JP2007127316A - 車載用冷暖房システム。 - Google Patents

車載用冷暖房システム。 Download PDF

Info

Publication number
JP2007127316A
JP2007127316A JP2005319492A JP2005319492A JP2007127316A JP 2007127316 A JP2007127316 A JP 2007127316A JP 2005319492 A JP2005319492 A JP 2005319492A JP 2005319492 A JP2005319492 A JP 2005319492A JP 2007127316 A JP2007127316 A JP 2007127316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
refrigerant
compressor
heat
expander
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005319492A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Umetsu
健児 梅津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2005319492A priority Critical patent/JP2007127316A/ja
Publication of JP2007127316A publication Critical patent/JP2007127316A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • Y02A30/274Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies using waste energy, e.g. from internal combustion engine

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】
現在、車両の冷房ないしは冷蔵はエンジン等の出力軸からその出力の一部を利用して半密閉圧縮機を直接回転駆動させるか、又は発電機乃至は電源ラインの電力を利用して電動モータを駆動して圧縮機を回す方式が主流である。その空調装置あるいは冷凍装置の作動に必要なエネルギーはエンジン等動力装置に置ける燃料消費量等を増加させ、かつその出力増に合わせて動力装置を大容量化するなどが必要であり、製品コスト増に繋がっていた。
【解決手段】
エンジン等の出力増を必要とせずに、その通常の排熱のみにより車両の暖房と冷房乃至は冷蔵を実現する事を目指したもので、エンジン、車両用電動モータなどの排熱によりガス膨張機を作動させて冷凍サイクルの圧縮機を駆動する方式を具体的に商品化するための技術を提供する。この技術は将来発展するであろうあらゆる動力方式のあらゆる車両においても適用できる技術として確立する。
【選択図】
図2

Description

現在、エンジン乃至は車両用電動モータなどを動力装置に用いた車両及び電車の空調装置ないしは車載用冷却・冷凍装置はエンジンの出力軸からその出力の一部を利用して半密閉圧縮機を直接回転駆動させるか、又は発電機乃至はバッテリの電力を利用して電動モータを駆動して圧縮機を回す方式が主流である。何れも燃焼ガスがエンジンを駆動し、そのエンジンの出力を利用するものであり、その空調装置あるいは冷凍装置の作動に必要なエネルギーはエンジンに置ける燃料消費量を増加させ、かつその出力増に合わせてエンジンを大容量化するなどが必要であり、製品コスト増に繋がっていた。一方 最近、車の新しい駆動システムとして燃焼ガスを使うエンジンと車両用電動モータの双方を用いる所謂ハイブリッドシステム、乃至は燃料電池発電システムと車両用電動モータを用いるシステム等が動力装置として実用化されつつあり、将来の地球的社会的ニーズとしてこれ等の新しいシステムがエネルギー問題の重要な部分を担う事が期待されている。
それらの動力装置からは動力(乃至は電力)と熱が出力されるが、この両方のエネルギー割合は機器により相違するが、概ね60〜70%が熱である。一方、動力装置の排熱が暖房に使われる場合には暖房熱源として熱は極めて有効に利用されるが、夏場では、当然暖房需要が無く熱が余剰となる。そこで、本発明はその動力装置の排熱(冷却熱)を利用して液冷媒を蒸発させ、高圧ガスを発生させて、その膨張過程で膨張機を駆動しその出力で冷房・冷却・冷凍用の圧縮機を駆動する空調(冷却)方式の実用化を図るため、具体的な商品化技術を提案するものである。
これの実現により、動力装置の出力増を必要とせずにその排熱のみにより車両の暖房と冷房を実現する事を目指したものである。この技術は全ての、あらゆる動力方式の車両機器に応用できる技術、商品システムであり、実用化された時は極めて大きな、世界的な市場を形成できるものと期待される。
車両用の空調装置はエンジンの出力軸からその出力の一部を利用して半密閉圧縮機を直接回転駆動させるか、又は発電機乃至はバッテリの電力を利用して電動モータを駆動して圧縮機を回す方式が主流であることは前に述べた。何れもエンジンの出力を利用するものであり、その空調装置あるいは冷凍装置の作動に必要なエネルギーはエンジンに置ける燃料消費量を増加させ、かつその出力増に合わせてエンジンを大容量化するなどが必要であり、製品コスト増に繋がっていた。これを打開するため、エンジンの排熱を利用して空調を行うシステムが検討されている。其の主の物は排熱を利用して吸収式冷凍機を作動させるものであり、限られたスペースも車両に搭載できるような技術が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、吸収式は複雑な構成を用いているためコンパクト性、エネルギー効率、コスト増の各点で充分な方式とはいえない。また同じように排熱を利用するため冷暖房の圧縮機の補助手段として用いる技術が提案されている(特許文献2)。しかしながら、膨張機を用いていないため其の効果は限定的である。
一方、エンジンの排熱を利用して高圧蒸気を得てベーン式体積可変機を作動させ、それにより冷媒を圧縮して空調装置を作動させる方式が提案されている(特許文献3)。しかしながらこの提案ではエンジンの出力軸を外部から連結して上記ベーン式体積可変機を駆動するため、エンジン出力としては其の負荷の増加分は其の出力が大きなものが必要でありそのコスト増は避けられず、またベーン式体積可変機の一部を膨張機、一部を圧縮機として利用する構造では膨張効率及び圧縮効率の低下は避けられず、其のエネルギー効率は低い。また駆動軸を外部から連結する事による軸シール部分からの冷媒の漏洩が避けられないという問題がある。
熱源により高圧冷媒を発生させて膨張機を作動させ、其の出力により冷凍サイクルの圧縮機を駆動する方式を具体化させるには膨張機と圧縮機を含んだ膨張圧縮機システム技術が重要であり多くの提案がなされている(特許文献4、5及び6)。しかしながらこれ等の技術は本発明の基幹技術であるところの高圧ガス膨張機と電動モータの双方乃至は何れかで圧縮機を駆動する技術が含まれておらず、また膨張機の膨張後のガスと圧縮機の圧縮後のガスが合流するという基本技術が含まれていない。このため本発明のシステムに用いられる膨張圧縮機は以上の公知技術を利用した上で最適な方式を実現するための構造と技術を発明する必用がある。
熱源により高圧冷媒を発生させて膨張機を作動させ、其の出力により冷凍サイクルの圧縮機を駆動する方式を車載用の空調機器に利用する技術が、未来の燃料電池を動力装置として用いた事例の中で提案されている(特許文献7)。しかしながらこれも可能性のアイデアとしての概要が示されているのみで具体的な技術の提示がなされていない。このような状況下で、本発明によるシステムの具体化はいまだ研究段階であり、製品化に結びつける為の詳細構想、これを実現するための具体的な技術、装置の構成などが未定であり、如何に製品化するかについては多くの課題を抱えている。
一方吸収式冷凍システムを用いた方式も検討が継続されている。この方式は夏と冬の熱需要バランスの平準化には原則的には効果があり、大型の定位置設置式に適した技術であり、其の分野で実用化されている(非特許文献1)が、コンパクト化が難しい、冷房暖房の双方をシステム化する事が難しい等の理由から車載用としては根本的な課題がある。車載用にはよりコンパクトなシステムが必要であり、最近はエンジン排熱を利用したデシカント方式の冷房方式も検討され出しているが、コンパクト性、耐久信頼性、エネルギー効率、コスト、等の点でやはり多くの課題を抱えている。
100℃前後の動力装置からの出力熱を用いて、高効率を得るためになるべく高い温度で膨張機を用いたランキンサイクルを作動させ、そのエネルギーを別の冷媒回路である冷凍サイクルに伝えていく必用があり、かつまた全体をコンパクトでシンプルに構成し、その上で極めて高いエネルギー効率を達成できるシステムを実現しようとするもので、そこには従来に無い発想と技術の達成が必要になる。具体的には、動力装置は排熱温度90℃前後で作動し、冷凍サイクルに置ける冷媒の蒸発温度は10℃前後で作動する。この様な広範囲の作動温度で冷媒を作動させる機器は従来は見る事ができない。従って本発明のシステムを実現するにはこの範囲で、安定的に、高効率で作動し、今後の地球環境の視点での地球温暖化指数GWP値の小さな且つ安全な冷媒を見出す必用がある。
自然冷媒化を含めた新しい冷媒の評価検討は現在極めて精力的尚且つ広範囲に行われているが、この様な広範囲な温度領域で作動するのに適した冷媒という視点での検討、提案は殆ど見る事ができない。高温度で作動する点から、冷媒の臨界点温度が1つの重要ポイントとなる。 臨界点温度の低い冷媒では動力装置の出力温度での熱交換温度が臨界点温度を超えてしまうため、熱交換は冷媒の蒸発領域ではなく臨界点を越えた顕熱領域で行われることとなり、多くの問題が生じる。従って冷媒の臨界点温度は重要な評価ポイントとなる。
一方、最近では地球温暖化を和らげるため、空調・冷凍・冷蔵などの機器に用いられる冷媒そのものについても根本的な変革が望まれている。 このため、地球温暖化指数であるGWP値の小さな新しい冷媒を用いる事、及び封入冷媒量を少なくする事、さらに封入冷媒が機器の据え付け、使用、廃却過程で大気中に漏れないで回収されるという3つの要素を改善しようとする要求が強まってきている。冷媒の地球温暖化指数であるGWPの観点からは、従来使われてきた、塩素成分を含むもの及びフッ素成分を多く含む冷媒は除外される。従って燃え難い、科学的に安定して安全な冷媒は殆どが塩素、フッ素を含むため使用できない可能性が強い。このため自然冷媒の弱点を商品側で補える技術の出現が急務であるが、未来システムである車両用動力装置に冷凍サイクルが組み合わされ、作動冷媒を使用する事により成立するこの種の事業領域を対象とした本発明の様な新しいシステム機器には上記要請を叶えるための条件を満たす事が前提であると考えている。
特開平09−119742号公報 特開平06−88656号公報 特開平09−156358号公報 特開昭58−110885号公報 特開平08−028461号公報 特開平07−229482号公報 特開2004−60550号公報 日本建築学会偏「建築の次世代エネルギー源」井上書院 P195図11−17 システム図
本発明は車両や電車のエンジン、車両用電動モータなどの推進動力装置及び排気ガスの排熱を利用して発生させた高圧ガスを膨張させることにより得られる動力により冷却装置、即ち冷凍サイクル中の圧縮機を駆動して冷房、冷却を行う方式の車両用の冷房、冷却装置を具体的な製品化するための主要な技術に関している。この目的を実現するための基本的な課題は次のような項目である。
車両の推進動力装置から得られる排熱、軸出力、電力などのエネルギー源をどの様に組み合わせて冷却装置に利用し、そのための最適な冷却装置の構成を特定する事が必要である。
車輌の推進動力装置の方式はエンジン、車両用電動モータ、エンジンに車両用電動モータを組み合わせたハイブリッド方式、燃料電池発電と車両用電動モータを組み合わせた方式などがあり、其の何れの方式にも適用できる汎用性のある冷却装置方式を実現する事が生産性、事業性を最大化する上で重要である。従ってこの3つの方式で適用できるか否かの評価が課題となる。
動力装置即ち、エンジン、燃料電池等で、常に90℃〜100℃程度の安定した温度と量の排熱を得られる様な運転を行う事が難しいことから、これを利用した膨張・圧縮システムでは安定した冷却能力、運転効率を得ることがむつかしく、実用上で問題があった。即ち、エンジン等の動力機器が停止しているとき、作動を開始してヒートアップするまで、ヒートアップ後継続して運転、ヒートアップ後過熱状態の少なくとも4通りの運転状態での冷却装置の作動方式を明確に特定する必要がある。
排熱源を利用した膨張機と電動モータの双方を駆動動力として利用した圧縮機駆動方式での双方の組み合わせ制御方式を明確にする必用がある。
夏季の太陽光に照らされた状態で、駐車された車の社内は極めて高い温度環境にあり、それを冷却冷房するまでかなりの時間を要し、上記3)と合わせて、運転開始後しばらくの間、充分な冷房冷却効果が得られ憎い。
動力装置自体の冷却機構と、車両冷却装置の冷却機構との関連、整合、両立の最適化が必要である。
車両冷却装置は其の設置スペースの制約から、極めてコンパクトである事が必要であり、かつ単独でサービスとメンテナンスがし易い、即ち車両や車両推進動力装置と分離しやすい構成である事が極めて重要である。
8)膨張機回路と冷凍サイクルに用いる冷媒の選定は全体システムの性能、安定的作動、安全性、環境特性などに基本的で広範囲な影響があり、どのような冷媒をどの様に使用し、安全性をどの様に確保するか、この特定をするための技術の確立が必要である。
冷媒に関するGWPの観点からは、従来使われてきた塩素成分を含むもの及びフッ素成分を多く含む冷媒は除外される。従って燃え難い、科学的に安定して安全な冷媒は殆どが塩素、フッ素を多く含むため使用できない可能性が強い。このため自然冷媒を使用する商品側での自然冷媒の弱点を補える改善が急務であるが、以上のような新しい冷媒使用の条件に沿って、この考案のシステムに取り込む事ができる新しい技術を確立する事が課題となる。
上記の課題を統合的に解決するためには全体の基幹制御システムの構築が必要であり、其のための基本的な制御項目の明確化と技術の確立が課題となる。
動力装置の排熱を用いたエネルギー効率の良い冷房(冷却)と暖房(加熱)を簡単な構成のシステムで安定した状態で実現する方法は未だ確立されていない。この実現こそが最終の課題である。
以上、具体的な課題をリストアップしたが、このシステムを実用化、製品化できるコスト、装置の大きさ、長期信頼性、地球環境的安全性を持って実現化できる具体的構想とその具体案を提示する事も課題となる。本考案はこれ等課題に対し具体的な解決策を提案し、熱源を利用した車載用冷却機、冷房システムの実現に貢献するもので、これを実現する事は、将来の車両に搭載されて使用者にも社会的にもエネルギー負担の最も少ない冷房冷却方式の確立につながるものと期待される。
車両推進用動力装置の排熱を主体的に利用して車内居住室の空調及び荷物室の冷蔵を行う機器システムの製品化に必要な課題に対する解決手段としての各技術は順次請求項に示しておりその詳細は以下の様である。
冷却システムの基本構成が第一の発明である。第一の発明は請求項1に示す通り電動モータにより圧縮機を駆動し冷凍サイクルを作動させる方式の空調冷却システムを持つ車両を前提とし、その電動モータと共に、無駄に破棄される動力装置の排熱を利用して作動する膨張機を利用して前記圧縮機を駆動させる事により実現ができる冷却システムである。
基本構成として重視すべきポイントの一つは上記の課題項目からもわかるが、エンジン方式、車両用電動モータ方式、エンジンと車両用電動モータのハイブリッド方式、燃料電池による車両用電動モータ方式など、種々の車両推進動力装置に適用できる冷却システムである事であり、二つ目は冷媒回路中の冷媒のリークを惹起する心配のある機械的なシール部分の無い、一体の材料と熔接、ロー付けによって形成された密閉構造である事である。三つ目は冷却システムのコアとなる冷媒回路の構成構造が車両に搭載できるほどにコンパクトで簡略尚且つ信頼性の高いものであることである。四つ目は冷却システムのエネルギー効率という意味で排熱を主体に利用する方式とする事である。
これを実現する為の冷却システムをまず、基本的構成として圧縮機を作動させる動力源は圧縮機と同じく密閉構造のシェル内に組み込む事が出来る膨張機と電動モータが選択される。上記の各種動力装置で共通して得られる動力源である熱と電力から得られる駆動源を一体のシェル内に構成し、かつそれらと圧縮機を一体の軸上に連結し、かつ前記シェルは仕切り壁などの無い単一室で構成し、膨張機と圧縮機の吐出冷媒をこのシェル内に吐出させ、一体にしてシェル外に吐出させる構成とする事によりシェル内部構造の簡略化、シェル外部の冷媒回路の簡略化、騒音の低減などが実現しやすくするためである。
以上の構成で膨張機と電動モータによって圧縮機を駆動できるようにすると共に、車両推進動力装置が作動してかつその排熱が膨張機の作動に充分なレベルまで達しているか否かを判定しつつ、出来る限り電動モータの作動を停止乃至は出力を低減させて膨張機を主体的に活用して電動モータの消費電力を抑え、車両全体の高いエネルギー効率を実現するものである。第二の発明は、請求項2に示され、請求項1に対し車両用動力装置の作動状態によって電動モータによる駆動か、膨張機による駆動か、圧縮機の駆動方法の選択により明確な基準を示している。車両用動力装置が停止しているとき、乃至はそれが起動後間もなくて其の排熱温度が充分に高くなっていない時、即ち冷媒加熱用放熱器の中間温度TC基準で一定温度以下の時は電力を利用して電動モータのみによって圧縮機を駆動することができ、TCの温度が上昇してさらに高い設定温度を超えれば電動モータの作動は停止して電力の使用をできるだけ削減する。この設定温度は機種毎に最適に設計されて設定される。後述の実施例では具体例を提示する。
勿論この設定温度に厳密な温度設定をしないで、其の温度に近いゾーンは時間設定によってほとんど同様な制御ができるため、この方法でも良い。停止中などで商用電源を優先接続で供給を受ける時に冷房運転が出来る事は、車両停止して車内休息時、猛暑の中で運転開始前に車両内を冷房しておきたい時、冷蔵が必要な物品の温度を停止中も冷蔵しておきたい時などには極めて重要な機能である。この機能と下記に示す膨張機優先による省エネルギー運転の双方が選択できる事が使用者の利便性、ひいては社会的省エネルギー、地球環境保護の両方を両立させることが出来る事に繋がる。排熱を優先的に利用して前記膨張機を作動させるという具体的な意味は、動力装置の排熱を優先的に膨張機を作動させるために利用し、例えば動力装置の冷却装置は停止する事等を意味し、また圧縮機の駆動動力として電動モータよりも優先的に膨張機を選択する事を意味する。
第三の発明は請求項3で電動モータの回転数と出力を調整する事を提示している。直流乃至は商用交流電源を整流し、其の上でインバータ装置などにより必要な電圧と周波数の交流電源を電動モータに供給する。冷房乃至は冷蔵に必要な能力及び膨張機の出力状態の兼ね合いで電動モータにかかる負荷は変わる。例えば膨張機停止で高い冷房能力が必要な場合はモータ電源は高電圧高周波数に設定されて供給される。膨張機作動で高い冷房能力が必要な場合はモータ電源は低電圧高周波数に設定される。さらに膨張機作動で要求される冷房能力も通常以下、即ち車両が継続してドライブ中などの場合はモータ電源は通常オフされる。この結果、圧縮機の回転数即ち冷房乃至は冷蔵能力は最適状態に制御される。
第四の発明は請求項4に提示される。この発明は暖房方式が請求項1〜3と異なり、膨張機冷媒回路と冷凍サイクルを通して、車両の推進のために作動するエンジン乃至は燃料電池などの動力装置の排熱を暖房熱源に転換利用する方式に関する発明を提示している。即ち、動力装置の排熱は冷媒加熱用放熱器で冷媒を加熱して蒸発させる。このガス冷媒を膨張機入り口に設けた冷媒切替え制御弁をオフする事により膨張機へ導かずに、室内冷却器へのバイパス回路側をオンする事により直接に該冷却器に導入させて放熱させる。この構成により、膨張機冷媒回路と冷凍サイクルの構成のみで新たな暖房放熱回路と放熱器を設けること無しに、冷却(冷房)と加熱(暖房)を切り替えて双方を実現することができる。請求項1〜3に於いてはラジエタを持つ動力装置冷却回路と冷媒加熱用放熱器を持つ冷却システム熱源回路とは別個の車内暖房用放熱器を持つ暖房用熱源回路を設けて動力装置の排熱を暖房熱源として放熱させる構成であり、請求項4の発明ではこの構成を廃して冷却システムだけで効率よくかつ安定して冷房と暖房運転、さらには除湿運転を行う事ができるわけで、全体構成の簡略化、コスト低減に繋がる。
冷房と暖房を同じ回路構成から得る方式は、通常の空調機器が行うような冷暖房を切り替えるために冷凍サイクルに四方弁を設けて行う所謂ヒートポンプ方式があり、この方式は圧縮機を駆動して冷凍サイクルを作動させ、その中で冷暖房を切り替える方式であり、本発明のシステムにも構造上は採用可能である。しかしながらこの場合、冷凍サイクル中の凝縮放熱器は蒸発器として作動し、室外気温が5℃程度以下に降下した時には其の外表面は着霜し、凍結して継続運転が出来なくなり徐霜運転が必要となり、其の間は車内暖房の吹き出し空気温度が低下又は暖房が停止されるなど、低外気温時は暖房能力の低下は避けられないという不具合が生じる。そこでここではこの様なことの無い新しい方式を発明4として提示するもので、安定的な暖房運転、簡単な回路構成と制御方法など、この方式が優れている。後述する実施例で具体的な構成を詳しく説明する。
請求項5は圧縮機の駆動の動力として膨張機を優先して選択した時に、それを作動させるために、膨張機が自ら起動できない機構の方式である場合、例えばローリングピストン方式の膨張機である場合の起動時等、及び排熱源の温度が充分高く無くて膨張機の出力が不足しているが、他方、高い冷房能力が要望されており圧縮機を高速で回すために電動モータも補助駆動動力源として利用する必要がある場合などに対応するための技術である。この技術は実運転状態では動力装置の排熱源の温度が様々な運転状態により変化し、往々にして膨張機のみでは圧縮機を駆動しきれずブレークダウン(停止)してしまう事が発生する実態に対応するための実用上大切な技術である。実際には請求項3に示された電動モータを作動させる交流電源を膨張機のみでは不足する駆動力を適切にカバーできるようにその電圧と周波数を制御して電動モータを作動させる。このため膨張機、圧縮機、電動モータの回転体は同軸状態で一体に連結されている事が望ましい。
車両を推進する動力装置から排熱を回収する水、不凍液、乃至は二酸化炭素(CO2)などの冷却媒体の循環回路の構成と各機器における熱交換量の制御は冷却システムのみではなく、車両全体のシステムを最適に制御する上で重要であり、本発明のシステムの成否に影響する。これを解決する発明6が請求項6に示される。この前記循環回路を車外空気へ放熱するための動力装置冷却回路と車両の暖房のために排熱を供給する暖房用熱源回路と、動力装置の排熱を冷却、冷房に利用するための冷却システム熱源回路という3つの回路を別々に設定する事により全体として最適な動力装置の冷却と熱利用のシステムが実現出来る。夫々の回路には媒体を循環させるためのポンプが設置され、夫々の流量が別々に制御される。前記暖房用熱源回路と冷房または冷蔵運転用の前記冷却システム熱源回路は夫々暖房、冷房または冷蔵運転されるときにポンプが作動され、動力装置冷却回路はエンジン等の動力装置の作動温度を常に安定に制御するために運転され、循環媒体量などが制御される。請求項4の発明の場合は、暖房用熱源回路が不要になることは前に述べた。
夏の日照りが強い場所に自動車、バス等を停車させておいた状態で、乗車するときは、車両自体が極めて高温度状態に加熱されており、且つ冷房運転の立ち上がりに時間がかかるため、しばらくの間、車両内が高温度のまま車両を運転をする事になり、搭乗者には極めて不快である場合が多い。請求項2に記したようにこの間は前記電動モータにより圧縮機を駆動し、かつ比較的長い時間を最大の冷却能力での運転を行うため、この間の電動モータの消費電力は多くなる。場合によっては蓄電地の電力不足から冷却能力が不足するケースも生じてくる。この様な現象は夏の期間では比較的頻繁に発生する。請求項7に記載した発明7はこの様な場合に出来る限り早く膨張機による圧縮機駆動運転モードに移行できるように車両の機体に太陽熱の熱射で蓄積された熱量を利用しようとするものである。
最も簡単な構成事例は後述の実施例でも示すが、車両の屋根部分全体に薄型の蓄熱構造体を埋め込み、そこに屋根を照りつけた太陽光による熱を蓄積するものである。車両の運転開始乃至はその直前に冷媒加熱用放熱器を連通する冷却システム熱源回路を作動させ、動力装置が暖機していなくても、この蓄熱構造体の熱を利用して冷媒加熱用放熱器に熱を供給し冷却システムを作動させる事ができる。この蓄熱構造体は停車時などに車体内の住空間の温度が上昇するのを遅らせる事が出来るし、冷却システム熱源回路を作動させることによりこの部分の温度を下げる効果を有するから車内の冷却を早める効果があり、快適性と電力消費の削減という双方の効果に結びつき、一石三丁の効果があるものである。勿論蓄熱構造体の温度が降下してきた場合、それを検知してこれをバイパスさせる回路と制御が必要である。
車内用の暖房は暖房用熱源回路の車内暖房用放熱器で放熱され、一方、冷凍サイクルの車内冷却器を通して冷房冷却を行う。この二つの熱交換器に別々に送風機構を設けることは車両のスペース、送風用ファンモータの消費電力の浪費、さらには送風部材のコスト負担増などの問題がある。如かして請求項8には発明8としてそれらを一つの送風経路に統合して装置のスペースを縮小、ファンモータの消費電力削減、を達成できる方式を提示している。この状態で、送風路上で車内冷却器を上流に配置し、その2つの熱交換器を夫々同時に冷却、加熱運転させることにより新たな部材の追加無しに車内空気の徐湿を行う事ができ、車内の窓ガラスの曇りなどを防止して安全運転に貢献できる機能を実現する上で効果的な技術である。この徐湿運転の際は、動力装置冷却回路は停止することを前提に動力装置の温度の調整をとる事が徐湿特性向上には重要である。
請求項9は車両の動力装置が作動していない時に、商用の交流電源を車両用電源回路に接続し、其の電力を使って冷却運転ができるようにするもので整流回路部の上流に投入用接続端子を設けて50/60Hzの交流電源を投入し、蓄電池に蓄電するとともに任意の電圧、周波数に変換して電動モータに投入し、圧縮機を駆動する。本発明請求項1にあるように冷却装置を作動させる動力源を熱源と電力のハイブリッド方式にした効果が請求項9の発明と併せて極めて高い実用効果を産む。即ち車両が停止時にも、酷暑の中で車両を運転開始する前の事前運転、また車両使用状況によって蓄電池のチャージ不足になった時に車両停車中に蓄電しつつ冷房、冷却の事前運転をする事が出来る。
本冷却システムは大半が冷媒回路で構成されており、従って全体のシステムの効率、容量(大きさ)、安定した作動、コストなどはこの冷媒回路を如何に構成するかにかかっており、請求項10はこの点に関する発明である。ポイントは膨張機回路と冷凍サイクルをどの様に一体構成させて全体を簡略化するかであり、其の作動に電動モータをどの様な構成で参画させるかである。ここでは其の目的のために単一の使用冷媒を用い、膨張機と圧縮機を単一のシェルに構成して、尚且つシェルを仕切り壁などの無い単一ルームで構成して、上記の双方の回路を膨張圧縮機シェル内で合流一体化させる。さらに分流器で分流するまでの回路を一体の回路構成とする方式が最も簡略化された回路を実現する。そうでなければ、双方の回路を前記シェル内で分離する、なお且つそれを相互に媒体の漏れない構造にし、動力のみを伝達する構造とする必用があり、其の実現には極めて複雑な構造を必要とし、このシステムの実用化を阻んできた原因のひとつであった。最近になり冷媒回路を一体化する方式が提示されてきているが、このシステムを実用的な形で実現化できるかどうかは、膨張機、圧縮機、電動モータを同軸状態で一体のシェル内に設置し、膨張後のガスと圧縮後のガスをそこで一体化するという方式の発明であり、其のキーポイントとしてシステムを安定して作動させるためには電動モータが一体に組み込まれて一体で制御される事が重要である。
請求項11は前記冷却システムの血液として使われる作動冷媒に関した発明である。システムの冷媒の最大圧力は冷媒回路全体の構造設計、信頼性の基本であり、それは冷媒回路の構成部材の耐圧材料特性、製造性、材料コストなどから総合的に選定される。発明者はそれが10MPa以上では極めて実用性がなくなる事を認識し懸念している。10MPaを超えた作動圧力を内包した機器の構造設計と材料は重く高価なものとなり、一般の民生用機器には適さないと認識しておりこれを前提にしている。システム中の最大圧力となる膨張機冷媒回路の膨張機前の圧力が10MPaの場合、冷媒回路全体のサイクル構成上で膨張後の冷媒圧力は約4〜5MPaと算定される。一方、本冷却システムの冷凍サイクルの冷媒凝縮温度は最高温度35℃の車外空気温度で冷却されるため平均で50℃、最高60℃であると算定している。従って使用される冷媒の圧力は、基準温度60℃において4MPa以下である必用がある関係が導かれる。この圧力特性以上の圧力特性の冷媒では膨張機前圧力が10MPaを超えてしまうからである。
また冷媒加熱用熱交換器にて80〜90℃程度の熱を受け取って自ら蒸発する冷媒の特性としての臨界温度は其の温度以上である事が望ましい。何故なら臨界温度が低い場合には熱交換の仕組み上、超臨界領域では蒸発潜熱効果はなく顕熱温度上昇により熱を吸収する事になるため伝熱効率が低下するからであり、同じ考察から、少なくとも臨界温度は前記冷媒凝縮温度60℃より20℃以上高い事が望ましい。従って作動冷媒の臨界点温度は90℃以上である事が条件となる。
冷却システムは密閉型の冷媒回路から構成され、この明確な技術構想は、安全で、長期的信頼性が高いシステムを提供する事を目的としている。其の冷媒回路には請求項12、13に示す地球環境にやさしい所謂地球温暖化係数GWPが小さな冷媒を選択している。これら冷媒は広大な大気中に放出されたときは地球環境への影響は少ないが、人への毒性、燃焼性などからみると従来冷凍サイクルに使われてきたフロン冷媒にくらべ安全性では劣る。従ってそれを利用する装置機器で人的毒性、燃焼性などの欠点をカバーする方法により使用する事が必要である。
請求項12はこれに関する発明である。即ち現在多く使われている冷凍機器、空調機器の冷媒のGWP値は1500以上であり、本発明のシステムではその値を10分の1以下にし、かつ冷媒リークの原因に成りやすい機械的接合部をなくし、使用済みの機器を破棄するときに全量回収を図るという構想の基に冷媒を選定している。以上に述べてきたような要求仕様を満たす冷媒は限られており、これを請求項13に示している。
発明13は冷媒回路の冷媒を具体的に選定している。請求項11、12を満たす冷媒としてR152a、R600a、R290、R717等が該当する。R600a(イソブタンC4H10、GWP20、臨界点温度133℃、飽和圧力60℃にて0.8MPa)、R290(プロパンC3H8、GWP20、臨界点温度97℃、飽和圧力60℃にて2.0MPa)、R717(アンモニア、NH3、GWP2、臨界点温度132℃、飽和圧力60℃にて2.0MPa)、R152a(低GWPフロンHFC C2H4F2、GWP140、臨界点温度113℃、飽和圧力60℃にて1.3MPa)などが選定される。
GWP値の小さな冷媒を得るには塩素、フッ素の含有量の少ない事が必要であるが、それに変わる成分としての水素、炭素、窒素、炭素などからなる熱媒体は可燃性、毒性、圧力が高いなどの課題がある。現在世界の冷媒安全基準を審議する国際団体では、毒性、可燃性のある自然冷媒の使用基準として、人の居住する空気に接する部分を持つ冷媒回路の場合はその回路に封入できる冷媒量に関する規制を設けている。 即ち自然冷媒の特徴であるところの、燃えやすい冷媒、毒性のある冷媒等の装置封入量には規制があるわけである。しかしながら、該冷媒回路が車室に開放する乃至は車室内空気と接する部分が無く、又は水等を媒体に使用して車室内等へ冷熱などを運搬する方式はこの規制の影響を受けない。
如かして、請求項14は車室を冷却する熱交換器に漏れが発生した場合にも、車室内に冷媒が進入することを防止するためのキー技術の1つである。地球の温暖化防止のため、自然冷媒を冷却システムの冷媒回路に使用すると、冷媒回路の一部である車内冷却器に於いてリークした冷媒が社内空間に浸入する恐れがある。そこで、車内空気と熱的に接する冷媒配管部分を二重管構造とするものである。二重管の外管には内面に内管との空隙を保ち且つ熱を伝えるためのリブ状の突起を備えたアルミ押し出し材のパイプを用い、その中に銅パイプ製の内管を挿入して拡管して機械的そして熱的に接触させている。外管の外表面には薄いアルミのフィンが挿入されて圧着されており、このフィンを通じて車内空気を冷却乃至は加熱する。冷媒がその内部を流れる内管に万が一ガスリークが生じても、リークしたガス冷媒を内管と外管の間の隙間を通して配管の端部に導き、車内空気と連通しない様に車外に逃がすように構成する必用があり、このため配管端部はリークしたガス冷媒が社外空間に容易に拡散するように連通させている。
以上の冷媒に関する技術を満たすと同時に冷媒回路からのリークを無くす事が機器の品質信頼性、車両安全性、地球環境での温暖化防止の視点で重要であり、このための技術が請求項15に示される発明である。 このためのシステムは全冷媒回路を一体のユニット内にリークが発生しにくい構造体で構成している。従って現地での機械的接合する部分を無くすばかりでなく、冷媒回路は単一ユニットに組み込まれた状態で工場で車両に組み込まれており、現地サービス修理でもユニット状態で取り扱う事が出来るため、リークの発生を極限まで減少させる事が可能となる。
請求項10に記した分流器は膨張機冷媒回路と冷凍サイクルへ向かう冷媒を分流する機能を有している。したって其の出口部分は充分に細径化された2本のパイプが使われる。
そこで分流された冷媒は一方は電動式のモータで駆動される液ポンプで昇圧され冷媒加熱用放熱器に送られる。他方は冷媒制御弁に送られ、そこで等エンタルピ膨張して低圧低温になり車内冷却器乃至は車内冷却器を循環する別ループの冷媒を冷却するための熱交換器に
送られる。従って一体型の膨張圧縮機をこの分流器に組み込み、冷凍サイクル側で冷媒膨張により得られる動力で膨張器冷媒回路側の液ポンプ動力を賄うことは動力バランス上では充分に可能であり、ギヤポンプとギヤ膨張機を組み合わせた方式を適正に設計する事により目的は果たす事が出来る。これが可能であることから採用を提示したのが請求項16の発明である。
電動液ポンプの動力を使わないで済む分はその電力消費が低減し、かつ冷凍サイクル側の膨張後の冷媒は膨張仕事を回転体に与えた分だけその出口エンタルピーは低下し、その結果車内冷却器に於ける冷却能力は増加する。 その改善効果はともに5%程度のエネルギー効率向上が期待でき、併せて10%にも及ぶ効率向上につながるものである。 同時に現地での種々な運転条件に於いて、膨張機冷媒回路側の液圧縮を最適に行わせるには、分流器の膨張機冷媒回路側下流の回路に電動液ポンプを設置してこの液圧縮量を補完、制御させる事が実用上必要である。
以上により、本発明は、前記課題を解決し、かつ、車載用冷暖房器に使用できるエネルギー効率の高い、且つ実用性の高いシステムを実現するための各種技術を発明提示し、その実用化に貢献できるという効果を有するものである。
以下、本発明の実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本発明の1つの実施事例を搭載した乗用車の概要全体図であり、主な機能部品の車両上の配置例を示している。図2はその車載用冷暖房システム全体の熱と電力系統を示した系統図であり、エンジンの排熱を冷却する熱循環回路と発電機を含めた電力回路、本発明のコアである冷却システム間の関係を示している。図3は冷却システムを構成する冷媒回路を示している。図4は上記の実施例とは異なった第2の暖房方式を採用した事例の冷却システムを構成する冷媒回路を示している。
この実施例はエンジン2と車両用電動モータ5で車両1を駆動するいわゆるハイブリッド駆動方式の乗用車に本発明を実施した事例である。車両1をドライブするエンジン2は同時に発電機4を駆動して発電して車両用蓄電地19に蓄電する。必要によりこの蓄電地19からの電力供給を受けて車両用電動モータ5がエンジン2を補完する形で車両をドライブする。一方、エンジン2には其の内部の動力装置放熱部11があり、そこには熱循環回路の熱媒体としてエチレングリコールと水を主成分としたロングライフクーラントが媒体として循環されてエンジン2の冷却を行い、エンジン外部はこれと連通して3つの並行する循環回路に分離されている。其の循環回路のひとつである暖房用熱源回路12では、暖房用ポンプ15が作動して車内暖房用放熱器14で車室内を加熱暖房する。冷却システム熱源回路24では、冷却システム用ポンプ17が作動し冷媒加熱用放熱器16を加熱して冷却システム3を作動させる。
いま一つの循環回路である動力装置冷却回路10では、ラジエタポンプ13が作動しラジエアタ7に熱媒体を連通させ、その熱媒体流量と冷却ファンの回転数を制御してラジエタに於ける放熱量を制御しており、最終的にはエンジン温度を最適状態の温度範囲に収まるように制御している。この車両では冷却装置の冷却出力確保と熱媒体の沸騰を防ぐ観点から動力装置放熱回路の伝熱壁温度が最大100℃前後となるように制御している。この熱循環回路は密閉シール構造で、媒体はエチレングリコールと純水を主成分として成分組成してあるが、回路構成部材の耐圧劣化を考えて、冷却装置を作動させないときは上記温度は90℃以下となるように若干低い温度で前記ラジエタの放熱量を制御する。
この冷却システム3用の冷却システム熱源回路24には、動力装置放熱部11の下流部分、冷媒加熱用放熱器16との間で、車両の屋根に蓄熱構造体6を循環冷却するバイパス回路が設けられており、該蓄熱体の温度が高く、其の熱が利用できる時には流路切り替え弁8が作動して該蓄熱体を通るように流路がバイパス回路側に切り替えられる。蓄熱構造体のコア材料には約85℃程度の融解点を持つ熱可塑性樹脂、ナフタレンなどの化学物質、ロー材などが潜熱蓄熱材として充填されており、其の車体表面には選択吸収膜が塗布されており太陽光を受けて効率よく蓄熱材を融解して蓄熱する。蓄熱体の内側にはバイパス回路の伝熱管が、蓄熱材と熱交換関係がある状態で連通しており、蓄熱構造体を構成している。
夏場の炎天下に駐車されている間に蓄熱構造体6は太陽光を受けてコアに充填された蓄熱材(融点が85℃に設定された塑性有機材料)が融解し蓄熱する。ドライバーが車の運転を開始する時には車内は高温度であり冷房運転が要求されるが、エンジン2本体は充分な高温度の排熱をすぐに出せる状態にないため、電動モータ23が作動すると共に冷却システム用ポンプを作動させて上記構造蓄熱体6の熱を回収して膨張機31を駆動し、車両用電動モータ5と共に圧縮機30を駆動する。これにより冷却システム3を作動させ、エンジン2が充分温まるまでの間、冷房運転を維持する。
一方、全体の電力系統は図2に示されるように、前述した車両駆動モータ系と冷却システムの圧縮機駆動モータ系により構成され、発電機4の出力を変換調整するための電源制御装置9が設けられ、双方の系統の蓄電池19、21と電動モータ5、23の夫々の電力制御装置20,22に電力を供給している。 前記の電源制御装置9は発電機4から供給される交流電力を出力側の直流電力に変換して出力する機能、更には車両を減速したときのエネルギー回収器(図示しない)からの回収電力もこの電源制御装置へ供給され、それを加えて出力する機能も備えている。
車両モータ電力制御装置20は、車両の走行状態を把握し、車両運転者の種々な指示に対応して車両用電動モータ5を駆動するための電源の電圧、周波数、波形を形成し、それにより該電動モータの回転、停止等を制御し、ハイブリッド動力運転システムによる最適な車両の推進の重要部分を分担している。
車両用電動モータ5のみで車両が推進走行されているときは、エンジン2及び発電機4は作動されておらず、車両用電動モータ5へは車両用モータ電力制御装置20を通して車両用蓄電池19から電力供給される。一方冷却装置3の圧縮機30の駆動は圧縮機用蓄電池21によって供給された電力を制御装置20により最適な周波数、電圧に制御して圧縮機電動モータ23を作動させる。車両用制御器は電源制御装置9も含めて双方の蓄電池の残存電力量などの情報を精度良く検知しつつ、最適な制御を行う。
従って、この場合圧縮機用蓄電池21が限界まで放電されてしまっても尚冷房運転が継続要求されていて冷却システム3の作動が必要な場合は、結局エンジン2が再スタートされる。冷却システム3は何れにしろエンジン2の作動による発電機4による電力か、エンジンの排熱乃至は屋根蓄熱構造体の蓄熱を利用した冷媒加熱用放熱器16の作動か、圧縮機用蓄電池21からの電力供給のいずれかによって作動が保たれるわけであり、これらを制御して全体システムの最的な運転モードを選択するというシステム制御装置が別途設けられている(図示せず)
車両室内の暖房はエンジン2の排熱を直接利用して車内暖房用放熱器14において車内に放熱して行うが、該放熱器14は図2、図3に示したように冷房用の車内冷却器34と隣接して設置し、且つ車内の空気送風経路上車内冷却器34を風上側に配置している。このため車内の湿度を下げたい時は、冷却システム3で圧縮機電動モータを作動させて冷房運転を行い、暖房用ポンプ15を作動させて動力装置の排熱による再加熱を行う事により他の部材の追加を必要とせずに徐湿運転を行う事が出来るという利点が実現出来る。これは車両の窓ガラスが結露で曇ることによる運転者の視界を妨げる事を防止するという安全上の重要な効果を発揮できる。
冷却システム3の冷媒系統は図3から知れる通り膨張機冷媒回路39と冷凍サイクル38から構成される。動力源としては排熱利用ポンプによって循環されるロングライフクーラントによって供給される約90℃のエンジン排熱と圧縮機モータ電力制御装置から圧縮機モータ23に供給される電力の二つであり、これらの何れか又は双方を利用して冷凍サイクルを作動させるものである。
図2に示されるように、上記エンジン排熱は冷却システム熱源回路24を通してロングライフクーラントにより冷媒加熱用放熱器16に導かれ、そこで高圧の液体イソブタンを蒸発させて高圧ガスとする。図3で示されるように、この高圧イソブタンガスは膨張機31において膨張して膨張機を駆動し、軸を通して連結された圧縮機30を駆動する。この時、必用により電動モータ23は同時に圧縮機30を駆動すべく稼動することもあるが、膨張機31の出力が充分な場合は電動モータ23は作動させる必要がなく、ステータには電力供給を停止し、ロータは空回りする。ステータに逆起電力などの発生がない誘導電動機方式を採用しているのはこのためである。膨張したイソブタンは膨張圧縮機シェル33内に吐出される。
圧縮機30は上記の様に駆動され、車内冷却器34で蒸発して車内を冷房した後の低圧のイソブタンガスを吸込んで圧縮し、圧縮したガスを膨張圧縮機シェル内に吐出する。この結果、膨張機31から吐出されたガスと圧縮機30から吐出されたガスは一体となってシェル内を満たし、シェル上部のパイプから吐出される。膨張機31と圧縮機30との膨張率と圧縮比は全体の冷媒回路の設定から其の最適値が設定され、それに併せて設計され、製造される。
冷媒がイソブタンの場合、冷媒加熱用放熱器の温度が100℃であれば、膨張機31の入り口圧力が1.9MPa(97℃)、出口圧力が0.78MPa、圧縮機30の入り口圧力が0.18MPa、出口圧力が0.78MPa(過熱して65℃)程度に設定される。従ってこの圧縮比に適する膨張、圧縮機構が設計されるわけである。上記シェル内で合流してから出口パイプを通して吐出された55℃程度のイソブタンガスは凝縮放熱器18にて冷却され、放熱して液冷媒となり液分流器36まで一体となって到達し、そこでほぼ2分されて片方は電動の冷媒液ポンプ37で圧縮されて冷媒加熱用放熱器16に戻る。他方は制御弁35により制御膨張されて車内冷却器34に至り、そこで上記のように車内を冷房する。
制御弁35は車内冷却器にてイソブタン液が丁度蒸発を完了するように、そこを流れるイソブタン液の流量と膨張比を制御する。冷媒液ポンプ37は冷媒加熱用放熱器でイソブタン液が丁度蒸発を完了するようにポンプ流量と圧縮比を制御する。前述した様に蓄熱構造体6に蓄熱された熱をイソブタンの過熱熱源に利用する時は流路切り替え弁8を切り替えて其の熱を回収し、イソブタンの加熱蒸発に利用する事が出来る。
図2、図3に示される通り、ラジエタ7と凝縮放熱器18は冷却ファンと其のモータを兼用しており凝縮用放熱器18は送風経路上の上流に配置されている。これは車内冷房を効率よく行うために、凝縮放熱器を優先して冷却するためである。また車内暖房用放熱器14と車内冷却器34も冷却ファンとモータを兼用しており、車内冷却器34を送風経路上の上流に配置している。これは前述した様に車内冷却器で冷却徐湿し、其の風下で暖房用放熱器で再加熱する事により車内空気を徐湿する事ができる用にするためである。
請求項4に於いて、上記で説明した暖房方式とは異なる方式を提示している。即ち、図4に示される冷暖切り替え制御弁41と暖房用バイパス回路40を追加したもので、これにより暖房運転を可能にしたものである。圧縮機の作動を停止し、暖房用バイパス回路40に高温ガスをバイパスさせ、車内冷却器34にて放熱させることにより暖房を行わせるもので、制御弁35は開状態にし、冷媒液ポンプ37を作動させて4つの曲線矢印が示すように冷媒を循環させる。一方、ラジエタ7用の送風ファンモータは停止させる。この時動力装置2の排熱熱量は冷却システム熱源回路24を経由して冷媒加熱用放熱器に於いてイソブタンを蒸発させ、ガス化されたイソブタンは暖房用バイパス回路40を経由して車内冷却器に至り凝縮して放熱し、車内を暖房する。
この方式で暖房する場合は図2に示されている暖房用熱源回路は不要になり、取り去る事が可能であり、全体のシステムの簡略化に大きな効果を及ぼす。これが請求項4に提示した新しい暖房方式を採用した冷暖房システムである。しかしながら暖房用熱源回路を取り去ると、前述したような暖房と冷房を同時に作動させて徐湿運転するという事が出来なくなる。一方車両の空調に於いて徐湿運転が大事である事は前述した運転の安全性確保の意味から明白である。従ってこの場合には図4に示すような冷凍サイクル自体で除湿運転が出来る様にするための工夫が必要である。
即ち、車内冷却器34を空気流出側の半分と流入側の半分に熱的に分離し、片方を車内再熱器42、もう片方を車内徐湿冷却器43となるように車内冷却器34を二つの部分に分離して、その中間に除湿用冷媒制御弁44を設ける。如かして、冷房運転時は徐湿用冷媒制御弁44は全開で再熱器42と徐湿冷却器43はともに蒸発器となり、車内空気を冷却及び徐湿する。徐湿運転が選択された時は除湿用冷媒制御弁44は絞り制御を行い、其の上流の再熱器42では凝縮放熱器18と同様に高温高圧となる。この時勿論制御弁35は全開に制御される。如かして車内空気は徐湿冷却器43で徐湿冷却され、再熱器42で再熱されてもとの温度に戻り、結果として除湿される。これは現在一般の家庭用エアコンで採用されている徐湿回路と同様の構成である。
膨張機31、電動モータ23と圧縮機30は図3に示すように、夫々の回転部分は回転軸32を共有している。膨張機と圧縮機のタイプは現在のこの分野の技術では二通りの方式が実用化されている。クランク軸の外周にはめ込まれたドーナツ状のローラーがシリンダ内部を揺動運動しながらシリンダ内壁との間の空間のガスを圧縮乃至は膨張させる所謂ローリングピストンタイプと、突起した渦巻き状の翼を保持する2つのスクロール基板を互いに翼同士が向き合わされる形で嵌め合わして、一方のスクロール基板をクランク軸周囲を公転させて揺動運動させて、渦巻き翼とスクロール基板で囲まれた空間のガスを圧縮乃至は膨張するスクロールタイプである。ローリングピストンタイプは起動開始時に、その停止角度により駆動用高圧ガスの圧力では起動ができない場合があるし、何れのタイプも起動を素早くスムースに行うために数秒から数分間、電動モータ23を稼動させて膨張機の回転開始を支援させる。
ローリングピストンタイプの事例では、ここには図示しないが、膨張機31に於いて高圧ガス供給ラインから供給された高圧イソブタンは回転軸32の中心に設けられたシャフト中心経路(図示せず、以下同じ)を経由して、該回転軸のクランク部の内部から外周へ向けて設けられた扇型の高圧ガス供給路、ローラの内周から外周へ向けて設けられたやはり扇型の高圧ガス供給路が連通してできる経路を通してシリンダ内側の膨張室内に供給される。こうして膨張シリンダ内に供給されたガスはローラが公転して前記供給経路が閉じた後、シリンダ内で膨張を続け、シリンダ内容積を拡大しながらクランク及び前記回転軸32を駆動する。膨張完了後にはシリンダ内から膨張圧縮機シェル33ケース内に吐出される。この間回転軸32は圧縮機のローラを駆動し冷凍サイクル38の吸込みラインから、車内冷却器にて蒸発した低圧のガスを圧縮シリンダ内に吸込み、これを膨張圧縮機シェル33のケース内に吐出する事により冷凍サイクル38を作動させる。前記のクランクとローラの扇方のガス供給路が一致していない回転角度で停止した場合、回転軸33を起動させるためには前記のように電動モータ23による始動が必要になるわけである。
膨張機の作動のためのエネルギー源は、冷媒加熱用放熱器に供給されるエンジンの排熱であり、其の温度が低い時は膨張機は作動できない。従って圧縮機30を膨張機31のみ又は電動モータ23のみ、あるいは其の双方の出力により圧縮機を駆動させるという3つの作動モードを的確に選択制御する事が重要となる。本実施例では基本的には冷媒加熱用放熱器の中間点温度TCが78℃以上で膨張機を作動させ、95℃以下で電動モータ23を作動させる。従って該温度が78℃〜88℃の間で膨張機と電動モータ23は共に作動し、協力して圧縮機を駆動する事となる。実際には冷房負荷の大小、圧縮機用蓄電池の蓄電状態その他でさらに細かく制御される事になる。
特に電動モータ23に付加される電源の電圧、周波数の制御と相まって複雑な制御が必要になるが、その細部の仕様はは実機のテストによって設定する事が望ましい。電源周波数は圧縮機30の回転数即ち要求される冷房能力に対応して設定されるべきであり、電圧はその回転数で圧縮機を駆動するに要する駆動力に対応して設定する。従って膨張機が充分な駆動力を有している場合は電動モータの電圧は低くても圧縮機の回転は維持できるし、場合によっては電力の供給は不要になる事もある。
例えばエンジンの排熱温度が高く、TCが88℃以上であって、高い冷房能力の要求の場合には冷媒液ポンプ37は高速度で回転するように制御され、膨張機31には高圧のイソブタンガスが十分に供給され、圧縮機30も高速度で回転し、高い冷房能力を発揮する。この場合で低い冷房能力が要求されれば冷媒液ポンプ37はそれに応じた低い回転数で少ない液冷媒を循環させるように制御され、イソブタンガスの供給圧力と供給量は減少する。如かして膨張機31と圧縮機30は低速度で回転し、少ない冷房能力を発揮するように制御される事となる。この場合、膨張機31のみにより圧縮機30を駆動するので、電動モータ23の電源はオフしてあり、誘導電動方式の該モータのロータには回転反力が生じる事も無く、空回りする。
逆にエンジンの排熱温度が充分高くなく、例えばTCが85℃の場合であって、高い冷房能力が要求された場合は、冷媒液ポンプ37の回転数はエンジンの排熱量に見合ったそれなりのスピードに制御され、膨張機31の出力も低下する。この時電動モータ23への供給電源はオンされ、高い周波数で適切に制御された低い電圧の電力が投入され、膨張機31と電動モータ23は共同して圧縮機30を高速度で回転させ、少ない電力消費量でも高い冷房能力を得る事が出来る
エンジンの排熱温度がさらに下がり、TCが78℃以下になると冷却システム用ポンプは最低速度回転となり、液冷媒ポンプ37は停止され、膨張機31へのガスの供給は停止されると同時に、膨張機の膨張シリンダはレリース状態、即ち固定スクロールが公転スクロールから数ミリメートル乖離され公転スクロールは空回りできる状態となる。圧縮機30は圧縮機モータ電力制御装置22により高い周波数(例えば90ヘルツ)と高い電圧(例えば200V)が供給されて高速(約90ヘルツ)で回転し、充分な冷房能力を維持する。
其の後、動力装置であるエンジン2が高い負荷で作動してTCが78℃まで回復すると、膨張機31による圧縮機30を駆動する本来の駆動方式に復帰する。実機に於いて実際にはさらに複雑な精緻な制御方式となるが、それは実機におけるデータの積み上げにより細部技術を積み上げていく事になる。上記の運転中は、エンジンの温度を最終調整すべく動力装置冷却回路10によりエンジンの冷却熱量の制御が継続されエンジンの作動の最適化は保証されている。
図には示していないが、車両の停止時に、電源制御装置9に設けた外部電源接続点に外部商業用電源から電力供給ができる。この為に電源制御装置にはバッテリチャージャーとしての整流機能と其の制御機能が織り込まれており、前記蓄電池19,21に蓄電したり、前記圧縮機を駆動して、車両停止時にも冷房運転ができるとともに、車両走行時にも冷房運転に対する電力不足が生じないように構成してある。商業用のトラック等では冷房のみではなく、冷蔵運転を車両停止中にも継続する事が求められるし、レジャー用の車では車両停止中に電力を消費する冷房、料理、給湯などのニーズは極めて高い等の理由によりこのサービス機能は実用上極めて有効である。
シェル内で合流したガスは凝縮放熱器18において自ら凝縮して液体になりながら外気に放熱する。放熱して液化し、ほぼ飽和温度50℃に冷却された液冷媒、イソブタンは液分流器36にてほぼ50%づつに分流されてその片方が冷媒液ポンプ37で圧縮された後に膨張機冷媒回路39に流れ、冷媒加熱用放熱器16に戻り、以下これを繰り返す。一方冷凍サイクル側は、上記の分流器36の下流の電動式冷媒制御弁35に向かい、冷却システム3全体の制御指令(図示せず)により制御された制御弁35で流量調整され膨張制御される。その結果冷凍サイクル全体の各部冷媒圧力、温度等が適正状態に制御される。その後、車内冷却器34へと流れ、車内空気を冷却して蒸発し、圧縮機30に戻り圧縮されて膨張圧縮機シェル33内に吐出され、これを繰り返す。
図2から知れるように、本発明の冷却システム3は一体のユニット内に構成されており、冷媒回路はすべてこの中に収納されている。かつその外界との出入り作用は冷却システム熱源回路24からのロングライフクーラント、電動モータ用電源供給、制御用配線のみである。従って完全密閉型の冷媒回路の製造、組立作業は完全に独立して行うことが出来る。この簡略化され、一体化された全体のシステムを実現することにより冷却システム3全体の一括製造と出荷による高い品質と安いコストを可能にしている。この事が、地球環境を最優先に考えた、若干の毒性や燃焼性のある冷媒といえどもこれを使用する前提条件を満たしている。
本実施例ではイソブタンを冷媒として用いており、前述した特性を満たしている。冷媒R600aとして分子記号C4H10、地球温暖化係数はほぼゼロに近く良好(GWP20)、臨界点温度133℃、飽和圧力60℃にて0.8MPaの特性である事が知られている。臨界点温度は133℃であり、冷媒加熱用放熱器を80℃〜110℃の範囲で作動させるため臨界点温度とは約23℃以上下回り、殆どの熱の授受は蒸発、凝縮域で行われる。
図3の冷媒回路により熱エネルギーの収支を説明する。冷媒加熱用放熱器16で冷媒イソブタンを蒸発させ高圧ガス化する熱量をAとすると、その熱は膨張機冷媒回路により膨張機を駆動し、凝縮放熱器でBの熱量を放熱する。従ってBはAに比べ僅かであるが膨張機での仕事量分だけ小さい。定格条件では夫々の冷媒循環量をほぼ同一の重量流量になるように膨張機と圧縮機の機構を設計してあるため、車内冷却器における車内冷却熱量はAにほぼ等しくなる。冷凍サイクルの凝縮放熱量は冷却熱量に圧縮機仕事分の熱量の和になる。この圧縮機仕事分の熱量は膨張機の仕事量、即ちAとBの差にほぼ等しい。従って凝縮放熱器18における放熱量はほぼAの2倍の値となる。 この結果、冷媒加熱用放熱器16のインプット熱量Aと車内冷却器の冷却熱量Aの比である総合熱効率は1.0となる。
実際には、各部分で熱ロス、機械ロスが生じるため、この総合熱効率は0.8程度になるのが実態である。 膨張機冷媒回路39の循環冷媒量と冷凍サイクル38の循環冷媒量の関係は、エンジン排熱源温度、凝縮放熱器温度、車内冷却器温度等の相関関係に影響を受け、夫々の熱交換器の効率、膨張機と圧縮機の特性によって影響されるわけである。例えば、エンジン2の排熱出力温度が90℃以上に高温度で、膨張機冷媒回路の冷媒の圧力が高く、従って膨張のための動力源を充分に保有している場合は、凝縮放熱器18の凝縮圧力を圧力比的にほぼ中間点に設定し、膨張機冷媒回路と冷凍サイクルを循環する双方の冷媒流量をほぼ等しくとれば膨張機31の膨張出力仕事と圧縮機30の圧縮仕事がほぼ等しくなり全体システムが成立する。
しかしながら、システムに置けるそれらの関係は複雑に変化する。この条件下で、要求される冷房能力を満たし、圧縮機の圧縮容量を確保し、安定的に作動させ、かつ稼動中の熱効率を高く維持するためには膨張機のみにより圧縮機を駆動するシステムでは実現できない条件が多く存在する。本発明は以上に概説した通り、この状態を電動モータとのハイブリッド駆動システムにより最適なシステムとして実現する技術、方式を提供しようとするものである。
冷媒のイソブタンは可燃性冷媒であるため、これがリークして車内に充満した場合、着火、延焼、爆発の危険性がある。そこで本実施例では車室内に冷媒が進入することを防止するための新技術として、U状に成形した二重管構造のパイプを用いたフィンチューブ熱交換器を車内冷却器34に用いている。二重管の外管には内面に内管との空隙を保ち且つ熱を伝えるためのリブ状の突起を備えたアルミ押し出し材のパイプを用い、その内側に銅パイプ製の内管を挿入して拡管して機械的そして熱的に接触させている。外管の外表面には薄いアルミのフィンが挿入されて圧着されており、このフィンを通じて車内空気を冷却乃至は加熱する。
冷媒がその内部を流れる内管に万が一ガスリークが生じても、リークしたガス冷媒を内管と外管の間の隙間を通して配管の端部に導き、車外空気へと逃がす構成である。この為、該車内冷却器は二重管を固定するための両端の端板に挟まれた空間の範囲で車内空気を連通させて、それを車内と循環させる構造をとっている(図示せず)。従って端板の外側は社外空間に開かれており、リークした冷媒は容易に車外に拡散していき、車内には浸入しない。
分流器は膨張機冷媒回路と冷凍サイクルへ向かう冷媒を分流する機能を有している。そこで分流された冷媒は一方は電動式のモータで駆動される冷媒液ポンプ37で昇圧され冷媒加熱用放熱器に送られる。該冷媒液ポンプとしては、スクロール式、ローリングピストン式、ギヤ式等、種々公知のものがあり、本事例ではギヤ式を用いている。これは最も構造が簡単でコンパクト、低コストという利点がある。
請求項16では液圧縮機と液膨張機をその内部に合わせ持った分流器26を1つのエネルギー効率向上の切り札となる発明として提案している。冷凍サイクルに於ける液の膨張過程でその膨張エネルギーを吸収し、膨張後の液ガス冷媒のエンタルピーを低下させて冷凍能力を増大させ、同時にその取り出したエネルギーを膨張機冷媒回路7の液圧縮エネルギーに利用して、液ポンプ27の駆動動力として使われる電動式のモータの消費電力を低減させる事ができ、一石二鳥のエネルギー効率改善効果が望める。しかしながらこの膨張圧縮機は極めてコンパクトである必要があり、その構成、構造は複雑であることから、信頼性、コストの点で注意深く選択される必要がある。
この選択の上で、考慮される項目として、冷媒液ポンプ37の最も重要な機能として動力装置の排熱量に併せて冷媒の循環量を微妙に制御する必要がある事に注意する必要がある。本実施例ではこれを重視して、独立して制御しやすい電動式の冷媒液ポンプ37を用いている。請求項16の効果の実現はさらに細部の新しい技術の発明が必要と考えているからである。
本発明の実施事例のシステムを搭載した乗用車の概要配置図 本発明の実施形態を表すシステム全体の熱と電力系統を示した系統図 本発明の実施事例の冷却システム回路図 前図と異なる第2の暖房方式を採用した実施事例の冷却システムを回路図
符号の説明
1 乗用車車両
2 動力装置(エンジン)
3 冷却システム
4 発電機
5 車両用電動モータ
6 蓄熱構造体
7 ラジエアタ
8 流路切り替え弁
9 電源制御装置
10 動力装置冷却回路
11 動力装置放熱部
12 暖房用熱源回路
13 ラジエタポンプ
14 車内暖房用放熱器
15 暖房用ポンプ
16 冷媒加熱用放熱器
17 冷却システム用ポンプ
18 凝縮放熱器
19 車両用蓄電池
20 車両モータ電力制御装置
21 圧縮機用蓄電池
22 圧縮機モータ電力制御装置
23 電動モータ
24 冷却システム熱源回路
30 圧縮機
31 膨張機
32 回転軸
33 膨張圧縮機シェル
34 車内冷却器
35 制御弁
36 液分流器
37 冷媒液ポンプ
38 冷凍サイクル
39 膨張機冷媒回路
40 暖房用バイパス回路
41 冷暖切り替え制御弁
42 車内用冷却器(再熱器)
43 車内用冷却器(徐湿冷却器)
44 除湿用冷媒制御器

Claims (16)

  1. エンジン、車両用電動モータ乃至は燃料電池などの車両推進動力装置から得られる排熱で車内を暖房し、また電力を利用して圧縮機用の電動モータを駆動して冷凍サイクルを作動させて車内冷房を行う車両用冷暖房システムに於いて、
    圧縮機用の前記電動モータとは別に、前記動力装置の排熱や排気ガスによって液冷媒を加熱して得られた高温高圧冷媒を膨張させる膨張機の出力により前記圧縮機を駆動する事が出来るように該膨張機を前記電動モータ、前記圧縮機と回転軸を一致させる等動力伝達できる状態で一体のシェル内に設置し、前記膨張機と前記電動モータの何れかを選択して作動させ又は双方を同時に作動させて前記圧縮機を駆動して車内冷房できるように構成した事を特徴とした車載用冷暖房システム。
  2. エンジン、車両用電動モータ乃至は燃料電池などの車両推進動力装置から得られる排熱で車内を暖房し、また電力を利用して圧縮機用の電動モータを駆動して冷凍サイクルを作動させて車内冷房を行う車両用冷暖房システムに於いて、
    圧縮機用の前記電動モータとは別に、前記動力装置の排熱や排気ガスによって液冷媒を加熱して得られた高温高圧冷媒を膨張させる膨張機の出力により前記圧縮機を駆動する事が出来るように該膨張機を前記電動モータ、前記圧縮機と回転軸を一致させる等動力伝達できる状態で一体のシェル内に設置し、前記動力装置が作動していない時、乃至は作動していてもその排熱温度が設定値より低いなど、熱出力が不足の時は少なくとも前記電動モータを作動させ、前記動力装置が作動しかつその排熱温度が設定温度より高いなど熱出力が充分な時は少なくとも前記膨張機を作動させ、それにより圧縮機を駆動することにより安定して冷房運転を行う事を特徴とした車載用冷暖房システム。
  3. エンジン、車両用電動モータ乃至は燃料電池などの車両推進動力装置から得られる排熱で車内を暖房し、また電力を利用して圧縮機用の電動モータを駆動して冷凍サイクルを作動させて車内冷房を行う車両用冷暖房システムに於いて、
    圧縮機用の前記電動モータとは別に、前記動力装置の排熱や排気ガスによって液冷媒を加熱して得られた高温高圧冷媒を膨張させる膨張機の出力により前記圧縮機を駆動する事が出来るように該膨張機を前記電動モータ、前記圧縮機と回転軸を一致させる等動力伝達できる状態に設置し、前記電動モータを可変速電動モータとし、そこに供給される電源の少なくとも周波数と電圧を調整することにより前記電動モータ、前記圧縮機及び前記膨張機の回転軸の回転数を制御する事が出来るように構成した事を特徴とした車載用冷暖房システム。
  4. 電動モータにより駆動される圧縮機により冷凍サイクルを作動させ、車内冷却器を用いて車室の冷房運転を行う車両用冷房システムに於いて、
    前記電動モータとは別に、エンジン、車両用電動モータ乃至は燃料電池などの動力装置の排熱や排気ガスによって液冷媒を加熱して得られた高温高圧冷媒を膨張させる膨張機の出力により前記圧縮機を駆動する事が出来るように前期膨張機を前記電動モータ、前記圧縮機と回転軸を一致させる等動力伝達できる状態に設置し、前記膨張機と前記電動モータの何れかを選択して前記圧縮機を駆動して前記冷凍サイクルを作動させて冷房運転を行うように構成するとともに、前記高温高圧冷媒を前記膨張機などをバイパスして車内冷却器に連通する回路を設け、前記膨張機と前記圧縮機を停止させ、前記高温高圧冷媒をバイパス回路を通して車内冷却器に連通して放熱させ、暖房ができるように構成した事を特徴とした車載用冷暖房システム。
  5. 前記電動モータと前記膨張機の双方を作動させて前記圧縮機を駆動するような第3の作動モードも選択できる様に構成し、膨張機が作動開始時に高圧ガスが供給されても自ら起動が出来ない時及び、起動後に於いても前記膨張機の出力が前記圧縮機を駆動するために充分ではない時に、前記電動モータがそれを補完して同時に作動するように制御したことを特徴とした請求項1、2、3、4の何れか1項に記載の車載用冷暖房システム。
  6. 動力装置放熱部を連通して前記動力装置を冷却した冷却水、不凍液乃至は有機媒体などの熱循環媒体が、動力装置外部において、車内暖房用放熱器、前記膨張機を駆動する高圧ガスを得るための冷媒加熱用放熱器、車外空気に放熱するためのラジエタ、などの熱交換装置を連通して別々に循環するための夫々の熱循環回路を設けるとともに夫々の回路に循環ポンプを設置した事を特徴とした請求項1、2、3の何れか一項に記載の車載用冷暖房システム。
  7. 車両の車体外壁構造体の壁面内に、太陽光を受けて熱を貯める蓄熱構造体を埋設し、前記冷媒加熱用放熱器を連通する冷却システム熱源回路の一部分を2経路に分流して其の内1経路を該蓄熱構造体を連通する様に構成し、車両が停止中に太陽光を受けて前記蓄熱構造体が蓄熱されている状態でその熱量を熱循環媒体を経由して取り出して、それを冷媒加熱用放熱器で放熱し冷却システムを作動するための熱源として利用する事が出来るように前記冷却システム熱源回路を構成した事を特徴とした請求項1、2、3、4、6の何れか一項に記載の車載用冷暖房システム。
  8. ファンにより車内の空気を送風して、前記冷凍サイクルの前記車内冷却器と前記車内暖房用放熱器の双方を連通して熱交換するように構成し、且つ前記車内冷却器を前記車内暖房用放熱器の風上側に設置して請求項1、2、3に示された冷房、暖房運転を別々に又は同時に作動させる事ができるように構成した事を特徴とした請求項1、2、3、6の何れか一項に記載の車載用冷暖房システム。
  9. 電源回路内に設けられた電源制御装置に車両外部の商業用電源から電力供給するための配線接続ができるように構成し、車両の停止時に、該商業用電源から蓄電池に蓄電したり前記圧縮機を駆動して冷房乃至は冷却運転ができるようにした事を特徴とした請求項1、2、3、4の何れか1項に記載の車載用冷暖房システム。
  10. 前記膨張機冷媒回路と前記冷凍サイクル内の循環媒体として同一の冷媒を用い、さらに前記膨張機、前記圧縮機を回転軸を一体化するなど動力伝達できる状態で前記シェル内に設置し、前記膨張機と前記圧縮機から膨張後と圧縮後のガス冷媒を前記シェル内に夫々吐出させて合流させ、乃至はシェルを出てその近傍で合流させ、それをその下流の前記凝縮放熱器で放熱させて凝縮させた後更に下流の液分流器で前記膨張機冷媒回路と前記冷凍サイクルに分流するために該分流器の出口で2経路に分割されるまでの間を一経路の冷媒回路で構成した事を特徴とした請求項1、2、3の何れか1項に記載の車載用冷暖房システム。
  11. 前記膨張圧縮機の冷媒回路、前記冷凍サイクルの作動媒体として臨界点温度が90℃以上であり、60℃における飽和圧力が4.0MPa以下である冷媒を用いた事を特徴とした請求項1、2、3、4、10の何れか1項記載の車載用冷暖房システム。
  12. 前記冷媒回路の内部を流通する冷媒に地球オゾン層の破壊効果が無く、地球温暖化係数即ちGWP値が150より小さな、所謂自然冷媒などの冷媒、即ち塩素の含有量がゼロで、フッ素の含有分子量が水素のそれより少ない冷媒で、炭素、水素、窒素等を主構成成分とする冷媒を用いた事を特徴とした請求項1、2、3、4、10、11の何れか1項に記載の車載用冷暖房システム。
  13. 前記自然冷媒などとしてイソブタン、プロパン、アンモニア、フロンC2H4F2又はこれら成分が重量比50%以上の混合冷媒を用いたことを特徴とした請求項11、12の何れか一項に記載の車載用冷暖房システム。
  14. 全冷媒回路が搭乗者の車内居住空間とは完全に分離されるように、即ち冷媒回路からの冷媒漏れが生じても該居住空間には冷媒が浸入する事が無い様に構成するため、前記車内冷却器として用いられるフィンチューブ熱交換器に於いて、車内空気と熱的に接するためフィンが外挿されている冷媒配管部分に二重管を用いて、内管に冷媒を連通させ、内管にリークが生じた時には、その冷媒を内管と外管の間の隙間を通して配管の端部に導いて車外空気に開放させるように構成し、且つ全ての冷媒回路から漏れた冷媒が車内居住空間に連通する空気通路内には混入しない様に該通路を構成した事を特徴とした請求項1、2、3、4、11、12、13の何れか1項記載の車載用冷暖房システム。
  15. 前記動力装置の排熱を膨張機冷媒回路に伝熱する前記冷媒加熱熱交換器、前記膨張機、前記圧縮機、前記冷凍サイクルに設けられ室外空気と熱交換する前記凝縮放熱器、前記冷凍サイクルから冷熱を出力させる前記車内冷却器、等全ての冷媒回路部品を一体の材料とそれらのロー付け、熔接による接合部のみによって構成される一体構造、即ち機械的圧着結合部を持たない構造とした事を特徴とした請求項1、2、3、4、10、12、13、14の何れか1項記載の車載用冷暖房システム。
  16. 前記液分流器に於いて、前記冷凍サイクル側に向かう冷媒から冷媒膨張による動力を回収し、且つそれを膨張機冷媒回路側に向かう冷媒を圧力上昇させる動力に利用するために、膨張子及び圧縮子として作動する二つの回転体を連結して一体とし、それをハウジング内に保有した構造の膨張圧縮分流器を用い前記膨張機冷媒回路と前記冷凍サイクルとに分流することを特徴とした請求項10に記載の車載用冷暖房システム。
JP2005319492A 2005-11-02 2005-11-02 車載用冷暖房システム。 Pending JP2007127316A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319492A JP2007127316A (ja) 2005-11-02 2005-11-02 車載用冷暖房システム。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319492A JP2007127316A (ja) 2005-11-02 2005-11-02 車載用冷暖房システム。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007127316A true JP2007127316A (ja) 2007-05-24

Family

ID=38150117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005319492A Pending JP2007127316A (ja) 2005-11-02 2005-11-02 車載用冷暖房システム。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007127316A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012201295A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Denso Corp 車両用空調装置
JP5821057B1 (ja) * 2014-10-21 2015-11-24 サーチウェア株式会社 車両
JP2016217606A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 矢崎総業株式会社 自動車および熱交換器
CN106711549A (zh) * 2017-01-23 2017-05-24 青岛逸轩产品设计有限公司 一种带冷却系统和加热系统的快速充电桩
CN106740403A (zh) * 2017-03-21 2017-05-31 西北工业大学 一种液氮动力输出系统及混合动力冷链运输车
JP2017155236A (ja) * 2009-02-13 2017-09-07 アルケマ フランス 車両の暖房および/または空調方法
CN111347837A (zh) * 2020-05-18 2020-06-30 杭州制氧机集团股份有限公司 一种可防止车内窒息的汽车热泵智能管理系统及其方法
CN111516556A (zh) * 2020-04-30 2020-08-11 重庆长安汽车股份有限公司 纯电动车型热管理系统及纯电动汽车
CN113906202A (zh) * 2019-06-03 2022-01-07 翰昂汽车零部件有限公司 热管理系统
US11971183B2 (en) 2019-09-05 2024-04-30 Trane International Inc. Systems and methods for refrigerant leak detection in a climate control system

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017155236A (ja) * 2009-02-13 2017-09-07 アルケマ フランス 車両の暖房および/または空調方法
US8688322B2 (en) 2011-03-28 2014-04-01 Denso Corporation Air conditioner for vehicle
JP2012201295A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Denso Corp 車両用空調装置
JP5821057B1 (ja) * 2014-10-21 2015-11-24 サーチウェア株式会社 車両
WO2016063631A1 (ja) * 2014-10-21 2016-04-28 サーチウェア株式会社 車両
JP2016217606A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 矢崎総業株式会社 自動車および熱交換器
CN106711549B (zh) * 2017-01-23 2023-07-18 青岛陆嘉新能源汽车研发有限公司 一种带冷却系统和加热系统的快速充电桩
CN106711549A (zh) * 2017-01-23 2017-05-24 青岛逸轩产品设计有限公司 一种带冷却系统和加热系统的快速充电桩
CN106740403A (zh) * 2017-03-21 2017-05-31 西北工业大学 一种液氮动力输出系统及混合动力冷链运输车
CN113906202A (zh) * 2019-06-03 2022-01-07 翰昂汽车零部件有限公司 热管理系统
US11971183B2 (en) 2019-09-05 2024-04-30 Trane International Inc. Systems and methods for refrigerant leak detection in a climate control system
CN111516556A (zh) * 2020-04-30 2020-08-11 重庆长安汽车股份有限公司 纯电动车型热管理系统及纯电动汽车
CN111347837A (zh) * 2020-05-18 2020-06-30 杭州制氧机集团股份有限公司 一种可防止车内窒息的汽车热泵智能管理系统及其方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7326074B2 (ja) 車両用ヒートポンプシステム
JP2007127316A (ja) 車載用冷暖房システム。
JP5860361B2 (ja) 電動車両用熱管理システム
CN105216584B (zh) 闪蒸过冷补气的电动汽车废热回收热泵式综合热管理系统
US7152422B2 (en) Vapor compression refrigerator
US7650761B2 (en) Refrigerating device comprising waste heat utilization equipment
US7536869B2 (en) Vapor compression refrigerating apparatus
JP4451312B2 (ja) 特に自動車用の空調装置
JP5755490B2 (ja) 冷却装置
CN100400803C (zh) 具有制冷循环和兰金循环的蒸汽压缩制冷剂循环系统
JP2021037931A (ja) 車両用ヒートポンプシステム
JP2021031045A (ja) 車両用ヒートポンプシステム
US20060123819A1 (en) Cogeneration system
JP2021000971A (ja) 車両用ヒートポンプシステム
US20150052926A1 (en) Thermally Enhanced Cascade Cooling System
CN102563943A (zh) 汽车空调设备的制冷剂循环回路
JP2012112369A (ja) ヒートポンプ発電装置
JP2005257127A (ja) 自然冷媒ヒートポンプシステム
JP2009291008A (ja) 電気駆動自動車の熱管理システム
JP2014037179A (ja) 電動車両用熱管理システム
EP2984419B1 (en) Combined vapor absorption and mechanical compression cycle design
JP2013184596A (ja) 車両空調用、及び、自動車構成部品温度調整用冷凍サイクル装置
JP2005016326A (ja) 発熱体の廃熱利用装置
JP2007032898A (ja) コージェネレイション出力利用システム
JP4631426B2 (ja) 蒸気圧縮式冷凍機