JP2007129567A - 通話録音処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電話機におけるフック状態に合わせて正確な録音処理の制御を可能にするとともに、対象電話機の制約を少なくすること。
【解決手段】 この通話録音処理装置10は、送信音声信号に探り信号を重畳させる送信信号処理部11と、受信音声信号をモニタして受信音声信号に含まれる探り信号を検出するとともに、検出された探り信号に基づいて電話機20のオンフック/オフフックの状態を判定する受信信号処理部12と、オフフック状態と判定された時に録音処理を実行するデータ送信処理部13とを備え、受信信号処理部12は、受信音声信号を復調するPSK復調器118と、復調信号と探り信号に対応するレプリカ符号パターンとの相関値を算出する相関器122と、相関値の積算値が所定の閾値φth1以上である場合にオフフック状態であると判定する判定処理部124とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電話機に接続されて電話機での通話の録音処理を実行する通話録音処理装置に関するものである。
従来から、電話機の回線から通話の際の音声信号をモニタして、その音声信号をアナログ信号のまま、又はデジタル信号に変換して記録する録音装置が知られている(例えば、下記非特許文献1〜3参照)。このような録音装置では、1連の音声信号を通話毎に録音し、通話中でない場合に音声信号を録音しないようにするため、通話の開始及び終了を検出する必要がある。
例えば、下記非特許文献1には、音声信号の中から発信音や会話を感知することによって通話の開始を判定し、電話を切った後の無録音状態を感知して通話の終了を判定することが記載されている。また、下記非特許文献2には、電話機の側音を検出することによって、受話器を上げた時に録音を開始し、受話器を下ろした時に録音を停止することが記載されている。一方、下記非特許文献3には、電話機にフックセンサを内蔵して、フックセンサの検出に応じて録音の開始を制御する録音装置が開示されている。
"Windows対応USB通話録音システムマイ・ロガー"、[online]、株式会社システム・ケイ、[平成17年10月28日検索]、インターネット<URL: http://www.systemk.co.jp/products/sapfone/index_2.html> "簡単・便利な通録録音システム「通録プラス」"、[online]、テクノロジー・リンク株式会社、[平成17年10月28日検索]、インターネット<URL: http://park7.wakwak.com/~tlc/kinou.htm> "ネットワーク対応長時間録音システム"、[online]、株式会社ソフィアシステムズ、[平成17年10月28日検索]、インターネット<URL: http://www.sophia-systems.co.jp/nvr/>
上述したように音声信号の中から発信音や会話等の所定音の電圧レベルを検出する場合は、通話中に音声が途切れたり、音声が小さくなりすぎた場合に、正確に通話の開始及び終了を検出できない場合があった。また、電話機の側音を検出する場合は、ヘッドセットを有する電話機を利用するとオンフック中でも内部回路に常時通電される場合があるので、マイクによって集音された周囲の雑音が側音として検出され、常時通話中であると誤検出される傾向にあった。一方、電話機にフックスイッチの状態を検出するセンサを設けると、電話機の構成が複雑になるとともに、電話機の種類によってはセンサの取り付けが困難になるという問題があった。
そこで、本発明は、電話機におけるフック状態に合わせて正確な録音処理の制御を可能にするとともに、対象電話機の制約を少なくした通話録音処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の通話録音処理装置は、電話機に接続されて、該電話機での通話の録音処理を実行する通話録音処理装置において、電話機の送信側通信回線に接続されて、電話機における送信音声信号に所定の変調方法で変調された探り信号を重畳させる送信信号処理部と、電話機の受信側通信回線に接続されて、電話機における受信音声信号をモニタして、受信音声信号に含まれる探り信号を検出するとともに、当該検出された探り信号に基づいて電話機のオンフック/オフフックの状態を判定する受信信号処理部と、受信信号処理部によって電話機がオフフック状態と判定された時に録音処理を実行する録音処理部とを備え、受信信号処理部は、受信音声信号を復調する復調器と、復調器によって出力された復調信号と、送信信号処理部で生成された探り信号に対応するレプリカ信号との相関値を算出する相関器と、相関器から出力された相関値が、所定の閾値以上である場合に電話機がオフフック状態であると判定する判定処理部と、を有する。
このような通話録音処理装置においては、電話機の送信音声信号に探り信号が重畳されることによりその探り信号が側音として受信音声信号にまわり込み、その受信音声信号が復調された後、その復調信号と探り信号のレプリカ信号との相関値が算出され、その相関値が所定の閾値以上である場合にオフフック状態であると判定される。そして、その判定結果に基づいて、オフフック状態の時に録音処理が実行されるので、通話中の音声のレベルに拘わらずフック状態を正確に検出することができるとともに、オンフック状態とオフフック状態との間の側音のレベルの変化を確実に判定することができる。また、電話機の送信側通信回線及び受信側通信回線に接続する態様とすることで、対象とする電話機の制約も少なくすることができる。
受信信号処理部は、受信音声信号を受信デジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、予め導出された符号パターンを有する通奏信号を生成し、通奏信号を変調して受信デジタル信号に重畳させる通奏信号生成部とをさらに有し、相関器は、復調信号と符号パターンとの相関値をさらに算出し、判定処理部は、相関器から出力された相関値が、所定の第2の閾値以下である場合に電話機がオフフック状態であると判定することが好ましい。
かかる構成を備えれば、受信音声信号をデジタル信号に変換後、そのデジタル信号に変調された通奏信号を重畳させた後、デジタル信号を復調して得られた復調信号と、通奏信号に含まれる符号パターンとの相関値が算出され、その相関値が第2の閾値以下である場合に、オフフック状態と判定される。このように通奏信号の併用により、探り信号を利用したフック状態の検出における通話中の受信音声による検出精度の低下を防止することができる。
また、受信信号処理部は、電話機がオフフック状態である場合は、第2の閾値を、オンフック時の相関器の出力レベルと現在の相関器の出力レベルとの間の第2の値に設定する閾値制御部をさらに有することも好ましい。
こうすれば、例えば、音声や雑音のレベルが比較的小さい通話において相関器の出力が大きめであっても、オフフック中において発生する音声や雑音のレベルに応じて、通奏信号検出用の閾値を適切な値に設定することができる。
さらに、探り信号は、スペクトラム拡散によって変調された信号であることが好ましい。このようなスペクトラム拡散によって変調された探り信号を用いることで、通話中の受信音声に耳障りな印象を与えることもなく、フック状態の検出に対する通話音声による妨害も防止することができる。
本発明の通話録音処理装置によれば、電話機におけるフック状態に合わせて正確な録音処理の制御を可能にするとともに、対象電話機の制約を少なくすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る通話録音処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態である通話録音処理装置10を含む通話録音システム1の構成を示す図である。同図に示すように、通話録音システム1は、録音対象の通話に関する通信を行う電話機20と、電話機20に接続された通話録音処理装置10と、通話録音処理装置10とLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークNWを介して接続されたサーバ装置30とを含んで構成されている。
電話機20は、外部の2線式の電話回線W1に接続されたハイブリッド回路21と、ハイブリッド回路21に電話機20内部の送信側通信回線W2を経由して接続された送話器22と、ハイブリッド回路21に電話機20内部の受信側通信回線W3を経由して接続された受話器23とを備えている。ハイブリッド回路21は、2線式の電話回線W1上において外部から受信される音声信号を、受信側通信回線W3側に受信音声信号として送出するとともに、送話器22から送信側通信回線W2を経由して受信される送信音声信号を電話回線W1上に送出する。すなわち、ハイブリッド回路21は、電話機20内部の4線式の電話回線と電話機20外部の2線式の電話回線との間でアナログ信号である送信音声及び受信音声を分離又は合成する、いわゆる2線−4線変換回路である。ここで、電話機20の送話器22から送出された送信音声信号の一部は、ハイブリッド回路21を経由して「側音」として受信側通信回線W3側にまわり込むことになる。「側音」とは、送話器から入った音や電話機周囲の騒音の一部が、電話機の内部回路を通り受話器から出力されることにより発生する音のことをいう。
通話録音処理装置10は、電話機20の送信側通信回線W2に接続され、所定の変調方法で探り信号を生成して、電話機20における送信音声信号に探り信号を重畳させる送信信号処理部11と、電話機20の受信側通信回線W3に接続され、受信音声信号をモニタして探り信号を検出して、検出結果に基づいて電話機20のフック状態を判定する受信信号処理部12と、受信信号処理部12の判定に基づいて受信音声信号の録音処理を実行するデータ送信処理部(録音処理部)13と、探り信号等の信号レベルを適正なレベルに決定する送信レベル決定部14とを備えている。
サーバ装置30は、通話録音処理装置10のデータ送信処理部13から送信された1通話毎の音声データを受信し、音声ファイルの作成、データベースの構築、音声ファイルの蓄積等を行うサーバシステムである。
以下、図2〜図4を参照して、通話録音処理装置10の各構成要素について説明する。
送信信号処理部11は、図2に示すように、符号発生器111と、信号複流化部112と、PSK変調器113と、D/Aコンバータ114とを有している。
符号発生器111は、外部から入力されたタイミングクロックCLに同期して、探り信号を生成するためのデジタル符号系列を導出する機能を有する。通話録音処理装置10では、探り信号を変調する方法としてスペクトラム拡散(Spread Spectrum)変調の1種である直接拡散変調(DS:Direct Sequence)方式が用いられる。このような直接拡散変調によって変調された探り信号は、広い帯域幅に信号のエネルギーが拡散されるため、信号秘匿性や耐ノイズ性に優れるとともに、以下のような利点を有する。つまり、受信音声信号に重畳されてもユーザに耳障りな印象を与えることもなく、通話時の音声により探り信号の検出が妨害されることも少なく、側音レベルが小さくても検出感度が高い。具体的には、符号発生器111は、例えば、デジタル符号系列を生成するための生成多項式として下記式(1);
Figure 2007129567


を用いて、M系列拡散符号を生成する。符号発生器111は、図3に示すように、n段(ここでは、n=10)のシフトレジスタ111aと、式(1)の生成多項式に対応してシフトレジスタ111aの複数段の状態の論理結合をシフトレジスタ111aの入力にフィードバックする論理回路111bとから構成されている。
このようにして生成されるM系列拡散符号は、周期2−1で繰り返される符号系列となり、各周期の中で1と0の数の差は1以下であり(平衡特性)、1つの系列とそれを任意の数だけシフトした系列を比較すると互いに一致する列と一致しない列の数の差は1以下であり(相関特性)、各周期の中でrun(同一デジットの連続数)が1の場合の数は全ラン数の1/2、2の場合の数は1/4、3の場合の数は1/8、・・・であり(run特性)、任意にシフトした2つのM系列拡散符号の排他的論理和を取るとそのいずれとも異なる位相シフトを受けたM系列拡散符号が得られる(ジェネリック特性)といった性質を有する。
図2に戻って、信号複流化部112は、符号発生器111で生成されたM系列拡散符号のデジタル値“0”を“−1”に置き換えることにより、M系列拡散符号を複流化してPSK変調器113に出力する。
PSK変調器113は、キャリア信号源Sから出力された搬送波信号をM系列拡散符号を用いてPSK(Phase Shift Keying)変調により変調して探り信号を生成する。具体的には、PSK変調器113は、搬送波信号と拡散符号系列との乗算処理を実行する。
D/Aコンバータ114は、PSK変調器113から出力された探り信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を電話機20の送信側通信回線W2に送出することにより送信音声信号に重畳させる。
受信信号処理部12は、図4に示すように、電話機20のフック状態を検出するために探り信号とともに併用される通奏信号を生成する通奏信号生成部115と、A/Dコンバータ(アナログデジタル変換器)116と、加算器117と、PSK復調器118と、フィルタ部119と、リミッタ部120と、通奏信号生成部115で生成された通奏信号に対応するレプリカ信号(複製信号)を生成するレプリカ信号生成部121と、相関器122と、ATC部(閾値制御部)123と、判定処理部124とを有している。
通奏信号生成部115は、符号発生器125と、アンプ部126と、信号複流化部127と、PSK変調器128とから構成されている。この符号発生器125は、符号発生器111と同様の構成及び機能を有し、通奏信号を生成するためのデジタル符号系列を、タイミングクロックCLに同期して発生させる。具体的には、符号発生器125は、直接拡散変調におけるデジタル符号系列を生成するための生成多項式として例えば下記式(2);
Figure 2007129567


を用いて、符号発生器111が生成する符号系列と干渉しないM系列拡散符号を生成する。ここで、通奏信号は、受信音声信号がアナログ−デジタル変換された受信デジタル信号に重畳され、電話機20のフック状態を検出するために探り信号と併用される信号である。信号複流化部127及びPSK変調器128は、それぞれ、信号複流化部112及びPSK変調器113と同様の処理を行う。アンプ部126は、符号発生器125によって出力された拡散符号系列に対して可変乗算処理を実行して信号複流化部127に出力する。より詳細には、アンプ部126は、Q15フォーマットの固定小数点演算による乗算処理を施す。
A/Dコンバータ116は、電話機20の受信側通信回線W3からモニタした受信音声信号に対してアナログ−デジタル変換を行うことにより、受信デジタル信号を得て、加算器117に出力する。この受信デジタル信号は、加算器117により通奏信号と加算され、PSK復調器118に入力される。
PSK復調器118は、通奏信号を含む受信デジタル信号に対して復調処理を実行し、PSK変調により変調された符号系列を復調信号として取り出してフィルタ部119に出力する。すなわち、PSK復調器118は、PSK変調器113,128に入力されたキャリア信号源Sからのキャリア信号と、受信デジタル信号との乗算処理を行うことにより、同期検波を行って復調信号を得る。
フィルタ部119は、PSK復調器118によって取り出された復調信号から高域の信号成分を取り除くために移動平均法により平滑化処理を行い、リミッタ部120に出力する。この平滑化処理においては、ナイキストフィルタが用いられてもよいが、ここでは、処理を単純化できるという点で移動平均法が用いられている。例えば、フィルタ部119は、変調信号のサンプリング周波数が8kHzで符号のビットレートが1kHzの場合は、平均化処理を8回実行する。
リミッタ部120は、復調信号に含まれるデータの正負判定処理を行い、相関器122に出力する。この正負判定処理は、復調信号における各符号のデータが0より大きい場合は“1”と判定し、復調信号における各符号のデータが0より小さい場合は“−1”と判定することにより、復調信号に含まれる振幅雑音成分を除去して復調符号系列を生成する。
レプリカ信号生成部121は、符号発生器129と、信号複流化部130と、遅延処理部131から構成されている。この符号発生器129及び信号複流化部130の機能は、それぞれ、符号発生器111,125、及び信号複流化部112,127と同様であり、探り信号に対応する拡散符号系列と同一の符号系列であるレプリカ符号パターン(レプリカ信号)と、通奏信号に対応する拡散符号系列と同一の符号系列であるレプリカ符号パターンとの両方を生成する。符号発生器129及び信号複流化部130において生成された2つのレプリカ符号パターンは、復調符号系列に含まれる拡散符号系列に同期させるため、遅延処理部131によって送信信号処理部11及び受信信号処理部12における変換処理、サンプリング処理等に起因する遅延時間に相当する遅延が与えられ、相関器122に出力される。
相関器122は、復調符号系列と、探り信号に対応するレプリカ符号パターン及び通奏信号に対応するレプリカ符号パターンとのそれぞれの相関値を1周期分算出する。具体的には、相関器122は、復調符号系列をX(n)、レプリカ符号パターンをX(n)としたとき、下記式(3);
Figure 2007129567


により相関値φ(m)を求める。ここで、X(n+m)modNは、N点のデータに対するサイクリックシフト演算を示す。相関器122は、探り信号に対応して算出した相関値φ(m)の1周期分の積算値と、通奏信号に対応して算出した相関値φ(m)の1周期分の積算値とを更に算出し、それらの積算値をATC部123を経由して判定処理部124に出力する。
判定処理部124は、相関器122から出力された相関値φ(m),φ(m)のそれぞれの積算値に基づいて、電話機20のオンフック/オフフックの状態を判定し、判定結果データをデータ送信処理部13に出力する。すなわち、相関値φ(m)の積算値が所定の閾値φth1以上である場合は、受信音声信号に探り信号がまわり込んでいると判断されるので、電話機20のフック状態をオフフックであると判定し、一方、閾値φth1未満である場合は、電話機20のフック状態をオンフックであると判定する。
ここで、探り信号のみ検出する場合は、通話中の音声により探り信号が妨害され検出不能となる可能性があるので、判定処理部124は、相関値φ(m)の積算値によってオフフックと判定された後は通奏信号を優先的に検出する。通奏信号は、受話側の回路において一定レベルで仮想的に注入される信号であり、この信号を常時モニタすることにより、オフフック時において送話器22側からの探り信号又は受信音声信号の重畳による検出感度の低下を検出することができる。この検出感度の変化によってフック状態を判定するのである。具体的には、判定処理部124は、相関値φ(m)の積算値が所定の閾値φth2以下である場合は、受信音声信号に音声信号又は探り信号が含まれていると判断されるので、電話機20のフック状態をオフフックであると判定し、一方、閾値φth2を超えている場合は、電話機20のフック状態をオンフックであると判定する。
ATC部123は、相関器122から出力された相関値φ(m),φ(m)のそれぞれの積算値に基づいて、電話機20のフック状態を検出するための閾値φth1,φth2を自動設定して判定処理部124に出力する。例えば、判定処理部124においてオンフックと判定されている間は、閾値φth2を、相関値φ(m)の積算値の最大出力レベルの所定割合(例えば、1/2)の設定値に設定し、オフフックと判定されている間は、閾値φth2を、相関値φ(m)の積算値の最大出力レベルと現在の相関値φ(m)の積算値の出力レベルとの中間値に設定する。一般の電話機においてはノイズキャンセラやエコーキャンセラの影響によりオフフック状態であっても側音レベルがかなり抑圧され、相関器122の出力のレベル差が小さくなる傾向にある。上述した閾値の制御により、このような場合に閾値を上げるような制御が為されるので、オフフック中及びオンフック中において発生する音声や雑音のレベルに応じて、通奏信号検出用の閾値を適切な値に設定することができる。
図1に戻って、データ送信処理部13は、受信信号処理部12から出力された判定結果に基づいて、電話機20がオンフック状態からオフフック状態に変化したタイミングに合わせて電話機20における通話の録音処理を開始し、電話機20がオフフック状態からオンフック状態に変化したタイミングに合わせて録音処理を停止する。この録音処理は、モニタされた通話の音声信号に基づいて音声データを作成することにより行われる。データ送信処理部13は、作成した音声データを、逐次、サーバ装置30に送信する。
送信レベル決定部14は、探り信号及び通奏信号のレベルを適正なレベルに設定するためのキャリブレーション処理を行う。図5は、送信レベル決定部14による探り信号を対象としたキャリブレーション処理を示すフローチャート、図6は、送信レベル決定部14による通奏信号を対象としたキャリブレーション処理を示すフローチャートである。以下、キャリブレーション処理の手順について説明する。
図5に示すように、まず、送信レベル決定部14は、受信側通信回線W3をモニタして、電話機がオフフック状態時の電話回線W1側の交換機(図示せず)から到来するDT(ダイヤルトーン)信号のレベルを計測し基準レベルとする(ステップS01)。次に、送信信号処理部11を制御して、探り信号を予め設定された最大レベルで生成させる(ステップS02)。このとき、探り信号が重畳された受信音声信号をモニタして、モニタされた受信音声信号から400Hzのコムフィルタを用いた処理によりDT信号を除去する(ステップS03)。さらに、DT信号が除去された受信音声信号のレベルを計測する(ステップS04)。最後に、基準レベルを基準として受信音声信号のレベルが、ユーザに耳障りとならず、かつ、検出可能なレベルとなるように探り信号のレベルを設定し、設定されたレベルで探り信号を生成するように送信信号処理部11を制御する(ステップS05)。
次に、図6を参照して、送信レベル決定部14は、電話機20がオンフック状態時に、図5に示す処理によって設定されたレベルで探り信号を送信音声信号に重畳させる(ステップS11)。次に、受信信号処理部12のアンプ部126を制御して、予め設定されたレベルで通奏信号を生成する(ステップS12)。その後、送信レベル決定部14は、受信信号処理部12の相関器122から出力される通奏信号に対応する出力レベルのモニタを開始する(ステップS13)。そして、相関器122からの出力レベルと所定の受信可能最大値とを比較し(ステップS14)、出力レベルが受信可能最大値を超えている場合は(ステップS14;YES)、受信信号処理部12を制御して、通奏信号のレベルを減少させる(ステップS15)。一方、出力レベルが受信可能最大値を超えていない場合は(ステップS14;NO)、受信信号処理部12を制御して、通奏信号のレベルを増加させる(ステップS16)。その結果、相関器122の出力レベルが受信可能最大値に近いレベルに達した場合(ステップS17;YES)、通奏信号のレベルを固定する(ステップS18)。これに対して、相関器122の出力レベルが受信可能最大値に近いレベルに達していない場合(ステップS17;NO)、ステップS14に戻って通奏信号のレベルの調整(ステップS14〜S17)を繰り返す。以上のようなキャリブレーション処理により、通奏信号を、オンフック時に十分な検出感度を維持できるレベルに設定することができる。
以下、以上説明した通話録音処理装置10の作用効果について説明する。
通話録音処理装置10においては、電話機20の送信音声信号に探り信号が重畳されることによりその探り信号が側音として受信音声信号にまわり込み、その受信音声信号が復調された後、その復調信号と探り信号に対応するレプリカ符号パターンとの相関値が算出され、その相関値が所定の閾値φth1以上である場合にオフフック状態であると判定される。そして、その判定結果に基づいて、オフフック状態の時に録音処理が実行されるので、通話中の音声のレベルに拘わらずフック状態を正確に検出することができるとともに、オンフック状態とオフフック状態との間の側音のレベルの変化を確実に判定することができる。特に、オフフック中であっても探り信号が継続して供給されるため、通話における音声が途切れても、音声レベルが小さくても、オフフック状態を検出し続けることが可能となる。さらに、ヘッドセットが付属している電話機等において内部回路に常時通電される場合であっても、受信側通信回線に戻る側音レベルの差が十分に判別可能とされる。また、電話機20の送信側通信回線W2及び受信側通信回線W3に接続する態様とすることで、対象とする電話機の制約も少なくすることができる。
また、受信音声信号を受信デジタル信号に変換後、その受信デジタル信号に拡散符号系列を用いて変調された通奏信号を重畳させた後、受信デジタル信号を復調して得られた復調信号と、拡散符号系列と同一のレプリカ符号パターンとの相関値が算出され、その相関値の積算値が所定の閾値φth2以下である場合に、オフフック状態と判定される。このような受信側の回路において挿入される通奏信号の併用により、探り信号を利用したフック状態の検出における通話中の受信音声による検出精度の低下を防止することができる。
また、探り信号としてスペクトラム拡散によって変調された信号を用いることで、通話中の受信音声に耳障りな印象を与えることもなく、フック状態の検出に対する通話音声による妨害も防止することができる。
次に、本発明の実施形態にかかる通話録音処理装置10を対象としたフック状態の検出に関する実験結果について説明する。
ここでは、試験対象の通話録音処理装置10として、符号1ビットあたりの周波数(チップ周波数)が1000Hz、拡散符号周期が1.023sec、符号系列が1023ビットM系列符号、搬送波周波数が2000Hz、符号同期方式が固定同期、最大占有周波数帯域が977Hz〜3023Hz、サンプリング周波数が8000Hz、音声データフォーマットがμ−Law又はA−Law、音声の周波数特性が600〜3,400Hz(±4dB)、S/N比が約42dBのものを用いた。
図7には、フック状態の検出に用いられる通話録音システム201の構成を示す。同図に示すように、MODEMが内蔵されたNCU(Network Control Unit)202には、NCU202による発呼動作を制御する制御用PC203が接続されている。また、NCU202には、電話機20が電話線を介して接続されるとともに、電話線及び疑似交換機204を経由して相手側電話機205が接続されている。NCU202は、内蔵するリレー回路によって電話機20のフック状態をオフフック状態に設定した後、任意の通話時間を設定して電話機20と相手側電話機205とを繰り返し接続する。なお、NCU202は、各通話接続の終了直後には電話機20をオンフック状態に設定する。このとき、相手側電話機205には留守番電話機能が設定されており、通話時間に応じた録音音声が流される。表1には、本試験における測定条件を示す。
Figure 2007129567

このような通話録音システム201を用いた実験において、通話開始時刻を基準にしてNCU202の制御ログとサーバ装置30に蓄積された音声ファイルとの通話時間を比較することにより、表2に示すような実験結果が得られた。これにより、電話機の種別によらず概ね良好にフック検出ができることが分かった。
Figure 2007129567

本発明の好適な一実施形態である通話録音処理装置を含む通話録音システムの構成を示す図である。 図1の送信信号処理部のブロック図である。 図2の符号発生器の構成を示す図である。 図1の受信信号処理部のブロック図である。 図1の送信レベル決定部によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。 図1の送信レベル決定部によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。 被試験装置である通話録音処理装置を含む通話録音システムの構成を示す図である。
符号の説明
10…通話録音処理装置、11…送信信号処理部、12…受信信号処理部、13…データ送信処理部(録音処理部)、20…電話機、115…通奏信号生成部、116…A/Dコンバータ(アナログデジタル変換器)、118…PSK復調器、122…相関器、123…ATC部(閾値制御部)、124…判定処理部、W2…送信側通信回線、W3…受信側通信回線。

Claims (4)

  1. 電話機に接続されて、該電話機での通話の録音処理を実行する通話録音処理装置において、
    前記電話機の送信側通信回線に接続されて、前記電話機における送信音声信号に所定の変調方法で変調された探り信号を重畳させる送信信号処理部と、
    前記電話機の受信側通信回線に接続されて、前記電話機における受信音声信号をモニタして、前記受信音声信号に含まれる前記探り信号を検出するとともに、当該検出された探り信号に基づいて前記電話機のオンフック/オフフックの状態を判定する受信信号処理部と、
    前記受信信号処理部によって前記電話機がオフフック状態と判定された時に前記録音処理を実行する録音処理部とを備え、
    前記受信信号処理部は、
    前記受信音声信号を復調する復調器と、
    前記復調器によって出力された復調信号と、前記送信信号処理部で生成された前記探り信号に対応するレプリカ信号との相関値を算出する相関器と、
    前記相関器から出力された相関値が、所定の閾値以上である場合に前記電話機がオフフック状態であると判定する判定処理部と、
    を有する通話録音処理装置。
  2. 前記受信信号処理部は、
    前記受信音声信号を受信デジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
    予め導出された符号パターンを有する通奏信号を生成し、前記通奏信号を変調して前記受信デジタル信号に重畳させる通奏信号生成部とをさらに有し、
    前記相関器は、前記復調信号と前記符号パターンとの相関値をさらに算出し、
    前記判定処理部は、前記相関器から出力された相関値が、所定の第2の閾値以下である場合に前記電話機がオフフック状態であると判定する、
    請求項1記載の通話録音処理装置。
  3. 前記受信信号処理部は、
    前記電話機がオフフック状態である場合は、前記第2の閾値を、オンフック時の前記相関器の出力レベルと現在の前記相関器の出力レベルとの間の第2の値に設定する閾値制御部をさらに有する、
    請求項2記載の通話録音処理装置。
  4. 前記探り信号は、スペクトラム拡散によって変調された信号であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通話録音処理装置。
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