JP2007123480A - 積層セラミックコンデンサおよびその製法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサおよびその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007123480A
JP2007123480A JP2005312577A JP2005312577A JP2007123480A JP 2007123480 A JP2007123480 A JP 2007123480A JP 2005312577 A JP2005312577 A JP 2005312577A JP 2005312577 A JP2005312577 A JP 2005312577A JP 2007123480 A JP2007123480 A JP 2007123480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
mass
particles
parts
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005312577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4809036B2 (ja
Inventor
Yuji Shingu
雄二 新宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2005312577A priority Critical patent/JP4809036B2/ja
Publication of JP2007123480A publication Critical patent/JP2007123480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4809036B2 publication Critical patent/JP4809036B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

【課題】誘電体層を薄層化した場合でも、優れた誘電特性の得られる積層セラミックコンデンサおよびその製法を提供する。
【解決手段】内部電極層7および誘電体層5を交互に積層して形成されたコンデンサ本体1の端部に外部電極3を具備してなる積層セラミックコンデンサであって、前記内部電極層7が、硫黄、ホウ素、リン、炭素のうちいずれか1種と、マンガンまたはマグネシウムを含有するニッケルの金属マトリックス21により形成された複合金属であり、かつ、前記誘電体層5は、前記内部電極層7と接している接触誘電体粒子9aと、前記内部電極層7と接していない非接触誘電体粒子9bとで構成されており、前記接触誘電体粒子9aを前記非接触誘電体粒子9bよりも小さくした。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサおよびその製法に関し、特に、2種以上の金属成分によって形成された内部電極層を具備する小型高容量の積層セラミックコンデンサに関する。
現在、積層セラミックコンデンサは、それを搭載する携帯電話などの電子機器の小型化および高性能化に伴う部品自体の小型化および低背化の要求のために誘電体層や内部電極層の薄層化と多層化が図られている。
このため、誘電体層や内部電極層に用いるセラミック粉末や金属粉末は微粒化が図られ、ナノサイズのものが使われ始めているが、誘電体層の薄層化にともない、誘電体層を構成する誘電体粒子数が少なくなり、粒子構造が積層セラミックコンデンサの絶縁性などの特性に影響するようになっている。
たとえば、下記の特許文献1では、内部電極層と接している接触誘電体粒子の平均粒径D50e、内部電極層と接していない非接触誘電体粒子の平均粒径D50dとすると、D50e<0.450μm、かつ(D50e/D50d=1.20〜3.00)を満足する構造となっており、内部電極層に接する方の接触誘電体粒子の平均粒径D50eが接しない方の非接触誘電体粒子の平均粒径D50よりも大きくすることにより、誘電体層中の接触誘電体粒子および非接触誘電体粒子の構造を制御し、薄層化した場合でもバイアス特性の向上を実現できる技術が示されている。
特開2005−159224
しかしながら、誘電体層中の接触誘電体粒子および非接触誘電体粒子の構造が上記のように構成された積層セラミックコンデンサでは、内部電極層に接触する側の接触誘電体粒子の平均粒径D50eが大きいために、静電容量の温度特性が大きく、また、静電容量のDCバイアス依存性が未だ大きいという問題があった。
従って本発明は、誘電体層を薄層化しても、静電容量の温度特性およびDCバイアス特性に優れた積層セラミックコンデンサおよびその製法を提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、(1)内部電極層および誘電体層を交互に積層して形成されたコンデンサ本体の端部に外部電極を具備してなる積層セラミックコンデンサであって、前記内部電極層が、硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種と、マンガンまたはマグネシウムとを含有するニッケルの金属マトリックスにより形成された複合金属であり、かつ、前記誘電体層は、前記内部電極層と接している接触誘電体粒子と、前記内部電極層と接していない非接触誘電体粒子とから構成されており、前記接触誘電体粒子を前記非接触誘電体粒子よりも小さくしたことを特徴とする。
上記積層セラミックコンデンサでは、(2)前記接触誘電体粒子の平均粒径をD50eとし、前記非接触誘電体粒子の平均粒径をD50dとしたとき、D50e<0.30μm、かつ(D50e/D50d)=0.30〜0.85を満足すること、(3)前記硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の含有量が前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲であり、かつ、前記マンガンまたはマグネシウムの含有量が前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲であることが望ましい。
また本発明の積層セラミックコンデンサの製法は、(4)(a)誘電体グリーンシートを形成する工程と、
(b)ニッケルの金属マトリックス中に、セラミック粒子と、硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の粒子と、マンガンまたはマグネシウムからなる金属粒子とを分散粒子として含有する複合金属粉末を有機ビヒクル中に分散させた導体ペーストを調製する工程と、(c)前記誘電体グリーンシート上に、前記導体ペーストを用いて矩形状の内部電極パターンを付与してパターンシートを形成する工程と、(d)該パターンシートを複数積層して、前記内部電極パターンを積層方向に交互に長手方向に半パターンずつずらして構成したコンデンサ本体成形体を形成する工程と、(e)該コンデンサ本体成形体を焼成した後、端部に外部電極を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
そして上記積層セラミックコンデンサの製法では(5)前記複合金属粉末中の前記硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の粒子の含有量を、前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲とし、かつ、前記マンガンまたはマグネシウムからなる金属粒子を前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲とすることが望ましい。
本発明によれば、誘電体層中の接触誘電体粒子および非接触誘電体粒子の構造として内部電極層に接触する側の接触誘電体粒子の平均粒径を内部電極層に接触していない側の非接触誘電体粒子の平均粒径よりも小さくした構造とすることにより、積層セラミックコンデンサの静電容量の温度特性を平坦化でき、また、静電容量に対するDCバイアス特性の依存性を小さくできる。
このような積層セラミックコンデンサは内部電極パターンに含まれる金属成分を上記した複合金属とすることで容易に形成できる。
本発明の積層セラミックコンデンサについて図1の概略断面図をもとに詳細に説明する。引出しの拡大図は内部電極層によって挟持された誘電体層内に存在する誘電体粒子の微構造の模式図である。本発明の積層セラミックコンデンサは、コンデンサ本体1の両端部に外部電極3が形成されている。この外部電極3は、例えばCuもしくはCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成されている。コンデンサ本体1は誘電体層5と内部電極層7とが交互に積層され構成されている。誘電体層5は誘電体粒子9と粒界11により構成されている。誘電体層5の厚みは2μm以下、特に、1.5μm以下であることが積層セラミックコンデンサを小型高容量化する上で好ましい。
本発明に係る誘電体層5は、誘電体粒子9が内部電極層7と接している接触誘電体粒子9aと、内部電極層7と接していない非接触誘電体粒子9bとで構成されており、接触誘電体粒子9aを非接触誘電体粒子9bよりも小さくしたことが重要である。本発明ではこのように接触誘電体粒子9aを非接触誘電体粒子9bよりも小さくしたことで、そのような微粒化により静電容量の温度特性が広い温度範囲で安定化し、かつDCバイアス特性も小さくできる。
特に、接触誘電体粒子9aの平均粒径をD50eとし、一方、非接触誘電体粒子9bの平均粒径をD50dとしたとき、D50e<0.30μm、かつ(D50e/D50d)=0.30〜0.85を満足することが望ましい。
ここで接触誘電体粒子9aの平均粒径D50eは比誘電率を高めるという点で0.1μm以上であることが好ましい。
また、D50e/D50d比が0.30以上であると誘電体層5の比誘電率を高めることができるという利点がある。一方、D50e/D50d比が0.85以下では絶縁性が高まるという利点がある
これに対して、接触誘電体粒子9aが非接触誘電体粒子9bよりも大きい場合には静電容量の温度特性が大きくなり、DCバイアス特性も大きくなる。
誘電体層5の組成は、本発明では特に限定されないが、たとえば以下の誘電体組成で構成される。本実施形態の誘電体磁器組成物は、たとえばチタン酸バリウムを主成分として有する誘電体磁器組成物である。誘電体磁器組成物中に主成分と共に含まれる副成分としては、Mn、Si、Ca、Ba、Mg、R(RはY、希土類元素の1種以上)及びSiの酸化物及び焼成により酸化物となる化合物を一種類以上含有するものが例示される。副成分を添加することにより、還元雰囲気焼成においてもコンデンサとしての特性を得ることができる。
本実施形態では、以下の誘電体磁器組成を用いることが好ましい。主成分としてチタン酸バリウムを含有し、副成分として酸化マグネシウムと希土類元素の酸化物と酸化マンガンを含有し、更に他の副成分として酸化ケイ素を含む酸化物を含有するものである。そして、チタン酸バリウムBaTiO100モルに対する比率が、酸化マグネシウムMgO:0.1〜3.0モル、希土類元素R:0モル超5モル以下、酸化マンガンMnO:0モル超0.5モル以下、酸化ケイ素を含む酸化物はBaTiO100質量部に対して0.3〜5質量部である。
なお、誘電体層5の積層数は、目的や用途に応じて適宜決定すればよいが、通常は50層以上に多層化されることが容量向上という点で好ましい。
次に本発明に係る内部電極層7について説明する。内部電極層7の厚みは2μm以下、特に1μm以下であれば誘電体層5上における段差を低減できるという利点がある。一方、厚みが0.3μm以上であれば、内部電極層7の途切れや欠陥を抑制でき有効面積を確保できるという利点がある。
本発明の内部電極層7は、上記複合金属粉末が焼結し薄層化された膜であり、この内部電極層7中にセラミック粒子23が存在し、誘電体層5に接着している。
図1の拡大図に示すように、内部電極層7中には金属マトリックス21中にセラミック粒子23と、硫黄、ホウ素、リンと、マンガンまたはマグネシウムとから形成されている反応相29とを有している。内部電極層7中にこのような反応相29が形成されると金属マトリックス21とセラミック粒子23との界面および内部電極層7と誘電体層5との界面の接合性を高めることができる。
本発明の内部電極層7は各種粒子を含んでおり、しかも上記のように金属マトリックス21とセラミック粒子23との界面に反応相29が形成されるために内部電極層7の融点が見かけ上高くなり、そのため内部電極層7の焼成収縮が抑制され有効面積を高く維持できる。それとともに内部電極層7が接している誘電体層5中の接触誘電体粒子9aの粒成長を抑制できる。
特に本発明では、内部電極層7が金属マトリックス21としてニッケルなどの卑金属成分により構成されている場合には、ニッケルと硫黄とマンガン、もしくはニッケルと硫黄とマグネシウムの反応相29が形成されていることが重要である。
さらには、これら硫黄、ホウ素、リンなど、マンガンまたはマグネシウムの含有量がそれぞれ前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4〜5質量部の範囲であることが好ましい。硫黄、ホウ素、リンなどの金属、マンガンまたはマグネシウムの含有量が金属マトリックスに対して5×10−4質量部より多いと、これらの金属成分は加熱により部分的に酸化物になりやすいことから金属マトリックス21とセラミック粒子23との間に硫黄、ホウ素、リンなどとマンガンまたはマグネシウムなどの金属粒子と金属マトリックス21との反応相29が形成されやすくなり、そのため高温に加熱された場合でも金属マトリックス21中からセラミック粒子23の移動を抑えて、結果的に金属マトリックス21の焼結性を抑制し、内部電極層7の厚みばらつきを低減することが容易になる。
一方、硫黄、ホウ素、リンなど、マンガンまたはマグネシウムの含有量がそれぞれ前記金属マトリックス21に対して5質量%より少ないと金属マトリックス21の割合を多くでき導電性を高めつつ、特にDCバイアス特性を小さくすることが容易になる。
また、金属マトリックス21としてニッケルを用いた場合、上記硫黄、ホウ素、リンなどの中で特に硫黄がより好ましい。これは硫黄がニッケルおよびマンガン、もしくはニッケルおよびマグネシウムとの間で高融点の化合物を形成しやすくなり、ニッケルからなる金属マトリックス21により形成される内部電極層7の焼成収縮を抑制できるためである。
次に、本発明の積層セラミックコンデンサの製法について説明する。図2は、本発明の積層セラミックコンデンサの製法を示す工程図である。(a)工程では所定の粒度分布を持つ誘電体粉末などの原料粉末と有機ビヒクルとを混合してセラミックスラリを調製し、シート成形法を用いて基材上30に誘電体グリーンシート31を形成する。誘電体グリーンシート31の厚みはセラミック層である誘電体層5の高容量化のための薄層化、高絶縁性を維持するという点で3μm以下、好ましくは1〜2μmが好ましい。
その粒度分布は誘電体層5の薄層化を容易にしかつ誘電体粉末の比誘電率を高めるという点で0.15〜0.4μmであることが望ましい。上記誘電体粉末には焼結助剤としてガラス粉末が加えられる。
次に(b)工程では、本発明に係る導体ペーストを調製する。ここで本発明にかかる導体ペーストについて説明する。図3は、本発明の導体ぺーストを構成する複合金属粉末の断面模式図である。この複合金属粉末は金属粒子41の内部に、セラミック粒子23と、硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の粒子45と、マンガンまたはマグネシウムのうちいずれか1種の金属粒子47とを含有するものである。
金属マトリックス21としてニッケルを用いた場合、上記硫黄、ホウ素、リンなどの粒子45の中で特に硫黄がより好ましい。これは硫黄がニッケルおよびマンガンもしくはニッケルおよびマグネシウムとの間で高融点の化合物を形成しやすくなり、ニッケルからなる金属マトリックス21により形成される内部電極層7の焼成収縮を抑制できるためである。
本発明ではまた、この高融点化合物と接触する誘電体層5中の接触誘電体粒子9aは、誘電体層5中の非接触誘電体粒子9bに比較して内部電極層7中の高融点の化合物により焼結が抑制されることから粒成長が抑制される。
ここで複合金属粉末の調製法について説明する。まず、金属マトリックス21となる主金属粉末と、セラミック粉末と、硫黄、ホウ素、リンなどの粒子のうちいずれか1種と、マンガンまたはマグネシウムの金属粒子とを混合し、メカニカルアロイング法により複合化させて、上記の添加材を金属マトリックス21と複合化させるものである。メカニカルアロイング法とは臼型に投入した粉末を臼型に接するように設置されたすりこぎのような撹拌棒によりすりつぶして混合粉末を調製する方法である。このようにメカニカルアロイング法は従来行われていたプラズマ法などに比較して格段に低温で金属マトリックスとの複合化ができるために、金属マトリックス21や硫黄、ホウ素、リンなどの粉末のうちいずれか1種と、マンガンまたはマグネシウムの金属粉末などの添加材の酸化を防止できる。このことからも金属マトリックスと添加材との接合性を高めることができる。
次に、上記複合金属粉末を用いて調製される本発明の導体ペーストについて説明する。本発明の導体ペーストは上記の複合金属粉末を有機ビヒクル中に分散させたことを特徴とするものであるが、ここで用いる有機ビヒクルは、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどから選ばれる少なくとも1種の有機樹脂が好ましく、特に、エチルセルロースは熱分解しやすくチクソトロピック粘度特性が得やすいという利点がある。有機溶剤としてはαテルピネオールやアルコールなど、またはそれらの混合溶媒も好適に用いられる。導体ペーストは上記の複合金属粉末と、バインダと溶媒との混合物である有機ビヒクルとをミクサにかけて分散させて調製し、溶媒量およびバインダ量によって印刷に適したチクソトロピック性の粘度に調整する。
次に(c)工程では、上記得られた誘電体グリーンシート31の主面上に、上記本発明の導体ペーストを用いて矩形状の内部電極パターン33をスクリーン印刷して形成する。また、導体パターン33の厚みは積層セラミックコンデンサの小型化および内部電極パターン33による段差を低減するという理由から1μm以下が好ましい。
次に(d)工程では、内部電極パターン33が形成されたセラミックグリーンシート31を、所望の枚数を重ねて、その上下に内部電極パターン33を形成していないセラミックグリーンシート31を複数枚、上下層が同じ枚数になるように重ねて仮積層体を形成する。仮積層体中における内部電極パターン33は長寸方向に半パターンずつずらしてある。このような積層工法により、切断後の積層体35の端面に導体パターン33が交互に露出されるように形成できる。
次に、仮積層体を上記仮積層時の温度圧力よりも高温、高圧の条件にてプレスを行い、誘電体グリーンシート31と内部電極パターン33とが強固に密着された積層体35を形成できる。
次に、積層体35を切断線hに沿って内部電極パターン13の長寸方向に対して垂直方向(図3の(c1)、および図3の(c2))に、内部電極パターン33の長寸方向に平行に切断して、内部電極パターン33の端部が露出するようにコンデンサ本体成形体を形成する。
次に、このコンデンサ本体成形体を所定の雰囲気下、温度条件で焼成してコンデンサ本体を形成する。例えば、誘電体層5にチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粉末を用いる場合、脱脂は500℃までの温度範囲で、昇温速度が5〜20℃/h、焼成温度は最高温度が1100〜1300℃の範囲、脱脂から最高温度までの昇温速度が200〜500℃/h、最高温度での保持時間が0.5〜4時間、最高温度から1000℃までの降温速度が200〜500℃/h、雰囲気が水素−窒素、焼成後の熱処理(再酸化処理)最高温度が900〜1100℃、雰囲気が窒素であることが好ましい。次に、このコンデンサ本体の対向する端部に、外部電極ペーストを塗布して焼付けを行い外部電極が形成される。また、この外部電極の表面には実装性を高めるためにメッキ膜が形成される。
積層セラミックコンデンサを以下のようにして作製した。先ず、平均粒径が200nmのニッケル主金属粉末と、平均粒径50nmのチタン酸バリウム粉末(BT)と、平均粒径50nmの硫黄粒子、ホウ素粒子、およびリン粒子と、平均粒径50nmのマンガンまたはマグネシウムの金属粒子とを用意した。次いで、これらの各種粉末を表1に示す所定の組成としてメカニカルアロイング法により混合し本発明の複合金属粉末を調製した。ここでセラミック粉末は主金属粉末100質量部に対して5質量部とした。メカニカルアロイングの処理時間はセラミック粉末などの残留する添加材が存在しないことを目視で確認できた状態とした。この後、同じメカニカルアロイング装置内においてらいかい処理により粒状化処理を行った。複合金属粉末の平均粒径は200nmになるように調整した。
次に、粒状化処理した複合金属粉末を用いて導体ペーストを調製した。有機ビヒクルはエチルセルロースとαテルピネオールを用いた。エチルセルロースは金属粉末100質量部に対して10質量部とした。αテルピネオールは内部電極ペーストの粘度がチクソトロピック性を示す程度に調整した。
一方、誘電体グリーンシートは、原料粉末として平均粒径が200nmのチタン酸バリウム粉末を用いた。そして、チタン酸バリウムBaTiO 100モルに対し、酸化マグネシウムMgO:1.0モル、希土類元素Y 1.0モル、酸化マンガンMnO 0.3モル、酸化ケイ素を含む酸化物として、組成がSiO=50、BaO=20、CaO=20、LiO=10(モル%)ガラス粉末を誘電体粉末100質量部に対して1.2質量部添加した。
上記粉末を直径5mmのジルコニアボールを用いて、溶媒としてトルエンとアルコールとの混合溶媒を添加し湿式混合した。次に、湿式混合した粉末にポリビニルブチラール樹脂およびトルエンとアルコールの混合溶媒を添加し、同じく直径5mmのジルコニアボールを用いて湿式混合しセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により厚み2.3μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、このセラミックグリーンシートの上面に上記複合金属粉末を有する導体ペーストをスクリーン印刷して矩形状の内部電極パターンを複数形成した。
次に、導体パターンを印刷したセラミックグリーンシートを200層積層し、その上下面に内部電極パターンを印刷していないセラミックグリーンシートをそれぞれ20枚積層し、プレス機を用いて温度60℃、圧力10Pa、時間10分の条件で一括積層し、所定の寸法に切断した。
次に、積層成形体を10℃/hの昇温速度で大気中で300℃/hにて脱バインダ処理を行い、500℃からの昇温速度が300℃/hの昇温速度で、水素−窒素中、1125〜1275℃で2時間焼成し、続いて300℃/hの降温速度で1000℃まで冷却し、窒素雰囲気中1000℃で4時間再酸化処理をし、300℃/hの降温速度で冷却し、コンデンサ本体を作製した。このコンデンサ本体の大きさは2mm×1.3mm×1.3mm、誘電体層の厚みは1.5μmであった。
次に、焼成した電子部品本体をバレル研磨した後、電子部品本体の両端部にCu粉末とガラスを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行い外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiメッキ及びSnメッキを行い、積層セラミックコンデンサを作製した。
次に得られた積層セラミックコンデンサについて、静電容量の温度特性、DCバイアス特性を測定し、高温負荷寿命試験を行った。
静電容量の温度特性は、LCRメータを用いて−25〜85℃の温度範囲で、AC1V、測定周波数1kHzの条件で静電容量を測定し、下記式TCC(%)={C(85℃)−C(20℃)}×100/C(20℃)より静電容量の温度変化率TCCを求めた。
DCバイアス特性はDCを0V場合に対して室温で3Vの直流電圧をかけた場合の容量変化率を測定した。
高温負荷信頼性(MTTF)は温度125℃、電圧15V/μmの条件で、試料数100個につき絶縁破壊時間を測定し、その平均値を算出した。
接触誘電体粒子および非接触誘電体粒子の平均粒径は、得られた試料を断面研磨して、次に、溶液(HCl=0.09%、HF=0.04%)を用いてケミカルエッチングを25℃で5秒間行い、粒界を露出させた。この後、粒界を浮き立たせた後の試料について、分析装置(EPMA)を付設した走査型電子顕微鏡により、その領域の電子顕微鏡写真を撮り、次に、写した写真に内部電極層に平行に線を2本引き、線上にある全ての接触誘電体粒子および非接触誘電体粒子の最大径を測定し、平均化して求めた。撮影箇所は各試料について5点とした。
Figure 2007123480
Figure 2007123480
Figure 2007123480
表1、2の結果から明らかなように、内部電極層と接している接触誘電体粒子D50eと、前記内部電極層と接していない非接触誘電体粒子の平均粒径D50dにおいて、接触誘電体粒子D50eが非接触誘電体粒子D50dよりも小さい場合には、高温負荷信頼性が5時間以上、DCバイアス特性が−55%以下、静電容量の温度特性が−24.3%以下であった。
特に、D50e<0.30μm、かつ(D50e/D50d)=0.30〜0.85を満足することにより、高温負荷寿命が21時間以上、静電容量の温度特性が±15%の範囲内に入り、DCバイアス特性が−30%より小さいものとなった。
一方、導体ペーストに含まれる複合金属粉末を本発明の組成としなかった試料No.1、2では誘電体層の接触誘電体粒子が大きくなり、高温負荷信頼性の平均故障時間が10時間以下、DCバイアス特性が−33%より大きくなり、静電容量の温度特性が±15%より大きかった。
また、表3の結果から、焼成温度が1125℃では誘電体層の焼結が進まず高温負荷信頼性の平均故障時間が9時間と短いものであった。一方、1275℃で焼成した試料No.21では、誘電体層の接触誘電体粒子および非接触誘電体粒子がいずれも大きくなり、高温負荷信頼性の平均故障時間が5時間、DCバイアス特性が−55%、静電容量の温度特性が−24.3%と大きかった。
本発明の積層型電子部品の概略断面図である。 本発明の積層セラミックコンデンサの製法を示す工程図である。 本発明の複合金属粉末の断面模式図である。
符号の説明
1 コンデンサ本体
3 外部電極
5 誘電体層
7 内部電極層
9a 接触誘電体粒子
9b 非接触誘電体粒子
21 金属マトリックス
23 セラミック粒子
31 セラミックグリーンシート
33 内部電極パターン
41 金属粒子
45 粒子
47 金属粒子

Claims (5)

  1. 内部電極層および誘電体層を交互に積層して形成されたコンデンサ本体の端部に外部電極を具備してなる積層セラミックコンデンサであって、前記内部電極層が、硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種と、マンガンまたはマグネシウムとを含有するニッケルの金属マトリックスにより形成された複合金属であり、かつ、前記誘電体層は、前記内部電極層と接している接触誘電体粒子と、前記内部電極層と接していない非接触誘電体粒子とから構成されており、前記接触誘電体粒子を前記非接触誘電体粒子よりも小さくしたことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記接触誘電体粒子の平均粒径をD50eとし、前記非接触誘電体粒子の平均粒径をD50dとしたとき、D50e<0.30μm、かつ(D50e/D50d)=0.30〜0.85を満足する請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の含有量が前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲であり、かつ、前記マンガンまたはマグネシウムの含有量が前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲である請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. (a)誘電体グリーンシートを形成する工程と、
    (b)ニッケルの金属マトリックス中に、セラミック粒子と、硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の粒子と、マンガンまたはマグネシウムからなる金属粒子とを分散粒子として含有する複合金属粉末を有機ビヒクル中に分散させた導体ペーストを調製する工程と、
    (c)前記誘電体グリーンシート上に、前記導体ペーストを用いて矩形状の内部電極パターンを付与してパターンシートを形成する工程と、
    (d)該パターンシートを複数積層して、前記内部電極パターンを積層方向に交互に長手方向に半パターンずつずらして構成したコンデンサ本体成形体を形成する工程と、
    (e)該コンデンサ本体成形体を焼成した後、端部に外部電極を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製法。
  5. 前記複合金属粉末中の前記硫黄、ホウ素、リンのうちいずれか1種の粒子の含有量を、前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲とし、かつ、前記マンガンまたはマグネシウムからなる金属粒子を前記金属マトリックス100質量部に対して5×10−4質量部〜5質量部の範囲とする請求項4に記載の積層セラミックコンデンサの製法。
JP2005312577A 2005-10-27 2005-10-27 積層セラミックコンデンサおよびその製法 Expired - Fee Related JP4809036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005312577A JP4809036B2 (ja) 2005-10-27 2005-10-27 積層セラミックコンデンサおよびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005312577A JP4809036B2 (ja) 2005-10-27 2005-10-27 積層セラミックコンデンサおよびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007123480A true JP2007123480A (ja) 2007-05-17
JP4809036B2 JP4809036B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=38147009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005312577A Expired - Fee Related JP4809036B2 (ja) 2005-10-27 2005-10-27 積層セラミックコンデンサおよびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4809036B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140071586A1 (en) * 2012-09-10 2014-03-13 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component and method of manufacturing the same

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0562855A (ja) * 1991-08-30 1993-03-12 Taiyo Yuden Co Ltd 積層磁器コンデンサ
JPH1154368A (ja) * 1997-07-30 1999-02-26 Tdk Corp Cr複合電子部品とその製造方法
JP2002299145A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Kyocera Corp セラミック積層体およびその製法
JP2005179105A (ja) * 2003-12-18 2005-07-07 Tdk Corp 誘電体磁器組成物、電子部品及びこれらの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0562855A (ja) * 1991-08-30 1993-03-12 Taiyo Yuden Co Ltd 積層磁器コンデンサ
JPH1154368A (ja) * 1997-07-30 1999-02-26 Tdk Corp Cr複合電子部品とその製造方法
JP2002299145A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Kyocera Corp セラミック積層体およびその製法
JP2005179105A (ja) * 2003-12-18 2005-07-07 Tdk Corp 誘電体磁器組成物、電子部品及びこれらの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140071586A1 (en) * 2012-09-10 2014-03-13 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic electronic component and method of manufacturing the same
JP2014053584A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 積層セラミック電子部品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4809036B2 (ja) 2011-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5046700B2 (ja) 誘電体磁器および積層セラミックコンデンサ
JP4407299B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4814342B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4782598B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4821357B2 (ja) 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
KR101362602B1 (ko) 유전체 자기 조성물 및 전자 부품
JP5121311B2 (ja) 誘電体磁器および積層セラミックコンデンサ
JP2008222520A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP2007331957A (ja) 誘電体磁器組成物、電子部品およびその製造方法
JP2005294317A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2004214539A (ja) 誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ
JP2005294314A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP5354867B2 (ja) 誘電体磁器および積層セラミックコンデンサ
JP4999988B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2008162830A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP4557472B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ及びその製法
JP5046699B2 (ja) 誘電体磁器および積層セラミックコンデンサ
JP2008135638A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2007039755A (ja) 複合金属粉末およびその製法、導体ペースト、電子部品の製法、ならびに電子部品
JP4547945B2 (ja) 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP5159682B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4809036B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法
JP2008222521A (ja) 誘電体磁器組成物および電子部品
JP4691978B2 (ja) 誘電体組成物の製造方法
JP4463095B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110719

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110818

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees