JP2007127674A - 電気光学デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低電圧で動作させることができ、複雑な駆動回路を必要とせず、高効率であり、光ファイバー等との結合損失が小さい電気光学デバイスを提供する。
【解決手段】 主光導波路3と、主光導波路から分岐された第1,第2の光導波路4,5とが形成されている電気光学基板2と、電気光学基板2の上面において、第1,第2の光導波路の少なくとも一部において、各光導波路の少なくとも一部を覆うように設けられた第1,第2の上部電極9,10と、第1,第2の上部電極9,10と対向するように第1,第2の光導波路4,5の下面側に設けられた第1,第2の下部電極7,8とを備え、第1の上部電極9と、第2の下部電極8とが同電位に、第2の上部電極10と第1の下部電極7とが同電位に接続され、第1,第2の上部電極9,10が、異なる電位に接続されるように構成されている、電気光学デバイス1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば光スイッチや光変調器などを構成するのに用いられる電気光学デバイス及びその製造方法に関し、より詳細には、主光導波路と、主光導波路の一端から分岐された第1,第2の分岐光導波路を有し、第1,第2の分岐光導波路の構成が異ならされている電気光学デバイス及びその製造方法に関する。
光通信技術に用いられる光スイッチとして、高速化を図り得るため、電気光学効果を利用した光スイッチが種々提案されている。この種の光スイッチの中でも、デジタル型のY分岐型または非対称X交叉型光スイッチが注目を集めている。これらのデジタル型の光スイッチでは、一定電圧が印加されて光経路が切り換えられた後、それ以上の電圧が印加されたとしても、その状態が保持される。このため、デジタル型の光スイッチは、動作電圧のトレランス性に優れており、かつ偏波無依存化が可能である。
しかしながら、デジタル型の光スイッチでは、動作電圧が高くなったり、素子の長さ寸法が長くなったりするという問題があった。
下記の非特許文献1には、ZカットLiNbO3単結晶基板を用いたY分岐型光スイッチが開示されている。ここでは、光導波路表面に配置された表面電極に電圧が印加される。このような表面電極を用いた場合、電気光学効果に寄与する電界は、トータルの電界Eの内、厚み方向の電界成分Ezのみである。すなわち、電場プロファイルが理想的にならないため、駆動電圧が非常に高くなるという問題があった。例えば、非特許文献1に示されている例では、偏波無依存動作を実現するに必要な電圧は、±105Vであった。
他方、下記の特許文献1には、図18及び図19に示す光変調器が開示されている。ここでは、印加電界の全ての成分が電気光学効果に寄与するようにエピタキシャル強誘電体薄膜に光導波路が形成されている。
すなわち、図18に示すように、光変調器101では、LiNbO3基板102上に、ZnO結晶からなる下部電極103が形成されている。そして、下部電極103上に、LiNbO3結晶薄膜104及びSiO2膜105が積層されている。また、上記LiNbO3結晶薄膜104において、光導波路106が設けられている。光導波路106は、主光導波路106aと、主光導波路106aから分岐された第1,第2の分岐光導波路106b,106cを有する。また、第1,第2の分岐光導波路106b,106cの主光導波路106aと反対側の端部は、主光導波路106dに接続されている。そして、第1,第2の分岐光導波路106b,106c上に、上部電極107,108がそれぞれ設けられている。
また、下記の特許文献2には、図20に示す光デバイス111が開示されている。光デバイス111では、単結晶基板112上に、エピタキシャルバッファ層113が積層されており、該エピタキシャルバッファ層113上に、エピタキシャル光導波路層114が積層されている。そして、光導波路層114上において、表面電極115,116が設けられている。
"Pigtailed Tree−Structured8×8LiNbO3 Switch Matrix with 112 Digital Optical Switctes",P.Granes trand et al,IEEE Photon. Technol. Lett.,vol.6,NO.1,pp.71−73 1994 特許第2963989号 特開2000−305117号公報
特許文献1に記載の光変調器101や特許文献2に記載されている光デバイス111では、エピタキシャル強誘電体薄膜に光導波路が形成されており、光導波路の上下に電極が配置されている。従って、光変調器101や光デバイス111では、印加電界の多くの成分が電気光学効果に寄与するため、駆動電圧を低くすることができる。
しかしながら、エピタキシャル薄膜を用いて光導波路を構成する場合、エピタキシャル薄膜を成長させる際に発生する結晶内の歪みにより、厚い膜を形成することが困難であった。そのため、例えばコア径が約10μmの光ファイバーを結合した場合、結合損失が大きくなるという問題があった。
また、エピタキシャル薄膜を形成するための格子整合条件により、利用可能な材料の組み合わせが限定されるという問題もあった。
そのため、特許文献2に記載の構成では、単結晶基板112として、Nbがドープされた高価なSrTiO3単結晶半導体基板が用いられている。しかも、下部電極の上にエピタキシャル薄膜を成長させるには、下部電極は素子全面に渡り均一なエピタキシャル膜あるいは導電性単結晶基板より構成されねばならない。
また、特許文献1では、一方の上部電極107に正電圧、他方の上部電極108に負電圧を同期させて印加しなければならなかった。
従って、特許文献1に記載の構成では、駆動回路が複雑にならざるを得ず、特許文献2に記載の構成では、一方の光導波路にのみ電圧を印加するため、動作の効率を高めることができないという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、比較的低い電圧で駆動することができ、複雑な駆動回路を必要とせず、効率を効果的に高めることが可能とされており、光ファイバー等との結合損失が小さい、電気光学デバイス及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、電気光学効果を有する電気光学基板と、前記電気光学基板において並設された第1,第2の光導波路とを備える電気光学デバイスにおいて、前記第1,第2の光導波路の少なくとも一部の上方において、第1,第2の光導波路の少なくとも一部を覆うように、前記電気光学基板の上面に設けられた第1,第2の上部電極と、第1,第2の上部電極と対向するように、第1,第2の光導波路の下方に設けられた第1,第2の下部電極とを有し、前記第1の上部電極と、前記第2の下部電極とが同電位に、第2の上部電極と、第1の下部電極とが同電位に接続され、かつ第1,第2の上部電極が異なる電位に接続されるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る電気光学デバイスのある特定の局面では、前記電気光学基板に形成された主光導波路をさらに備え、前記第1,第2の光導波路が、該主光導波路から分岐されている。
本発明に係る電気光学デバイスの他の特定の局面では、前記第1,第2の光導波路が少なくとも一部において近接されて結合されている。
本発明に係る電気光学デバイスのある特定の局面では、前記第1の上部電極と前記第1の下部電極とが第1の光導波路を介して対向している部分と、第2の上部電極と第2の下部電極とが第2の光導波路を介して対向している部分とが厚み方向において逆方向の電界を印加されるように構成されている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに他の特定の局面では、前記第1の上部電極と、前記第2の下部電極とが正または負の極性を有するように電圧が印加され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とがグラウンド電位に接続されるように構成されている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、前記第1の上部電極と前記第2の下部電極とに正または負の電圧が印加され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とがグラウンド電位に接続されている状態と、前記第1の上部電極と前記第2の下部電極とがグラウンド電位に接続され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とに正または負の電圧が印加される状態とを切りかえられるように構成されている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに他の特定の局面では、前記電気光学基板の下面に設けられたバッファ層をさらに備え、該バッファ層の下面に前記第1,第2の下部電極が形成されている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、前記バッファ層の下面側から該バッファ層に積層されており、前記電気光学基板よりも厚みの厚いベース基板がさらに備えられている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、前記第1の上部電極と第1の下部電極とが対向している領域及び第2の上部電極と第2の下部電極とが対向している領域における動作時の光強度が最大である電気光学基板内の高さ位置と電気光学基板の上面との距離と、前記電気光学基板の厚みのとの比が0.925以下、好ましくは0.637以上、より好ましくは、0.725〜0.845とされている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、前記電気光学基板の光学軸が、該電気光学基板の厚み方向とされている。
本発明に係る電気光学デバイスでは、上記電気光学基板は、好ましくはニオブ酸リチウム単結晶基板により構成されている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、第1,第2の光導波路が、金属イオンの熱拡散により形成された拡散型光導波路である。
本発明に係る電気光学デバイスでは、好ましくは、電気光学基板の厚みは40μm以下、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは11〜19μmの範囲とされる。
本発明の電気光学デバイスのさらに他の特定の局面では、前記第1,第2の光導波路の一方端部が第1,第2の入力ポートとされ、第1,第2の光導波路の他方端部が第1,第2の出力ポートとされ、それによって光学スイッチが構成されている。
本発明の電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、前記第1,第2の光導波路がY分岐型あるいはX交差型の光導波路を構成しており、それによりデジタル型の光学スイッチが構成されている。
本発明に係る電気光学デバイスのさらに別の特定の局面では、電気光学効果により第1,第2の光導波路の屈折率が異ならされ、それによって光変調器が構成されている。
本発明に係る電気光学デバイスの製造方法は、並設された第1,第2の光導波路を有する電気光学デバイスの製造方法であって、前記第1,第2の光導波路を有する電気光学基板を用意する工程と、前記電気光学基板の下面側において、前記第1,第2の光導波路の少なくとも一部において、光導波路の少なくとも一部を覆うように第1,第2の下部電極を形成する工程と、電気光学基板の上面に第1,第2の上部電極を、前記第1,第2の下部電極と厚み方向に対向するように形成する工程とが備えられる。
本発明に係る電気光学デバイスの製造方法のさらに他の特定の局面では、前記第1,第2の下部電極を覆うように前記電気光学基板の下面に、該電気光学基板よりも厚みが厚いベース基板を貼り合わせる工程と、前記電気光学基板の厚みを減らすように電気光学基板を研磨する工程とがさらに備えられる。
本発明に係る電気光学デバイスの製造方法のさらに他の特定の局面では、前記第1,第2の下部電極を形成するに先立ち、前記電気光学基板の下面にバッファ層を形成し、該バッファ層の下面に第1,第2の下部電極が形成される。
本発明に係る電気光学デバイスでは、第1,第2の光導波路の少なくとも一部において、各光導波路をはさむように、第1,第2の上部電極と、第1,第2の下部電極とが設けられており、第1の上部電極と、第2の下部電極とが同電位に、第2の上部電極と第1の下部電極とが同電位に接続され、かつ第1,第2の上部電極が異なる電位に接続されるように構成されているため、複雑な駆動回路を必要とすることなく、比較的低電圧で駆動でき、かつ高効率であり、光ファイバー等との結合に際しての結合損失が小さい電気光学デバイスを提供することができる。
また、本発明において、主光導波路がさらに備えられており、第1,第2の光導波路が主光導波路から分岐されている構造では、上記第1,第2の光導波路が分岐された構造を有する光スイッチや光変調器を構成することができる。
さらに、本発明において、第1,第2の光導波路が少なくとも一部において近接された結合されている構造では、第1,第2の光導波路が結合されている光スイッチや光変調器を本発明に従って提供することができる。
本発明において、第1の上部電極と第1の下部電極とが第1の光導波路を介して対向している部分と、第2の上部電極と第2の下部電極とが第2の光導波路を介して対向している部分とが厚み方向において逆方向の電界を有するように構成されている場合には、比較的低い印加電圧で両対向部分に充分な強度の電界が形成される。
第1の上部電極と、第2の下部電極とが正または負の極性を有するように電圧が印加され、第2の上部電極と第1の下部電極とがグラウンド電位に接続されている場合には、第1の上部電極と第2の下部電極とに印加する電圧の極性を変更することにより、本発明に従って高効率の光スイッチなどを容易に提供することができる。
また、前記第1の上部電極と前記第2の下部電極とに正または負の電圧が印加され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とがグラウンド電位に接続されている状態と、前記第1の上部電極と前記第2の下部電極とがグラウンド電位に接続され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とに正または負の電圧が印加される状態とを切りかえられるように構成されている場合には、上記のように切りかえられる高効率の光スイッチを提供することができる。
電気光学基板の下面にバッファ層が設けられており、バッファ層の下面に第1,第2の下部電極が形成されている場合には、電気光学基板の下面に直接第1,第2の下部電極が形成された場合に生じる挿入損失の悪化を防ぐことができる。
バッファ層の下面側からバッファ層に積層されており、電気光学基板よりも厚みの厚いベース基板がさらに備えられている場合には、該ベース基板により機械的強度が高められる。また、ベース基板に支持された状態で電気光学基板の加工等を行うことができる。
第1の上部電極と、第1の下部電極とが対向している領域及び第2の上部電極と第2の下部電極とが対向している領域における動作時の光強度が最大である電気光学基板内の高さ位置と電気光学基板の上面との距離と、電気光学基板の厚みとの比が0.925以下とされている場合には、従来の電気光学デバイスに比べてより低電圧で動作され得る電気光学デバイスを提供することができる。特に、上記比率が0.637以上、より好ましくは0.725以上、0.845以下である場合には、コア径10μm程度の光ファイバーとの結合損失が少ない電気光学デバイスを提供することができる。
電気光学基板の光学軸が、電気光学基板の厚み方向とされている場合には、本発明に従って低電圧で動作可能な電気光学デバイスを提供することができる。
電気光学基板が、ニオブ酸リチウム単結晶基板により構成されている場合には、電気光学効果が大きく、かつ低電圧で動作可能であり、安価な電気光学デバイスを提供することができる。
光導波路が、金属イオンの熱拡散により形成された拡散型光導波路である場合には、電気光学効果が大きく、かつ低電圧で動作可能であり、安価な光導波路を本発明に従って構成することができる。
電気光学基板の厚みが40μm以下である場合には、より一層低電圧で動作可能な電気光学デバイスを提供することができる。
電気光学基板の厚みが8μm以上である場合には、コア径10μmの光ファイバーとの結合損失の小さい電気光学デバイスを提供することができる。
特に、電気光学基板の厚みが11〜19μmの範囲とした場合には、コア径10μm以下の光ファイバーとの結合損失をより一層小さくすることができる。
第1,第2の光導波路の一方の端部が入力ポートとされており、第1,第2の光導波路の他方の端部がそれぞれ出力ポートとされている場合には、本発明に従って、低電圧で動作され得る光学スイッチを提供することができる。
また、第1,第2の光導波路がY分岐型あるいはX交差型の光導波路を構成している場合には、このような光導波路を有するデジタル型の光学スイッチを本発明に従って提供することができる。
第1,第2の光導波路において電気光学効果により屈折率が異ならされる場合には、本発明に従って、低電圧で動作され得る光変調器を提供することができる。
本発明に係る電気光学デバイスの製造方法では、第1,第2の光導波路を有する電気光学基板を用意した後、電気光学基板の下面側において、第1,第2の下部電極を形成し、電気光学基板の上面に第1,第2の上部電極を形成することにより、本発明に係る低電圧で動作可能な高効率の電気光学デバイスを提供することができる。
特に、第1,第2の下部電極を覆うように、電気光学基板の下面にベース基板を貼り合わせた後、厚みを減らすように電気光学基板を研磨する各工程を備える場合には、ベース基板により補強されるので、電気光学基板の厚みを薄くすることができる。
また、第1,第2の下部電極に先立ち、電気光学基板の下面にバッファ層を形成し、バッファ層の下面に第1,第2の下部電極を形成する場合には、電気光学基板の下面に直接第1,第2の下部電極が形成された場合に生じる挿入損失の悪化を防ぐことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気光学デバイスの斜視図であり、図2は図1のA−A方向から見た断面図である。電気光学デバイス1では、光スイッチが構成されている。この電気光学デバイス1は、矩形板状の電気光学基板2を有する。電気光学基板2は、Zカット−LiNbO3単結晶基板により構成されている。電気光学基板2には、端面2a側から中央に向かって延びるように主光導波路3が構成されている。主光導波路3の端面2a側とは反対側の端部は、第1,第2の光導波路としての第1,第2の分岐光導波路4,5に連ねられている。第1,第2の分岐光導波路4,5は、主光導波路3に連ねられており、第1,第2の分岐光導波路4,5の主光導波路3と連ねられている側とは反対側の端部は、それぞれ、端面2bに至っている。図1から明らかなように、第1,第2の分岐光導波路4,5は電気光学基板2において並設されている。
上記主光導波路3及び第1,第2の分岐光導波路4,5は、電気光学基板2にTiやZnなどの金属イオンを熱拡散することにより構成されている。
本実施形態では、光スイッチを形成するために、図1に示す平面形状の主光導波路3及び第1,第2の分岐光導波路4,5が形成されているが、電気光学デバイスの種類に応じて、様々な平面形状の第1,第2の分岐光導波路及び導波路を形成することができる。また、特定の偏光に対してのみ動作する光変調器などを作製する場合には、異常光線に対する屈折率のみが高くなるプロトン交換法などにより、導波路を形成してもよい。
図1に示すように、電気光学基板2の下面には、バッファ層6が形成されている。本実施形態では、バッファ層6は、SiO2薄膜により形成されている。バッファ層6は、電気光学基板の下面に直接第1,第2の下部電極が形成された場合に生じる挿入損失の悪化を防ぐために設けられている。
バッファ層6の下面には、下部電極7,8が形成されている。下部電極7,8は、上方に位置する第1,第2の分岐光導波路4,5の少なくとも一部にそれぞれ対向するように形成されている。第1,第2の下部電極7,8は、本実施形態では、Alにより形成されている。もっとも、Al以外の適宜の金属材料により下部電極7,8を形成することができる。
他方、電気光学基板2の上面においては、第1,第2の下部電極7,8と対向するように、第1,第2の上部電極9,10が形成されている。第1,第2の上部電極9,10は、Alにより構成されているが、第1,第2の下部電極7,8と同様に、適宜の金属材料により構成され得る。
上記のように、第1,第2の上部電極9,10は、第1,第2の下部電極7,8と対向するように形成されている。言い換えれば、第1,第2の分岐光導波路4,5の少なくとも一部が、それぞれ、第1の下部電極7と第1の上部電極9、及び第2の下部電極8と第2の上部電極10とにより挟まれた構造を有する。
なお、本実施形態では、第1,第2の下部電極7,8及び第1,第2の上部電極9,10は、第1,第2の分岐光導波路4,5だけでなく、主光導波路3の一部の上方または下方にも至るように形成されているが、第1,第2の下部電極7,8及び第1,第2の上部電極9,10は、主光導波路3の上方または下方に至るように形成されている必要は必ずしもない。
電気光学基板2の下面側には、バッファ層6の下面に、さらにベース基板11が貼り合わされている。本実施形態では、ベース基板11は、Zカット−LiNbO3単結晶基板により構成されている。なお、ベース基板11は、電気光学デバイス1において必ずしも設けられずともよい。もっとも、後述の製造方法から明らかなように、ベース基板11を用いることにより電気光学基板2の厚みを薄くし、それによって高効率の電気光学デバイス1をより一層容易に製造することができる。
次に、上記電気光学デバイス1の製造方法の一例を図3を参照しつつ説明する。ここでは、厚み0.5mmのZカット−LiNbO3単結晶基板を電気光学基板材料として用意し、Tiの熱拡散により、主光導波路3及び分岐光導波路4,5を形成した。なお、主光導波路3及び分岐光導波路4,5を形成するための、
Ti熱拡散前の厚みは60nmとした。また、主光導波路3及び分岐光導波路4,5のいずれも、幅方向寸法は7μmとなるように構成した。さらに、第1,第2の分岐光導波路4,5間の分岐角度θ(図1参照)は、0.1度とした。すなわち、図1では、分岐角度θは理解を容易とするために、大きく図示されているが、実際には、0.1度と非常に小さくされている。
上記のような主光導波路3及び分岐光導波路4,5の形成に際しては、Tiを1050℃の温度で8時間熱拡散することにより行った。
次に、上記電気光学基板材料の上面に、SiO2からなる厚み0.3μmのバッファ層6をスパッタ法により形成した。さらに、バッファ層6の上面に、Alからなる下部電極7,8をリフトオフ法により形成した。なお、下部電極7,8の長さ方向寸法すなわち、主光導波路3の長さ方向に沿う寸法は10mm、幅方向寸法は30μm、第1,第2の下部電極7,8間の間隔は2μmとした。
次に、上記下部電極7,8を形成した後、厚み0.5mmのZカット−LiNbO3単結晶基板からなるベース基板11をバッファ層6上に貼り合わせた。
しかる後、ベース基板11の貼り合わせにより補強した後、電気光学基板材料を厚み12μmとなるように研磨した。このようにして図1に示すように、厚み12μmと非常に薄い電気光学基板2を形成した。なお、図3では、全体が上下逆転して示されている。しかる後、図3に示す状態から電気光学基板2を上記のように研磨した後、上下を逆転し、第1,第2の上部電極9,10を形成し、電気光学デバイス1を得た。
上記電気光学デバイス1では、図2に示すように、第1の下部電極7と、第2の上部電極10とをグラウンド電位に接続した状態で、第1の上部電極9及び第2の下部電極8に正の電圧を印加すると、図2に矢印で示す電界が生じる。すなわち、第1の下部電極7と、第1の上部電極9とが対向している部分では、下向きの矢印で示す方向の電界が生じ、他方、第2の下部電極8と第2の上部電極10とが対向している部分では、上向きの矢印で示す方向の電界が生じる。下向きの方向の電界と、上向きの方向の電界は同時に生じる。
その結果、第1の下部電極7と第1の上部電極9とが対向している部分、すなわち、第1の分岐光導波路4側の屈折率が高まることになる。他方、第2の下部電極8と第2の上部電極10とが対向している部分に挟まれた第2の分岐光導波路5の屈折率は低下することとなる。そのため、主光導波路3から入射した入射光は、第1の分岐光導波路を通過し、第1の分岐光導波路4の出力端である第1の出射ポートから出射される。すなわち、第1の分岐光導波路4の端面2bに至っている部分である第1の出射ポートから光が出射されることとなる。
逆に、第1の上部電極9と、第2の下部電極8とにマイナスの電圧を印加した場合には、図2に示した方向と逆方向に電界が生じる。従って、その場合には、第2の分岐光導波路の屈折率が上昇し、第2の分岐光導波路5の出力端である第2の出射ポートから光が出射されることになる。すなわち、第1の上部電極9と第2の下部電極8とに印加する電圧の極性を切り換えることにより、主光導波路3から入射された光の経路を変えることができる。
なお、上記印加される電圧の向きと、屈折率変化の関係は、電気光学基板のZ軸の向きによって異なる。Z−LiNbO3単結晶基板では、TE光を制御するための電気光学定数r13が、TM光を制御するための電気光学定数r33よりも小さい。従って、TE光をスイッチングするための電圧は高くなる。よって、本実施形態で構成される光スイッチを、偏光無依存性を有するように動作させるには、TE光を制御するのに必要な電圧を印加しなければならない。
図4は、TE光に対する印加電圧と、第1,第2の出射ポートにおける光損失との関係を示す図である。なお、入射光の波長は1.55μmとした。図4における光損失0dBとは、入射ポートに結合される光ファイバーと出射ポートに結合される光ファイバーとを電気光学デバイス1を介さずに直結させたときの光損失に相当する。なお、ここでは、正の極性の電圧が印加されているため、第1の出射ポートがオン状態となる。図4から明らかなように、印加電圧が約+24Vの場合に、第1の出力ポートと、第2の出力ポートとにおける光出力の比が15dBとなることがわかる。なお、図面は省略するが、印加電圧を約−24Vとした場合には、逆に、第2の出射ポートがオン状態となり、その場合の第2の出力ポートと、第1の出力ポートとの光出力の比は同様に15dBとなることが確かめられた。
すなわち、±24V電圧を印加することにより、オン状態にある出力ポートと、オフ状態にある出力ポートにおける光出力比が15dBとなる偏光無依存性の光スイッチング動作を実現し得ることがわかる。
比較のために、例として、図5及び図6に示すデジタル光スイッチを作製した。この比較例のデジタル光スイッチ91では、電気光学基板92上に、バッファ層93が形成されており、バッファ層93上に、第1,第2の表面電極94,95が形成されている。電気光学基板92内には、主光導波路96と、第1,第2分岐光導波路97,98とが構成されている。
ここで、電気光学基板92を構成する材料、主光導波路96及び分岐光導波路97,98、バッファ層93の材料及び厚みは、上記実施形態の電気光学デバイス1と同様とした。また、第1,第2の表面電極94,95は、実施形態の第1,第2の上部電極9,10と同様に構成した。但し、光スイッチ91では、電気光学基板92として、厚み0.5mmのZカット−LiNbO3基板を用いた。すなわち、このような厚みの厚い電気光学基板92に主光導波路96及び第1,第2の分岐光導波路97,98を形成した後、バッファ層93及び表面電極94,95を形成した。
光スイッチ91において、第2の表面電極95を図6に示すようにグラウンド電位に接続し、第1の表面電極94に正あるいは負の電圧を印加することにより、光の経路を切り換えることができる。すなわち、第1の表面電極94に正の電圧を印加することにより、図6に矢印で示すように電界が生じる。従って、第1の分岐光導波路の屈折率が低下し、第2の分岐光導波路98の屈折率が高まり、第2の分岐光導波路98側に光が伝搬することとなる。
逆に、第1の表面電極94に負の電圧を印加した場合には、第1の分岐光導波路97側に光を伝搬させることができる。光スイッチ91のTE光に対する印加電圧と、第1,第2の分岐光導波路97,98の出力端である第1,第2の出射ポートにおける光損失の関係を図7に示す。図7から明らかなように、オン状態にある第2の出射ポートの光出力と、オフ状態にある第1の出射ポートにおける光出力との比を15dBとするには、約40Vの電圧が必要となることがわかる。すなわち、図4と図7との比較から明らかなように、上記実施形態の電気光学デバイス1では、比較例の光スイッチ91に比べて、動作電圧を60%に低減し得ることがわかる。
次に、上記実施形態の電気光学デバイス1と同様にして、但し電気光学基板の厚みを種々異ならせ、複数種の電気光学デバイスを作製し、その動作電圧を求めた。図8の□は、電気光学基板の厚みと動作電圧との関係を示す。図8から明らかなように、電気光学基板の厚みが50μmよりも厚い場合には、表面電極のみを備えた比較例の動作電圧と同程度(約40V)であるが、厚みが40μm以下となると、後述の図10における厚み比率では0.925以下であれば、電気光学基板が薄くなるほど、低電圧でスイッチングが可能であることがわかる。
他方、図8の○は、入力側光ファイバーと主光導波路の入力端である入射ポートとの結合損失と、出射ポートと出射側光ファイバーとの結合損失とを合算した全体としての結合損失の基板厚みに対する依存性を示している。なお、入射側光ファイバー及び出射側光ファイバーのコア径はいずれも10μmとした。また、図9は、図8の上記結合損失と電気光学基板の厚みとの関係の要部を拡大して示す図である。
図8及び図9に示した結果では、横軸は、電気光学基板の厚み、すなわち厚みの絶対値とされていた。これに対して、図10及び図11は、図8及び図9に示した結果を、それぞれ、横軸を光強度最大値/基板厚みと規格して書き直した図である。ここで、光強度最大値/基板厚みとは、光強度が最大値である電気光学基板内の高さ位置と電気光学基板の上面との距離の電気光学基板の厚みに対する比率をいうものとする。
図8及び図9から明らかなように、電気光学基板の厚みが8μmよりも薄い場合、また、図10及び図11では上記厚み比率が0.637よりも小さい場合、光ファイバーとの結合損失は急激に悪化している。もっとも、光ファイバーと入射ポート及び出射ポートとの間に、光学レンズなどを配置すれば、結合損失の悪化を抑制することができる。
さらに、電気光学基板の厚みが8μm以上すなわち、上記厚み比率が0.637以上であれば、コア径10μmの入出力側光ファイバーと入射ポート及び出射ポートとの間の結合損失は、実用レベルである2dB以下となることがわかる。このため、電気光学基板の厚みを8μm以上すなわち上記厚み比率を0.637以上とすれば、上記光学レンズなどを省略することができ、安価な端面直接結合法を用いて、低損失の電気光学装置を実現し得ることがわかる。
さらに、図9,図11から明らかなように、電気光学基板の厚みが11μm以上、19μm以下の範囲すなわち、上記厚み比率が0.725〜0.845の範囲であれば、動作電圧が低く、かつ比較例に比べて非常に低損失の電気光学デバイスを実現し得ることがわかる。
上記のように、電気光学基板の厚みを選択することにより、言い換えれば、電気光学基板内の光強度が最大となる高さ位置の電気光学基板の厚みに対する比率を制御すれば上記のような効果が得られるのは以下の理由によると考えられる。一般に、金属イオンの熱拡散により形成された光導波路では、屈折率変化を与える金属イオン濃度は、電気光学基板の深さ方向に対して指数関数的に減少する。従って、図12に示すように、導波モードの光界分布は、深さ方向に対して非対称な分布となる。これに対して、光ファイバーの導波モードは対称、すなわちガウス分布であるため、図12のような光界分布を有する電気光学基板を光ファイバーと結合した場合、結合損失は大きくなる。しかしながら、電気光学基板の厚みを、上記特定の範囲とすれば、図13に示すように、光導波路の導波モードは、厚み方向の閉じ込めが強くなった対称な光界分布に近づくため、光ファイバーとの結合損失が小さくなっていると考えられる。
なお、図12,図13では、電気光学基板に金属イオンを熱拡散させた面を基板表面としているが、図1に示す実施形態では、この面が電気光学基板の下面となっている。
なお、上記実施形態では、Y分岐型の光スイッチが構成されていたが、図18に示した電気光学デバイスと同様に、第1,第2の分岐光導波路の出力側が接続されて、第2の主光導波路に連ねられている導波路を形成してもよい。その場合には、第1,第2の分岐光導波路に加わる電界を制御することにより、本発明に従って、低電圧で動作可能な光変調器を構成することができる。
上述してきた実施形態では、電気光学基板に主光導波路と、主光導波路に接続された第1,第2の分岐光導波路とが設けられていた。本発明は、このように、第1,第2の光導波路として、分岐された第1,第2の分岐光導波路を有するものに限定されるものではない。すなわち、第1,第2の光導波路は、主光導波路から分岐されている必要は必ずしもなく、第1,第2の光導波路が近接されて結合されている構造であってもよい。このような第1,第2の光導波路を有する実施形態を図14及び図15を参照して説明する。
図14及び図15に示す電気光学デバイス21は、第1,第2の光導波路からなる方向性結合器を利用した光スイッチである。
電気光学デバイス21は、矩形板状の電気光学基板22を用いて構成されている。この電気光学基板22の下面には、バッファ層26及びベース基板31が積層されており、電気光学基板22、バッファ層26及びベース基板31は、第1の実施形態の電気光学基板2、バッファ層6及びベース基板11と同様に構成されている。
他方、電気光学基板22においては、第1,第2の光導波路24,25が構成されている。本実施形態では、第1,第2の光導波路24,25は、図示のように一部において近接され、該近接される部分において結合されている。すなわち、第1,第2の光導波路24,25は、方向性結合器を構成している。
第1,第2の光導波路24,25の各一方の端部24a,25aは、電気光学基板22の一方の端面22aに引き出されている。他方、光導波路24,25の他方端部は、電気光学基板22の端面22aとは対向している反対側の端面22bに至っている。電気光学基板22の長さ方向中央において、第1,第2の光導波路24,25が上記のように近接されている。
上記第1,第2の光導波路24,25は、電気光学基板22に、TiやZnなどの金属イオンを熱拡散することにより形成され得る。
また、上記第1の光導波路24及び第2の光導波路25が近接されている部分において、第1,第2の光導波路24,25の上方には、第1,第2の上部電極29,30が形成されている。また、第1,第2の光導波路24,25の下方には、第1,第2の上部電極29,30と対向するように第1,第2の下部電極27,28が形成されている。第1,第2の上部電極29,30及び第1,第2の下部電極27,28は、第1の実施形態の第1,第2の上部電極9,10及び第1,第2の下部電極7,8と同様の材料で同様にして形成される。
また、電極光学デバイス21は、上記のように第1,第2の光導波路24,25が形成されていることを除いては、第1の実施形態の電気光学デバイスと同様の製造方法により製造され得る。
本実施形態の電気光学デバイス21では、第1,第2の光導波路24,25の一方の端部24a,25aが、第1,第2の入力ポート、第1,第2の光導波路24,25の他方の端部24b,25bが第1,第2の出力ポートとして用いられる。
図15を参照して、ごの電気光学デバイス21におけるスイッチング動作を説明する。
図15は、図14の上記上部電極29,30及び下部電極27,28が設けられている部分の横断面図である。
今、第1の上部電極29と、第2の下部電極28とが電気的に接続されており、第2の上部電極30と第1の下部電極27とが電気的に接続されている。
上部電極29,30及び下部電極27,28を用いて電圧が印加されていない場合には、第1の入力ポートである第1の光導波路24の端部24aから入射された光は、上記方向性結合器を構成している部分において、第2の上部電極30と第2の下部電極28とに挟まれている第2の光導波路25側に光パワーが移行するように構成されている。そして、第2の光導波路25の端部25bである第2の出力ポートから出射されるように構成されている。
すなわち、印加電圧が0Vのときには、第1の出力ポートがオフ状態であり、第2の出力ポートがオン状態とされる。
この光スイッチにおいて、図15に示されているように、第2の上部電極30と第1の下部電極27とをアース電位に接続し、第1の上部電極29と第2の下部電極28に正の電圧V1を印加すると、図15に矢印で示されているように、第1の光導波路24が設けられている部分では下向きの電界が、第2の光導波路が構成されている部分では上向きの電界が同時に印加されることになる。これらの電界により、第1,第2の光導波路24,25を伝搬する導波光に伝搬定数差が生じ、光パワーは第1の上部電極29と第1の下部電極27とにより挟まれた第1の光導波路24を導波し、第1の出力ポートから出射されることになる。すなわち、印加電圧がV1のときには、第1の出力ポートがオン状態、第2の出力ポートがオフ状態となる。
従って、上記電圧V1の印加により、光の経路を切り換えることができ、光スイッチとして動作させることができる。
図16及び図17は、図14及び図15の比較例としての従来の光スイッチを説明するための斜視図及び横断面である。図16に示す光スイッチ121では、電気光学基板122上に、バッファ層123が形成されている。そして、電気光学基板122においては、第1,第2の光導波路124,125が、上記第1,第2の光導波路24,25と同様に設けられている。そして、バッファ層123の上面には、第1,第2の表面電極126,127が形成されている。
ここでは、例えば図17に示すように、第1の表面電極126に正の電圧を印加し、第2の表面電極127をアース電位に接地することにより、図示の矢印の方向で示す電界が生じる。この場合に、第1,第2の表面電極126,127間に加わる電圧をV2とする。すなわち、電気光学デバイス121におけるスイッチングに必要な動作電圧をV2とする。
図17に示されているように、この比較例では、光導波路124,125が構成されている部分において、電界が斜め方向に印加され、従って、電界が効率よく印加され難い。よって、上記実施形態の電気光学デバイス21におけるスイッチングに必要な動作電圧V1に比べて、上記動作電圧V2は大きくならざるを得ない。言い換えれば、上記実施形態の電気光学デバイス21によれば、比較例の従来の電気光学デバイス121に比べてスイッチングに必要な動作電圧を低減することができる。
なお、電気光学デバイス21では、第1,第2の光導波路がその一部において近接されて結合されて、光スイッチが構成されていたが、本発明においては、このように第1,第2の光導波路の一部が近接されて結合されている様々な光変調器や光スイッチに適用することができる。この場合、第1,第2の光導波路が近接されて結合されている部分は複数箇所設けられていてもよい。
また、本発明においては、光スイッチを構成する場合、第1,第2の入力ポートの内、一方のみが入力ポートとして用いられてもよく、また上述した第1の実施形態のように第1,第2の入力ポートに相当する第1,第2の分岐光導波路の入力端が主光導波路に連ねられ、1つの入力ポートとされてもよい。すなわち、、第1,第2の入力ポートは、共通化されて1つの入力ポートとされていてもよい。
本発明の一実施形態に係る電気光学デバイスの外観を示す斜視図。 図1のA−A方向から見た断面を示す断面図。 図1に示した電気光学デバイスの製造方法を説明するための斜視図。 図1に示した実施形態の電気光学デバイスにおける印加電圧と第1,第2の分岐光導波路の出力端における光損失との関係を示す図。 比較のために用意した比較例の光学スイッチを示す斜視図。 図5に示した光学スイッチの動作を説明するための模式的断面図。 比較例の光学スイッチにおける第1,第2の分岐光導波路の出力端における光損失と印加電圧との関係を示す図。 本実施形態の電気光学デバイスにおける電気光学基板の厚みと、動作電圧及び結合損失との関係を示す図。 図8の結合損失と電気光学基板の厚みとの関係の要部を拡大して示す図。 図8の横軸を光強度が最大である電気光学基板内の高さ位置と電気光学基板の厚みとの比率で書き換えた図。 図9の横軸を光強度が最大である電気光学基板内の高さ位置と、電気光学基板の厚みとの比率に書き換えた図。 電気光学基板における厚み方向の光界分布を説明するための図。 光強度が最大である位置の電気光学基板の厚みに対する比率を適切な範囲とした場合の電気光学基板における光界分布を示す図。 本発明のさらに他の実施形態に係る電気光学デバイスの斜視図。 図14に示した電気光学デバイスの第1,第2の光導波路が結合されている部分の横断面図。 比較のために用意した従来の電気光学デバイスの斜視図。 図16に示した電気光学デバイスの第1,第2の光導波路が結合されている部分を示す横断面図。 従来の光学変調器の一例を示す斜視図。 図18に示した光学変調器の側面断面図。 従来の電気光学デバイスの他の例を説明するための断面図。
符号の説明
1…電気光学デバイス
2…電気光学基板
2a…端面
2b…端面
3…主光導波路
4,5…第1,第2の分岐光導波路
6…バッファ層
7,8…第1,第2の下部電極
9,10…第1,第2の上部電極
21…電気光学デバイス
22…電気光学基板
26…バッファ層
27,28…第1,第2の下部電極
29,30…第1,第2の上部電極
31…ベース基板

Claims (23)

  1. 電気光学効果を有する電気光学基板と、
    前記電気光学基板において並設された第1,第2の光導波路とを備える電気光学デバイスにおいて、
    前記第1,第2の光導波路の少なくとも一部の上方において、第1,第2の光導波路の少なくとも一部を覆うように、前記電気光学基板の上面に設けられた第1,第2の上部電極と、
    第1,第2の上部電極と対向するように、第1,第2の光導波路の下方に設けられた第1,第2の下部電極とを有し、
    前記第1の上部電極と、前記第2の下部電極とが同電位に、第2の上部電極と、第1の下部電極とが同電位に接続され、かつ第1,第2の上部電極が異なる電位に接続されるように構成されていることを特徴とする、電気光学デバイス。
  2. 前記電気光学基板に形成された主光導波路をさらに備え、
    前記第1,第2の光導波路が、該主光導波路から分岐されている、請求項1に記載の電気光学デバイス。
  3. 前記第1,第2の光導波路が少なくとも一部において近接されて結合されている、請求項1に記載の電気光学デバイス。
  4. 前記第1の上部電極と前記第1の下部電極とが第1の光導波路を介して対向している部分と、第2の上部電極と第2の下部電極とが第2の光導波路を介して対向している部分とが厚み方向において逆方向の電界を印加されるように構成されている、請求項1〜3いずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  5. 前記第1の上部電極と、前記第2の下部電極とが正または負の極性を有するように電圧が印加され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とがグラウンド電位に接続されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  6. 前記第1の上部電極と前記第2の下部電極とに正または負の電圧が印加され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とがグラウンド電位に接続されている状態と、前記第1の上部電極と前記第2の下部電極とがグラウンド電位に接続され、前記第2の上部電極と前記第1の下部電極とに正または負の電圧が印加される状態とを切りかえられるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  7. 前記電気光学基板の下面に設けられたバッファ層をさらに備え、該バッファ層の下面に前記第1,第2の下部電極が形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  8. 前記バッファ層の下面側から該バッファ層に積層されており、前記電気光学基板よりも厚みの厚いベース基板をさらに備える、請求項7に記載の電気光学デバイス。
  9. 前記第1の上部電極と第1の下部電極とが対向している領域及び第2の上部電極と第2の下部電極とが対向している領域における動作時の光強度が最大である電気光学基板内の高さ位置と電気光学基板の上面との距離と、前記電気光学基板の厚みとの比が0.925以下とされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  10. 前記比率が0.637以上の請求項9に記載の電気光学デバイス。
  11. 前記比率が0.725以上0.845以下の請求項10に記載の電気光学デバイス。
  12. 前記電気光学基板の光学軸が、該電気光学基板の厚み方向とされている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  13. 前記電気光学基板が、ニオブ酸リチウム単結晶基板からなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  14. 第1,第2の光導波路が、金属イオンの熱拡散により形成された拡散型光導波路である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  15. 前記電気光学基板の厚みが40μm以下である、請求項13または14に記載の電気光学デバイス。
  16. 前記電気光学基板の厚みが8μm以上である、請求項15に記載の電気光学デバイス。
  17. 前記電気光学基板の厚みが11μm〜19μmの範囲にある、請求項15に記載の電気光学デバイス。
  18. 前記第1,第2の光導波路の一方端部が第1,第2の入力ポートとされており、第1,第2の光導波路の他方端部が第1,第2の出力ポートとされており、それによって光学スイッチが構成されている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  19. 前記第1,第2の光導波路がY分岐型あるいはX交差型の光導波路を構成しており、それによりデジタル型の光学スイッチが構成されている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  20. 電気光学効果により第1,第2の光導波路の屈折率が異ならされ、それによって光変調器が構成されている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の電気光学デバイス。
  21. 並設された第1,第2の光導波路を有する電気光学デバイスの製造方法であって、
    前記第1,第2の光導波路を有する電気光学基板を用意する工程と、
    前記電気光学基板の下面側において、前記第1,第2の光導波路の少なくとも一部において、光導波路の少なくとも一部を覆うように第1,第2の下部電極を形成する工程と、
    電気光学基板の上面に第1,第2の上部電極を、前記第1,第2の下部電極と厚み方向に対向するように形成する工程とを備える、請求項1に記載の電気光学デバイスの製造方法。
  22. 前記第1,第2の下部電極を覆うように前記電気光学基板の下面に、該電気光学基板よりも厚みが厚いベース基板を貼り合わせる工程と、
    前記電気光学基板の厚みを減らすように電気光学基板を研磨する工程とをさらに備える、請求項21に記載の電気光学デバイスの製造方法。
  23. 前記第1,第2の下部電極を形成するに先立ち、前記電気光学基板の下面にバッファ層を形成し、該バッファ層の下面に第1,第2の下部電極が形成される、請求項21または22に記載の電気光学デバイスの製造方法。
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