JP2007122892A - 赤外線電球及び加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で効率が高く、各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】赤外線電球及び加熱装置は、複数の発熱体が平面を有して板状に形成され、ガラス管の内部に複数の発熱体がそれぞれの長手方向が並行になるように配設され、耐熱管がガラス管の内部に配設されており、この耐熱管が複数の発熱体における選ばれた少なくとも発熱体の一部を密接して覆うよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱手段の熱源として使用される赤外線電球に関し、特に、赤外線電球の発熱体として炭素系物質を使用する赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置に関する。
長尺形状の熱源として使用される従来の赤外線電球は、円筒状のガラス管内部に発熱体としてコイル状のタングステン線や棒状又は板状の炭素系焼結体が封入されて構成されている。このような赤外線電球が用いられる加熱装置としては、例えば電気ストーブ、調理器、乾燥機等の電気機器、および複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子機器等の熱源を必要とする各種機器が含まれる。
上記のように各種機器に熱源として赤外線電球が用いられているため、赤外線電球に対してはその赤外線電球を用いる機器仕様において各種の要求がある。例えば、熱源として高い温度であること、指定温度に確実に保持されること、温度調整範囲が広いこと、入力電力に対して高い効率で加熱エネルギーに変換できること、被加熱対象物を一様に加熱できること、指定された方向のみを加熱対象とできること、赤外線電球の着脱が容易なこと等の要求である。このような要求を満たすことを目的として、各種の赤外線電球が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
高温度に加熱できる従来の赤外線電球としては、炭素系焼結体で形成された2本の板状の発熱体を所定の距離を有して並行に設けてガラス管の内部に封入されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、従来の赤外線電球としては、2本の赤外線電球を所定の距離を有して並設し、さらにそれら2本の赤外線電球を取り囲むようにガラス管が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−319759号公報 特開2001−313005号公報
しかしながら、上記のように構成された従来の赤外線電球では、高温度に加熱できるように2本の発熱体、若しくは2本の赤外線電球が所定距離を有して並設され、それらをガラス管の内部に配設する構成であるため、熱源としてはその断面形状(赤外線電球の延設方向に直交する断面形状)が大きくならざるを得ないという問題があり、配設空間が大きくなるという問題があった。
前述のように、熱源として用いられる赤外線電球は、各種機器に用いられており、入力電力に比して高温度の加熱を高効率で細く小さく構成することが要求されている。
本発明は、細く小さな形状を有する赤外線電球を提供することを課題とし、所望の方向に所定の温度で放熱することが可能な赤外線電球およびこの赤外線電球を用いた加熱装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、小型で効率が高く、各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するために、本発明の第1の観点の赤外線電球は、
平面を有する板状の複数の発熱体と、
前記複数の発熱体をそれぞれの長手方向が並行になるよう配設して収納するガラス管と、
前記ガラス管の内部に設けられ、前記複数の発熱体における選択された発熱体の少なくとも一部を覆う耐熱管と、を具備する。
本発明の第2の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点における前記耐熱管を赤外線域の光透過性を有する材料で形成しても良い。
本発明の第3の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点における複数の前記発熱体の平面が同一方向を向いて配置され、各発熱体を耐熱管の管壁を介して配設する構成としても良い。
本発明の第4の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点における前記発熱体が弾性力を有する保持手段により保持される構成としても良い。
本発明の第5の観点の赤外線電球は、上記の第4の観点における前記耐熱管に保持手段の一部と係合する係合部を形成する構成としても良い。
本発明の第6の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点における前記ガラス管の一部に反射膜を形成しても良い。
本発明の第7の観点の赤外線電球は、上記の第6の観点における前記反射膜が金、窒化チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、又は酸化アルミニウムのいずれかの金属を含む材料で形成しても良い。
本発明の第8の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点乃至第7の観点における前記発熱体が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体で構成しても良い。
本発明の第9の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点乃至第7の観点における前記発熱体が炭素系物質と抵抗調整物質とを含み、焼成により形成された固形の炭素系発熱体で構成しても良い。
本発明の第10の観点の赤外線電球は、上記の第1の観点乃至第7の観点における前記発熱体が二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe(鉄)−Cr(クロム)−AL(アルミ)合金、及びステンレスから選ばれた金属により形成しても良い。
本発明の第11の観点の加熱装置は、平面を有する板状の複数の発熱体と、
前記複数の発熱体をそれぞれの長手方向が並行になるよう配設して収納するガラス管と、
前記ガラス管の内部に設けられ、前記複数の発熱体における選択された発熱体の少なくとも一部を覆う耐熱管と、
前記発熱体から放射された熱を反射する反射手段と、を具備する。
本発明の第12の観点の加熱装置は、上記の第11の観点における前記耐熱管を赤外線域の光透過性を有する材料で形成しても良い。
本発明の第13の観点の加熱装置は、上記の第11の観点における複数の前記発熱体の平面が同一方向を向いて配置され、各発熱体を耐熱管の管壁を介して配設しても良い。
本発明の第14の観点の加熱装置は、上記の第11の観点における前記反射手段が前記発熱体の平面から放射された熱を実質的に平行に反射する断面放物線状の反射板であり、前記反射板の焦点の位置に複数の前記発熱体により構成された加熱源の中心を配置する構成でも良い。
本発明の第15の観点の加熱装置は、上記の第11の観点における前記反射手段が前記発熱体の平面から放射された熱を実質的に平行に反射する反射板であり、前記発熱体が2つ設けられており、前記反射板が各発熱体の中心が焦点の位置となるように前記反射板の長手方向に直交する断面が2つの放物線形状の組み合わせにより構成されるものでも良い。
本発明の第16の観点の加熱装置は、上記の第14の観点における前記反射板における長手方向と直交する断面の中央部分に複数の前記発熱体により構成された加熱源の中心側に突出した凸部が形成された構成でも良い。
本発明の第17の観点の加熱装置は、上記の第14の観点における前記反射板における長手方向に直交する断面の中央部分に前記発熱体から放射された熱を乱反射する乱反射部が形成された構成でも良い。
本発明の第18の観点の加熱装置は、上記の第11の観点における前記ガラス管を取り囲むように円筒状の筒体を配設しても良い。
本発明の第19の観点の加熱装置は、上記の第11の観点乃至第18の観点における複数の発熱体のそれぞれに接続された複数の外部端子と、
電源に接続された複数の電源端子と、
前記外部端子と前記電源端子とを選択的に接続して、前記発熱体を直列、並列又は単独に接続する制御回路と、をさらに具備する。
本発明の第20の観点の加熱装置は、上記の第19の観点における制御回路がオンオフ制御、通電率制御、位相制御、及びゼロクロス制御のそれぞれの回路を単独、若しくは少なくとも二つを組み合わせて構成しても良い。
本発明の第21の観点の加熱装置は、上記の第11の観点乃至第20の観点における前記発熱体が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体で構成しても良い。
本発明の第22の観点の加熱装置は、上記の第11の観点乃至第20の観点における前記発熱体が炭素系物質と抵抗調整物質とを含み、焼成により形成された固形の炭素系発熱体で構成しても良い。
本発明の第23の観点の加熱装置は、上記の第11の観点乃至第20の観点における前記発熱体が二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe−Cr−AL合金、及びステンレスから選ばれた金属により構成しても良い。
本発明によれば、小型で効率が高く、各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置を提供することができる。
本発明によれば、細く小さな形状を有する赤外線電球を提供することが可能となり、所望の方向を所定の温度に加熱することが可能な赤外線電球およびこの赤外線電球を用いた加熱装置を提供することができる。
以下、本発明に係る赤外線電球及びその赤外線電球を用いた加熱装置の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。
《実施の形態1》
本発明に係る実施の形態1の赤外線電球について図1を用いて説明する。図1は実施の形態1の赤外線電球の構造を示す正面図である。図1に示す赤外線電球において、当該赤外線電球は長尺形状であるため、その中間部分を破断して省略して示している。
実施の形態1の赤外線電球は、透明石英ガラス管で形成されたガラス管1の内部に第1の発熱構成体100Aと第2の発熱構成体100Bの2組の発熱構成体がその延設方向に対して並行に配設されている。ガラス管1の両端部分は平板状に溶着されて、アルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスなどの不活性ガスが封入されており、第1の発熱構成体100Aと第2の発熱構成体100Bにおける発熱体2A,2B等が封止されている。なお、このガラス管1の内部に封入されている不活性ガスであるアルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスは、炭素系物質である発熱体2A,2Bの酸化を防止するために封入されている。
第1の発熱構成体100Aは、熱輻射体としての細長い平板状の第1の発熱体2A、この第1の発熱体2Aの両端に固着された保持ブロック3A、保持ブロック3Aの外側端部に取り付けられた内部リード線部材11A、ガラス管1の両端から導出する外部リード線9A、外部リード線9Aと内部リード線部材11Aとを封止部分において電気的に接続するモリブデン箔8A、及び耐熱管12により構成されている。この耐熱管12は、第1の発熱体2Aと、その両端に固着された保持ブロック3Aと、更にその両側に設けられた内部リード線部材11Aとを覆うように配設されており、耐熱管12の一方の端部に形成された係合部12aが内部リード線部材11Aの一部に係合している。内部リード線部材11Aは、保持ブロック3Aの外側端部に巻着したコイル部5Aと、螺旋状に形成されたスプリング部6A、モリブデン箔8Aに接続された内部リード線7Aにより構成されている。実施の形態1における内部リード線部材11Aは、モリブデン線により一体的に形成された例で説明するが、タングステンやニッケル等を材料とした弾性を有する金属線(丸棒・平板)を用いて形成しても良い。スプリング部6Aは第1の発熱体2Aに対して張力を与えるものであり、第1の発熱体2Aが常に所望の位置に配置されるよう構成されている。また、このように内部リード線7Aとコイル部5Aとの間にスプリング部6Aを設けることにより、第1の発熱体2Aにおける膨張収縮による変化を吸収することが可能となる。
一方、前記の第1の発熱構成体100Aに並設された第2の発熱構成体100Bは、熱輻射体としての細長い平板状の第2の発熱体2B、この発熱体2Bの両端に固着された保持ブロック3B、保持ブロック3Bの外側端部に取り付けられた内部リード線部材11B、ガラス管1の両端から導出する外部リード線9B、及び外部リード線9Bと内部リード線部材11Bとを封止部分において電気的に接続するモリブデン箔8Bにより構成されている。すなわち、第2の発熱構成体100Bには、第1の発熱構成体100Aと異なり耐熱管12が設けられていない構成であり、耐熱管12以外の構成は第1の発熱構成体100Aと同じである。第2の発熱構成体100Bは、第1の発熱構成体100Aの耐熱管12に近接して設けられており、実質的に耐熱管12の厚みが第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとの間の距離となる。
実施の形態1において用いた耐熱管12の厚みは1.0mmで外径が6.0mmである。耐熱管12の厚みとしては0.2mmから1.0mmが好ましい。また、耐熱管12の長さは、第1の発熱体2Aの全体を確実に覆う長さであり、実施の形態1においては第1の発熱体2A、その両端の保持ブロック3A、内部リード線部材11Aのほとんどが覆われる長さに設定されている。
図2は、第1の発熱構成体100Aにおいて、第1の発熱体2A等を覆う耐熱管12を示す正面図である。図2の(a)は実施の形態1において用いた耐熱管12の構成であり、図2の(b)と(c)は耐熱管12の他の構成例を示す正面図である。
図2の(a)に示すように、実施の形態1の耐熱管12はその一方の端部12aが内側に屈曲しており、内部リード線部材11Aにおけるスプリング部6Aの外側端部に係合する構成である。このように、耐熱管12は第1の発熱構成体100Aにおける内部リード線部材11Aと係合して配設されているため、第1の発熱体2Aの全体が耐熱管12により確実に覆われている。また、円筒状の耐熱管12の内部に板状の第1の発熱体2Aが収納される構成であり、かつ耐熱管12の両端部が開口しているため、耐熱管12の内部にはアルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスなどの不活性ガスが循環するよう構成されている。したがって、耐熱管12の内部の第1の発熱体2Aはアルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスなどの不活性ガスにより常に晒された状態である。
実施の形態1の赤外線電球においては、第1の発熱構成体100A及び第2の発熱構成体100Bの長手方向が鉛直方向となるよう配設されているため、第1の発熱構成体100Aにおいて第2の発熱構成体100Bに対する絶縁壁として機能する耐熱管12が内部リード線部材11により位置決めされ固定されている。このように、実施の形態1の赤外線電球においては、必要とされる部分のみに耐熱管12を配設することが可能となる。また、赤外線電球に衝撃が加わった場合においても、耐熱管12がガラス管1の内部に略隙間無く密着するよう配設されて、移動することがないため、耐熱管12自体の破損や、ガラス管1の破損が防止されている。
なお、耐熱管12を第1の発熱構成体100Aにおける内部リード線部材11Aに固定する手段としては、図2の(a)に示した構成の他に、例えば、図2の(b)及び(c)に示す構成がある。図2の(b)に示す固定手段は、耐熱管120の鉛直上方端部120bの近傍に内側に突出する凸部120aを形成し、その凸部120aに内部リード線部材11Aのスプリング部6Aの上端部を係合させる固定方法である。また、図2の(c)に示す固定手段は、耐熱管121の一方の端部121aを屈曲させて、この端部121aに内部リード線部材11Aのスプリング部6Aの中間部分を係合させたものである。このように、耐熱管121の一方の端部121aとスプリング部6Aの中間部分とを係合させるためには、第1の発熱体2Aに接続された内部リード線部材11Aを回動することによりスプリング部6Aにおける中間部分と端部121aの突出部分が係合する。なお、この係合方法は、図2の(b)に示した凸部120aとスプリング部6Aとの係合状態においても適用でき、凸部120aをスプリング部6Aの中間部分に係合させることが可能となる。
上記のように、凸部120aや端部121aをスプリング部6Aの中間部分に係合させる構成とすることにより、当該赤外線電球の配設方向を係合部分が上方となる鉛直方向に限定する必要が無くなくなり、任意の方向に設定することが可能となる。
なお、第1の発熱構成体100Aにおいて耐熱管12を固定する方法は、図2に示した方法だけに限定されるものではなく、耐熱管12の内部に固定具、例えば挿入ピンやスペイサー等を取り付けて内部リード線部11の移動を防止する方法等があり、耐熱管12の内部を塞ぐことなく、赤外線電球内の不活性ガスが耐熱管12の内部を循環できる固定方法であれば良い。
なお、耐熱管12において、両端部の端面はバリ取りや、加熱等により溶融曲面形成加工を施すことにより、耐熱管12の強度及び破損防止を向上させることができる。
耐熱管12は不活性ガスが循環できる構成であるため、第1の発熱構成体100A及び第2の発熱構成体100Bをガラス管1の内部に略密着して配置して両端部分を封止することにより、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとの間を所定距離を有して隔離し、かつ第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとを循環する不活性ガス雰囲気中で使用することが可能となる。
また、実施の形態1の赤外線電球においては、ガラス管1の内部において不活性ガスが循環するよう構成されているため、加熱時において優れた熱拡散が生じて、各発熱体2A,2Bの温度をガスの特性により、ヒータ温度を変化させることが可能となる。
耐熱管12の材質は、発熱体2A,2Bの温度に耐える温度であり、かつ絶縁性を有する材質であればよい。例えば、耐熱ガラス、結晶化ガラス、石英、セラミックス等が好ましい。特に、赤外線域の透過性を有する材質が好ましい。
以下、実施の形態1における第1の発熱構成体100Aの具体的な構成について説明する。なお、第2の発熱構成体100Bについては、耐熱管12以外は第1の発熱構成体100Aの構成と同じであるため第1の発熱構成体100Aの説明を適用してここでは省略する。
保持ブロック3Aは段差を有して異なる直径を有する2つの円柱状部により構成されており、直径の細い部分には内部リード線部材11Aのコイル部5が固着されており、直径の太い部分には第1の発熱体2Aが挿入され挟着する切れ込み(スリット)が形成されている。保持ブロック3Aは第1の発熱体2Aの両端が挿入され挟着されて電気的に接続されている。保持ブロック3Aは、導電性材料であり、かつ第1の発熱体2Aの熱を放熱して内部リード線部材11Aのコイル部5Aに高熱を伝導しない材料で形成されている。すなわち、保持ブロック3Aは第1の発熱体2Aの熱をコイル部5に直接的に伝えないように、熱勾配を有する熱傾斜材でかつ導電性を有する材料で形成されている。例えば、黒鉛が好ましい。ただ、保持ブロック3Aの材料としては、金属材料等の導電性に優れた材料でも良い。また、保持ブロック3Aの形状としては円筒状に限定されるものではなく、矩形状等の製造容易な形状でよい。
保持ブロック3Aにおける直径の細い部分には、モリブデン、タングステン、ニッケル等の材料により形成された弾性を有する金属線が螺旋状に巻き付けられたコイル部5Aが固着されている。コイル部5Aは保持ブロック3Aの外周面に密着して巻き付けられており、両者は電気的に接続されている。コイル部5Aは弾性を有するスプリング部6Aを経て内部リード線7Aにつながっている。
実施の形態1の赤外線電球の構成においては、内部リード線7Aとコイル部5Aとの間にスプリング部6Aが形成されているため、第1の発熱体2の膨張による寸法変化を吸収できる構成である。また、コイル部5Aは保持ブロック3Aに電気的に接続される方法であれば溶接等を用いても良い。
実施の形態1の赤外線電球において、内部リード線7Aはモリブデン箔8Aを介して外部リード線9Aに接続されている。上記のように、実施の形態1の赤外線電球の第1の発熱構成体100Aにおいては、第1の発熱体2Aの両側に保持ブロック3A,3A、コイル部5A,5A、スプリング部6A,6A、内部リード線7A,7A、モリブデン箔8A,8A、そして外部リード線9A,9Aがそれぞれ接続されて構成されている。この構成は第2の発熱体2Bにおいても同じであり、第2の発熱体2Bの両側に保持ブロック3B,3B、コイル部5B,5B、スプリング部6B,6B、内部リード線7B,7B、モリブデン箔8B,8B、そして外部リード線9B,9Bがそれぞれ接続されて構成されている。なお、第1の発熱構成体100Aには、第1の発熱体2Aを覆うと共に不活性ガスに晒すことが可能で、第2の発熱構成体100Bに対して近接して配置させることが可能な耐熱管12が設けられている。
上記のように構成された実施の形態1の赤外線電球において、その両側から導出している外部リード線9A及び/又は9Bに電力を供給すると、第1の発熱体2A及び/又は第2の発熱体2Bに電流が流れ、それぞれの発熱体2A,2Bの抵抗により熱が発生する。このとき、第1の発熱体2Aからは赤外線が放射される。
第1の発熱体2A及び第2の発熱体2Bが同一仕様の発熱体である場合、耐熱管12の内部に配した第1の発熱体2Aは、第2の発熱体2Bに比べて放熱状態を変更することが可能である。例えば、耐熱管12の形状及び材料により輻射強度分布を変更することができ、第1の発熱体2Aの温度を第2の発熱体2Bに比べて高くすることが可能である。これにより、実施の形態1の赤外線電球としては、その輻射エネルギーを高めることが可能となる。
実施の形態1の赤外線電球において、第1の発熱体2A及び第2の発熱体2Bは、長い板状に成形された炭素系物質で構成されており、黒鉛などの結晶化炭素の基材に窒素化合物の抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素を加えた混合物から形成される。実施の形態1における第1の発熱体2A及び第2の発熱体2Bの寸法は、例えば、板幅が3.6mm、板厚が0.3mm、長さが280mmのものを用いた。第1の発熱体2A及び第2の発熱体2Bは、板幅と板厚との比が5/1以上であるのが望ましい。板幅を板厚より5倍以上大きくすることにより、板幅を構成する面から出る熱量が板厚を構成する面から出る熱量より大幅に多くなり、第1の発熱体2A及び第2の発熱体2Bの放熱に指向性を持たすことが可能となる。
なお、実施の形態1においては、耐熱管12の内径が4.0mm、外形が6.0mmであり、ガラス管1の内径が10.5mm、外形が12.5mmのものを使用し、ガラス管1の内部において第1の発熱体2A、第2の発熱体2B及び耐熱管12は略密接して配設されている。
炭素系物質の発熱体2A,2Bは発熱効率が高く、加熱を開始してから定格温度に達するまでの時間が極めて短く、点灯時の突入電流及びフリッカーが発生しない。また、このような発熱体2A,2Bの寿命は、約10000時間である。これは、使用温度にもよるがタングステン線で形成された発熱体2A,2Bの寿命の約2倍である。また、他の方法として炭素を含む繊維状、フエルト状でも略平面部分を形成することにより放射効率を高め指向性を持たせることが可能である。
図3は赤外線電球のその延設方向(長手方向)に直交する方向の断面図であり、輻射方向を矢印で示している。図3の(a)は実施の形態1の赤外線電球の断面図であり、(b)は、他の構成の赤外線電球の例を示す断面図である。
図3の(a)に示すように、実施の形態1の赤外線電球においては、2つの平板状の発熱体2A、2Bが略円筒状のガラス管1の断面における中心線上に正確に近接して並設されており、それぞれの平面部分が同一方向を向くよう配置されている。すなわち、図3においては、2つの平板状の発熱体2A、2Bの平面部分が上下方向を向いて配設されている。したがって、図3に示す状態においては、赤外線電球のガラス管1における上下方向に最も多くの熱量が輻射され、被加熱対象物を上下いずれかの位置に配置することにより、当該被加熱対象物が効率高く加熱される。
また、図3の(b)に示す構成においては、2つの発熱体21A、21Bの断面形状が板幅と板厚との比が1/1以上であるが2/1以下の範囲に設定された例である。このように構成された複数の発熱体2A,2Bを同じ方向を向くように並設することにより、赤外線電球の指向性を高めることが可能である。また、同じ仕様の発熱体2A,2Bを複数本並設した場合においては、耐熱管12の形状及び輻射強度分布のことなる材料に変更することにより耐熱管12の内部に配置された発熱体21Aの温度を高くし、温度分布を変更することができ、指向性と温度勾配を有する加熱を行うことができる。これにより熱分布の異なる加熱を効果的に行うことが可能となる。
また、上記の実施の形態1においては、発熱体2A,2Bに炭素系物質を用いて説明したが、発熱体2A,2Bを略平面状に形成可能な二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe(鉄)−Cr(クロム)−AL(アルミ)合金、及びステンレスから選ばれたいずれかを主成分とする材料による発熱体においても同様の効果を引き出すことは可能である。
さらに、前記発熱材料を用いる本発明においては、発熱体が不活性ガス雰囲気中の使用でなく空気中でも使用が可能であることから発熱体を覆う耐熱管12を円筒状の両端が開放されたガラス管1内に挿入する構成でもよく、同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1においては、ガラス管1の内部に2つの発熱構成体100A,100Bを用いた例で説明したが、ガラス管1の内部に複数の発熱構成体を配置する構成も可能である。この場合には、隣り合う発熱構成体が直接接触しないように、且つ所望の距離を確保できるよう1本置きに耐熱管12を設ける構成となる。
なお、耐熱管12は、発熱体2Aの全体ではなく、発熱体2Aの一部を覆うよう構成しても良い。このように構成することにより、発熱体2Aは覆われた部分が他の部位より高温度となり、被加熱対象物を一様ではなく温度勾配を有して加熱することが可能となる。
《実施の形態2》
以下、本発明に係る実施の形態2の加熱装置について添付の図面を参照しつつ説明する。
図4は実施の形態2の加熱装置における熱源の構造を示す断面図である。実施の形態2の加熱装置は、前述の実施の形態1において説明した赤外線電球90と、その赤外線電球から放射された熱を所望方向へ反射するため反射板50とを熱源とするものである。実施の形態2の加熱装置には、熱源の他に赤外線電球90への電力を制御する制御部や装置外観を形成する筐体等の一般的に用いられている加熱装置の構成要素が含まれる。実施の形態2の加熱装置に関しては、本発明の特徴となる熱源の構成について詳細に説明する。
実施の形態2の加熱装置における赤外線電球90は、実施の形態1で図1に示した赤外線電球であるため、平板状の第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bがガラス管1内に並設されており、それぞれの平面部分が同一方向を向くよう配置されている。したがって、実施の形態2の加熱装置において、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bの各平面部分が向いている方向に最も多くの熱量が輻射されるよう構成されている。
実施の形態2の加熱装置においては、赤外線電球90における第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bの各平面部分が向いている二方向のうちの一方向が当該加熱装置の正面方向であり、他の方向が加熱装置の背面方向である。図4に示す断面図においては、赤外線電球90の上方向が正面方向であり、下方向が背面方向である。
図4に示すように、実施の形態2の加熱装置においては、赤外線電球90の各発熱体2A,2Bの背面方向に反射板50が配設されている。したがって、実施の形態2における赤外線電球90の各発熱体2A,2Bの正面方向に被加熱対象物が配設される構成である。
実施の形態2の加熱装置において用いられている反射板50の材料は、反射率の高いアルミニウの表面に鏡面仕上げを施した板材を用いた。なお、反射板50の材料としては、反射率の高い材料で且つ耐熱性を有する材料であれば良く、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス等の金属板、若しくは耐熱性の材料の表面にアルミニウム、窒化チタン、ニッケル、クロム等の金属薄膜形成処理した板材等が用いられる。
図4に示すように、反射板50は、赤外線電球90の各発熱体2A,2Bの背面を覆うように、各発熱体2A,2Bの延設方向(図4においては紙面に直交する方向)に沿って同一断面を有して形成されている。なお、実施の形態2における反射板50は、各発熱体2A,2Bの延設方向を覆うように、各発熱体2A,2Bより長く形成されている。
図4に示すように、実施の形態2における反射板50の延設方向(長手方向)に直交した断面形状は、その中央部分に正面方向に略二等辺三角形状に突出した凸部50aが形成されている。この凸部50aの頂点が第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとの中間点(加熱源の中心)となるよう配置されている。反射板50が上記のように形成されているため、各発熱体2A,2Bから背面方向に放射された熱線の中で、各発熱体2A,2Bの真後ろに放射された熱線は、反射板50の凸部50aの傾斜面に反射され、反射板50における幅方向の両端部50bの近傍を照射し、加熱装置の正面方向へ幅広く反射される。したがって、実施の形態2の加熱装置における反射板50は、各発熱体2A,2Bの真後ろに放射された熱線が、各発熱体2A,2Bには反射されず、発熱体2A、2Bが配置されていない位置に反射されるよう構成されている。この結果、図4に示した反射板50を用いた加熱装置は、反射板50の長手方向に直交する断面の両端部分から反射される熱線が多くなり、被加熱対象物を効率高く加熱する。もし、反射板50に凸部50aが形成されていない場合、各発熱体2A,2Bの真後ろに輻射された熱線は、反射板により各発熱体2A,2Bの配置されている方向に反射されて、各発熱体2A,2Bを照射して、被加熱対象物を直接照射しない構成となる。
上記のように、実施の形態2の加熱装置においては、各発熱体2A,2Bの正面にある平面部分から放射された熱線とともに、各発熱体2A,2Bの背面方向の平面部分から放射された熱線が、反射板50により赤外線電球の正面方向に確実に放射され、加熱装置の正面方向に配置された被加熱物体を効率高く加熱する。
また、実施の形態2の加熱装置においては、各発熱体2A,2Bの真後ろから放射された熱線が反射板50の凸部50aにより反射され反射板50の幅方向の縁部50bの近傍において正面方向へ平行に反射されるよう構成されている。このため、実施の形態2の加熱装置は、各発熱体2A,2Bの正面方向に配置されている被加熱対象物を広範囲に加熱することが可能となる。
上記のように実施の形態2の加熱装置は、赤外線電球90の後方に設けた反射板50において、各発熱体2A,2Bの真後ろの位置に凸部50aを設けて、各発熱体2A,2Bから真後ろに放射された熱線を反射板50の縁部50bの近傍で反射するよう構成されている。したがって、実施の形態2の加熱装置においては、凸部50aで反射した熱線が反射板50の縁部50bの近傍を照射し、その縁部50bにおいて当該加熱装置の正面方向を輻射するよう反射する。このように、実施の形態2の加熱装置は、赤外線電球90から正面側への指向性のある一次輻射と、反射板50を介した2次輻射及び3次輻射により、加熱対象物の方向に向けて広範囲なより高効率の輻射が可能となる。
また、実施の形態2の加熱装置においては、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bに対して同じ電力が入力された場合、第1の発熱体2Aは耐熱管12の内部に挿入されているため、第1の発熱体2Aの温度は第2の発熱体2Bの温度より高くなる。これにより、実施の形態2の加熱装置を用いることにより、指向性と共に、所望の領域を特に加熱するような配熱を行うことが可能となる。
上記のように構成された実施の形態2の加熱装置は、赤外線電球90の背面側に反射板50を設けることにより、各発熱体2A,2Bからの熱輻射を確実に正面方向へ反射させて、被加熱対象物を所望の温度に速やかに効率高く加熱することが可能となる。
なお、実施の形態2の加熱装置においては、2つの発熱体2A,2Bの平面部分が同一方向に向くよう配置したが、2つの発熱体2A,2Bの平面部分が向く角度を異なるように構成することも可能である。例えば、被加熱対象物に対する熱輻射を集中させるために、2つの発熱体2A,2Bの平面部分が互いに多少内側を向くように配置したり、又はその逆に多少外側に向くよう配置して、広い範囲を加熱することが可能である。このように配置した場合には、発熱体2A,2Bの背面側からの熱輻射が所望の方向に反射されるよう、各発熱体2A,2Bの配置角度に応じて反射板50の形状を変更すれば同様の効果が得られる。また、加熱装置の仕様に応じて発熱体の本数を3本以上とすることも可能であり、その場合にも発熱体の配置に応じて反射板の形状を変更すれば同様の効果が得られる。
図5から図8は実施の形態2の加熱装置における反射板の変形例を示す断面図である。図5から図8は、発熱体の延設方向(長手方向)に直交する方向に切断した断面図である。これらの変形例において図4に示した実施の形態2と同じ機能、構成を有するものについては同じ材料で形成されており、それらには同じ符号を付して、説明は省略する。
図5に示す加熱装置における反射板51は、この反射板51の延設方向と直交して切断した断面形状が、実質的に放物線形状であり、ガラス管1の中心点の位置と反射板51の放物線の焦点Fの位置が同一となるよう構成されている。即ち、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとの間の中間位置(2つの発熱体2A、2Bにより構成された熱源における発熱中心位置)に反射板51の放物線形状の焦点Fの位置が配置されている。このように構成することにより、赤外線電球90のガラス管1の背面側に放射された熱線が赤外線電球90の正面方向に平行に輻射される。この結果、ガラス管1の正面側に配置された被加熱対象物が効率高く加熱される。なお、このとき発熱体2A,2Bの背面側から真後ろに放射された熱線の一部は、発熱体自体に反射され、発熱体自体を加熱して、図4に示した反射板50を用いた場合に比べて発熱体2A,2Bが高温度となる。したがって、図5に示した反射板51を用いた場合にはより指向性が高く、高温度の加熱が可能な加熱装置となる。
図6に示す反射板52は、この反射板52の延設方向と直交して切断した断面形状が、実質的に2つの放物線を組み合わせた構成であり、それぞれの放物線の焦点F1とF2の位置に各発熱体2Aと2Bの中心(各発熱体2Aと2Bにおける長手方向と平行な中心軸の位置)が配置されている。したがって、反射板52の中央部分は少し盛り上がった凸部52aとなっている。この凸部52aの頂点が2つの発熱体2Aと2Bとの中間点となっている。このように構成することにより、赤外線電球の各発熱体2A,2Bの背面側から放射された熱線が赤外線電球の正面方向に平行に輻射される。この結果、発熱体2A,2Bを封入したガラス管1の正面側に配置された被加熱対象物は効率高く加熱される。なお、このとき発熱体2A、2Bの背面側から真後ろに放射された熱線は、発熱体自体に反射され、発熱体自体を加熱して、図4に示した反射板50を用いた場合に比べて発熱体が高温度となる。したがって、図6に示した反射板52を用いた場合にはより指向性が高く、さらに高温度の加熱が可能な加熱装置となる。
図6に示した構成において2つの発熱体2Aと2Bの各中心間の距離をP1とし、図5に示した反射板51において、発熱体2A,2Bの正面側と背面側を分ける焦点Fの位置の延長線上の長さをP0とすると、図6に示した反射板52における発熱体2A,2Bの正面側と背面側を分ける焦点F1、F2の位置の延長線上の長さは、(P1+P0)となる。即ち、図6に示した反射板52においては、図5に示した反射板51に比べて、正面側へ幅広く輻射できる構成である。
図7に示す反射板53は、この反射板53の延設方向と直交して切断した断面形状が、その中央部分に正面側が突出した凸面部53aを有する実質的に放物線形状である。反射板53においては、ガラス管1の中心点の位置と放物線の焦点Fの位置が同一となるよう構成されている。即ち、2つの発熱体2Aと2Bとの間の中間位置(各発熱体により構成された加熱源の発熱中心)に反射板53の放物線形状の焦点Fの位置が配置されている。このように構成することにより、赤外線電球90のガラス管1の背面側に輻射された大部分の熱線が赤外線電球90の正面方向に対して平行に輻射されるとともに、発熱体2A,2Bの背面側から真後ろに放射された熱線は凸面部53aに反射されて拡散される。この結果、反射板53を有する加熱装置によれば、ガラス管1の正面側に配置された被加熱対象物に対して広い範囲を効率高く加熱する。
図8に示す反射板54は、この反射板54の延設方向と直交して切断した断面形状が、その中央部分で各発熱体2A,2Bの平面部分と対向する部分に凹凸部54aを有する実質的に放物線形状である。反射板54においては、ガラス管1の中心点の位置と反射板54の放物線の焦点Fの位置が同一となるよう構成されている。即ち、2つの発熱体2Aと2Bとの間の中間位置(各発熱体により構成された加熱源の発熱中心)に反射板54の放物線形状の焦点Fの位置が配置されている。このように構成することにより、赤外線電球90のガラス管1の背面側に放射された大部分の熱線が赤外線電球90の正面方向に平行に輻射されるとともに、発熱体2A,2Bの背面側から真後ろに放射された熱線は凸凹部54aに乱反射されて拡散される。この結果、反射板54を有する加熱装置によれば、ガラス管1の正面側に配置された被加熱物体60は広い範囲で効率高く加熱される。
上記のように、図7及び図8に示した構成において、反射板53,54の中央部分(発熱体の背面側と対向する部分)に凸面部53a若しくは凸凹部54aを形成することにより、凸面部53a又は凸凹部54aで乱反射した熱線が2次輻射として被加熱対象物を広い範囲で加熱する。この結果、発熱体2A,2Bの平面部分から正面側に放射された指向性ある一次輻射と、反射板53,54による乱反射を含む2次輻射とにより、被加熱対象物の加熱面を広範囲に高効率で加熱することが可能となる。
なお、図5から図8に示した構成においては、加熱装置の仕様に応じて発熱体の本数を3本以上とすることも可能であり、その場合にも発熱体の配置に応じて反射板の形状を設計変更すれば同様の効果が得られる。
また、図5から図8に示した加熱装置においては、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bに対して同じ電力が入力された場合であり、第1の発熱体2Aが耐熱管12の内部に挿入されているため、第1の発熱体2Aの温度は第2の発熱体2Bの温度より高くなる。これにより、実施の形態2の加熱装置を用いることにより、指向性と共に、所望の領域を特に加熱するような配熱を行うことが可能となる。
図9は、上記のように構成された赤外線電球と反射板とを熱源として構成した加熱装置の一例を示す斜視図である。図9に示す加熱装置においては、筐体80の内部に反射板50及び赤外線電球90が配設されている。ここで示した反射板50及び赤外線電球90は、前述の図4に示した反射板50及び赤外線電球と同じ構成である。また、加熱装置としては、前述の図5から図8に示した赤外線電球90と反射板51,52,53又は54を熱源として設けることが可能である。
上記のように赤外線電球と反射板とを熱源とした加熱装置は、広範囲な加熱、平行熱線による加熱、乱反射によるムラのない加熱、及び効率の高い加熱を行うことができ、被加熱対象物と使用環境に応じて設計変更を容易に行うことができる汎用性の高い加熱装置となる。
ここで、加熱装置としては、例えば暖房用ストーブ等の輻射電気暖房器、調理加熱等の調理器、食品等の乾燥機、複写機、ファクシミリ、プリンタ等におけるトナー定着等の電子装置、及び短時間で高温度に加熱する必要のある装置が含まれる。
《実施の形態3》
以下、本発明に係る実施の形態3の加熱装置について、添付の図10を用いて説明する。図10は実施の形態3の加熱装置の熱源となる赤外線電球91の延設方向に直交する方向で切断した断面図である。
実施の形態3の加熱装置は前述の実施の形態1の赤外線電球を熱輻射源として用いたものである。実施の形態3の加熱装置においては、前述の実施の形態1の赤外線電球におけるガラス管1の背面側に反射膜55を形成した構成である。
図10に示すように、実施の形態3における赤外線電球のガラス管1の背面側(図10における下側)には反射膜55が形成されている。この反射膜55により、各発熱体2A,2Bの背面側から放射された熱線が反射され、ガラス管1の正面側から輻射される。したがって、実施の形態3の加熱装置においては反射板を設ける必要のない構成であり、反射膜55を有する赤外線電球により指向性を有する高効率の熱源として使用可能である。
実施の形態3においては、2つの発熱体2Aと2Bの中心位置がガラス管1の実質的な円筒形部分の中心軸上に配設されている。即ち、2つの発熱体2Aと2Bとの中間位置にガラス管1の延設方向の中心線が配置されている。ガラス管1の背面側に形成された反射膜55は、各発熱体2A,2Bの側面に対向する位置、即ち、ガラス管1の断面形状において略半円部分に形成されている。
なお、実施の形態3においては、反射膜55が発熱体2A,2Bの側面に対向する位置(ガラス管1の断面における略半円部分)まで形成した例で示したが、少なくとも発熱体2A,2Bの背面側の平面部分からの熱線が入射される位置、あるいは発熱体2A,2Bの背面側の平面部分に対向する位置に形成されていれば良い。
実施の形態3における反射膜55は、反射率の高い物質により形成されており、実施の形態3においては、ガラス管1の外壁に金を含む箔を転写後焼成して作製している。
上記のように構成された実施の形態3の加熱装置における赤外線電球91では、ガラス管1に形成した反射膜55により発熱体2A,2Bの背面側から放射された熱線が確実に発熱体2A,2B及び正面側に反射されて、ガラス管1の正面側に配設された被加熱対象物に輻射強度の高い加熱を行うことができる。
発明者らの実験によれば、発熱体2A,2Bに同じ電圧を印加したときの発熱体自体の温度は、反射膜55を設けていない場合が1100℃であり、反射膜55を設けた場合が1200℃であった。したがって、ガラス管1に反射膜55を設けることにより、赤外線電球は高エネルギー放射体となる。
さらに、実施の形態3の加熱装置は、ガラス管1の周りに反射板が設けられておらず、発熱体近傍に反射膜55が形成された構成であるため、反射板により熱輻射を反射する構成に比べて、発熱体からの熱損失を少なくすることが可能となる。
なお、実施の形態3においては、反射膜55がガラス管1の外壁に金を含む箔を転写後焼成して作製した例で説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えば、窒化チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、酸化アルミニウムなど反射率の高い物質で作製しても、同様の効果が得られる。
上記のように構成された反射膜55を有する赤外線電球91を熱源として構成した加熱装置においては、前述の図9に示したように筐体の内部に反射膜55を有する赤外線電球を配設することにより、広範囲で高効率の加熱、及び熱損失の少ない加熱が可能となり、被加熱対象物と使用環境に応じた加熱を行うことができる、汎用性の高い加熱装置を実現できる。
ここで、加熱装置とは暖房用ストーブ等の輻射電気暖房器、調理加熱等の調理器、食品等の乾燥機、複写機、ファクシミリ、プリンタにおけるトナー定着等の電子装置、及び短時間で高温度に加熱する必要のある装置を含む。
《実施の形態4》
以下、本発明に係る実施の形態4の加熱装置について、添付の図11を用いて説明する。図11は実施の形態4の加熱装置の熱源となる赤外線電球92の延設方向に直交する方向で切断した断面図である。
実施の形態4の加熱装置は前述の実施の形態1の赤外線電球を熱輻射源として用いたものである。実施の形態4の加熱装置においては、前述の実施の形態1の赤外線電球におけるガラス管1の周りに筒体を配設した構成である。
図11に示すように、実施の形態4の加熱装置における熱輻射源は、赤外線電球92と、その赤外線電球の周りを覆うように配置された筒状の筒体56により構成されている。この筒体56は使用目的によりその材質が選択される。
食品加熱の場合には、筒体56はガラス管で形成されており、発熱体2A,2Bの平面部分からの熱輻射が透過する構成とする。このように、ガラス管1の周りに筒体56を設けることにより、食品加熱の際に生じる調味料、肉汁等が飛散しても、その飛散物が赤外線電球92に直接触れることがない。
もし、赤外線電球92に高温度の調味料や肉汁が直接触れるとガラス管1の表面に失透を生じて、ガラス管1が割れるという問題がある。しかし、本発明に係る実施の形態4の加熱装置においては、上記のような問題が完全に防止されており、長寿命化を図ることができる。
実施の形態4の加熱装置を複写機やファクシミリやプリンタ等の電子装置におけるトナー定着に用いた場合、筒体56を定着用ローラとして用い、赤外線電球をその内部に配設する。このように電子装置を構成することにより、当該電子装置は赤外線電球内の発熱体2A,2Bの平面部分からの指向性の高い熱輻射がトナー定着装置の定着部分を照射する構成とすることが可能となる。その結果、定着部分が効率高く加熱される構成となる。このように指向性が高く、所望の温度までの立ち上がりの早い赤外線電球92を用いることにより、当該電子装置は定着面を重点的に加熱できるとともに、機器の立ち上がり、及び待機時等において効率高く対応することが可能となる。
上記のように、指向性の高い熱輻射を行うことができる赤外線電球92と、この赤外線電球92の周りに目的に応じて構成の異なる筒体56を設けることにより、赤外線電球92の保護を図ることができるとともに、立ち上がりが早く加熱効率の高い加熱装置を提供することが可能となる。ここで、加熱装置とは暖房用ストーブ等の輻射電気暖房器、調理加熱等の調理器、食品等の乾燥機、トナー定着等の電子装置等である。
《実施の形態5》
以下、本発明に係る実施の形態5の加熱装置について、添付の図12を用いて説明する。図12は実施の形態5の加熱装置の加熱方法を示す回路図である。
実施の形態5の加熱装置は前述の実施の形態1の赤外線電球を熱源として用いて、その熱源の制御方法を特徴とするものである。以下、赤外線電球に設けられている2つの発熱体2A,2Bを第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとして説明する。
図12に示す回路図は、実施の形態5の加熱装置における赤外線電球の通電制御方法を示す図であり、実施の形態5の加熱装置における赤外線電球の制御回路を示している。図12に示すように、実施の形態5における赤外線電球の第1の発熱体2Aの両端に接続された外部リード線9Aには第1の外部端子110と第2の外部端子111が設けられている。また、実施の形態5における赤外線電球の第2の発熱体2Bの両端に接続された外部リード線9Bには第3の外部端子112と第4の外部端子113が設けられている。
また、実施の形態5の加熱装置における制御回路には、電源Vに接続された3つの電源端子115、116、117が設けられている。第1の電源端子115は第1の外部端子110と第3の外部端子112の両方同時に接続するか、又は第1の外部端子110のみに接続できるよう構成されている。第2の電源端子116は第2の外部端子111と第4の外部端子113の両方同時に接続できるよう構成されている。そして、第3の電源端子117は、第1の電源端子115が第1の外部端子110のみに接続しているとき、第3の外部端子112のみに接続できるよう構成されており、このとき、第1の発熱体2Aの第2の外部端子111と第2の発熱体2Bの第4の外部端子113は、互いに電気的に接続されるよう構成されている。
上記のように構成された実施の形態5の加熱装置における制御回路において、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとの通電制御は、以下のように行われる。
[並列通電制御]
第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとを並列に通電する場合、第1の発熱体2Aの第1の外部端子110と第2の発熱体2Bの第3の外部端子112が第1の電源端子115に接続される。同時に、第1の発熱体2Aの第2の外部端子111と第2の発熱体2Bの第4の外部端子113は、第2の電源端子116に接続される。このように制御回路が接続されることにより、例えば第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bの仕様がともに100Vの印加で消費電力500Wであれば、電源Vにより100Vを通電すると赤外線電球の消費電力は1000Wとなる。また、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bのそれぞれが100V印加時の発熱体温度が1100℃であれば、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bの両方とも発熱体温度1100℃でそれぞれが熱輻射する。
[直列通電制御]
第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bとを直列に通電する場合、第1の発熱体2Aの第1の外部端子110が第1の電源端子115に接続される。同時に、第1の発熱体2Aの第2の外部端子111と第2の発熱体2Bの第4の外部端子113が互いに電気的に接続される。そして、第2の発熱体2Bの第3の外部端子112が第3の電源端子117に接続される。このように制御回路が接続されることにより、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bが前述の仕様(100V,500W)を有する場合、電源Vにより100Vを通電すると赤外線電球の消費電力は250Wとなる。また、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bのそれぞれが100V印加時の発熱体温度が1100℃のものを用いた場合、第1の発熱体2Aと第2の発熱体2Bの両方とも発熱体温度約700℃でそれぞれが熱輻射する。
[単独通電制御]
例えば、第1の発熱体2Aのみを単独で通電する場合、第1の発熱体2Aの第1の外部端子110が第1の電源端子115に接続される。同時に、第1の発熱体2Aの第2の外部端子111が第2の電源端子116に接続される。このとき、第2の発熱体2Bには電圧が印加されない状態である。このように制御回路が接続されることにより、第1の発熱体2Aが前述の仕様(100V,500W)を有する場合、電源Vにより100Vを通電すると赤外線電球の消費電力は500Wとなり、第1の発熱体2Aは発熱体温度1100℃で熱輻射する。
上記のように、3つの電源端子を設けることにより、赤外線電球内に対して通電回路の選択により、発熱体温度を変更して、所望の温度による調整加熱が可能となる。したがって、実施の形態5の加熱装置においては、発熱体の平面部分を所望の向きとするとともに通電制御を行うことにより、優れた熱輻射の指向性を有し、被加熱装置に対応して容易に加熱温度を制御することが可能となる。
なお、実施の形態5の加熱装置は実施の形態1の赤外線電球を用いて熱輻射の制御を行った例で説明したが、本発明はこのような制御方法に限定されるものではなく前述の実施の形態2の加熱装置の制御方法として用いて、その熱輻射の制御を行うことも可能である。
また、実施の形態5の加熱装置において、通電制御を行う場合にその選択条件として温度制御を加味することも可能である。温度制御として、例えばサーモスタット等の温度検知手段を用いたオンオフ制御、正確な温度を感知する温度感知センサを用いた入力電源の位相制御、さらに通電率制御、ゼロクロス制御などを単独で若しくはそれらを組み合わせて行うことにより、高精度な温度管理が可能な加熱装置が実現できる。したがって、このように構成された実施の形態5の加熱装置によれば、発熱体の平面部分の指向性制御と通電制御とにより、輻射特性に優れた加熱と高精度な温度管理が可能となる。
以上のように、本発明の赤外線電球においては、平面を有し、その長手方向が並列になるように配した複数個の発熱体と、選択された発熱体の少なくとも一部を覆うように配した耐熱管と、上記の発熱管と耐熱管とをガラス管内に封止した構成を有している。このように構成された赤外線電球は、複数の発熱体の平面から熱輻射が行われる構成であるため、指向性の高い輻射を行うことが可能となり、発熱体の少なくとも一部が耐熱管で覆われているため、その耐熱管で覆われた発熱体の温度が高くなり輻射エネルギーが高められている。
また、本発明の赤外線電球においては、複数の発熱体の平面が同一方向を向くよう構成することにより、指向性の高い熱源とすることが可能となり、さらに発熱体の少なくとも一部を耐熱管で覆うことにより発熱体温度が高くなり、加熱分布を調整することが可能となる。
また、本発明の加熱装置においては、上記のように構成された赤外線電球における発熱体の背面側に反射板を配設し、その反射板における少なくとも2つ以上の発熱体に対向する位置に発熱体の方向に突出する凸部を設けている。この反射板の凸部に入射された熱線が発熱体以外の方向に反射して再度反射板に入射して正面側に再反射するよう構成されている。このように構成された加熱装置においては、発熱体から発した輻射熱が凸部反射面により効率高く正面側に放射されるとともに、発熱体の少なくとも一部が耐熱管で覆われているため発熱体温度が高くなり、加熱分布を調整することが可能となる。
また、本発明の加熱装置においては、上記のように構成された赤外線電球における発熱体の背面側に反射板を配設し、その反射板の長手方向に直交する断面形状が放物線形状であり、複数の発熱体による加熱源における発熱中心が反射板の焦点の位置に配置されている。複数の発熱体における発熱の中心が反射板の焦点の位置にあるため、複数の発熱体からの輻射熱が反射板により反射されて広範囲の放射が可能となる。
また、本発明の加熱装置においては、上記のように構成された赤外線電球における発熱体の背面側に反射板を配設し、その反射板により反射された熱線が発熱体を照射しないよう当該反射板を構成することにより、発熱体への反射板による二次加熱に起因する温度上昇を防止することが可能となり、仕様の安定を図った加熱装置を実現することができる。赤外線電球に用いられている発熱体は、その抵抗変化率が発熱体自体の温度により変化する。また、赤外線電球の定格の設定は、赤外線電球の自己放熱のみを考慮して設定される場合が多くなっている。このように設定した赤外線電球を加熱装置に組み込んだ場合、反射板の形状により発熱体の温度上昇が生じるとき加熱装置の定格が変わることになる。したがって、本発明の加熱装置は、反射板により発熱体が照射されないよう構成されているため、赤外線電球の定格が反射板による影響を受けることが無くなり、所望の仕様を確実に有する加熱装置の設計が容易となる。
また、本発明の加熱装置においては、上記のように構成された赤外線電球における発熱体の背面に反射膜を設け、その反射膜にて発熱体からの熱輻射を同一方向に反射するよう構成し、被加熱対象物を効率高く加熱することが可能となる。上記のように、赤外線電球における背面側に反射膜を設けることにより、その反射膜により背面側に放射された輻射熱を発熱体に返すことになり発熱体をより高温度にすることが可能となる。このように構成された発熱体は、その平面側から高エネルギーの熱輻射を同一方向に放射し被加熱対象物を効率高く加熱することが可能となる。
また、本発明の加熱装置においては、上記のように構成された赤外線電球を設け、且つその赤外線電球を覆う筒体を配設した構成とすることも可能である。このように構成することにより、被加熱対象物等から発する異物、例えば肉汁、調味料などが筒体に遮られて直接赤外線電球に接することがない。これにより、赤外線電球表面の劣化による破損、断線を防止することが可能となり、長寿命の加熱装置を提供することができる。さらに、本発明の加熱装置を、例えば複写機等の熱源とした場合、筒体がトナー定着ローラとして用いられ、このトナー定着ローラと紙が接する部分が効率高く加熱することができる。さらに、上記の加熱装置において、発熱体の少なくとも一部を耐熱管で覆った構成とすることにより発熱体温度を高くすることが可能となり、加熱分布を変更することができる加熱装置を実現することができる。
また、本発明の加熱装置は、長手方向が並列になるように配した複数個の発熱体と、選択された発熱体の少なくとも一部を覆うように配された耐熱管と、これらの発熱体と耐熱管を封入するガラス管と、各発熱体に対して個別に通電可能な複数の接続端子と、接続端子の接続状態を選択する制御回路と、を有して構成されている。このように構成された加熱装置は、各種通電状態に設定することが可能となる。本発明の加熱装置は、例えば、複数個の発熱体を並列に通電する、一部発熱体のみを通電する、少なくとも一部を耐熱管で覆った発熱体のみを通電する、若しくは複数個の発熱体を直列通電する、等の通電状態を選択的に制御することが可能となる。上記のように構成された加熱装置においては、一本の赤外線電球内に設けられた複数個の発熱体に対して、その通電状態を個別に設定することが可能となり、同一定格において入力電力量、発熱体の温度を容易に、かつ確実に変更することが可能となる。
また、本発明の加熱装置においては、通電制御を行う場合に温度制御を加味することが可能であり、温度制御としては、例えばサーモスタット等の温度検知手段を用いたオンオフ制御、正確な温度を感知する温度感知センサを用いた入力電源の位相制御、さらに通電率制御、ゼロクロス制御などを単独で若しくはそれらを組み合わせて行うことにより、精度の高い温度管理が可能となる。
また、本発明の加熱装置は、一本の赤外線電球内において複数個の発熱体に個別に設けた接続端子の通電方法を制御することが可能であり、複数個の発熱体の並列通電、直列通電、一部の発熱体に対する通電、若しくは少なくとも一部を耐熱管で覆った発熱体に対する通電、を行うことが可能であり、同一定格において入力電力量、及び発熱体の温度を変更することが可能となる。上記の通電状態の変更においては、通電率及び温度を検知するセンサを用いた位相制御、オンオフ制御とすることでより精度の高い温度制御可能となる。さらに、本発明の加熱装置においては、一本の赤外線電球が複数個の発熱体を備えているため、必要な発熱体のみに対して電力を供給する構成とすることにより、ばらつきの少ない精度の高い温度制御が可能となる
本発明の赤外線電球及び加熱装置においては、発熱体が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体である。発熱体の材質が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体は放射率が80%以上の高い特性を有する。このような特性を有する発熱体を複数設けた赤外線電球及び加熱装置においては加熱効果が高く、一次輻射の多い優れた熱源を有するものとなる。
また、本発明の赤外線電球及び加熱装置においては、発熱体が炭素系物質と抵抗調整物質を含み、焼成により形成された固形の炭素系発熱体である。発熱体の材質が炭素系物質と抵抗調整物質を含み、焼成により形成された発熱体の放射率は、80%以上の高い特性を有すると共に抵抗調整物質を含むことで抵抗変化率を調整することが可能で抵抗変化の少ない安定な熱源が得られる。さらに、本発明の赤外線電球及び加熱装置においては、弾性を有する材料、例えば炭素繊維等で構成された発熱体を用いることにより取り扱いの容易な破損のおそれの少ない熱源となる。また、このように構成された熱源は、取り付け方向を水平方向や垂直方向等、自由な方向とすることが可能となる。
また、本発明の赤外線電球及び加熱装置においては、発熱体を覆う耐熱管の一部に移動阻止手段として、例えば耐熱管の端部を内側に突出するよう屈曲加工したり、耐熱管の端部近傍に内側に突出した部分を設けているが、本発明においては耐熱管を内部リード線部材等に固定できる構成であれば良く、各種固定方法、例えば固定ピンを外部から挿入して固定する方法、等が含まれる。上記のように、発熱体を覆う耐熱管の一部に移動阻止手段を設けることにより確実に発熱部分の特定場所を覆うことが可能となり、他の発熱体に対して確実に絶縁状態を確保することが可能となる。その結果、本発明においては、発熱体の破損が抑制された構成となる。なお、耐熱管の端面強度を高めるために、端面に対してバリ取り、熱加工等により丸めることにより強度の向上を図ることができる。
また、本発明の赤外線電球及び加熱装置においては、ガラス管を封止しない開放構造とすることも可能である。このように構成された本発明の赤外線電球及び加熱装置は、複数個の発熱体が空気中で使用できる発熱材料で構成されており、その発熱体が平面を有し、その長手方向が並列になるように配設されている。そして、複数個の発熱体における選択された発熱体の少なくとも一部を覆う耐熱管がガラス管内に設けられているため、各発熱体の平面から指向性の高い高効率の熱放射が行われる。
また、本発明の赤外線電球及び加熱装置においては、発熱体が二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe(鉄)−Cr(クロム)−AL(アルミ)合金、ステンレス等を含む発熱体である。このように構成された発熱体は空気中で使用でき、平面を構成できる材料として二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe(鉄)−Cr(クロム)−AL(アルミ)合金、ステンレス等を用いることにより指向性の高い輻射を行うことができ、発熱体の少なくとも一部を耐熱管で覆ったことにより、発熱体温度が高くなるため、輻射エネルギーの高い赤外線電球及びこの赤外線電球を用いた加熱装置を実現することが可能となる。
本発明に係る赤外線電球は小型で高効率の熱源として利用でき、この赤外線電球を用いた加熱装置は指向性の高い加熱手段として有用である。
本発明に係る実施の形態1の赤外線電球の構成を示す平面図 本発明に係る実施の形態1における第1の発熱体の各種構成例を示す平面図 本発明に係る実施の形態1の赤外線電球の断面図 本発明に係る実施の形態2の加熱装置の熱源を示す断面図 本発明に係る実施の形態2の加熱装置の熱源の他の構成を示す断面図 本発明に係る実施の形態2の加熱装置の熱源の他の構成を示す断面図 本発明に係る実施の形態2の加熱装置の熱源の他の構成を示す断面図 本発明に係る実施の形態2の加熱装置の熱源の他の構成を示す断面図 本発明に係る実施の形態2の加熱装置の構成の一例を示す図 本発明に係る実施の形態3の加熱装置の断面図 本発明に係る実施の形態4の加熱装置の断面図 本発明に係る実施の形態5の加熱装置の制御回路を示す図
符号の説明
1 ガラス管
2A,2B 発熱体
3A,3B 保持ブロック
5A,5B コイル部
6A,6B スプリング部
7A,7B 内部リード線
8A,8B モリブデン箔
9A,9B 外部リード線
11A,11B 内部リード線部材
12 耐熱管
50,51,52,53,54 反射板
55 反射膜
56 筒体
90,91,92 赤外線電球

Claims (23)

  1. 平面を有する板状の複数の発熱体と、
    前記複数の発熱体をそれぞれの長手方向が並行になるよう配設して収納するガラス管と、
    前記ガラス管の内部に設けられ、前記複数の発熱体における選択された発熱体の少なくとも一部を覆う耐熱管と、
    を具備する赤外線電球。
  2. 前記耐熱管が赤外線域の光透過性を有する材料で形成された請求項1に記載の赤外線電球。
  3. 複数の前記発熱体の平面が同一方向を向いて配置され、各発熱体が耐熱管の管壁を介して配設された請求項1に記載の赤外線電球。
  4. 前記発熱体が弾性力を有する保持手段により保持された請求項1に記載の赤外線電球。
  5. 前記耐熱管が保持手段の一部と係合する係合部が形成された請求項4に記載の赤外線電球。
  6. 前記ガラス管の一部に反射膜が形成された請求項1に記載の赤外線電球。
  7. 前記反射膜が金、窒化チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、又は酸化アルミニウムのいずれかを含む金属で形成された請求項6に記載の赤外線電球。
  8. 前記発熱体が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  9. 前記発熱体が炭素系物質と抵抗調整物質とを含み、焼成により形成された固形の炭素系発熱体である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  10. 前記発熱体が二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe−Cr−AL合金、及びステンレスから選ばれた金属により形成された請求項1乃至7のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  11. 平面を有する板状の複数の発熱体と、
    前記複数の発熱体をそれぞれの長手方向が並行になるよう配設して収納するガラス管と、
    前記ガラス管の内部に設けられ、前記複数の発熱体における選択された発熱体の少なくとも一部を覆う耐熱管と、
    前記発熱体から放射された熱を反射する反射手段と、
    を具備する加熱装置。
  12. 前記耐熱管が赤外線域の光透過性を有する材料で形成された請求項11に記載の加熱装置。
  13. 複数の前記発熱体の平面が同一方向を向いて配置され、各発熱体が耐熱管の管壁を介して配設された請求項11に記載の加熱装置。
  14. 前記反射手段が前記発熱体の平面から放射された熱を実質的に平行に反射する断面放物線状の反射板であり、前記反射板の焦点の位置に複数の前記発熱体により構成された加熱源の中心が配置された請求項11に記載の加熱装置。
  15. 前記反射手段が前記発熱体の平面から放射された熱を実質的に平行に反射する反射板であり、前記発熱体が2つ設けられており、前記反射板は各発熱体の中心が焦点の位置となるように前記反射板の長手方向に直交する断面が2つの放物線形状の組み合わせにより構成された請求項11に記載の加熱装置。
  16. 前記反射板における長手方向と直交する断面の中央部分に複数の前記発熱体により構成された加熱源の中心側に突出した凸部が形成された請求項14に記載の加熱装置。
  17. 前記反射板における長手方向と直交する断面の中央部分に前記発熱体から放射された熱を乱反射する乱反射部が形成された請求項14に記載の加熱装置。
  18. 前記ガラス管を取り囲むように円筒状の筒体が配設された請求項11に記載の加熱装置。
  19. 複数の前記発熱体のそれぞれに接続された複数の外部端子と、
    電源に接続された複数の電源端子と、
    前記外部端子と前記電源端子とを選択的に接続して、前記発熱体を直列、並列又は単独に接続する制御回路と、をさらに具備する請求項11乃至18のいずれか一項に記載の加熱装置。
  20. 制御回路がオンオフ制御、通電率制御、位相制御、及びゼロクロス制御のそれぞれの回路を単独、若しくは少なくとも二つを組み合わせて構成した請求項19に記載の加熱装置。
  21. 前記発熱体が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体である請求項11乃至20のいずれか一項に記載の加熱装置。
  22. 前記発熱体が炭素系物質と抵抗調整物質とを含み、焼成により形成された固形の炭素系発熱体である請求項11乃至20のいずれか一項に記載の加熱装置。
  23. 前記発熱体が二ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、炭化珪素、ニクロム、Fe−Cr−AL合金、及びステンレスから選ばれた金属により構成された請求項11乃至20のいずれか一項に記載の加熱装置。
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