JPH1098497A - 標本化関数波形による相関伝送方式 - Google Patents

標本化関数波形による相関伝送方式

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JPH1098497A
JPH1098497A JP8271859A JP27185996A JPH1098497A JP H1098497 A JPH1098497 A JP H1098497A JP 8271859 A JP8271859 A JP 8271859A JP 27185996 A JP27185996 A JP 27185996A JP H1098497 A JPH1098497 A JP H1098497A
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waveform
transmission
correlation
signal
sampling function
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JP8271859A
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English (en)
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Katsuyoshi Azeyanagi
功芳 畔柳
Naoki Suehiro
直樹 末広
Kohei Otake
孝平 大竹
Toshikatsu Naito
敏勝 内藤
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
Original Assignee
Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は狭帯域で歪の生じない伝送方式を実
現し、これによって帯域制限伝送による信号波形の劣化
を避けるとともに、時間制限されたデータ伝送波形など
の、一般に送信アナログ波形を歪なく伝送し、さらにラ
ンダムなインパルス系列の狭帯域無歪伝送も可能にす
る。 【解決手段】 源情報信号がインパルスの場合はその振
幅に、その他の波形の場合はその標本値に対し、変形標
本化関数を乗じて送信信号を作りこれをシンボル系列に
したがって順次加算合成して送信し、受信側では前記変
形標本化関数との相関分析により、源インパルスまたは
源標本値を復元する方式により、標本値間、シンボル間
干渉のない狭帯域無歪伝送方式を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯域制限された伝
送チャネル上に、時間制限された信号を伝送する方式に
おいて、帯域制限フィルタに基づく歪を発生させること
なく、伝送特性を向上させる標本化関数波形による相関
伝送方式に関する。
【0002】
【従来の技術】帯域制限された伝送チャネル上に、時間
制限された信号を伝送する伝送方式、例えばFSK伝送
方式では、以下に述べるようにして情報を伝送してい
る。まず、図16に示すように送信機101では、変調
器104において送信2値情報bs に対して、2個の周
波数f0 、f1 が対応させられる。この際、シンボル周
期をT(=fD -1 )とするとき、多値FSK信号v
(t)が次式で与えられる。 v(t)=A・sin(2πdfD ) …(1) 但し、t:0≦t≦T ここで、dはシフト周波数で、通常のコーヒーレント復
調2値伝送方式では、送信2値情報bs に対応して、例
えば隣接周波数の組みd0 =3、d1 =3.5が与えら
れる。図16の周波数はf0 =d0D 、f1 =d1
D に対応する。f0 、f1 のシフト周波数をもつT秒毎
の波形v0 (t)とv1 (t)がランダムな順序で配列
された送信信号系列が、フィルタ特性がFs となるよう
に設定された送信フィルタ105を経て伝送路102へ
と送出される。なお、一般には、このFSK信号がより
高い搬送波を変調し、高い周波数に変換された後、送信
されるが、この高次変調段の説明は本発明の主要部と、
直接関係がないので省くことにする。そして、伝送路1
02上に送出されたFSK信号が受信機103で受信さ
れる。この際、その過程で雑音が付加される。受信機1
03では、フィルタ特性がFR に設定された受信フィル
タ106により受信信号の帯域外成分が除去され、その
後相関器107a、107bに供給されて、式(1)で
与えた2つの正弦波f1 、f2 との相関関係が検出され
て、相関出力e1 、e2 が生成されるとともに、判定回
路108によって相関出力e1と相関出力e2 との間の
大小関係が比較され、受信2値情報bR が生成される。
この際、受信2値情報bR と、前記送信2値情報bs と
が、bR =bs ならば、正しい復調が行なわれたことに
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の伝送方式においては、次に述べるような問題
があった。すなわち、通常のコーヒーレント復調FSK
伝送方式においては、式(1)のシフト周波数dの値と
して、0.5の倍数値を割り当てることができる。さら
に、一般的な非整数値を割当てることができれば、占有
帯域を増大することなく多値伝送を実現できることにな
る。例えば、図17に示すようにシンボル周期T秒毎に
区切った正弦波を送ることを考えると、伝送帯域当りの
情報量を増大させることができる。この例では、最小周
波数間隔Δfが、Δf=0.25fD となっている。通
常のコーヒーレント復調FSK方式では、最小周波数間
隔Δfが、Δf=0.5fD であるから、図17の方式
では、同一占有帯域を用いる通常方式の2倍の伝送容量
を実現できる。しかし、図17の波形から明らかなよう
にシンボル周期の境界における波形に、不連続点が含ま
れるので、この信号を、帯域制限された伝送路102を
経由して伝送するとすると、送信信号の波形に比して、
受信信号の波形が大きな歪成分を含むことになる。すな
わち、図16の送受信フィルタ105や受信フィルタ1
06により波形歪が発生し、受信フィルタ106の出力
信号中に、式(1)の送信信号周波数成分dfD と、著
しく異なる周波数成分が多く含まれてしまう。この結
果、従来方式(シフト周波数dを0.5の倍数とする方
式)においても、送信信号の復調検出を困難にしてしま
うのみならず、最小周波数間隔Δfを小さく選ぶにした
がって急激に復調による検出誤り率が増大することにな
る。このように、シンボル周期Tの時間幅に信号を限定
して送る必要があるので、元来の長時間源信号(例えば
単一周波数正弦波)の占有帯域が狭くしても、それを時
間制限した信号の帯域が理論上、無限大に拡がる。そし
て、この信号を送信側で有限の帯域(例えば、1/2T
以下)に限定したとき、原信号の波形が大きな歪を受け
る。一方、受信側では、伝送路102で付加された雑音
除去のため通常雑音除去フィルタが前置される。このフ
ィルタも受信信号を歪ませる結果となる。これにより、
信号波形において相互に僅かの偏差をもつ信号群(例え
ば、周波数差の小さい信号群)を多値レベルに対応させ
る高能率伝送を行なうと、上記の如き送受信過程で付加
される歪により、信号の識別が実際上不可能になってし
まう。本発明は上記の事情に鑑み、狭帯域で歪の生じな
い伝送方式を実現することができ、これによって帯域制
限伝送による信号波形の劣化を避けることができるとと
もに、時間制限されたデータ伝送波形などの、一般に送
信アナログ波形を歪なく伝送することができ、さらにラ
ンダムなインパルス系列の狭帯域無歪伝送も可能にする
ことができる標本化関数波形による相関伝送方式を提供
することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による標本化関数波形による相関伝送方式
は、請求項1では、源情報信号波形を帯域制限された伝
送チャネルを用いて伝送する方式において、予め設定し
た標本化レートの各標本点において、該源情報信号波形
の標本値を求め、該標本点の各々に対し該各標本値に対
応する振幅レベルをもち、かつその自己相関値がシフト
量が0の点を除き、該各標本点において零となるような
変形標本化関数波形を割り当て、これらのレベル対応変
形標本化関数波形の系列と該隣接波形の複数個とを部分
的に時間域で重複する形で加算合成することにより送信
波形を構成し、受信側では、該各標本点に予め準備した
前記変形標本化関数波形と同一または相似する波形によ
り、受信信号との相関処理を該各標本点を中心とする標
本間隔よりも長い時間域に亘り施し、その結果得られる
相関値をもとに前記源情報信号波形を復元または該波形
の情報を検出することを特徴としている。また、請求項
2では、請求項1に記載の標本化関数波形による相関伝
送方式において、前記変形標本化関数として、該変形標
本化関数波形の2乗波形の周波数スペクトルと標本化レ
ートの整数倍の周波数系列との周波数領域たたみこみ演
算により求まる周波数特性が定数となるような関数波形
の中の一つを用いることを特徴としている。また、請求
項3では、請求項1に記載の標本化関数波形による相関
伝送方式において、前記源情報信号波形を2値または多
値インパルス系列とし、該各インパルスに前記変形標本
化関数を割当て、それらを部分的に時間域で重複する形
で加算合成した送信波形を作り、受信側で、前記変形標
本化関数と相似の関数を各標本点に準備し、これらの関
数により受信入力を相関分析することにより送信された
源情報信号波形の2値または多値インパルス系列を検出
することを特徴としている。また、請求項4では、請求
項1に記載の標本化関数波形による相関伝送方式におい
て、前記源情報信号波形を直接拡散形スペクトル拡散方
式で用いる擬似ランダム信号のチップインパルス系列と
し、該各インパルスに前記変形標本化関数を割当て、そ
れらを部分的に時間域で重複する形で加算合成した送信
波形を作り、受信側で、前記変形標本化関数と相似の関
数を各標本点に準備し、これらの関数により受信入力を
相関分析することにより送信されたチップインパルス系
列の推定値を作り、これらと受信側で準備している前記
擬似ランダム信号のチップインパルス系列との相関値を
求めることより、前記擬似ランダム信号の極性を判定す
ることを特徴としている。また、請求項5では、請求項
1に記載の標本化関数波形による相関伝送方式におい
て、前記源情報信号波形を帯域通過形データ信号とし、
該データ信号の1シンボルを一定の標本化レートで標本
化し、その標本値に対応する振幅の標本点を中央とする
変形標本化関数を作り、標本点毎に得られる該変形標本
化関数の複数個の系列を時間域で部分的に重複する形で
加算合成した送信波形に変換し、該送信波形を隣接する
シンボルの同様な送信波形と部分的に時間域で重複した
波形として送信することを特徴としている。また、請求
項6では、請求項4に記載の標本化関数波形による相関
伝送方式において、受信側では、標本点毎に各標本点を
中央とする前記標本化関数と同一のまたは相似の復調用
変形標本化関数を準備し、該各復調用関数により受信信
号との相関値を求め、この相関値の系列を復調標本値系
列として、該標本化系列から送信シンボル波形の推定波
形を復元することを特徴としている。また、請求項7で
は、請求項5に記載の標本化関数波形による相関伝送方
式において、復調標本値系列から送信した帯域通過形デ
ータのシンボル波形の電圧振幅を推定し、これと前記標
本値系列をもとに該シンボル波形のシンボル周期より長
い時間波形を復元し、この復元波形を相関分析すること
により、源情報信号波形の情報を判定することを特徴と
している。また、請求項8では、請求項1または4に記
載の標本化関数波形による相関伝送方式において、前記
源情報信号波形を周波数ホップ形スペクトル拡散方式で
用いる帯域通過形データ信号とし、該データ信号の周波
数と位相をホッピングパターンに対応する値とし、受信
側では、該データ信号の周波数と位相の推定値を検出
し、該推定値と前記ホッピングパターンとの相関値を求
めることにより、ホッピングパターン対応情報を判定す
ることを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した形態
例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一形態例
であり、図17の如き多値FSK信号を伝送する方式の
構成図である。多値情報ms に対応して、送信機2aの
変調器5は式(1)で与えた多値FSK信号v(t)を
送出する。この多値FSK信号v(t)をまず標本化す
る。送信シフト周波数dfD の上限をfm としよう。標
本化定理より標本化レートfS は、次式で与えられる。 fS =Ts -1 ≧2fm …(2) 次いで、多値FSK信号v(t)は標本化回路6におい
て、標本化クロックパルスにより標本化周期TS 秒毎に
標本化された後、乗算器7によってn番目の標本値an
はn番目のタイミング点t=nTS を中心とする送信用
標本化関数w(t−nTS )の波形に乗算され、標本値
n に比例した出力をつくる。この出力はnTS の時系
列で順次、生成され、この系列が送信波形s(t)とな
り、伝送路3へと送出される。そして、受信波形r
(t)は送信波形s(t)(伝送過程の減衰と周波数歪
は等化増幅器で補われているものと仮定する)と、雑音
n(t)とを含み、次式で与えられる。 r(t)=s(t)+n(t) …(3) 但し、t:−hT≦t≦h’T ここで、h、h’は後述する正の値で、送信用標本化関
数w(t−nTS )の拡がる範囲を決める値である。
【0006】また、受信機4aは、別の手段(例えば、
他の帯域を用いてパイロット信号を送る方法など)によ
り同期を確保しているものと仮定する。この同期信号に
基づき、受信波形r(t)に含まれる送信波形s(t)
の成分に同期した位相の送信用標本化関数w(t−nT
S )が受信側にも準備されている。乗積器8および積分
器9によって構成される相関器により、受信波形r
(t)を相関分析することにより、送信側の標本値an
に対応する値として復調相関出力信号bn を出力する。
復調相関出力信号bn には雑音n(t)との相関出力も
含まれるが、n(t)=0ならば、bn =an となる。
ここで、後述するように、標本値an の値のみで、原送
信信号となる多値FSK信号v(t)を復元することは
(dが整数の場合を除き)一般には必ずしもできない。
そこで、復調用標本化関数w’を別途準備し、推定処理
回路10によって、別途準備した付加推定標本値cm
使用し、bn w’(t−nTS )とcmw’(t−nTS
)から多値FSK拡長信号vR (t)を作る。この
際、n(t)=0ならば、多値FSK拡長信号vR
(t)の一部[図3(d) のvRH(t) ]は原送信信号であ
る多値FSK信号v(t)に一致する。多値FSK拡長
信号vR(t)は判定回路11により、送受信に使用さ
れる全多値信号と比較され、それらの中の1つとして判
定される。
【0007】図1の各部の波形は図2(a)〜(d)、
図3(a)〜(d)に示されている。図2(a)〜
(d)、図3(a)〜(d)より変調・復調過程を説明
する。図2(a)中の多値FSK信号v(t)はFSK
信号の1つで、ここではシフト周波数dが、d=3.2
5の例を示す。中央のシンボル周期Tと、標本化周期T
Sには、Lを整数として次式の関係が与えられる。 T=LTS …(4) シンボル周期Tの左端をt=0とすれば、標本点はt−
nTS (n=0、1、2、…、L−1)で表現される。
図2(a)中の点線の大きさは標本値an である。標本
値an のうち、標本値a1 と標本値a9 と対応する時間
位置の送信用標本化関数w1 [=w(t−TS )]と、
送信用標本化関数w9 [=w(t−9TS )]とをそれ
ぞれ乗じた波形を図2(b)に示す。同様にして得られ
る10個の波形を加え合わせれば、図2(c)のs
(t)が得られる。これが送信波形であり、次式で与え
られる。
【数1】
【0008】ここで、理想的な送信用標本化関数wn
t=−∞〜+∞で定義される関数であるが、実際上、計
算処理が可能な有限の時間幅で定義する必要がある。式
(5)、(7)に示すように、ここでは正の整数h、
h’を用い、下式により実際のw(t)の拡がり幅を変
調周期Ta として定義する。 Ta =(h+h’)T …(8) このとき、時間範囲は、シンボル周期Tの左端をt=0
とすれば、送信用標本化関数wn の拡がりは、式(7)
に示す範囲に限定される。もし、式(7)の時間範囲を
“−hT≦t−TS ≦h’T、h=h’”とすれば、送
信用標本化関数wn の拡りは、標本点t=nTS を中心
に±Ta /2となるが、このようにwnの各々を設計し
ても、ほぼ同じ結果が得られる。図2(a)〜(d)、
図3(a)〜(d)には、式(7)において、h=1、
h’=2とした場合が示されている。すなわち、時間域
で相互に波形が重複するL個の標本化関数を加算合成す
ることにより、1シンボルに対応する送信波形s(t)
が構成される。また、受信機4a側で、受信波形r
(t)と、送信用標本化関数wn との相関を求めると、
その結果は次式の復調相関出力信号bn と、復調相関出
力信号bn’とで与えられる。
【数2】 この式(10)に示したように、ここでは送信用標本化
関数wn と、送信用標本化関数wi (n≠i)とが後述
するように直交関係にあると仮定したので、復調相関出
力信号bn ’を0とした。その結果、図2(d)には、
復調相関出力信号bn のみを示した。
【0009】図1に示すように伝送過程で雑音n(t)
が付加される。n(t)=0の場合、標本値an と、復
調相関出力信号bn とが、bn =an となり、この復調
相関出力信号bn を用いて、図2(c)の送信波形s
(t)を復元できるものの、式(1)の多値FSK信号
v(t)を復元することはできない。そこで、次式に示
す復調用周期Tb を用いる。
【数3】 ここで、[ ]はガウス記号である。図3(a)〜
(d)の例で示すシフト周波数dが、d=3.25の場
合は、Tb =4Tとなる。一方、式(1)の多値FSK
信号v(t)の周期は次式で与えられる。 Td =(dfD-1 …(12) この際、復調用周期Tb は周期Td と標本化周期TS
公倍数に当り、標本化周期TS の整数倍、周期Td の整
数倍に合致するので、復調用周期Tb 内の全ての標本値
を正しく与えれば、式(1)の多値FSK信号v(t)
を復調用周期Tb で示される時間域に拡張すれば、その
中には送信シフト周波数dfD の整数サイクルの波形が
含まれるはずである。この考え方から、復調用周期Tb
を周期とし、周期の左端をt=0とする復調用標本化関
数wn ’を次式で定義する。 wn ’=w’(t−nTS ) …(13) 但し、t:0<t<Tb
【0010】さて、復調相関出力信号はbn [n=0.
1…L−1]のL個しかないが、ここで必要な復調相関
出力信号の個数はN=(Tb /TS )個となる。そこ
で、不足する相関値を推定相関値cm (m=L、L+
1、+…N−1)とし、t−mTS における相関出力を
復調相関出力信号bn の値から推定する。式(1)の多
値FSK信号が受信波形r(t)に含まれていて、雑音
n(t)をn(t)=0とし、多値FSK信号v(t)
の振幅推定値をARES とすれば、次式が成り立つ。
【数4】 ここで、E[]は平均値をとる記号である。また、式
(14)の分母が小さいときの振幅推定値をAn・RES
省くと、n(t)≠0の場合も、推定相関値cmは近似
値として十分用い得る。図3(a)〜(d)には、雑音
n(t)がn(t)=0とした場合の各部の受信波形を
示す。図3(a)はb11 ’と、b99 ’の例であ
る。図3(b)は復調相関出力信号bn のみ用いた復元
波形で、
【数5】 図3(c)は推定相関値cm のみを用いた復元波形
【数6】 で、次式の多値FSK拡長信号vR (t)はこれらの波
形の和である。 vR (t)=v0 (t)+vp (t) …(19)
【0011】多値FSK拡長信号vR (t)は復調用周
期Tb 内に送信シフト周波数dfDの整数サイクルを含
んだ波形となる。シンボル周期Tよりやや長い時間幅
に、送信シフト周波数dfD の整数サイクルを含むよう
な波形を考えると、多値FSK拡長信号vR (t)の最
初の{[d]+1}=4サイクル部分からなる先頭拡長
波形vRH(t)が得られる。推定相関値cm は雑音の影
響で大きく劣化するので、推定相関値cm の影響をあま
り受けない先頭拡長波形vRH(t)のみを用いて最終判
定を行うと、多値FSK拡長信号vR (t)を用いるよ
りその受信SN比特性は向上する。今、k番目のシンボ
ル周期[t=kT〜(k+1)T]に周波数dkD
正弦波vk (t)を送ると知れば、FSK信号の系列は
【数7】 で与えられる。正弦波vk (t)に対応する送信信号を
k (t)とすれば、総合送信信号は、
【数8】 となる。ここで、aknは正弦波vk (t)のn番目の標
本値である。いま、送信信号sk (t)のうち、送信信
号s0 (t)を中心とし、h=1、h’=2としたとき
の送信信号s0 (t)の波形と時間域で重複する前後の
送信信号sk (t)(k=−2、−1、0、1、2)を
図4に示す。これらの時間域で部分的に重複する波形を
加算合成した波形が実際の総合送信信号sT (t)の波
形であり、図4においてs0 (t)の拡がる時間範囲の
電圧波形は図示の5個の波形の電圧の和で構成される。
【0012】このように、波形が重複しても、受信側で
検出する際に、式(10)が成立つ限り、k番目に隣接
するシンボルとk番目の送信信号sk (t)の波形が相
互に干渉することはない。従来のデータ伝送方式では、
k番目のシンボルに対応する送信信号sk (t)の波形
を、k番目のシンボル周期Tの中に閉じ込めていたが、
本発明は各シンボルに対応する送信信号の波形の占有時
間帯をシンボル周期Tより広い変調周期Ta に拡散する
ことにより、該各送信信号の波形を狭い帯域を用いて歪
なく伝送できる。シンボル周期Tの境界で大きな遷移を
含む(高い周波数成分を含む)ような波形に対しても、
有限な伝送帯域Bを用いて帯域制限による歪なく送るこ
とができる。本発明はアナログ信号(シンボル周期Tと
なるフレームで切断せずに、無限大の周期で観測した場
合)の周波数成分(dfD )が有限な伝送帯域Bより小
さいという条件(dfD ≦B)の下で、該アナログ信号
の時間制限波形の周波数成分が無限大に拡がるにもかか
わらず、その無歪伝送を可能とする。このような機能は
従来のフィルタ技術および伝送技術では不可能であっ
た。
【0013】次に、本発明の効果が十分発揮されるため
には、式(10)で表現したように、送信用標本化関数
n と送信用標本化関数wi (i≠n)の間の直交関係
が確保される必要がある。送信用標本化関数wn と送信
用標本化関数wi は時間差(n−i)TS をもつ同じ波
形であるから、式(10)は時間信号w(t)の自己相
関関数ρがt=nTS で零となることを意味している。
すなわち、下式が成り立つことである。
【数9】 ここで、時間信号w(t)に対し定義されている時間幅
hとh’が式(8)で定義したように有限な場合を考え
る代わりに理論的に取扱い易い、h→h’∞の場合の自
己相関関数を考え、これをρとして下式のように表すこ
とにする。
【数10】 ρ(nTS )=0 …(26) いわゆる、標本化関数(後述する2乗余弦形標本化関数
で、そのロール・オフ率αが0である関数)は理論上、
±∞まで振動が続く上に、式(26)は成立しない。一
方、2乗余弦形標本化関数を用い、ロール・オフ率αを
1に近づけると占有帯域はBから2Bに近づくが、その
振動は狭い時間幅に制限できる。ところが、α→1、T
→∞としても、その自己相関関数はρ(nTS )→0と
はならない。その理由は、2乗余弦形標本化関数は、そ
の自己相関関数に着目して設計された関数ではないから
である。式(25)の自己相関関数ρ(τ)のフーリエ
変換は次式で与えられる。
【数11】
【0014】一方、上記電力スペクトルP(f)と、標
本化周期TS のインパルス系列のスペクトルΣδ(f−
nTS )とのたたみこみ積分が下式に示すように常数と
なれば、
【数12】 式(26)が実現される。(ナイキストの判定基準)式
(27)から、式(29)を満足させる為に電力スペク
トルP(f)に2乗余弦特性をもたせるためには、スペ
クトルW(f)に余弦特性をもたせればよい。ここで
は、この考え方から、次式のスペクトルW(f)を一例
としてあげよう。
【数13】 上記スペクトルW(f)は余弦関数であり、これを時間
信号w(t)に逆変換すれば、次式が得られる。
【数14】
【0015】ここで、Sa (x)=(sinx)/xで
ある。この時間信号w(t)の自己相関関数特性は次式
で与えられ、標本点で0となる。
【数15】 式(30)、(31)の関数をここでは変形標本化関数
と呼ぶことにする。実際の相関復調は式(9)、(1
0)に示すように、有限の時間幅(h+h’)Tに対し
てのみ実行できるので、式(24)は実際には下式の微
小誤差εとなる。 ρT (nTS )=ε …(33) 但し、n:n≠0 式(23)で、h=5,h’=6とし、式(8)の関数
の広がり幅Ta =11T=110TS の場合を考える
(T=10TS )を仮定) ロール・オフ率αが、α=1およびα=0.1の場合の
スペクトルW(f)に2乗余弦特性および余弦特性をそ
れぞれ与えた場合のスペクトルをα=0に相当する標本
化関数波形のスペクトルを付して図5(a)、(b)に
示す。また、それらの時間波形と自己相関特性を図6
(a)、(b)に示す。これからスペクトルW(f)に
余弦特性を与えた変形標本化関数は式(33)を満足す
ることが明らかである。
【0016】また、式(29)のスペクトルに対する条
件を満足する関数は無数に存在する。例えばロール・オ
フ率αが、α=1の2乗余弦関数に、f=B点に関し、
反対称な関数として正弦波をとり上げ、例えば
【数16】 を考えることができる。ここで、aは常数、Rc (f)
は2乗余弦関数で、式(30)を2乗した値をもつ。式
(35)は式(29)を満足する。反対称関数の振幅
を、a=0.2/2Bとした場合のそのスペクトル、波
形、自己相関関数を図7〜図9に示す。なお、変調関数
としては、式(30)において、その各スペクトル成分
を(π/2)だけシフトさせた関数Q(f)(直交標本
化関数と呼ぶ)を用いることもできる。この場合、その
時間波形q(t)を用いて、源送信波形[式(1) のv
(t)等]を表す必要がある。標本化関数w(t)の場
合は、式(5)のan によりs(t)を求めるが、q
(t)を用いる場合an をそのまま用いることはできな
い(物理的な対応がないために)。そこで、源送信波形
とqn =q(t−nTS )との相関値gn を求め、これ
を元に送信波をΣgnn として構成できる。このよう
に標本点の自己相関値が0となる一般的な変調関数の場
合、源送信波形の標本値の代わりに、相関値を用いて同
様な変調送信を実現できる。
【0017】次に、実際上、相関検出の時間幅である変
調周期Ta は有限長となる。したがって、式(33)の
微小誤差εを吟味する必要がある。いま、k=0番目の
シンボルフレームの隣接フレームをk=±1、±2…と
すれば、0番目のフレームのn番目の標本点に干渉を及
ぼす変調フレームの範囲は、 −(h+1)≦k≦h’ …(36) に限定される。したがって、干渉フレーム数は、 Nk ≦(h+h’+1) …(37) となる。これらの理由から、干渉標本点数の最大値は、 NE ≦Nk T/TS …(38) で与えられる。これらの標本点の各々と、0番目のフレ
ームのn番目の標本点に与える干渉量の平均値eAVE
と、最大値em とを求めると、図10が得られる。図1
0の横軸は変調周期Ta である。なお、ここではfm
5fD とし、式(2)からT/TS =10が仮定されて
いる。この結果をもとに、信号対干渉雑音電力比SIR
を算定すると、次式が得れる。
【数17】 図10からh+h’=3とすれば、T/TS =10、N
E =40となり、図10のシミュレーションの値から干
渉電圧の平均値eAVE が、eAVE ≒0.005となる。
したがって、Ta =3Tの場合、SIR≧30dBが得
られる。同様にして、計算した結果から、Ta =4Tに
対し、SIR≧40dBが得られ、変調周期Ta の増大
により、信号対干渉雑音電力比SIRを高め得る。故
に、比較的狭い変調周期Ta を用いて、高い信号対干渉
雑音電力比SIRを確保できることが分かる。
【0018】このようにして、シフト周波数の正弦波を
シンボル周期Tに時間制限することにより生ずるフレー
ム間遷移により、信号系列が極めて高い高周波成分を含
む場合でも、その標本値に対し変形標本化関数で変調し
た波形を伝送すれば、受信側で上記フレーム信号を忠実
に復元できる。この場合、送信シフト周波数dfD の最
大値をfm とすれば、所要伝送帯域幅BL は次式で与え
られ、所要標本化レートfS は、式(2)で与えられ
る。 BL =(1+α)fm …(40) ここで、送信シフト周波数dfD の最大値fm は式
(1)におけるシフト周波数dの最大値である。すなわ
ち、最大のシフト周波数の(1+α)倍[α=0.1と
すれば、僅か1.1倍]の帯域幅を用いて、帯域制限に
よる歪なしに伝送できる。送信側、受信側で用いる送信
用標本化関数wn に対して変形標本化関数を用いる必要
があるが、推定標本値となる出力信号bn から多値FS
K拡張信号vR (t)を復元する場合に用いる復調用標
本化関数wn ’に対しては、標本化関数(α=0)を用
いることもできるが、取り扱い易い通常の2乗余弦形標
本化関数や変形標本化関数の何れをも用い得る。ただ
し、式(11)のTb を短くする程、ロール・オフ率α
が1より小さい程折返し歪は大きくなる。
【0019】本発明は、多値FSK信号のみならずBP
SK信号、QPSK信号、QAM信号、さらにFSK信
号とPSK信号を復合した波形などの帯域通過形変調波
形の伝送にも広く応用できる。例えばBPSK信号の場
合式(1)の代りに2値に対応して下記の2つの信号 v0 (t)=Acos(2πdfD t) …(41) 但し、t:0≦t≦T v1 (t)=Acos(2πdfD t−π) …(42) 但し、t:0≦t≦Tの何れかを順次、伝送する場合に
も応用できる。この場合、シフト周波数dは一定であ
る。シフト周波数d、ロール・オフ率αが各々、d=
1、α=0.1の場合の所要帯域幅BL は、BL =1.
1fD となり、狭帯域伝送が可能となる。
【0020】本発明の技術はパルス伝送にも適用でき
る。図11の上部側の送信機2b、受信機4bは本発明
の他の形態例で、PCM信号(2値インパルス系列)の
伝送方式のブロック図である。まず、信号から直流分を
除くために送信2値情報bS が2値3値変換回路23で
バイポーラ符号eAMI (Alternate Mode Inversionとも
云う)に変換される。このブロック図は図1における多
値FSK信号v(t)の代わりに3値のバイポーラ符号
AMI (1.0、−1)に対応するインパルス列を用
い、受信機22側の推定処理回路10を除いた単純な構
成となっている。図12(a)、(b)に送信2値情報
S と送信波形S (t)との関係を示す。バイポーラ符
号eAMI は図1の標本値an に当り、1、−1、0の3
値からなる。また、バイポーラ符号eAMI のインパルス
の周期は標本化周期TS に当る。送信用標本化関数wn
に標本値an を乗ずることにより送信波形S (t)が生
成される。この送信波形S (t)を受信側で、図11に
示すように同じ送信用標本化関数wn と相関検出するこ
とにより、復調相関出力信号bn を生成する。雑音n
(t)が、n(t)=0ならば、bn =an となる。2
個のしきい値を持つ判定回路11で、上述の3値の何れ
であるかが決定される。この3値出力推定値eAMI・RS
3値/2値変換回路24により検出され、2値信号bR
となる。従来のPCM伝送では、シンボル間干渉を除く
ために、伝送帯域は、 BL0≒fS …(43) を必要とした。これでも、実際には、一般雑音と同程度
の隣接シンボルによる干渉雑音が残る。しかし、本発明
の方式を用いると、 BL =(1+α)fS /2 …(44) の帯域幅を用いるだけで、干渉波をほぼ完全に除くこと
ができる。したがって、ロール・オフ率αを、α=0.
1とすれば、所要帯域幅がほぼ半減する効果がある。従
来方式の設計における雑音配分を考えると、受信機の復
調出力には一般雑音と干渉雑音(両者の割合は通常5
0:50に設計される)が生ずる。本方式を用いると、
このうち、後者の成分は消失するので、全復調雑音は、
従来方式に比し半減する。さらに本方式の所要帯域幅の
半減効果を考慮すると、雑音もさらに半減するので、総
合雑音は従来方式に比し(1/4)倍となり、SN比は
6dB向上するという大きな利点がある。
【0021】本発明の技術は、直接拡散形スペクトル拡
散伝送方式(DS−SS)にも適用できる。図11の下
部側のブロック25、26を用いて説明する。ブロック
25の乗算器27は送信すべき2値情報bS ’(1、−
1)に対応して拡散(擬似ランダム)系列のm(t)の
極性を非反転、反転し、この出力が図1の送信情報信号
v(t)となる。いま、bS ’=1とすれば、ブロック
25の出力信号はm(t)となり、次式が得られる。
【数18】 ここで、δはデルタ関数を示す。また、an はn番目の
チップの値で、(1、−1)の値をとる。また、L=7
の場合の拡散符号列m(t)と送信波形S (t)を図1
3(a)、(b)に示す。標本化周期TS はこの場合チ
ップ周期に当り、出力信号m(t)のチップ長をLと仮
定した。受信機4bでは、前述の手法によりチップ値a
n の復調相関出力信号としてbn が得られる。この場
合、復調相関出力信号bn はアナログ量であり、図11
のブロック26に加えられる。ここでは、送る側と同じ
m(t)={an }が復調符号として準備されている。
ここで、乗算器28および積分器29によって、1周期
T=LTC に亘り、出力信号m(t)との相関検出が行
なわれ、下式の検出出力信号が得られる。
【数19】
【0022】そして、判定回路30で、検出出力信号v
d をしきい値と比較することにより2値出力信号bR
を得る。従来、(DS−SS)方式では、送信側で、チ
ップインパルスを方形波にして伝送していたので、その
所要伝送帯域幅BL は、BL ≒1/TS であった。本発
明の技術を用いると所要伝送帯域幅BL は、
【数20】 となり、ロール・オフ率αを、α=0.1とすれば、
(1/TS )に比し、ほぼ半減する。同時に雑音も半減
する利点がある。本発明の技術は、周波数ホッピング形
スペクトル拡散伝送方式(FH−SS)にも適用でき
る。FH−SSでは、複数個のFSK(PSKを含んで
もよい)信号を準備し、これをvj (j=0、1、2、
J−1)としよう。このFSK信号vj の中からr(r
≦J)個取り出して配列し、同様な組合をM個作る。M
個の中の1個の組合を伝送すれば、Mレベルの多値伝送
を行うことができる。なお、FSK信号vj の組合はホ
ッピングパターンと呼ばれる。したがって、図17に示
すようなFSK系列を、このホッピングパターンに従っ
て送出する。受信側では、図11のブロック26の機能
と同様な方法を用いる。すなわち、各FSK信号の強度
の推定値と、上記ホッピングパターンとの相関を求め、
その相関出力を判定回路30で判定する。本発明の技術
を用い、式(1)のシフト周波数dとして非整数を用い
ると、狭い帯域幅を用いて多数のFSK信号vj を準備
できるので、FH−SSの信号を狭帯域で伝送できる。
隣接するタイムスロットのFSK信号vj 相互間の干渉
を除き得る利点もある。
【0023】図14にアナログ連続情報の高品質狭帯域
伝送に適用した形態例を示す。図15の(a)、(b)
は、図14の各部の信号波形を示す。図14に示すvA
(t)を図15の(a)、(b)に示すアナログ連続信
号とし、このアナログ連続信号vA (t)のもつ周波数
成分の上限をfm とすれば、式(2)の標本化レートf
S が用いられる。アナログ連続信号vA (t)の標本値
に式(32)の標本化波形を乗ずれば、図14に示す送
信波形S (t)が得られる。この送信波形S (t)は受
信側で受信波形r(t)となり、受信機4cでは前述の
説明と同様に相関復調されて復調相関出力信号bn が得
られる。図14の点線に示すように、復調相関出力信号
n の系列に対し、乗算器35によって復調用標本化関
数wn ’を乗ずればアナログ連続信号vA (t)の復元
値vA・RE(t)が得られる。一般には、推定処理回路1
0において標本値an のもつ特性を利用し、雑音で劣化
した復調相関出力信号bn から正しい標本値an を推定
する処理を施し、その後、復調用標本化関数wn ’を乗
ずれば、より高品質の波形を復調できる。
【0024】図14の伝送系で重要な点は図16に示す
送信フィルタ105、受信フィルタ106の各フィルタ
特性FS 、FR のような送受信側に特別なフィルタを用
いていないことである。何となれば、送信波形S (t)
は完全にBHz以下に帯域制限されている。また受信側
では、相関によりBHz以上の雑音の影響を受けずに復
調できる。ただし、例えば送信波形S (t)により無線
搬送周波数を変調して、送信前に伝送周波数を高める場
合、無線帯域の簡単なフィルタを用いる必要は生ずるで
あろう。しかし、このフィルタに厳密な遮断特性は必要
なくそれによる伝送品質への悪影響はほとんどない。こ
のように通常のフィルタを変復調過程で必要としないこ
とは、図1、図11の形態例でももっている利点であ
る。本発明は上述のように、源情報信号がインパルスの
場合はその振幅に、その他の波形の場合はその標本値
(或は、その波形と変調関数との相関値)に対し、変形
標本化関数(変調関数)を乗じて送信信号を作りこれを
シンボル系列にしたがって順次加算合成して送信し、受
信側では前記変形標本化関数(変調関数)との相関分析
により、源インパルスまたは源標本値を復元する方式に
より、標本値間、シンボル間干渉のない狭帯域無歪伝送
方式を実現できる。したがって、インパルス列の伝送、
スペクトル拡散伝送、帯域通過形データ伝送、アナログ
信号の伝送に適用して大きな効果がある。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項8において、狭帯域で歪の生じない伝送方式を実現
することができ、これによって帯域制限伝送による信号
波形の劣化を避けることができるとともに、時間制限さ
れたデータ伝送波形などの、一般に送信アナログ波形を
歪なく伝送することができ、さらにランダムなインパル
ス系列の狭帯域無歪伝送も可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による標本化関数波形による相関伝送方
式の一形態例を示すブロック図である。
【図2】(a)乃至(d)は図1に示すブロック図を構
成する各部の波形例を示す模式図である。
【図3】(a)乃至(d)は図1に示すブロック図を構
成する各部の波形例を示す模式図である。
【図4】本発明で使用する送信信号S k (t)のうち、
送信信号S 0 (t)を中心とし、h=1、h’=2とし
たときの送信信号S 0 (t)の波形と時間域で重複する
前後の送信信号S k (t)(k=−2、−1、0、1、
2)の一例を示す模式図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明で使用される、α=
0に相当する標本化関数波形のスペクトルが付されたス
ペクトルW(f)に2乗余弦特性および余弦特性のスペ
クトルを示す模式図である。
【図6】(a)及び(b)は図5に示すスペクトルの時
間波形と自己相関特性を示す模式図である。
【図7】反対称関数の振幅を、a=0.2/2Bとした
場合における、スペクトルW(f)を示す模式図であ
る。
【図8】図7に示すスペクトルW(f)の波形例を示す
模式図である。
【図9】図7に示すスペクトルW(f)の自己相関関数
例を示す模式図である。
【図10】標本点の各々と、0番目のフレームのn番目
の標本点に与える干渉量の平均値eAVE と、最大値em
とを示す特性評価図である。
【図11】本発明の他の形態例で、PCM信号(2値イ
ンパルス系列)の伝送方式のブロック図である。
【図12】(a)及び(b)は図11の上部側に示す形
態例で使用される送信2値情報bS と送信波形S (t)
との関係を示す模式図である。
【図13】(a)及び(b)は図11の下部側に示す形
態例で、L=7の場合の送信波形S (t)例を示す模式
図である。
【図14】本発明の他の形態例で、アナログ連続情報の
高品質狭帯域伝送に適用した形態例を示すブロック図で
ある。
【図15】(a)及び(b)は図14に示す形態例で使
用されるアナログ連続信号VA (t)と、送信波形S
(t)とを示す模式図である。
【図16】FSK伝送方式を使用した従来の送受信シス
テムの一例を示すブロック図である。
【図17】図16で使用されるFSK信号の一例を示す
波形図である。
【符号の説明】
2a…送信機、3…伝送路、4a…受信機、5…変調
器、6…標本化回路、7…乗算器、8…乗算器、9…積
分器、10…推定処理回路、11…判定回路、2b…送
信機、4b…受信機、23…2値3値変換回路、24…
3値2値変換回路、25…ブロック、26…ブロック、
27…乗算器、28…乗算器、29…積分器、30…判
定回路、2c…送信機、4c…受信機、35…乗算器
フロントページの続き (72)発明者 末広 直樹 茨城県つくば市竹園3−6−305−103 (72)発明者 大竹 孝平 神奈川県横浜市港北区新吉田町1941 (72)発明者 内藤 敏勝 神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 源情報信号波形を帯域制限された伝送チ
    ャネルを用いて伝送する方式において、 予め設定した標本化レートの各標本点において、該源情
    報信号波形の標本値を求め、該標本点の各々に対し該各
    標本値に対応する振幅レベルをもち、かつその自己相関
    値がシフト量が0の点を除き、該各標本点において零と
    なるような変形標本化関数波形を割り当て、 これらのレベル対応変形標本化関数波形の系列と該隣接
    波形の複数個とを部分的に時間域で重複する形で加算合
    成することにより送信波形を構成し、 受信側では、該各標本点に予め準備した前記変形標本化
    関数波形と同一または相似する波形により、受信信号と
    の相関処理を該各標本点を中心とする標本間隔よりも長
    い時間域に亘り施し、 その結果得られる相関値をもとに前記源情報信号波形を
    復元または該波形の情報を検出する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の標本化関数波形による
    相関伝送方式において、 前記変形標本化関数として、該変形標本化関数波形の2
    乗波形の周波数スペクトルと標本化レートの整数倍の周
    波数系列との周波数領域たたみこみ演算により求まる周
    波数特性が定数となるような関数波形の中の一つを用い
    る、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の標本化関数波形による
    相関伝送方式において、 前記源情報信号波形を2値または多値インパルス系列と
    し、該各インパルスに前記変形標本化関数を割当て、そ
    れらを部分的に時間域で重複する形で加算合成した送信
    波形を作り、 受信側で、前記変形標本化関数と相似の関数を各標本点
    に準備し、これらの関数により受信入力を相関分析する
    ことにより送信された源情報信号波形の2値または多値
    インパルス系列を検出する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の標本化関数波形による
    相関伝送方式において、 前記源情報信号波形を直接拡散形スペクトル拡散方式で
    用いる擬似ランダム信号のチップインパルス系列とし、
    該各インパルスに前記変形標本化関数を割当て、それら
    を部分的に時間域で重複する形で加算合成した送信波形
    を作り、 受信側で、前記変形標本化関数と相似の関数を各標本点
    に準備し、これらの関数により受信入力を相関分析する
    ことにより送信されたチップインパルス系列の推定値を
    作り、これらと受信側で準備している前記擬似ランダム
    信号のチップインパルス系列との相関値を求めることよ
    り、前記擬似ランダム信号の極性を判定する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の標本化関数波形による
    相関伝送方式において、 前記源情報信号波形を帯域通過形データ信号とし、該デ
    ータ信号の1シンボルを一定の標本化レートで標本化
    し、その標本値に対応する振幅をもち、且つ該標本点を
    中央とする変形標本化関数を作り、標本点毎に得られる
    該変形標本化関数の複数個の系列を時間域で部分的に重
    複する形で加算合成した送信波形に変換し、該送信波形
    を隣接するシンボルの同様な送信波形と部分的に時間域
    で重複した波形として送信する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の標本化関数波形による
    相関伝送方式において、 受信側では、標本点毎に各標本点を中央とする前記標本
    化関数と同一のまたは相似の復調用変形標本化関数を準
    備し、該各復調用関数により受信信号との相関値を求
    め、この相関値の系列を復調標本値系列として、該標本
    化系列から送信シンボル波形の推定波形を復元する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の標本化関数波形による
    相関伝送方式において、 復調標本値系列から送信した帯域通過形データのシンボ
    ル波形の電圧振幅を推定し、これと前記標本値系列をも
    とに該シンボル波形のシンボル周期より長い時間波形を
    復元し、この復元波形を相関分析することにより、源情
    報信号波形の情報を判定する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  8. 【請求項8】 請求項1または4に記載の標本化関数波
    形による相関伝送方式において、 前記源情報信号波形を周波数ホップ形スペクトル拡散方
    式で用いる帯域通過形データ信号とし、該データ信号の
    周波数と位相をホッピングパターンに対応する値とし、 受信側では、該データ信号の周波数と位相の推定値を検
    出し、該推定値と前記ホッピングパターンとの相関値を
    求めることにより、ホッピングパターン対応情報を判定
    する、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
  9. 【請求項9】 請求項1、又は請求項2において、変形
    標本化関数の代わりに、標本点の自己相関関数が0とな
    る変調関数を用い、標本値の代わりに源情報信号波形
    と、該変調関数との相関値を用いて送信波形を構成す
    る、 ことを特徴とする標本化関数波形による相関伝送方式。
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