JP2007125978A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】氷雪路での横滑りを抑制し、氷・雪上性能を向上しながら、ブロック欠けを抑制する。
【解決手段】ショルダブロックBoに、タイヤ周方向の縦のサイピング9を設ける。縦のサイピング9の開口縁10は、トレッド端縁Teからのタイヤ軸方向距離Lが、最小距離Lmin となる最小距離位置を有する中間部から周方向両端まで増加する凸曲線Jをなす。又縦のサイピング9は、深さ方向においては、前記開口縁10から略法線方向にのびる深さ上方領域9Uと、法線方向に対して傾斜してのびる深さ中間領域9Nと、前記深さ上方領域とは略平行にサイピング底までのびる深さ下方領域9Lとを具え、しかも前記深さ下方領域9Lを深さ上方領域9Uよりもタイヤ軸方向内側に位置させた。
【選択図】図4
【解決手段】ショルダブロックBoに、タイヤ周方向の縦のサイピング9を設ける。縦のサイピング9の開口縁10は、トレッド端縁Teからのタイヤ軸方向距離Lが、最小距離Lmin となる最小距離位置を有する中間部から周方向両端まで増加する凸曲線Jをなす。又縦のサイピング9は、深さ方向においては、前記開口縁10から略法線方向にのびる深さ上方領域9Uと、法線方向に対して傾斜してのびる深さ中間領域9Nと、前記深さ上方領域とは略平行にサイピング底までのびる深さ下方領域9Lとを具え、しかも前記深さ下方領域9Lを深さ上方領域9Uよりもタイヤ軸方向内側に位置させた。
【選択図】図4
Description
本発明は、冬用タイヤとして好適であり、トレッド部に多数のサイピングが配置された空気入りタイヤに関する。
スノータイヤ、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤに求められる氷雪路での走行性能として、駆動ないし制動時といった直進走行性能のみならず、コーナリング性能も重要となる。そこで、従来においては、トレッド部に、タイヤ軸方向にのびる横のサイピングに加えて、タイヤ周方向にのびる縦のサイピングを形成し、サイピングの周方向エッジ成分を高めることによりコーナリング時の横滑りを防止することが図られている。
特に横滑り防止には、コーナリング時に接地圧が大となるショルダブロック、とりわけトレッド接地端寄りに、縦のサイピングを形成することが好ましく、又縦のサイピングの深さを増すことにより、エッジ効果が高まり、横滑り防止効果が向上することが判明している。
しかし、ショルダブロックでは、コーナリング時に作用する横力が大であり、しかも縦のサイピングとトレッド端縁とが近接している。そのため、サイピング深さが増加すると、縦のサイピングとトレッド端縁との間のブロック部分の倒れ込み量が大きくなって、サイピングの周方向外端およびサイピング底に集中する応力が一層増大する。その結果、図8(A),(B)に示すように、縦のサイピングaの周方向外端a1やサイピング底a2を起点として、クラックjが発生し、ブロック欠け等の損傷を招くという傾向が生じる。
そこで本発明は、縦のサイピングの形状等を変更することにより、ブロック欠け等の損傷を防止しつつ、コーナリング時の耐横滑り性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部に、トレッド端縁寄りをタイヤ周方向に連続してのびる外の縦主溝と、この外の縦主溝からトレッド端縁までのびる複数の横溝とを設けることにより、前記外の縦主溝、横溝、トレッド端縁により囲まれかつトレッド端縁に沿ってタイヤ周方向に隔置されるショルダブロックからなるショルダブロック列を形成した空気入りタイヤであって、
前記ショルダブロックは、ブロック表面で開口してタイヤ周方向にのびるとともに周方向両端が該ショルダブロック内で終端する縦のサイピングを有し、
かつ該縦のサイピングの前記ブロック表面での開口縁は、前記トレッド端縁からのタイヤ軸方向距離Lが最小距離Lmin となる最小距離位置を有する中間部から前記周方向両端まで、前記タイヤ軸方向距離Lが増加する凸曲線をなすとともに、
前記縦のサイピングは、深さ方向においては、前記開口縁から前記ブロック表面の略法線方向にのびる深さ上方領域と、この深さ上方領域から前記法線方向に対して傾斜してのびる深さ中間領域と、この深さ中間領域から前記深さ上方領域とは略平行にサイピング底までのびる深さ下方領域とを具え、しかも前記深さ下方領域を、深さ上方領域よりもタイヤ軸方向内側に位置させたことを特徴としている。
前記ショルダブロックは、ブロック表面で開口してタイヤ周方向にのびるとともに周方向両端が該ショルダブロック内で終端する縦のサイピングを有し、
かつ該縦のサイピングの前記ブロック表面での開口縁は、前記トレッド端縁からのタイヤ軸方向距離Lが最小距離Lmin となる最小距離位置を有する中間部から前記周方向両端まで、前記タイヤ軸方向距離Lが増加する凸曲線をなすとともに、
前記縦のサイピングは、深さ方向においては、前記開口縁から前記ブロック表面の略法線方向にのびる深さ上方領域と、この深さ上方領域から前記法線方向に対して傾斜してのびる深さ中間領域と、この深さ中間領域から前記深さ上方領域とは略平行にサイピング底までのびる深さ下方領域とを具え、しかも前記深さ下方領域を、深さ上方領域よりもタイヤ軸方向内側に位置させたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記縦のサイピングの開口縁は、前記両端の前記トレッド端縁からのタイヤ軸方向距離Leを、前記最小距離Lmin の1.1〜1.5倍としたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記縦のサイピングは、前記ブロック表面と平行な平面における断面形状が、前記開口縁と同向きの凸曲線をなすことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記凸曲線は円弧状曲線であることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記縦のサイピングは、サイピング底の周方向両端と、前記ショルダブロックのタイヤ軸方向外側面であるバットレス面との間の最小距離Tmin を8.0mm以上とした特徴としている。
又請求項6の発明では、前記ショルダブロックは、前記縦のサイピングと外の縦主溝との間に、前記縦のサイピングに交わることなくタイヤ軸方向にのびる複数の横のサイピングを具えるとともに、前記縦のサイピングの深さhtを、前記横のサイピングの深さhyの0.8倍以上かつ1.0倍より小としたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記縦のサイピングは、前記ブロック表面と平行な平面における断面形状が、前記開口縁と同向きの凸曲線をなすことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記凸曲線は円弧状曲線であることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記縦のサイピングは、サイピング底の周方向両端と、前記ショルダブロックのタイヤ軸方向外側面であるバットレス面との間の最小距離Tmin を8.0mm以上とした特徴としている。
又請求項6の発明では、前記ショルダブロックは、前記縦のサイピングと外の縦主溝との間に、前記縦のサイピングに交わることなくタイヤ軸方向にのびる複数の横のサイピングを具えるとともに、前記縦のサイピングの深さhtを、前記横のサイピングの深さhyの0.8倍以上かつ1.0倍より小としたことを特徴としている。
本発明では、ショルダーブロックに、縦のサイピングを設けているため、横滑りに対するエッジ効果が有効に発揮され、耐横滑り性能を向上できる。
又前記縦のサイピングに対し、深さ方向においては、ブロック表面の法線方向にのびる開口縁側の深さ上方領域と、サイピング底側の深さ下方領域との間を、前記法線方向に対して傾斜する深さ中間領域にて連結した略Z字状の屈曲サイプとしている。従って、サイピング壁面同士が互いに噛み合い、荷重負荷時のサイピング壁面間の拘束力を高める。しかも、前記深さ下方領域が、深さ上方領域よりもタイヤ軸方向内側に変位し、サイピング底における剛性が高まるため、縦のサイピングとトレッド端縁との間の外ブロック部分の曲げ剛性を高めることができ、前記外ブロック部分の変形をさらに抑制しうる。従って、耐横滑り性能の向上効果を発揮しながら、ブロック欠けを防止しうる。
また前記縦のサイピングでは、ブロック表面での開口縁形状を、凸曲線で形成しているため、少なくとも深さ上方領域のサイピング壁面は、湾曲面をなす。従って、前記深さ方向への略Z字状の屈曲と相俟って、開口縁形状が直線状をなす場合に比して、サイピング壁面間の拘束力をより一層高めうる。又前記開口縁が凸曲線をなすことにより、前記外ブロック部分では、剛性が低くクラックが発生しやすい周方向両端が厚肉となって補強され、前記外ブロック部分の変形及び応力が均一化される。そして、これらの相互作用によって、横滑りに対するエッジ効果、及びブロック欠け防止効果をさらに有効に発揮することができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤが乗用車用のスタッドレスタイヤである場合のトレッドパターンの展開図である。
図1は本発明の空気入りタイヤが乗用車用のスタッドレスタイヤである場合のトレッドパターンの展開図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2に、トレッド端縁Te寄りをタイヤ周方向に連続してのびる外の縦主溝3oと、この外の縦主溝3oからトレッド端縁Teまでのびる複数の横溝4oとを設けている。これにより、トレッド部2に、前記外の縦主溝3oと、横溝4oと、トレッド端縁Teとにより囲まれたショルダブロックBoがタイヤ周方向に沿って隔置されるショルダブロック列を少なくとも含む、ブロックタイプ、或いはブロック・リブタイプのトレッドパターンが形成される。
本例では、トレッド部2には、前記外の縦主溝3oと、そのタイヤ軸方向内側の内の縦主溝3iとの4本の縦主溝3が配されている。
なお前記縦主溝3i,3i間には、浅底の内の横溝4iによって区分される内のブロックBiからなる内ブロック列が形成される。又前記縦主溝3o,3i間には、前記外の縦主溝3oからタイヤ軸方向内側にのびるスロット状の中の横溝4mが配されるとともに、各横溝4mのタイヤ軸方向内端間は、タイヤ周方向にのびる浅底の継ぎ溝5によって連結される。従って、縦主溝3o,3iでは、前記継ぎ溝5のタイヤ軸方向内側に、タイヤ周方向にのびるリブ状部6Aが形成されるとともに、前記継ぎ溝5のタイヤ軸方向外側には、中の横溝4mと外の縦主溝3oと継ぎ溝5とによって区分されるブロック状部6Bからなるブロック列が形成される。
縦主溝3(前記縦主溝3i、3oを総称するとき、縦主溝3という)は、直線状又はジグザグ状を有してタイヤ周方向に連続してのびる溝巾Wgが3.0mm以上、好ましくは4.0mm以上の溝体であり、溝深さHg(図3に示す)としては、乗用車用のスタッドレスタイヤの場合、8.0〜10.0mmの範囲が採用される。
また横溝4(前記横溝4i、4m、4oを総称するとき、横溝4という)は、氷雪上でのトラクション性を確保するため、タイヤ軸方向に対して30°以下、好ましくは20°以下の角度で延在する。この横溝4の溝巾Wyは1.5mm以上であり、又溝深さ(図示せず)は、前記縦主溝3の溝深さHg以下である。本例では、前記横溝4m、4oは、前記縦主溝3の溝深さHgの0.7〜1.0倍程度で形成され、又前記横溝4i、継ぎ溝5の溝深さは、前記縦主溝3の溝深さHgの0.5倍以下で形成される。従って、摩耗中期以降では、前記横溝4i、継ぎ溝5が摩滅して高いトレッド剛性を示し、夏用タイヤとして優れた操縦安定性を発揮する。
そして、前記内のブロックBi、リブ状部6A、ブロック状部6Bには、氷雪路における駆動、制動力を確保し必要な直進走行性能をうるために、タイヤ軸方向にのびる複数の横のサイピング8を設けている。この横のサイピング8については特に規制されないが、タイヤ軸方向に対して30°以下、好ましくは20°以下の角度で延在することが好ましい。なお横のサイピング8は、本例では、その開口縁が直線状をなすものを例示しているが、ジグザグ状(波状を含む)であっても良い。
次に、前記ショルダブロックBoには、横滑りに対するエッジ効果を有効に発揮するために、ブロック表面Sで開口してタイヤ周方向にのびる縦のサイピング9を形成している。この縦のサイピング9は、周方向両端9eがブロック内で終端する所謂クローズドサイプであって、トレッド端縁Te寄りに形成される。なお「トレッド端縁Te縁寄り」とは、ショルダブロックBoの巾中心線よりもトレッド端縁Te側の範囲を意味する。
又図2〜4に示すように、前記縦のサイピング9の開口縁10は、前記トレッド端縁Teからのタイヤ軸方向距離Lが最小距離Lmin となる最小距離位置を有する中間部Cpから前記周方向両端9eまで、前記タイヤ軸方向距離Lが増加する凸曲線Jで形成される。本例では、前記凸曲線Jが円弧状曲線で形成された場合を例示しているが、図6に示すように、前記中間部Cpが直線状をなす複合曲線であっても良い。なお縦のサイピング9では、前記周方向両端9eを通る直線の、タイヤ周方向に対する角度θは10°以下であって、好ましくは5°以下である。
又前記縦のサイピング9は、深さ方向においては、図3、4の如く、前記開口縁10から前記ブロック表面Sの略法線方向にのびる深さ上方領域9Uと、この深さ上方領域9Uから前記法線方向に対して角度αでタイヤ軸方向内方に傾斜してのびる深さ中間領域9Nと、この深さ中間領域9Nから前記深さ上方領域9Uとは略平行にサイピング底11までのびる深さ下方領域9Lとを具える略Z字状の屈曲サイプをなす。なお前記「略法線方向」、「略平行」とは、製造工程上の誤差を許容するものであり、具体的には、「法線方向」、「平行」に対して、±5°の角度範囲を許容している。
このように縦のサイピング9は、深さ方向に対して略Z字状に屈曲しているため、サイピング壁面同士が互いに噛み合い、荷重負荷時のサイピング壁面間の拘束力を高める。しかも、前記深さ下方領域9Lが、深さ上方領域9Uよりもタイヤ軸方向内側に変位し、サイピング底11における剛性が高まるため、縦のサイピング9とトレッド端縁Teとの間の外ブロック部分Bo1の曲げ剛性を高めることができ、前記外ブロック部分Bo1の変形をさらに抑制しうる。そのためには、前記深さ中間領域9Nの傾斜角度αを、15〜35°の範囲とするのが好ましく、15°未満では、略Z字状の屈曲による効果が発揮されなくなる。逆に35°を超えると、タイヤ製造時、サイピング形成用のナイフブレードを加硫タイヤから抜き取り難くなって生産性を損ねる、或いは抜き取り時にタイヤを損傷させる等の不具合を招く。又前記深さ中間領域9Nの法線方向の長さHnは、縦のサイピング9の深さhtの25〜30%が好ましく、又深さ上方領域9Uの法線方向の長さHuと、深さ下方領域9Lの法線方向の長さHlとの比Hu/Hlは0.7〜1.3の範囲が好ましい。この範囲から外れると、外ブロック部分Bo1の剛性がアンバランスとなり変形抑制に不利となる。
又縦のサイピング9では、前記開口縁10が凸曲線で形成されているため、少なくとも深さ上方領域9Uのサイピング壁面は、湾曲面をなす。従って、前記略Z字状の屈曲と相俟って、サイピング壁面間の拘束力をより一層高めうる。又前記開口縁10が凸曲線をなすことにより、前記外ブロック部分Bo1では、剛性が低くクラックが発生しやすい周方向両端9eが厚肉となって補強され、前記外ブロック部分Bo1の変形及び応力が均一化される。そしてこれらの相互作用によって、横滑りに対するエッジ効果、及びブロック欠け防止効果をさらに有効に発揮することができる。
このとき前記開口縁10では、前記周方向両端9eのトレッド端縁Teからのタイヤ軸方向距離Leを、前記最小距離Lmin の1.1〜1.5倍の範囲とすることが、前記外ブロック部分Bo1の変形及び応力の均一化のために好ましい。1.1倍未満では、周方向両端9eを起点としたブロック欠けの防止効果が不充分となり、逆に1.5倍を超えると、前記最小距離位置に応力が集中するなど該最小距離位置からのブロック欠けを誘発する傾向がある。なお前記最小距離Lmin は、3.0〜5.0mmが好ましい。
又縦のサイピング9では、各領域9U、9N、9Lにおいて、前記ブロック表面Sと平行な平面Fsにおける断面形状Kを、図5に示す如く前記開口縁10と同向きの凸曲線とする、とりわけ各断面形状Kを、前記開口縁10と同形状とすることが好ましい。これにより、前記外ブロック部分Bo1の変形がより均一化され、応力集中が抑制される結果、横滑りに対するエッジ効果、及び特にサイピング底11の周方向両端9eを起点としたブロック欠けの防止効果をより有効に発揮しうる。このとき、前記サイピング底11の周方向両端9eと、前記ショルダブロックBoのタイヤ軸方向外側面であるバットレス面12との間の最小距離Tmin (図3に示す)を8.0mm以上とすることが望ましく、8.0mm未満では、前記周方向両端9eを起点としたブロック欠けを充分防止できない傾向となる。
又前記縦のサイピング9では、横滑りに対するエッジ効果を充分に発揮し耐横滑り性能を高めるために、そのサイピング深さht(図3に示す)を、前記外の縦主溝3oの溝深さHgの0.5〜0.8倍の範囲とするのが好ましい。0.5倍未満では、エッジ効果の不足傾向を招き、逆に0.8を超えると、本実施形態を採用した場合にも、ブロック欠けの防止が難しくなる。
次に、前記ショルダブロックBoでは、前記縦のサイピング9と外の縦主溝3oとの間の内ブロック部分Bo2に、前記縦のサイピング9とは交わることなく、縦のサイピング9からタイヤ軸方向内方に間隔Gを隔てた外端位置から、タイヤ軸方向内方にのびる複数の横のサイピング13を形成している。
この横のサイピング13は、前記横のサイピング8と同様、タイヤ軸方向に対して30°以下、好ましくは20°以下の角度で延在し、前記横のサイピング8と協働して氷雪路における駆動、制動力を確保する。又横のサイピング13によって、縦のサイピング9のサイピング底11に適度の柔軟性が付与され、応力集中が緩和されるため、ブロック欠けの防止にも有利となる。なお横のサイピング13と縦のサイピング9とが交わる場合には、その交点を起点としてクラックが発生傾向となる。従って、前記間隔Gを1.0mm以上確保するのが好ましい。
ここで前記縦のサイピング9の深さhtは、前記横のサイピング13の深さhyの0.8倍以上かつ1.0倍より小であることが好ましく、1.0倍以上では、応力集中の緩和効果が減じ、ブロック欠け防止に不利となる。逆に0.8倍未満では、横のサイピング13が縦のサイピング9に対して深過ぎとなってエッジ効果が減じ、氷雪路における駆動、制動性に不利となる。
なお横のサイピング13として、本例では、前記外端位置から外の縦主溝3o上の内端位置まで連続してのびる第1のサイピング13Aと、非連続でのびる第2のサイピング13Bとからなり、かつ第1、2のサイピング13A、13Bが交互に配される場合を例示している。しかし、第1のサイピング13Aのみ、或いは、第2のサイピング13Aのみで構成してもよく、又内端位置が外の縦主溝3oから隔たるクローズドサイプを混在させる、或いはクローズドサイプのみで構成しても良い。
次に、図7に縦のサイピング9の他の実施例を示す。本例では、ブロック表面Sと平行な平面Fsにおける断面形状Kが、深さ上方領域9Uでのみ凸曲線をなし、深さ中間領域9Nおよび深さ下方領域9Lでは直線状をなす場合を示す。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示すトレッドパターンを基本パターンとしたタイヤサイズが195/65/R15の乗用車用のスタッドレスタイヤを表1の仕様に基づき試作し、各試供タイヤの氷上性能、雪上性能、耐ブロック欠け性能をテストし、互いに比較した。各試供タイヤとも、ショルダーブロックにおける縦のサイピングの形状、寸法のみ相違し、それ以外は実質的に同仕様である。
(1)氷上性能:
試供タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(200kPa)にて、乗用車(FR車:2500cc)の四輪に装着し、気温0゜Cの環境下の氷盤路を走行し、ドライバーの官能評価により比較例1を6とする10点法で評価した。数値が大きいほど、氷上性能に優れている。
試供タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(200kPa)にて、乗用車(FR車:2500cc)の四輪に装着し、気温0゜Cの環境下の氷盤路を走行し、ドライバーの官能評価により比較例1を6とする10点法で評価した。数値が大きいほど、氷上性能に優れている。
(2)雪上性能:
前記(1)の車両を用い、気温0゜Cの環境下の残雪路を走行し、ドライバーの官能評価により比較例1を6とする10点法で評価した。数値が大きいほど、雪上性能に優れている。
前記(1)の車両を用い、気温0゜Cの環境下の残雪路を走行し、ドライバーの官能評価により比較例1を6とする10点法で評価した。数値が大きいほど、雪上性能に優れている。
(3)耐ブロック欠け性能:
前記(1)の車両を用い、一般路を10、000km走行した後、左右の前輪タイヤに発生したブロック欠けの個数の合計を比較した。数値が小さいほど、耐ブロック欠け性能に優れている。
前記(1)の車両を用い、一般路を10、000km走行した後、左右の前輪タイヤに発生したブロック欠けの個数の合計を比較した。数値が小さいほど、耐ブロック欠け性能に優れている。
表の如く、実施例のタイヤは、氷雪路での横滑りを抑制でき、氷・雪上性能を向上しながら、ブロック欠けを抑制しうるのが確認できる。
2 トレッド部
3o 外の縦主溝
4o 横溝
9 縦のサイピング
9e 周方向両端
9U 深さ上方領域
9N 深さ中間領域
9L 深さ下方領域
10 開口縁
11 サイピング底
12 バットレス面
13 横のサイピング
Bo ショルダブロック
Cp 中間部
J 凸曲線
S ブロック表面
Te トレッド端縁
3o 外の縦主溝
4o 横溝
9 縦のサイピング
9e 周方向両端
9U 深さ上方領域
9N 深さ中間領域
9L 深さ下方領域
10 開口縁
11 サイピング底
12 バットレス面
13 横のサイピング
Bo ショルダブロック
Cp 中間部
J 凸曲線
S ブロック表面
Te トレッド端縁
Claims (6)
- トレッド部に、トレッド端縁寄りをタイヤ周方向に連続してのびる外の縦主溝と、この外の縦主溝からトレッド端縁までのびる複数の横溝とを設けることにより、前記外の縦主溝、横溝、トレッド端縁により囲まれかつトレッド端縁に沿ってタイヤ周方向に隔置されるショルダブロックからなるショルダブロック列を形成した空気入りタイヤであって、
前記ショルダブロックは、ブロック表面で開口してタイヤ周方向にのびるとともに周方向両端が該ショルダブロック内で終端する縦のサイピングを有し、
かつ該縦のサイピングの前記ブロック表面での開口縁は、前記トレッド端縁からのタイヤ軸方向距離Lが最小距離Lmin となる最小距離位置を有する中間部から前記周方向両端まで、前記タイヤ軸方向距離Lが増加する凸曲線をなすとともに、
前記縦のサイピングは、深さ方向においては、前記開口縁から前記ブロック表面の略法線方向にのびる深さ上方領域と、この深さ上方領域から前記法線方向に対して傾斜してのびる深さ中間領域と、この深さ中間領域から前記深さ上方領域とは略平行にサイピング底までのびる深さ下方領域とを具え、しかも前記深さ下方領域を、深さ上方領域よりもタイヤ軸方向内側に位置させたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記縦のサイピングの開口縁は、前記両端の前記トレッド端縁からのタイヤ軸方向距離Leを、前記最小距離Lmin の1.1〜1.5倍としたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記縦のサイピングは、前記ブロック表面と平行な平面における断面形状が、前記開口縁と同向きの凸曲線をなすことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸曲線は円弧状曲線であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記縦のサイピングは、サイピング底の周方向両端と、前記ショルダブロックのタイヤ軸方向外側面であるバットレス面との間の最小距離Tmin を8.0mm以上とした特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ショルダブロックは、前記縦のサイピングと外の縦主溝との間に、前記縦のサイピングに交わることなくタイヤ軸方向にのびる複数の横のサイピングを具えるとともに、前記縦のサイピングの深さhtを、前記横のサイピングの深さhyの0.8倍以上かつ1.0倍より小としたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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- 2006-10-11 CN CN 200610140054 patent/CN1958313A/zh active Pending
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