JP2007123495A - 光電変換装置及び複合型光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多数個の結晶半導体粒子を導電性基板上に効率的に配置し接合することができ、また変換効率が高く高性能で高信頼性の光電変換装置を提供すること。
【解決手段】 光電変換装置は、導電性基板11の一主面に、表面に第1導電型(n型)の半導体層13が形成された第2導電型(p型)の結晶シリコン粒子12が、多数個間隔をおいて配置されているとともに結晶シリコン粒子12の下部が導電性基板11に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁体15が介在するとともに上部が絶縁体15から露出して配置されて、これら結晶シリコン粒子12上に透光性導体層16が設けられており、導電性基板11は、一主面に多数の凹部が形成されているとともに凹部内に結晶シリコン粒子12が配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 光電変換装置は、導電性基板11の一主面に、表面に第1導電型(n型)の半導体層13が形成された第2導電型(p型)の結晶シリコン粒子12が、多数個間隔をおいて配置されているとともに結晶シリコン粒子12の下部が導電性基板11に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁体15が介在するとともに上部が絶縁体15から露出して配置されて、これら結晶シリコン粒子12上に透光性導体層16が設けられており、導電性基板11は、一主面に多数の凹部が形成されているとともに凹部内に結晶シリコン粒子12が配置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽光発電等に使用される光電変換装置に関し、特に結晶半導体粒子を用いた光電変換装置、及びそれを用いた複合型光電変換装置に関する。
太陽電池等の光電変換装置は、光電変換効率(以下変換効率ともいう)等の性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、あるいは製造コストの低さ等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。太陽電池の材料としては、シリコンの単結晶または多結晶の大きなバルクを切断して基板を作製して用いている。しかしながら、この方法では、切断ロスが多いという点で省資源として問題がある。このことから、省資源の点で今後の市場において有望な光電変換装置の一つとして、結晶シリコン粒子を用いた光電変換装置がある。
結晶シリコン粒子を作製するための原料としては、例えば単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられている。これらの原料から結晶シリコン粒子を作製するには、それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波を用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば特許文献1,2参照)や、同じく高周波プラズマを用いる方法(例えば特許文献3)によって球状化する。
国際公開第99/22048号公報
米国特許第4188177号明細書
特開平5−78115号公報
特許3490969号公報
しかしながら、シリコン原料は貴重であり、さらなる省資源を達成するには、使用するシリコン量を更に低減することが望ましい。そこで、シリコン量を更に低減することが可能で集光効率を向上させることが可能な構成として、特許文献4に示すように、一個々の球状シリコンをアルミニウム製の凹面に接続するという集光構造があるが、球状シリコンが外部に対してそのまま露出している構成であり、耐候性の点で好ましくないという問題があった。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、多数個の結晶半導体粒子を導電性基板上に効率的に配置し接合することができ、また変換効率が高く高性能で高信頼性の光電変換装置を提供することである。
本発明の光電変換装置は、導電性基板の一主面に、表面に第1導電型の半導体部が形成された第2導電型の結晶半導体粒子が、多数個間隔をおいて配置されているとともに前記結晶半導体粒子の下部が前記導電性基板に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁体が介在するとともに上部が前記絶縁体から露出して配置されて、これら結晶半導体粒子上に透光性導体層が設けられた光電変換装置において、前記導電性基板は、前記一主面に多数の凹部が形成されているとともに該凹部内に前記結晶半導体粒子が配置されていることを特徴とする。
本発明の光電変換装置は好ましくは、前記導電性基板の凹部は、平面視において縦横の比率が異なることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記導電性基板は、前記凹部が形成されている前記一主面に銀層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記凹部の中に複数の前記結晶半導体粒子が配置されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記透光性導体層上に、前記各結晶半導体粒子上に凸レンズ状部が形成された透明樹脂保護層が形成されていることを特徴とする。
本発明の複合型光電変換装置は、本発明の光電変換装置と、ガラス基板の主面に薄膜光電変換層を形成して成る薄膜型光電変換装置とが透明樹脂接着層を介して接合されて成ることを特徴とする。
本発明の光電変換装置によれば、導電性基板の一主面に、表面に第1導電型の半導体部が形成された第2導電型の結晶半導体粒子が、多数個間隔をおいて配置されているとともに結晶半導体粒子の下部が導電性基板に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁体が介在するとともに上部が絶縁体から露出して配置されて、これら結晶半導体粒子上に透光性導体層が設けられた光電変換装置において、導電性基板は、一主面に多数の凹部が形成されているとともに凹部内に結晶半導体粒子が配置されていることにより、アルミニウム等からなる導電性基板に形成された凹部は内面が光反射性を有するものとなるため結晶半導体粒子に対する集光性が高まり、高い変換効率が得られ、また、導電性基板上の凹部に多数の結晶半導体粒子を一度に接合させることができるため効率的に製造でき、低コストの光電変換装置を作製できる。
本発明の光電変換装置は好ましくは、導電性基板の凹部は、平面視において縦横の比率が異なることから、日の出から日の入りまでの太陽の軌跡及び季節による変動に応じて、凹部の長手方向及び短手方向の配置を調整することにより、集光された光を効率よく結晶半導体粒子に入射させることができる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、導電性基板は、凹部が形成されている一主面に銀層が形成されていることから、凹部の内面の光反射率を向上させることができ、凹部からの反射光が効率良く結晶半導体粒子に入射することになる。また、凹部からの反射光が結晶半導体粒子に直接入射するばかりでなく、結晶半導体粒子の上方に設けた透明樹脂保護層等からのさらなる反射を経て、結晶半導体粒子に入射するように構成することもできる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、凹部の中に複数の結晶半導体粒子が配置されていることから、例えば1つの凹部において太陽光の入射方向、入射角度等の経時変化により変化する集光点の軌跡に合わせて複数の結晶半導体粒子の配置を設定することができ、より集光効率、集光性の高い光電変換装置となる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、透光性導体層上に、各結晶半導体粒子上に凸レンズ状部が形成された透明樹脂保護層が形成されていることから、凹部の内面の光反射によらずに結晶半導体粒子に光を直接集光させることができ、また斜め入射光による結晶半導体粒子への焦点ずれを改善することができ、変換効率がより向上したものとなる。
本発明の複合型光電変換装置は、本発明の光電変換装置と、ガラス基板の主面に薄膜光電変換層を形成して成る薄膜型光電変換装置とが透明樹脂接着層を介して接合されて成ることから、光電変換装置で光電変換しきれなかった光の成分を薄膜型光電変換装置によって光電変換することができるとともに、余分な熱を薄膜型光電変換装置によって吸収し外部へ伝熱、放散させることができる。その結果、結晶半導体粒子の温度上昇を抑制することができ、熱によって光電変換装置の変換効率が低下するのを防ぐことができる。
また、光電変換装置で光電変換しきれなかった光の成分を薄膜型光電変換装置によって光電変換することができるため、複合型光電変換装置全体として高い変換効率及び大きな光電流を得ることができる。
さらに、光電変換装置で光電変換しきれなかった光波長帯域の光の成分を薄膜型光電変換装置によって光電変換することもできるため、幅広い光波長帯域の光を光電変換することが可能となり、より高い変換効率を得ることができる。
本発明の光電変換装置の実施の形態について図を参照にしつつ以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図2は、本発明の光電変換装置の実施の形態の他例を示す断面図である。図3は、光電変換装置の実施の形態のさらなる他例を示す断面図である。
本発明の光電変換装置は、結晶半導体粒子として例えば結晶シリコン粒子12を用いて作製される。そして、本発明の光電変換装置は、導電性基板11の一主面に、表面に第1導電型(例えばn型)の半導体部(半導体層13)が形成された第2導電型(例えばp型)の結晶半導体粒子(結晶シリコン粒子12)が、多数個間隔をおいて配置されているとともに結晶半導体粒子の下部が導電性基板11に接合され、隣接するもの同士の間に透光性を有する絶縁体15が介在するとともに上部が絶縁体15から露出して配置されて、これら結晶半導体粒子上に透光性導体層16が設けられた光電変換装置において、導電性基板11は、一主面に多数の凹部が形成されているとともに凹部内に結晶半導体粒子が配置されている構成である。
導電性基板11の一主面に形成される凹部は、その平面視での形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、多角形、台形等の形状である。凹部の平面視での大きさは、円形の場合直径が0.45〜1.2mm程度、他の形状の場合最大幅が同程度である。凹部の内面形状は、球面(部分球面)、非球面(部分非球面)、逆円錐面等の曲面、または平坦面、斜面等の平面を組み合わせた形状である。凹部の深さは、0.2〜0.6mm程度である。
図1においては、導電性基板11の一主面(上面)に、p型の結晶シリコン粒子12を多数個、その下部を接合層14によって導電性基板11に接合し、結晶シリコン粒子12の隣接するもの同士の間に絶縁体15を介在させるとともにそれら結晶シリコン粒子12の上部を絶縁体15から露出させて配置し、これら結晶シリコン粒子12にn型の半導体層13及び透光性導体層16が設けられている。
本発明の結晶半導体粒子としての結晶シリコン粒子12は、シリコン原料全体を溶融させ、シリコン融液の液面をアルゴンガスなどで加圧してノズル孔から押し出すことにより、多数の液滴を噴出させ自由落下中に凝固させて、単結晶シリコン粒子または多結晶シリコン粒子となって容器に収容されたものを用いている。この他にも、シリコン粉末を溶融炉を通すことによって単結晶シリコン粒子にしたものを用いてもよい。
このような結晶シリコン粒子12は、太陽電池等の光電変換装置を構成するために使用される。従って、溶解させるシリコンには、所望の半導体となるための添加不純物を含有させておくのが好ましい。所望の半導体の抵抗値になるように、第2の導電型とするためのドーパント、例えばp型ドーパントがドーピングされている。p型ドーパントとしては、ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウムがあるが、シリコンに対する偏析係数が大きい点やシリコン溶融時の蒸発係数が小さい点から、ホウ素を用いることが好ましい。
本発明においては、導電性基板11がアルミニウムからなる場合、結晶シリコン粒子12の導電性基板11への接合部に、p型を示すドーパントとなるアルミニウムとの反応層(p+層)を形成してその反応層をBSF層として用いるので、結晶シリコン粒子12にはp型ドーパントを添加する。
また、結晶シリコン粒子12の平均粒径は、太陽電池等を構成するために使用されるため、1mm以上の大きさでは、例えば200μm厚みのバルク多結晶基板を用いた太陽電池に対しては、シリコン原料の大幅な節約とはならない。即ち、100mm角の200μm厚みのバルク多結晶基板におけるシリコンの重量は4.66gであるのに対し、直径1mmの球状シリコンを100mm角のアルミニウム基板上に最密構造で配設した場合のシリコンの重量は5.23gとなり、200μm厚みのバルク多結晶基板よりもシリコンの量が多くなってしまう。
また、バルク多結晶基板の場合は、シリコンの塊(インゴット)からウエハ状に切断するための切断ロスがあるので、必要なシリコン原料は4.66gの1.5倍の約7gが必要であるが、結晶シリコン粒子12の平均粒径が1mm以上では、結晶シリコン粒子12を用いることによるシリコン量の大幅な節約とはならない。したがって、結晶シリコン粒子12の平均粒径は500μm以下が好ましい。
また、結晶シリコン粒子12の平均粒径が200μm未満となると、取り扱いが困難となるとともに導電性基板11への接合個数が増大するため、一個々を導電性基板11に接合することが困難となる。よって、結晶シリコン粒子12の平均粒径は、200μm以上500μm以下がよい。
さらに、本実施の形態では、結晶半導体粒子として球状の結晶シリコン粒子12を用いているが、チョクラルスキー法(CZ法)によって得られたCZウエハや多結晶ウエハを400μm程度の大きさに破断したチップ状のものを用いても良い。
次に、第1導電型(n型)の半導体層13を形成するには、結晶シリコン粒子12の導電性基板11への接合に先立って、熱拡散法により結晶シリコン粒子12に形成する。n型のドーパントとしてV族のP,As,Sb,III族のB,Al,Gaなどを用い、石英からなる拡散炉にドーパントを導入しながら結晶シリコン粒子12の表面に第1導電型層を形成する。本発明では、拡散されてn型となるV族のPを、加熱した石英管に導入する熱拡散法が適しているが、結晶シリコン粒子12をアルミニウムを含む導電性基板11上に接合した後、結晶シリコン粒子12上にn型の非晶質シリコン層を積層してもよい。
導電性基板11としては、ガラス・セラミック等の絶縁性基板等の基板の少なくとも表面に導電層(金属層)を形成したものでよく、また金属基板であっても良い。基板表面の導電層としては、好ましくは、銀,アルミニウム,銅,錫等の金属からなるものである。さらに好ましくは、少なくとも表面がアルミニウム層となっている基板である。
なお、以下、導電性基板11がアルミニウム基板である場合について説明する。
導電性基板11上への結晶シリコン粒子12の接合により、接合部にアルミニウム−シリコン共晶が形成され、結晶シリコン粒子12とアルミニウム基板との強い接着強度が実現できる。しかしながら、条件によってはアルミニウム基板表面全面にアルミニウム−シリコン共晶が形成されるが、銀の反射率が90%、アルミニウムの反射率が85%に対し、アルミニウム−シリコン共晶の反射率は65%であるため、光反射を利用した本発明の光電変換装置では、光利用率が低下してしまう。このため、アルミニウム−シリコン共晶層である接合層14は、結晶シリコン粒子12の部位より広がらないように結晶シリコン粒子12を接合することが好ましいが、広がった場合にも、アルミニウム−シリコン共晶層上に銀層からなる反射性の薄膜20を、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法等で形成することにより、反射特性を向上させることができる。アルミニウム−シリコン共晶層での反射率は60%、アルミニウム層での反射率は85%、銀層の反射率は90%であることによる。さらに、この反射性の薄膜20上に、スパッタリング法、CVD法、スピンコート法等により、酸化ケイ素や窒化珪素からなる透光性の無機絶縁膜を形成してもよい。このことにより、導電性基板11上に形成される絶縁体15と合わせて、上部電極である透光性導体層16と導電性基板11との電気的絶縁を確保することができる。
次に、導電性基板11の凹部に、結晶シリコン粒子12を規則正しく個々に分離して多数個配置する。このとき、結晶シリコン粒子12は凹部に1個ずつでも良いが、2個以上ずつ配置してもよい。これにより、一日の太陽の軌跡及び季節による太陽高度の変化に対し、凹部内の焦点位置の分布に合わせて、複数の結晶シリコン粒子12の配置状態を設定することができるため、極めて有効に光電変換することができる。
導電性基板11の凹部への結晶シリコン粒子12の配設には、導電性基板11の各凹部に対応した貫通孔(結晶シリコン粒子12の直径よりも小さい直径の貫通孔)や凹みを形成した治具に、多数の結晶シリコン粒子12を配置したり載置したものを、導電性基板11と対向させることによって、導電性基板11の凹部に結晶シリコン粒子12を配設する。その結果、導電性基板11の各凹部に結晶シリコン粒子12を一個々配置する必要がなく、多数の結晶シリコン粒子12の導電性基板11の凹部への配置を一度に行うことができる。
さらに、導電性基板11の凹部は、結晶シリコン粒子12を導電性基板11に接合する前に予め形成していても良いが、結晶シリコン粒子12を接合する治具として、凹部の内面形状を形成可能な凸型(雄型)部を多数形成するとともに、その凸型部の頂点部に結晶シリコン粒子12を半分程度収容する凹みを形成しておき、その凹みに結晶シリコン粒子12を収容した状態で導電性基板11に押し付ける治具を用いることが好ましい。この治具を用いて、接合時に加熱することにより導電性基板11が変形し、多数の凹部を形成するとともに、凹部内に結晶シリコン粒子12を接合することができる。
また本発明においては、結晶シリコン粒子12の上方より入射してくる光は凹部の内面で反射されて、結晶シリコン粒子12に効率的に集光されるが、入射角度の季節的な変動を考慮する場合には以下のように構成することが好ましい。
ここで、1日において、天頂時(午前12時)を基準とした場合、日の出から日の入りまでに、+90°から−90°まで太陽光の導電性基板11への入射角度は変わるうえに、夏至及び冬至の南中時の太陽の地平線に対する角度は、春分または秋分時を基準として+24°から−24°まで変わる。そして、年間を通しての太陽光の入射角度範囲を示したのが図4の斜線部である。この形を見ればわかるように、平面視において最適な集光範囲は縦横の比率が異なることになる。即ち、図4の場合は横長となる。
本発明においては、凹部の内面を、日々の太陽の軌跡に対する集光が比較的に低集光となり、季節要因による集光が高集光となる曲面で構成することにより、集光効率を向上させることができる。たとえば、凹部の東西方向の曲率を南北方向の曲率よりも小さくするようにすればよい。
また、従来、凹部の平面視形状(輪郭)は、縦と横の長さの比が同じように設計されていたが、本発明では縦と横の長さの比を変えることによって、集光効率を向上させることができる。
図5は、本発明の凹部について、(a)は平面視形状、(b)は断面形状をそれぞれ模式的に示したものである。図5(a)に示された平面視形状では、横方向よりも縦方向が長くなっている。図5(b)では、横方向のA−A’断面、及び縦方向のB−B’断面を重ねて描いており、B−B’方向の長さがA−A’方向よりも長くなっており、集光度が高く設計されていることがわかる。これは、A−A’方向での入射角は+90°から−90°まで大きく変わるのに比べ、B−B’の入射角の変位は+24°から−24°であるため、焦点の移動が少ないことにより、縦方向の集光度を高く設計しても凹部の中心に位置する結晶半導体粒子13に凹部内面で反射された光を再入射させることができることによる。
あるいは、凹部の平面視形状(輪郭)の縦横比は同じでも、凹部の内面に配置する複数の結晶シリコン粒子12によって構成される受光領域を、横長に形成することにより、集光効率を高めることができる。
そして、導電性基板11の一主面に結晶シリコン粒子12を接合するに際して、接合部においてアルミニウムとシリコンの共晶の形成を促進させるように、結晶シリコン粒子12の上に荷重をかけて導電性基板11に押し付けながら、Al−Siの共晶温度577℃以上の温度で、窒素あるいは窒素水素の還元雰囲気の接合加熱炉内を通過させることで接合する。このとき、アルミニウム基板と結晶シリコン粒子12との界面には、Al−Si共晶の接合層14が形成される。
このとき、導電性基板11の一主面への反射性の薄膜20の形成に先立ち、板状の治具の主面に結晶シリコン粒子12の接合位置に対応する多数の凸部を形成しておき、それらの凸部にアルミニウム−シリコン共晶粉を含むペーストを塗布し、導電性基板11の一主面の結晶シリコン粒子12の位置する箇所に、上記凸部のペーストを塗布印刷しておくことが好ましい。次に、結晶シリコン粒子12をアルミニウム−シリコン共晶粉のペーストに押し付けることにより、結晶シリコン粒子12の下部のみが共晶点近くで溶融し、アルミニウム−シリコン共晶化が開始され、アルミニウム−シリコン共晶の形成領域が結晶シリコン粒子12の直下及びその近傍周囲に限定されることとなる。
次に、結晶シリコン粒子12の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板11上に透光性を有する絶縁体15を、結晶シリコン粒子12間にムラ無くコーティングする。絶縁体15は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料からなり、ポリイミドを主成分とする。この絶縁材料としては他に、酸化珪素(SiO2),酸化アルミニウム(Al2O3),酸化鉛(PbO),酸化硼素(B2O3),酸化亜鉛(ZnO)等を任意成分として含むガラスも選択可能であるが、ポリイミドは、処理温度を低く抑えることができ、弾性係数も小さく、導電性基板11と絶縁体15との熱膨張差を吸収するのに好ましい。
また、絶縁体15は、少なくとも結晶シリコン粒子12の上部は露出するように形成されることにより、結晶シリコン粒子12上部に形成される透光性導体層16と結晶シリコン粒子12との有効な電気的接触を可能とする。
さらに、結晶シリコン粒子12及び絶縁体15の上に透光性導体層16を形成し、それぞれの結晶シリコン粒子12で発生した光電流を、透光性導体層16で集電できるようにする。この透光性導体層16は、錫ドープ酸化インジウム層、酸化スズ層、酸化亜鉛層等からなり、厚みを850Å程度に制御することで反射防止効果を有するようにできる。
透光性導体層16は、量産に適した信頼性の高い膜質を得るには、スパッタリング法で形成するのが通常であるが、CVD法、ディップ法、電析法等により形成することでもできる。透光性導体層16は、第1導電型の半導体層13上に上部電極として形成されるとともに絶縁体15上にも形成され、個々の結晶シリコン粒子12から構成される光電変換素子を並列に接続することができる。
その後、透光性導体層16とグリット電極(集電極)との間の直列抵抗値を低くするために、透光性導体層16上に銀ペースト等をくし状に塗布してグリット電極(集電極)とすることで、光電変換素子が得られる。このようにして、導電性基板11を一方の電極にし、透光性導体層16をもう一方の電極とすることにより、多数の結晶シリコン粒子12(多数の光電変換素子)から構成される太陽電池等としての光電変換装置が得られる。
光電変換装置に入射した光のうち、結晶シリコン粒子12に直接入射した光はそのまま吸収され、結晶シリコン粒子12以外に入射した光は凹部で反射されて、入射光軌跡a(符号18)のように結晶シリコン粒子12に再入射し、光の利用効率を向上させることができる。
図2に示した本発明の光電変換装置は、図1に示した光電変換装置の透光性導体層16上を、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂等からなる透明充填層及びポリカーボネート樹脂等からなる透明耐候性フィルムからなる透明樹脂保護層17で被覆した構成である。
図2の構成の場合、図1の光電変換装置上に、EVA樹脂製の透明充填層及びポリカーボネート樹脂製の透明耐候性フィルムを重ねて、各結晶シリコン粒子12上に凸レンズ状部を形成するための凹部が形成された治具で型押しして加熱することにより、図2の構成の光電変換装置を容易に作製できる。このとき、EVA樹脂製の透明充填層の厚みは、凸レンズ状部の体積を考慮して、800μm〜1.5mm程度の厚みの厚いものとする。
このように、透明樹脂保護層17によって各結晶シリコン粒子12上に凸レンズ状部を形成することにより、結晶シリコン粒子12に対して入射光はさらに集光され、凹部の中央部に設置された結晶シリコン粒子12のみに、ほとんど入射させることができる。
透明樹脂保護層17に形成される凸レンズ状部としては、縦断面形状が結晶半導体粒子よりも直径が大きな略半円状であって高さよりも横方向の幅が小さい略半円状である凸レンズ状部であることが好ましい。この場合、結晶半導体粒子間の距離を結晶半導体粒子の直径の1/10以上に広げても、光電変換効率の光の入射角依存性を小さくすることができる。その結果、半導体の使用量を少なくすることができ、軽量化、低コスト化された光電変換装置を作製できる。
凸レンズ状部は、より具体的には非球面形状であることがよく、より好ましくは、凸部の頂部が結晶半導体粒子の曲率と同じ球面状であり、凸部の縦断面形状における頂部以外の両側部が結晶半導体粒子よりも直径が大きな円弧から成る。また、凸部は、その中心を通る垂線(鉛直線)を回転軸とした、非球面形状(縦置きしたラグビーボール状)の回転体である。
さらに凸レンズ状部は、縦断面において、頂部以外の両側部が結晶半導体粒子よりも直径が大きな円弧となっているが、その円弧は、導電性基板11の主面に平行で結晶半導体粒子の中心を通る水平線上に中心を持つ、結晶半導体粒子の円よりも直径が大きい2つの円の円弧である。また、凸レンズ状部の頂部が、回転軸上に中心をもつとともに結晶半導体粒子の直径と同じ直径を有する円の円弧となっている。従って、凸レンズ状部は、縦断面において、頂部の円弧と両側部の円弧とがつながった形状を有する。
また、太陽の入射角度は、日の出から日の入りまでと、季節ごとの高度変位とで、集光の焦点位置が結晶シリコン粒子12と離れたとしても、導電性基板11の凹部の内面での反射と組み合わせて、光を有効利用することができる。また、集光による結晶シリコン粒子12の温度上昇分に関しては、結晶シリコン粒子12が導電性基板11の裏面側へ突出した部位に取り付けられているので、外部雰囲気(大気等)への熱放散に有利である。
また、入射光のうち結晶シリコン粒子12の直上から直進して入射した光はそのまま吸収され、結晶シリコン粒子12の直上以外の部位に入射した光も透明樹脂保護層17の凸レンズ状部で屈折して入射光軌跡b(符号19)のように結晶シリコン粒子12に入射するので、光の利用効率をさらに向上させることができる。さらに、それでも結晶シリコン粒子12に入射しなかった光は、導電性基板11の凹部内面で反射させて再入射させることができ、光の利用効率をより高めることができる。
また、図3に示した本発明の光電変換装置は、複合型光電変換装置であり、上記図1の光電変換装置と、ガラス基板の主面に薄膜光電変換層を形成して成る薄膜型光電変換装置とが透明樹脂接着層を介して接合されて成る構成である。
図3の複合型光電変換装置は、図1に示した光電変換装置に、薄膜光電変換層としての非晶質薄膜22等をガラス基板上に形成して成る、薄膜型光電変換装置としての透過型の非晶質薄膜太陽電池を、EVA樹脂からなる透明樹脂接着層を介して接合した構成である。より具体的には、ガラス基板24の主面にパターン形成した酸化スズ等からなる透光性導体層21上に、禁止帯幅Egが1.8eVの非晶質薄膜22をp−i−nで形成し、さらに非晶質薄膜22上に錫ドープ酸化インジウムからなる透光性導体層23を形成して成る透過型の薄膜型光電変換装置と、図1の光電変換装置とを、EVA樹脂からなる透明樹脂接着層17aを介して接合したものである。
薄膜型光電変換装置を透過した入射した光のうち、結晶シリコン粒子12上に入射した光はそのまま吸収され、結晶シリコン粒子12上以外に入射した光は凹部で反射されて、入射光軌跡c(符号25)のように結晶シリコン粒子12に再入射し、光の利用効率を向上させることができる。
本発明の図3の複合型光電変換装置は、入射側に位置する禁止帯幅Egが1.8eVの薄膜光電変換層を有する薄膜型光電変換装置においてエネルギーの大きい短波長光を吸収し、高い開放電圧の出力を得ることができるため、大きなエネルギーの光(短波長光)を有効に光電変換することができる。
薄膜型光電変換装置がない場合、禁止帯幅1.1eVの結晶シリコン粒子12に光が入射すると、0.7eVのエネルギーがそのまま熱となるため、結晶シリコン粒子12の温度が上昇し、変換効率が低下してしまう。例えば、従来の光電変換装置においては、太陽光は上部より入射し、発電するための15〜20%以外の光エネルギーは一部が熱となるため、結晶シリコン粒子12の温度は上昇する。よく晴れた日では、太陽電池モジュールの基板温度が80℃近くまで上昇してしまう。市場の大半を占めるシリコン太陽電池においては、基板の動作温度が1℃上昇するごとに変換効率は0.5%低下するといわれている。基板温度が80℃であれば、室温での測定温度25℃との温度差が55℃あるため、変換効率は27.5%低下する。その結果、太陽電池の変換効率15%が実質10.9%程度しか得られないことになってしまう。
本発明の複合型光電変換装置は、入射側に位置する薄膜型光電変換装置で太陽光の一部を吸収して光電変換するため、光電変換装置において熱の発生が少ないこと、また、発生する熱も薄膜型光電変換装置の全面に渡って均一に分布するため、熱の集中がないという効果がある。また、薄膜型光電変換装置を通過する長波長光は、一個当りの光量子の持つエネルギーが小さいため、禁止帯幅1.1eVの結晶シリコン粒子12に入射しても熱の発生は少なくなる。これにより、入射側の2段目に位置する集光型の光電変換装置の変換効率が向上することになり、従来型よりも日中における変換効率が実質的に高くなる。
以上より、上記本発明の光電変換装置は、導電性基板11上の凹部に多数の結晶半導体粒子を一度に接合させることができるため効率的に製造でき、低コストなものとなり、また、導電性基板11に形成された凹部は内面が光反射性を有するものとなるため結晶半導体粒子に対する集光性が高まり、高い変換効率が得られる。また、結晶半導体粒子を用いているため、半導体の量が減少し、軽量化された光電変換装置となる。
さらに、表面が透明耐候性フィルムでラミネートされた光電変換装置の場合には、表面のガラスにクラックが入るなどの破壊モードが回避できるため、軽量かつ高耐候性の光電変換装置、光電変換モジュール、光電変換システムが提供できる。従って、軽量かつ高耐候性の光電変換装置であることから、設置架台やコンバータなどのトータルシステムにおいても効果を発揮し得る。
本発明の光電変換装置の実施例を以下に説明する。
ArガスまたはHeガスの不活性雰囲気中で、坩堝にシリコン原料を充填して昇温し溶解した融液を、坩堝の下端部のノズル孔より噴出させて固化させる、いわゆるジェット法により球状のp型の結晶シリコン粒子を作製した。なお、p型のドーパントとして、結晶シリコン粒子にホウ素を含有させた。
この結晶シリコン粒子を石英ボートに載せて加熱することにより、結晶シリコン粒子の表層にリン不純物を熱拡散させ、結晶シリコン粒子の表層に約1μmの厚さのn型の半導体層(n型の半導体部)を形成した。
導電性基板として、厚み300μmの高純度(純度99.9%)のアルミニウム基板を用い、その一主面上にアルミニウム−シリコン共晶粉末のペーストを、結晶シリコン粒子が接合される部位のみに塗布し、乾燥させた。この上からスパッタリング法によって反射層としての厚み500Åの銀層を形成し、その銀層を化学的に安定させるために、引き続き酸化ケイ素層を形成した。
次に、多数の直径300μmの結晶シリコン粒子を、治具上に2個ずつを1組として各組を互いに離して多数組配設し、導電性基板上の上記ペーストの塗布位置に各組が位置合わせされるようにした。
このとき、結晶シリコン粒子を保持する治具A、及びアルミニウム基板をその裏面側から加圧する治具Bを用い、治具Aには導電性基板の一主面に凹部が形成されるような加工がされている。結晶シリコン粒子を加熱しながら、導電性基板の両側より治具A,Bを押し付けることにより、導電性基板の一主面に凹部を形成した。
なお、結晶シリコン粒子を保持する治具Aとして、凹部の内面形状を形成可能な凸型(雄型)部を多数形成するとともに、その凸型部の頂点部に結晶シリコン粒子を半分程度収容する凹みを形成しておき、その凹みに結晶シリコン粒子を収容した状態でアルミニウム基板に押し付ける治具Aを用いた。この治具Aを用いて、接合時に加熱することによりアルミニウム基板が変形し、多数の凹部を形成するとともに、凹部内に結晶シリコン粒子を接合することができた。
次に、窒素水素の還元雰囲気の加圧型の接合加熱炉中で、アルミニウム基板上の結晶シリコン粒子上に載置した加圧ブロックを、アルミニウム−シリコンの共晶温度以上の585℃に加熱することにより、アルミニウム−シリコン共晶粉末は溶融し、アルミニウム基板と結晶シリコン粒子との間に共晶部(接合部)を形成し、結晶シリコン粒子をアルミニウム基板上に強固に接合した。これにより、充分な接着強度を有する電気的にオーミックな接合ができた。また、加圧することにより、結晶シリコン粒子とアルミニウム基板とが接触した部分のみに熱が加わり接合され、これにより結晶シリコン粒子の周囲への共晶部の拡散が抑制された。
次に、結晶シリコン粒子が配設された導電性基板上に、結晶シリコン粒子の間にポリイミド樹脂からなる絶縁体を約100μmの厚みになるように塗布し、窒素雰囲気中200℃で30分乾燥させた後、350℃で1時間焼成し、絶縁体の層を形成した。
この上に透光性導体層としてのITO膜を、スパッタリング法により、全面に85nmの厚みで形成した。
最後に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して、大気中250℃で焼成することにより、フィンガー電極及びバスバー電極を形成し、光電変換装置を作製した。
この光電変換装置について、電気特性をAM1.5のソーラーシミュレーターで評価した結果、12.5%の変換効率を得ることができた。
p型の結晶シリコン粒子12として、p型ドーパントのホウ素を含む、厚み200μmの多結晶シリコン基板を400μm角の多数の細かなチップ状の結晶シリコン粒子に切断し、その結晶シリコン粒子の表層にリン不純物を熱拡散させ、結晶シリコン粒子の表層に約1μmの厚さのn型の半導体層(n型の半導体部)を形成した。
導電性基板として、厚み200μmの高純度(純度99.9%)のアルミニウム基板を用い、その一主面上にアルミニウム−シリコン共晶粉末のペーストを、結晶シリコン粒子が接合される部位のみに塗布し、乾燥させた。
また、各凹部にそれぞれ2個の結晶シリコン粒子を配設した。これにより、東西方向に−180°から+180°まで変化する太陽光の角度によって凹部の集光点が広がっても、東西方向に2個配設された結晶シリコン粒子12によって効率良く光が吸収されるため、変換効率を向上させることができる。
次いで、加圧型接合加熱炉で加圧ブロックを共晶温度以上の585℃に加熱することでアルミニウム−シリコン共晶粉体は溶融し、アルミニウム基板とシリコン粒子との間に共晶部を形成し強固な接合を行ない、充分接着強度と電気的にオーミックな接合ができた。
次に、シリコン粒子が配設された基板上にポリイミド樹脂からなる絶縁体を約100μmの厚みになるように塗布し、窒素雰囲気中200℃で30分乾燥させた後、350℃で1時間焼成し、絶縁体層を形成した。
この上に上部電極膜を、スプレー法により、ITO膜を全面に85nm形成した。
最後に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成してフィンガー電極及びバスバー電極を形成した。大気中250℃で焼成を行なった。上記のように形成した光電変換装置に800μm厚のEVAフィルムと50μm厚のテフロン(登録商標)樹脂フィルムをのせて、硬化させるときの治具にレンズ形状の凹部が形成されたものを用いる。本発明では各レンズの大きさは1mmφ以上の径が好ましい。あまり小さいと基板との接合精度が困難となる。
この電気特性をAM1.5のソーラーシミュレーターで評価した結果、12.6%の変換効率を得ることができ、実施例1と大差なかったが、屋外での斜め入射では5%の変換効率の向上が見られた。
まず、ガラス基板上に気相成長により酸化スズ透光性導体層3000Åを形成した。レーザーを用いて短冊状に切断して薄膜光電変換装置の上部電極とする。この上にp−i−n(100/2000/200Å)の非晶質シリコンを成膜し、レーザーで非晶質シリコンに孔を形成し、スパッタでITO透光性導体層を形成し、さらにこのITO膜をレジストパターニング法を用いて短冊形状に分離して、非晶質シリコンの孔を通して上下透光性導体層を接続された直列接続とした。
次に、実施例1で作製した基板に800μm厚みのEVAフィルムをのせてガラス基板に形成された薄膜太陽電池と合わせて、真空ラミネート処理法でモジュールを形成した。
この電気特性をAM1.5のソーラーシミュレーターで評価した結果、両者の変換効率を合算して11.5%の変換効率を得ることができた。実施例1の変換効率12.5%よりも低いが、本素子は屋外での照射試験で温度上昇が通常より11℃低く、光電変換装置の温度による低下分が実施例1での−40%に比べて、本発明では−34.5%となるため、屋外における発電量としては実施例よりも逆転する特性を得ることができた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。
11:導電性基板
12:結晶シリコン粒子
14:接合層
15:絶縁体
16:透光性導体層
12:結晶シリコン粒子
14:接合層
15:絶縁体
16:透光性導体層
Claims (6)
- 導電性基板の一主面に、表面に第1導電型の半導体部が形成された第2導電型の結晶半導体粒子が、多数個間隔をおいて配置されているとともに前記結晶半導体粒子の下部が前記導電性基板に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁体が介在するとともに上部が前記絶縁体から露出して配置されて、これら結晶半導体粒子上に透光性導体層が設けられた光電変換装置において、前記導電性基板は、前記一主面に多数の凹部が形成されているとともに該凹部内に前記結晶半導体粒子が配置されていることを特徴とする光電変換装置。
- 前記導電性基板の凹部は、平面視において縦横の比率が異なることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 前記導電性基板は、前記凹部が形成されている前記一主面に銀層が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光電変換装置。
- 前記凹部の中に複数の前記結晶半導体粒子が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の光電変換装置。
- 前記透光性導体層上に、前記各結晶半導体粒子上に凸レンズ状部が形成された透明樹脂保護層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の光電変換装置。
- 請求項1の光電変換装置と、ガラス基板の主面に薄膜光電変換層を形成して成る薄膜型光電変換装置とが透明樹脂接着層を介して接合されて成ることを特徴とする複合型光電変換装置。
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JP2005312704A JP2007123495A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 光電変換装置及び複合型光電変換装置 |
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