水分解・縮合反応により得られたポリシロキサン粒子に、上記エマルションを吸収させた。
重合後の調製液を、80メッシュの金網でろ過し、さらにヌッチェろ過により固液分離して、重合体粒子のケーキを得た。得られた重合体粒子を、40℃で2時間真空乾燥した後、粒子径を計測したところ、平均粒子径は80.5μm、粒子径の変動係数は3.9%であった。
次に、上記重合体粒子を、800℃で2時間焼成することによりシリカ粒子(2)を得た。
−実施例1−3−
脱イオン水650gに25%アンモニア水2gを加えたものを撹拌機、滴下口および温度計を備えたフラスコに投入し、この混合液の温度を20±0.5℃に調整して保持しつつ、撹拌しながらγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン90gにメタノール322gを加えた混合液を滴下口より投入して、加水分解・縮合反応を開始し、さらに撹拌を続けてこの加水分解・縮合反応を進めることによりポリシロキサン粒子の懸濁液を得た。得られたポリシロキサン粒子の粒子径を計測したところ、平均粒子径は4.2μm、粒子径の変動係数は2.9%であった。
加水分解・縮合反応の開始から2時間後、上記エマルションを滴下口から一括投入して、さらに1時間撹拌することにより、上記加水分解・縮合反応により得られたポリシロキサン粒子に、上記エマルションを吸収させた。
次いで、脱イオン水500gを加えた後、昇温し、80±5℃で1時間保持して、ビニル基のラジカル重合を行った。
次に、上記重合体粒子を、800℃で2時間焼成することによりシリカ粒子(3)を得た。
得られたシリカ粒子(3)の粒子径を計測したところ、平均粒子径は5.5μm、粒子径の変動係数は2.3%であった。また、このシリカ粒子(3)を実施例1−1と同様の光電子分光法を利用した装置により分析したところ、シリカ粒子(3)表面における炭素原子とケイ素原子との原子数比(C/Si)は0.35であった。
実施例1−1における焼成温度を900℃から390℃に変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を行うことにより、シリカ粒子(4)を得た。
得られたシリカ粒子(4)の粒子径を計測したところ、平均粒子径は23.1μm、粒子径の変動係数は2.4%であった。また、このシリカ粒子(4)を実施例1−1と同様の光電子分光法を利用した装置により分析したところ、シリカ粒子(4)の表面における炭素原子とケイ素原子の原子数比(C/Si)は1.21であった。
−実施例1−5−
実施例1−1における焼成温度を900℃から1450℃に変更した以外は、実施例1−1と同様の操作を行うことにより、シリカ粒子(5)を得た。
−実施例1−6−
脱イオン水650gに25%アンモニア水0.2gを加えたものを撹拌機、滴下口および温度計を備えたフラスコに投入し、この混合液の温度を20±0.5℃に調整して保持しつつ、撹拌しながらγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン250gにメタノール400gを加えた混合液を適下口より投入して、加水分解・縮合反応を開始し、さらに撹拌を続けてこの加水分解・縮合反応を進めることによりポリシロキサン粒子の懸濁液を得た。得られたポリシロキサン粒子の粒子径を計測したところ、平均粒子径は75μm、粒子径の変動係数は1.9%であった。
加水分解・縮合反応の開始から2時間後、上記エマルションを滴下口から一括投入して、さらに1時間撹拌することにより、上記加水分解・縮合反応により得られたポリシロキサン粒子に、上記エマルションを吸収させた。
重合後の調製液を、80メッシュの金網でろ過し、さらにヌッチェろ過により固液分離して、重合体粒子のケーキを得た。得られた重合体粒子を40℃で2時間真空乾燥した後、粒子径を計測したところ、平均粒子径は167μm、粒子径の変動係数は1.5%であった。
次に、上記重合体粒子を、300℃で1時間焼成した後、さらに900℃で1時間焼成することによりシリカ粒子(6)を得た。
−比較例1−1−
メタノール1500gと25%アンモニア水350gを混合したものを撹拌機、滴下口および温度計を備えたフラスコに投入し、この混合液の温度を20±0.5℃に調整した。また、メタノール800gにテトラエトキシシラン200gを溶解した原料溶液を準備した。同じく、メタノール800gと25%アンモニア水500gを混合したアンモニア性メタノール溶液を準備した。
〔導電性粒子〕
−実施例2−
実施例1−3で得られたシリカ粒子(3)に、無電解ニッケルメッキを施した後、さらに無電解金メッキを施すことにより、導電性粒子(1)を得た。
〔隙間距離保持用スペーサー、液晶表示装置、タッチパネル〕
(タッチパネル)
−実施例3−1−
下記構成を有するタッチパネルを製造した。
なお、本実施例ではタッチ側基板の材料としてプラスチック(ポリエチレンテレフタレート)を用いたが、これ以外にも透明ガラス基板を使用することもできる。また、ディスプレイ側基板についても透明ガラス基板に限定されず、プラスチック基板を使用することもできる。
−実施例3−2−
実施例3−1における面内スペーサー30およびシール部スペーサー50をシリカ粒子(1)からシリカ粒子(3)に変更した以外は、実施例3−1と同様の操作を行うことにより、タッチパネル(2)を作製した。
実施例3−1における面内スペーサー30およびシール部スペーサー50をシリカ粒子(1)からシリカ粒子(6)に変更した以外は、実施例3−1と同様の操作を行うことにより、タッチパネル(3)を作製した。
−比較例3−1−
実施例3−1における面内スペーサー30およびシール部スペーサー50をシリカ粒子(1)から比較シリカ粒子(1)に変更した以外は、実施例3−1と同様の操作を行うことにより、比較タッチパネル(1)を作製した。
実施例3−1〜3−3および比較例3−1で得られたタッチパネルについて、5000回連続入力を行ったときの性能評価をした。具体的には、誤入力の有無、電極基板間距離の均一性、入力時の感度について以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
(誤入力の有無)
○:誤入力なし
△:誤入力1〜10回あり
×:誤入力11回以上あり
(電極基板間距離の均一性)
○:ギャップむら有り
×:ギャップむら無し
(入力時の感度)
○:未入力なし
△:未入力あり
−実施例4−1−
300mm×345mm×1.1mmの下側ガラス基板上に、電極(透明電極)およびポリイミド配向膜を形成した後、ラビングを行って、下側電極基板を得た。この下側電極基板の表面に、メタノール30容量部、イソプロパノール20容量部および水50容量部の混合溶媒中に面内スペーサーとして実施例1−1で得られたシリカ粒子(1)が1重量%となるように均一に分散させたものを、10秒間散布した。
一方、300mm×345mm×1.1mmの上側ガラス基板上に、電極(透明電極)およびポリイミド配向膜を形成した後、ラビングを行って、下側電極基板を得た。そして、エポキシ樹脂接着シール剤中にシール部スペーサーとして実施例1−1で得られたシリカ粒子(1)が3容量%となるように分散させたものを、下側電極基板の表面の接着シール部分にスクリーン印刷した。
このようにして得られた液晶表示装置(1)について、セルの厚みを測定したところ、セルの厚みはパネル全面において均一であり、色むら等の不具合は全く見られなかった。
実施例4−1において、面内スペーサーおよびシール部スペーサーとしてシリカ粒子(1)の代わりに実施例1−4で得られたシリカ粒子(4)を用いた以外は、実施例4−1と同様の操作により、液晶表示装置(2)を完成させた。
得られた液晶表示装置(2)について、セルの厚みを測定したところ、セルの厚みはパネル中央付近において均一であり、色むら等の不具合は全く見られなかったが、シール部近傍においてセルの厚みむら(ギャップむら)が認められた。
−実施例4−3−
実施例4−1において、面内スペーサーおよびシール部スペーサーとしてシリカ粒子(1)の代わりに実施例1−5で得られたシリカ粒子(5)を用いた以外は、実施例4−1と同様の操作により、液晶表示装置(3)を完成させた。
−比較例4−1−
実施例4−1において、面内スペーサーおよびシール部スペーサーとしてシリカ粒子(1)の代わりに比較例1−1で得られた比較シリカ粒子(1)を用いた以外は、実施例4−1と同様の操作により、比較液晶表示装置(1)を完成させた。
得られた比較液晶表示装置(1)について、セルの厚みを測定したところ、パネル全面においてセルの厚みのむら(ギャップむら)が認められ、色むらが発生した。
10 タッチ側基板
11 PET基板
12 透明薄膜電極
20 ディスプレイ側基板
21 透明ガラス基板
22 透明薄膜電極
30 面内スペーサー
40 接着剤
50 シール部スペーサー
60 入力ペン
Claims (2)
- 光電子分光法により求められる炭素とケイ素との表面原子比(C/Si)が0.01〜1.0である、シリカ粒子を用いてなる、タッチパネル用スペーサー。
- スペーサーとして、請求項1に記載のタッチパネル用スペーサーを用いてなる、タッチパネル。
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