JP2007127942A - 投影露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】穿孔装置等の機械的な装置を用いることなく、露光光によって第1のレチクル基準マーク投影体と第2のレチクル基準マーク投影体とを形成し、塵埃を生じにくくして投影体である導体パターンを的確に形成することができるとともに、構成や処理を簡素にして間歇的に導体パターンを形成できる投影露光装置を提供する。
【解決手段】被転写パターンの像に対応したパターン投影体と、被転写パターンの基準位置を示す第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークの像に対応した第1のレチクル基準マーク投影体及び第2のレチクル基準マーク投影体と、を露光光によって、被露光体に形成し、第1のレチクル基準マーク投影体の位置と第2のレチクル基準マーク投影体の位置と検出して、被露光体の位置を調節する。
【選択図】 図1

Description

感光基板を移動させて、少なくとも2つの投影体を感光基板に間歇的に形成する投影露光装置に関する。
従来の投影露光装置では、長尺なフィルムに導体パターンを形成するときに、レチクルのアライメントマークの投影像が、フィルムのアライメントマークと一致するように位置決めをして、レチクルのパターンをフィルムに投影していた(例えば、特許文献1参照)。
この従来の装置では、穿孔装置を投影露光装置に搭載し、露光処理を行う前に、この穿孔装置によってフィルムに穿孔を形成し、形成された穿孔をアライメントマークとして、フィルムに形成されたアライメントマークの位置と、レチクルのアライメントマークの投影像の位置とが一致するように位置決めをし、露光処理を行っていた。
特開平6−45406号公報
上述したように、従来の装置では、穿孔装置によって穿孔を形成し、これをアライメントマークとするものであった。
従来の装置は、穿孔装置によって機械的に穿孔を形成するものであったため、穿孔の加工処理によって切り屑等の塵埃が発生したり、穿孔装置の可動部から塵埃が生じたりして、塵埃がフィルム上に付着しやすく、導体パターンを的確に形成することができない場合があった。導体パターンは、近年、より微細なものになりつつあり、塵埃の影響を少なくする必要がある。
また、この従来の装置は、露光装置に穿孔装置を付加した構成となっていたため、装置の構成が複雑になったり、大型化せざるを得なかったり、また、露光処理以外の処理を必要とするため、全体の処理が煩雑にならざるを得なかった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塵埃を生じにくくし的確に導体パターンを形成することができるとともに、構成や処理を簡素にして導体パターンを形成できる投影露光装置を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明においては、被転写パターンの像に対応したパターン投影体と、被転写パターンの基準位置を示す第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークの像に対応した第1のレチクル基準マーク投影体及び第2のレチクル基準マーク投影体と、を露光光によって、被露光体に形成し、第1のレチクル基準マーク投影体の位置と第2のレチクル基準マーク投影体の位置と検出して、被露光体の位置を調節する。
具体的には、本発明に係る投影露光装置は、
露光光を発する光源と、被投影体が形成されたレチクルと、を含み、被露光体を所定の距離ごとに移動させて、前記被投影体に対応した投影体を前記露光光によって前記被露光体に形成する投影露光装置であって、
前記被投影体は、被転写パターンと、前記被転写パターンの基準位置を示す第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークと、を含み、かつ、
前記第1のレチクル基準マークと前記第2のレチクル基準マークとは、前記所定の距離に基づいた間隔を有し、かつ、
前記被露光体は、前記露光光によって感光する感光性の感光材を含み、かつ、前記露光光によって前記被投影体の像が投影されることにより、前記被転写パターンの像に対応したパターン投影体と、前記第1のレチクル基準マークの像に対応した第1のレチクル基準マーク投影体と、前記第2のレチクル基準マークの像に対応した第2のレチクル基準マーク投影体と、を前記投影体として形成でき、
前記被露光体に形成された前記第1のパターン基準マーク投影体の位置と、前記被露光体に形成された前記第2のパターン基準マーク投影体の位置とを検出する基準位置検出手段と、
前記被露光体を前記所定の距離ごとに移動させるとともに、前記第1のパターン基準マーク投影体の位置に対して、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置が、所定の位置関係になるように、前記被露光体を位置づける位置決め手段と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る投影露光装置は、光源とレチクルとを含む。光源は、露光光を発する。露光光は、被露光体を感光するのに必要な波長が含まれた波長の光である。レチクルには、被投影体が形成されている。レチクルとは、プリント配線体や半導体デバイスのウエハを製造するときに、投影体、例えば、導体パターンを被露光体に形成するために用いられるフォトマスクをいう。被露光体は、銅張積層板等の基板やフィルムからなり、導体パターンが形成される前の基板やフィルムであり、その表面がレジスト等の感光性の物質によって覆われている基板やフィルムをいう。上述した導体パターンは、プリント配線体で導電性材料によって形成される図形をいう。被露光体には、光源から発せられた露光光によって、被投影体の像が投影される。この被投影体の像の投影によって、露光光が照射される箇所と照射されない箇所とが被露光体に生じ、被投影体に対応した投影体を被露光体に形成することができる。
また、本発明に係る投影露光装置は、被露光体を所定の距離ごとに移動させることによって、複数個の投影体を被露光体に形成する。すなわち、被露光体を所定の距離ごとに間歇的に移動させ、被露光体を移動させた各々の位置で、被投影体の像を投影することによって、被投影体に対応した投影体を被露光体に形成することができ、その結果として、被露光体に複数個の投影体を被露光体に形成することができる。なお、各々の位置で1つの投影体を被露光体に形成するだけでなく、各々の位置で2つ以上の投影体を被露光体に形成してもよい。本発明に係る投影露光装置は、被露光体を移動させることによって、被露光体の複数の箇所に被露光体を位置づけて、その各々の位置で投影体を形成するものであり、複数の箇所に被露光体を位置づけて投影処理を行った結果、複数個の投影体を被露光体に形成できるものであればよい。
さらに、「被投影体に対応した投影体」は、最終的に形成される導体パターンだけでなく、露光光が照射されることにより、感光体の感光性の物質が硬化して形成される硬化箇所(導体パターンの上に形成されるレジスト)も含まれ、露光光を照射することによって、最終的な導体パターンを形成する過程において形成される中間的なものも含まれる。
被投影体は、被転写パターンと、第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークと、を含む。すなわち、レチクルには、被転写パターンと、第1のレチクル基準マークと、第2のレチクル基準マークと、が形成されている。第1のレチクル基準マークと第2のレチクル基準マークとは、被転写パターンの基準位置を示すためのものである。なお、被投影体には、被転写パターンと、第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークと、が含まれていればよく、被転写パターンと、第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークとが別個に形成されている必要はない。すなわち、第1のレチクル基準マークや第2のレチクル基準マークが被転写パターンと一体に形成されている場合も含まれる。
第1のレチクル基準マークと第2のレチクル基準マークとは、所定の距離に基づいた間隔を有するように、レチクルに形成されている。「所定の距離に基づいた間隔」とは、被露光体を移動させるときの「所定の距離」に基づいた長さである。上述したように、被露光体は「所定の距離」ごとに移動される。一方、レチクルに形成された被投影体の像は、必ずしも等倍で被露光体に投影されるとは限られず、等倍とは異なる倍率で、すなわち、被投影体の像が拡大されたり縮小されたりして被露光体に投影される場合がある。このため、等倍のときには、第1のレチクル基準マークと第2のレチクル基準マークとの間隔を、被露光体の移動の「所定の距離」と同じにしてもよいが、等倍とは異なる倍率のときには、第1のレチクル基準マークと第2のレチクル基準マークとの間隔を、その倍率に応じて被露光体の移動の「所定の距離」を変換したものにするのが好ましい。このように、「所定の距離に基づいた間隔」とは、倍率に応じて「所定の距離」を変換したものをいう。なお、「所定の距離に基づいた間隔」は、上述した「所定の距離」に基づいていればよく、倍率以外の他の事情、例えば、レチクルの製造に基づく理由やその他の理由に応じて適宜定めることができる。
また、上述した被露光体は、光源から発せられた露光光によって感光する感光性の感光材を含む。ここで、感光とは、感光材を構成する物質が露光光の作用を受けて、物理・化学変化を起すことをいう。
この被露光体には、光源から発せられた露光光によって被投影体の像が投影されることにより、パターン投影体と、第1のレチクル基準マーク投影体と、第2のレチクル基準マーク投影体とが形成される。パターン投影体は、被転写パターンの像に対応した投影体であり、第1のレチクル基準マーク投影体は、第1のレチクル基準マークの像に対応した投影体であり、第2のレチクル基準マーク投影体は、第2のレチクル基準マークの像に対応した投影体である。ここで、「投影体」とは、光源から発せられた露光光によって被投影体の像が投影されることにより被露光体に形成される実体的なものをいい、露光光によって生ずる被投影体の像とは区別される。例えば、被転写パターンの像に対応した投影体は、導体パターンに相当する。また、ここで、「形成」とは、上述した「感光」によって作り出されるものであればよく、例えば、変色、変形、溶解等による変質等によって作り出されるものがある。特に、屈折率の変更等の光学的に検出できるように作り出されるものが好ましい。
このようにすることで、穿孔装置等の機械的な装置を用いることなく、第1のレチクル基準マーク投影体と第2のレチクル基準マーク投影体とを露光光によって、形成できるので、投影露光装置の構成や露光処理を簡素にすることができる。また、機械的な装置を用いないため、切り屑等の塵埃が発生しないので、微細な導体パターン等の投影体を的確に形成することができる。
また、露光光によって、第1のレチクル基準マーク投影体と第2のレチクル基準マーク投影体とを被露光体に形成し、後述するように、第1のレチクル基準マーク投影体と第2のレチクル基準マーク投影体とに基づいて、被露光体の位置を調節するので、基準マークを被露光体に予め形成しておく必要がなくなり、被露光体の準備を容易にすることができる。
さらに、本発明に係る投影露光装置は、基準位置検出手段と位置決め手段とを含む。基準位置検出手段は、被露光体に形成された第1のパターン基準マーク投影体の位置と、被露光体に形成された第2のパターン基準マーク投影体の位置とを検出する。上述したように、第1のパターン基準マーク投影体と第2のパターン基準マーク投影体とが、被露光体の光学的性質を利用することによって形成される場合には、基準位置検出手段は、光学的に検出できるもの、例えば、顕微鏡が好ましい。基準位置検出手段が顕微鏡である場合には、第1のパターン基準マーク投影体と第2のパターン基準マーク投影体とを、検出するための複数のレンズや、複数のCCDカメラを有する。なお、第1のパターン基準マーク投影体と第2のパターン基準マーク投影体とを同時に検出する必要はなく、時間的に異なるときに検出することができる。
また、「第1のパターン基準マーク投影体の位置」や「第2のパターン基準マーク投影体の位置」は、後述する「所定の位置関係」を満たしているか否かを特定することができる相対的な位置の情報が含まれていればよい。また、ここで、用いる座標系は、これらのパターン基準マークの位置を特定することができるものであればよい。例えば、X−Y座標系による座標によって特定しても、曲座標系(r−θ)による座標によって特定してもよい。
位置決め手段は、被露光体を所定の距離ごとに移動させる。すなわち、位置決め手段は、被露光体を移動させることによって、複数の箇所に被露光体を位置づける。言い換えれば、広範囲の移動や粗動動作をする。さらに、この位置決め手段は、第1のパターン基準マーク投影体の位置に対して、第2のパターン基準マーク投影体の位置が、所定の位置関係になるように、被露光体を位置づける。言い換えれば、狭い範囲の移動や微動動作もする。ここで、「所定の位置関係」は、例えば、第1のパターン基準マーク投影体の位置と第2のパターン基準マーク投影体の位置とが一致した場合などが含まれるが、第1のパターン基準マーク投影体の位置と第2のパターン基準マーク投影体の位置とが一致した場合のみならず、第1のパターン基準マーク投影体の位置と第2のパターン基準マーク投影体の位置との相対的な位置関係を一義的に特定できる位置関係であればよい。
上述したように、第1のレチクル基準マーク投影体と第2のレチクル基準マーク投影体とを形成できるので、穿孔装置等の機械的な装置を不要とし、投影露光装置の構成や露光処理を簡素にすることができるとともに、投影露光装置を小型化することもできる。また、機械的な装置を用いないため、切り屑等の塵埃が発生しないので、塵埃が被露光体に付着することがなくなり、微細な導体パターン等の投影体を的確に形成することができる。
また、レチクル基準マークの投影体である第1のレチクル基準マーク投影体や第2のレチクル基準マーク投影体を、被露光体の基準マークとすることができるので、レチクルの基準マークと被露光体が搭載されるステージの基準マークとを一致させて、レチクルの基準マークがステージ上に投影される位置を予め記憶させておく処理を不要にすることができ、露光処理の工程を簡素にすることができる。例えば、従来の装置では、パターン投影体である導体パターンを被露光体の所望の位置に形成するために、レチクルの基準マークとステージの基準マークとを一致させるための前処理が必要であったが、このような前処理を省いて直ちに露光処理を行うことができる。
さらに、被露光体に形成された第1のレチクル基準マーク投影体の位置と第2のレチクル基準マーク投影体の位置とのみを検出すればよいので、レチクル顕微鏡を不要にすることができ、投影露光装置の構成をさらに簡素にすることができる。
また、本発明に係る投影露光装置は、
前記基準位置検出手段によって検出された前記第1のパターン基準マーク投影体の位置が記憶される基準位置記憶手段と、
前記基準位置記憶手段に記憶された前記第1のパターン基準マーク投影体の位置と、前記基準位置検出手段によって検出された前記第2のパターン基準マーク投影体の位置と、に基づいて、前記第1のパターン基準マーク投影体の位置に対して、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置が、前記所定の位置関係になるように、前記位置決め手段を制御する位置制御手段と、を含むものが好ましい。
上述したように、本発明に係る投影露光装置は、基準位置記憶手段と位置制御手段とを含むものが好ましい。基準位置記憶手段には、基準位置検出手段によって検出された第1のパターン基準マーク投影体の位置が記憶される。位置制御手段は、基準位置記憶手段に記憶された第1のパターン基準マーク投影体の位置と、基準位置検出手段によって検出された第2のパターン基準マーク投影体の位置と、に基づいて、第1のパターン基準マーク投影体の位置に対して、第2のパターン基準マーク投影体の位置が、所定の位置関係になるように、位置決め手段を制御する。
このようにすることで、被露光体を所望する位置に位置づけることができ、導体パターン等の投影体を的確に形成することができる。
さらに、本発明に係る投影露光装置は、
前記露光光によって前記被投影体の像を前記被露光体に投影する投影レンズと、
前記投影レンズによって生ずる前記被投影体の像のディストーションに基づいて、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置を演算し、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置を補正する位置補正手段と、を含むものがより好ましい。
上述したように、本発明に係る投影露光装置は、投影レンズと、位置補正手段と、を含むものが好ましい。投影レンズは、露光光によって被投影体の像を被露光体に投影させる。この投影レンズによって、被投影体の像の倍率が定められる。投影レンズは、被投影体の像にディストーション(歪曲収差)を生じさせる場合がある。被投影体の像にディストーションが生じたときには、第1のパターン基準マーク投影体や、第2のパターン基準マーク投影体が、ディストーションが生じなかったときに形成される位置から変位した位置に形成される。被投影体の像にディストーションが生じたときには、被露光体を所望する位置に位置づけて形成できない場合もあり、第1のパターン基準マーク投影体の位置や、第2のパターン基準マーク投影体の位置を補正する必要がある。このため、位置補正手段は、投影レンズによって生ずる被投影体の像のディストーションに基づいて、第2のパターン基準マーク投影体の位置を演算し、第2のパターン基準マーク投影体の位置を補正する。このようにすることで、被投影体の像にディストーションが生じた場合であっても、被露光体を所望する位置に位置づけて形成することができる。
さらにまた、本発明に係る投影露光装置は、
前記第1のレチクル基準マークと前記第2のレチクル基準マークとのうちの少なくとも一方が、前記被転写パターンに含まれるものが好ましい。
本発明に係る投影露光装置は、被転写パターンに、第1のレチクル基準マークと第2のレチクル基準マークとのうちの少なくとも一方が含まれる。すなわち、第1のレチクル基準マークと第2のレチクル基準マークとのうちの少なくとも一方が、被転写パターンと一体になってレチクルに形成されている。言い換えれば、被転写パターンの一部を第1のレチクル基準マークや第2のレチクル基準マークとして利用するものである。このようにすることで、第1のレチクル基準マークや第2のレチクル基準マークを別個に形成する必要がなくなるため、レチクルの設計や製造を容易にすることができるとともに、レチクルにおける被転写パターンを形成できる領域を広げることができるので、レチクルを有効に活用することができる。また、第1のレチクル基準マークや第2のレチクル基準マークを形成する領域を確保する必要がないので、レチクルを小さくすることもできる。
この場合には、被転写パターンの特徴的な箇所、例えば、端部や角、その他の明確に区別できる箇所を、第1のレチクル基準マークや第2のレチクル基準マークとするのが好ましい。このようにすることで、被転写パターンの像が投影されて形成されたパターン投影体を、基準位置検出手段によって、第1のレチクル基準マークや第2のレチクル基準マークとして検出する際に、位置の検出を容易にすることができる。
また、本発明に係る投影露光装置は、
前記感光材は、前記露光光の露光波長が含まれる波長の光に応答して、変色が生じ、かつ、
前記露光光によって、前記第1のレチクル基準マークの像と前記第2のレチクル基準マークの像とが、前記被露光体に投影されたときに、投影された前記第1のレチクル基準マークの像の形状と前記第2のレチクル基準マークの像の形状とに応じて、前記被露光体が変色するものが望ましい。
上述したように、本発明に係る投影露光装置の感光材は、露光光の露光波長が含まれる波長の光に応答して、変色が生じるものが好ましい。このような感光材を用いることで、投影された第1のレチクル基準マークの像の形状と第2のレチクル基準マークの像の形状とに応じて、被露光体を変色させることができる。
また、このような場合には、基準位置検出手段が、変色した箇所を光学的に検出する光学検出手段であるものがより望ましい。このようにすることで、第1のパターン基準マーク投影体の位置や、第2のパターン基準マーク投影体の位置を容易にかつ簡便に検出することができる。
穿孔装置等の機械的な装置を用いることなく、第1のレチクル基準マーク投影体と第2のレチクル基準マーク投影体とを露光光によって、形成でき、塵埃を生じにくくして投影体である導体パターンを的確に形成することができるとともに、構成や処理を簡素にして間歇的に導体パターンを形成できる。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
<<<第1の実施の形態>>>
第1の実施の形態では、投影露光装置100として、プリント配線板を製造するためのものを示すが、露光光の照射によってパターンを形成できる、例えば、半導体デバイスのウエハ等を製造するための投影露光装置であってもよい。
<<構成>>
<光学系>
[光源110]
投影露光装置100の上部には、光源110が、支持部材(図示せず)によって支持されて設けられている。光源110は、図面に示す+Y方向に向かって所定の波長の露光光、例えば、紫外線を発するように支持部材に設置されている。光源110から発せられる露光光は、後述する感光基板140のレジスト層146を構成する感光性の物質を感光し得る波長を含むものであればよい。
[反射ミラー112]
光源110から発せられた露光光の進行方向には、反射ミラー112が設けられている。反射ミラー112は、光源110から発せられた露光光を、下方(−Z方向)に進むように支持部材(図示せず)に支持されて設けられている。このようにすることで、反射ミラー112は、光源110から発せられて、+Y方向に進行する露光光が−Z方向に進行するように、露光光の進行方向を変換する。
[投影レンズ114]
上述した反射ミラー112の下方には、投影レンズ114が設けられている。投影レンズ114の外形は、図1に示すように、略円柱状の形状を有している。この投影レンズ114は、入射面114aと射出面(図示せず)とを有し、入射面114aが上側に位置し、射出面が下側に位置するように、支持部材(図示せず)に支持されて設けられている。
投影レンズ114の入射面114aには、上述した光源110から発せられた露光光が入射する。投影レンズ114は、少なくとも1つ以上の各種のレンズから構成され、投影レンズ114の内部で、これらのレンズによって、入射した露光光の光束の断面の大きさが所望する大きさになるように変換され、変換された露光光が射出面から射出される。このようにすることで、後述するレチクル160に形成されたパターン166の像の大きさを投影レンズ114によって変え、そのパターン166の像を後述する感光基板140に投影し、感光基板140上に所望する大きさの導体パターンを形成することができる。
なお、後述するように、パターン166が「被転写パターン」に対応し、導体パターンが「パターン投影体」に対応する。
<ステージ>
[レチクル搭載ステージ116]
上述した反射ミラー112と投影レンズ114との間には、レチクル搭載ステージ116が設けられている。レチクル搭載ステージ116は、X方向、Y方向及びθ方向に移動できるレチクル載置テーブル118からなり、支持部材(図示せず)によって支持されて設けられている。このレチクル載置テーブル118は、水平面(X−Y面)を有し、この水平面に後述するレチクル160が載置される。レチクル載置テーブル118には、レチクル160が位置する箇所に貫通孔(図示せず)が形成されている。上述した光源110から発せられた露光光を、この貫通孔を介して、投影レンズ114の入射面114aに入射させることができる。
レチクル搭載ステージ116には、X方向、Y方向及びθ方向(X−Y面内における回転方向)の各々の方向に駆動するためのモータ(図示せず)が設けられている。これらのモータは、制御装置(図示せず)に電気的に接続されている。制御装置は、レチクル載置テーブル118を所望する位置に移動させるための駆動信号をモータに発する。このようにすることで、レチクル載置テーブル118に載置されたレチクル160を、X−Y面内の所望する位置に位置づけることができる。
[レチクル160]
レチクル160は、プリント配線板や、プリント配線フィルムや、半導体デバイスのウエハを製造するときに、後述する感光基板140に導体パターンを形成するために用いられるフォトマスクである。このレチクル160は、光源110から発せられた露光光によって、レチクル160に形成されたパターンを感光基板140に転写して、感光基板140に導体パターンを形成するためのネガに相当する。
なお、後述するように、感光基板140は、銅張積層基板等の基板から構成され、導体パターンが形成される前の基板であり、その表面がレジスト等の感光性の物質によって覆われている基板をいう。また、導体パターンは、プリント配線板で導電性材料によって形成される図形をいう。本明細書では、プリント配線板は、銅張積層基板等の基板に導体パターンが形成されたものをいう。
図2は、レチクル160の1つの例を示す平面図である。レチクル160には、光源110から発せられた露光光が透過できる箇所と、露光光が透過できない箇所とがある。図2では、露光光が透過できる箇所と露光光が透過できない箇所とを明確に示すために、露光光が透過できない箇所には、斜線を付して示した。
レチクル160は、平板状のガラス基板162からなる。ガラス基板162は、光源110から発せられた露光光が透過できる透明な材料からなる。
図2に示すように、ガラス基板162の略中央部には、パターン形成部164が形成されている。図2では、パターン形成部164の外周部を長方形の破線で示した。このパターン形成部164には、後述する感光基板140に形成する導体パターンに対応したパターン166がガラス基板162上に形成されている。パターン166では、光源110から発せられた露光光が通過できるように、ガラス基板162の透明な状態が維持されている。パターン形成部164でパターン166が形成されていない領域では、光源110から発せられた露光光を遮る材料で覆われている。この露光光を遮る材料は、クロム等の金属からなるのが好ましい。レチクル160に形成されているパターン166が「被転写パターン」に対応する。
パターン形成部164を周回する周辺領域の4箇所には、パターン166の基準位置を示すための4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dが形成されている。これらの4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dでは、ガラス基板162の透明な状態が維持されており、光源110から発せられた露光光が透過できる。レチクル基準マーク168aが、「第1のレチクル基準マーク」に対応し、レチクル基準マーク168cが、「第2のレチクル基準マーク」に対応する。また、レチクル基準マーク168bを「第1のレチクル基準マーク」としたときには、レチクル基準マーク168dが、「第2のレチクル基準マーク」に対応する。
パターン形成部164を周回する周辺領域であって、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dが形成された箇所以外の領域は、露光光を遮る材料によって覆われている。
本実施の形態では、図2に示すように、これらのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの各々は、プラス字状(+)の形状を有する。なお、図1及び図5(a)〜(d)では、レチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dを簡略化して示すために丸形で示した。レチクル基準マーク168aと168cとの間隔P1、又はレチクル基準マーク168bと168dとの間隔P1が、後述する感光基板140を移動させる距離である送りピッチP1’に対応するように、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dは形成されている。
なお、上述したように、本実施の形態では、レチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの各々は、プラス字状(+)の形状を有するので、ピッチP1は、レチクル基準マーク168aの縦線と横線の交点と、レチクル基準マーク168cの縦線と横線の交点との間隔、又はレチクル基準マーク168bの縦線と横線の交点と、レチクル基準マーク168dの縦線と横線の交点との間隔である。
間隔P1と送りピッチP1’との関係は、投影レンズ114の倍率に応じて定めることができる。例えば、レチクル160に形成されたパターン166を等倍率で、感光基板140に投影して、感光基板140に導体パターンを形成する場合には、P1=P1’となるようにすればよい。後述するように、送りピッチP1’が、「所定の距離」に対応する。レチクル基準マーク168aと168cとの間隔P1、又はレチクル基準マーク168bと168dとの間隔P1が、「所定の距離に基づいた間隔」に対応する。「所定の距離に基づいた」とは、本実施の形態では、間隔P1が送りピッチP1’に基づいて定められればよいことを意味する。例えば、間隔P1は、投影レンズ114の倍率と送りピッチP1’とから定めることができる。
レチクル160は、上述したレチクル搭載ステージ116の水平面に載置される。光源110から発せられた露光光は、レチクル載置テーブル118の水平面に載置されたレチクル160に照射される。上述したように、レチクル160に形成されたパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとは、ガラス基板162の透明な状態が維持されている。このため、レチクル160に照射された露光光は、パターン166が形成された箇所や、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dが形成された箇所を透過することができ、これらの箇所を透過した露光光は、投影レンズ114の入射面114aに入射することができる。
上述したパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dと、が「被投影体」に対応する。特に、上述したように、パターン166が「被転写パターン」に対応し、レチクル基準マーク168aが、「第1のレチクル基準マーク」に対応し、レチクル基準マーク168cが、「第2のレチクル基準マーク」に対応する。また、レチクル基準マーク168bを「第1のレチクル基準マーク」としたときには、レチクル基準マーク168dが、「第2のレチクル基準マーク」に対応する。
[ワーク載置ステージ130]
図1に示すように、投影レンズ114の下方には、ワーク載置ステージ130が設けられている。ワーク載置ステージ130は、X方向移動用ステージ132と、Y方向移動用ステージ134と、θ方向移動用ステージ136とからなる。θ方向移動用ステージ136の上部には、テーブル138が設けられている。このテーブル138は、水平面(X−Y面)を有し、後述するように、この水平面に感光基板140(図1及び図5(a)〜(d)参照)が載置される。
上述したX方向移動用ステージ132には、X方向に移動させるための駆動用モータ(図3参照)が設けられている。Y方向移動用ステージ134には、Y方向に移動させるための駆動用モータ(図3参照)が設けられている。θ方向移動用ステージ136には、θ方向に移動させるための駆動用モータ(図3参照)が設けられている。これらの駆動用モータの各々は、位置制御手段198(図3参照)に電気的に接続されている。位置制御手段198は、テーブル138を所望する位置に位置づけるための駆動信号を、これらの駆動用モータに発する。駆動信号により、X方向、Y方向及びθ方向の駆動用モータは、感光基板140が載置されたテーブル138をX−Y平面内の所望する位置に移動させる。
上述したX方向移動用ステージ132を−X方向に送りピッチP1’分移動させることにより、テーブル138を−X方向に送りピッチP1’分移動させることができ、テーブル138に載置された感光基板140を−X方向に送りピッチP1’分移動させて位置づけることができる。この送りピッチP1’が、「所定の距離」に対応する。この感光基板140を移動させる処理は、後述する第3のステップの処理で行われる。
また、後述するように、X方向移動用ステージ132や、Y方向移動用ステージ134や、θ方向移動用ステージ136を移動させることにより、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が一致するように、かつ、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が一致するように、X方向移動用ステージ132を移動させて、感光基板140の位置を調節することができる(後述する図5及び図6参照)。この感光基板140の位置の調節の処理は、後述する第3のステップの処理で行われる。
X方向移動用ステージ132と、Y方向移動用ステージ134と、θ方向移動用ステージ136とを含むワーク載置ステージ130が、「位置決め手段」に対応する。
[顕微鏡ステージ]
ワーク載置ステージ130の側方には、顕微鏡ステージ(図示せず)が設けられている。顕微鏡ステージは、後述する顕微鏡150を移動可能に支持する。顕微鏡ステージには、顕微鏡150を±X方向に移動させるためのモータ(図示せず)が設けられている。このモータは、制御装置(図示せず)に電気的に接続されている。制御装置は、顕微鏡150を所望する位置に移動させるための駆動信号をモータに発する。具体的には、後述する退避位置と測定位置とに顕微鏡150を位置づけるように、顕微鏡ステージのモータを駆動する。
顕微鏡150の退避位置は、顕微鏡150が、感光基板140の露光や、種々の作業等の障害とならないようにするために、顕微鏡150を退避させる位置である。例えば、光源110から露光光を発して、導体パターンを感光基板140に形成したりするときに、顕微鏡150を位置づける位置である。この顕微鏡150の退避位置は、顕微鏡150のホームポジションにするのが好ましい。
顕微鏡150の測定位置は、後述する第2のステップで、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)や、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)等を、顕微鏡150によって撮像したりするときに、顕微鏡150を位置づける位置である(図5(b)及び(c)参照)。この測定位置は、一定の位置であることを保障できればよく、位置検出装置を用いて顕微鏡150の位置を検出する必要はない。すなわち、顕微鏡150を退避位置から測定位置に位置づけたときに、常に一定の位置に顕微鏡150を位置づけることができればよい。
<測定系及び制御系>
[顕微鏡150]
上述したように、顕微鏡ステージには、顕微鏡150が設けられている。この顕微鏡150は、2つの撮像部152a及び152bを含む。これらの撮像部152a及び152bは、例えば、CCDカメラ等の撮像素子からなる。なお、図1では、顕微鏡150として、この2つの撮像部152a及び152bのみを示した。
この第1の実施の形態では、2つの撮像部152a及び152bによって第1の撮像素子集合体154が構成される。第1の撮像素子集合体154は、顕微鏡150の支持部材(図示せず)によって±X方向に移動できるように支持されている。このようにしたことにより、第1の撮像素子集合体154の2つの撮像部152a及び152bは、一体となって±X方向に移動できる。上述した顕微鏡150の退避位置は、第1の撮像素子集合体154の退避位置であり、2つの撮像部152aと152bとの退避位置である。言い換えれば、2つの撮像部152a及び152bは、一体となって、退避位置に移動することができる。また、顕微鏡150の測定位置は、第1の撮像素子集合体154の測定位置であり、2つの撮像部152aと152bとの測定位置である。すなわち、2つの撮像部152a及び152bは、一体となって、測定位置に移動することができる。
これらの退避位置と測定位置について、より詳細に説明する。
2つの撮像部152aと152bとからなる第1の撮像素子集合体154の退避位置は、光源110から露光光を発して、導体パターンを感光基板140に形成するときに、2つの撮像部152a及び152bが障害とならないように、+X方向に移動した位置である(図5(a)及び図5(d)参照)。上述したように、この退避位置は、顕微鏡150のホームポジションであり、2つの撮像部152a及び152bのホームポジションとするのが好ましい。
また、第1の撮像素子集合体154の測定位置は、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)や、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)等を、2つの撮像部152aと152bとで撮像できるように、−X方向に移動した位置である(図5(b)及び図5(c)参照)。この第1の撮像素子集合体154の測定位置は、一定の位置であればよく、撮像部152aと152bとの位置を、位置検出装置を用いて検出する必要はない。第1の撮像素子集合体154を退避位置から測定位置に移動させたときに、第1の撮像素子集合体154を構成する2つの撮像部152aと152bとを、常に一定の測定位置に位置付けることができればよい。言い換えれば、2つの撮像部152aと152bとを測定位置に位置付けたときには、感光基板140の一定の範囲を常に撮像できるようにすればよい。
例えば、第1の撮像素子集合体154を移動させるためのモータがステッピングモータで構成されているような場合には、所定のパルス信号をステッピングモータ(モータ駆動用ドライバ(図示せず))に供給することで、第1の撮像素子集合体154を移動させることができる。このステッピングモータを用いた場合には、ステッピングモータに供給するパルス信号の数で、第1の撮像素子集合体154の移動距離が定められる。したがって、ホームポジション(退避位置)から測定位置までの距離に応じたパルス信号の数を、モータを制御するための制御手段に予め記憶させておき、ホームポジションから測定位置へ位置づけるときには、その記憶させたパルス信号の数だけ、パルス信号を制御手段からモータへ供給することにより、ホームポジションから一定の測定位置へ常に位置づけることができる。このように構成することで、撮像部152aや152bの位置を測定する測定装置を用いることなく、撮像部152aと152bとを一定の測定位置に位置づけることができ、感光基板140の一定の範囲を撮像することができる。
後述するように、第1の撮像素子集合体154が測定位置に位置づけられたときには、撮像部152aによって、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)若しくは149a(2)等、又はレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)若しくは149c(2)等を撮像する。同様に、第1の撮像素子集合体154が測定位置に位置づけられたときには、撮像部152bによって、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)若しくは149b(2)等、又はレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)若しくは149d(2)等を撮像する。このとき、撮像部152aや撮像部152bによって撮像された投影体の位置を、撮像領域内で十分に特定できる程度に、撮像部152aと152bとの撮像領域が十分に大きく、かつ、解像度を高くして撮像できればよい。
このようにすることで、撮像部152a及び152bが撮像した撮像領域内におけるレチクル基準マークの投影体の位置を、特定することができる。この撮像領域におけるレチクル基準マークの投影体の位置は、画素(ピクセル)等を単位とした座標系の位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置の情報である必要はない。
[撮像データ処理部190]
図3に示すように、2つの撮像部152a及び152bの各々は、撮影処理や演算処理を行う撮像データ処理部190に電気的に接続されている。撮像データ処理部190は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)及びRAM(ランダムアクセスメモリ)等からなる。撮像データ処理部190は、撮像処理部192と演算処理部194とを含む。
2つの撮像部152a及び152bは、撮影した画像を電気信号に変換し、撮像処理部192にその電気信号を供給する。撮像処理部192は、供給された電気信号に基づいて、2つの撮像部152a及び152bによって撮影された像をデータ化する。演算処理部194は、撮像処理部192によってデータ化された撮影データを用いて、画像処理を行い、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等の位置や、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)等の位置を算出して、その値を基準位置記憶手段196に記憶させる。この演算処理部194で得られる位置は、上述したように、2つの撮像部152a及び152bの各々で撮像された撮像領域で特定できる位置であればよい。例えば、画像データの画素(ピクセル)を単位としてX−Y座標系を用いた位置でよい。上述したように、2つの撮像部152a及び152bの測定位置は常に一定であるので、撮像領域における位置を特定することができれば、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置に変換することなく、感光基板140に形成されたレチクル基準マークの投影体の位置を特定することができる。
また、演算処理部194は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等の位置や、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置等を算出する。この位置の算出は、上述したように、画像データの画素(ピクセル)を単位としたX−Y座標系を用いた位置でよい。さらに、画素等を単位とした具体的な数値によって、レチクル基準マークの投影体の位置を特定しなくてもよい。例えば、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等が撮像された画像データや、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)等が撮像された画像データを位置情報としてもよい。この場合には、レチクル基準マークの投影体が撮像された画像データを、ディスプレイ装置等の表示手段に表示し、その表示されたレチクル基準マークの投影体の画像を視認することによって、レチクル基準マークの投影体の位置を特定することができる。
[基準位置記憶手段196]
演算処理部194は、基準位置記憶手段196を含む。基準位置記憶手段196は、演算処理部194によって算出されたレチクル基準マークの投影体の位置を記憶する。なお、上述したレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等が撮像された画像データや、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)等が撮像された画像データを位置情報とした場合には、基準位置記憶手段196は、これらの画像データを記憶する。
[位置制御手段198]
図3に示すように、撮像データ処理部190は、位置制御手段198に電気的に接続されている。位置制御手段198は、後述する第3のステップの処理で述べるように、撮像部152aで撮像したレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が、基準位置記憶手段196に記憶されているレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と一致し、かつ、撮像部152bで撮像したレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が、基準位置記憶手段196に記憶されているレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置と一致するように、ワーク載置ステージ130を制御する。
[位置決め手段199]
さらに、図3に示すように、位置制御手段198は、位置決め手段199に電気的に接続されている。位置決め手段199は、ワーク載置ステージ130を含み、上述したように、ワーク載置ステージ130は、X方向移動用ステージ132とY方向移動用ステージ134とθ方向移動用ステージ136とを含む。位置制御手段198から発せられた制御信号に応じて、撮像部152aで撮像したレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が、基準位置記憶手段196に記憶されているレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と一致し、かつ、撮像部152bで撮像したレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が、基準位置記憶手段196に記憶されているレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置と一致するように、X方向移動用ステージ132や、Y方向移動用ステージ134や、θ方向移動用ステージ136を移動させ、感光基板140の位置の調節が行われる。
<感光基板140>
感光基板140は、図1に示すように、ワーク載置ステージ130のテーブル138に載置することができる。本実施の形態では、感光基板140は、円板状の形状を有する。なお、感光基板140は、ワーク載置ステージ130のテーブル138に載置して露光光を照射できるものであればよく、円板状の形状を有するものには限られない。感光基板140は、平板状の形状であるものが好ましい。
感光基板140は、例えば、表面に銅が張られた銅張積層基板等の基板からなり、導体パターンが形成される前の基板であり、その表面がレジスト等の感光性の物質によって覆われている基板をいう。感光基板140の具体的な構成を図4(a)及び(b)に示す。
図4(a)及び(b)は、感光基板140の構成を示す断面図である。図4(a)及び(b)に示すように、感光基板140は、絶縁基板142と、導体層144と、感光性の物質からなるレジスト層146と、からなる。なお、図4(a)は、片面(上面)のみに導体層144とレジスト層146とが形成され、図4(b)は、両面(上面と下面)に導体層144とレジスト層146とが形成されているものを示した。
絶縁基板142は、絶縁性の板材からなり、ガラス布、紙などの補強材に、絶縁性のあるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等の樹脂を含浸させて形成されたものである。また、導体層144は、プリント配線板の導体パターンを形成するための導電性材料の薄いシート状の板であり、銅等の導電性材料からなる。導体層144の材料が銅であるときに、絶縁基板142と導体層144とによって、上述した銅張積層基板が構成される。本明細書では、1つの例として、この銅張積層基板を用いた場合について説明する。
レジスト層146は、プリント配線板を製造するときのエッチング処理で残す部分のマスクや、半田の不要な部分などを覆うためのものであり、露光光によって硬化する感光性の物質からなる。この感光性の物質は、露光光が照射されると、硬化するとともに変色する。すなわち、本発明の投影露光装置100によって露光処理が行われると、感光基板140の露光光が照射された箇所の感光性の物質は、硬化するとともに変色し、露光光が照射されていない箇所の感光性の物質は、硬化も変色もしない。また、本実施の形態では、感光性の物質として、露光光が照射されると、硬化のみならず変色する場合を示したが、感光性の物質は、変色するものだけでなく、露光光が照射されることにより、変質するものであればよい。例えば、変形したり溶解したりする等の変質が生ずるものであればよく、特に、屈折率の変化が生ずる等の、光学的に検出できるように変質するものが好ましい。
また、レジスト層146は、ドライフィルムによって構成されるものが好ましい。ドライフィルムは、上述した感光性の物質がポリエチレンやポリエステル等の樹脂によって挟まれて形成されたものである。このドライフィルムを用いた場合でも、感光性の物質は、露光光が照射されることによって、硬化するとともに変色するものが好ましい。レジスト層146としてドライフィルムを用いた場合には、絶縁基板142と導体層144とからなる銅張積層基板に、熱圧着等の処理によってドライフィルムを貼り付ける(ラミネーション)ことで、感光基板140を形成することができる。
なお、投影露光装置100による露光処理の後に、感光基板140からプリント配線板にする工程について簡単に説明する。
まず、投影露光装置100による露光処理が行われた感光基板140をアルカリ溶液で現像する。露光光が照射されていない箇所の感光性の物質は硬化していないので、レジスト層146を感光基板140の表面からアルカリ溶液によって除去することができる。感光基板140の表面からレジスト層146が除去された箇所では、銅張積層基板の銅が露出することになる。一方、露光光が照射された箇所の感光性の物質は、硬化しているので、レジスト層146は除去されず感光基板140の表面に残る。以下では、感光基板140の表面に残って硬化した感光性の物質を単にレジストと称する。
次に、塩化第二銅溶液等の溶液で、レジストに覆われていない導体層144の銅を溶解して、導体層144を絶縁基板142から除去する。一方、レジストに覆われている箇所は、レジストが保護材として機能するため、塩化第二銅溶液等の溶液では導体層144は絶縁基板142から除去されない。
さらに、強アルカリ溶液で、導体層144を覆っているレジストを除去する。レジストを除去することで、レジストの下の位置した導体層144の銅が露出し、露出した銅が導体パターンとなる。上述したように、導体パターンは、銅等の導電性材料によって絶縁基板142に形成される図形である。
上述した感光基板140が、「被露光体」に対応し、感光性の物質が、「感光材」に対応する。また、導体パターンが「投影体」に対応し、特に、「パターン投影体」に対応する。
なお、第1の実施の形態で用いる感光基板140は、図4(a)及び(b)に示したように、絶縁基板142と、導体層144と、感光性の物質からなるレジスト層146と、からなるものを示したが、図4(c)に示すように、光応答性の物質からなる光応答層147を有するものを用いてもよい。この場合には、レジスト層146に、露光光によって硬化が生ずる感光性の物質を用い、光応答層147に、露光光によって変色が生ずる光応答性の物質を用いることができる。光応答性の物質は、フォトクロミズムを示す物質を含むものが好ましい。フォトクロミズムは、特定の有機分子が光反応により可逆的に分子構造を変化させ、それに伴って吸収スペクトルや屈折率などの光学的物性や、電子物性、機械的変化などのさまざまな物性が変化する現象をいう。例えば、物質に光を照射するとその色が変化し、光の照射をやめたり、別の光を照射したりすると、元の色に戻る可逆的な現象をいう。
<<処理手順>>
以下に述べる第1のステップ〜第4のステップの処理を行う前処理として、レチクル搭載ステージ116のレチクル載置テーブル118の所定の位置に、レチクル160が載置され、ワーク載置ステージ130のテーブル138の所定の位置に、感光基板140が載置されているものとする。
<第1のステップ>
この第1のステップの処理は、最初に、パターン166の投影体と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの投影体と、を感光基板140に形成するための処理である。
まず、図5(a)に示すように、顕微鏡150を退避位置に位置づける。すなわち、2つの撮像部152aと152bとを、退避位置に位置づける。
次に、光源110から露光光を発し、レチクル160に形成されているパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとを、投影レンズ114を介して感光基板140に投影する。上述したように、レチクル160では、パターン166や、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの箇所では、露光光が透過できるように、レチクル160のガラス基板162の透明な状態が維持されている。このため、パターン166や、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dに対応する感光基板140の箇所では、露光光が照射され、感光基板140のレジスト層146の感光性の物質が硬化されるとともに変色する。この感光性の物質の作用によって、図6(a)に示すように、パターン166の投影体148(1)と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)と、が感光基板140のレジスト層146に形成される。なお、図6(a)〜(d)は、感光基板140の一部を拡大して示した図である。
<第2のステップ>
この第2のステップの処理は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置とレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置とを顕微鏡150によって検出する。
まず、図5(b)に示すように、顕微鏡150を退避位置から測定位置へ移動させる。すなわち、2つの撮像部152aと152bとを、測定位置に位置づける。上述したように、測定位置は、一定の位置であるので、撮像部152aと152bとは一定の位置に位置づけられる。
次に、撮像部152aによって、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)を撮像し、撮像部152bによって、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)を撮像する。2つの投影体149a(1)と149b(1)とを撮影した画像は電気信号に変換されて、撮像処理部192に供給される。撮像処理部192は、供給された電気信号に基づいて、2つの撮像部152a及び152bによって撮影された像をデータ化する。演算処理部194は、撮像処理部192によってデータ化された撮影データを用いて、画像処理を行い、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置とを算出して、その値を基準位置記憶手段196に記憶させる。上述したように、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置とは、画素(ピクセル)等を単位とした座標系の位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置の情報である必要はない。
<第3のステップ>
この第3のステップの処理は、パターン166の2番目の投影体を感光基板140を形成するために、感光基板140を移動させて位置決めする処理を行う。
まず、図5(c)に示すように、ワーク載置ステージ130の位置制御手段198(図3参照)に予め記憶させておいた送りピッチP1’だけ、X方向移動用ステージ132を−X方向に移動させる。X方向移動用ステージ132を送りピッチP1’分移動させることにより、感光基板140を送りピッチP1’分移動させることができる。これにより、撮像部152aの下方に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)が移動し、撮像部152bの下方に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)が移動する。すなわち、撮像部152aでレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)を撮像することができ、撮像部152bでレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)が撮像できる位置に、感光基板140が移動することになる。撮像部152aでレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)を撮像し、撮像部152bでレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)を撮像した後、第2のステップと同様に、撮像処理部192と演算処理部194との処理によって、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置とを算出する。
次に、上述した位置制御手段198(図3参照)は、算出したレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と一致し、算出したレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置と一致するか否かを判断する。
一致しない場合には、位置制御手段198は、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置とのずれの量と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置とのずれの量と、を算出する。次いで、このずれの量に応じたパルス信号の数を算出し、その数のパルス信号を、位置決め手段199に発する。位置決め手段199に発せられたパルス信号は、X方向移動用ステージ132、Y方向移動用ステージ134及びθ方向移動用ステージ136の駆動用モータに供給され、供給されたパルス信号に応じて、X方向移動用ステージ132、Y方向移動用ステージ134及びθ方向移動用ステージ136が移動する。
位置制御手段198と位置決め手段199とによって、このような制御及び位置決めをすることで、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が一致するように、かつ、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が一致するように、感光基板140の位置を調節することができる。
なお、この第3のステップの処理では、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が一致し、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が一致するように、感光基板140の位置を調節する場合を示したが、一致させる場合のみならず、これらの投影体の相対的な位置関係が、一義的に特定できる一定の位置関係となるように、感光基板140の位置を調節してもよい。
<第4のステップ>
この第4のステップの処理は、パターン166の2番目の投影体148(2)を感光基板140に形成する処理を行う。
まず、図5(d)に示すように、2つの撮像部152aと152bとを、退避位置に位置づける。
次に、光源110から露光光を発し、レチクル160に形成されているパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとを、投影レンズ114を介して感光基板140に投影する。この露光光の投影によって、感光基板140の感光性の物質が作用し、図6(b)に示すように、パターン166の投影体148(2)と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(2)と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(2)と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(2)と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(2)と、が感光基板140のレジスト層146に形成される。なお、第3のステップで、位置を調節しているので、図6(b)に示すように、レチクル基準マーク168aの投影体149a(2)は、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)と重畳し、レチクル基準マーク168bの投影体149b(2)は、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)と重畳する。
上述した第2のステップ〜第4のステップを繰り返し行うことで、パターン166の投影体を感光基板140にX方向に沿って間歇的に複数個形成することができる。
<<第1の実施の形態の概略>>
この第1の実施の形態の投影露光装置100によれば、光源110から発せられた露光光によって、レチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの投影体を感光基板140に形成できるので、感光基板140に基準マークを形成するための穿孔装置等の機械的な装置を不要にすることができる。このように、穿孔装置等の機械的な装置を不要にできるので、投影露光装置100の構成や露光処理を簡素にすることができるとともに、投影露光装置100を小型化することもできる。さらに、このような機械的な装置を用いないため、切り屑等の塵埃が発生しないので、塵埃が被露光体である感光基板140に付着することを防止することができ、微細な導体パターン等の投影体を感光基板140に的確に形成することができる。
また、レチクル基準マーク168aの投影体149a、レチクル基準マーク168bの投影体149b、レチクル基準マーク168cの投影体149c、レチクル基準マーク168dの投影体149d等を、被露光体である感光基板140の基準マークとすることができるので、レチクルの基準マークと感光基板140が搭載されるステージの基準マークとを一致させて、レチクルの基準マークがステージ上に投影される位置を予め記憶させておく処理を不要にすることができ、露光処理の工程を簡素にすることができる。例えば、従来の装置では、導体パターンを感光基板140の所望の位置に形成するために、レチクルの基準マークとステージの基準マークとを一致させるための前処理が必要であったが、このような前処理を省いて直ちに露光処理を行うことができる。
さらに、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149aの位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149bの位置とのみを検出すればよいので、レチクル顕微鏡を不要にすることができ、投影露光装置100の構成をさらに簡素にすることができる。
<<<第2の実施の形態>>>
第2の実施の形態の投影露光装置200は、プリント配線板を製造するためのものを示すが、第1の実施の形態と同様に、露光光の照射によってパターンを形成できる、例えば、半導体デバイスのウエハ等を製造するためのものでもよい。
上述した第1の実施の形態の投影露光装置100では、パターン166の投影体を感光基板140にX方向に沿って間歇的に複数個形成する場合を示した。これは、感光基板140に複数の投影体を直線状に形成するものである。第2の実施の形態の投影露光装置200は、複数の投影体を直線状に形成するだけでなく、平面的に形成できるものである。
第1の実施の形態の投影露光装置100では、撮像部152aと152bとからなる第1の撮像素子集合体154のみを用いて、レチクル基準マークの投影体を撮像したが、第2の実施の形態の投影露光装置200では、第1の撮像素子集合体154に加えて、第2の撮像素子集合体156を用いる。
<<構成>>
<光学系>
光源110、反射ミラー112及び投影レンズ114は、いずれも第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。
<ステージ>
レチクル搭載ステージ116、レチクル160及びワーク載置ステージ130も、いずれも第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。
なお、第2の実施の形態では、図2に示すように、レチクル基準マーク168aと168bとの間隔P2、又はレチクル基準マーク168cと168dとの間隔P2が、後述する感光基板140を移動させる距離である送りピッチP2’に対応するように、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dは形成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、間隔P2と送りピッチP2’との関係は、投影レンズ114の倍率に応じて定めることができる。例えば、レチクル160に形成されたパターン166を等倍率で、感光基板140に投影して、感光基板140に導体パターンを形成する場合には、P2=P2’となるようにすればよい。後述するように、送りピッチP2’が、「所定の距離」に対応する。レチクル基準マーク168aと168bとの間隔P2、又はレチクル基準マーク168cと168dとの間隔P2が、「所定の距離に基づいた間隔」に対応する。「所定の距離に基づいた」とは、本実施の形態では、間隔P2が送りピッチP2’に基づいて定められればよいことを意味する。例えば、間隔P2は、投影レンズ114の倍率と送りピッチP2’とから定めることができる。
さらに、ワーク載置ステージ130のY方向移動用ステージ134を−Y方向に送りピッチP2’分移動させることにより、テーブル138を−Y方向に送りピッチP2’分移動させることができ、テーブル138に載置された感光基板140を−Y方向に送りピッチP2’分移動させて位置づけることができる。この送りピッチP2’が、「所定の距離」に対応する。この感光基板140を移動させる処理は、後述する第3のステップの処理で行われる。
<感光基板140>
また、感光基板140も、第1の実施の形態による投影露光装置100で用いたものと同一の構成であり、同一の機能を有する。
[顕微鏡ステージ]
顕微鏡ステージには、顕微鏡150’が設けられている。この顕微鏡150’は、4つの撮像部152a,152b,152c及び152dを含む。これらの撮像部152a,152b,152c及び152dは、例えば、CCDカメラ等の撮像素子からなる。なお、図1では、顕微鏡150’として、この4つの撮像部152a,152b,152c及び152dのみを示した。
この第2の実施の形態では、2つの撮像部152a及び152bによって第1の撮像素子集合体154が構成される。第1の撮像素子集合体154は、顕微鏡150の支持部材(図示せず)によって±X方向に移動できるように支持されている。このようにしたことにより、第1の撮像素子集合体154の2つの撮像部152a及び152bは、一体となって±X方向に移動できる。また、2つの撮像部152c及び152dによって第2の撮像素子集合体156が構成される。第2の撮像素子集合体156は、顕微鏡150’の支持部材(図示せず)によって±Y方向に移動できるように支持されている。このようにしたことにより、第2の撮像素子集合体156の2つの撮像部152c及び152dは、一体となって±Y方向に移動できる。
上述した顕微鏡150’の退避位置は、第1の撮像素子集合体154の退避位置であり、2つの撮像部152aと152bとの退避位置である。言い換えれば、2つの撮像部152a及び152bは、一体となって、退避位置に移動することができる。同様に、顕微鏡150’の退避位置は、第2の撮像素子集合体156の退避位置であり、2つの撮像部152cと152dの退避位置でもある。すなわち、2つの撮像部152c及び152dは、一体となって、退避位置に移動することができる。
また、顕微鏡150’の測定位置は、第1の撮像素子集合体154の測定位置であり、2つの撮像部152aと152bとの測定位置である。すなわち、2つの撮像部152a及び152bは、一体となって、測定位置に移動することができる。同様に、顕微鏡150’の測定位置は、第2の撮像素子集合体156の測定位置であり、2つの撮像部152cと152dとの測定位置である。すなわち、2つの撮像部152c及び152dは、一体となって、測定位置に移動することができる。
なお、第1の撮像素子集合体154の退避位置や測定位置の概念や、退避位置から測定位置へ位置づける制御方法は、第1の実施の形態のものと同様であり、ここでは省略する。
以下では、第2の撮像素子集合体156の退避位置と測定位置について、より詳細に説明する。
2つの撮像部152cと152dとからなる第2の撮像素子集合体156の退避位置は、光源110から露光光を発して、導体パターンを感光基板140に形成するときに、2つの撮像部152c及び152dが障害とならないように、−Y方向に移動した位置である(図9(a)及び図9(d)参照)。上述したように、この退避位置は、顕微鏡150’のホームポジションであり、2つの撮像部152c及び152dのホームポジションとするのが好ましい。
また、第2の撮像素子集合体156の測定位置は、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)や、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)等を、2つの撮像部152cと152dとで撮像できるように、+Y方向に移動した位置である(図9(b)及び図9(c)参照)。この第2の撮像素子集合体156の測定位置は、一定の位置であればよく、撮像部152cと152dとの位置を、位置検出装置を用いて検出する必要はない。第2の撮像素子集合体156を退避位置から測定位置に移動させたときに、第2の撮像素子集合体156を構成する2つの撮像部152cと152dとを、常に一定の測定位置に位置付けることができればよい。言い換えれば、2つの撮像部152cと152dとを測定位置に位置付けたときには、感光基板140の一定の範囲を常に撮像できるようにすればよい。
例えば、第2の撮像素子集合体156を移動させるためのモータがステッピングモータで構成されているような場合には、所定のパルス信号をステッピングモータ(モータ駆動用ドライバ(図示せず))に供給することで、第2の撮像素子集合体156を移動させることができる。このステッピングモータを用いた場合には、ステッピングモータに供給するパルス信号の数で、第2の撮像素子集合体156の移動距離が定められる。したがって、ホームポジション(退避位置)から測定位置までの距離に応じたパルス信号の数を、モータを制御するための制御手段に予め記憶させておき、ホームポジションから測定位置へ位置づけるときには、その記憶させたパルス信号の数だけ、パルス信号を制御手段からモータへ供給することにより、ホームポジションから一定の測定位置へ常に位置づけることができる。このように構成することで、撮像部152cや152dの位置を測定する測定装置を用いることなく、撮像部152cと152dとを一定の測定位置に位置づけることができ、感光基板140の一定の範囲を撮像することができる。
後述するように、第2の撮像素子集合体156が測定位置に位置づけられたときには、撮像部152cによって、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168bの投影体149b(11)若しくは149b(21)等、又はレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)若しくは149a(21)等を撮像する(図10(b)参照)。同様に、第2の撮像素子集合体156が測定位置に位置づけられたときには、撮像部152dによって、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168dの投影体149d(11)若しくは149d(21)等、又はレチクル基準マーク168bの投影体149c(11)若しくは149c(21)等を撮像する(図10(b)参照)。このとき、撮像部152cや撮像部152dによって撮像された投影体の位置を、撮像領域内で十分に特定できる程度に、撮像部152cと152dとの撮像領域が十分に大きく、かつ、解像度を高くして撮像できればよい。
このようにすることで、撮像部152c及び152dが撮像した撮像領域内におけるレチクル基準マークの投影体の位置を、特定することができる。この撮像領域におけるレチクル基準マークの投影体の位置は、画素(ピクセル)等を単位とした座標系の位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置の情報である必要はない。
[撮像データ処理部190’]
図8に示すように、4つの撮像部152a,152b,152c及び152dの各々は、撮影処理や演算処理を行う撮像データ処理部190’に電気的に接続されている。撮像データ処理部190’は、第1の実施の形態の撮像データ処理部190と同様に、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)及びRAM(ランダムアクセスメモリ)等からなる。撮像データ処理部190’は、撮像処理部192’と演算処理部194’とを含む。なお、第1の撮像素子集合体154を構成する2つの撮像部152aと152bとから発せられた信号に基づく処理は、第1の実施の形態と同様であるので、ここでは省略する。
第2の撮像素子集合体156を構成する2つの撮像部152c及び152dは、撮影した画像を電気信号に変換し、撮像処理部192’にその電気信号を供給する。撮像処理部192’は、供給された電気信号に基づいて、2つの撮像部152c及び152dによって撮影された像をデータ化する。演算処理部194’は、撮像処理部192’によってデータ化された撮影データを用いて、画像処理を行い、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)等の位置や、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)等の位置を算出して、その値を基準位置記憶手段196’に記憶させる。この演算処理部194’で得られる位置は、上述したように、2つの撮像部152c及び152dの各々で撮像された撮像領域で特定できる位置であればよい。例えば、画像データの画素(ピクセル)を単位としてX−Y座標系を用いた位置でよい。上述したように、2つの撮像部152c及び152dの測定位置は常に一定であるので、撮像領域における位置を特定することができれば、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置に変換することなく、感光基板140に形成されたレチクル基準マークの投影体の位置を特定することができる。
また、演算処理部194’は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)等の位置や、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置等を算出する。この位置の算出は、上述したように、画像データの画素(ピクセル)を単位としたX−Y座標系を用いた位置でよい。さらに、画素等を単位とした具体的な数値によって、レチクル基準マークの投影体の位置を特定しなくてもよい。例えば、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)等が撮像された画像データや、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)等が撮像された画像データを位置情報としてもよい。この場合には、レチクル基準マークの投影体が撮像された画像データを、ディスプレイ装置等の表示手段に表示し、その表示されたレチクル基準マークの投影体の画像を視認することによって、レチクル基準マークの投影体の位置を特定することができる。
[基準位置記憶手段196’]
演算処理部194’は、基準位置記憶手段196’を含む。基準位置記憶手段196’は、演算処理部194’によって算出されたレチクル基準マークの投影体の位置を記憶する。なお、上述したレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)等が撮像された画像データや、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)等が撮像された画像データを位置情報とした場合には、基準位置記憶手段196’は、これらの画像データを記憶する。
[位置制御手段198]
図8に示すように、撮像データ処理部190’は、位置制御手段198’に電気的に接続されている。位置制御手段198’は、後述する第3のステップの処理で述べるように、撮像部152cで撮像したレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置が、基準位置記憶手段196’に記憶されているレチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置と一致し、かつ、撮像部152dで撮像したレチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置が、基準位置記憶手段196’に記憶されているレチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置と一致するように、ワーク載置ステージ130を制御する。
[位置決め手段199]
さらに、図8に示すように、位置制御手段198’は、位置決め手段199に電気的に接続されている。位置決め手段199は、第1の実施の形態のものと同様に、ワーク載置ステージ130を含み、上述したように、ワーク載置ステージ130は、X方向移動用ステージ132とY方向移動用ステージ134とθ方向移動用ステージ136とを含む。位置制御手段198’から発せられた制御信号に応じて、撮像部152cで撮像したレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置が、基準位置記憶手段196に記憶されているレチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置と一致し、かつ、撮像部152dで撮像したレチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置が、基準位置記憶手段196に記憶されているレチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置と一致するように、X方向移動用ステージ132や、Y方向移動用ステージ134や、θ方向移動用ステージ136を移動させ、感光基板140の位置の調節が行われる。この処理は、後述する第3のステップで行われる。
<<処理手順>>
以下に述べる第1のステップ〜第4のステップの処理を行う前処理として、レチクル搭載ステージ116のレチクル載置テーブル118の所定の位置に、レチクル160が載置され、ワーク載置ステージ130のテーブル138の所定の位置に、感光基板140が載置されているものとする。
<第1のステップ>
まず、図9(a)に示すように、第1の実施の形態で示した第1のステップ〜第4のステップの処理を行って、図10(a)に示すように、パターン166の4つの投影体148(11)〜148(14)を形成する。このようにすることで、直線状に複数の投影体を形成することができる。
<第2のステップ>
この第2のステップの処理は、レチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置とレチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置とを顕微鏡150’によって検出する。
まず、図9(b)に示すように、顕微鏡150’を退避位置から測定位置へ移動させる。上述したように、測定位置は、一定の位置であるので、撮像部152cと152dとは一定の位置に位置づけられる。
次に、撮像部152cによって、レチクル基準マーク168bの投影体149b(11)を撮像し、撮像部152dによって、レチクル基準マーク168dの投影体149d(11)を撮像する。2つの投影体149b(11)と149d(11)とを撮影した画像は電気信号に変換されて、撮像処理部192’に供給される。撮像処理部192’は、供給された電気信号に基づいて、2つの撮像部152d及び152dによって撮影された像をデータ化する。演算処理部194’は、撮像処理部192’によってデータ化された撮影データを用いて、画像処理を行い、レチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置とを算出して、その値を基準位置記憶手段196’に記憶させる。上述したように、レチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置とは、画素(ピクセル)等を単位とした座標系の位置であればよく、ミリメートル等の一般的に用いられる長さの単位を用いた位置の情報である必要はない。
<第3のステップ>
この第3のステップの処理は、パターン166の5番目の投影体(図10に示す投影体148(21))を感光基板140を形成するために、感光基板140を移動させて位置決めする処理を行う。
まず、図9(c)に示すように、ワーク載置ステージ130の位置制御手段198’(図8参照)に予め記憶させておいた送りピッチP2’だけ、Y方向移動用ステージ134を−Y方向に移動させる。Y方向移動用ステージ134を送りピッチP2’分移動させることにより、感光基板140を送りピッチP2’分移動させることができる。これにより、撮像部152cの下方に、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)が移動し、撮像部152dの下方に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)が移動する。すなわち、撮像部152cでレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)を撮像することができ、撮像部152dでレチクル基準マーク168cの投影体149c(11)が撮像できる位置に、感光基板140が移動することになる。撮像部152cでレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)を撮像し、撮像部152dでレチクル基準マーク168cの投影体149c(11)を撮像した後、第2のステップと同様に、撮像処理部192’と演算処理部194’との処理によって、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置とを算出する。
次に、上述した位置制御手段198’(図3参照)は、算出したレチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置が、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置と一致し、算出したレチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置が、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置と一致するか否かを判断する。
一致しない場合には、位置制御手段198’は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置とのずれの量と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置とのずれの量と、を算出する。次いで、このずれの量に応じたパルス信号の数を算出し、その数のパルス信号を、位置決め手段199に発する。位置決め手段199に発せられたパルス信号は、X方向移動用ステージ132、Y方向移動用ステージ134及びθ方向移動用ステージ136の駆動用モータに供給され、供給されたパルス信号に応じて、X方向移動用ステージ132、Y方向移動用ステージ134及びθ方向移動用ステージ136が移動する。
位置制御手段198’と位置決め手段199とによって、このような制御及び位置決めをすることで、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置に、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置が一致するように、かつ、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置が一致するように、感光基板140の位置を調節することができる。
なお、この第3のステップの処理では、レチクル基準マーク168bの投影体149b(11)の位置に、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)の位置が一致し、レチクル基準マーク168dの投影体149d(11)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)の位置が一致するように、感光基板140の位置を調節する場合を示したが、一致させる場合のみならず、これらの投影体の相対的な位置関係が、一義的に特定できる一定の位置関係となるように、感光基板140の位置を調節してもよい。
<第4のステップ>
この第4のステップの処理は、パターン166の2番目の投影体148(21)を感光基板140に形成する処理を行う。
まず、図9(d)に示すように、2つの撮像部152cと152dとを、退避位置に位置づける。
次に、光源110から露光光を発し、レチクル160に形成されているパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとを、投影レンズ114を介して感光基板140に投影する。この露光光の投影によって、感光基板140の感光性の物質が作用し、図10(b)に示すように、パターン166の投影体148(21)と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(21)と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(21)と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(21)と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(21)と、が感光基板140のレジスト層146に形成される。なお、第3のステップで、位置を調節しているので、図10(b)に示すように、レチクル基準マーク168aの投影体149b(21)は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(11)と重畳し、レチクル基準マーク168dの投影体149d(21)は、レチクル基準マーク168cの投影体149c(11)と重畳する。
この後、第1の実施の形態で示した第2のステップ〜第4のステップの処理を繰り返し行うことで、第2列目に、パターン166の投影体148(22)〜148(24)(図示せず)を感光基板140にX方向に沿って間歇的に複数個形成することができる。このようにすることで、パターン166の投影体を感光基板140に平面状に複数個形成することができる。
さらに、第2列目にパターン166の投影体を形成し終わった後、この第2の実施の形態の第1のステップ〜第4のステップの処理を行うことで、第3列目にパターン166の投影体148(31)(図示せず)を感光基板140に形成することができる。
<<第2の実施の形態の概略>>
この第2の実施の形態の投影露光装置200によれば、光源110から発せられた露光光によって、レチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの投影体を感光基板140に形成できるので、感光基板140に基準マークを形成するための穿孔装置等の機械的な装置を不要にすることができる。このように、穿孔装置等の機械的な装置を不要にできるので、投影露光装置200の構成や露光処理を簡素にすることができるとともに、投影露光装置200を小型化することもできる。さらに、このような機械的な装置を用いないため、切り屑等の塵埃が発生しないので、塵埃が被露光体である感光基板140に付着することを防止することができ、微細な導体パターン等の投影体を感光基板140に的確に形成することができる。
また、レチクル基準マーク168aの投影体149a、レチクル基準マーク168bの投影体149b、レチクル基準マーク168cの投影体149c、レチクル基準マーク168dの投影体149d等を、被露光体である感光基板140の基準マークとすることができるので、レチクルの基準マークと感光基板140が搭載されるステージの基準マークとを一致させて、レチクルの基準マークがステージ上に投影される位置を予め記憶させておく処理を不要にすることができ、露光処理の工程を簡素にすることができる。例えば、従来の装置では、導体パターンを感光基板140の所望の位置に形成するために、レチクルの基準マークとステージの基準マークとを一致させるための前処理が必要であったが、このような前処理を省いて直ちに露光処理を行うことができる。
さらに、感光基板140に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149a等の位置と、レチクル基準マーク168cの投影体149cの位置等とを検出すればよいので、レチクル顕微鏡を不要にすることができ、投影露光装置200の構成をさらに簡素にすることができる。
<<<第3の実施の形態>>>
第3の実施の形態の投影露光装置300は、プリント配線板を製造するためのものを示すが、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、露光光の照射によってパターンを形成できる、例えば、半導体デバイスのウエハ等を製造するためのものでもよい。
上述した第1の実施の形態の投影露光装置100や、第2の実施の形態の投影露光装置200では、ワーク載置ステージ130のテーブル138の大きさに適合した大きさの感光基板140を用いて、パターン166の投影体を複数個形成する場合を示した。すなわち、感光基板140の寸法が、テーブル138に載置し得る程度であるもの、例えば、感光基板140の寸法が、テーブル138の寸法とほぼ同じか、又はテーブル138の寸法よりも小さいものを用いて導体パターンを形成する例を示した。これに対して、第3の実施の形態の投影露光装置300は、ワーク載置ステージ130のテーブル138よりも大きい寸法の感光フィルムを用いて導体パターンを形成する例を示す。
<<構成>>
<光学系>
光源110、反射ミラー112及び投影レンズ114は、いずれも第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。
<ステージ>
レチクル搭載ステージ116、レチクル160及びワーク載置ステージ130も、いずれも第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。
<感光フィルム180>
感光フィルム180は、図11に示すように、ワーク載置ステージ130のテーブル138に載置することができる。本実施の形態では、感光フィルム180は、長尺なシート状の形状を有するとともに、可撓性を有する。感光フィルム180は、ワーク載置ステージ130のテーブル138に載置して露光光を照射でき、搬送できるものであればよい。感光フィルム180は、シート状であるものが好ましい。
感光フィルム180は、例えば、表面に銅が張られた銅張積層フィルム等のシート状のフィルムからなり、導体パターンが形成される前のフィルムであり、その表面がレジスト等の感光性の物質によって覆われているフィルムをいう。この感光フィルム180の具体的な構成は、図4(a)〜(c)に示した感光基板140と同様の構成を有する。すなわち、感光フィルム180は、絶縁基板と、導体層と、感光性の物質からなるレジスト層と、からなる。これらの絶縁基板と導体層とレジスト層とは、第1の実施の形態で説明した絶縁基板142や、導体層144や、感光性の物質からなるレジスト層146と同等の機能を有し、感光フィルム180からプリント配線フィルムにする工程についても、感光基板140からプリント配線板にする工程と同等の工程であるので、ここでは、説明を省略する。
上述した感光フィルム180が、「被露光体」に対応し、感光性の物質が、「感光材」に対応する。また、導体パターンが「投影体」に対応し、特に、「パターン投影体」に対応する。
第3の実施の形態では、感光フィルム180は、少なくとも2つ以上の導体パターンを長手方向に沿って形成できるものが好ましい。感光フィルム180の形状をこのようにし、感光フィルム180を送りピッチP1’ごとに搬送することによって、感光フィルム180に2つ以上の導体パターンを、感光フィルム180の長手方向に沿って、円滑にかつ間歇的に形成することができる。また、感光フィルム180は、可撓性を有するものが望ましい。このように、感光フィルム180を送り出したり巻き取ったりすることができ、感光フィルム180の搬送を容易にすることができるとともに、感光フィルム180の取り扱いを簡便にすることができる。
<感光フィルム搬送系170>
感光フィルム搬送系170は、送りローラ172と引き取りローラ174とからなる。送りローラ172は、ワーク載置ステージ130から+X方向に離隔した位置に配置され、引き取りローラ174は、ワーク載置ステージ130から−X方向に離隔した位置に配置されている。
送りローラ172は、長尺な2つのローラ172aと172bとからなる。これらの2つのローラ172aと172bとは、弾性部材からなり、長手方向に沿って互いに押圧し合うように設けられている。2つのローラ172aと172bとのうちの一方が回転したときには、それに応じて他方が回転することができる。2つのローラ172aと172bとの間に、感光フィルム180を挟むことができ(図11及び13(a)〜(d)参照)、2つのローラ172aと172bを回転させることにより、感光フィルム180をワーク載置ステージ130に向かって送り出すことができる。
引き取りローラ174は、長尺な2つのローラ174aと174bとからなる。これらの2つのローラ174aと174bとは、互いに押圧し合うように設けられている。2つのローラ174aと174bとのうちの一方が回転したときには、それに応じて他方が回転することができる。2つのローラ174aと174bとの間に、感光フィルム180を挟むことができ(図11及び13(a)〜(d)参照)、2つのローラ174aと174bを回転させることにより、感光フィルム180をワーク載置ステージ130から引き取ることができる。
送りローラ172の2つのローラ172aと172bとが互いに押圧する面と、引き取りローラ174の2つのローラ174aと174bとが互いに押圧する面と、テーブル138の水平面と、は略同じ面になるように設けられており、感光フィルム180を平面状に配置することができる(図11及び13(a)〜(d)参照)。
送りローラ172と引き取りローラ174とには、モータ(図示せず)が機械的に接続されている。モータには、制御手段(図示せず)が電気的に接続されている。制御手段から発せられた制御信号に応じてモータを回転させることができ、送りローラ172の2つのローラ172a及び172bと、引き取りローラ174の2つのローラ174a及び174bとを、所定の回転量や回転角度だけ回転させることによって、感光フィルム180を送りピッチP’だけ−X方向に搬送することができる。
<測定系及び制御系>
顕微鏡ステージ及び顕微鏡150も、第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。したがって、顕微鏡150は、2つの撮像部152a及び152bからなる第1の撮像素子集合体154によって構成され、これらの撮像部152a及び152bも第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。
また、図12に示す撮像データ処理部190、撮像処理部192、演算処理部194、基準位置記憶手段196、位置制御手段198も第1の実施の形態による投影露光装置100と同一の構成であり、同一の機能を有する。
なお、図12に示すように、位置決め手段199’には、ワーク載置ステージ130だけでなく、送りローラ172及び引き取りローラ174が含まれる。このため、位置制御手段198は、送りローラ172や引き取りローラ174を駆動するためのモータにも制御信号を発する。
<<処理手順>>
以下に述べる第1のステップ〜第4のステップの処理を行う前処理として、レチクル搭載ステージ116のレチクル載置テーブル118の所定の位置に、レチクル160が載置され、ワーク載置ステージ130のテーブル138には、感光フィルム180が載置され、送りローラ172及び引き取りローラ174には、感光フィルム180が移動可能に設置されているものとする。
<第1のステップ>
この第1のステップの処理は、第1の実施の形態と同様に、最初に、パターン166の投影体と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの投影体と、を感光フィルム180に形成するための処理である。
まず、図13(a)に示すように、顕微鏡150を退避位置に位置づける。すなわち、2つの撮像部152aと152bとを、退避位置に位置づける。
次に、光源110から露光光を発し、レチクル160に形成されているパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとを、投影レンズ114を介して感光フィルム180に投影する。第1の実施の形態と同様に、この投影により、感光性の物質の作用によって、図14(a)に示すように、パターン166の投影体148(1)と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)と、が感光フィルム180のレジスト層に形成される。なお、図14(a)〜(d)は、感光フィルム180の一部を拡大して示した図である。
<第2のステップ>
この第2のステップの処理は、図13(c)に示すように、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置とレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置とを顕微鏡150によって検出する。この処理は、第1の実施の形態と同様の処理であるので、説明を省略する。
<第3のステップ>
この第3のステップの処理は、パターン166の2番目の投影体を感光フィルム180を形成するために、感光フィルム180を移動させて位置決めする処理を行う。
まず、図13(c)に示すように、送りローラ172と引き取りローラ174とを駆動して、ワーク載置ステージ130の位置制御手段198(図12参照)に予め記憶させておいた送りピッチP1’だけ、感光フィルム180を−X方向に移動させる。なお、この感光フィルム180の移動に、X方向移動用ステージ132を用いてもよい。このようにX方向移動用ステージ132を用いて移動させるときには、感光フィルム180がX方向移動用ステージ132に対して動かないように固定するフィルム保持部材(図示せず)を用いるものが好ましい。
X方向移動用ステージ132を送りピッチP1’分移動させることにより、感光フィルム180を送りピッチP1’分移動させることができる。これにより、撮像部152aの下方に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)が移動し、撮像部152bの下方に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)が移動する。すなわち、撮像部152aでレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)を撮像することができ、撮像部152bでレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)が撮像できる位置に、感光基板140が移動することになる。撮像部152aでレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)を撮像し、撮像部152bでレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)を撮像した後、第1の実施の形態で説明した第2のステップと同様に、撮像処理部192と演算処理部194との処理によって、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置とを算出する。
次に、上述した位置制御手段198(図12参照)は、算出したレチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と一致し、算出したレチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置と一致するか否かを判断する。
一致しない場合には、位置制御手段198は、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置とのずれの量と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置とのずれの量と、を算出する。次いで、このずれの量に応じたパルス信号の数を算出し、その数のパルス信号を、位置決め手段199’に発する。位置決め手段199’に発せられたパルス信号は、X方向移動用ステージ132、Y方向移動用ステージ134及びθ方向移動用ステージ136の駆動用モータ、並びに送りローラ172と引き取りローラ174とを駆動する駆動用モータに供給され、供給されたパルス信号に応じて、X方向移動用ステージ132、Y方向移動用ステージ134及びθ方向移動用ステージ136が移動したり、送りローラ172及び引き取りローラ174が回転する。
位置制御手段198と位置決め手段199’とによって、このような制御及び位置決めをすることで、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が一致するように、かつ、第2のステップで記憶させたレチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が一致するように、感光フィルム180の位置を調節することができる。
なお、この第3のステップの処理では、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置に、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が一致し、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置に、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が一致するように、感光フィルム180の位置を調節する場合を示したが、一致させる場合のみならず、これらの投影体の相対的な位置関係が、一義的に特定できる一定の位置関係となるように、感光フィルム180の位置を調節してもよい。
<第4のステップ>
この第4のステップの処理は、パターン166の2番目の投影体148(2)を感光フィルム180を形成する処理を行う。
まず、図5(d)に示すように、2つの撮像部152aと152bとを、退避位置に位置づける。
次に、光源110から露光光を発し、レチクル160に形成されているパターン166と、4つのレチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとを、投影レンズ114を介して感光フィルム180に投影する。この露光光の投影によって、感光フィルム180の感光性の物質が作用し、図14(b)に示すように、パターン166の投影体148(2)と、レチクル基準マーク168aの投影体149a(2)と、レチクル基準マーク168bの投影体149b(2)と、レチクル基準マーク168cの投影体149c(2)と、レチクル基準マーク168dの投影体149d(2)と、が感光フィルム180のレジスト層に形成される。なお、第3のステップで、位置を調節しているので、図6(b)に示すように、レチクル基準マーク168aの投影体149a(2)は、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)と重畳し、レチクル基準マーク168bの投影体149b(2)は、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)と重畳する。
上述した第2のステップ〜第4のステップを繰り返し行うことで、パターン166の投影体を感光フィルム180にX方向に沿って間歇的に複数個形成することができる。
<<第3の実施の形態の概略>>
この第3の実施の形態の投影露光装置300によれば、光源110から発せられた露光光によって、レチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dの投影体を感光フィルム180に形成できるので、感光フィルム180に基準マークを形成するための穿孔装置等の機械的な装置を不要にすることができる。このように、穿孔装置等の機械的な装置を不要にできるので、投影露光装置300の構成や露光処理を簡素にすることができるとともに、投影露光装置300を小型化することもできる。さらに、このような機械的な装置を用いないため、切り屑等の塵埃が発生しないので、塵埃が被露光体である感光フィルム180に付着することを防止することができ、微細な導体パターン等の投影体を感光フィルム180に的確に形成することができる。
また、レチクル基準マーク168aの投影体149a、レチクル基準マーク168bの投影体149b、レチクル基準マーク168cの投影体149c、レチクル基準マーク168dの投影体149d等を、被露光体である感光フィルム180の基準マークとすることができるので、レチクルの基準マークと感光フィルム180が搭載されるステージの基準マークとを一致させて、レチクルの基準マークがステージ上に投影される位置を予め記憶させておく処理を不要にすることができ、露光処理の工程を簡素にすることができる。例えば、従来の装置では、導体パターンを感光フィルム180の所望の位置に形成するために、レチクルの基準マークとステージの基準マークとを一致させるための前処理が必要であったが、このような前処理を省いて直ちに露光処理を行うことができる。
さらに、感光フィルム180に形成されたレチクル基準マーク168aの投影体149aの位置と、レチクル基準マーク168bの投影体149bの位置とのみを検出すればよいので、レチクル顕微鏡を不要にすることができ、投影露光装置300の構成をさらに簡素にすることができる。
<<<第4の実施の形態>>>
この第4の実施の形態では、投影露光装置の構成は、第1の実施の形態の投影露光装置100、第2の実施の形態の投影露光装置200、第3の実施の形態の投影露光装置300のいずれの構成でもよい。
<<ディストーションの発生>>
パターン166とパターン166の投影体148との幾何学的関係は、パターン166の像が等倍率で感光基板140に投影されたときには、合同となり、パターン166の像が等倍率とは異なる倍率で感光基板140に投影されたときには、相似となるのが理想的である。すなわち、被投影体と投影体との幾何学的関係は、合同又は相似のいずれかとなるが理想的である。
しかしながら、第1の実施の形態で説明したように、投影レンズ114は、少なくとも1つ以上の各種のレンズから構成される。この投影レンズ114を構成するレンズの特性によっては、被投影体であるパターン166や、レチクル基準マーク168a〜168dの像にディストーション(歪曲収差)を生じさせる場合がある。ディストーションが生じた場合には、被投影体の像が歪んで変形したものが、感光基板140に投影される。このため、レチクル基準マーク168a〜168dの像は、ディストーションが生じなかったときに投影されたであろう位置(以下、理想位置と称する。)から変位した位置に投影されることになる。このように、ディストーションが生じた場合には、理想位置から変位した位置にレチクル基準マーク168a〜168dの像が投影体149a〜149dとして感光基板140に形成されるため、理想位置から変位した位置に形成された投影体149a〜149dの位置を基準にして感光基板140の位置決めをした場合には、パターン166の投影体148は、ディストーションが生じなかったときに形成される予定していた位置とは異なる位置に形成されることになる。特に、上述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示したように、パターン166の投影体148を感光基板140に、複数個形成していく場合には、理想位置から変位する大きさは、累積して次第に大きくなっていく。このようなことから、ディストーションが生じた場合でも、所望する位置に的確にパターン166の像を投影して、パターン166の投影体148を形成できるものが望まれる。
<<ディストーションの概略及び種類>>
図15は、ディストーションの概略を示す図である。なお、ディストーションの有無や程度を明確に示すために、図15に示した例では、パターン166として格子状の形状を有するものを用いた。この図15(a)〜(c)では、図面の右方向を+X方向とし、下方向を+Y方向とする。また、図15(a)〜(c)では、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等を簡略化して示すために、プラス字状の形状ではなく、丸型の形状で示した。
図15(a)は、ディストーションが生じていないときに、パターン166の像が投影されて、感光基板140に形成される投影体148を示す図である。また、図15(b)は、いわゆる樽型のディストーションが生じたときに、感光基板140に形成される投影体148を示す図である。さらに、図15(c)は、いわゆる糸巻き型のディストーションが生じたときに、感光基板140に形成される投影体148を示す図である。なお、図15(b)及び(c)では、ディストーションの状態を明確に示すために、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148を破線で重ねて示した。
図15(b)に示すように、樽型のディストーションが生じたときには、投影体148の中心から周辺へ向かうに従って、次第に縮んでいくように投影体148は形成される。投影体148の輪郭を構成する最も外側の4つの辺に着目すると、いずれの辺も中央が外側に変位し、辺の両端は内側に変位し、いわゆる凸形の形状になっている。+X方向に凸となっている辺、又は−X方向に凸となっている辺について、最も外側に変位した箇所(中央部)と最も内側に変位した箇所(両端部)の差をΔxとする。+Y方向に凸となっている辺、又は−Y方向に凸となっている辺について、最も外側に変位した箇所(中央部)と最も内側に変位した箇所(両端部)の差をΔyとする。
図15(c)に示すように、糸巻き型のディストーションが生じたときには、投影体148の中心から周辺へ向かうに従って、次第に伸びていくように投影体148は形成される。投影体148の輪郭を構成する最も外側の4つの辺に着目すると、いずれの辺も中央が内側に変位し、辺の両端は外側に変位し、いわゆる凹形の形状になっている。+X方向に凹となっている辺、又は−X方向に凹となっている辺について、最も外側に変位した箇所(両端部)と最も内側に変位した箇所(中央部)の差をΔxとする。+Y方向に凹となっている辺、又は−Y方向に凹となっている辺について、最も外側に変位した箇所(両端部)と最も内側に変位した箇所(中央部)の差をΔyとする。
<<位置の補正の概要>>
以下では、樽型のディストーションが生じたときの位置の補正と、糸巻き型のディストーションが生じたときの位置の補正と、について説明する。
図16は、樽型のディストーションが生じたときに行う位置の補正の概略を示す図である。
図16(a)は、ディストーションが生じていないときに、隣り合う2つの投影体148(1)及び148(2)を感光基板140に形成した場合の概略を示す図である。図16(b)は、樽型のディストーションが生じたときに、位置を補正せずに隣り合う2つの投影体148(1)’及び148(2)’を感光基板140に形成した場合の概略を示す図である。図16(c)は、樽型のディストーションが生じたときに、位置を補正して隣り合う2つの投影体148(1)”及び148(2)”を感光基板140に形成した場合の概略を示す図である。なお、この図16(a)〜(c)のいずれも、図面の右方向を+X方向とし、下方向を+Y方向とする。また、図16(a)〜(c)では、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等を簡略化して示すために、プラス字状の形状ではなく、丸型の形状で示した。
図16(b)及び(c)に示した樽型のディストーションの程度は、図15(b)に示したものと同じであり、+X方向に凸となっている辺、又は−X方向に凸となっている辺について、最も外側に変位した箇所(中央部)と最も内側に変位した箇所(両端部)の差は、図15(b)で説明したΔxと同じである。同様に、+Y方向に凸となっている辺、又は−Y方向に凸となっている辺について、最も外側に変位した箇所(中央部)と最も内側に変位した箇所(両端部)の差も、図15(b)で説明したΔyと同じである。
図16(a)に示すように、ディストーションが生じていないときには、格子状のパターン166は、パターン166の像として格子状の投影体148(1)及び148(2)が形成される。また、例えば、第1の実施の形態の第3のステップで説明したように、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と一致し、かつ、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置と一致するように、感光基板140の位置を調節して投影体148(2)を形成する。このようにすることで、投影体149c(1)と投影体149a(2)とが重なり、かつ、投影体149d(1)と投影体149b(2)とが重なるように、隣り合う2つのパターン166の投影体148(1)と148(2)が形成される。
これに対して、樽型のディストーションが生じたときに、位置を補正せずに隣り合う2つの投影体を感光基板140に形成した場合には、図16(b)に示すような投影体148(1)’及び148(2)’が形成される。なお、図16(b)では、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(1)及び148(2)を破線で示した。
図16(b)に示した例の場合では、位置を補正せずに形成しているので、例えば、第1の実施の形態の第3のステップで説明したように、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)’の位置が、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)’の位置と一致し、かつ、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)’の位置が、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)’の位置と一致するように、感光基板140の位置が調節される。このため、投影体148(2)’は、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(2)の位置に対して、全体的に−X方向に変位した位置に形成されることになる。
図16(b)に対して、樽型のディストーションが生じたときに、位置を補正して隣り合う2つの投影体を感光基板140に形成した場合には、図16(c)に示すような投影体148(1)”及び148(2)”が形成される。なお、図16(c)でも、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(1)及び148(2)を破線で示した。
図16(c)に示した例の場合では、位置を補正して投影体148(1)”及び148(2)”を形成している。この位置の補正は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(2)”の位置を、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)”の位置に対して+X方向にΔxだけ変位させた位置とし、レチクル基準マーク168bの投影体149b(2)”の位置を、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)”の位置に対して+X方向にΔxだけ変位させた位置とするものである。このようにレチクル基準マークの位置を補正して、投影体148(2)”を感光基板140に形成することで、投影体148(2)”は、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(2)に対して、全体的に重なるように形成することができる。
なお、図16に示した例は、複数の投影体148をX方向に形成していく場合の例を示すものであるが、第2の実施の形態の投影露光装置200を用いた場合には、複数の投影体148をY方向に形成していくこともできる。この場合は、レチクル基準マークを+Y方向にΔyだけ変位させた位置とすることで、同様にレチクル基準マークの位置を補正することができる。
図17は、糸巻き型のディストーションが生じたときに行う位置の補正の概略を示す図である。
図17(a)は、図16(a)と同様に、ディストーションが生じていないときに、隣り合う2つの投影体148(1)及び148(2)を感光基板140に形成した場合の概略を示す図である。図17(b)は、糸巻き型のディストーションが生じたときに、位置を補正せずに隣り合う2つの投影体148(1)’及び148(2)’を感光基板140に形成した場合の概略を示す図である。図17(c)は、糸巻き型のディストーションが生じたときに、位置を補正して隣り合う2つの投影体148(1)”及び148(2)”を感光基板140に形成した場合の概略を示す図である。なお、この図17(a)〜(c)のいずれも、図面の右方向を+X方向とし、下方向を+Y方向とする。また、図17(a)〜(c)では、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)等を簡略化して示すために、プラス字状の形状ではなく、丸型の形状で示した。
図17(b)及び(c)に示した糸巻き型のディストーションの程度は、図15(c)に示したものと同じであり、+X方向に凹となっている辺、又は−X方向に凹となっている辺について、最も外側に変位した箇所(両端部)と最も内側に変位した箇所(中央部)の差は、図15(b)で説明したΔxと同じである。同様に、+Y方向に凹となっている辺、又は−Y方向に凹となっている辺について、最も外側に変位した箇所(両端部)と最も内側に変位した箇所(中央部)の差も、図15(b)で説明したΔyと同じである。
図17(a)に示すように、ディストーションが生じていないときには、格子状のパターン166は、パターン166の像として格子状の投影体148(1)及び148(2)が形成される。また、例えば、第1の実施の形態の第3のステップで説明したように、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)の位置が、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)の位置と一致し、かつ、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)の位置が、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)の位置と一致するように、感光基板140の位置を調節して、投影体148(2)を形成するので、投影体149c(1)と投影体149a(2)とが重なり、かつ、投影体149d(1)と投影体149b(2)とが重なって、隣り合う2つのパターン166の投影体148(1)と148(2)が形成される。
これに対して、糸巻き型のディストーションが生じたときに、位置を補正せずに隣り合う2つの投影体を感光基板140に形成した場合には、図17(b)に示すような投影体148(1)’及び148(2)’が形成される。なお、図17(b)では、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(1)及び148(2)を破線で示した。
図17(b)に示した例の場合では、位置を補正せずに形成しているので、例えば、第1の実施の形態の第3のステップで説明したように、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)’の位置が、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)’の位置と一致し、かつ、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)’の位置が、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)’の位置と一致するように、感光基板140の位置が調節される。このため、投影体148(2)’は、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(2)の位置に対して、全体的に+X方向に変位した位置に形成されることになる。
図17(b)に対して、糸巻き型のディストーションが生じたときに、位置を補正して隣り合う2つの投影体を感光基板140に形成した場合には、図17(c)に示すような投影体148(1)”及び148(2)”が形成される。なお、図17(c)でも、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(1)及び148(2)を破線で示した。
図17(c)に示した例の場合では、位置を補正して投影体148(1)”及び148(2)”を形成している。この位置の補正は、レチクル基準マーク168aの投影体149a(2)”の位置を、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)”の位置に対して−X方向にΔxだけ変位させた位置とし、レチクル基準マーク168bの投影体149b(2)”の位置を、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)”の位置に対して−X方向にΔxだけ変位させた位置とするものである。このようにレチクル基準マークの位置を補正して、投影体148(2)”を感光基板140に形成することで、投影体148(2)”は、ディストーションが生じていないときに形成される投影体148(2)に対して、全体的に重なるように形成することができる。
なお、図17に示した例は、複数の投影体148をX方向に形成していく場合の例を示すものであるが、第2の実施の形態の投影露光装置200を用いた場合には、複数の投影体148をY方向に形成していくこともできる。この場合は、レチクル基準マークを−Y方向にΔyだけ変位させた位置とすることで、同様にレチクル基準マークの位置を補正することができる。
<<位置の補正の手順>>
以下に、レチクル基準マークの位置を補正する手順について説明する。
上述したように、ディストーションは、投影レンズ114を構成するレンズの特性によって定まる。したがって、ディストーションは、投影レンズ114を交換しない限り、投影露光装置固有の特性として扱うことができる。このようなことから、露光処理をする度に補正すべき量を定めるのではなく、露光処理に先立って予め定めて記憶させておけば処理を簡便にすることができる。また、投影レンズ114を構成するレンズが定まれば、その投影レンズ114が、樽型のディスーションを有するものであるか、糸巻き型のディスーションを有するものであるかを定めることができる。
まず、レチクル搭載ステージ116のレチクル載置テーブル118の所定の位置に、ディストーション判断用のレチクルを載置する。このディストーション判断用のレチクルは、ディストーションの発生や程度を検出するのに容易なパターンが形成されているものが好ましい。例えば、図15〜図17で示したような、正方形の格子状のパターンが形成されているものが望ましい。次いで、ワーク載置ステージ130のテーブル138に、ディストーション判断用の感光基板140を載置する。このディストーション判断用の感光基板は、上述した感光基板140と同じ構成を有するものである。
次に、光源110から露光光を発し、ディストーション判断用の感光基板に、ディストーション判断用の投影体を形成する。例えば、図15〜図17で示したような、正方形の格子状の投影体が形成される。この後、第1の実施の形態で説明したような、感光基板140からプリント配線板にする工程に従って、プリント配線板に相当するディストーション判断用基板を作成する。
このようにして作成されたディストーション判断用基板を顕微鏡等によって観察をすることで、まず、樽型のディスーションが生じているか、糸巻き型のディスーションが生じているかを決定することができる。さらに、形成された投影体の輪郭を構成する最も外側の4つの辺に着目して、図15で説明したΔx及びΔyを計測する。この計測したΔx及びΔyを、上述した撮像データ処理部190の記憶手段に記憶させておく。ここまでの処理が、実際の露光処理をする前に行っておく処理である。
次に、実際の露光処理を行うときには、例えば、第1の実施の形態の第3のステップを行うときには、上述したように、まず、レチクル基準マーク168cの投影体149c(1)’の位置が、レチクル基準マーク168aの投影体149a(1)’の位置と一致し、かつ、レチクル基準マーク168dの投影体149d(1)’の位置が、レチクル基準マーク168bの投影体149b(1)’の位置と一致するように、感光基板140の位置を調節する。
この後、撮像データ処理部190の記憶手段に記憶させたΔx及びΔyを読み出す。複数の投影体148をX方向に形成していく場合に、樽型のディストーションが生じているときには、感光基板140の位置を+X方向にΔxだけ移動させ、糸巻き型のディストーションが生じているときには、感光基板140の位置を−X方向にΔxだけ移動させる。また、複数の投影体148をY方向に形成していく場合に、樽型のディストーションが生じているときには、感光基板140の位置を+Y方向にΔyだけ移動させ、糸巻き型のディストーションが生じているときには、感光基板140の位置を−Y方向にΔyだけ移動させる。このようにすることで、補正した位置に感光基板140を移動させることができ、感光基板140の所望する位置に投影体148を形成することができる。
なお、上述した例では、第1の実施の形態の第3のステップを実行するときに位置を補正する場合を示したが、第2の実施の形態の投影露光装置200や、第3の実施の形態の投影露光装置300においても、同様の処理を行うことで、位置の補正を行うことができる。
上述した撮像データ処理部190が、「位置補正手段」に対応し、位置補正手段は、投影レンズによって生ずる被投影体の像のディストーションに基づいて、第2のパターン基準マーク投影体の位置を演算し、第2のパターン基準マーク投影体の位置を補正する。このようにすることで、被投影体の像にディストーションが生じた場合であっても、被露光体を所望する位置に位置づけて形成することができる。
<<<第5の実施の形態>>>
上述した第1〜第4の実施の形態では、図2に示したように、パターン166と、レチクル基準マーク168a,168b,168c及び168dとが、離隔してレチクル160に形成され、パターン166の投影体148と、レチクル基準マーク168a〜168dの投影体149a〜149dとが、感光基板140の離隔した位置に形成される場合を示した。しかし、このパターンとレチクル基準マークとが重なり合って、レチクル基準マークがパターンと一体となって、パターンに含まれるようにしてもよい。このようにした場合には、図18に示すようなパターン166の投影体148のみが、感光基板140や感光フィルム180に形成されたようになる。
この第5の実施の形態では、図18に示したように、液晶ディスプレイパネル用のガラス基板などの投影体の輪郭が明確に確定できるものや、投影体の形状に特徴的な部分が含まれているものが好ましい。
図18に示した例では、パターン166の投影体148は、外形が長方形の形状を有し、格子状のパターンを形成する。なお、レチクル160に形成するパターン166も、投影体148の形状に対応した形状である。
図18に示した例の場合には、投影体148の4つの隅をレチクル基準マークとする。具体的には、図の左下の隅をレチクル基準マークの投影体149a(1)とし、左上の隅をレチクル基準マークの投影体149b(1)とし、右下の隅をレチクル基準マークの投影体149c(1)とし、右上の隅をレチクル基準マークの投影体149d(1)とする。
上述した第1〜第4の実施の形態で示した投影露光装置を用いて、図18(a)に示すように、第1の投影体148(1)を形成する。その後、例えば、第1の実施の形態の第2のステップと同様の処理を行い、投影体149a(1)と投影体149b(1)との位置を記憶させる。次いで、第1の実施の形態の第3のステップと同様の処理によって、投影体149c(1)の位置が、記憶させた投影体149a(1)の位置と一致するように、かつ、投影体149d(1)の位置が、記憶させた投影体149b(1)の位置と一致するように、感光基板の位置を調節する。さらに、第1の実施の形態の第4のステップと同様の処理によって、図18(b)に示すように、第1の投影体148(2)を形成する。
上述したように、投影体148の特徴的な箇所、例えば、端部や角、その他の明確に区別できる箇所を、レチクル基準マークの投影体と扱うのが好ましい。このようにすることで、投影体148を顕微鏡150によって撮像して、レチクル基準マークの投影体として検出する工程を容易にすることができる。
この第5の実施の形態によれば、レチクル基準マークをレチクルに別個に形成する必要がなくなるため、レチクルの設計や製造を容易にすることができるとともに、レチクルにおけるパターンを形成できる領域を広げることができるので、レチクルを有効に活用することができる。また、レチクル基準マークを形成する領域を確保する必要がないので、レチクルを小さくすることもできる。
本発明の第1の実施の形態による投影露光装置100を示す斜視図である。 レチクル160の例を示す平面図である。 第1の実施の形態による投影露光装置100の位置検出と撮像データ処理と位置制御との主要な機能の概略を示す機能ブロック図である。 感光基板140の具体的な構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による投影露光装置100を用いて、パターンの投影体とレチクル基準マークの投影体とを感光基板140に形成する手順を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態による投影露光装置100を用いて形成されるパターンの投影体とレチクル基準マークの投影体との概略を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による投影露光装置200を示す斜視図である。 第2の実施の形態による投影露光装置200の位置検出と撮像データ処理と位置制御との主要な機能の概略を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態による投影露光装置200を用いて、パターンの投影体とレチクル基準マークの投影体とを感光基板140に形成する手順を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による投影露光装置200を用いて形成されるパターンの投影体とレチクル基準マークの投影体との概略を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による投影露光装置300を示す斜視図である。 第3の実施の形態による投影露光装置300の位置検出と撮像データ処理と位置制御との主要な機能の概略を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態による投影露光装置300を用いて、パターンの投影体とレチクル基準マークの投影体とを感光基板140に形成する手順を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態による投影露光装置300を用いて形成されるパターンの投影体とレチクル基準マークの投影体との概略を示す図である。 ディストーションの概略を示す図である。 樽型のディストーションが生じたときに行う位置の補正の概略を示す図である。 糸巻き型のディストーションが生じたときに行う位置の補正の概略を示す図である。 第5の実施の形態によって形成されるパターンの投影体とレチクル基準マークの投影体との1つの例を示す図である。
符号の説明
100 投影露光装置
110 光源
114 投影レンズ
130 ワーク載置ステージ(位置決め手段)
132 X方向移動用ステージ(位置決め手段)
134 Y方向移動用ステージ(位置決め手段)
136 θ方向移動用ステージ(位置決め手段)
138 テーブル(位置決め手段)
140 感光基板(被露光体)
148(1),148(2) パターン166の投影体(投影体、パターン投影体)
149a(1),149a(2) レチクル基準マーク168aの投影体(投影体、第1のレチクル基準マーク投影体)
149b(1),149b(2) レチクル基準マーク168bの投影体(投影体、第1のレチクル基準マーク投影体)
149c(1),149c(2) レチクル基準マーク168cの投影体(投影体、第2のレチクル基準マーク投影体)
149d(1),149d(2) レチクル基準マーク168dの投影体(投影体、第2のレチクル基準マーク投影体)
152a,152b 撮像部(基準位置検出手段、光学検出手段)
152c,152d 撮像部(基準位置検出手段、光学検出手段)
154 第1の撮像素子集合体(基準位置検出手段)
156 第2の撮像素子集合体(基準位置検出手段)
160 レチクル
166 パターン(被投影体、被転写パターン)
168a、168b レチクル基準マーク(被投影体、第1のレチクル基準マーク)
168c、168d レチクル基準マーク(被投影体、第2のレチクル基準マーク)
172 送りローラ(位置決め手段)
174 引き取りローラ(位置決め手段)
180 感光フィルム(被露光体)
182(1)、182(2)、182(3) パターン166の投影体(投影体、パターン投影体)
190 撮像データ処理部(位置補正手段)
192 撮像処理部
194 演算処理部
196 基準位置記憶手段
198 位置制御手段
199,199’ 位置決め手段
200 投影露光装置
300 投影露光装置
P1 レチクル基準マーク168aと168cとの間隔、レチクル基準マーク168bと168dとの間隔(所定の距離に基づいた間隔)
P1’ 送りピッチ(所定の距離)
P2 レチクル基準マーク168aと168bとの間隔、レチクル基準マーク168cと168dとの間隔(所定の距離に基づいた間隔)
P2’ 送りピッチ(所定の距離)

Claims (6)

  1. 露光光を発する光源と、被投影体が形成されたレチクルと、を含み、被露光体を所定の距離ごとに移動させて、前記被投影体に対応した投影体を前記露光光によって前記被露光体に形成する投影露光装置であって、
    前記被投影体は、被転写パターンと、前記被転写パターンの基準位置を示す第1のレチクル基準マーク及び第2のレチクル基準マークと、を含み、かつ、
    前記第1のレチクル基準マークと前記第2のレチクル基準マークとは、前記所定の距離に基づいた間隔を有し、かつ、
    前記被露光体は、前記露光光によって感光する感光性の感光材を含み、かつ、前記露光光によって前記被投影体の像が投影されることにより、前記被転写パターンの像に対応したパターン投影体と、前記第1のレチクル基準マークの像に対応した第1のレチクル基準マーク投影体と、前記第2のレチクル基準マークの像に対応した第2のレチクル基準マーク投影体と、を前記投影体として形成でき、
    前記被露光体に形成された前記第1のパターン基準マーク投影体の位置と、前記被露光体に形成された前記第2のパターン基準マーク投影体の位置とを検出する基準位置検出手段と、
    前記被露光体を前記所定の距離ごとに移動させるとともに、前記第1のパターン基準マーク投影体の位置に対して、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置が、所定の位置関係になるように、前記被露光体を位置づける位置決め手段と、を含むことを特徴とする投影露光装置。
  2. 前記基準位置検出手段によって検出された前記第1のパターン基準マーク投影体の位置が記憶される基準位置記憶手段と、
    前記基準位置記憶手段に記憶された前記第1のパターン基準マーク投影体の位置と、前記基準位置検出手段によって検出された前記第2のパターン基準マーク投影体の位置と、に基づいて、前記第1のパターン基準マーク投影体の位置に対して、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置が、前記所定の位置関係になるように、前記位置決め手段を制御する位置制御手段と、を含む請求項1記載の投影露光装置。
  3. 前記露光光によって前記被投影体の像を前記被露光体に投影する投影レンズと、
    前記投影レンズによって生ずる前記被投影体の像のディストーションに基づいて、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置を演算し、前記第2のパターン基準マーク投影体の位置を補正する位置補正手段と、を含む請求項1記載の投影露光装置。
  4. 前記第1のレチクル基準マークと前記第2のレチクル基準マークとのうちの少なくとも一方が、前記被転写パターンに含まれる請求項1記載の投影露光装置。
  5. 前記感光材は、前記露光光の露光波長が含まれる波長の光に応答して、変色が生じ、かつ、
    前記露光光によって、前記第1のレチクル基準マークの像と前記第2のレチクル基準マークの像とが、前記被露光体に投影されたときに、投影された前記第1のレチクル基準マークの像の形状と前記第2のレチクル基準マークの像の形状とに応じて、前記被露光体が変色する請求項1記載の投影露光装置。
  6. 前記基準位置検出手段が、変色した箇所を光学的に検出する光学検出手段である請求項5記載の投影露光装置。
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