JP5160599B2 - 電力線搬送通信システム、電力線搬送通信方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

電力線搬送通信システム、電力線搬送通信方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、スペクトラム拡散変調方式を利用してデータを伝送する電力線搬送通信システムおよび電力線搬送通信方法等に関する。例えば、商用電力線間で広域にデータ伝送を可能とする電力線搬送通信システムおよび電力線搬送通信方法等に関する。
2009年4月より施行された改正省エネ法によりコンビニ店等小口かつ広域の総合的なエネルギー消費量把握の必要性が増してきている。一方、太陽光発電・風力発電・燃料電池等の分散電源導入推進が盛んに行われており、学校等公共施設や一般家庭においてもこれらの設備導入が今後益々増加していくと思われる。
このような社会的環境下で従来以上に、発電・消費電力量データの測定値の把握、関連する装置の遠隔制御、設備の異常監視等の重要性が増してきている。
これらのための通信手段として電力線搬送を利用すると通信ライン確保が不要になり経済的メリットは大きい。商用電力線を用いた電力線搬送通信システムは、電力線通信用の送受信装置を介することによってデータ端末機器(被制御機器)を商用電力線に接続し、この商用電力線を信号伝送線として端末機器間のデータ通信を可能とする。したがって、商用電力線が配線されている環境であれば、あらたに通信線を配線することがないので、通信線の工事費が省けるメリットがある。
しかし、電力線を通信用の伝送媒体として使用する場合、電波法施行細則により電力線搬送通信設備から送出できる信号の電力値は10mW以下となるようにすべきことが規定されており、また、電力線は通信用に設計されたものではないので出力を上げると周辺機器への妨害波発生の問題もあり、できるだけ低電力で通信する必要がある。
できるだけ低電力で通信するためには、信号がノイズより小さくとも通信できるスペクトラム拡散通信方式の採用が考えられ、現実的には、チップ数が多い(例えば1000チップとか10000チップの)長周期の拡散コードを用いたスペクトラム拡散通信方式の採用が妥当である。
スペクトラム拡散通信方式では、拡散コードを1チップずつずらしながら受信データと比較して受信時の同期を取る。
この受信時の同期を取るのに要する時間を短縮するために、この1チップずつずらしながら比較する作業をフーリエ変換を用いた相関関数の計算で実現し、二つの関数のフーリエ変換同士の積の逆変換が元の関数の相関関数になっているという相関定理を用い、FFT演算を用いて高速に同期させる方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3639839号
しかしながら、従来のスペクトラム拡散通信方式による通信では、スペクトラム拡散コード1回分の送出に対して1ビットのデータしか伝送できなかった。
図14に、従来のスペクトラム拡散通信方式を用いて伝送する場合の、送信データ信号と拡散された変調波の関係を示す。図14は、例として8ビットのデータを送信する場合の送信データ信号100と拡散変調波101の関係を示している。ここでは、16進数で25Hという8ビットのデータを送信している。
例えば1024チップ(以下これを略しておよそ1000チップと言う)の長周期のスペクトラム拡散コードを用いて通信する場合には、1ビットのデータを伝送するのに、1000チップの拡散コードを伝送する時間が必要であり、8ビットの送信データ信号100を送信するためには、8192チップ(以下これを略しておよそ8000チップと言う)を伝送する時間が必要となる。そして、利用するスペクトラム拡散コードが長周期になるほど、1ビットのデータの伝送に要する時間も長くなる。
本発明は、上記従来の課題を考慮して、ノイズ耐性力を有しながら、従来のスペクトラム拡散通信方式よりも高速に伝送できる電力線搬送通信システムおよび電力線搬送通信方法等を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
互いに異なるスペクトラム拡散コードを発生する複数の拡散コード発生部と、
2個の前記異なるスペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値が、送信するデータの数値となるように、前記各拡散コード発生部が前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生するタイミングを決定する送出タイミング決定部と、
前記各拡散コード発生部が発生した前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを合成した送信信号波形を生成するコード合成部と、
搬送波前記送信信号波形によって変調する変調部と、
前記変調部で変調された搬送波を電力線へ送出する送信用電力線結合部とを有する送信装置と、
前記変調された搬送波を前記電力線から取得する受信用電力線結合部と、
前記電力線から取得した変調された搬送波を復調する復調部と、
前記搬送波を復調して得られた送信信号波形を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された送信信号波形のデータを再生し、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出する同期時点検出部と、
前記同期時点検出部が前記各同期時点を検出する前に、前記再生された送信信号波形のデータを対数値に変換する対数フィルターと、
前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの前記各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして、前記送信装置が送信するデータの数値を取得する受信データ変換部とを有する受信装置と、を備えた電力線搬送通信システムであって、
前記変調部で前記送信信号波形によって変調された搬送波は、一定時間間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返して送出され、
一方、前記受信装置において前記変調された搬送波を前記復調部によって復調して得られる信号波形は、前記送信装置が送信する際の送信クロック信号のL倍(Lは2以上の整数)の周波数の受信クロック信号でサンプリングされ、
前記同期時点検出部は、前記復調部によって復調された前記一定時間間隔毎のK回分の前記送信信号波形の加算平均の結果から、前記スペクトラム拡散コードの前記各同期時点を検出され、
前記受信装置は、
前記送信クロック信号の周波数の誤差を考慮した、最大値、最小値および中央値の3種類の周波数を算出し、前記中央値の周波数のL倍のクロック信号でサンプリングして保存した前記送信信号波形のデータを、前記最大値または前記最小値の周波数に合った比率で間引きまたは補間によってリサンプリングして補正するとともに、
相関関数演算を用いて、既知のスペクトラム拡散コードと前記送信装置から受信した前記送信信号波形のK回分の加算平均の結果とから前記複数のスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出し、
前記送信信号波形のデータおよび前記リサンプリングしたデータのそれぞれについて検出された同期時点の相関値のうち、最も高い相関値が得られた前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータの等価クロックを最適な等価クロック信号と決定し、その決定した前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータに対する各スペクトラム拡散コードの各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして前記送信装置が送信するデータの数値を取得する、電力線搬送通信システムである。
また、第2の本発明は、
前記送出タイミング決定部は、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードのうち、先行するスペクトラム拡散コードの存在時点よりも所定時間前が存在時点となるスペクトラム拡散コードをマーカー用として前記拡散コード発生部に発生させるタイミングを決定し、
前記コード合成部は、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードとともに、前記マーカー用のスペクトラム拡散コードを合成する、第1の本発明の電力線搬送通信システムである。
また、第3の本発明は、
前記送出タイミング決定部は、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの後に、さらに異なる一または複数のスペクトラム拡散コードを前記拡散コード発生部に発生させるタイミングを決定し、
隣接する前記スペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値は、互いに別の通信するデータの数値に対応している、第1または第2の本発明の電力線搬送通信システムである。
また、第4の本発明は、
送信装置から送信するデータを、電力線を介して受信装置が受信する電力線搬送通信方法であって、
前記送信装置が、2個の異なるスペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値が、前記送信するデータの数値となるように、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生するタイミングを決定する送出タイミング決定ステップと、
前記送信装置が、前記決定されたタイミングにしたがって、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生する拡散コード発生ステップと、
前記送信装置が、前記発生した2個の異なるスペクトラム拡散コードを合成した送信信号波形を生成するコード合成ステップと、
前記送信装置が、前記合成した送信信号波形によって搬送波変調する変調ステップと、
前記送信装置が、前記変調した搬送波を前記電力線へ送出する電力線データ送出ステップと、
前記受信装置が、前記電力線から前記変調された搬送波を取得する電力線データ取得ステップと、
前記受信装置が、前記電力線から取得した前記変調された搬送波復調する復調ステップと、
前記受信装置が、前記変調された搬送波を復調して得られた送信信号波形を記憶する記憶ステップと、
前記受信装置が、前記記憶した送信信号波形のデータを再生し、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出する同期時点検出ステップと、
前記同期時点検出ステップにおいて前記各同期時点を検出する前に、前記再生された送信信号波形のデータを対数フィルターによって対数値に変換する対数値変換ステップと、
前記受信装置が、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの前記各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして、前記送信装置が送信したデータの数値を取得する受信データ変換ステップとを備え、
前記変調ステップでは、前記送信信号波形によって変調された搬送波を、一定時間間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返して送出し、
一方、前記受信装置の前記復調ステップでは、前記変調された搬送波を復調して得られる信号波形を、前記送信装置が送信する際の送信クロック信号のL倍(Lは2以上の整数)の周波数の受信クロック信号でサンプリングし、
前記同期時点検出ステップでは、前記復調ステップで復調された前記一定時間間隔毎のK回分の前記送信信号波形の加算平均の結果から、前記スペクトラム拡散コードの前記各同期時点を検出し、
前記受信装置は、
前記送信クロック信号の周波数の誤差を考慮した、最大値、最小値および中央値の3種類の周波数を算出し、前記中央値の周波数のL倍のクロック信号でサンプリングして保存した前記送信信号波形のデータを、前記最大値または前記最小値の周波数に合った比率で間引きまたは補間によってリサンプリングして補正するとともに、
相関関数演算を用いて、既知のスペクトラム拡散コードと前記送信装置から受信した前記送信信号波形のK回分の加算平均の結果とから前記複数のスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出し、
前記送信信号波形のデータおよび前記リサンプリングしたデータのそれぞれについて検出された同期時点の相関値のうち、最も高い相関値が得られた前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータの等価クロックを最適な等価クロック信号と決定し、その決定した前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータに対する各スペクトラム拡散コードの各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして前記送信装置が送信するデータの数値を取得する、電力線搬送通信方法である。
また、第5の本発明は、
第4の本発明の電力線搬送通信方法の、少なくとも前記送出タイミング決定ステップ、前記同期時点検出ステップ、および前記受信データ変換ステップの動作をコンピュータに実行させるプログラムである。
また、第6の本発明は、
第5の本発明のプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体である。
また、本発明に関連する第1の発明は、
互いに異なるスペクトラム拡散コードを発生する複数の拡散コード発生部と、
2個の前記異なるスペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値が、送信するデータの数値となるように、前記各拡散コード発生部が前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生するタイミングを決定する送出タイミング決定部と、
前記各拡散コード発生部が発生した前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを合成した送信信号波形を生成するコード合成部と、
前記送信信号波形を搬送波によって変調する変調部と、
前記変調部で変調された送信信号波形を電力線へ送出する送信用電力線結合部とを有する送信装置と、
前記送信信号波形を前記電力線から取得する受信用電力線結合部と、
前記電力線から取得した送信信号波形を前記搬送波によって復調する復調部と、
前記復調された送信信号波形を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された送信信号波形のデータを再生し、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出する同期時点検出部と、
前記同期時点検出部が前記各同期時点を検出する前に、前記再生された送信信号波形のデータを対数値に変換する対数フィルターと、
前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの前記各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして、前記送信装置が送信するデータの数値を取得する受信データ変換部とを有する受信装置と、を備えた電力線搬送通信システムであって、
前記変調部で変調された送信信号波形は、一定時間間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返して送出され、
前記復調部によって復調される前記電力線から取得する送信信号波形は、前記送信装置が送信する際の送信クロック信号のL倍(Lは2以上の整数)の周波数の受信クロック信号でサンプリングされ、
前記同期時点検出部は、前記復調部によって復調された前記一定時間間隔毎のK回分の前記送信信号波形の加算平均の結果から、前記スペクトラム拡散コードの前記各同期時点を検出され、
前記受信装置は、
前記送信クロック信号の周波数の誤差を考慮した、最大値、最小値および中央値の3種類の周波数のそれぞれのL倍のクロック信号でサンプリングし、
相関関数演算を用いて、既知のスペクトラム拡散コードと前記送信装置から受信した前記送信信号波形のK回分の加算平均の結果とから前記複数のスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出し、
前記3種類の各クロック信号における同期検出時点の相関値のうち最も高い相関値が得られた前記クロック信号を最適なクロック信号と決定し、前記最適なクロック信号を前記受信クロック信号とする、電力線搬送通信システムである。
本発明により、ノイズ耐性力を有しながら、従来のスペクトラム拡散通信方式よりも高速に伝送できる電力線搬送通信システムおよび電力線搬送通信方法等を提供できる。
本発明の実施の形態1の電力線搬送通信システムの概要構成図 本発明の実施の形態1の送信装置のブロック図 本発明の実施の形態1の受信装置の基本構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1の受信データ記憶部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1の、コード合成部で合成された送信信号波形を説明するための図 本発明の実施の形態1の、受信データ解析部において、加算して平均化した波形データから受信データに変換する方法を説明するための図 ノイズを含む波形に対する加算平均の効果を示す図 本発明の実施の形態2の送信装置のブロック図 本発明の実施の形態2の受信装置の基本構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2の、コード合成部で合成された送信信号波形を説明するための図 本発明の実施の形態2の、受信データ解析部において、加算して平均化した波形データから受信データに変換する方法を説明するための図 本発明の実施の形態2の電力線搬送通信システムの通信実験を実施した系統図 本発明の実施の形態2の電力線搬送通信システムの通信実験における受信データの表示画面を示した図 従来のスペクトラム拡散通信方式を用いて伝送する場合の、送信データ信号と拡散された変調波の関係を示す模式図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1の電力線搬送通信システムの概要構成図を示す。
本実施の形態1の電力線搬送通信システムは、離れた建物に設置された送信装置10と受信装置20との間で、電力線51を信号伝送線として利用してデータを伝送する通信システムである。
商用電力線51は、各家庭の受電端から6.6kV/100Vの柱上トランス50等を介して6.6kV配電線に接続されているので、本実施の形態1の送信装置10と受信装置20とは、2つ以上の柱上トランス50を介した電力線51によって接続される。
パソコン等のデータ端末機器や検出データを出力するセンサーなどを送信装置10に接続し、データ端末機器やセンサーから出力された送信データ52を送信装置10によって電力線51へ送出する。受信装置20は、電力線51から取得した情報を受信データ53に変換し、パソコン等のデータ端末機器へ出力する。
図2は、簡略化した本実施の形態1の送信装置10のブロック図である。
本実施の形態1の送信装置10は、A/D変換部11、拡散コード1発生器12、拡散コード2発生器13、タイミング決定部14、コード合成部15、搬送波変調部16、および電力線結合部17を備えている。
A/D変換部11は、電流センサーの検出データなどの送信したい情報(送信データ52)をA/D変換する。
拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13は、互いに異なるスペクトラム拡散コードを、タイミング決定部14によって決定されたタイミングにしたがって発生する。
タイミング決定部14は、送信データ52の数値を、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13のそれぞれに発生させる2個のスペクトラム拡散コード間の時間差に変換すべく、それら2個のスペクトラム拡散コード間の送出タイミングを決定し、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13を起動して、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13から出力される信号を切り替えてコード合成部15に送る。
コード合成部15は、タイミング決定部14によって切り替えられて入力されるそれらの信号を一連の送信信号波形として合成し、搬送波変調部16に送る。
拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13で発生するスペクトラム拡散コードは、それぞれ1000チップからなる"0"と"1"の論理信号列のロジック信号であり、搬送波変調部16は、コード合成部15で合成された送信信号波形で60〜450kHzの搬送波を位相変調し、電力線結合部17へ送る。
電力線結合部17は、コンデンサーカップリング回路を経由してAC100VまたはAC200Vの電力線51に信号送出する。
なお、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13が、本発明の、互いに異なるスペクトラム拡散コードを発生する複数の拡散コード発生部の一例にあたる。また、タイミング決定部14が、本発明の送出タイミング決定部の一例にあたり、搬送波変調部16が、本発明の変調部の一例にあたり、電力線結合部17が、本発明の送信用電力線結合部の一例にあたる。
図5に、コード合成部15で合成された送信信号波形を説明するための図を示す。
タイミング決定部14は、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13のそれぞれから発生するスペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2の発生タイミングを、2つのスペクトラム拡散コードの時間差47が送信データ52の数値に対応するようにして決定するので、コード合成部15で合成された送信信号波形は、図5に示すような信号波形となる。
そして、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13は、それぞれスペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2を一定の送信周期43間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返し発生するので、合成された送信信号波形は、図5に示すように、スペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2の組み合わせが送信周期43で繰り返される信号波形となる。なお、Kの値は、例えば10〜100の値である。
なお、スペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2の各開始時点が、それぞれ、本発明の2つの異なるスペクトラム拡散コードの各存在時点の一例にあたる。
この場合、スペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2は、それぞれおよそ1000チップからなるロジック信号なので、時間差47は、例えばチップ数で0から1023の間の時間とすることができ、0〜1023の送信データ52の数値を、それぞれチップ数で0〜1023の時間差47に対応させることができる。
図3は、本実施の形態1の受信装置20の基本構成を示すブロック図である。
本実施の形態1の受信装置20は、電力線結合部21、バンドパスフィルター&アンプ22、搬送波復調部23、A/D変換部24、受信データ記憶部25、対数フィルター26、受信データ解析部27、および受信データ表示部28を備えている。
受信データ解析部27は、同期検出部29、時間差算出部32、および時間差/受信データ変換部33を有しており、同期検出部29は、拡散コード1同期時点検出部30および拡散コード2同期時点検出部31により構成されている。
電力線51に乗っている信号は、電力線結合部21のコンデンサーカップリング回路から抽出され、バンドパスフィルター&アンプ22によって搬送波±数kHz以内の帯域の波形データが選択的に増幅され、搬送波復調部23によって搬送波が復調された後、A/D変換部24でディジタルデータに変換されてから受信データ記憶部25でメモリーに保存される。
なお、電力線結合部21が、本発明の受信用電力線結合部の一例にあたり、搬送波復調部23が、本発明の復調部の一例にあたり、受信データ記憶部25が、本発明の記憶部の一例にあたる。
図4は、受信データ記憶部25の内部構成を示すブロック図である。
受信データ記憶部25は、図4に示すように第1メモリーブロック34および第2メモリーブロック38の二つのメモリーブロックと除算部42を備えている。
第1メモリーブロック34および第2メモリーブロック38は同様の構成をしており、第1メモリーブロック34は、メモリー35、加算器36およびアドレスカウンター部37で構成され、第2メモリーブロック38は、メモリー39、加算器40およびアドレスカウンター部41で構成されている。
二つのメモリーブロック34、38のうち、一方がデータ読み出し中は、A/D変換部24から入力されてきたデータがもう一方のブロックに保存されるようになっており、データ処理中の次データの読み取り抜けを防止している。図4は、第1メモリーブロック34でA/D変換部24から入力されてきたデータを保存し、第2メモリーブロック38からデータを読み出している状態を示している。
受信データ記憶部25は、所定の周期で繰り返し送られてくる受信データをK回(Kは2以上の整数)に亘って加算蓄積することができ、次段に転送する際に、除算部42によって加算回数Kで除して平均値を求めている。
例えば、第1メモリーブロック34に受信データを保存する際には、アドレスカウンター部37がメモリー35のアドレスを増加させながら、メモリー35に記録したデータに1周回分のデータを加算してメモリー35に記録していく。読み出す際には、メモリー35に記録されたK周回分が加算されたデータを読み出し、除算部42で平均値が算出されて次段へ出力される。
受信データ記憶部25より読み出されたデータは、対数フィルター26を通って対数値に変換され受信データ解析部27に送られる。
受信データ解析部27は、同期検出部29によって、受信データと既知のスペクトラム拡散コード間の相関関数演算を行い、受信データ内にスペクトラム拡散コードが含まれているか否かの判定を行ない、スペクトラム拡散コードが含まれていた場合には、2つのスペクトラム拡散コードの各同期時点間の時間差を測定する。
同期検出部29の拡散コード1同期時点検出部30は、受信データとスペクトラム拡散コード1との間の相関関数演算を行い、スペクトラム拡散コード1の同期時点を検出する。拡散コード2同期時点検出部31は、受信データとスペクトラム拡散コード2との間の相関関数演算を行い、スペクトラム拡散コード2の同期時点を検出する。
時間差算出部32は、スペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2の検出された各同期時点間の時間差を算出する。そして、時間差/受信データ変換部33が、その時間差を受信データ53の数値に変換して保存するとともに、受信データ53が受信データ表示部28に表示される。
なお、受信データ解析部27の同期検出部29が、本発明の同期時点検出部の一例にあたり、時間差/受信データ変換部33が、本発明の受信データ変換部の一例にあたる。
図6は、受信データ解析部27において、受信データ記憶部25で加算して平均化された波形データから受信データ53に変換する方法を説明するための図を示している。
受信データ記憶部25では、送信周期43の時間長さ毎のK回分のデータを加算し平均化する。図6の加算周期範囲49が、受信データ記憶部25が加算して平均化した波形データの範囲を示している。
受信装置20では、送信装置10から繰り返し送信されてくる送信信号波形の送信周期43の開始位置は不明であるが、送信周期43の時間長さ毎に加算していくので、各スペクトル拡散コードは同じ位置に加算されていく。加算周期範囲49が、送信装置10から送信されてくる送信信号波形の送信周期43の開始位置とどのようにずれていても、加算周期範囲49内における2つのスペクトル拡散コード間の時間差は一定である。
受信データ解析部27の拡散コード1同期時点検出部30によって、スペクトラム拡散コード1の同期時点44が検出され、拡散コード2同期時点検出部31によって、スペクトラム拡散コード2の同期時点45が検出される。
検出された同期時点44と同期時点45から、それらの時間間隔である同期時点時間差46が算出され、時間差算出部32は、その同期時点時間差46から拡散コード1のチップ数である1000カウント分のチップ時間を減算して、スペクトラム拡散コード1とスペクトラム拡散コード2との間の時間差48を算出する。
時間差算出部32によって算出された時間差48は、図5に示した送信装置10における拡散コード合成データの時間差47と同じ時間長であり、時間差/受信データ変換部33は、この時間差48を1チップ単位の時間でカウントし、受信データ53に変換する。
このようにして、受信装置20は、2つのスペクトラム拡散コードの各同期時点の時間差から、送信データ52と同じ数値の受信データ53を取得することができる。
なお、上記では、送信装置10ではK回以上の反復送信を行い、受信装置20ではK回の加算平均処理を行うこととしたが、送信装置10と受信装置20間の減衰が小さい場合には、これらの反復送信処理、加算平均処理を行わなくてもよい。
本実施の形態1において、スペクトラム拡散コード1の同期時点44とスペクトラム拡散コード2の同期時点45の間の同期時点時間差46は、チップ数で1024から2047の間である。この間の数値データは10ビットの二進数で表現でき、結果的にスペクトラム拡散コード1個で10ビットの情報送受信が可能である。
従来のスペクトラム拡散通信方式による通信ではスペクトラム拡散コード1個当たり1ビットのデータしか伝送できないので、本実施の形態1の電力線搬送通信システムは、従来のスペクトラム拡散通信方式よりも高速の伝送能力を有していることになる。しかも、本実施の形態1の電力線搬送通信システムは、スペクトラム拡散コードを利用しているので、従来のスペクトラム拡散通信方式と同様のノイズ耐性力を有している。
なお、上記では、一例として、スペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2間の時間差47を、チップ数で0から1023の間の時間として説明したが、この時間差47の範囲をさらに大きな時間の範囲(チップ数で1024以上の時間の範囲まで)とすることもできる。時間差47の範囲をさらに大きくすることにより10ビットを超える情報の送受信が可能となる。
従来のスペクトラム拡散通信方式では、送信したいデータをスペクトラム拡散コードで変調し、さらに通信路に送出するため搬送波による二次変調を行った後、通信回線経由または無線などの形態で送信し、受信側装置では一次復調部で搬送波を除去した後、二次復調部でスペクトラム拡散コードによる逆拡散によって元の信号データを得るのであるが、この方式のままでは拡散コードによる冗長性による信号成分の拡大効果よりノイズそのものの方が大きい場合には通信不可能である。
また、従来のスペクトラム拡散通信方式では、信号そのものが減衰していてその存在すら判らない場合、波形の同期検出そのものが困難である。
そのため、本実施の形態1の電力線搬送通信システムでは、送信データを規定の周期でK回以上繰り返して送信させ、搬送波による変調、送信、受信側での一次復調後、さらにその電圧波形のA/D変換結果をK回分加算し、平均化してから同期時点検出を行っている。
Kの値は、本実施の形態1では10〜100の間として説明したが、1000回程度の方がより効果的である。
スペクトラム拡散コードによる通信方式はそれ自体冗長性を持っていてS/N比を改善しうる通信方法ではあるが、送受信する各装置の設置場所によっては更なるS/N比の改善が要求される。本実施の形態1の電力線搬送通信システムでは、その点を同じデータの繰り返し送受信で補っている。
送信装置10と受信装置20間の減衰が大きいかまたはノイズが大きくS/N比が−30dBより小さい(ノイズが信号の32倍以上)場合、たかだか1000チップのスペクトラム拡散コードによる通信のみではエラーとなることが多い。
1000チップのスペクトラム拡散コードでの通信の場合、1ビットの信号を1000チップの信号で送るので、信号波形の振幅±1に対してノイズ振幅が±32有っても1000チップ分の標準偏差は32/√1000=1.01となり、等価S/N比≒1となって通信できたりできなかったりという状態になる。
このような場合に信号を更に10回または100回反復することで等価ゲインを向上させることができる。10回反復させればノイズ成分は1/√10=0.316倍に、100回反復させれば1/√100=0.1倍に低減できる。
図7に、ノイズを含む波形に対する加算平均の効果を示す。
加算平均をしないノイズ重畳波形から信号波形を検出するのは困難であるが、加算する周期回数を増加させるほどノイズ成分を小さくでき、信号波形を検出し易くなることがわかる。
上記したように本実施の形態1の送信装置10は、同じ信号をK回反復送信可能である。また、受信装置20は、K回分を加算平均化してからスペクトラム拡散コードの検出を行う。これは受信信号の等価ゲインを向上させる効果がある。
また、本実施の形態1では、受信装置20の同期検出部29において、一次復調後の受信データとスペクトラム拡散コードとの同期時点の検出に相関関数演算を用いている。これは同期検出のための良く知られた方法であり、そのメリットは簡単な演算で波形のパターンが類似となる時点を算出できることである。
一方、デメリットはホワイトノイズ的ではない散発的なパルス性のノイズに弱いことである。ホワイトノイズは長周期拡散コードを用いかつK回反復平均化すればゼロに近くなる性質があるが、振幅が信号波形の数百倍から数千倍あるような散発的なパルス性のノイズがあると、それが1回で時間幅にして1チップ長程度のものであっても相関関数の演算結果にはその数百倍から数千倍の誤差を与える。電力線ではインバータなどパルス性のノイズ源が増えてきており、電力線搬送通信に悪影響を与えている。
本実施の形態1の電力線搬送通信システムでは、その悪影響を低減するために受信データ解析部27の同期検出部29に対数フィルター26を前置している。この対数フィルター26はディジタル演算で行っている。
この対数フィルター26は、信号レベルの百倍の振幅のパルスを2倍に、千倍の振幅のパルスを3倍程度に縮減するので、1000チップの相関関数演算に与えるパルス性ノイズの影響を著しく低減する効果が見られた。本願の発明者は、電力線搬送通信システムの受信装置20において、この対数フィルター26が特に大きなノイズ低減効果を有し、有効であることを見出した。
なお、本実施の形態1の送信装置10は、およそ1000チップから成るスペクトラム拡散コードを、例えば毎秒1000チップの速度で送出し、受信装置20ではそのL倍以上(Lは2以上の整数)のサンプリングクロック(例えば、L=10として10000サンプル/秒以上)で波形をサンプリングしている。
このように、一個がおよそ100〜1000チップから成るスペクトラム拡散コードを、送信装置が毎秒1000〜10000チップの速度で送出し、受信装置ではその10倍程度以上のサンプリングクロック(10000サンプル/秒以上)で波形をサンプリングすることで、スペクトラム拡散コードの同期時点の検出をより確実にすることができる。
(実施の形態2)
図8に、本発明の実施の形態2の送信装置のブロック図を示す。
図2に示した実施の形態1の送信装置10と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。
なお、本実施の形態2の電力線搬送通信システムの概要構成は、実施の形態1と同様であり、図1に示す通りである。
本実施の形態2の送信装置は、実施の形態1の送信装置10の構成に、マーカー用拡散コード発生器61と拡散コード3発生器62を追加したものである。
なお、マーカー用拡散コード発生器61、拡散コード1発生器12、拡散コード2発生器13および拡散コード3発生器62が、本発明の、互いに異なるスペクトラム拡散コードを発生する複数の拡散コード発生部の一例にあたる。
以下では、実施の形態1の送信装置10と異なる点について説明する。
マーカー用拡散コード発生器61、拡散コード1発生器12、拡散コード2発生器13および拡散コード3発生器62は、互いに異なるスペクトラム拡散コードを、タイミング決定部60によって決定されたタイミングにしたがって発生する。
タイミング決定部60は、マーカー用拡散コード発生器61から発生するマーカー用スペクトラム拡散コードに対して所定時間後に拡散コード1発生器12からスペクトラム拡散コード1を発生させるとともに、送信データ52の数値を、拡散コード1発生器12および拡散コード2発生器13のそれぞれに発生させるスペクトラム拡散コード間の時間差および拡散コード2発生器13および拡散コード3発生器62のそれぞれに発生させるスペクトラム拡散コード間の時間差に変換すべく、各拡散コード発生器61、12、13、62から発生させる各スペクトラム拡散コードの送出タイミングを決定し、各拡散コード発生器61、12、13、62を起動して、各拡散コード発生器61、12、13、62から出力される信号を切り替えてコード合成部15に送る。
コード合成部15は、タイミング決定部60によって切り替えられて入力されるそれらの信号を一連の送信信号波形として合成し、搬送波変調部16に送る。
マーカー用拡散コード発生器61、拡散コード1発生器12、拡散コード2発生器13および拡散コード3発生器62で発生するスペクトラム拡散コードは、それぞれ1000チップからなる"0"と"1"の論理信号列のロジック信号であり、搬送波変調部16は、コード合成部15で合成された送信信号波形で60〜450kHzの搬送波を位相変調し、電力線結合部17へ送る。
電力線結合部17は、コンデンサーカップリング回路を経由してAC100VまたはAC200Vの電力線51に信号送出する。
図10に、本実施の形態2のコード合成部15で合成された送信信号波形を説明するための図を示す。
タイミング決定部60は、拡散コード1発生器12から発生するスペクトラム拡散コード1の発生タイミングを、マーカー用拡散コード発生器61から発生するマーカー用スペクトラム拡散コードの所定時間差79後とし、拡散コード2発生器13および拡散コード3発生器62のそれぞれから発生するスペクトラム拡散コード2およびスペクトラム拡散コード3の発生タイミングを、スペクトラム拡散コード1とスペクトラム拡散コード2間およびスペクトラム拡散コード2とスペクトラム拡散コード3間の各時間差80、81が送信データ52の数値に対応するようにして決定するので、コード合成部15で合成された送信信号波形は、図10に示すような信号波形となる。
そして、各拡散コード発生器61、12、13、62は、それぞれスペクトラム拡散コードを一定の送信周期71間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返し発生するので、合成された送信信号波形は、図10に示すように、マーカー用スペクトラム拡散コード、スペクトラム拡散コード1、スペクトラム拡散コード2およびスペクトラム拡散コード3の組み合わせが送信周期71で繰り返される信号波形となる。なお、Kの値は、例えば10〜100の値である。
なお、この場合のマーカー用スペクトラム拡散コードの次に送出されるスペクトラム拡散コード1が、本発明の、先行するスペクトラム拡散コードの一例にあたる。また、スペクトラム拡散コード1およびスペクトラム拡散コード2が、本発明の、2個の異なるスペクトラム拡散コードの一例にあたり、これらのスペクトラム拡散コードの後に送出されるスペクトラム拡散コード3が、本発明の、さらに異なる一のスペクトラム拡散コードの一例にあたる。
マーカー用拡散コード発生器61は、マーカー用スペクトラム拡散コードをスペクトラム拡散コード1よりも所定時間差79前に発生するので、受信装置側でこれらのスペクトラム拡散コードの間隔(時間差)を計測することで送信装置のクロック周波数の精密な測定が可能となる。
また、送信装置と受信装置間の減衰が少なく、送信装置が反復送信を行わない場合は、受信装置側において、このマーカー用スペクトラム拡散コードとスペクトラム拡散コード1との間の時間差測定結果から受信状態の判定が可能である。
このようにして、スペクトラム拡散コード1とスペクトラム拡散コード2間の時間差80で第1の情報を送るとともに、スペクトラム拡散コード2とスペクトラム拡散コード3間の時間差81によって第2の情報を送ることができる。
なお、第1の情報および第2の情報が、本発明の、互いに別の通信するデータの一例にあたる。
スペクトラム拡散コード1、スペクトラム拡散コード2およびスペクトラム拡散コード3間の各存在時点間の時間差は、例えばチップ数で1024から2047の間である。したがって、各時間差80、81に対する数値データは10ビットの二進数で表現でき、結果的にスペクトラム拡散コード1個で10ビットの情報送受信が可能であり、スペクトラム拡散コード2およびスペクトラム拡散コード3の2個のスペクトラムコードで20ビットの情報を送信できる。
例えば電流値データならば20ビットで十分なので、スペクトラム拡散コード1、スペクトラム拡散コード2およびスペクトラム拡散コード3と、受信状態の判定用のマーカー用スペクトラム拡散コードで情報を送ることができる。
図9に、本発明の実施の形態2の受信装置の基本構成を示すブロック図を示す。
図3に示した実施の形態1の受信装置20と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。
本実施の形態2の受信装置は、実施の形態1の受信装置20の受信データ解析部27の構成に、マーカー用拡散コード同期時点検出部65、拡散コード3同期時点検出部66、時間差算出部67、68、および通信エラー処理部69を追加したものである。
以下では、実施の形態1の受信装置20と異なる点について説明する。
同期検出部64のマーカー用拡散コード同期時点検出部65は、対数フィルター26から入力されてくる受信データとマーカー用スペクトラム拡散コードとの間の相関関数演算を行い、マーカー用スペクトラム拡散コードの同期時点を検出する。また、拡散コード3同期時点検出部66は、受信データとスペクトラム拡散コード3との間の相関関数演算を行い、スペクトラム拡散コード3の同期時点を検出する。
時間差算出部67は、マーカー用スペクトラム拡散コードおよびスペクトラム拡散コード1の検出された各同期時点間の時間差を算出する。時間差算出部68は、スペクトラム拡散コード2およびスペクトラム拡散コード3の検出された各同期時点間の時間差を算出する。
時間差/受信データ変換部70は、時間差算出部32および時間差算出部68で算出された各時間差を受信データ53の数値に変換して保存するとともに、受信データ53が受信データ表示部28に表示される。
図11は、本実施の形態2の受信データ解析部63において、受信データ記憶部25で加算して平均化された波形データから受信データ53に変換する方法を説明するための図を示している。
受信データ記憶部25では、送信周期71の時間長さ毎のK回分のデータを加算し平均化する。図11の加算周期範囲84が、受信データ記憶部25が加算して平均化した波形データの範囲を示している。
受信データ解析部63のマーカー用拡散コード同期時点検出部65によって、マーカー用スペクトラム拡散コードの同期時点72が検出され、拡散コード1同期時点検出部30によって、スペクトラム拡散コード1の同期時点73が検出され、拡散コード2同期時点検出部31によって、スペクトラム拡散コード2の同期時点74が検出され、拡散コード3同期時点検出部66によって、スペクトラム拡散コード3の同期時点75が検出される。
検出された同期時点73と同期時点74から、それらの時間間隔である同期時点時間差77が算出され、時間差算出部32は、その同期時点時間差77から拡散コード1のチップ数である1000カウント分のチップ時間を減算して、スペクトラム拡散コード1とスペクトラム拡散コード2との間の時間差82を算出する。同様に、検出された同期時点74と同期時点75から、それらの時間間隔である同期時点時間差78が算出され、時間差算出部68は、その同期時点時間差78から拡散コード2のチップ数である1000カウント分のチップ時間を減算して、スペクトラム拡散コード2とスペクトラム拡散コード3との間の時間差83を算出する。
時間差算出部32によって算出された時間差82は、図10に示した送信装置における拡散コード合成データの時間差80と同じ時間長であり、時間差算出部68によって算出された時間差83は、図10に示した時間差81と同じ時間長である。時間差/受信データ変換部70は、これらの時間差82および83をそれぞれ1チップ単位の時間でカウントし、受信データ53に変換する。
このようにして、本実施の形態2の受信装置は、3つのスペクトラム拡散コードの各同期時点のそれぞれの時間差から、送信データ52と同じ数値の受信データ53を取得することができる。
また、時間差算出部67は、検出された同期時点72と同期時点73から、それらの時間間隔である同期時点時間差76を算出する。時間差算出部67によって算出された同期時点時間差76は、正常に通信が行われていれば、図10に示した送信装置における拡散コード合成データの所定時間差79と同じ時間長となる。
通信エラー処理部69は、時間差算出部67によって算出された同期時点時間差76が規定の期間を超えまたは下回った場合に、通信エラーと判定して、それを受信データ表示部28に表示する。
なお、上記では、送信装置ではK回以上の反復送信を行い、受信装置ではK回の加算平均処理を行うこととしたが、送信装置と受信装置間の減衰が小さい場合には、これらの反復送信処理、加算平均処理を行わなくてもよい。
通信エラー処理部69によって通信エラーと判定される頻度が大きいような場合には、送信装置による反復送信および受信装置による加算平均処理を行うようにして等価ゲインを向上させる。
なお、本実施の形態2では、3個のスペクトラム拡散コード1〜3の組み合わせにより各スペクトラム拡散コード間の2つの時間差80および81を用いて送信データを送信することとしたが、スペクトラム拡散コード3の後にさらに異なるスペクトラム拡散コードを組み合わせて、そのスペクトラム拡散コードとの間の時間差も送信データとして用いるようにしてもよい。
同様に、マーカー用スペクトラム拡散コードを用いない構成である実施の形態1の場合においても、異なる2つのスペクトラム拡散コードの組み合わせに限らず、異なる3つ以上のスペクトラム拡散コードの組み合わせで送信データを表すようにしてもよい。
次に、本実施の形態2の電力線搬送通信システムの送信装置および受信装置を設置して通信実験を実施した。
図12は、通信実験を実施した系統図を示し、図13は、その通信実験における受信データの表示画面を示している。
なお、送信装置のタイミング決定部60、および受信装置の受信データ解析部63は、いずれもソフトウェアにより構成したものでこの通信実験を実施した。
図12に示すように、AC200V系統から6.6kV系統を経由してAC100V系統までの通信実験を行い、データを正常に受信することに成功した。
なお、この実験では送信装置に温度センサーを取り付けて温度データを20秒に1回の割合で送受信している。
このように、本発明の電力線搬送通信システムを用いて、柱上トランスを介した離れた建物間での電力線搬送通信を実現することができた。
しかし、従来の通信技術では、このような商用電力線を用いた広域のデータ伝送を実現するのは困難であった。従来の通信技術では実現できなかった理由を以下に説明する。
離れた建物間で電力線搬送通信を行なう場合、商用電力線は各家庭の受電端から6.6kV/100Vの柱上トランス等を介して6.6kV配電線に接続されている。
一般に電力線搬送通信装置は100kHzから30MHz程度までの搬送波を用いて信号を送っているが、この柱上トランスを経由すると信号レベルが−40dB程度減衰されてしまうので、複数のトランスを経由して通信するにはかなりの高レベルでの信号送出が必要である。しかしながら、電波法施行細則により電力線搬送通信設備から送出できる信号の電力値は10mW以下となるようにすべきことが規定されている。
このためには、信号がノイズより小さくとも通信できるスペクトラム拡散通信方式の採用が考えられ、現実的には、チップ数が多い(例えばおよそ1000チップとか10000チップの)長周期の拡散コードを用いたスペクトラム拡散通信方式の採用が妥当であるが、拡散コードが長くなると、受信時に同期を取ることが困難になってくる。拡散コードを1チップずつずらしながら受信データと比較していたのでは拡散コードのチップ数の二乗に比例した同期時間が必要となり1000チップの場合はその二乗の100万チップ時間が必要となって現実的ではない。
また、複数局同時受信をおこなうためには送信局毎に相異なりかつ相関係数演算上で相互に直交する拡散コードを用いて多重通信を行うことが必要である。
しかも各々は1000チップ以上の長周期拡散コードを用いて通信のS/N比を上げる必要が有る。
例えば特許文献1に開示されているFFT演算を用いて高速に同期させる方式を用いるとしても、S/N比が電力値比で−30dB程度より良い場合や送信側と受信側が1対1の通信の場合は可能であるが、そうでない場合(特にインバータ装置などのパルス性ノイズの多い電力線用いた場合)やN対1通信(N≧2)の場合、通信が困難であった。
このような理由により、従来の通信技術では、商用電力線を用いた広域のデータ伝送を実現するのは困難であった。
本発明の電力線搬送通信システムは、スペクトラム拡散コードを用いた電力線搬送通信において、対数フィルターを用いてパルス性ノイズの影響を低減させ、またスペクトラム拡散コードを1000チップ程度に抑え、それ以上の冗長性を持たせるのに際しては信号送出を反復させ、受信側で加算平均化することで、拡散コードを使いながらも同期に時間が掛からずかつ通信の冗長性は十分に確保して等価ゲインを向上させ、広域の電力線搬送通信(トランスを2個越えて通信を行うこと)を可能にした。
ところで、送信装置側の送出クロックと受信装置側のデータサンプリングクロックが一連のデータ受信中に位相ずれを起こすと反復送受信中にデータの相殺が生じて正しく受信できなくなるので、送信装置側の送出クロックと受信装置側のデータサンプリングクロックはそれぞれの所定の周波数との誤差を極力少なくして動作させなければならない。
恒温槽などの温度一定化装置の無い安価な水晶発信器の場合、その誤差は通常±3ppm程度である。これは100万クロックで約3クロック分の位相ずれを生ずる可能性のあることを表している。通常送受信間で一連のデータの送受信中に0.3チップ程度以上ずれると正しく受信できないので、有効に使えるのは10万クロックまでと考えるのが妥当である。これは1000チップのコードを10回送る動作を反復する場合に10回が限度であることを示している。
しかしながら、受信装置内に通常の周波数の発信器のみではなく3ppm周波数の高いものおよび3ppm周波数の低いものを用意して3種類のクロックで受信データのサンプリングを行えばスペクトラム拡散コードの有無の判定は1.5クロック/100万クロック程度に抑えられ、反復動作を20回に増やすことができ、受信信号の等価ゲインを上げることができる。
具体的には、受信信号をこれらの3種類の周波数のクロック信号でサンプリングし、各クロック信号における同期検出時点の相関値のうち最も高い相関値が得られたクロック信号を最適なクロック信号と決定して、その最適なクロック信号を受信クロック信号として使用することにより、受信信号の等価ゲインを上げることができる。
ところが実際にはある周波数と±3ppm異なった周波数の水晶発信器を用意することは困難であるので、本発明の各実施の形態では、一度受信データ記憶部25に記憶させたデータをリサンプリングし、その時に33万クロックに1回サンプリングデータを間引きしたり、または前後のデータの平均値で補間したデータを挿入することでクロックのずれを調整している。
具体的には、受信信号を通常の周波数でサンプリングして受信データ記憶部25に保存しておき、その保存した送信信号波形のデータを、通常の周波数±3ppmの異なった周波数に合った比率で間引きまたは補間によってリサンプリングして補正する。そして、通常の周波数でサンプリングしたデータおよび通常の周波数±3ppmの異なった周波数に合った比率で間引きまたは補間によってリサンプリングしたデータのそれぞれについて、スペクトラム拡散コードの同期時点を算出し、検出された同期時点の相関値のうち、最も高い相関値が得られたリサンプリングデータの等価クロックを最適な等価クロック信号と決定して使用する。
このように一度受信データ記憶部25に記憶させたデータをリサンプリングする方法は、一度収集して記憶しているデータに対する周波数ずれの調整なので時間を掛けて細かく行えば送受信間の誤差をより正しく補正できる。
実施の形態2のマーカー用のスペクトラム拡散コードを前置する方法は、先頭のスペクトラム拡散コードを見逃した場合に有効なだけではなく、送受信装置間のクロックのずれの調整にも有効である。
以上に説明したように、従来のスペクトラム拡散通信手法では"0"または"1"の信号そのものを拡散コードで変調し、それにさらに搬送波による二次変調を行って送出していたため拡散コード一回分の送出に付き1ビットの情報しか送出できないが、本発明の電力線搬送通信システムでは、信号の送出時間間隔に情報を乗せて通信する方法を採ったため、受信装置で復調した波形上に二つの拡散コードの有無の検出に伴ってその間の時間差計測値から10ビットの情報を取り出すことができた。
しかるに、本発明の電力線搬送通信システムの受信装置では、スペクトラム拡散コードの検出に相関関数演算による方法を用いているが、従来の相関関数演算方式ではスペクトラム拡散コード中に大きなパルス状のノイズがあるとそれがたった一回でも演算結果に大きな悪影響を与えており、そのためその通信は失敗することが多かった。しかし、本発明の電力線搬送通信システムでは、対数フィルターを用いたことで大きな振幅値をその対数値に変換し、低減することでこの問題を解決できた。
また、本発明の電力線搬送通信システムでは、例えば、送信装置が1000チップのスペクトラム拡散コードを1000チップ/秒で送信する場合に、受信装置側において、一次復調された受信データを40kHz(1チップあたり約40回)のサンプリング周波数でA/D変換して記憶し、一度受信したデータの中から同期時点を検出する方法を採っている。
そのためデータは送信装置側で反復送信し、受信装置側で加算しつつ保存しておくことが可能であり、加算平均化することでノイズ成分を中和し、S/N比を改善することができた。
本発明の手法は、長周期拡散コードによる通信の冗長性確保と、反復による通信の冗長性確保の双方の長所を組み合わせたもので、拡散コードは長くても1000チップ程度に留め、かつそれでも不足する冗長性(等価ゲイン)を反復手法を用いて改善している。
スペクトラム拡散通信においては、拡散コードを過度に長くすると送受間で同期を採ることが困難になり、また一方、単純なデータによる送信の反復だけでは出力波形が単調になって、インバータなどの反復性のノイズには弱くなってしまう。
本発明の電力線搬送通信システムでは、この二つの手法の組み合わせによりスペクトラム拡散通信の拡散コードの複雑さによるメリットと、反復送信による等価ゲインの向上策とを組み合わせることで、従来困難だった電力搬送通信における広域通信(トランスを2個越えて通信を行うこと)の成果を見たのである。
本発明の電力線搬送通信システムを用いることにより、数ビット程度の警報信号の送受信の場合のように比較的情報量が少なく、かつ通信そのものに高速性が要求されない用途において、10mW程度の微小電力でも広範な領域(電力線がAC6600V/(AC100VまたはAC200V)の変圧トランスを2個以上経由する領域)での通信を可能にした。
なお、本発明のプログラムは、上述した電力線搬送通信方法の、少なくとも前記送出タイミング決定ステップ、前記同期時点検出ステップ、および前記受信データ変換ステップの動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
また、本発明のプログラム記録媒体は、上述した電力線搬送通信方法の、少なくとも前記送出タイミング決定ステップ、前記同期時点検出ステップ、および前記受信データ変換ステップの動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録したプログラム記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協働して利用されるプログラム記録媒体である。
また、本発明の上記「ステップの動作」とは、前記ステップの全部または一部の動作を意味する。
また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な、ROM等の記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
また、本発明のプログラムの一利用形態は、インターネット等の伝送媒体、光・電波等の伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
また、上述した本発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
なお、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
本発明に係る電力線搬送通信システムおよび電力線搬送通信方法等は、ノイズ耐性力を有しながら、従来のスペクトラム拡散通信方式よりも高速に伝送できる効果を有し、商用電力線間で広域にデータ伝送を可能とする電力線搬送通信システムおよび電力線搬送通信方法等として有用である。
10 送信装置
11 A/D変換部
12 拡散コード1発生器
13 拡散コード2発生器
14 タイミング決定部
15 コード合成部
16 搬送波変調部
17 電力線結合部
20 受信装置
21 電力線結合部
22 バンドパスフィルター&アンプ
23 搬送波復調部
24 A/D変換部
25 受信データ記憶部
26 対数フィルター
27 受信データ解析部
28 受信データ表示部
29 同期検出部
30 拡散コード1同期時点検出部
31 拡散コード2同期時点検出部
32 時間差算出部
33 時間差/受信データ変換部
34 第1メモリーブロック
35 メモリー
36 加算器
37 アドレスカウンター部
38 第2メモリーブロック
39 メモリー
40 加算器
41 アドレスカウンター部
42 除算部
43 送信周期
44、45 同期時点
46 同期時点時間差
47、48 時間差
49 加算周期範囲
50 柱上トランス
51 電力線
52 送信データ
53 受信データ
60 タイミング決定部
61 マーカー用拡散コード発生器
62 拡散コード3発生器
63 受信データ解析部
64 同期検出部
65 マーカー用拡散コード同期時点検出部
66 拡散コード3同期時点検出部
67、68 時間差算出部
69 通信エラー処理部
70 時間差/受信データ変換部
71 送信周期
72、73、74、75 同期時点
76、77、78 同期時点時間差
79 所定時間差
80、81、82、83 時間差
84 加算周期範囲
100 送信データ信号
101 拡散変調波

Claims (6)

  1. 互いに異なるスペクトラム拡散コードを発生する複数の拡散コード発生部と、
    2個の前記異なるスペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値が、送信するデータの数値となるように、前記各拡散コード発生部が前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生するタイミングを決定する送出タイミング決定部と、
    前記各拡散コード発生部が発生した前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを合成した送信信号波形を生成するコード合成部と、
    搬送波前記送信信号波形によって変調する変調部と、
    前記変調部で変調された搬送波を電力線へ送出する送信用電力線結合部とを有する送信装置と、
    前記変調された搬送波を前記電力線から取得する受信用電力線結合部と、
    前記電力線から取得した変調された搬送波を復調する復調部と、
    前記搬送波を復調して得られた送信信号波形を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された送信信号波形のデータを再生し、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出する同期時点検出部と、
    前記同期時点検出部が前記各同期時点を検出する前に、前記再生された送信信号波形のデータを対数値に変換する対数フィルターと、
    前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの前記各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして、前記送信装置が送信するデータの数値を取得する受信データ変換部とを有する受信装置と、を備えた電力線搬送通信システムであって、
    前記変調部で前記送信信号波形によって変調された搬送波は、一定時間間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返して送出され、
    一方、前記受信装置において前記変調された搬送波を前記復調部によって復調して得られる信号波形は、前記送信装置が送信する際の送信クロック信号のL倍(Lは2以上の整数)の周波数の受信クロック信号でサンプリングされ、
    前記同期時点検出部は、前記復調部によって復調された前記一定時間間隔毎のK回分の前記送信信号波形の加算平均の結果から、前記スペクトラム拡散コードの前記各同期時点を検出され、
    前記受信装置は、
    前記送信クロック信号の周波数の誤差を考慮した、最大値、最小値および中央値の3種類の周波数を算出し、前記中央値の周波数のL倍のクロック信号でサンプリングして保存した前記送信信号波形のデータを、前記最大値または前記最小値の周波数に合った比率で間引きまたは補間によってリサンプリングして補正するとともに、
    相関関数演算を用いて、既知のスペクトラム拡散コードと前記送信装置から受信した前記送信信号波形のK回分の加算平均の結果とから前記複数のスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出し、
    前記送信信号波形のデータおよび前記リサンプリングしたデータのそれぞれについて検出された同期時点の相関値のうち、最も高い相関値が得られた前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータの等価クロックを最適な等価クロック信号と決定し、その決定した前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータに対する各スペクトラム拡散コードの各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして前記送信装置が送信するデータの数値を取得する、電力線搬送通信システム。
  2. 前記送出タイミング決定部は、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードのうち、先行するスペクトラム拡散コードの存在時点よりも所定時間前が存在時点となるスペクトラム拡散コードをマーカー用として前記拡散コード発生部に発生させるタイミングを決定し、
    前記コード合成部は、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードとともに、前記マーカー用のスペクトラム拡散コードを合成する、請求項1に記載の電力線搬送通信システム。
  3. 前記送出タイミング決定部は、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの後に、さらに異なる一または複数のスペクトラム拡散コードを前記拡散コード発生部に発生させるタイミングを決定し、
    隣接する前記スペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値は、互いに別の通信するデータの数値に対応している、請求項1またはに記載の電力線搬送通信システム。
  4. 送信装置から送信するデータを、電力線を介して受信装置が受信する電力線搬送通信方法であって、
    前記送信装置が、2個の異なるスペクトラム拡散コードの各存在時点の時間差を1チップ単位時間でカウントした値が、前記送信するデータの数値となるように、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生するタイミングを決定する送出タイミング決定ステップと、
    前記送信装置が、前記決定されたタイミングにしたがって、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードを発生する拡散コード発生ステップと、
    前記送信装置が、前記発生した2個の異なるスペクトラム拡散コードを合成した送信信号波形を生成するコード合成ステップと、
    前記送信装置が、前記合成した送信信号波形によって搬送波変調する変調ステップと、
    前記送信装置が、前記変調した搬送波を前記電力線へ送出する電力線データ送出ステップと、
    前記受信装置が、前記電力線から前記変調された搬送波を取得する電力線データ取得ステップと、
    前記受信装置が、前記電力線から取得した前記変調された搬送波復調する復調ステップと、
    前記受信装置が、前記変調された搬送波を復調して得られた送信信号波形を記憶する記憶ステップと、
    前記受信装置が、前記記憶した送信信号波形のデータを再生し、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出する同期時点検出ステップと、
    前記同期時点検出ステップにおいて前記各同期時点を検出する前に、前記再生された送信信号波形のデータを対数フィルターによって対数値に変換する対数値変換ステップと、
    前記受信装置が、前記2個の異なるスペクトラム拡散コードの前記各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして、前記送信装置が送信したデータの数値を取得する受信データ変換ステップとを備え、
    前記変調ステップでは、前記送信信号波形によって変調された搬送波を、一定時間間隔でK回以上(Kは2以上の整数)繰り返して送出し、
    一方、前記受信装置の前記復調ステップでは、前記変調された搬送波を復調して得られる信号波形を、前記送信装置が送信する際の送信クロック信号のL倍(Lは2以上の整数)の周波数の受信クロック信号でサンプリングし、
    前記同期時点検出ステップでは、前記復調ステップで復調された前記一定時間間隔毎のK回分の前記送信信号波形の加算平均の結果から、前記スペクトラム拡散コードの前記各同期時点を検出し、
    前記受信装置は、
    前記送信クロック信号の周波数の誤差を考慮した、最大値、最小値および中央値の3種類の周波数を算出し、前記中央値の周波数のL倍のクロック信号でサンプリングして保存した前記送信信号波形のデータを、前記最大値または前記最小値の周波数に合った比率で間引きまたは補間によってリサンプリングして補正するとともに、
    相関関数演算を用いて、既知のスペクトラム拡散コードと前記送信装置から受信した前記送信信号波形のK回分の加算平均の結果とから前記複数のスペクトラム拡散コードの各同期時点を検出し、
    前記送信信号波形のデータおよび前記リサンプリングしたデータのそれぞれについて検出された同期時点の相関値のうち、最も高い相関値が得られた前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータの等価クロックを最適な等価クロック信号と決定し、その決定した前記送信信号波形のデータまたは前記リサンプリングデータに対する各スペクトラム拡散コードの各同期時点の時間差を前記1チップ単位時間でカウントして前記送信装置が送信するデータの数値を取得する、電力線搬送通信方法。
  5. 請求項に記載の電力線搬送通信方法の、少なくとも前記送出タイミング決定ステップ、前記同期時点検出ステップ、および前記受信データ変換ステップの動作をコンピュータに実行させるプログラム。
  6. 請求項に記載のプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体。
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