JP2007129562A - 量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法 - Google Patents

量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバ伝送路等で接続された装置間において、複屈折性に影響されずに動作し、及び送受信された光子全てが鍵ビットの生成に寄与する、量子秘密鍵を共有するシステム及び量子秘密鍵を生成する方法を提供すること。
【解決手段】一定間隔の光パルス列を発生する手段と、発生された光パルス列の各パルスの位相を0またはπで変調して送信する手段とを有する送信装置と、送信される光信号の光パルス列の各パルスの位相を0またはπで変調して送信する手段を有する中継装置と、送信される光信号の光パルス列を2分岐して分岐した経路間に光パルス列のパルス間隔に等しい時間遅延を付加する手段と、2分岐された光パルス列を合波する手段と、合波された光パルス列の光パルスを検出する手段とを有する受信装置とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法に関し、より詳細には、光ファイバ伝送路を介して接続された装置間における、コヒーレント光パルス列の相対的位相差を利用した量子秘密鍵配送技術に係わる量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法に関する。
従来、秘密共有システムとして、秘密情報が分散化された分散情報のうちの少なくとも1つを、秘密共有システムの各装置に割り当てるシステムが知られている。量子秘密共有システムとしては、光の量子的性質を利用することによって秘密情報を分散化し、分散化された分散情報のうちの少なくとも1つを、量子秘密共有システムの各装置に割り当てるシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、秘密共有システムの各装置を、アリス、ボブ、チャーリーと呼ぶ。秘密共有システムは、チャーリーの発信する暗号文を、アリスとボブとが互いに協力することによってのみ、解読することが出来るシステムである。チャーリーが掛けた鍵を、アリスとボブとの両者が協力し合うことで開けることが出来るシステムと言い換えてもよい。このようなシステムを、光の量子的性質を利用することによって実現するのが、量子秘密共有システムである。
このような量子秘密共有システムが、既にいくつか提案されている。ここでは、本発明に一番近いシステムについて、非特許文献1により説明する。
図1は、従来の量子秘密共有システムを示す構成図である。チャーリー101の光子源102は、右斜め直線偏波状態である光子のひとつを発生する。この光子状態|Ψ>は、次のように書き表される。
Figure 2007129562
ここで、|Ψ>は、光子の偏波状態(添え字のは、チャーリー101を意味する)を、|H>は、横偏波状態を、及び|V>は、縦偏波状態を表す量子力学的表記である。光子の偏波状態の表記は、通常の光電場の偏波状態を、横振動成分と縦振動成分とに分解して表すのと同様である。
チャーリー101の位相変調器C103は、光子源102からの光子の縦偏波成分に対して、θを加える。横偏波成分に対しては、何もしない。これにより、光子状態|Ψ>は、次のようになる。
Figure 2007129562
チャーリー101からの光子を受信したアリス104は、位相変調器A105を用いて、その光子の縦偏波成分に対して、0か、π/2か、πか、3π/2かのいずれかの位相変調θを加える。これにより、光子状態|Ψ>は、次のようになる。
Figure 2007129562
ここで、φcaは、チャーリー101からアリス104までの伝搬位相である。なお、ここでは、原理説明のため、伝送路の伝搬損失は無視する。次に、アリス104は、式(3)の状態をボブ106に送信する。
アリス104からの光子を受信したボブ106は、位相変調B107により、その光子の縦偏波成分に対して、0かπ/2のいずれかの位相変調θを印加する。これにより、光子状態|Ψ>は、次のようになる。
Figure 2007129562
ここで、φabは、アリス104からボブ106までの伝搬位相である。次に、ボブ106は、式(4)の状態の光子を、右斜め直線偏波と左斜め直線偏波とに分離する偏波ビームスプリッタ108に入力する。
偏波ビームスプリッタ108からは、右斜め直線偏波または左斜め直線偏波の光子が出力される。右斜め直線状態を|+>、左斜め直線状態を|−>とおく。|H>と|V>とを用いると、|+>及び|−>は、次のように書き表される(図2参照)。
Figure 2007129562
Figure 2007129562
式(5a)及び式(5b)を用いると、式(4)は、次のように書き換えられる。
Figure 2007129562
ここで、θ及びθは、0か、π/2か、πか、3π/2かのいずれか、ならびにθは、0か、π/2かのいずれかであるので、θ+θ+θは、0か、π/2か、πか、3π/2かのいずれかとなる(2πは、0と換算する)。
θ+θ+θ=0であれば、式(6)は、次のようになる。
Figure 2007129562
式(7a)は、光子が必ず右斜め直線出力ポートに出力されることを表している。
θ+θ+θ=πであれば、式(6)は、次のようになる。
Figure 2007129562
式(7b)は、光子が必ず左斜め直線出力ポートに出力されることを表している。
一方、θ+θ+θ=π/2または3π/2の場合には、
Figure 2007129562
または
Figure 2007129562
となり、これらは、光子が右斜め直線出力ポートまたは左斜め直線出力ポートのどちらにも出力され得ることを示している。
ボブ106は、偏波ビームスプリッタ108の右斜め直線出力ポートには光子検出器1 109を、及び左斜め直線出力ポートには光子検出器2 110を備えている。式(7a)と、式(7b)と、式(7c)と、式(7d)とに示された出力特性に基づいて、各変調位相に対して、どの光子検出器が光子を検出するかを表にまとめると、次の表1〜4のようになる。
Figure 2007129562
Figure 2007129562
Figure 2007129562
Figure 2007129562
ここで、表中の光子検出器1は、光子検出器1 109において100%の確度で光子検出をする場合を、表中の光子検出器2は、光子検出器2 110において100%の確度で光子検出をする場合を、表中の*は、光子検出器1 109か光子検出器2 110かのどちらが光子検出をするのか不確定な場合を表す。
表1〜4からわかるように、アリス104と、ボブ106と、チャーリー101との3つの装置における位相変調の和が、0かπかのいずれかの場合には、光子検出をする光子検出器が確定する。
以上の構成及びシステム動作を用いて、次の手順によりアリス104及びボブ106は、チャーリー101の秘密鍵を共有する。
(1)光子の送受信後、ボブ106は、どの光子が検出されたかをチャーリー101及びアリス104に通知する。上述の原理説明では省略したが、伝送路には損失があり、及び光子検出器の検出効率は100%ではないので、必要な手順である。
(2)3つの装置は、検出された光子について、自身の変調位相が、0か、π/2か、πか、3π/2のいずれかであったのか通知し合う。但し、値そのものは通知しない。これにより、3つの装置は、その光子に対する検出事象が確定的か否かを知る。
(3)チャーリー101は、確定的に検出された光子について、3つの装置における位相変調の和が、0であればビット「0」とし、πであればビット「1」とする。アリス104はボブ106の光子検出結果を知らず、及びボブ106はアリス104の位相変調値を知らないので、どちらも単独では、このビット情報が分からない。
(4)アリス104及びボブ106は、単独では、チャーリー101の作成した秘密鍵を解読することが出来ない。しかし、アリス104の変調位相θとボブ106の光子検出結果を照らし合わせると、表1〜4に従って、チャーリー101の秘密鍵ビットを知ることが出来る。これにより、暗号データを解読することが出来る。
次に、上述の従来システムが盗聴行為に対して安全であることを説明する。盗聴者の目的は、チャーリー101の鍵を知ることである。すなわち、盗聴者が、チャーリー101の変調位相を知ることである。そのためには、盗聴者は、チャーリー101からアリス104へ送られる光子状態がわかればよい。ひとつの方法は、チャーリー101から送出される光子を抜き取って測定すること(盗み聞き)である。しかし、チャーリー101が送っている光子は、ひとつなので、盗聴者に光子を抜き取られると、光子がボブ106まで届かず、鍵ビットとはならない。よって、この盗聴方法は、成功しない。
他の盗聴方法としては、チャーリー101が送った光子状態を、直接測定する方法がある。そして、後段のアリス104及びボブ106には不審に思われないように、測定結果に基づいて、ダミー光子を送信する。ところが、チャーリー101の変調位相は、0か、π/2か、πか、3π/2かのいずれかであり、この4値を100%の確度で特定することは出来ない。すなわち、100%の確度で、鍵ビットを知ることは出来ない。従って、チャーリーが送ったのと全く同一のダミー光子を、アリス104及びボブ106へ送ることは出来ない。よって、正規の手順に従って、チャーリー101が秘密鍵を生成して、アリス104及びボブ106がお互いの変調位相及び光子検出結果を持ち寄って、チャーリー101が生成した秘密鍵を解こうとしても、上手くいかないことが生じる。そこで、いくつかのテストビットについて、3つの装置で答え合わせをして不一致があれば、どこかで盗聴行為があったと判断することが出来る。よって、この盗聴方法も、成功しない。
上述したように、上記の従来技術の例は、安全な秘密共有機能を提供するシステムとなっている。
上記の説明では、簡単のため、チャーリー101からアリス104までの伝播位相、及びアリス104からボブ106までの伝播位相は、縦横偏波成分とも同一としたが、実際の光ファイバ伝送路においては、ファイバの微小な複屈折性のため、両者の伝播位相は同一ではない。この場合、式(6)の位相項(θ+θ+θ)は、(θ+θ+θ+Δ)となる。ここで、Δは、伝送路の複屈折性による縦方向と横方向との位相差であり、伝送路に対する擾乱により、時間的に揺らぐ量である。
C.Schmid,P.Trojek,H.Weinfurter,M.Bourennane,M.Zukowski,and C.Kurtsiefer著「Single qubit quantum secret sharing」http://arxiv.org/abs/quant−ph/0502107、2005年8月30日、p.1−5
しかしながら、位相差Δが存在すると、上述の従来システムは、以下に説明する場合には動かないという問題があった。すなわち、従来システムは、横方向偏波と縦方向偏波との位相が伝送路上では変化しないという前提の下で動作するシステムであり、伝送路上で横方向偏波と縦方向偏波とで位相差が生じる複屈折性を有する光ファイバ伝送路の場合、システムが動作する前提が崩れ、システムが正常に動作しない虞があるという問題があった。何らかの補償技術を用いて、Δ=0とすることも原理的には可能であるが、装置規模が大きくなり、制御操作も煩雑である。出来れば、そのような制御が不要であるシステムが望ましい。
また、上述の従来システムでは、3つの装置における位相変調の和が0またはπである場合にのみ、鍵ビットが生成され、その他の場合は、無視されるため効率がよくないという問題もあった。効率よく鍵ビットを生成するには、送受信された光子全てからビットを生成するシステムが望ましい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、横方向偏波と縦方向偏波とで位相差が生じる光ファイバ伝送路等で接続された装置間において、光ファイバ伝送路等の複屈折性に影響されずに動作し、及び送受信された光子全てを鍵ビットの生成に寄与させるための、量子秘密鍵を共有するシステム及び量子秘密鍵を生成する方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、伝送路により接続された複数の装置において、光信号の送信装置と、送信装置からの光信号を中継する少なくともひとつの中継装置と、光信号を最後に中継する中継装置からの光信号を受信する受信装置とにより構成された量子秘密共有システムであって、一定間隔の光パルス列を発生する手段(304)と、光パルス列を発生する手段から発せられた光パルス列を、各パルスの位相が0またはπで変調して中継装置のうちのひとつに送信する手段(305)とを備える送信装置と、受信した光信号の光パルス列を、各パルスの位相が0またはπで変調して、他の中継装置または受信装置へ送信する手段(308)を備える中継装置と、光信号を最後に中継する中継装置から送信される光信号の光パルス列を、2分岐して、分岐した経路間に光パルス列のパルス間隔に等しい時間遅延を付加する手段(310)と、2分岐された光パルス列を、2×2の入出力端子を有する光カップラにより合波する手段(311)と、合波された光パルス列の光パルスを検出する手段(312及び313)とを備える受信装置とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、時間的に隣接する光パルス間の位相差を利用した量子秘密鍵を共有するシステムは、隣接する光パルスが同一の屈折率による影響を受けるので、位相差が常に一定に保たれることにより、光ファイバ伝送路等の複屈折性に影響されずに動作し、及び送受信された光子全てを鍵ビットの生成に寄与させることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、一定間隔の光パルス列を発生する手段と、光パルス列を発生する手段から発せられた光パルス列を、各パルスの位相が0またはπで変調して中継装置のうちのひとつに送信する手段とを備えた送信装置と、受信した光信号の光パルス列を、各パルスの位相が0またはπで変調して、他の中継装置または受信装置へ送信する手段を備えた中継装置と、送信される光信号の光パルス列を、2分岐して、分岐した経路間に光パルス列のパルス間隔に等しい時間遅延を付加する手段と、2分岐された光パルス列を、2×2の入出力端子を有する光カップラにより合波する手段と、合波された光パルス列の光パルスを検出する手段とを備えた受信装置とを備えるので、横方向偏波と縦方向偏波とで位相差が生じる光ファイバ伝送路等で接続された装置間において、光ファイバ伝送路等の複屈折性に影響されずに動作し、及び送受信された光子全てを鍵ビットの生成に寄与させることが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図3は、本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムを示す構成図である。
位相変調した光パルス列314を送出する送信装置であるアリス301と、アリス301の出力と接続され、アリス301から送出された光パルス列314を受信し、受信した光パルス列314をさらに位相変調した光パルス列を送出する中継装置であるボブ302と、ボブ302の出力と接続され、ボブ302から送出された光パルス列を受信し、受信した光パルス列により、秘密鍵を生成する受信装置であるチャーリー303とを備えている。
アリス301は、光パルス列を発生するコヒーレントパルス光源304と、コヒーレントパルス光源304の出力と接続され、位相変調θを印加する位相変調器A305と、位相変調器A305の出力と接続され、1パルスあたりの平均光子数を減衰させる光減衰器306とを備えている。さらに、アリス301は、図示してはいないが、チャーリー303により送信される光子検出の時刻を受信する受信手段を有している。
ボブ302は、受信した光パルス列314の一部を分岐するビームスプリッタ307と、ビームスプリッタ307の出力と接続され、位相変調θを印加する位相変調器B308と、ビームスプリッタ307の出力と接続され、分岐した光パルス列の一部の平均光子数を監視する光子検出器B309とを備えている。さらに、ボブ302は、図示してはいないが、チャーリー303により送信される光子検出の時刻を受信する受信手段を有している。
チャーリー303は、受信した光パルス列を2経路に分岐するビームスプリッタ310と、ビームスプリッタ310の出力と接続され、再び合波するビームスプリッタ311と、ビームスプリッタ311の出力と接続され、ビームスプリッタ311からの出力を検出する光子検出器1 312及び光子検出器2 313とを備えている。さらに、チャーリー303は、図示してはいないが、光子検出をした時刻を記録する記録手段、及び光子検出をした時刻をアリス301及びボブ302に送信する送信手段を有している。
アリス301のコヒーレントパルス光源304は、時間間隔Tの光パルス列を発生する。光パルス列のコヒーレント時間は、Tよりも十分長いとする。コヒーレントパルス光源304からの各光パルス列には、位相変調器A305により0またはπの位相変調θが印加される。位相変調θが印加された光パルス列は、光減衰器306により、平均光子数が1パルスあたり1未満(例えば、0.1光子/パルス)まで減衰されて、ボブ302へ送出される。
ボブ302では、アリス301から送出された各光パルス列314に対して、位相変調器B308により0またはπの位相変調θが印加される。位相変調θが印加された光パルス列は、チャーリー303へ送出される。
ここで、ボブ302では、アリス301から送出された各光パルス列314の一部を分岐し、光子検出器B309により、平均光子数が1光子/パルス未満であることを監視しながら、上述の動作を行う。この監視は、アリス301がボブ302を欺くのを防ぐために備えている。
チャーリー303では、受信した光パルス列をビームスプリッタ310により、2経路に分岐し、一方に時間遅延を与えた後、2×2のビームスプリッタ311により、再び合波する。合波する2光パルス列315の一方に与える時間の遅延量は、光パルス列の時間間隔Tに等しくする。ビームスプリッタ311からの出力は、光子検出器1 312及び光子検出器2 313により検出される。
ここで、送信されてくるのは、平均光子数が1光子/パルス未満の信号光なので、光子が検出されるのは、原理的に数タイムスロットに1回である。このことが、本システムの安全性の根拠となっている。
チャーリー303における分岐合波回路(すなわち、ビームスプリッタ310及びビームスプリッタ311)は、時間の遅延量が、光パルス列の時間間隔と同じに設定されているので、ビームスプリッタ311では、前後の光パルス列が重なり合い、互いに干渉することになる。干渉の結果、互いの位相差が0の場合は、光子検出器1 312が光子を検出し、互いの位相差がπの場合は、光子検出器2 313が光子を検出する。
チャーリーに到達するi番目の光パルスの位相は、θ (i)+θ (i)+φ(i)である。ここで、φ(i)は、アリス301からチャーリー303までの伝播位相、上括弧は、i番目の光パルスに対する位相量であることを表す。従って、i番目の光パルスと(i+1)番目の光パルスとの位相差は、(θ (i+1)−θ (i))+(θ (i+1)−θ (i))+(φ(i+1)−φ(i))となっている。ここで、光ファイバの伝播位相φは、一般には、擾乱により時間的に変動し得る量であるが、T程度の時間内では、一定とみなしてよい。このため、i番目の光パルスと(i+1)番目の光パルスとの位相差は、(θ (i+1)−θ (i))+(θ (i+1)−θ (i))と書き改められる。従来システムが、位相の「絶対値」を利用するのに対して、本発明のシステムは、「相対値」を利用する。そのため、時間的な変動がなければ、定数項は消える。
さらに、θ (i+1)−θ (i)=Δθ (i)、θ (i+1)−θ (i)=Δθ (i)とおくと、前後の光パルスの位相差は、Δθ (i)+Δθ (i)と書き表される。ところで、θ及びθは、0またはπである。従って、Δθ (i)+Δθ (i)は、0またはπとなり、この値に従って、光子検出器1 312または光子検出器2 313により、光子を検出する。Δθ (i)及びΔθ (i)がどの値の場合に、光子検出器1 312か光子検出器2 313かのどちらかが光子検出をするかを、以下の表5に示す。ここで、光子検出器1 312が光子検出をする場合に割り当てるビットと、光子検出器2 313が光子検出をする場合に割り当てる、光子検出器1 312が光子検出をする場合に割り当てるビットとは異なるビットとを、基準符号ビットと呼ぶ。基準符号ビットは、アリス301と、ボブ302と、チャーリー303とにおいて、保持することにより共有する。
Figure 2007129562
以上の構成及びシステム動作を用いて、次の手順によりアリス301及びボブ302において、チャーリー303の秘密鍵を共有することが出来る。
(1)アリス301と、ボブ302と、チャーリー303とは、上記に従って、光パルス列を送受信する。
(2)チャーリー303において、光子検出の時刻を記録する記録手段により、光子検出をした時刻を記録する。さらに、光子検出をした時刻の時間スロットについて、光子検出器1 312が検出した場合には、ビット「0」とし、光子検出器2 313が検出した場合には、ビット「1」とする。これらを符号ビットと呼ぶ。符号ビットは、光子検出器1 312が検出した場合を、ビット「1」とし、光子検出器2 313が検出した場合を、ビット「0」としてもよい。符号ビットにより、秘密鍵を生成する。
(3)チャーリー303から、チャーリー303の記録手段により記録された光子検出の時刻を、アリス301及びボブ302に対して、送信手段により通知する。
(4)アリス301及びボブ302において、光子検出をした時刻の時間タイムスロットに対応する2連光パルスに対して、自体が印加した印加した変調位相を参照する。ただし、アリス301またはボブ302において、自体の変調位相だけでは、チャーリー303の符号ビットを取得することは出来ない。
(5)アリス301と、ボブ302と、チャーリー303とにおいて、秘密鍵の一部をテストビットとする。このテストビットについて、アリス301及びボブ302において、自体の変調位相を、チャーリー303に通知する。さらに、チャーリー303において、テストビットについての符号ビットをアリス301及びボブ302に通知する。そして、アリス301と、ボブ302と、チャーリー303とにおいて、テストビットについての変調位相及び符号ビットと、表5による基準符号ビットとが、整合しているかをチェックする。チェックした結果、不一致があれば、システムは正常に動作していないことを識別し、及び秘密鍵を廃棄する。
(6)チェックした結果、不一致がなければ、アリス301及びボブ302において、各変調位相を自体の部分鍵情報に設定する。アリス301またはボブ302において、各々の部分鍵情報を付け合せると、保持している基準符号ビットにより、チャーリー303の秘密鍵を取得することが出来る。
次に、上述の量子秘密共有システムが、盗聴行為に対して安全であることを説明する。盗聴者は、チャーリー303の符号ビットを取得しようとする。すなわち、盗聴者は、チャーリー303の光子検出の結果を取得しようとする。そのためには、ボブ302からチャーリー303に送出される信号状態を取得することが出来ればよい。そこで、盗聴者は、ボブ302からチャーリー303への伝送路上において盗聴を試みると仮定する。
ひとつの盗聴方法は、信号の一部を分岐させて検出する方法が考えられる。この場合、送出されている光パルスは、平均光子数が1光子/パルス未満の信号であるので、光子検出をされるのは、数パルスに1回である。どの光パルスで光子検出をされるのかは、全く確率的である。平均光子数が適切に設定されていれば、盗聴者がチャーリー303と同一の光パルスから光子検出をする確率は、十分小さい。従って、盗聴者は、秘密鍵のわずかな部分しか知り得ないことになる。
他の盗聴方法を、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムに対する盗聴方法を示す構成図である。
ボブから送出されている信号401を受信し、受信した信号401により、ダミー信号411を生成してチャーリー412に送出する盗聴者402と、盗聴者402と接続され、盗聴者402から送出されたダミー信号411を受信するチャーリー412とを備えている。
盗聴者402は、受信した信号401を2経路に分岐するビームスプリッタ403と、ビームスプリッタ403の出力と接続され、再び合波するビームスプリッタ404と、ビームスプリッタ404と接続され、ビームスプリッタ404からの出力を検出する光子検出器T405及び光子検出器S406と、ダミー信号の光パルス列を発生する光子源407と、光子源407の出力と接続され、発生したダミー信号の光パルス列を2経路に分岐するビームスプリッタ408と、光子検出器T405と光子検出器S406とビームスプリッタ408との出力と接続され、位相変調を印加する位相変調器409と、ビームスプリッタ408と位相変調器409との出力と接続され、再び合波するビームスプリッタ410とを備えている。
他の盗聴方法としては、盗聴者402がボブからの信号401を全て受信し、及び受信した結果に基づいて、ダミー信号411をチャーリー412に送出する方法が考えられる。ところが、送出されている信号401は、平均光子数が1光子/パルス未満の信号であるので、全ての信号が受信された場合であっても、光子検出をされるのは、数スロットに1回である。盗聴者402は、光子検出をした光パルスについての信号状態のみを取得することが出来る。具体的には、盗聴者402は、ビームスプリッタ403と、ビームスプリッタ404と、光子検出器T405と、光子検出器S406とを用いて、特定の2光パルス間の位相差のみを取得することが出来る。
次に、盗聴者402は、自体の光子検出と同一の光子検出の結果がチャーリー412において再現されるように、ダミー信号411を送出する。そのためには、光子源407と、ビームスプリッタ408と、位相変調器409と、ビームスプリッタ410とを用いて、光子検出したのと同一の位相状態の2光パルスを送出する。光子検出をしなかった光パルスについては、情報が無いので、何も送出しない。すなわち、盗聴者402から、チャーリー412へは、孤立した2光パルスがダミー信号411として送出される。
このようなダミー信号411としての信号光が、チャーリー412の分岐合波回路(すなわち、ビームスプリッタ413及びビームスプリッタ414)を通過すると、チャーリー412において、次の3つの時間位置で光子を検出し得る。
(i)短経路を通った第1光パルスから光子検出をされる場合
(ii)長経路を通った第1光パルスまたは短経路を通った第2光パルスから光子検出をされる場合
(iii)長経路を通った第2光パルスから光子検出をされる場合
真ん中の時間位置で光子検出をされる場合である(ii)は、2光パルス列417の光パルスが互いに干渉し合うので、盗聴者と同じ側の検出器で、光子検出をされる。この場合には、盗聴が成功する。しかし、一方、両側の時間位置で光子検出をされる場合である(i)及び(iii)では、2光パルス列417の光パルスが互いに干渉する相手がいないので、どちら側で検出されるかは、全くランダムである。従って、この場合、正規の手順により、チャーリー412において、秘密鍵を生成し、アリス及びボブがお互いの変調位相を持ち寄って、チャーリー412が生成した秘密鍵を解こうとしても、上手くいかないことが生じる。
そこで、いくつかのテストビットについて、アリスと、ボブと、チャーリーとにおいて答え合わせをして、不一致があれば、どこかで盗聴行為があったとして識別される。よって、この盗聴方法も、成功しない。
次に、量子秘密共有システムは、アリスまたはボブにおいて、単体では秘密鍵を取得することが出来ないようにするシステムであるので、第三者に秘密鍵が漏洩しないだけではなく、悪意のある不正なアリスまたはボブにおいて、単体では秘密鍵を取得することが出来ないことが必要である。このことを、図5または図6を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムに対する悪意のある不正なボブにおける盗聴方法を示す構成図である。
信号を送出するアリス501と、アリス501の出力と接続され、アリス501から送出された信号を受信し、受信した信号とは別の信号を送出するボブ502と、ボブ502の出力と接続され、ボブ502から送出された別の信号を受信するチャーリー507とを備えている。
ボブ502は、光パルス列を発生するコヒーレントパルス光源504と、コヒーレントパルス光源504の出力と接続され、位相変調を印加する位相変調器505と、位相変調器505の出力と接続され、1パルスあたりの平均光子数を減衰させる光減衰器506とを備えている。さらに、ボブ502は、アリス501から送出された信号をせき止めるストッパー503を備えている。
まず、悪意のある不正なボブ502については、図5の盗聴方法が考えられる。ボブ502において、アリス501からの信号をストッパー503によりせき止める。代わりとして、ボブ502において、位相変調器505により、0またはπで位相変調し、さらに、光減衰器506により、平均光子数が、1光子/パルス未満の光パルス列をチャーリー507に送信する。この構成により、ボブ502において、チャーリー507が生成する秘密鍵を完全に取得することが出来る。
そして、アリス501と、ボブ502と、チャーリー507とにおいて、テストビットの答え合わせをする場合には、ボブ502において変調位相を明らかにするよりも前に、アリス501において変調位相を明らかにさせる。ボブ502において、チャーリー507の符号ビットとアリス501の変調位相とが整合するように(実際の変調位相とは関係なく)、ボブ502自体の変調位相を通知する。
すると、ボブ502においてチャーリー507の秘密鍵を取得しつつ、システム全体が正常に動作しているように見せかけることが出来る。しかしながら、この盗聴方法は、ボブ502において、先に変調位相の通知をするようにさせれば、テストビットの答え合わせをする場合に、不整合が起こり、チャーリー507において、この不整合を識別することが出来る。
図6は、本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムに対する悪意のある不正なアリスにおける盗聴方法を示す構成図である。
信号を送出するアリス1 601と、アリス1 601の出力と接続され、アリス1 601から送出された信号を受信し、受信した信号をさらに位相変調した信号を送出するボブ602と、ボブ602の出力と接続され、ボブ602から送出された信号を受信するアリス2 604と、アリス1 601の出力と接続され、アリス1 601から送出された信号を受信するチャーリー609とを備えている。
アリス2 604は、受信した信号を2経路に分岐するビームスプリッタ605と、ビームスプリッタ605の出力と接続され、再び合波するビームスプリッタ606と、ビームスプリッタ606の出力と接続され、ビームスプリッタ606からの出力を検出する光子検出器a607及び光子検出器b608とを備えている。
悪意のある不正なアリス1 601及びアリス2 604については、図6の盗聴方法が考えられる。アリス1 601において、ボブ602を迂回して、0またはπで位相変調した平均光子数が1光子/パルス未満の光パルス列をチャーリーに送信する。これにより、アリス1 601において、チャーリー609が生成する秘密鍵を完全に取得することが出来る。
同時にアリス1 601において、平均光子数が1光子/パルス以上の光パルス列(位相変調している必要はない)をボブ602に送出し、ボブの直後で、アリス2 604において、チャーリー609と同一の受信器(すなわち、ビームスプリッタ605と、ビームスプリッタ606と、光子検出器a607と、光子検出器b608と)により、これを検出する。この場合、平均光子数が1光子/パルス以上であるので、全ての時間スロットで光子検出をすることが出来て、従って、アリス2 604において、ボブ602の位相変調を全て取得することが出来る。これにより、テストビットの答え合わせの場合の不整合を回避することが出来る。
しかしながら、ボブ602において、平均光子数を監視する光子検出器B309(図3)を備えており、平均光子数が1光子/パルス以上の光パルス列が受信されると、システムに不具合があることを識別することが出来る。ここで、光子検出器B309(図3)により、平均光子数が1光子/パルス未満ではない場合には、盗聴行為もしくはシステム誤動作があるとして、秘密鍵の生成を中止する、または生成した秘密鍵を破棄することが出来る。従って、この盗聴方法は、成功しない。
代替の悪意のある不正なアリス1 601及びアリス2 604としては、図6の構成において、1光子/パルス未満の光パルス列を送信する盗聴方法が考えられる。この場合、ボブ602の直後で、アリス2 604において、信号を検出しても、全ての時間スロットで光子検出をすることは出来ない。すなわち、チャーリー609により光子検出をする時刻の時間スロットの全てに対応する、ボブ602の変調位相を取得することは出来ない。
そこで、アリス1 601と、ボブ602と、チャーリー609とにおいて、テストビットの答え合わせをする場合には、アリス1 601において変調位相を明らかにするよりも前に、ボブ602において変調位相を明らかにさせる。アリス1 601において、チャーリー609の符号ビットとボブ602の変調位相とが整合するように(実際の変調位相とは関係なく)、アリス1 601自体の変調位相を通知する。
すると、アリス1 601においてチャーリー609の秘密鍵を取得しつつ、システム全体が正常に動作しているように見せかけることが出来る。しかしながら、この盗聴方法は、アリス1 601において、先に変調位相の通知をするようにさせれば、テストビットの答え合わせをする場合に、不整合が起こり、チャーリー609において、この不整合を識別することが出来る。
上の例において、悪意のある不正なボブの動作を防止するためには、先にボブにおいて変調位相を通知させるとした。一方、悪意のある不正なアリスの動作を防止するためには、先にアリスにおいて変調位相を通知させるとした。両方をともに満足させるためには、アリス及びボブにおいて、同時に変調位相を通知させるか、またはビット毎に交互に先に通知させるようにすればよい。
上述したように、本発明の実施形態は、外部の盗聴者及び悪意のある参加者に対して、安全な秘密共有機能を提供するシステムとなっている。
なお、上の例では、アリス及びボブにおいて、チャーリーの秘密鍵を共有するとした。しかし、これに限るものではなく、チャーリーの秘密鍵の共有者数をさらに増やすことも可能である。すなわち、図7に示すように、アリス701からチャーリー705へと送信される光パルス列を、ボブ1 702と、ボブ2 703と、ボブN 704とが光ファイバ伝送路上において、0またはπで位相変調する構成である。この構成においても、ボブ1 702〜ボブN 704のN個の中継装置であるボブで変調される位相は、0かπかのいずれかであるので、表5により動作を表現することができる。従って、上述した中継装置であるボブが1つである場合と同様に、アリスと複数のボブとの間で、チャーリーの秘密鍵を共有することが出来る。
本実施形態によれば、時間的に隣接する光パルス間の位相差を利用した量子秘密共有の実現により、光ファイバ伝送路の複屈折性または屈折率揺らぎがある場合でも、隣接する光パルスは同一の屈折率を有するので、光パルス間の位相差を一定に保つことが出来て、光ファイバ伝送路の複屈折性または屈折率揺らぎに影響されずに動作する、量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法の提供が可能となる。
また、本実施形態によれば、検出された光子の全てを鍵ビットの生成に寄与させることも出来て、秘密鍵の生成効率が高い、量子秘密共有システム及び量子秘密鍵生成方法の提供も可能となる。
将来いかなる技術革新が起ころうとも絶対に安全であると言える量子秘密鍵によって、光ファイバ伝送路を用いた通信網において秘匿通信が可能となる。
従来の量子秘密共有システムを示す構成図である。 従来の量子秘密共有システムにおける偏波ビームスプリッタと入力光子状態との関係を示す説明の図である。 本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムを示す構成図である。 本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムに対する盗聴方法を示す構成図である。 本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムに対する悪意のある不正なボブにおける盗聴方法を示す構成図である。 本発明の一実施形態にかかる量子秘密共有システムに対する悪意のある不正なアリスにおける盗聴方法を示す構成図である。 本発明の一実施形態にかかる秘密鍵の共有者数を拡張した量子秘密共有システムを示す構成図である。
符号の説明
108 偏波ビームスプリッタ
306 光減衰器
307、310、311 ビームスプリッタ
314 光パルス列
315 2光パルス列
401 信号
403、404、408、410、413、414 ビームスプリッタ
411 ダミー信号
417 2光パルス列
503 ストッパー
506 光減衰器
605、606 ビームスプリッタ

Claims (5)

  1. 伝送路により接続された複数の装置において、光信号の送信装置と、前記送信装置からの光信号を中継する少なくともひとつの中継装置と、前記光信号を最後に中継する中継装置からの光信号を受信する受信装置とにより構成された量子秘密共有システムであって、
    一定間隔の光パルス列を発生する手段と、
    前記光パルス列を発生する手段から発せられた光パルス列について、各パルスの位相を0またはπで変調して前記中継装置のうちのひとつに送信する手段と
    を備える前記送信装置と、
    前記受信した光信号の光パルス列を、各パルスの位相が0またはπで変調して、前記他の中継装置または前記受信装置へ送信する手段
    を備える前記中継装置と、
    前記光信号を最後に中継する中継装置から送信される光信号の光パルス列を、2分岐して、分岐した一方の経路に前記光パルス列のパルス間隔に等しい時間遅延を付加する手段と、
    前記2分岐された光パルス列を、2×2の入出力端子を有する光カップラにより合波する手段と、
    前記合波された光パルス列の光パルスを検出する手段と
    を備える前記受信装置と
    を備えたことを特徴とする量子秘密共有システム。
  2. 前記中継装置が、前記送信される光信号の光パルス列の平均光子数を監視することにより、平均光子数が1光子/パルス以上となる信号を受信すると、前記秘密鍵の生成を中止するか、または前記秘密鍵を破棄する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の量子秘密共有システム。
  3. 伝送路により接続され、共通の基準符号ビットを有している複数の装置において、光信号の送信装置と、前記送信装置からの光信号を中継する少なくともひとつの中継装置と、前記光信号を最後に中継する中継装置から受信する光信号の光パルス列を2分岐して、分岐した一方の経路に前記光パルス列のパルス間隔に等しい時間遅延を付加する手段、前記2分岐された光パルス列を2×2の入出力端子を有する光カップラにより合波する手段、及び前記合波された光パルス列の光パルスを検出する手段を備えている受信装置とにより構成された量子秘密共有システムにおける量子秘密鍵生成方法であって、
    前記送信装置により、各パルスの位相を0またはπで変調した光パルス列の光信号を前記中継装置のうちのひとつに送信するステップと、
    前記中継装置により、前記受信した光信号の光パルス列についての各パルスの位相を0またはπで変調した光パルス列の光信号を、前記他の中継装置または前記受信装置へ送信するステップと、
    前記受信装置により、前記受信した光信号の光子検出の時刻を、他の装置に送信するステップと、
    前記送信装置により、
    前記光子検出の時刻に対応する光パルスに対して変調された変調位相を識別するステップと、
    テストビットについての変調位相を、他の装置に送信するステップと、
    前記テストビットについての変調位相及び符号ビットと、前記基準符号ビットとを整合して、整合する場合には、前記テストビットについての変調位相を部分鍵情報として保持するステップと、
    前記中継装置により、
    前記光子検出の時刻に対応する光パルスに対して変調された変調位相を識別するステップと、
    前記テストビットについての変調位相を、他の装置に送信するステップと、
    前記テストビットについての変調位相及び符号ビットと、前記基準符号ビットとを整合して、整合する場合には、前記テストビットについての変調位相を部分鍵情報として保持するステップと、
    前記受信装置により、
    前記テストビットについての符号ビットを、他の装置に送信するステップと、
    前記テストビットについての変調位相及び符号ビットと、前記基準符号ビットとを整合して、整合する場合には、前記テストビットについての符号ビットを鍵情報として保持するステップと
    を備えたことを特徴とする量子秘密鍵生成方法。
  4. 前記テストビットは、前記受信装置によって前記符号ビットにより生成された鍵の一部であることを特徴とする請求項3に記載の量子秘密鍵生成方法。
  5. 前記テストビットについての変調位相及び符号ビットと、前記基準符号ビットとを整合するステップは、前記テストビットについての変調位相及び符号ビットと、前記基準符号ビットとが整合しない場合には、前記鍵を破棄することを特徴とする請求項4に記載の量子秘密鍵生成方法。
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