JP2007129210A - モードロックレーザ装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】Ybドープ固体レーザ媒質を備えたモードロックレーザ装置において、装置構成を簡素化し、装置コストを低減する。
【解決手段】共振器10と、該共振器10内に配置されたモード同期素子12と、共振器10内に配置された、Ybドープ固体レーザ媒質14と、該固体レーザ媒質14に励起光Leを入射させる励起手段15とを備えたモードロックレーザ装置1において、固体レーザ媒質14の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長の光を出力光として用いる。
【選択図】図1
【解決手段】共振器10と、該共振器10内に配置されたモード同期素子12と、共振器10内に配置された、Ybドープ固体レーザ媒質14と、該固体レーザ媒質14に励起光Leを入射させる励起手段15とを備えたモードロックレーザ装置1において、固体レーザ媒質14の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長の光を出力光として用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、励起光源からの励起光により固体レーザ媒体から発振光を発生させ、モードロックさせることによりパルスレーザを出力するモードロックレーザ装置に関するものである。
従来、高速で繰り返される光パルス列を連続発生させる技術としては、共振器内に配置された固体レーザ媒質を半導体レーザなどで励起し、発振している多くの縦モードの位相を同期させるモード同期方式がとられる。モード同期方式には、共振器内に光変調器を挿入して損失変調をかける能動方式と、入射光強度に対して吸収係数が非線形に変化する可飽和吸収体を共振器内に挿入して受動的にモード同期をとる受動方式などがある。可飽和吸収体を用いた受動方式のモードロックレーザ装置は、例えば、非特許文献1や特許文献1などに提案されている。
固体レーザ媒質として、Yb(イットリビウム)がドープされてなる固体レーザ媒質は、その固体レーザ媒質の最大発振波長(蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長)を出力光として用いられるのが一般的であり、例えば、Yb:YAGの場合、1030nm波長が用いられている(非特許文献2参照)。しかしながら、この最大発振波長は4準位系でありながらレーザ下準位が基底準位に近いために、3準位系として機能し、そのためレーザ下準位に分布する電子が発振光を再吸収することに起因する再吸収ロスによって、レーザ発振効率が大きく低下するという問題がある。図3は、Yb:YAGの吸収スペクトル(実線)および蛍光スペクトル(破線)を示すものである(なお、図3はAPPLIED OPTICS, Vol.39, No.27, 4964, (2000)からの引用である)。図3に示すように、蛍光強度のピークFmaxとなる波長である1030nmでは、上述のように発振光の再吸収ロスを示す吸収強度のピークAが存在し、そのためにレーザ発振効率が低下する。このような再吸収ロスを回避するためには、高密度励起を行うことによってレーザ上準位を電子で満たし、発振光の再吸収を抑制する必要がある。
励起光として半導体レーザを用いる場合、市販の半導体レーザの出力には限界があるため、高密度励起を行うためには、固体レーザ媒質中でビーム径を小さくしてレーザ密度を高くすると共に、固体レーザ媒質中において、励起光と発振光との重なりを高めて発振効率を上げる必要がある。固体レーザ媒質中における励起光と発振光との重なりを高めるのは、固体レーザ媒質中で励起光のビーム径が発振光のビーム径よりも小さい場合、励起光が存在しない部分で再吸収ロスが大きくなり、レーザ発振効率が低下し、逆に、固体レーザ媒質中で励起光のビーム径が発振光のビーム径よりも大きい場合、発振光の存在しない、つまり発振に寄与しない部分を余分に励起することになり、やはりレーザ発振効率が低下し、高密度励起が十分に達成できなくなる虞があるためである。
従って高効率レーザ発振には、固体レーザ媒質中に小さな励起光ビームウェストを形成するとともに、小さな発振光ビームウェストを形成し、励起光と発振光の重なりを高める必要があり、一般的な共振器はそのように設計される。
特表2002−536823号公報
"Diode-pumped mode-locked Yb3+:Y2O3 ceramic laser"、オプティクスエクスプレス(OPTICS EXPRESS) 2003年11月3日、Vol.11,No.22 P.2911-2916
"60-W average power in 810-fs pulses from a thin-disk Yb:YAG laser" オプティクスレターズ(OPTICS LETTERS) 2003年3月1日、Vol.28,No.5、P.367−369
しかしながら、上述のような設計上の制限は、モードロックレーザ装置を構成する上で部品点数の削減および装置構成の簡素化を妨げるものとなる。装置構成の簡素化が図れなければ、装置のコストを安価に抑えることができないという問題も生じる。
本願発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、Ybドープ固体レーザ媒質を備えたモードロックレーザ装置において、設計上の制限を緩和し、装置構成の簡素化を図り、装置コストを低減することが可能なモードロックレーザ装置を提供することを目的とするものである。
本発明のモードロックレーザ装置は、共振器と、該共振器内に配置されたモード同期素子と、該共振器内に配置された、Yb(イットリビウム)がドープされた固体レーザ媒質と、該固体レーザ媒質に励起光を入射させる励起手段とを備えたモードロックレーザ装置において、
該固体レーザ媒質の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長の光を出力光として用いるものであることを特徴とするものである。
該固体レーザ媒質の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長の光を出力光として用いるものであることを特徴とするものである。
なお上記の構成においては、前記発振波長におけるレーザ下準位が、基底準位より652cm-1以上離れていることが望ましい。
また本発明のモードロックレーザ装置は、前記共振器内において、発振光ビームウェストが前記モード同期素子上でのみ形成されるよう構成することができる。
また前記モード同期素子は可飽和吸収体ミラーデバイスであることが望ましく、可飽和和吸収体ミラーデバイスとしては特に半導体化飽和吸収ミラーを用いることが好ましい。
固体レーザ媒質がYb:YAGである場合、長波長側の波長帯域の発振波としては1045〜1065nmのものを用いることが望ましい。Ybのドープ量の好ましい範囲は10〜100at%である。
本発明のモードロックレーザ装置によれば、固体レーザ媒質の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長の光を出力光として用いており、この長波長側の波長帯域の発振波長におけるレーザ下準位と基底準位との差は、ピーク波長におけるレーザ下準位と基底準位との差と比較して大きいので、ピーク波長と比較して再吸収ロスが少なく4準位系として機能し発振するため、ピーク波長の光を用いた場合と比較して高密度励起をする必要がなくなり、モードマッチング条件を緩和させることができる。すなわち、固体レーザ媒質中に励起光および発振光の小さなビームウェストを形成する必要がなくなるため、従来考慮しなければならなかった共振器を設計する上での制限事項が減り、より自由度の高い共振器設計が可能となり、簡易な構成の共振器を構成することが可能となる。
具体的には、励起光を集光する集光光学系の構成や共振器内に配置される集光機能を有するミラーの点数などを少なく抑え、共振器構造の簡素化を図ることが可能となり、部品数減による低コスト化が可能となる。
特に、モード同期素子として可飽和吸収体ミラーデバイスを備えたモードロックレーザ装置においては、一般に可飽和吸収体ミラーデバイス上で発振光ビームを集光させる必要があり、そのために従来であれば、固体レーザ媒質中およびミラーデバイス上の少なくとも2箇所に発振光ビームウェストがくるように共振器を設計する必要があったため、共振器の簡素化が進まなかったが、本願発明の装置によれば、固体レーザ媒質中にビームウェストを配置する必要がないため共振器の簡素化を図ることができ、低コスト化が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のモードロックレーザ装置1の概略構成を示すものである。モードロックレーザ装置1は、共振器10の一方の終端を構成する出力ミラー11と、他方の終端を構成する、モード同期素子である可飽和吸収体ミラーデバイス12と、出力ミラー11および可飽和吸収体ミラーデバイス12に発振光L0を導く、所定の曲率半径のミラー13と、共振器10内に配置された固体レーザ媒質14と、固体レーザ媒質14に励起光Leを入射させる、共振器10外部に配置された励起手段15とを備えている。
ミラー13と可飽和吸収体ミラーデバイス12の間の距離Aは、ミラー13の曲率半径の半分となる距離とされており、可飽和吸収体ミラーデバイス12にのみ発振光ビームウェストが形成される構成である共振器構造を有する。
励起手段15は励起光源であり励起光Leを出射する半導体レーザ16と半導体レーザ16から出射された励起光Leを集光して固体レーザ媒質14に入射させるレンズ17とから構成されている。励起手段としては、従来高密度励起のため固体レーザ媒質に小さなビームウェストを形成するためレンズを複数枚備える必要があったが、本発明によれば、従来ほど小さなビームウェストを形成する必要がないためレンズ1つの簡易な構成の励起手段とすることができる。具体的には、従来は固体レーザ媒質中に励起光および発振光のビームウェストを25μm径程度の小さなものにする必要があったが、本発明の構成によれば、固体レーザ媒質中に形成する励起光のビームウェストの径を従来の2倍の50μm程度とすればよく、発振ビームに関しては、固体レーザ媒質中に従来の4倍の100μm程度の発振ビーム径とすればよく、それにより、装置の構成条件を緩和することができる。
固体レーザ媒質14は、その両端面14a、14bに、該固体レーザ媒質14の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長λ0を中心として±20nmの範囲、および励起光Leのピーク波長λeを中心として±10nmの範囲の波長に対する反射防止コートが施されている。
出力ミラー11は、波長λ0を中心とする±20nmの範囲の波長に対し透過率が0.2%のものを用い、可飽和吸収体ミラーデバイス12としては、波長λ0に対し吸収率が1%のものを用いる。
ミラー13は、励起光入射面である端面13aに励起光Leの波長λeから±10nmの範囲の波長に対する反射防止コートが施されており、もう一方の端面13bに波長λeを中心として±10nmの範囲の波長に対する反射防止コートおよび波長λ0を中心として±20nmの範囲の波長に対する全反射コートが施されている。
本実施形態のモードロックレーザ装置1は、固体レーザ媒質14、出力ミラー11およびミラー13の各端面のコートを上記のように設定することにより、固体レーザ媒質14の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長λ0を出力光として用いる構成とされている。従来は、固体レーザ媒質中に発振光ビームウェストが位置するようにするため、3つ以上の共振器ミラーを備えた構成のモードロックレーザ装置が一般的であったが、本実施形態モードロックレーザ装置は、固体レーザ媒質中に発振光のビームウェストを位置することなく、発振光のビームウェストは可飽和吸収体ミラーデバイス12上でのみ形成する構成であり、共振器ミラーとして出力ミラー11およびミラー13の2つのみを備えた簡素な構成である。
なお、本実施形態のモードロックレーザ装置1は、ミラー13と可飽和吸収体ミラーデバイス12の間の距離Aがミラー13の曲率半径の半分となる位置、すなわち凹面ミラー13bの焦点位置に可飽和吸収体ミラーデバイス12が配置されていることから、出力ミラー11へ折り返された発振光は平行光となる。そのため、出力ミラー11を共振器光軸M0に沿って平行移動させても発振可能であり、ミラー13と出力ミラー11の間の距離を変えることにより、パルスレーザの繰返し周波数を変調させることができる。
モードロックレーザ装置1のより具体的な構成例として、固体レーザ媒質14がレーザホスト媒質(母材)としてYAGを用い、Ybを20at%ドープした厚さd=1mmのYb:YAG固体レーザ媒質である場合について以下説明する。
Yb:YAGの蛍光スペクトルおよび吸収スペクトルは図3に示された通りである。既述の通り、従来蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長1030nmを出力光とするモードロックレーザ装置が知られているが、本実施形態においては、最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域のピークBを示す1050nmの波長の光を出力光として用いることができる構成とする。図3の吸収スペクトルから蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長1030nmの長波長側の波長帯域、具体的には1045〜1065nmの波長では、再吸収ロスがほとんどないことがわかる。これは、波長1045〜1065nmの光を出力光として用いれば、Yb:YAGが4準位系として機能することを示すものである。従って、Yb:YAG固体媒質の場合には、この1045〜1065nmの範囲の波長の光を出力光とすれば、モードロックレーザ装置の構成条件を緩和することができる。なお、特に、その波長帯域において、蛍光スペクトルがピークBを示す波長1050nmの光を用いるのが最も好ましく、本実施形態においては波長1050nmの光を出力光として用いる場合について説明する。
半導体レーザ16としては、マルチモードの半導体レーザ(米国JDS Uniphase社製: SDL-6390-L3,最大出力6.5W、発振波長940nm)を用いる。レンズ17は、半導体レーザ16からの励起光Leを励起光軸Meと共振器光軸M0とを一致させて、固体レーザ媒質14の中央に励起光ビームウェストがくるように固体レーザ媒質14へ入射するものとする。
出力ミラー11としては、発振波長1050nmを中心として±20nmの範囲の波長に対し透過率が0.2%であるものを用い、可飽和吸収体ミラーデバイス12としては、発振波長1050nmに対し吸収率が1%、変調深さ0.7%、飽和フルーエンス30μJ/cm2のSESAM(BATOP社製)を用いる。
ミラー13としては、励起光入射面である端面13aに励起光Leのピーク波長940nmを中心として±10nmの範囲の波長に対して反射率が0.5%以下である反射防止コートが施されており、もう一方の端面13bに波長940nmを中心として±10nmの範囲の波長に対して反射率が0.5%以下である反射防止コートおよび発振波長1050nmを中心として±20nmの範囲の波長に対する反射率が99.99%以上である全反射コートが施されているものを用いる。このミラー13は、発振光L0を出力ミラー11およびSESAM12に折り返すものであり、曲率半径50mmのミラー面13bを有する。ミラー13とSESAM12との距離Aは曲率半径50mmの半分の25mmに設定する。
Yb:YAG固体レーザ媒質14は、SESAM12から共振器の内側10mmの位置に配置する。Yb:YAG固体レーザ媒質14としては、その両端面14a、14bに、発振波長1050nmを中心として±20nmの範囲の波長に対する反射率が0.01%以下であって、かつ励起光のピーク波長940nmを中心として±10nmの範囲の波長に対する反射率が0.5%以下である反射防止コートが施されたものを用いる。
このように、モードロックレーザ装置1は、出力光として、固体レーザ媒質14の蛍光スペクトルの最大ピーク波長1030nmよりも長波長側のピーク波長1050nmの光を用いる構成とされており、この1050nm波長は再生吸収ロスが少ないため、波長1030nmの光を用いた場合よりも発振効率を上げることができる。
上記構成において、ピーク波長1030nmと長波長側の波長1050nmの光を用いた場合の発振特性を理論計算より比較した結果を図4に示す。理論計算にはAPPLIED OPTICS,VOL.36,P1867-1874に記載されている式(A1)〜(A12)を用いた。この図4より、最大励起出力(6.5W)時において、1030nmでは0.4Wに対し、1050nmでは0.95Wの発振となり、2.3倍の出力を得ることができ、固体レーザ媒質中に小さい励起および発振ビームウェストを形成しない本構成においても、良好な発振効率が得られることがわかる。
なお、波長1050nmの光を出力光として用いた場合のみならず1045〜1065nmの範囲あれば1050nm以外の波長の光を出力光として用いた場合、波長1030nmの光を出力光として用いた場合と比較して良好な発振効率を得ることができる。
本実施例では、固体レーザ媒質としてYb:YAGを用いているが、他の固体レーザ媒質においても、蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波側の波長であり、特に発振波長におけるレーザ下準位が、基底準位より652cm-1以上離れている発振波長範囲において、再吸収ロスを抑制することが可能であり、良好な効率の発振が可能であることが確認できた。
図2は本発明の第2の実施形態のモードロックレーザ装置2の概略構成を示すものである。第1の実施形態のモードロックレーザ装置1と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略し、主として第1の実施形態と異なる点について説明する。なお、本実施形態は、固体レーザ媒質14としてYb:YAGを備えた場合の具体的な構成として説明する。
第1の実施形態のモードロック装置1が共振器10としてV型共振器構造を有していたのに対して、本実施形態のモードロックレーザ装置2は、共振器20として直線型共振器構造を有するものである。励起手段15’は励起光源であり励起光Leを出射する半導体レーザ16と、半導体レーザ16から出射された励起光Leを集光して固体レーザ媒質14に入射させるレンズ17と、このレンズ17によって集光された励起光Leを固体レーザ媒質14に向けて折り返すためのダイクロイックミラー22とから構成されている。
出力ミラー21は、端面21aに発振波長1050nmを中心として±20nmの範囲の波長に対して反射率が0.5%以下である反射防止コートが施されており、もう一方の端面21bに発振波長1050nmを中心として±20nmの範囲の波長に対して透過率が0.2%である反射コートが施されたものである。出力ミラー21は所定の曲率を有するものであり、SESAM12上で発振光L0のビームウェストが位置するように出力ミラー21とSESAM12の距離は定められている。
ダイクロイックミラー22は、基板が合成石英からなるものであり、共振器光軸に対しブリュースタ角55.6°傾けて配置されている。端面22aはノンコートであり、もう一方の端面22bには、ブリュースタ角の入射に対し、励起光Leのピーク波長940nmを中心として±10nmの範囲の波長に対して反射率が0.5%以下である反射防止コートおよび発振波長1050nmを中心として±20nmの広い範囲の波長に対して反射率が0.01%以下である反射防止コートが施されている。
ここでも、モードロックレーザ装置2の出力光Lの波長は、固体レーザ媒質14の蛍光スペクトルの最大ピーク波長1030nmよりも長波長側のピーク波長1050nmであり、この波長は再生吸収ロスが少ないため、波長1030nmの光を用いた場合よりも発振効率を上げることができ、固体レーザ媒質中で発振光L0のビームウェストを形成する必要がないため、本装置2のような簡素な構成を達成することができる。
本実施形態の構成のモードロック装置2は直線型共振器構造であるため、第1の実施形態のモードロック装置1のようなV型共振器構造を有する装置に比して小型化が可能であり、さらなるパッケージコストダウンが可能である。
上記各実施形態においては、固体レーザ媒質14として、YbをドープしたYAGからなるものを挙げたが、固体レーザ媒質14の母材はYAGに限るものではない。Ybをドープした種々の母材の固体レーザ媒質についてそれぞれ再吸収ロスの少ない発振を行うことが可能な発振中心波長を以下に挙げる。
母材としてKYWを用いた固体レーザ媒質の場合、発振中心波長が1050〜1070nmの光を出力光として用いる構成とすれば、再生吸収ロスを少なくして4順位系として発振するモードロックレーザ装置を得ることができ、上記各実施形態と同様に簡素な構成とすることができると共に、サブピコ秒のパルスレーザを得ることができる。
同様に、KGW が母材の場合発振中心波長が1050〜1060nmの光を出力光として用い、YVO4 が母材の場合発振中心波長が1025〜1050nmの光を出力光として用い、GdVO4 が母材の場合発振中心波長が1030〜1060nmの光を出力光として用い、Lu2O3が母材の場合発振中心波長が1040〜1100nmの光を出力光として用い、Sc2O3が母材の場合発振中心波長が1080〜1120nmの光を出力光として用い、Y2O3が母材の場合発振中心波長が1080〜1100nmの光を出力光として用い、SYSが母材の場合発振中心波長が1070〜1100nmの光を出力光として用い、BOYSが母材の場合発振中心波長が1070〜1150nmの光を出力光として用い、GdCOBが母材の場合発振中心波長が1055〜1120nmの光を出力光として用い、GGGが母材の場合発振中心波長が1050〜1100nmの光を用いれば、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
1、2 モードロックレーザ装置
10、20 共振器
11、21 出力ミラー
12 可飽和吸収体ミラーデバイス(モード同期素子)
13 ミラー
14 固体レーザ媒質
15、15’ 励起手段
16 半導体レーザ
17 レンズ
22 ダイクロイックミラー
L 出力光
Le 励起光
L0 発振光
10、20 共振器
11、21 出力ミラー
12 可飽和吸収体ミラーデバイス(モード同期素子)
13 ミラー
14 固体レーザ媒質
15、15’ 励起手段
16 半導体レーザ
17 レンズ
22 ダイクロイックミラー
L 出力光
Le 励起光
L0 発振光
Claims (5)
- 共振器と、該共振器内に配置されたモード同期素子と、該共振器内に配置された、Yb(イットリビウム)がドープされた固体レーザ媒質と、該固体レーザ媒質に励起光を入射させる励起手段とを備えたモードロックレーザ装置において、
前記固体レーザ媒質の蛍光スペクトルにおける最大ピーク波長よりも長波長側の波長帯域の発振波長の光を出力光として用いるものであることを特徴とするモードロックレーザ装置。 - 前記発振波長におけるレーザ下準位が、基底準位より652cm-1以上離れていることを特徴とする請求項1項記載のモードロックレーザ装置
- 前記共振器内において、発振光ビームウェストが前記モード同期素子上でのみ形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のモードロックレーザ装置。
- 前記モード同期素子が可飽和吸収体ミラーデバイスであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のモードロックレーザ装置。
- 前記固体レーザ媒質がYb:YAGであり、前記長波長側の波長帯域の発振波長が1045〜1065nmであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のモードロックレーザ装置。
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