JP2007130313A - 救急用絆創膏 - Google Patents

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隆昭 村田
Masanori Yoshikawa
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Abstract

【課題】粘着シートを包装袋の下側包装シートによって緊張状態を保持しながらパッドを円滑且つ正確に創傷口部分に貼着することができると共に、貼着後、下側包装シートを素早く剥離することができ、その剥離によって露出した粘着シートの露出面に塵埃等が付着することなく衛生的に貼着しておくことができるようにする。
【解決手段】包装袋Bの下側包装シート6の上面両端部にのみ、粘着シート1の粘着剤層2の粘着力よりも弱い粘着力を有する部分粘着剤層7、7を設けて、この部分粘着剤層7、7に粘着シート1の下面両端部を剥離可能に貼着してあり、上側包装シート5の剥離後、下側包装シート6の端部を摘んで粘着シート1を皮膚面に貼着し、しかるのち、該下側包装シート6のみを剥離して粘着シート1の露出面に塵埃等を付着させる粘着剤が殆ど残存しないように構成している。
【選択図】図1

Description

本発明は創傷口等の患部の皮膚面に貼着して患部を保護する救急用絆創膏の改良に関するものである。
従来から、この種の救急用絆創膏としては、粘着シートの上面中央部にパッドを貼着すると共にこのパッドを粘着シートの粘着剤層に剥離可能に貼着している剥離シートによって被覆することにより絆創膏主体を形成し、この絆創膏主体を上下包装シートによって形成された包装袋内に収容してなるものが広く知られている。そして、使用に際しては、上下包装シートを剥離して絆創膏主体を取り出し、次いで、剥離シートを剥がすことによって粘着シートの粘着剤層とパッドを露出させ、しかるのち、パッドを創傷口等の患部(以下、創傷口とする)に当てがってその周囲の皮膚面に粘着シートを貼着している。
しかしながら、このような救急用絆創膏では、使用に際して包装袋を除去したのち、剥離シートを剥がして粘着シートを摘み、その状態で創傷口に貼着するものであるから、薄くて柔軟な粘着シートが貼着前や貼着する際に捩じれたり変形して部分的に貼着し合う事態が発生し、創傷口に対する貼着が円滑に行えなくなるといった問題点があった。
このため、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているように、包装袋における上側包装シートの下面に剥離シートの上面を一体に貼着すると共に下側包装シートの上面に粘着シートの下面を該粘着シートの粘着剤層の粘着力よりも弱い粘着力を有する粘着剤層を介して一体に貼着してなる構造の救急用絆創膏が開発されている。
そして、このように構成した救急用絆創膏によれば、使用に際して、包装袋を形成している上下包装シートを一端部側から他端部に向かって剥離して他端部で一体に接続した状態となるように開くと、上側包装シートと一体に剥離シートが剥離されて粘着シートの粘着剤層とパッドを露出させると同時に下側包装シートの上面には該粘着シートが一体に貼着された状態となり、従って、下側包装シートによって粘着シートが捩れたりするのを防止しながら下側包装シートを摘んでパッドを創傷口に当てがい、粘着シートを皮膚面に円滑に貼着することができる。なお、粘着シートの貼着後に下側包装シートを粘着シートから剥離して上側包装シートと共に除去する。
特開平8−164158号公報 特開2003−52740号公報
しかしながら、上記救急用絆創膏によれば、粘着シートの下面全面を包装袋における下側包装シートの上面に粘着剤層を介して貼着しているために、粘着シートを創傷口の皮膚面に貼着したのち、該下側包装シートを粘着シートから剥離すると、粘着シートの露出面全面に上記粘着剤層が付着、残存した状態となり、その粘着剤層に塵埃等が付着して汚れが激しくなるばかりでなく不衛生であるといった問題点が生じるものである。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用時において、粘着シートを包装袋の下側包装シートによって保形しながら創傷口部分に円滑に貼着することができるのは勿論、粘着シートの貼着後には該粘着シートから素早く且つ確実に除去することができ、除去後には該下側包装シートの除去によって露出した粘着シートの露出面に塵埃等の付着が殆ど生じることなく、きれいな貼着状態を維持しておくことができる救急用絆創膏を提供するにある。
上記目的を達成するために本発明の救急用絆創膏は、請求項1に記載したように、粘着シートの上面中央部にパッドを貼着していると共にこのパッドを粘着シートの粘着剤層に剥離可能に貼着している剥離シートによって被覆してなる絆創膏主体を、対向する外周縁部を剥離可能に接着している上下包装シートによって形成された包装袋内に収容してなる救急用絆創膏において、この包装袋の上記下側包装シートの上面における長さ方向の両端部に上記粘着シートの粘着剤層の粘着力よりも弱い粘着力を有する部分粘着剤層を設け、この部分粘着剤層に、上記粘着シートの下面両端部を剥離可能に貼着してなる構造を有している。
このように構成した救急用絆創膏において、請求項2に係る発明は、上記下側包装シートの両端部に設けている部分粘着剤層の形状として、下側包装シートの長さ方向に直交する線状の粘着剤層としていることを特徴とし、請求項3に係る発明は、この部分粘着剤層の形状として円形状、多角形状等の適宜な形状の粘着剤層としていることを特徴とする。
本発明の救急用絆創膏によれば、包装袋を構成している上下包装シートを剥離すると、下側包装シートの上面に絆創膏主体の粘着シートの下面が一体に貼着されているので、絆創膏主体が不測に脱落することなく、下側包装シート上に一体に重ね合わされた状態で絆創膏主体を外部に露出させることができる。さらに、剥離シートを剥離することによって粘着シートの上面中央部に貼着しているパッドを露出させたのち、該パッドを創傷口に貼着する際に、粘着シートが下側包装シートによって保形されているので、捩れ等の変形を生じさせることなく、粘着シートを緊張させた状態を保持しながら円滑且つ正確に創傷口に貼着することができる。
その上、粘着シートにおける粘着剤層を設けていない下面を剥離可能に接着させている上記下側包装シートの上面に層着した部分粘着剤層は、その粘着力が粘着シート上の粘着力よりも弱いので、粘着シートを創傷口周囲の皮膚面に貼着した後に、粘着シートから該下側包装シートを簡単に剥離、除去することができるのは勿論、上記部分粘着剤層は下側包装シートにおける長さ方向の両端部にのみ設けているので、下側包装シートの一端部側の部分粘着剤層を粘着シートの一端部から捲るようにして剥離すると、下側包装シートの他端部側の部分粘着剤層に至る長さ部分まで該下側包装シートが粘着シート上から一気に離脱してその剥離力によって素早くこの下側包装シートの他端部側の部分粘着剤層を粘着シートの他端部上から剥離することができ、下側包装シートの除去操作が迅速且つ正確に行うことができる。
さらに、下側包装シートを剥離、除去した状態においては、皮膚面に貼着している粘着シートの露出面には、その両端部上のみに上記部分粘着剤層の一部が残存しているだけであるから、塵埃等の付着を殆ど生じさせることなく衛生的であると共に、きれいな貼着状態を維持しておくことができるものである。
包装袋における上記下側包装シートの両端部に設けている上記のような部分粘着剤層としては、請求項2に記載したように、下側包装シートの長さ方向に直交する線状の粘着剤層であってもよく、或いは、請求項3に記載したように、円形状、多角形状等の適宜な形状に塗布された粘着剤層であってもよい。いずれにしても、救急用絆創膏の製造時において、多数の下側包装シートが横列状態に帯状に連続しているシート列の両端部上面に粘着剤を連続的に線状に塗布するか或いは断続的に塗布することによって簡単に部分粘着剤層を設けることができ、救急用絆創膏の製造も能率よく行うことができる。
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は救急用絆創膏の分解斜視図、図2は簡略斜視図、図3は縦断正面図であって、この救急用絆創膏は、上面全面に粘着剤層2を層着している粘着シート1と、この粘着シート1の中央部粘着剤層2上に貼着されているパッド3と、粘着剤層1の粘着剤層2にその下面を剥離可能に接着して上記パッド3を被覆している剥離シート4とからなる絆創膏主体Aと、この絆創膏主体Aを包被した状態で内部に収容してなる包装袋Bとから構成されている。
詳しくは、絆創膏主体Aの上記粘着シート1は、柔軟な薄い合成樹脂製シート又は不織布、織布、紙等からなる両端縁が凸円弧状に端縁に形成されている一定幅と一定長さを有する平面長方形状のシート片の上面全面にアクリル系やゴム系等の公知の粘着剤層2を塗布、層着してなり、下面には粘着剤層は層着されていない。この粘着シート1の上面中央部に貼着している上記パッド3は、ガーゼなどの殺菌消毒された矩形状の布帛の積層体からなり、全体をネットによってカバーされて形態を保持されている。なお、このパッド3に軟膏薬等を塗布しておいてもよい。また、上記粘着シート1は伸縮性を有していても有していなくてもよいが、耐引張力が比較的大きくて適度の伸縮性を有していることが望ましい。
さらに、粘着シート1の粘着剤層2に剥離可能に接着している上記剥離シート4は、粘着シート1の長さ方向の一半部全面を被覆するシート片4aと、他半部全面を被覆するシート片4bとからなり、これらのシート片4a、4bの対向端部において、一方のシート片4aの端部を上方に向かって折り返し、その折り返し部4a' に他方のシート片4bの端部を重ね合わせて剥離始端部を形成していると共に、少なくとも一方のシート片によって上記パッド3を被覆している。なお、これらのシート片4a、4bからなる剥離シート4は、粘着シート1の平面形状と同大、同形の平面形状に形成されている。
一方、このように構成した絆創膏主体Aを内包する上記包装袋Bは、上記粘着シート1や剥離シート4よりも一回り大きい平面長方形状に形成されている上下包装シート5、6からなり、粘着シート1における粘着剤層2を設けていない下面を載せている下側の包装シート6の長さ方向の両端部上面には、粘着シート1の上面に層着している上記粘着剤層2の粘着力よりも弱い粘着力を有する粘着剤層7、7(以下、この粘着剤層を部分粘着剤層という)を塗布、層着することによって設けられてあり、この部分粘着剤層7、7によって粘着シート1の下面両端部が下側包装シート6に貼着、保持されている。なお、部分粘着剤層7、7の形状としては、図1においては、下側包装シート6の両端部に、該下側包装シート6の長さ方向に直交する線状の粘着剤層としているが、図8に示すように、円形状の部分粘着剤層7、7であってもよく、或いは、多角形状等のその他の形状であってもよい。
そして、この下側包装シート6上に、上記粘着シート1、パッド3、剥離シート4を順次、積層状態に重ね合わせて絆創膏主体Aを形成したのち、この絆創膏主体Aの剥離シート4上に上側包装シート5を被せてこれらの上下包装シート5、6の対向する四方外周縁部を粘着剤層又は接着剤層8によって剥離可能に接着することにより絆創膏主体Aを内包した包装袋Bを形成している。なお、これらの上下包装シート5、6の一端部は、該一端部側の上記接着剤層8部分から外方に一定長さだけ突出させ、その突出端部を剥離始端部9に形成している。なお、この剥離始端部9は、図においては、上下包装シート5、6の一端部を互いに内方に折り返して重ね合わせることにより形成しているが、必ずしも折り返す必要はない。
このように構成した救急用絆創膏は、使用時に、まず、図4に示すように、包装袋Bの上下包装シート5、6をその剥離始部9から互いに離間する方向に捲るように剥離すると、上側包装シート5はその下面を絆創膏主体Aの剥離シート4の上面とは何ら接着していないから、簡単に剥離、除去することができる一方、下側包装シート6の上面両端部には絆創膏主体Aにおける粘着シート1の下面両端部を貼着させている部分粘着剤層7、7が設けられているので、絆創膏主体Aはこの下側包装シート6と一体的に上側包装シート5から分離する。
次いで、外部に露出した絆創膏主体Aにおける剥離シート4のシート片4a、4bをその対向端部から剥離、除去して図5に示すようにパッド3を露出させたのち、下側包装シート6が上側となるように絆創膏主体Aを上下反転させて粘着シート1の粘着剤層2を下側に向け、図6に示すように、パッド3を創傷口に当てがうと共に粘着シート1の粘着剤層2をその周囲の皮膚面に貼着する。この際、粘着シート1はその粘着剤層2を設けていない面を下側包装シート6の両端部の部分粘着剤層7、7の接着力によって下側包装シート6に緊張状態で保持されており、且つ、下側包装シート6は粘着シート1よりも一回り大きい形状を有してその四方端縁部を粘着シート1の四方端縁部から突出させているので、粘着シート1の粘着剤層2に指先が付着することなく、下側包装シート6の四方端縁部の適所を摘んで、円滑に且つ正確に粘着シート1を創傷口の周囲の皮膚面に貼着することができる。
しかるのち、その下側包装シート6の端部を摘んで該下側包装シート6を粘着シート1から剥離、除去する。この際、上述したように、粘着シート1の四方端縁から突出している下側包装シート6の四方端縁部は皮膚面に何等、接着することなく遊離しているので、その端部を指先で摘んで容易に剥離操作を行うことができる。
その上、粘着シート1における粘着剤層2を設けていない側の面を剥離可能に貼着させている下側包装シート6上の粘着剤層は、該下側包装シート6の両端部のみに設けられた部分粘着剤層7、7であり、且つ、その粘着力が粘着シート1の粘着剤層2の粘着力よりも弱いので、該下側包装シート6を剥離する際に、粘着シート1を皮膚面から剥がす方向に殆ど粘着力を作用させることなく、粘着シート1から該下側包装シート6を素早く且つ正確に剥離することができる。
そして、こうして創傷口の皮膚面に貼着した粘着シート1の露出面には、上記下側包装シート6に設けている部分粘着剤層7、7が殆ど残存しないから、粘着シート1上に塵埃等が殆ど付着することなく衛生的であり、且つ、きれいな貼着状態を維持しておくことができる。
本発明救急用絆創膏の分解斜視図。 簡略斜視図。 縦断正面図。 上側包装シートを剥離した状態の斜視図。 剥離シートを剥離した状態の斜視図。 粘着シートを皮膚面に貼着した状態の斜視図。 下側包装シートを剥離した状態の斜視図。 本発明の別な実施の形態を示す下側包装シートの斜視図。
符号の説明
A 絆創膏主体
B 包装袋
1 粘着シート
2 粘着剤層
3 パッド
4 剥離シート
5 上側包装シート
6 下側包装シート
7,7 部分粘着剤層

Claims (3)

  1. 粘着シートの上面に設けている粘着剤層の中央部にパッドを貼着し、このパッドを上記粘着剤層に剥離可能に貼着している剥離シートによって被覆してなる絆創膏主体を、対向する外周縁部を剥離可能に接着している上下包装シートによって形成された包装袋内に収容してなる救急用絆創膏において、この包装袋の上記下側包装シートの上面における長さ方向の両端部に上記粘着シートの粘着剤層の粘着力よりも弱い粘着力を有する部分粘着剤層を設け、この部分粘着剤層に、上記粘着シートの下面両端部を剥離可能に貼着していることを特徴とする救急用絆創膏。
  2. 部分粘着剤層は、下側包装シートの長さ方向に直交する線状の粘着剤層であることを特徴とする請求項1に記載の救急用絆創膏。
  3. 部分粘着剤層は、下側包装シートの長さ方向の両端部上面に円形状、多角形状等の適宜な形状に塗布された粘着剤層であることを特徴とする請求項1記載の救急用絆創膏。
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