JP2007131492A - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】型枠を用いたコンクリート製品の製造において、セメント量250kg/m3以下であるゼロスランプのコンクリートを用いた場合でも、表面美観と寸法安定性に優れたコンクリート製品が得られる、コンクリート製品の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオキシアルキレン基を有する特定の単量体1とリン酸モノエステル系単量体2とリン酸ジエステル系単量体3とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体(A)を含有し、単位セメント量が250kg/m3以下であるゼロスランプのコンクリート組成物を、型枠に充填し成形した後、脱型するコンクリート製品の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はコンクリート製品の製造方法に関する。
セメントペースト量の極めて少ないパサパサの硬練りコンクリートを用いて製造するコンクリート製品の製造では、成形時に可塑性が必要であり、成形直後の脱型時には流動性を有しないことが必要である。コンクリート混和剤として知られているナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の汎用のコンクリート混和剤は使用することができない。そのため強烈な振動を与えて製造されるが、コンクリート表面に豆板、す、角欠けなどが生じ易く、振動機から発生する騒音も環境を著しく悪化させていることから、改善が望まれている。例えば、特許文献1には、振動出力を小さくしても表面美観に効果のある製造法が提案されている。一方、セメント用分散剤として、リン酸エステル系の重合物が提案されている(特許文献2)。
特開2001−220195号公報 特開2000−327386号公報
しかしながら、いわゆるゼロスランプのコンクリート(超硬練コンクリートともいう)では、セメント配合における単位量あたりのセメント量(単位セメント量)を低減する、例えば250kg/m3以下にすると、成型性が低下する。
本発明の課題は、型枠を用いたコンクリート製品の製造において、セメント量250kg/m3以下の超硬練コンクリートを用いた場合でも、表面美観と寸法安定性に優れたコンクリート製品が得られる、コンクリート製品の製造方法を提供することにある。
本発明は、下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2と、下記一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体(A)〔以下、(A)成分という〕を含有し、単位セメント量が250kg/m3以下であるゼロスランプのコンクリート組成物を、型枠に充填し成形した後、脱型を行うコンクリート製品の製造方法に関する。本発明ではゼロスランプとは、JIS A 1101で規定するスランプが1cm未満のものを言う。
Figure 2007131492
〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
Figure 2007131492
〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
Figure 2007131492
〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
本発明によれば、加圧振動下において、単位セメント量250kg/m3以下のゼロスランプのコンクリート組成物の型枠への充填性が良好であることから、寸法安定性と表面美観に優れたコンクリート製品の製造が可能となる。
本発明は、超硬練りの水硬性組成物(ゼロスランプ)の単位セメント量の低減を可能とした、コンクリート製品の製造法を提供するものである。本発明では、(A)成分を含有する超硬練り(ゼロスランプ)の水硬性組成物を加圧、振動下で締め固め、脱型した後、養生することで、コンクリート製品が製造される。
成型後の充填性が寄与する表面美観や寸法安定性は、微粒子成分のセメント量が多いほど好ましく、一般に単位セメント量は250kg/m3以上が好ましいとされている(社団法人全国コンクリートブロック協会、昭和57年1月発刊、コンクリート積みブロック製造指針、p21、30条、参照)。しかし本発明は、(A)成分を配合することにより、単位セメント量250kg/m3以下の条件においても表面美観と寸法安定性に優れたコンクリート製品が得られるものである。
<(A)成分>
(A)成分は、前述の一般式(1)で表される単量体1と、前述の一般式(2)で表される単量体2と、前述の一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体である。
[単量体1]
単量体1において、一般式(1)中のR1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基である。R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)r4であり、水素原子が好ましい。R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、更に1〜12、更に1〜4、更に1、2のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。pが0の場合はAOは(CH2)qとエーテル結合、pが1の場合はエステル結合をする。qは0〜2であり、好ましくは0又は1であり、更に好ましくは0である。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、エチレンオキシ基(以下、EO基)を含むことがより好ましく、EO基が70モル%以上、更に80モル%以上、更に90モル%以上、特に全AOがEO基であることが好ましい。rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数であり、重合体の水硬性組成物に対する可塑性付与の点で、3〜300であり、好ましくは4〜120であり、より好ましくは4〜80、さらに好ましくは4〜50、特に好ましくは4〜30である。また、平均r個の繰り返し単位中にAOが異なるもので、ランダム付加又はブロック付加又はこれらの混在を含むものであっても良い。例えばAOは、EO基以外にもプロピレンオキシ基等を含むこともできる。
単量体1としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物付加物が好ましく用いられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の意味であり、(メタ)アリルは、アリル及び/又はメタリルの意味である(以下同様)。
より好ましくはアルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。具体的には、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステル、ω−メトキシポリオキシアルキレンアクリル酸エステル等を挙げることができ、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステルがより好ましい。
(A)成分の製造に用いる単量体1は、例えば、アルコキシポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得ることができる。該エステル化物は、本発明に用いる超硬練りコンクリート組成物に用いた場合の必要添加量及び成形に適する可塑性付与の観点から、未反応の(メタ)アクリル酸は、酸型換算で単量体1に対して5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1.5重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。単量体1の製造時に残留する(メタ)アクリル酸の量を低減する方法として、トッピング、スチーミング、溶媒抽出等が挙げられる。
[単量体2]
単量体2は、一般式(2)において、R11は水素原子又はメチル基であり、R12は炭素数2〜12のアルキレン基である。m1は1〜30の数であり、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(2)中のm1は1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸モノエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル等が挙げられる。例えば、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル〕等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
[単量体3]
単量体3は、一般式(3)において、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基である。m2、m3は、それぞれ1〜30の数であり、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(3)中のm2、m3は、それぞれ1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸ジエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートアシッドリン酸ジエステル等が挙げられる。例えば、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
単量体2及び3は、単量体2及び単量体3を含む混合単量体として用いることができる。また、単量体2及び単量体3として、一般式(4)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させて得られるリン酸エステルを用いても良い。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体は、例えば、一般式(4)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤を所定の仕込み比で反応させることで、反応生成物として製造することもできる。
Figure 2007131492
〔式中、R20は水素原子又はメチル基、R21は炭素数2〜12のアルキレン基、m4は1〜30の数を表す。〕
一般式(4)中のm4は、1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
リン酸化剤としては、オルトリン酸、五酸化リン(無水リン酸)、ポリリン酸、オキシ塩化リン等が挙げられ、オルトリン酸、五酸化リンが好ましい。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いることも出来る。有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させる際のリン酸化剤の量は目的とするリン酸エステル組成に応じ適時決めることができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体として、例えばリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物を製造する場合、公知の技術(例えば特開昭57−180618号)により、合成することができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体としては、モノエステル体とジエステル体とを含む市販品を使用することもでき、例えば、ホスマーM、ホスマーPE、ホスマーP(ユニケミカル)、JAMP514、JAMP514P、JMP100(何れも城北化学)、ライトエステルP−1M、ライトアクリレートP−1A(いずれも共栄社化学)、MR200(大八化学)、カヤマー(日本化薬)、Ethyleneglycol methacrylate phosphate(アルドリッチ試薬)などとして入手できる。
上記の市販品や反応生成物にはモノエステル体(単量体2)とジエステル体(単量体3)以外の化合物を含んでいる事が確認されている。それらの他の化合物は、重合性、非重合性のものが混在していると考えられるが、本発明ではこのような混合物(混合単量体)をそのまま使用することができる。
本発明に係る(A)成分は、単量体1と、単量体2と、単量体3とを、共重合させて得られるリン酸エステル系重合体である。単量体2及び単量体3を含有する混合単量体を用いることも好ましい。
単量体の共重合に際して、単量体1と、単量体2、3とのモル比は、単量体1/(単量体2+単量体3)=5/95〜95/5、更に、10/90〜90/10が好ましい。また、単量体1と単量体2と単量体3のモル比は、単量体1/単量体2/単量体3=5〜95/3〜90/1〜80、更に5〜96/3〜80/1〜60(ただし合計は100である)が好ましい。なお、単量体2と単量体3については、酸型の化合物に基づきモル比やモル%を算出するものとする(以下、同様)。
また、(A)成分の製造では、反応に用いる全単量体中、単量体3の比率を1〜60モル%、更に1〜30モル%とすることが好ましい。
また、単量体2と単量体3のモル比を、単量体2/単量体3=99/1〜4/96、更に99/1〜5/95とすることが好ましい。
ゲル化を抑制する観点から、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液のpHを7以下で反応に用いることが好ましい。
以下、ゲル化抑制、好適分子量の調整及び(A)成分の性能設計の観点から、更に好ましい製造条件を説明する。このような観点から、共重合の際に、単量体1、2及び3の合計モル数に対して4モル%以上、更に6モル%以上、特に8モル%以上の連鎖移動剤を使用することが好ましい。また、連鎖移動剤の使用量の上限は、単量体1、2及び3の合計モル数に対して好ましくは100モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは30モル%以下、特に好ましくは15モル%以下とすることができる。更に詳しくは、(1)単量体1のrが3〜30の場合で、
(1−1)単量体2と単量体3の単量体1、2及び3の合計のモル比が50モル%以上の場合は、連鎖移動剤は、単量体1、2及び3の合計に対して6〜100モル%、特に8〜60モル%を用いるのが好ましく、
(1−2)単量体2と単量体3の単量体1、2及び3の合計中のモル比が50モル%未満の場合は、連鎖移動剤は、単量体1、2及び3の合計に対して4〜60モル%、特に5〜30モル%を用いるのが好ましい。
(2)(A)成分に用いる単量体1のrが30超の場合は、連鎖移動剤は、単量体1〜3に対して6〜50モル%、特に8〜40モル%を用いるのが好ましい。
単量体2と3の反応率は60%以上、更に70%以上、更に80%以上、更に90%以上、特に95%以上を目標に行うことが好ましく、連鎖移動剤の使用量は、この観点から選定することができる。ここに、単量体2と3の反応率は、下記の式によって算出する。
Figure 2007131492
なお、反応開始時と反応終了時の反応系中のリン含有化合物中の単量体2と単量体3のエチレン性不飽和結合の割合(モル%)は、下記の1H−NMRの測定結果に基づき算出することができる。
1H−NMR条件]
水に溶解した(A)成分を減圧乾燥したものを3〜4重量%の濃度で重メタノールに溶解し、1H−NMRを測定する。エチレン性不飽和結合の残存率は、5.5〜6.2ppmの積分値により測定される。なお、1H−NMRの測定は、Varian社製「Mercury 400 NMR」を用い、データポイント数42052、測定範囲6410.3Hz、パルス幅4.5μs、パルス待ち時間10S、測定温度25.0℃の条件で行う。
(A)成分の製造においては、上記単量体1、2及び3の他に、共重合可能なその他の単量体を用いることもできる。共重合可能な他の単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、これら何れかのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのアクリル酸系単量体を挙げることができ、またこれらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、メチルエステル、エチルエステルや無水マレイン酸などの無水化合物であっても良い。更に、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メタスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−エタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などが挙げられる。全単量体中、単量体1、2及び3の合計の割合は、30〜100モル%、更に50〜100モル%、特に75〜100モル%が好ましく、更に、95モル%超〜100モル%、更に97〜100モル%が好ましい。
(A)成分の製造は、好ましくは所定量の連鎖移動剤の存在下で、単量体を共重合させる。また、共重合可能な他の単量体や重合開始剤等を用いても良い。
単量体1、2及び3の反応温度は、40〜100℃、更に60〜90℃が好ましく、反応圧力はゲージ圧で101.3〜111.5kPa(1〜1.1atm)、更に101.3〜106.4kPa(1〜1.05atm)が好ましい。
なお、反応系のpHは、必要に応じて、無機酸(リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等)や、NaOH、KOH、トリエタノールアミンなどを用いて調整できる。
ここで、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液は、pH測定上、含水系(すなわち、溶媒が水を含むこと)である事が好ましいが、非水系の場合には必要量の水を加えて測定しても良い。単量体溶液の均一性、ゲル化防止、性能低下の抑制の観点で、pHは7以下が好ましく、0.1〜6がより好ましく、更に0.2〜4.5が好ましい。また、単量体1もpH7以下の単量体溶液として用いることが好ましい。このpHは、20℃のものである。
本発明では、反応途中(反応開始時〜反応終了時)で採取した反応液の20℃でのpHを、反応中のpHとする。反応中のpHが7以下となることが明らかな条件(単量体比率、溶媒、その他の成分等)で反応を開始することが好ましい。
なお、反応系が非水系の場合は、pH測定可能な量の水を反応系に加えて測定することができる。
(A)成分の製造方法において、単量体1、2及び3は、以下の(1)、(2)に例示した条件で反応を行えば、その他の条件の考慮の下で、通常は、反応中のpHも7以下になると考えられる。
(1)単量体1、2及び3を全て含むpH7以下の単量体溶液を、単量体1、2及び3の共重合反応に用いる。
(2)単量体1、2及び3の共重合反応をpH7以下で開始する。すなわち、単量体1、2及び3を含む反応系を、pH7以下にした後、反応を開始する。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤は、ラジカル重合における連鎖移動反応(成長しつつある重合体ラジカルが他の分子と反応してラジカル活性点の移動が起こる反応)をもたらす機能を有し、連鎖単体の移動を目的として添加される物質である。
連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられ、チオール系連鎖移動剤が好ましい。
チオール系連鎖移動剤としては、−SH基を有するものが好ましく、特に一般式HS−R−Eg(ただし、式中Rは炭素原子数1〜4の炭化水素由来の基を表し、Eは−OH、−COOM、−COOR’または−SO3M基を表し、Mは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表し、R’は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わし、gは1〜2の整数を表す。)で表されるものが好ましく、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、単量体1〜3を含む共重合反応での連鎖移動効果の観点から、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノールが好ましく、メルカプトプロピオン酸が更に好ましい。これらの1種または2種以上を用いることができる。
ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素などが挙げられる。
その他の連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オールなどを挙げることができる。連鎖移動剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
[重合開始剤]
(A)成分の製造方法では、重合開始剤を使用することが好ましく、特に、単量体1、2及び3の合計モル数に対して重合開始剤を5モル%以上、更に7〜50モル%、特に10〜30モル%使用することが好ましい。
水系の重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム塩又はアルカリ金属塩あるいは過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等の水溶性アゾ化合物が使用できる。また、重合開始剤と併用して、亜硫酸水素ナトリウム、アミン化合物などの促進剤を使用することもできる。
[溶媒]
(A)成分の製造では、溶液重合法で実施することができ、その際に使用される溶媒としては、水、あるいは、水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールアセトン、メチルエチルケトン等とを含有する含水溶媒系の溶媒が挙げられる。取り扱いと反応設備から考慮すると、水が好ましい。特に水系の溶媒を用いる場合、単量体2及び/又は単量体3を含む単量体溶液のpHは7以下であることが好ましく、更に0.1〜6、特に0.2〜4で反応に用いて共重合反応を行うことが、モノマー混液の均一性(取り扱い性)、モノマー反応率の観点や、リン酸系化合物のピロ体の加水分解により架橋を抑制する点で好ましい。
(A)成分の製造方法の一例を示す。反応容器に所定量の水を仕込み、窒素等の不活性気体で雰囲気を置換し昇温する。予め単量体1、単量体2、単量体3、連鎖移動剤を水に混合溶解したものと、重合開始剤を水に溶解したものとを用意し、0.5〜5時間かけて反応容器に滴下する。その際、各単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤を別々に滴下してもよく、また、単量体の混合溶液を予め反応容器に仕込み、重合開始剤のみを滴下することも可能である。すなわち、連鎖移動剤、重合開始剤、その他の添加剤は、単量体溶液とは別に添加剤溶液として添加しても良いし、単量体溶液に配合して添加してもよいが、重合の安定性の観点からは、単量体溶液とは別に添加剤溶液として反応系に供給することが好ましい。何れの場合も、単量体2及び/又は単量体3を含有する溶液はpH7以下が好ましい。また、酸剤等により、好ましくはpHを7以下に維持して共重合反応を行い、好ましくは所定時間の熟成を行う。なお、重合開始剤は、全量を単量体と同時に滴下しても良いし、分割して添加しても良いが、分割して添加することが未反応単量体の低減の点では好ましい。例えば、最終的に使用する重合開始剤の全量中、1/2〜2/3の重合開始剤を単量体と同時に添加し、残部を単量体滴下終了後1〜2時間熟成した後、添加することが好ましい。必要に応じ、熟成終了後に更にアルカリ剤(水酸化ナトリウム等)で中和し、本発明に係るリン酸エステル系重合体を得る。この製造例は、本発明に係る(A)成分の製造方法として好適である。
反応系の単量体1、2及び3並びに共重合可能なその他の単量体の総量は、5〜80重量%が好ましく、10〜65重量%がより好ましく、20〜50重量%が特に好ましい。
(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が10,000〜150,000であることが好ましい。この(A)成分は、必要添加量と可塑性付与の観点から、Mwが10,000以上であり、好ましくは12,000以上、さらに好ましくは13,000以上、より好ましくは14,000以上、特に好ましくは15,000以上で、架橋による高分子量化、ゲル化の抑制や性能面では流動性の発現と分離抑制の観点から、150,000以下であり、好ましくは130,000以下、さらに好ましくは120,000以下、より好ましくは110,000以下、特に好ましくは100,000以下であり、前記両者の観点から、好ましくは12,000〜130,000、より好ましくは13,000〜120,000、さらに好ましくは14,000〜110,000、特に好ましくは15,000〜100,000である。この範囲のMwを有し、かつMw/Mnが1.0〜2.6であることが好ましい。ここで、Mnは数平均分子量である。
(A)成分のMw及びMnは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されたものである。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
また、上記条件でのGPC法で得られる分子量分布を示すチャートのパターンにおいて、分子量10万以上の面積が当該チャート全体の面積の5%以下であることが、流動性(必要添加量低減)の点でより好ましい。
<ゼロスランプのコンクリート組成物>
本発明の製造方法では、(A)成分を含有する、単位セメント量が250kg/m3以下であるゼロスランプのコンクリート組成物が用いられる。該コンクリート組成物の単位セメント量は、230〜250kg/m3が好ましく、240〜250kg/m3がより好ましい。セメントとしては、普通ポルトランドセメントの他、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等が挙げられる。
また、単位水量を多くすると寸法安定性の低下を招くばかりではなく、表面美観も低下することから、該コンクリート組成物の単位水量は、120kg/m3以下が好ましく、90〜120kg/m3、更に100〜120kg/m3、特に110〜120kg/m3が好ましい。
該コンクリート組成物における(A)成分の添加量は、セメント100重量部に対して、0.01〜1.0重量部が好ましく、更に、0.05〜0.7部、特に、0.1〜0.5部が充填性の面から好ましい。
本発明に用いられるコンクリート組成物では、(A)成分とともに、公知の添加剤(材)を併用することができる。例えば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、防泡剤や珪砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
さらに、本発明に用いられるコンクリート組成物では単位セメント量を250kg/m3以下でゼロスランプとするために、骨材を含有することが好ましい。骨材として細骨材と粗骨材が挙げられる。細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂等が挙げられ、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石等が挙げられる。成形体の種類によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
本発明の製造方法は、上記(A)成分を含有するゼロスランプのコンクリート組成物を、型枠に充填して、成形した後、脱型を行い、コンクリートブロック、コンクリート板、コンクリート管、ポーラスコンクリート等のコンクリート製品を得るものである。生産性の観点から、型枠に充填完了後、養生をすることなく成形直後に脱型する、すなわち即時脱型することが好ましい。本発明では単位セメント量が250kg/m3以下のゼロスランプのコンクリート組成物を用いるため、即時脱型しても成形体の変形が生じにくい。また、型枠に充填する際には、空隙なく充分に型枠内にコンクリート組成物を充填する観点から、振動成型機よる振動やプレス成型等の加圧操作を行うことが好ましい。本発明では振動や加圧は従来よりも弱いレベルで型枠に充填することが可能である。本発明では、単位セメント量を低減したコンクリート組成物を用いても、成型性に優れることから、コスト低減に有利である。
製造例A1
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水366gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)450g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)71.6gと3−メルカプトプロピオン酸4.5gを混合したものと、過硫酸アンモニウム8.4gを水48gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.8gを水10gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液44.4gで中和し、重量平均分子量35000の重合体a−1を得た。(単量体重合pH:1.0、反応率100%)
なお、本製造例で使用したリン酸エステル化物(A)は、反応容器中にメタクリル酸2-ヒドロキシエチル200gと85%リン酸(H3PO4)36.0gを仕込み、5酸化2リン(無水リン酸)(P2O5)89.1gを温度が60℃を超えないように冷却しながら徐々に添加した後、反応温度を80℃に設定し、6時間反応させ、冷却して得られたものである。以下の製造例の一部でも、このリン酸エステル化物(A)を使用した。
製造例A2
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水371gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)500g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)34.1gと3−メルカプトプロピオン酸2.8gを混合したものと、過硫酸アンモニウム7.2gを水41gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.6gを水9gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液21.2gで中和し、重量平均分子量34000の重合体a−2を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率100%)
製造例A3
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水381gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)520g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)28.6gと3−メルカプトプロピオン酸2.8gを混合したものと、過硫酸アンモニウム7.2gを水41gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.6gを水9gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液17.7gで中和し、重量平均分子量36000の重合体a−3を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率100%)
製造例A4
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水471gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数9)290g(有効分84.4重量%、水分10重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)93.8gと3−メルカプトプロピオン酸11.3gを混合したものと、過硫酸アンモニウム8.2gを水46gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム3.3gを水19gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液58.2gで中和し、重量平均分子量25000の重合体a−4を得た。(単量体重合pH:1.0、反応率99%)
製造例A5
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水489gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数9)290g(有効分84.4重量%、水分10重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)53.2gと3−メルカプトプロピオン酸9.1gを混合したものと、過硫酸アンモニウム7.8gを水44gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム3.1gを水18gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液33.0gで中和し、重量平均分子量21000の重合体a−5を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率98%)
製造例A6
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水189gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数9:新中村化学製NKエステルM90G)40gとリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物(ホスマーM:ユニケミカル(株))43.8gと3−メルカプトプロピオン酸1.6gとを水40gに溶解したものと、過硫酸アンモニウム5.4gを水62gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム2.7gを水31gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム水溶液54.4gで中和し、重量平均分子量51000の重合体a−6を得た。(単量体重合pH:1.1、反応率100%)
製造例A7
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水218gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数23:新中村化学製NKエステルM230G)55gとリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物(ホスマーM:ユニケミカル(株))32.3gと3−メルカプトプロピオン酸1.1gとを水55gに溶解したものと、過硫酸アンモニウム3.8gを水43gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.9gを水22gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム水溶液40.1gで中和し、重量平均分子量51000の重合体a−7を得た。(単量体重合pH:1.3、反応率100%)
製造例B1
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水281.4g仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω-メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数120)336.5gとメタクリル酸22.2gと2-メルカプトエタノール1.89gを水238.2gに溶解したものと、過硫酸アンモニウム3.68gを水45gに溶解したものの二者をそれぞれ1.5時間かけて滴下した。引き続き、過硫酸アンモニウム1.47gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に48%水酸化ナトリウム18.7gで中和し、共重合体b−1を得た。(重量平均分子量79000)
製造例B2
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水246.4g仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で56℃まで昇温した。ω-メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数10)148.8gとメタクリル酸39.2gと3-メルカプトプロピオン酸2.32gを混合したものと、過硫酸アンモニウム5%水溶液43.3gの二者をそれぞれ1.5時間かけて滴下した。その後3時間同温度(56℃)で熟成した。熟成終了後に48%水酸化ナトリウムでpH=6まで中和し、共重合体b−2を得た。(分子量34000)
実施例1〜8及び比較例1〜5
下記のコンクリート配合に、上記で得られた共重合体を表1のように添加してゼロスランプのコンクリート組成物を製造し、振動成型機により図1の形状の成形体を製造した。振動成型機は「千代田DG-3型」(千代田技研社製、二軸アンバランスウエイト上下振動方式)を用い、振動数6100vpm、振動機のモーター出力3.7kW×2の振動で、周波数30Hz(最大加速度2.6G)で30秒間のプレス成型(プレス圧0.34MPa(3.5kg/cm2))を行い、直後に脱型した。得られた成形体を24時間後に肉眼観察し、表面状態と寸法精度を下記の判定で評価した。寸法精度は成型体の高さ(図1中のL)をノギスで測定した。結果を表1に併せて示す。表面状態の評価での空隙とは、型枠内でコンクリートが充填されるべきところ、充填されていない部分をいう。
(コンクリート配合)
セメント:C=240kg(太平洋社製、普通ポルトランドセメント、密度=3.16g/cm3
水:W=115kg(水道水)
細骨材:S=964kg(千葉県君津産、密度=2.60g/cm3
粗骨材:G=1096kg(和歌山産砕石、密度=2.62g/cm3
W/C=47.9%
S/A=47.0%
(表面状態)
◎…角欠け、空隙なし
○…角欠けなし、空隙僅かに有り
△…角欠けと空隙僅かにあり
×…角欠け、空隙多数あり
(寸法精度)
◎…1mm未満の誤差
○…1mm以上3mm未満の誤差
△…3mm以上7mm未満の誤差
×…7mm以上の誤差
Figure 2007131492
(注)
表中、共重合体の添加量は、セメント100重量部に対する重量部である。また、比較品1、比較品2は以下のものである。
・比較品1:特開2005−22907号公報の表5、実施例1−8の添加剤
・比較品2:特開2005−22907号公報の表6、実施例1−16の添加剤
実施例で製造したコンクリート成型体の略示図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2と、下記一般式(3)で表される単量体3とを共重合して得られるリン酸エステル系重合体(A)を含有し、単位セメント量が250kg/m3以下であるゼロスランプのコンクリート組成物を、型枠に充填し成形した後、脱型を行うコンクリート製品の製造方法。
    Figure 2007131492

    〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)rR4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
    Figure 2007131492

    〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
    Figure 2007131492

    〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
  2. ゼロスランプのコンクリート組成物の単位水量が120kg/m3以下である、請求項1記載のコンクリート製品の製造方法。
  3. ゼロスランプのコンクリート組成物を型枠に充填し成形直後に脱型を行う、請求項1又は2記載のコンクリート製品の製造方法。
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