JP2007130756A - 粘性食品の切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 切断刃を、粘性食品の移送速度に合わせる調整を簡単に行える粘性食品の切断装置を提供する。
【解決手段】 切断刃2は、刃前後移動用部材と刃上下移動用部材とにより支持される。検知部材54aが第1ベルトコンベア11上の粘性食品の先端を検知し、軸駆動用モータ53が作動して軸部52を回転させ、これにより、切断刃2を軸部52に沿って前方から後方に移動開始させる。刃上下移動用部材は、シリンダー56と、検知部材57とを備え、検知部材57が粘性食品の先端を検知することにより、シリンダー56を作動させ、切断刃2を、前方から後方に移動開始した後、上方から下方に移動開始させる。速度同調機構は、軸駆動用モータ53とコンベア駆動用モータ3とを同調させることにより、第1ベルトコンベア11の動きに合わせて切断刃2の前方側から後方側に移動させる。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、バターやマーガリン等の粘性食品を切断する粘性食品の切断装置の改良に関するものである。
実公平6−45357号公報
一般に、バターやマーガリン等の粘性食品は、前加工された状態で押し出し機によって吐出口から走行するコンベア上に吐出され、そのコンベア上に上下移動可能に設置された切断刃により、所定長さごとに連続的に切断される。しかし、このような切断に際し、切断刃が真っ直ぐ下方に下ろして切断しようとすると、コンベア上の粘性食品がコンベアによって前方から後方に連続的に移送されているため、切断刃が粘性食品の切断中に、粘性食品が切断刃にぶつかってしまい、粘性食品が変形してしまうという課題を有する。
そのため、本出願人は、切断刃を、粘性食品の移送に合わせて前方から後方に移動させ得るマーガリン等の食品切断装置を、実公平6−45357号公報に提案した。この食品切断装置は、図6に示すように、コンベアa上に設置した斜交ガイドbと、斜交ガイドbを前後に案内する前後方向ガイドcと、切断刃dを斜交ガイドbに沿って移動させる第1駆動手段eと、斜交ガイドbを前後方向ガイドcに沿って前後に移動させる第2駆動手段fとを備えたものであり、又、斜交ガイドbを、前方側から後方側に(図の右から左)傾斜させ、第1駆動手段eにより切断刃dを同方向に降下させることにより、切断刃を、コンベアa上の粘性食品Nの移送に合わせて前方から後方に移動させつつ、上方側から下方側に移動させてコンベアa上の粘性食品Nを切断できるようにしたものである。こうすることにより、切断中に粘性食品Nと切断刃dとがぶつかることなく行うことができる。
ところが、コンベアaの速度を変えて使用する場合や、使用中にコンベアaの速度と切断刃dの前方側への送り速度とがずれを起こしたような場合等に、それに応じて第1駆動手段eや第2駆動手段f等を調整しなければならず、しかも、その調整が難しく、時間を要するという課題がある。又、上記のように斜交ガイドbや前後方向ガイドc等の切断刃dを案内移動させるための部材点数が多く、装置が複雑化するとともに、コスト高になってしまうという課題がある。
本願発明は、以上の実情に鑑み提案されたもので、切断刃を、常時粘性食品の移送速度に合わせて移動させながら切断でき、しかも、粘性食品の移送速度に合わせる調整を簡単に行える粘性食品の切断装置を提供することを目的とする。
本願発明は、以下の特徴を有する粘性食品の切断装置を提供することにより上記課題を解決する。
本願第1の発明は、マーガリン等の粘性食品を載置して移送する移送部材1と、粘性食品を切断する切断刃2と、速度同調機構3、53とが備えられる。
切断刃2は、移送部材1の上方側に、上下方向及び移送部材の移送方向に沿う前後方向に移動可能に配位される。
又、速度同調機構3、53は、切断刃2の前方側から後方側への移動速度と、移送部材1の移送速度とを略同速度に調整するものである。
そして、この速度同調機構3、53によって、切断刃2が、移送部材1の上方側を、移送部材1の移送速度に合わせて前方側から後方側へ移動しつつ、同時に上方側から下方側に移動して移送部材1上の粘性食品を切断し得るようになされたものである。
本願第2の発明は、本願第1の発明に係る切断刃2が、前方移動開始手段54a、55によって前方側から後方側に移動を開始し、下方移動開始手段57、55によって上方側から下方側に移動を開始するようになされたものである。
この下方移動開始手段57、55は、前方移動開始手段54a、55により前方側から後方側への切断刃2の移動を開始させた後に、上方側から下方側に切断刃2の移動を開始させるものである。そして、この下方移動開始手段57、55によって、切断刃2が前方側から後方側へ所定間だけ移動した後に、移送部材1の移送速度に合わせて前方側から後方側へ移動しつつ、同時に上方側から下方側に移動可能とされたものである。
本願第3の発明は、本願第2の発明に係る前方移動開始手段54a、55が、移送部材1上を移送してくる粘性食品の先端を検知し得る検知部材54aを備えることにより、検知部材54aの粘性食品の先端の検知に伴い前方移動開始手段54a、55が前方側から後方側に切断刃2の移動を開始させるものである。
又、下方移動開始手段57、55は、移送部材1上を移送してくる粘性食品の先端を検知し得る検知部材57を備えることにより、検知部材57の粘性食品の先端の検知に伴い、下方移動開始手段57、55が上方側から下方側に切断刃2の移動を開始させるのである。
又、この下方移動開始手段57、55の検知部材57は、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aから所定距離を隔てた後方側に配位されたものである。
以上のように構成された本願第1の発明においては、速度同調機構3、53によって、切断刃2の前方側から後方側への移動速度と、移送部材1の移送速度とを略同速度に調整するため、切断刃2を、常時移送部材1の移送速度に合わせて前方側から後方側へ移動させつつ、同時に上方側から下方側に移動させて移送部材1上の粘性食品を切断することができる。これにより、移送部材1の速度を変えて使用する場合にも、速度同調機構3、53によって自然と切断刃2の前方側から後方側への移動速度を、移送部材1の移送速度と略同速度に調整して合わせることができる。しかも、簡単な構成で良く、低コストで製作し得る。
本願第2の発明においては、下方移動開始手段57、55を、前方移動開始手段54a、55により前方側から後方側への切断刃2の移動を開始させた後に、上方側から下方側に切断刃2の移動を開始させるものとする。例えば、切断に際し、切断刃2を、停止した状態から前方側から後方側への移動と、上方側から下方側への移動とを同時に開始させると、停止した状態から即座に所定速度で移動している部材の動きに合わせなければならず、機械的に困難であり、停止した状態から動き始めた当初においては誤差を生じる危険性がある。しかし、この本願第2の発明では、切断刃2を移動させ始めた当初は、前方移動開始手段54a、55により切断刃2を前方側から後方側にのみ移動させ、その移動の間に所定速度で移動している移送部材1の動きに合わせることができる。そして、その後に、前方移動開始手段54a、55及び下方移動開始手段57、55により、切断刃2を前方側から後方側へ移動させつつ、同時上方側から下方側へ移動させて切断を開始するため、切断刃2を確実に移送部材1の移送速度に合わせた状態で切断できる。
本願第3の発明においては、例えば図1に示すように移送部材1上に載置されて移送されてくる粘性食品を、まず、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aが検知し、前方移動開始手段54a、55が切断刃2を前方側から後方側にのみ移動させ、その後、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aを通過した後の粘性食品を、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aより所定距離だけ後方側に配位させた下方移動開始手段57、55の検知部材57が検知し、下方移動開始手段57、55が、前方側から後方側に移動している切断刃2を同時に上方側から下方側に移動させることができる。こうすることにより、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aと、下方移動開始手段57、55の検知部材57との間隔分を、切断刃2を移送部材1の動きに合わせるための調整区間にでき、調整区間の設定を容易なものにできる。又、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aが、切断後の粘性食品の先端を検知して切断刃2が動き始めるため、検知部材54aと、移動開始前の切断刃2との間隔が、粘性食品の切断長さになる。従って、検知部材54aと、移動開始前の切断刃2との間隔を設定すれば粘性食品の切断長さを決定でき、粘性食品の切断長さを容易に決定できる。
以上、本願第1の発明は、速度同調機構3、53によって、切断刃2を、常時移送部材1の移送速度に合わせて前方側から後方側へ移動させつつ、同時に上方側から下方側に移動させて移送部材1上の粘性食品を切断することができ、移送部材1の速度を変えて使用する場合にも、速度同調機構3、53によって自然と切断刃2の前方側から後方側への移動速度を、移送部材1の移送速度と略同速度に調整して合わせることができる。しかも、簡単な構成で良く、低コストで製作し得る。
本願第2の発明は、切断刃2を移動させ始めた当初、前方移動開始手段54a、55により切断刃2を前方側から後方側にのみ移動させるため、その移動の間に所定速度で移動している移送部材1の動きに合わせることができる。そして、その後に、前方移動開始手段54a、55及び下方移動開始手段57、55により、切断刃2を前方側から後方側へ移動させつつ、同時上方側から下方側へ移動させるため、切断刃2を確実に移送部材1の移送速度に合わせた状態で切断できる。
本願第3の発明は、前方移動開始手段54a、55の検知部材54aと、下方移動開始手段57、55の検知部材57との間隔分を、切断刃2を移送部材1の動きに合わせるための調整区間にでき、調整区間の設定を容易なものにできる。又、検知部材54aと、前方開始直前の切断刃2との間隔を設定すれば粘性食品の切断長さを決定でき、粘性食品の切断長さを容易に決めることができるものとなる。
以下、図を基に本願発明の一実施形態を具体的に説明する。
図1は、本願発明の一実施形態の粘性食品の切断装置全体を示す概略図である。
本願発明の粘性食品の切断装置は、移送部材1と、切断刃2と、速度同調機構とが備えられている。
移送部材1は、マーガリン等の粘性食品を載置して移送するためのもので、第1ベルトコンベア11と、第2ベルトコンベア12とを備えている。第1ベルトコンベア11は、押し出し機(図示せず)によってノズル13の吐出口13aから吐出してくる粘性食品を前端側(図示の右端側)の上面上に順次受容するようになされている。そして、この第1ベルトコンベア11は、前端側の駆動ホイール11aに接続されたコンベア駆動用モータ3の駆動力によりホイール11aが回転するに伴って前方から後方に可動し、この可動により、その受容した粘性食品を後方側(図示の左方側のX方向)に移送し得るようになされている。尚、第1ベルトコンベア11で移送する粘性食品は、ノズル13の吐出口13aの形状を変えることによって種々の断面形状のものに形成して移送できるが、その形状は特に限定されず、例えば図4(A) に示すような四角形状等の角形状や円形、楕円等に形成された一つの吐出口13aを有するものを使用し、或いは、図4(B) に示すように、四角形状からなる複数の小孔13b…13bを有する吐出口13aや円形状からなる複数の小孔13b…13bを有する吐出口13aにより複数本のペンシル状の粘性食品を吐出して移送するようにしても良く、適宜変更し得る。
第2ベルトコンベア12は、第1ベルトコンベア11の後方側に接続され、第1ベルトコンベア11から移送されてくる粘性食品を上面上に受容し、後方側に移送し得るようになされている。
又、この第2ベルトコンベア12は、第1ベルトコンベア11の駆動ホイール11aに変速機14を介して接続されており、第1ベルトコンベア11と共に可動し得るようになされているとともに、変速機14によって第2ベルトコンベア12の移送速度が第1ベルトコンベア11の移送速度よりやや速くなるように設定されている。
切断刃2は、粘性食品を切断するためのもので、支持部材5に第1ベルトコンベア11上を、上下方向に移動可能、且つ前後方向に移動可能に支持されている。詳しくは、この支持部材5は、第1ベルトコンベア11上に設置された枠体51と、切断刃2を前後方向に移動させるための刃前後移動用部材と、切断刃2を上下方向に移動させるための刃上下移動用部材とを備えている。
刃前後移動用部材は、軸部52と、軸部52を回転駆動させるための軸駆動用モータ53と、軸駆動用モータ53の作動を制御するための軸駆動用モータ制御手段とを備えている。軸部52は、外周に左雄ネジが刻設されたものからなり、軸方向を前後方向に沿うように伸ばされている。そして、軸部52の前後両端部が枠体51の前部と後部各々に、左回転及び右回転可能に取り付けられており、後述するように本実施形態では軸部52の右回転により切断刃2を前方側から後方側に移動させ、軸部52の左回転により切断刃2を後方側から前方側に移動させる。
軸駆動用モータ53は、左回転、右回転切替え可能なものから構成され、軸部52の後部側に回転伝達可能に接続されて枠体51に取り付けられている。そして、この軸駆動用モータ53の始動によって、軸部52が左回転又は右回転する。
軸駆動用モータ制御手段は、軸駆動用モータ53の右回転の作動を開始させることにより切断刃2の前方側から後方側への移動を開始させる前方移動開始手段と、軸駆動用モータ53の右回転から左回転に切り換える切り換え手段と、軸駆動用モータ53の左回転を停止させることにより切断刃2の後方側から前方側への移動を止める停止手段とを備えている。前方移動開始手段は、前方移動開始用検知部材54aと、軸駆動用モータ53の右回転を作動させる作動制御部55とを備えている。前方移動開始用検知部材54aは、作動制御部55と電気的に接続され、枠体51の後方側における移送部材1の上方側に設置された光電管54aから構成されており、移送部材1上を移送されてくる粘性部材の先端を検知しそれを作動制御部55に連絡し得るようになされている。作動制御部55は、軸駆動用モータ53に電気的に接続され、前方移動開始用検知部材54aからの連絡を受けて軸駆動用モータ53の右回転を始動させる。切り換え手段は、切り換え用検知部材54bと、上記の作動制御部55とからなる。切り換え用検知部材54bは、作動制御部55と電気的に接続され、枠体51の後部側における上方側に設置された光電管54bから構成されており、後述の刃上下移動用部材の一部をなすシリンダー本体56の左端一部を検知しそれを作動制御部55に連絡し得るようになされている。そして、作動制御部55は、切り換え用検知部材54bからの連絡を受けて軸駆動用モータ53の右回転を停止させて左回転に切り換える。又、停止手段は、停止用検知部材54cと、上記の作動制御部55とからなる。停止用検知部材54cは、枠体51の前部側における上方側に設置された光電管54cから構成されており、シリンダー本体56の右端一部を検知しそれを作動制御部55に連絡し得るようになされている。そして、作動制御部55は、停止用検知部材からの連絡を受けて軸駆動用モータ53の左回転を停止させる。
刃上下移動用部材は、シリンダー56と、下方移動開始手段とを備えている。シリンダー56は、シリンダー本体56aと、シリンダー本体56aを上下方向に摺動し得るロッド56bとを備えている。このシリンダー本体56aは、軸部52のネジに螺合されることにより、シリンダー56全体が軸部52に支持されており、軸部52の右又は右回転に伴ってシリンダー56が軸部52のネジに沿って前方側又は後方側に移動する。又、ロッド56bの下端には、切断刃2を取付けるための切断刃取付部56cが備えられており、この切断刃取付部56cに切断刃2が取り付けられることにより、ロッド56bがシリンダー本体56aを上下方向に摺動するに伴って切断刃2がロッド56bと共に上下方向に移動するようになされている。又、ロッド56bの上部側には、ロッド56bの上下の摺動範囲を規制する上下摺動規制手段が備えられている。この上下摺動規制手段は、ロッド56bの上部に、側方に突設された突起56dと、ロッド56bの側方側に設けられた二つの上リミットスイッチ56e、下リミットスイッチ56fとから構成されている。これらのリミットスイッチ56e、56fは、ロッド56bの側方側に並設されるようにしてシリンダー本体56aから上方側に伸ばされた支持棒56gに互いに上下に所定間隔だけ隔てて、突起56dと当接可能に取り付けられている。そして、突起56dは、上リミットスイッチ56eと下リミットスイッチ56fとの間に配位され、ロッド56bが上昇して突起56dと上リミットスイッチ56eとが当接するとロッド56bの上昇が止まり、ロッド56bが下降して突起56dと下リミットスイッチ56fとが当接するとロッド56bの下降が止まるようになされている。
刃上下移動用部材の下方移動開始手段は、下方移動開始用検知部材57と、作動制御部55とを備えている。下方移動開始用検知部材57は、作動制御部55と電気的に接続され、移送部材1上における上記の前方移動開始用検知部材54aから所定距離だけ隔てた後方側に設置された光電管57から構成されている。そして、下方移動開始用検知部材57は、移送部材1上を移送されて上記の前方移動開始用検知部材54aを通過した後の粘性部材の先端を検知しそれを作動制御部55に連絡し得るようになされている。作動制御部55は、シリンダー56に接続されており、下方移動開始用検知部材57からの連絡を受けてシリンダー56のロッド56bを下方側へ摺動させ始める。
速度同調機構は、切断刃2の前方側から後方側への移動速度と、第1ベルトコンベア11の移送速度とを同速度に調整するものである。本実施形態では、軸部52を駆動させる上記軸駆動用モータ53と、第1ベルトコンベア11を駆動させる上記コンベア駆動用モータ3と、これらを電気的に接続した作動制御部55とにより構成されている。詳しくは、軸駆動用モータ53とコンベア駆動用モータ3とは、サーボ機構を有するサーボモータから構成され、作動制御部55を介して軸駆動用モータ53がコンベア駆動用モータ3の回転に合わせて追従して回転することにより、コンベア駆動用モータ3の駆動による第1ベルトコンベア11の移送速度と同速度に合わせて軸駆動用モータ53の駆動による軸部52が切断刃2を前方から後方側に移動させ得るようになされている。
次に、この切断装置全体の作動について、図1を基に説明する。
吐出口13aから粘性食品Nが連続的に吐出されると、第1ベルトコンベア11上に載置され長尺状の状態になって後方側に移送される。そして、その長尺状態の粘性食品N(以下、長尺粘性食品Nという)の先端が前方移動開始用検知部材54aにさしかかると、前方移動開始用検知部材54aがそれを検知して作動制御部55に連絡し、作動制御部55の作動によって軸駆動用モータ53が軸部52を右回転させ、これに伴いシリンダー56が軸部52の前端側から後方側に軸部52のねじに沿って移動し始める。これにより、シリンダー56に取り付けられた切断刃2が、図2に示すように、前方側から後方側に移動を開始する(図2のA〜B)。この前方側から後方側への移動は、軸駆動用モータ53が作動と同時にコンベア駆動用モータ3に追従し第1ベルトコンベア11の移動速度に合せて軸部52を回転させるのが困難なため、調整準備区間として設定したものである。そして、更に、長尺粘性食品Nの先端が前方移動開始用検知部材54aを通過して下方移動開始用検知部材57にさしかかると、下方移動開始用検知部材57がそれを検知して作動制御部55に連絡し、作動制御部55の作動によってシリンダー56のロッド56bが降下し始める。これにより、切断刃2が、図2に示すように、前方側から後方側に移動しつつ、同時に、下方側に移動を開始する(図2のB〜C)。この場合の前方側から後方側への移動は、軸駆動用モータ53の移動開始から所定時間が経過しているため、第1ベルトコンベア11の移動速度に合致している。従って、切断刃2は、第1ベルトコンベア11上の長尺粘性食品Nの移動速度と同速度で後方側に移動でき、切断に際して長尺粘性食品Nが切断刃2に押し当たるようなことを防止できる。
その後、ロッド56bが降下し、第1ベルトコンベア11上の長尺粘性食品Nを切断し終えると、ロッド56bの突起56dが下リミットスイッチ56fに当接してロッド56bの降下が停止すると同時に上昇を始め、これにより、切断刃2は、前方側から後方側に移動しつつ、同時に、上方側に移動を開始する(図2のC〜D)。そして、ロッド56bの突起56dが上リミットスイッチ56eに当接するとロッド56bの上昇が止まり、この状態で一旦停止する。又、これと略同時期に、切り換え用検知部材54bが、軸部52のねじに沿って後方に移動してきたシリンダー本体56aの後端部の一部を検知して作動制御部55に連絡し、作動制御部55の作動によって軸駆動用モータ53が軸部52を右回転から左回転に切替え、これに伴いシリンダー56が軸部52の後端側から前方側に軸部52のねじに沿って移動し始める。これにより、切断刃2は、後方側から前方側に移動を開始し始める(図2のD〜A)。そして、シリンダー56が軸部52の前端まで送られてくると、停止用検知部材54cがシリンダー本体56の右端一部を検知しそれを作動制御部55に連絡し、連絡を受けた作動制御部55は、軸駆動用モータ53の左回転を停止させる。これにより、切断刃2は、元の位置(図2のA位置)に戻り、この位置で待機する。
次に、切断した長尺粘性食品Nの先端が、再び、前方移動開始用検知部材54aにさしかかると、軸駆動用モータ53が作動しはじめ、切断刃2は、図2に示す動きを繰り返すが、その際、図5に示すように第2ベルトコンベア12が第1ベルトコンベア11の移送速度よりやや速く設定されているため、切断された長尺粘性食品Nの切断片N1が第1ベルトコンベア11から第2ベルトコンベア12に送られると、第1ベルトコンベア11上の長尺粘性食品Nの移送より速く移送され、その結果、切断片N1と長尺粘性食品Nとの間に隙間10ができ、その結果、前方移動開始用検知部材54aが長尺粘性食品Nの先端を確実に検知し得る。以下、上記の動きを繰り返すことにより、長尺粘性食品Nを所定長さずつ連続的に切断することができる。
尚、本実施形態では、この切断刃2は、一つの刃物から構成しているが、この形態のものに限らず、例えば所定幅を有する複数の刃物2a…2aを、前後方向に所定間隔だけ隔てて並設し、一回の切断で複数の小片を形成し得るようにしたものであっても良く、適宜変更できる。
又、本実施形態では、切断刃2を前方側から後方側に移動させるに際して、軸部52の長さ範囲にかけて(図2のB〜Dの範囲)、切断刃2の移動速度を、第1ベルトコンベア11の移送速度に合わせるようにしているが、この形態のものに限らず、切断刃2を上方側から下方側へ移動する範囲(図2のB〜Cの範囲)にかけての部分を、第1ベルトコンベア11の移送速度に合わせるようにすれば良く、例えば切断刃2を下方側から上方側へ移動する範囲(図2のC〜Dの範囲)にかけての部分を、第1ベルトコンベア11の移送速度より速く設定するようにしても良く、適宜変更し得る。
更に、切断刃2の移動の形態は、図2に示すものに限らず、例えば図3(A) に示すように切断刃2を前方側から後方側に移動させながら上方側から下方側に降下させた後、一定距離だけ前方側から後方側にのみ移動させ、その後に前方側から後方側に移動させながら下方側から上方側に移動させるようにしても良い。又、その場合において、一定距離だけ前方側から後方側にのみ移動させる速度を、第1ベルトコンベア11の移送速度より速くしておけば、その後、前方側から後方側に移動させなくても、例えば図3(B) に示すように下方から真っ直ぐ上方に引き上げる、又は、図3(C) に示すように下方側から上方側に移動させながら同時に後方側から前方側に移動させるようにしても良く、適宜変更できる。
また、本実施形態では、光電管を用いて、切断刃2を上方側から下方側に移動しはじめる前に、所定距離だけ前方側から後方側にのみ移動させているが、光電管を用いる形態のものに限らず、例えばタイマーを用いて軸駆動用モータ53の作動開始とシリンダー26の作動開始とを調整するようにしても良く、適宜変更できる。又、本実施形態では、切断刃2の前方側に移動を開始してから元の位置に戻るまでの一回の切断に要する動き(図2のA〜B〜C〜D〜A)を、光電管を用いて行っているが、この動きもタイマーを用いて調整する、或いは、タイマーと軸部52の回転との組合せにより調整するようにしても良く、適宜変更できる。
本願発明の粘性食品の切断装置の概略図である。 切断刃の動きの説明図である。 (A) は、切断刃の動きの他の実施形態の説明図、(B) は、切断刃の動きの更に他の実施形態の説明図、(C) は、切断刃の動きの更に他の実施形態の説明図である。 (A) は、吐出口の正面図、(B) は、吐出口の他の実施形態の正面図、(C) は、吐出口の更に他の実施形態の正面図である。 移送部材上における切断後の粘性部材の状態を示す説明図である。 従来例の粘性食品の切断装置の概略図である。
符号の説明
1 移送部材
2 切断刃
3 コンベア駆動用モータ
5 支持部材
11 第1ベルトコンベア
12 第2ベルトコンベア
13 吐出口
52 軸部
53 軸駆動用モータ
54a 前方移動開始用検知部材
54b 切り換え用検知部材
54c 停止用検知部材
55 作動制御部
56 シリンダー
56d 突起
56e 上リミットスイッチ
56f 下リミットスイッチ

Claims (3)

  1. マーガリン等の粘性食品を載置して移送する移送部材(1) と、粘性食品を切断する切断刃(2) と、速度同調機構(3)(53) とが備えられ、
    切断刃(2) が、移送部材(1) の上方側に、上下方向及び移送部材の移送方向に沿う前後方向に移動可能に配位され、
    速度同調機構(3)(53) が、切断刃(2) の前方側から後方側への移動速度と、移送部材(1) の移送速度とを略同速度に調整するものであり、
    この速度同調機構(3)(53) によって、切断刃(2) が、移送部材(1) の上方側を、移送部材(1) の移送速度に合わせて前方側から後方側へ移動しつつ、同時に上方側から下方側に移動して移送部材(1) 上の粘性食品を切断し得るようになされたものであることを特徴とする粘性食品の切断装置。
  2. 切断刃(2) が、前方移動開始手段(54a)(55) によって前方側から後方側に移動を開始し、下方移動開始手段(57)(55)によって上方側から下方側に移動を開始するようになされたものであり、
    この下方移動開始手段(57)(55)が、前方移動開始手段(54a)(55) によって前方側から後方側への切断刃(2) の移動を開始させた後に、上方側から下方側へ切断刃(2) の移動を開始させるものであり、この下方移動開始手段(57)(55)により、切断刃(2) が前方側から後方側へ所定間だけ移動した後に、移送部材(1) の移送速度に合わせて前方側から後方側へ移動しつつ、同時に上方側から下方側に移動し得るようになされたものであることを特徴とする請求項1記載の粘性食品の切断装置。
  3. 前方移動開始手段(54a)(55) が、移送部材(1) 上を移送してくる粘性食品の先端を検知し得る検知部材(54a) を備えることにより、検知部材(54a) の粘性食品の先端の検知に伴い、前方移動開始手段(54a)(55) が前方側から後方側に切断刃(2) の移動を開始させるものであり、
    下方移動開始手段(57)(55)が、移送部材(1) 上を移送してくる粘性食品の先端を検知し得る検知部材(57)を備えることにより、検知部材(57)の粘性食品の先端の検知に伴い、下方移動開始手段(57)(55)が上方側から下方側に切断刃(2) の移動を開始させるのであり、
    この下方移動開始手段(57)(55)の検知部材(57)が、前方移動開始手段(54a)(55) の検知部材(54a) から所定距離を隔てた後方側に配位されたものであることを特徴とする請求項2記載の粘性食品の切断装置。
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