JP2007131484A - 膨張材、セメント組成物、及びそれを用いたセメントコンクリート - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリートの流動性を損ねることや、ポップアウト現象が無く、少ない添加量で膨張性を付与できる、主に土木・建築分野において使用される膨張材、セメント組成物、及びそれを用いたセメントコンクリートを提供する。
【解決手段】 5μm未満の粒子含有率が5%以下及び/又は150μm以上の粒子含有率が3%以下である膨張材、90μm以上の粒子含有率が3%以下である該膨張材、20μm未満の粒子含有率が20%以下である該膨張材、凝集度が20%未満である該膨張材、アウインと無水石膏とを主成分とする、遊離石灰と無水石膏を主成分とする、遊離石灰と、アウイン、カルシウムシリケート、又は、カルシウムアルミノフェライトと、無水石膏とを主成分とする該膨張材、遊離石灰含有量が10〜70%である該膨張材、セメントと該膨張材を含有してなるセメント組成物、並びに、該セメント組成物を用いてなるセメントコンクリートを構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に土木・建築分野において使用される膨張材、セメント組成物、及びそれを用いたセメントコンクリートに関するものである。
コンクリート構造物のひび割れ抑制は、耐久性の向上、美観、及び維持補修コストの低減などの面から重要である。
これまでに、コンクリートのひび割れを抑制する方法が種々提案されており、中でも膨張材はその中心的な役割を担っている。
コンクリート用の膨張材としては、例えば、遊離石灰−アウイン−無水石膏系や遊離石灰−カルシウムシリケート−無水石膏系が一般的に知られており、最近では、従来よりも少ない添加量でコンクリートのひび割れを低減できる高性能型膨張材も開発されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)。
これら従来の膨張材は、コンクリートに添加すると初期の流動性を損ねることがあり、減水剤の添加量を調整する必要があった。
また添加した膨張材が凝集していたりすると、局所的に大きな膨張力がはたらき、コンクリート表面が剥離する、いわゆる、ポップアウト現象等が問題となっていた。
さらに、これら膨張材は比較的高価なため、より少ない添加量で膨張性を付与できるものが求められている。
特公昭42−021840号公報 特公昭53−031170号公報 特開平07−232944号公報 特開2000−316147号公報
本発明者は、特定の粒度構成を付与した膨張材を使用することによって、前記課題が種々解決することができることを知見し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、5μm未満の粒子含有率が5%以下及び/又は150μm以上の粒子含有率が3%以下である膨張材であり、90μm以上の粒子含有率が3%以下である該膨張材であり、20μm未満の粒子含有率が20%以下である該膨張材であり、5μm以上、90μm未満の粒子含有率が92%以上である該膨張材であり、20μm以上、90μm未満の粒子含有率が77%以上である該膨張材であり、凝集度が20%未満である該膨張材であり、膨張材が、アウインと無水石膏とを主成分とする、遊離石灰と無水石膏を主成分とする、遊離石灰と、アウイン、カルシウムシリケート、又は、カルシウムアルミノフェライトと、無水石膏とを主成分とする該膨張材であり、遊離石灰含有量が、10〜70%である該膨張材であり、セメントと該膨張材を含有してなるセメント組成物であり、該セメント組成物を用いてなるセメントコンクリートである。
本発明の膨張材を使用することによって、コンクリートの流動性を損ねることが無く、また、コンクリート表面が剥離するポップアウト現象が生じず、従来の膨張材よりもさらに少ない添加量で同等以上の膨張性を付与できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に規定のない限り質量基準で示す。
また、本発明でいうセメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称するものである。
本発明で使用する膨張材は、5μm未満の粒子含有率が5%以下である。5μm未満の粒子含有率が5%を超えるとコンクリートの流動性を損なったり、膨張材の粒子が凝集しやすくなりポップアウトが生じる場合がある。
また、本発明で使用する膨張材は、150μm以上の粒子含有率が3%以下である。150μm以上の粒子含有率が3%を超えるとポップアウト現象を生じる場合がある。
さらに、本発明では、5μm未満の粒子含有率が5%以下で、150μm以上の粒子含有率が3%以下であることが、また、90μm以上の粒子含有率が3%以下であることが、さらに、20μm未満の粒子含有率が20%以下であることがより好ましい。
また、本発明では、5μm以上、90μm未満の粒子含有率が92%以上であることが、さらに、20μm以上、90μm未満の粒子含有率が77%以上であることが、膨張材の少ない使用量でより高い膨張性とひび割れ抵抗性を得る面でより好ましい。
膨張材の粒度の測定方法には、光の散乱強度を測定する動的光散乱法、粒子の大きさと沈降速度の関係から算出する粒径遠心沈降法、電解質溶液中で電気回路を粒子が横切る際の電気抵抗の変動を測定する電気的検知体法など種々あるが、最も一般的な方法は、レーザー回折・散乱法である。
レーザー回折・散乱法は、(1)粒子の輪郭での回折、(2)粒子の内側と外側両表面での反射、(3)分散媒と粒子の間の界面で起こる屈折、(4)粒子内部での光吸収の4つの相互作用を利用するもので、散乱光の強度パターンが粒子径とともに変化し、この変化を捉えて粒子径を測定する方法である。
この原理を利用した装置は種々市販されており、いずれも使用が可能であり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置、HORIBA社製商品名「LA920」を使用することが可能である。
サンプルは、膨張材試料をエタノールなどの分散媒に加えて、透過度が80〜90%となるように調整し、装置に投入する。超音波を照射して充分に分散させた後、測定を行う。測定結果は粒子径と頻度の関係で示される。
なお、相対屈折率は、分散媒の屈折率に対する膨張材試料の屈折率の比で決定される値を用いた。
また、使用する装置は粒度構成が明らかになっているAl2O3標準試料などを用いて校正する必要があり、校正を行えば他のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いることも可能である。
本発明で規定する凝集度とは、粉粒体の物理特性を表す指標の一つである。
凝集度を測定する方法としては、例えば、下から、44μm、74μm、及び149μmの各篩目を持つ篩いを重ね、振動台にセットし、試料2gを入れ、振幅が1mmとなるよう振動を与える。振動を与える時間T(秒)は、動的見かけ比重Wとの関係式 T=20+(1.6−W)/0.016 ただし、W=(P−A)×(C/100)+A から求めた。
ここで、Pは固め見かけ比重、Aはゆるみ見かけ比重、Cは圧縮度(%)である。
固め見かけ比重Pは、試料100ccを所定の容器に入れ、180回のタッピングを行った状態の試料の単位容積質量であり、ゆるみ見かけ比重Aは、試料を自由落下させて容器に詰めたときの単位容積質量であり、圧縮度Cは、固め見かけ比重とゆるみ見かけ比重とから、C(%)=100×(P−A)/Pの式で求めたものである。
上記の操作終了後、各篩いに残った粉体質量を測定し、凝集度(%)を次のように計算する。
凝集度(%)=(44μmの篩に残った粉体質量/2g)×(1/5)×100+(74μmの篩に残った粉体質量/2g)×(3/5)×100+(149μmの篩に残った粉体質量/2g)×100
凝集度測定装置としては、例えば、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターなどを用いることが可能である。
本発明の凝集度は20%未満が好ましい。20%以上ではコンクリートの流動性が低下したり、膨張材がコンクリート中に均一に分散されず、結果としてポップアウトが生じる場合がある。
本発明で使用する膨張材は、CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料、SiO2原料、及びCaSO4原料等を所定量配合して、熱処理し、アウインと無水石膏とを含有する、また、遊離石灰と、アウイン、カルシウムシリケート、又はカルシウムアルミノフェライトの水硬性化合物と、無水石膏とを含有するクリンカーを合成する。遊離石灰、水硬性化合物、及び無水石膏を混合しても、本発明の膨張材として使用可能であるが、優れた膨張性能を得るためには、遊離石灰、水硬性化合物、及び無水石膏全部を一度に熱処理してクリンカーとすることが好ましい。
ここで、CaO原料としては石灰石や消石灰等が挙げられ、Al2O3原料としてはボ−キサイトやアルミ残灰等が挙げられ、Fe2O3原料としては銅カラミ、鉄粉、及び市販の酸化鉄等が挙げられ、SiO2原料としては市販の二酸化ケイ素や珪石等が挙げられ、CaSO4原料としては二水石膏、半水石膏、及び無水石膏などが挙げられる。
これら原料中には各種の不純物が存在することももちろん可能である。その具体例としては、Na2O、K2O、MgO、TiO2、及びP2O5などが挙げられ、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない。
本発明の膨張材に使用されるクリンカーを製造する際の熱処理温度は、1,100〜1,600℃が好ましく、1,200〜1,500℃がより好ましい。1,100℃未満では得られた膨張材の膨張性能が充分でなく、1,600℃を超えると無水石膏が分解する場合がある。
本発明の膨張材は、アウインと無水石膏、又は、遊離石灰と、アウイン、カルシウムシリケート、若しくはカルシウムアルミノフェライトの水硬性化合物と、無水石膏とを含有するものが好ましい。
本発明では、カルシウムフェライトも水硬性化合物として使用可能である。
ここでアウインとは、一般的に、3CaO・3Al2O3・CaSO4で表されるものである。
また、カルシウムシリケート(以下、C3Sという)とは、CaO−SiO2系を総称するものであり特に限定されるものではないが、一般的に、2CaO・SiO2や3CaO・SiO2がよく知られている。通常は、3CaO・SiO2として存在していると考えられる。
さらに、カルシウムアルミノフェライト(以下、C4AFという)とは、CaO−Al2O3−Fe2O3系を総称するものであり特に限定されるものではないが、一般的に、4CaO・Al2O3・Fe2O3や6CaO・Al2O3・2Fe2O3などの化合物がよく知られている。通常は、4CaO・Al2O3・Fe2O3として存在していると考えられる。
そして、カルシウムフェライト(以下、C2Fという)とは、CaO−Fe2O3系を総称するものであり特に限定されるものではないが、2CaO・Fe2O3などの化合物がよく知られている。
本発明では、水硬性化合物として、アウイン、C3S、C4AF、及びC2Fの一種又は又は二種以上を使用することが可能である。
本発明で使用する無水石膏は特に限定されるものではなく、I型、II型、又はIII型のいずれの形態のものも使用可能である。
本発明では、膨張材100部中の、アウイン、無水石膏、遊離石灰、カルシウムシリケート、カルシウムアルミノフェライト、及びカルシウムフェライトの含有量は、用途によって異なるため特に限定されるものではないが、アウインは5〜50部が好ましく、10〜30部がより好ましい。また、カルシウムシリケート、カルシウムアルミノフェライト、又はカルシウムフェライトは5〜20部が好ましく、10〜15部がより好ましい。この範囲より少ない場合には貯蔵安定性が悪くなる場合があり、この範囲より多いと膨張量が不足する場合がある。
また、遊離石灰の含有量は、膨張材100部中、0〜70部が好ましく、30〜50部がより好ましい。70部を超えるとコンクリートの流動性が低下する場合がある。
さらに、無水石膏の含有量は、膨張材100部中、10〜50部が好ましく、20〜40部がより好ましい。この範囲外では優れた膨張性能が得られない場合がある。
本発明の膨張材に所定量の鉱物が含有量されているかどうかは、次に示すX線回折リートベルト法などよって定量可能である。
例えば、粉砕した膨張材に、酸化アルミニウムや酸化マグネシウムなどの内部標準物質を所定量添加し、めのう乳鉢で充分混合したのち、粉末X線回折測定を実施する。測定結果を定量ソフトで解析する。定量ソフトには、Sietronics社の「SIROQUANT」を用いた。
本発明の膨張材の配合量は目的によって異なるため特に限定されるものではないが、通常、セメントと膨張材の合計100部中、2〜10部が好ましく、5〜7部がより好ましい。膨張材の配合量が多すぎると膨張量が大きすぎて強度低下を引き起こす場合があり、逆に、少なすぎると所定のひび割れ抑制効果が得られない場合がある。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、エコセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
本発明では、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、粉末ポリマ−、凝結調整剤、デキストリンなどの糖類、セメント急硬材、ベントナイトやゼオライトなどの粘土鉱物、及びハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明の膨張材をコンクリートと配合する際の混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどが挙げられる。
本発明のコンクリートの養生方法は特に限定されるものではなく、屋外養生、水中養生、気中乾燥養生、蒸気養生、及びオートクレーブ養生などを採用することが可能である。
以下、実施例、比較例をあげてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料、SiO2原料、及びCaSO4原料を所定量配合して、混合粉砕した後、電気炉を用いて、1,350℃で3時間熱処理し、遊離石灰50部、アウイン10部、C3S5部、C4AF5部、及び無水石膏30部のクリンカ−を合成し、表1に示す粒度構成に粉砕し、膨張材を調製した。
各材料の単位量を、水170kg/m3、セメント298kg/m3、膨張材20kg/m3、細骨材807kg/m3、及び粗骨材997kg/m3とし、水結合材比53.5%、細骨材率45%、及び空気量4.5%とし、減水剤をセメントと膨張材の合計100部に対して0.4部配合したものをコンクリート試料とし、練り上がったコンクリートを5mm篩いでスクリーニングして得られたものをモルタル試料とした。
長さ変化率、凝集度、ポップアウトの有無、及びひび割れ抑制効果を評価した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
CaO原料 :試薬1級炭酸カルシウム
Al2O3原料 :試薬1級酸化アルミニウム
Fe2O3原料 :試薬1級酸化第二鉄
SiO2原料 :試薬1級二酸化ケイ素
CaSO4原料 :試薬1級二水石膏
セメント :普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製
細骨材 :姫川水系産川砂、比重2.62
粗骨材 :姫川水系産川砂利、比重2.65
減水剤 :市販ポリカルボン酸塩系高性能AE減水剤
水 :水道水
<測定方法>
長さ変化率:モルタル試料を用い、JIS A 6202に準じて材齢3日と7日の長さ変化率を測定
凝集度 :ホソカワミクロン社製パウダテスタ商品名「TYPE PT-E」を用い、下から44μm、74μm、及び149μmの各篩目を持つ標準篩いを重ね、振動台にセットし、試料2gを入れ、振幅が1mmとなるよう振動を与えた。振動を与える時間T(秒)は、動的見かけ比重Wとの次の関係式から求めた。
T=20+(1.6−W)/0.016 W=(P−A)×(C/100)+A
ここで、Pは固め見かけ比重、Aはゆるみ見かけ比重、Cは圧縮度(%)である。
固め見かけ比重Pは、試料100ccを所定の容器に入れ、180回のタッピングを行った状態の試料の単位容積質量であり、ゆるみ見かけ比重Aは、試料を自由落下させて容器に詰めたときの単位容積質量であり、圧縮度Cは、固め見かけ比重とゆるみ見かけ比重とから、C(%)=100×(P−A)/Pの式で求めた。
所定の振動を与え、各篩いに残った粉体質量を測定し、下記の式から凝集度を求めた。
凝集度=(下段44μmの篩いに残った粉体質量/2g)×(1/5)×100+(中段74μmの篩いに残った粉体質量/2g)×(3/5)×100+(上段149μmの篩いに残った粉体質量/2g)×100
ポップアウトの有無:モルタル試料を幅20cm、長さ20cm、高さ4cmの型枠に詰め、表面観察より、ポップアウトの有無を確認した。
ひび割れ抑制効果:コンクリート試料をJIS A 6202 B法の型枠に詰め、所定養生終了後、拘束端板を除去し、JIS A 1106の曲げ試験を実施した。ひび割れ抑制効果は、膨張材無混和のコンクリートの曲げ強度に対する比で表記した。
Figure 2007131484
実験例2
CaO原料、Al2O3原料、及びCaSO4原料を所定量配合して、遊離石灰30部、アウイン30部、及び無水石膏40部を含有するクリンカ−を合成し、表2に示す粒度構成に粉砕し、膨張材を調製した。
各材料の単位量を、水170kg/m3、セメント288kg/m3、膨張材30kg/m3、細骨材807kg/m3、及び粗骨材997kg/m3とし、練り上がり直後のスランプが15cm±1cmの流動性を示すように減水剤添加率を調整したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
Figure 2007131484
実験例3
CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料、SiO2原料、及びCaSO4原料を所定量配合して、表3に示すクリンカーを合成し、粉砕し、5μm未満2%、5μm以上20μm未満47%、20μm以上90μm未満38%、90μm以上150μm未満11%、及び150μm以上2%の粒度構成の膨張材を調製したこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表3に併記する。
Figure 2007131484
実験例4
CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料、SiO2原料、及びCaSO4原料を所定量配合して、遊離石灰50部、アウイン10部、C3S5部、C4AF5部、及び無水石膏30部を含有するクリンカ−を合成し、表4に示す粒度構成に粉砕して膨張材を調製し、表4に示す凝集度となるよう配合したこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表4に併記する。
Figure 2007131484
実験例5
CaO原料、Al2O3原料、Fe2O3原料、SiO2原料、及びCaSO4原料を所定量配合して、遊離石灰50部、アウイン10部、C3S5部、C4AF5部、及び無水石膏30部を含有するクリンカ−を合成し、5μm未満0%、5μm以上20μm未満19%、20μm以上90μm未満81%、90μm以上150μm未満0%、及び150μm以上0%の粒度構成の膨張材を調製した。
調製した膨張材を、セメントと膨張材の合計100部中、表5に示す量配合したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
なお、長さ変化率は、コンクリート試料を用いて、JIS A 6202 B法に準じて測定した。
市販の膨張材を使用して同様に実験を行った。結果を表5に併記する。
<使用材料>
膨張材A :エトリンガイト系膨張材、市販品
膨張材B :石灰−エトリンガイト複合系膨張材、市販品
Figure 2007131484
本発明の膨張材を用いることによって、減水剤の添加量を抑えることができ、またコンクリート表面が剥離するポップアウト現象が生じにくくコンクリート表面の仕上がりが良好で、さらに従来の膨張材よりも少ない添加量で同等以上の膨張性を付与することが可能であることが分かる。またひび割れ抑制効果も高くコンクリートを使用する土木・建築分野で利用できる。

Claims (14)

  1. 5μm未満の粒子含有率が5%以下及び/又は150μm以上の粒子含有率が3%以下である膨張材。
  2. 90μm以上の粒子含有率が3%以下である請求項1に記載の膨張材。
  3. 20μm未満の粒子含有率が20%以下である請求項1又は請求項2に記載の膨張材。
  4. 5μm以上、90μm未満の粒子含有率が92%以上である請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  5. 20μm以上、90μm未満の粒子含有率が77%以上である請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  6. 凝集度が20%未満である請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  7. 膨張材が、アウインと無水石膏とを主成分とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  8. 膨張材が、遊離石灰と無水石膏とを主成分とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  9. 膨張材が、遊離石灰、アウイン、及び無水石膏を主成分とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  10. 膨張材が、遊離石灰、カルシウムシリケート、及び無水石膏を主成分とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  11. 膨張材が、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト、及び無水石膏を主成分とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  12. 遊離石灰含有量が、10〜70%である請求項8〜請求項11のうちのいずれか1項に記載の膨張材。
  13. セメントと、請求項1〜請求項12のうちのいずれか1項に記載の膨張材を含有してなるセメント組成物。
  14. 請求項13に記載のセメント組成物を用いてなるセメントコンクリート。
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