[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う強誘電体メモリの全体の構成を概略的に示す図である。図1において、強誘電体メモリは、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリセルアレイ1と、外部からのアドレス信号に従ってメモリセルアレイ1のアドレス指定された行に対応するワード線を選択状態へ駆動するためのロウデコーダ2と、このアドレス信号に従って、選択ワード線に対応して配置されたプレート電位を変化させるプレート電位制御回路3を含む。メモリセルアレイ1は、以下に説明するように、強誘電体をキャパシタ絶縁膜として有するメモリセルを含む。ロウデコーダ2は、アドレス指定された行に対応して配置されるワード線のみを選択状態へ駆動し、残りのワード線は非選択状態(プリチャージ状態)に維持する。プレート電位制御回路3は、このアドレス信号に従って、選択行に対応して配置されたプレート線に対し、所定のタイミングでワンショットのパルス信号を与え、残りの非選択ワード線に対して設けられたプレート線には、書込/読出パルス電圧が与えられない。
強誘電体メモリは、さらに、アドレス信号に従ってメモリセルアレイ1のアドレス指定された列を選択するための列選択信号を発生するコラムデコーダ4と、メモリセルアレイ1の各列に対応して配置され、対応の列のメモリセルデータの検知、増幅およびラッチを行なうセンスアンプと、コラムデコーダ4からの列選択信号に従ってアドレス指定された列に対応して配置されたビット線を内部データバス5に接続するI/Oゲートを含む。図1においては、センスアンプとI/Oゲートを1つのブロック6で示す。
この内部データバス5に対して、比較的大きな駆動力を有するデータバスセンスアンプ7が設けられる。このデータバスセンスアンプ7は、データバスセンスアンプ活性化信号PSの活性化に応答して活性化される。このデータバスセンスアンプ7により検知増幅されたデータが出力回路8へ与えられる。データバスセンスアンプ7の構成は後に説明するが、この内部データバス5を駆動して、その電位を増幅する機能を備える。
この内部データバス5に対し、さらに強誘電体をキャパシタ絶縁膜として備える付加容量10が設けられる。図1においては、付加容量10は、その内部データバスと接地電位との間に配置されるように示される。この付加容量10は、メモリセルアレイ1の各列に対して共通に設けられており、データ読出時には、選択列に対してのみ接続される。したがって選択列においてのみそのビット線負荷容量が大きくなり、十分な読出電圧がビット線に読出される。ここで、メモリセルアレイ1においては、メモリセルの各行に対応してワード線が配置され、メモリセルの各列に対応してビット線が配置される。
この強誘電体メモリは、さらに、外部からの動作制御信号/RAS、/CASおよび/WEに従って内部動作に必要な制御信号を発生させる制御回路12を含む。
図2は、図1に示す強誘電体メモリの要部の構成を概略的に示す図であり、メモリセルアレイ1の1列に関連する部分の構成を概略的に示す。図2においては、メモリセルとして、2トランジスタ/2キャパシタ型のメモリセルMCが一例として示される。もちろん、このメモリセルMCは、1トランジスタ/1キャパシタ型のメモリセルであってもよい。
図2において、ビット線BLおよび/BLとワード線WLの交差部に対してメモリセルMCが配置される。メモリセルMCは、強誘電体キャパシタF1およびF2と、ワード線WLの信号電位に従って強誘電体キャパシタF1およびF2をそれぞれビット線BLおよび/BLへ接続するアクセストランジスタTG1およびTG2を含む。強誘電体キャパシタF1およびF2の一方電極は共通にプレート線PLに接続される。ワード線WLには、このメモリセルアレイ1の行方向に整列して配置されるメモリセル(アクセストランジスタ)が接続される。ビット線BLおよび/BLには、このメモリセルアレイ1の列方向に整列して配置される1列のメモリセルが接続される。プレート線PLは、このワード線WLと平行に配設され、1行のメモリセルが接続される。
センスアンプSAは、pチャネルMOSトランジスタP1およびP2で構成されるPセンスアンプとnチャネルMOSトランジスタQ1およびQ2で構成されるNセンスアンプ部分を含む。pチャネルMOSトランジスタP1は、その一方電極がビット線BLに接続され、そのゲートがビット線/BLに接続され、そのソースが、センスアンプ活性化信号φSPを受けるように結合される。pチャネルMOSトランジスタP2は、その一方電極がビット線/BLに接続され、そのゲートがビット線BLに接続され、その他方導通ノードがセンスアンプ活性化信号φSPを受けるように結合される。nチャネルMOSトランジスタQ1は、その一方導通ノードがビット線BLに接続され、そのゲートが、ビット線/BLに接続され、その他方導通ノードがセンスアンプ活性化信号φSNを受けるように接続される。nチャネルMOSトランジスタQ2は、その一方導通ノードがビット線/BLに接続され、そのゲートがビット線BLに接続され、その他方導通ノードがセンスアンプ活性化信号φSNを受けるように接続される。
I/Oゲートは、コラムデコーダからの列選択信号CSの活性化に従って導通し、ビット線BLを内部データバス線5aに接続する列選択ゲートSGaと、列選択信号CSの活性化に応答して導通し、ビット線/BLを内部データバス線5bに接続する列選択ゲートSGbを含む。内部データバス線5aには、付加容量10aが接続され、内部データバス線5bには、付加容量10bが接続される。このデータバスセンスアンプ7は、内部データバス線5aおよび5bの電位を差動的に増幅し、センスアンプSAと同様の構成を備える。次にこの図1および図2に示す強誘電体メモリのデータ読出動作を、図3に示す波形図を参照して説明する。
時刻t0において、外部からのロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルの活性状態となり、メモリサイクルが始まる。このロウアドレスストローブ信号/RASの活性化に従ってロウデコーダ2が活性化され、アドレス信号を取込みメモリセルアレイ1においてアドレス指定された行に対応するワード線を接続状態へ駆動し、選択ワード線WLの電位が上昇する。この電位上昇に従って、アクセストランジスタTG1およびTG2が導通し、強誘電体キャパシタF1およびF2の分極状態に従ってビット線BLおよび/BLに電荷が放出される。ビット線BLおよび/BLの寄生容量は小さく、接地電圧にプリチャージされたビット線BLおよび/BLは、少しの電位上昇でその電位変化が停止する。この状態においては、電荷放出量は僅かであり、強誘電体キャパシタF1およびF2は、その分極状態の変化は生じていない。
次いで、時刻t2においてコラムアドレスストローブ信号/CASをLレベルの活性状態とする。このコラムアドレスストローブ信号/CASの活性化に応答して、コラムデコーダ4が制御回路12の制御の下に活性化され、与えられたアドレス信号をデコードして、アドレス指定された列を選択する列選択信号を活性状態とする。これにより、列選択ゲートSGaおよびSGbが導通し、ビット線BLおよび/BLが内部データバス線5aおよび5bに接続される。この内部データバス線5aおよび5bには、付加容量10aおよび10bが接続されており、ビット線BLおよび/BLの寄生容量が大きくなり、強誘電体キャパシタF1およびF2からの放出電荷がこの付加容量10aおよび10bにより吸収される。したがってビット線BLおよび/BL(データバス線5aおよび5b)の電位がさらに拡大される。ここで、データバス線5a,5bも接地電位レベルにプリチャージされている。この状態において、選択列に接続されるメモリセルにおいて、強誘電体キャパシタF1およびF2の一方は、その分極状態が変化している。
次いで、データバスセンスアンプ活性化信号PSを活性状態として、データバスセンスアンプ7を駆動し、このデータバス線5aおよび5bの電位を差動的に増幅する。このデータバス線5aおよび5bの電位差は、同様ビット線BLおよび/BLにも伝達されており、したがってビット線BLおよび/BLは強誘電体キャパシタF1およびF2の分極状態に従ってHレベルまたはLレベルとなる。次いで、出力回路8を介してこのデータバス線5aおよび5bの信号電位が読出される。
メモリセルMCにおいては、強誘電体キャパシタF1およびF2の一方は、その分極状態がデータバスセンスアンプ7により完全に反転している。このセンス動作時においてプレート線の電位PLをHレベルにすることにより、ローレベルデータを格納している強誘電体キャパシタの再書込が行なわれ、次いでプレート線PLのデータを時刻t4において立下げることにより、Hレベルデータを格納するキャパシタの再書込が行なわれる。次いで、ロウアドレスストローブ信号/RASおよびコラムアドレスストローブ信号/CASを非選択状態のHレベルとして1つのメモリサイクルが完了する。これにより、ワード線WL、列選択信号CSが非選択状態へ駆動され、またデータバスセンスアンプ活性化信号PSもLレベルの非活性状態となる。これにより、ビット線BL,/BLおよびデータバス線5aおよび5bがそれぞれLレベルに駆動される。
ここで、明確に示さないが、ビット線BLおよび/BLおよびデータバス線5aおよび5bには、それぞれ接地電位レベルへのプリチャージ/イコライズ回路が設けられている。非選択ビット線に接続されるメモリセルにおいては、その記憶データが対応のビット線BLおよび/BLに読出されている。しかしながらビット線BL、/BLの浮遊容量は十分小さく、これらの非選択ビット線に接続されるメモリセルの強誘電体キャパシタは、分極状態は反転していない。すなわち、これらの非選択ビット線に接続されるメモリセルのデータは非破壊的に読出されている。したがって、メモリサイクルが終了し、メモリがプリチャージ状態に復帰すると、これらの非選択メモリセルは、その記憶情報または分極状態に応じた初期状態に復帰する(強誘電体記憶情報は自発分極量により決定されている)。
この読出動作においては、各ビット線対BLおよび/BLに設けられたセンスアンプSAを動作させる必要はなく、通常動作時における消費電流を低減することができる。
また、メモリセルデータのビット線上への読出時において分極状態を反転させる必要がなく、したがって、このプレート線PLとビット線BL,/BLの間の電位差を小さくすることができ、ビット線BLおよび/BLのプリチャージ電圧に対する許容範囲が増加し、たとえばVcc/2のように、電源電圧の1/2の電圧をビット線プリチャージ電圧として利用することができる。このようなビット線BLおよび/BLのプリチャージ電圧を中間電圧に設定することにより、データバスセンスアンプ7のセンス時のビット線およびデータバス線の電位振幅をVcc/2とすることができ、低消費電流で高速の読出が可能となる。
[変更例1]
図4は、この発明の実施の形態1の変更例の要部の構成を概略的に示す図である。図4においては、メモリセルアレイとデータ読出部の構成を示す。
図4において、メモリセルMCが一例として、256行256列に配列される。メモリセルMCは、一方電極ノード(プレート電極)に一定のプレート電圧VCPを受け、他方がストレージノードSNCに接続される強誘電体キャパシタCcと、対応のワード線WL(WL0〜WL255)の信号電位に応答して導通し、強誘電体キャパシタ(以下、メモリセルキャパシタと称す)Ccを対応のビット線BL(BL0〜BL255)または/BL(/BL0〜/BL255)に接続するアクセストランジスタMTを含む。すなわち、この図4に示すメモリセルは、1トランジスタ/1キャパシタ型のメモリセルである。
このメモリセルの各行に対応してワード線WL0〜WL255が配置され、メモリセルの各列に対応してビット線BLおよび/BLが配置される。ビット線BLおよび/BLが対をなして配設される。このビット線構成は、「折返しビット線」構成として通常のDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)において知られている。すなわち、1対のビット線BLおよび/BLと1本のワード線の交差部に対応してメモリセルMCが配置される。
さらに、後に詳細に説明するメモリセルデータリコール時に、ビット線BLまたは/BLに対し読出データに対する基準電位を与えるためのリファレンスセルRFCaおよびRFCbが設けられる。リファレンスセルRFCaは、強誘電体キャパシタ(以下、リファレンスセルキャパシタと称す)Crと、リファレンスワード線選択信号RWL1の活性化時導通し、リファレンスセルキャパシタCrをビット線BLに接続するnチャネルMOSトランジスタN7と、このリファレンスワード線選択信号/RWL1がHレベルのときに導通し、リファレンスセルキャパシタCrの電極を短絡するnチャネルMOSトランジスタN8を含む。
リファレンスセルRFCbは、リファレンスセルキャパシタCrと、リファレンスワード線選択信号RWL0に応答してこのリファレンスセルキャパシタCrをビット線/BL0に接続するnチャネルMOSトランジスタN9と、リファレンスワード線選択信号/RWL0がHレベルのときに導通し、このリファレンスセルキャパシタCrを電気的に短絡するnチャネルMOSトランジスタN10を含む。リファレンスセルCrの容量値はメモリセルキャパシタCcのそれの2倍とされる。
さらに、各ビット線に対し、センスアンプが設けられる。このセンスアンプは、活性化時、このビット線BLおよび/BL(/BL0〜/BL255)の高電位のビット線電位を電源電圧VccレベルにプルアップするためのPセンスアンプPAと、ビット線BL(BL0〜BL255)および/BL(/BL0〜/BL255)の低電位のビット線電位を接地電位レベルへ放電するNセンスアンプNAを含む。
PセンスアンプPAは、ビット線BL0に接続される一方導通ノードと、ビット線/BL0に接続されるゲートを有するpチャネルMOSトランジスタPT1と、ビット線/BL0に接続される一方導通ノードとビット線BL0に接続されるゲート電極とを有するpチャネルMOSトランジスタPT2と、センスアンプ活性化信号/SOPの活性化に応答して導通し、MOSトランジスタPT1およびPT2の他方導通ノードへ電源電圧Vccを伝達するpチャネルMOSトランジスタPT3を含む。NセンスアンプNAは、ビット線BL0に接続される一方導通ノードとビット線/BL0に接続されるゲートとを有するnチャネルMOSトランジスタNT1と、ビット線/BL0に接続される一方導通ノードとビット線BL0に接続されるゲートとを有するnチャネルMOSトランジスタNT2と、センスアンプ活性化信号SONの活性化に応答して導通し、MOSトランジスタNT1およびNT2の他方導通ノードへ接地電圧Vssを伝達するnチャネルMOSトランジスタNT3を含む。他のビット線対BL,/BLのセンスアンプも同じ構成を備える。
各ビット線対BLおよび/BLに対し、さらに、スタンバイサイクル時、ビット線BLおよび/BLを所定の中間電位VBLにプリチャージするビット線イコライズ/プリチャージ回路BQが設けられる。このビット線イコライズ/プリチャージ回路BQは、ビット線イコライズ指示信号BLEQの活性化に応答して導通し、ビット線BLおよび/BLを電気的に短絡するnチャネルMOSトランジスタN4と、このビット線イコライズ指示信号BLEQの活性化に応答して導通し、ビット線BLおよび/BLへ中間電圧VBLをそれぞれ伝達するnチャネルMOSトランジスタN5およびN6を含む。
ビット線対BL0,/BL0〜BL255,/BL255に対して、同じ構成要素が設けられる。図4においては、したがって、ビット線BL0および/BL0に対して設けられた構成のみを具体的に示し、他のビット線においては、これらの構成をブロックでのみ示す。
ビット線BL0,/BL0〜BL255,/BL255それぞれに対し、列選択信号CS0〜CS255の活性化導通し、対応のビット線BL,/BLを内部データバス線5aおよび5bへ電気的に接続する列選択回路CG0〜CG255が設けられる。列選択回路CG0〜CG255の各々は、ビット線BLおよび/BLにそれぞれに対して設けられ、対応の列選択信号CSの活性化時導通するパスゲートトランジスタを含む。
内部データ線5aおよび5bそれぞれに対し、付加容量10aおよび10bが接続される。この内部データバス線5aおよび5bはデータバスセンスアンプに接続される。この図4に示す構成においては、ビット線BL0,/BL0〜BL255,/BL255には、配線容量を大きくするための付加容量は設けられていない。単に内部データバス線5aおよび5bに強誘電体キャパシタで構成される付加容量10aおよび10bが接地との間に接続されているだけである。したがって、通常動作時において、これらのビット線BL,/BLにおけるメモリセルから伝達される信号電荷による電位変化は小さい。
次に、この図4に示す強誘電体メモリの動作を図5および図6を参照して説明する。リファレンスセルRFCaおよびRFCbのキャパシタCrは、プレート電圧VCPを受けるプレートノードからストレージノードSNRに向かって分極するようにその分極状態が設定されている。また、図5において、メモリセルキャパシタが、ストレージノードSNcからプレートノードの方向に分極状態が設定されている場合の動作について説明する。
時刻t0において電源投入が行なわれ、電源電圧Vccの電圧レベルが上昇する。この電源投入に従って、制御信号は初期状態に設定される。この状態において、ビット線プリチャージ電圧VBLは接地電圧レベルに保持される。この動作は、電源投入後プリチャージ電圧VBLを発生する動作を停止させることにより実現される。この電源電圧Vccの上昇に従って、プレート電圧VCPは中間電圧レベルに上昇する。この図4に示すメモリの構成においては、メモリセルMCならびにリファレンスセルRFCaおよびRFCbのプレートノードへは、常時一定の中間電圧VCPが供給される。このプレート電圧VCPの上昇に従って、リファレンスセルRFCaおよびRFCbにおいては、MOSトランジスタN8およびN10が導通しており、ストレージノードSNRの電位がこのプレート電圧VCPレベルに上昇する。一方、メモリセルMCにおいては、メモリセルキャパシタCcの容量結合により、ストレージノードSNCの電位も中間電圧VCPレベルに上昇する。
時刻t1においてビット線イコライズ指示信号BLEQを非活性状態のLレベルに立下げ、ビット線イコライズ回路BQを非活性状態とする。これにより、ビット線BLおよび/BLは電気的にフローティング状態とされる。次いで、図示しないアドレスカウンタからのアドレスに従って、ロウアドレス信号を生成し、時刻t2においてワード線WL0を選択状態へ駆動し、またリファレンスワード線RWL0を選択状態へ駆動する。リファレンスセルRFCbにおいては、MOSトランジスタN10が非導通状態となり、リファレンスセルキャパシタCrは、キャパシタとして作用する。このとき、またリファレンスワード線RWL0の電位も立上がっており、このリファレンスセルキャパシタCrは、接地電圧レベルのビット線に接続され、等価的に正のパルスがプレートノードに印加されたのと同じとなり、ビット線/BLに電荷を放出する(図49の状態A0から状態A)。またメモリセルMCも同様、ワード線WL0の電位上昇に従ってトランジスタMTが導通し、メモリセルキャパシタCcが同様にビット線BL(たとえばBL0)に電荷を放出する。リファレンスセルキャパシタCrの分極方向は、プレート電圧ノードからストレージノードSNRに向かう方向である。したがってその初期分極状態は、図49に示す状態A0であり、接地電圧レベルのビット線/BLと中間電圧VCPレベルのプレート電圧の差に従って、電荷を放出する。ワード線WL0に接続されるメモリセルMCのメモリセルキャパシタCcの分極状態がこのリファレンスセルキャパシタの分極方向と逆の場合、このメモリセルキャパシタCcの初期分極状態が図49に示す状態B0に対応している。このメモリセルキャパシタCcを接地電位レベルのビット線BLに接続することにより、このメモリセルキャパシタCcの電極間に電圧が生じ、状態B0から状態遷移を生じて、比較的大量の電荷を供給する。この供給される電荷は分極による電荷であり、自発分極状態からの分極状態の変化により供給される電荷である。したがって、キャパシタCcの放出電荷量はリファレンスセルCrのそれより大きくなり、メモリセルの接続するビット線BLの電位が高くなる。このとき、ビット線BLおよび/BLの浮遊容量は比較的小さく、この信号振幅(読出電圧振幅)は小さいが、リファレンスセルRFCbと選択メモリセルMCにより、ビット線BLおよび/BLにおいて電位差が生じている。
次いで、時刻t3において、センスアンプ活性化信号SONおよび/SOPの活性状態へ駆動し、センスアンプNAおよびPAを活性状態とし、このビット線BLおよび/BLの信号電位を差動的に増幅する。これにより、ビット線BLの電位が電源電圧Vccレベル、ビット線/BLの電位が接地電圧レベルに駆動される。選択メモリセルは、ビット線の浮遊容量が小さく、この放出電荷量は小さく、分極反転は生じていない。このPセンスアンプPAの動作により、ビット線BLの電位が電源電圧Vccレベルに駆動されることにより、モードのデータに示す曲線S5上の状態に移行書込時と同じ電位にビット線BLが設定され、データの復元(リコール)が行なわれる。
時刻t4において、ワード線WL0を非選択状態へ駆動し、メモリセルのデータの復元動作を完了する。また同時に、センスアンプ活性化信号SONおよび/SOPの非活性状態へ駆動する。
次いで、時刻t5においてビット線イコライズ指示信号BLEQを活性状態へ駆動し、ビット線イコライズ/プリチャージ回路BQを活性化し、ビット線BLおよび/BLを中間電圧レベルに駆動する。また、リファレンスワード線RWL0を非選択状態へ駆動し、リファレンスセルRFCbをビット線/BLから切離し、リファレンスセルキャパシタCrの電極を短絡し、その電極間電圧を0Vとし、元の分極状態を保持させる。ワード線WL0よりもリファレンスワード線RWL0を遅いタイミングで非活性状態へ駆動しているのは、後の説明から明らかとなるが、このリファレンスセルキャパシタの分極方向を常時プレートノードからストレージノードへ向かう方向に設定するためである。
時刻t6においてリファレンスワード線RWL0がLレベルの非活性状態へ移行すると、MOSトランジスタN8およびN10が導通し、リファレンスセルRFCbのストレージノードSNRの電位が中間電圧VCPレベルに復帰する。
次いで、通常のアクセスサイクルを行なうため、時刻t7においてビット線イコライズ指示信号BLEQを非活性状態へ駆動し、ビット線イコライズ/プリチャージ回路BQを非活性化する。時刻t7におけるこのビット線イコライズ指示信号BLEQの非活性化の前に、ビット線イコライズ電圧VBLは接地電圧から中間電圧レベルに上昇させられている。また、この時刻t7においては、ビット線BLおよび/BLはビット線イコライズ/プリチャージ回路により中間電圧レベルにプリチャージされている。この状態で、ビット線イコライズ/プリチャージ回路が非活性状態となり、ビット線BLおよび/BLは中間電圧レベルでフローティング状態となる。
時刻t8において、外部からのアドレス信号に従ってワード線WL0が選択状態へ駆動される。この状態においては、リファレンスワード線RWL0は選択状態へ駆動せず、非活性状態を維持する。このワード線WL0の選択状態への駆動に従って、メモリセルキャパシタCrの分極電荷がビット線BL上に放出される。メモリセルキャパシタCrは、その分極状態がストレージノードSNCからプレートノードへ向かっている。この状態は、図49に示す状態Bに対応し、このワード線選択に従ってビット線BLへは、分極電荷が放出され、ビット線BLの電位は中間電圧からさらに上昇する。このとき、ビット線BLの浮遊容量は小さく、メモリセルキャパシタの状態遷移はわずかであり、小さな読出電圧が生じる。
次いで、時刻taにおいて、コラムアドレス信号に従って列選択動作を行ない、列選択信号CS(たとえばCS0)を選択状態へ駆動する。これにより、ビット線BL0および/BL0が列選択回路CG0を介して内部データバス線5aおよび5bに接続され、付加容量10aおよび10bに接続される。これにより、ビット線BLおよび/BLの浮遊容量が大きくなり、このメモリセルキャパシタCcからさらに電荷が放出され、ビット線BLの電位がさらに上昇する。ビット線/BLにはメモリセルは接続されていないため、中間電圧VBLレベルを保持する。
次いで、時刻t9においてデータバスセンスアンプ活性化信号PSを活性状態へ駆動し、このデータバス上の電位を差動的に増幅する。これにより、ビット線BLおよび/BLの電位がさらに拡大し、ビット線BLの電位が電源電圧レベルのHレベルとなり、ビット線/BLの電位が接地電圧レベルのLレベルとなる。次いで、出力回路を介してデータの読出が行なわれる。選択メモリセルのキャパシタCcは分極反転を生じていない。しかしながら、このデータバスセンスアンプ7により、差動増幅動作を行なうことにより、ビット線BLおよび/BLの電位も読出データに応じて変化し、選択メモリセルのキャパシタへのデータの再書込が行なわれる。
残りの非選択ビット線においては、メモリセルキャパシタからの微量の電荷放出が行なわれるだけであり、その電位が、中間電圧から少し上昇または下降している。しかしながら、ビット線の浮遊容量が小さく、状態遷移は極くわずかである。したがって再びワード線が非選択状態へ時刻t10において駆動され、対応のビット線からメモリセルキャパシタが切離されたとき、各非選択メモリセルのキャパシタは、ほぼ元の分極状態を保持する。データバスセンスアンプ活性化信号PSを非活性状態とした後、時刻t11において、ビット線イコライズ指示信号BLEQを活性状態とし、ビット線BLおよび/BLを中間電圧レベルのプリチャージ電圧VBLのレベルにプリチャージする。時刻t12以降は、次のアクセスサイクルを備えるスタンバイサイクルとなる。
次に図6を参照して、メモリセルの分極状態が、リファレンスセルと同じ場合の動作について説明する。
時刻t0において電源投入が行なわれ、電源電圧Vccの電圧レベルが上昇する。各信号は、非活性状態の初期状態に設定されるが、ビット線イコライズを行なうための電圧VBLは接地電圧レベルに保持される。リファレンスセルにおいては、リファレンスワード線RWL0およびRWL1がLレベルであり、応じて、リファレンスキャパシタCrの電極が短絡されており、リファレンスセルキャパシタのストレージノードSNRの電位が中間電圧VCPレベルに設定される。メモリセルキャパシタCcのストレージノードSNCは、その容量結合により、電位レベルが中間電圧VCPレベルに上昇する。
時刻t1において、ビット線イコライズ指示信号BLEQをLレベルの非活性状態とし、ビット線BLおよび/BLを接地電圧レベルのフローティング状態に設定する。次いで、時刻t2において図示しないアドレスカウンタからのアドレス信号に従って、ワード線WL0およびリファレンスワード線RWL0が選択状態へ駆動される。これにより、リファレンスメモリセルRFCbにおいては、リファレンスセルキャパシタCrの電気的短絡が停止され、そのストレージノードSNRがビット線/BL(たとえば/BL0)に接続される。一方メモリセルにおいては、メモリセルキャパシタCcがビット線BL(たとえばBL0)に接続される。リファレンスセルキャパシタCrの容量は、メモリセルキャパシタCcのたとえば2倍と大きくされている。したがって、このメモリセルキャパシタCcおよびリファレンスセルキャパシタCrの分極状態が図49に示す状態A0であり、同じ分極状態である場合においても、リファレンスセルRFbからの放出電荷量は大きくなり、ビット線BLの電位は、ビット線/BLの電位よりも低い状態となる。この状態においても、分極反転は存在していない。
次いで時刻t3においてセンスアンプ活性化信号SONおよび/SOPを活性状態とし、ビット線BLおよび/BLの電位を差動増幅する。この状態においてはビット線BLの電位が接地電圧レベルに駆動され、ビット線/BLの電位が電源電圧Vccレベルに駆動される。このセンスアンプPAおよびNAのセンス動作により、リファレンスセルキャパシタCrは、プレート電位VCPよりもビット線/BLの電位が高くなり、この分極状態は、元の分極状態と完全に反転した状態となる。メモリセルキャパシタCcは、このビット線BLの電位がプレート電位VCPよりも低いため、元の記憶した状態と同じである。したがってメモリセルMCに対するデータの復元は完了する。
時刻t4においてワード線WL0を非選択状態へ駆動し、メモリセルMCビット線BLから切離し、次いでセンスアンプ活性化信号SONおよび/SOPを非活性状態へ駆動する。この状態においてリファレンスワード線RWL0は選択状態を保持している。この状態で、ビット線イコライズ指示信号BLEQを時刻t5においてHレベルに立上げ、ビット線BLおよび/BLを接地電圧レベルにプリチャージする。これにより、リファレンスセルキャパシタCrは、そのビット線電位が、プレート電位よりも低い状態となり、その分極状態が元の分極状態に復帰する。この復元動作の後、リファレンスワード線RWL0を非選択状態へ駆動する。これにより、時刻t6において、リファレンスセルRFCbにおいて、MOSトランジスタN10が導通し、リファレンスセルキャパシタCrの電極電圧は0Vとなり、元の分極状態を保持する。
時刻t7以前において、ビット線プリチャージ電圧VBLを中間電圧レベルに設定される。次いでこのビット線プリチャージ電圧VBLが安定化すると、ビット線イコライズ指示信号BLEQを非活性状態として、メモリセルデータの読出を行なう。ビット線イコライズ指示信号BLEQの非活性化に従って、ビット線BLおよび/BLは中間電圧レベルのプリチャージ電圧VBLでフローティング状態となる。次いで、時刻t8において、ワード線WL0を外部から与えられるアドレス信号に従って選択状態へ駆動する。このワード線WL0の選択状態への駆動により、メモリセルキャパシタCcがビット線BLに接続される。この状態は、プレートノードに負のパルス電圧を印加した状態と等価となり、メモリセルキャパシタCcの分極電荷(負電荷)がビット線BLに放出され、ビット線BLの電位が低下すると、このビット線BLの電位低下に従って、ストレージノードSNCの電位は負電荷放出により上昇する。このとき、メモリセルはビット線BLに接続されているだけで、その配線浮遊容量は小さく、メモリセルキャパシタCcは、分極反転は生じていない。
次いで、時刻taにおいて、列選択信号CSを、与えられたコラムアドレス信号に従って選択状態へ駆動し、ビット線BLおよび/BLを、内部データバス線5aおよび5bに接続する。これにより、ビット線BLおよび/BLに大きな容量値を有する付加容量10aおよび10bが接続され、選択列に接続されるメモリセルキャパシタCcからさらに電荷放出が行なわれ(負電荷の放出)、ビット線BL電位がさらに低下し、このビット線電位の低下に従ってストレージノードSNCの電位が上昇する。
次いで、時刻t9においてデータバスセンスアンプ活性化信号PSを活性状態とし、データバスセンスアンプ7を活性化し、データバス線5aおよび5bに伝達されたビット線電位を差動増幅する。これにより、ビット線BLおよび/BLはそれぞれLレベルおよびHレベルに駆動される。その後データの読出が行なわれる。このビット線BLおよび/BLのデータバスセンスアンプによる駆動により、メモリセルデータ読出時において放出された電荷の復元が行なわれる。
非選択メモリセルにおいては、単に状態遷移は生じているが、分極反転は生じておらず、内部の残留電荷として保持されるが、その量は極めて小さく、ほとんど問題はないが、定期的なリフレッシュによる再書込により問題は生じない。
この図5および図6に示すシーケンスのように、通常動作時においては、各ビット線に対して設けられたセンスアンプNAおよびPAは動作させない。単に、電源投入直後の各メモリセルデータの復元のためのリコール動作モード時においてのみセンスアンプは駆動される。このリコール動作モード時においては、メモリセルの分極方向を検出して、各メモリセルのストレージノード電位をこの記憶した分極方向に応じた電位レベルに設定するために行なわれる。これは内蔵のアドレスカウンタに従ってワード線を順次選択状態へ駆動して、ビット線上の信号電位をセンスアンプで検知増幅してデータをメモリセルに再書込することにより行なわれる。
この図4のメモリにおいては、メモリセルキャパシタはバイアス電圧が記憶情報に応じて極性が反転する。データ読出時ビット線電位が中間電圧でありプレート電位と同じ電位であり、自発分極状態方向に状態が変化する。この自発分極状態を越えての状態変化はなく、非破壊読出となり、センスアンプ動作により元のバイアス状態に復帰する。
データ書込動作時においては、単にビット線BLおよび/BLに書込データに応じた電位が伝達されるだけである。
[変更例2]
図7は、この発明の実施の形態1の変更例2の構成を概略的に示す図である。図7において、行列状に配置されるメモリセルMCは、列方向に沿って複数のブロック♯0−♯mに分割される。各ブロックのメモリセル列に対して、ローカルビット線が配置される。すなわち、第0列においては、ローカルビット線LB00,/LB00〜LB0m,/LB0mが配置され、これらのローカルビット線LB00,/LB00〜LB0m,/LB0mに対して、対応の列のメモリセルMCが接続される。第n列においても、ローカルビット線LBn0,/LBn0〜LBnm,/LBnmが配置される。これらのローカルビット線LBn0,/LBn0〜LBnm,/LBnmに対し、対応の列のメモリセルMCが接続される。
メモリセルMCは、1トランジスタ/1キャパシタ型の構成であってもよく、また2トランジスタ/2キャパシタ型の構造を備えていてもよい。図7においては、一例として、2トランジスタ/2キャパシタ型のメモリセルの構成を示す。すなわち、メモリセルMCは、ワード線WLのローカルビット線対の交差部に対応して配置され、ワード線選択時、相補な信号電位が対応のローカルビット線対上に伝達される。
メモリセル列それぞれに対して、対応の列のローカルビット線に共通にグローバルビット線対GB0,/GB0〜GBn,/GBnが配置される。これらのグローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnには、メモリセルは接続されない。
グローバルビット線対とローカルビット線対との接続は、ブロック選択信号により制御される。具体的に、メモリブロック♯0のローカルビット線LB00,/LB00〜LBn0,/LBn0に対しては、ブロック選択信号φBS0に応答して導通し、ローカルビット線LB00,/LB00〜LBn0,/LBn0を対応のグローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnへ接続するブロック選択ゲートGB00〜GBn0が配置される。
メモリブロック♯1においては、ローカルビット線LB01,/LB01〜LBn1,/LBn1に対し、ブロック選択信号φBS1の活性化時導通し、ローカルビット線LB01,/LB01〜LBn1,/LBn1を対応のグローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnへ接続するブロック選択ゲートGB01〜GBn1が配置される。
メモリブロック♯mにおいても、ローカルビット線LB0m,/LB0m〜LBnm,/LBnmとグローバルビット線対GB0,/GB0〜GBn,/GBnの間に、ブロック選択信号φBSmの活性化時導通するブロック選択ゲートGB0m〜GBnmが配置される。グローバルビット線対GB0,/GB0〜GBn,/GBnそれぞれに対し、活性化時対応のグローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnの信号電位を差動的に増幅するセンスアンプSA0〜SAnが配置される。このセンスアンプSA0〜SAnは、図4に示す構成と同様、交差結合されたnチャネルMOSトランジスタおよび交差結合されたpチャネルMOSトランジスタを含む。
このグローバルビット線対GB0,/GB0〜GBn,/GBnに対し、列選択信号CS0〜CSnに応答して導通し、対応のグローバルビット線対GB0,/GB0〜GBn,/GBnを内部データバス線DB,/DBへ接続する列選択ゲートCG0〜CGnが配置される。
グローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnそれぞれに対し、さらに、強誘電体をキャパシタ絶縁膜として有する強誘電体キャパシタ20a0,20b0〜20an,20bnが配置される。これらの強誘電体キャパシタ20a0,20b0〜20an,20bnは、比較的大きな容量値を有しており、ローカルビット線、およびグローバルビット線とこの強誘電体キャパシタの合成容量の容量値が、メモリセルキャパシタの容量値のほぼ3倍となるように設定される。
データバスDB,/DBに対しては、そのデータバス線DB,/DB上の信号電位を増幅して出力回路へ伝達するプリアンプPAが配置される。このプリアンプPAは、先の上で説明した実施の形態と異なり、単にデータバス線DB,/DB上の信号電位を受けて増幅して出力回路へ伝達するだけである。
次に動作について簡単に説明する。メモリセル選択動作時においては、与えられた行アドレスに従って、選択行を含むメモリブロックが選択され、ブロック選択信号が選択状態へ駆動される。今、メモリブロック♯0が選択されたと想定すると、ブロック選択信号φBS0がHレベルとなり、残りのブロック選択信号φBS1〜φBSmは、Lレベルとなる。これにより、ブロック選択ゲートBG00〜BGn0のみが導通状態となり、残りのブロック選択ゲートBG01〜BGn1およびBG0m〜BGnmは非導通状態となる。これにより、ローカルビット線LB00,/LB00〜LBn0,/LBn0が対応のグローバルビット線GB0,/GB0〜/GB0,/GB0に接続される。次いで、ワード線WLが選択状態へ駆動され、この選択ワード線WLに接続されるメモリセルMCのデータがローカルビット線LB00,/LB00〜LBn0,/LBn0が対応のグローバルビット線BG0,/BG0〜BGn,/BGnに伝達される。残りのメモリブロック♯1〜♯mにおいては、ワード線は非選択状態にあり、これらのメモリブロック♯1〜♯mのビット線はプリチャージ状態を維持する。このグローバルビット線BG0,/BG0〜BGn,/BGnには、付加容量20a0,20b0〜20an,20bnが接続されている。したがって、ローカルビット線およびグローバルビット線からなる階層ビット線の浮遊容量は大きくなり、メモリセルから十分な量の電荷が放出され、グローバルビット線BG0,/BG0〜BGn,/BGnそれぞれにおいて、十分な大きさの信号電位が生じる。この状態においては、選択ワード線に接続されるメモリセルMCにおいては、その記憶データに応じて分極反転が生じている(プレート線をパルス方式で駆動するメモリの場合)。
次いでセンスアンプSA0〜SAnを活性化し、このグローバルビット線BG0,/BG0〜BGn,/BGn上の信号電位を差動増幅する。センスアンプSA0〜SAnの活性化により、メモリセルデータの再書込が行なわれる(このとき、メモリセルMCの構成に応じて、プレート線PLの電位がワンショットパルスの形態で与えられてもよく、また先の変更例1のように、常時固定電位に設定されていてもよい)。
次いで、このセンスアンプSA0〜SAnのセンス動作完了後、図示しないコラムデコーダからの列選択信号により、コラムアドレス信号によりアドレス指定された列を選択するために列選択信号CS0〜CSnのうちの1つが活性状態へ駆動される。次に、センスアンプSA0〜SAnにより増幅されたデータのうちアドレス指定された列に対応するグローバルビット線のデータが内部データバス線DB,/DBに伝達される。次いでプリアンプPAにより増幅されて、このプリアンプPAのデータが出力回路へ伝達される。
この図7に示すようなローカルビット線とグローバルビット線の階層ビット線構成の場合、グローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnに付加容量20a0,20b0〜20an,20bnに接続することにより、この付加容量をローカルビット線それぞれに接続する構成に比べて、付加容量の数が低減され、応じてこの付加容量の占有面積を低減することができ、応じてアレイ面積を低減することができる。
[変更例3]
図8は、この発明の実施の形態1の変更例3の構成を概略的に示す図である。この図8に示す構成は、先の図7に示す変更例2と同様、ビット線は、メモリセルMCが接続するローカルビット線LBij,/LBijと、各列のローカルビット線に共通に配置され、対応の列のローカルビット線に選択的に接続されるグローバルビット線GBi,/GBiの階層ビット線構成を備える。しかしながら、この図8に示す構成においては、グローバルビット線GB0,/GB0〜GBn,/GBnへは、強誘電体キャパシタで構成される付加容量は設けられていない。内部データバス線DB,/DBに対して、強誘電体キャパシタで構成される付加容量20a,20bがそれぞれ設けられる。この内部データバス線DB,/DBに対し、交差結合型のMOSトランジスタで構成されるデータバスセンスアンプ7が設けられる。残りの構成は、図7に示す変更例2の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その説明は省略する。
この図8に示す構成においては、選択行/選択列に対して配置されるメモリセルはローカルビット線およびグローバルビット線を介して内部データバス線に接続される。選択行/非選択列に対して配置されたローカルビット線は、対応のグローバルビット線に対してのみ接続される。したがって、選択行/選択列に対応して配置されたメモリセルMC、ローカルビット線、グローバルビット線、内部データバス線および付加容量により、十分な電荷を放出し、大きな信号電位の変化を生じさせる。残りの選択行/非選択列のローカルビット線は、単にグローバルビット線に接続されるだけである。このローカルビット線およびグローバルビット線において、1つのビット線に1列のメモリセルがすべて接続される構成に比べて、このローカルビット線およびグローバルビット線の浮遊容量は小さい(接続されるメモリセルの数は少なくなるため)。したがって、この選択行/非選択列に対応して配置されたメモリセルが放出する電荷量は小さく、小さな信号電位変化しか生じさせず、確実に非破壊的なデータの読出が行なわれる。選択行/選択列に対応して配置されたメモリセルは、大きな信号電位変化を生じさせるため、破壊的なデータの読出が行なわれている(プレート線をパルス駆動する場合)。この破壊的なデータ読出に対して、データバスセンスアンプ7を活性化し、データバスDB,/DB、グローバルビット線GBa,/GBaおよびローカルビット線LBij,/LBijを駆動することにより、破壊的に読出されたメモリセルデータの再書込を行なう。
センスアンプSA0〜SAnは、この通常データ読出時においては、非活性状態を維持する。図4に示すメモリにおいては先に説明したリコール動作またはリフレッシュ動作においてのみセンスアンプが活性化される。
この図8に示す構成の場合、単に内部データバス線DB,/DBに付加容量20aおよび20bが設けられるだけである。したがって、この変更例2に比べて、さらに付加容量を数を低減することができ、応じて付加容量に必要とされる面積を低減することができ、応じてアレイ占有面積を低減することができる。
[変更例4]
図9は、この発明の実施の形態1の変更例4の構成を概略的に示す図である。図9に示す構成においては、メモリアレイは、複数の行ブロック♯R0〜♯Rmと複数の列ブロック♯C0〜♯Cnに分割される。行ブロック♯R0〜♯Rmの各々は、ワード線WLを共有する。一方、列ブロック♯C0〜♯Cnは、列選択信号伝達線CSLを共有する。これらの行ブロック♯R0〜♯Rmおよび列ブロック♯C0〜♯Cnに応じて、メモリアレイが、サブアレイ(メモリマット)MB00,…,MB0n〜MBm0,…,MBmnに分割される。メモリサブアレイMB00〜MBmnの各々は、行列状に配列されるメモリセルを含む。
メモリサブアレイMB00,…MB0n〜MBm0,…,MBmnに対し、対応のメモリサブアレイとのみデータの授受を行なうローカルデータ線LD00,…,LD0n〜LD0m,…,LDmnが配置される。
列ブロック♯C0〜♯Cnに対し、グローバルデータ線GD0〜GDnが配置される。これらのグローバルデータ線GD0〜GDnは、対応の列ブロックに含まれるメモリサブアレイとのみデータの授受を行なう。
ローカルデータ線LDij(i=0〜m,j=0〜n)とグローバルデータ線GDjの間に、行ブロック選択信号φRBiの活性化に応答して導通し、ローカルデータバスLDijを対応のグローバルデータバスGDjに接続する行ブロック選択ゲートRGijが配置される。この行ブロック選択信号φRBiは、行ブロック♯Riに含まれるメモリサブアレイを同時に選択する。選択ワード線を含む行ブロックに対応して設けられたローカルデータバスのみが対応のグローバルデータバスに接続される。
このグローバルデータバスGD0〜GDnに対し、それぞれ交差結合型のMOSトランジスタを含むデータバスセンスアンプ7−0〜7−nが配置される。グローバルデータバスGD0〜GDnに対し、さらに、強誘電体をキャパシタ絶縁膜として有する付加容量20−0〜20−nが接続される。メモリサブアレイMB00〜MBmnに含まれるビット線およびローカルデータバスLD00〜LDmnに対しては、付加容量は接続されない。
これらのデータバスセンスアンプ7−0〜7−nの出力を選択するために、I/O選択回路30が設けられる。I/O選択回路30の出力信号は出力回路32へ与えられ、そこで外部読出データQに変換されて出力される。
この図9に示す構成においても、選択列のみがローカルデータバス、グローバルデータバスおよび付加容量に接続される。非選択列においては、メモリセルはビット線とのみ接続され、ローカルデータバスとは分離されている。したがって選択列に対してのみビット線容量が大きくなり、選択メモリセルは十分な量の電荷を放出することができ、このグローバルデータバス線の信号電位差を大きくすることができる。データバスセンスアンプ7−0〜7−nの各々は、大きな駆動力を有しており、このデータの読出された選択メモリセルにデータの再書込を行なう。非選択列のメモリセルは、非破壊的にデータの読出が行なわれているだけであり、メモリセルサイクル完了後、元の状態に復帰する。
図10は、図9に示す強誘電体メモリの1つの列ブロックに関連する部分の構成を示す図である。図10においては、メモリサブアレイMB♯0〜MB♯nを示し、その列ブロックに含まれるメモリサブアレイMB♯iに含まれる1列の構成を概略的に示す。メモリブロックMB♯iにおいては、行方向にワード線WLおよびプレート線PLが配置され、列方向にビット線BLおよび/BLが対をなして配置される。このビット線BLおよび/BLとワード線WLの交差部にメモリセルMCが配置される。メモリセルMCは、一例として、2トランジスタ/2キャパシタ型の構造を備える。1トランジスタ/1キャパシタ型の構成であってもよい。
このビット線BLおよび/BLに対し、交差結合されたpチャネルMOSトランジスタおよび交差結合されたnチャネルMOSトランジスタを含むセンスアンプSAが配置される。このセンスアンプSAはセンスアンプ活性化信号φSNおよびφSPの活性化に応答して活性化され、ビット線BLおよび/BLの電位を差動的に増幅する。このメモリサブアレイMB♯0〜MB♯nにおいて、ビット線が対をなして配置され、相補データ信号を伝達するため、応じて対応のローカルデータバスLD0〜LDmも、それぞれ相補なローカルデータバス線LDB0,/LDB0〜LDBm,/LDBnを備える。このメモリサブアレイMB♯iにおいて代表的に示すが、ビット線BLおよび/BLと対応のローカルデータバス線LDBiおよび/LDBiの間に、列選択線CSL上に図示しないコラムデコーダから与えられる列選択信号に従って導通する列選択ゲートCGが配置される。この列選択線CSLは、1つの列ブロックに含まれるメモリサブアレイMB♯0〜MB♯mに共通に配置されるが、図面を簡単化するために、図10においてはメモリサブアレイMB♯iに対してのみ与えられるように示される。
これらのメモリサブアレイMB♯0〜MB♯mに共通に、グローバルデータバス線GDB,/GDBが配置される。ローカルデータバス線LDB0,/LDB0とグローバルデータバス線GDB,/GDBの間には、行ブロック選択信号φRB0の活性化時導通し、ローカルデータバス線LDB0,/LDB0をグローバルデータバス線GDB,/GDBに接続する行ブロック選択ゲートRRG0が配置される。メモリサブアレイMB♯iに対応して設けられたローカルデータバス線LDBiおよび/LDBiに対して、行ブロック選択信号φRBiの活性化に応答して導通し、ローカルデータバス線LDBiおよび/LDBiをグローバルデータバス線GDBおよび/GDBに接続する行ブロック選択ゲートRRGiが設けられる。同様、メモリサブアレイMB♯mに対応して設けられたローカルデータバス線LDBm,/LDBmに対して、行ブロック選択信号φRBmに応答して導通して、このローカルデータバス線LDBm,/LDBmをグローバルデータバス線GDB,/GDBに接続する行ブロック選択ゲートRRGmが設けられる。この行ブロック選択ゲートRRG0〜RRGmは、図9に示す行ブロック選択ゲートRG00〜RGmnまたはRG01〜RGm1,…、またはRG0n〜RGmnを示す。
このグローバルデータバスGDに含まれるグローバルデータバス線GDBおよび/GDBに対し、強誘電体キャパシタで構成される付加容量20−aおよび20−bが設けられる。このグローバルデータバスGDに対して設けられるデータバスセンスアンプ7は、活性化信号PSの活性化に応答してこのグローバルデータバス線GDBおよび/GDBの信号電位を差動増幅する。このデータバスセンスアンプ7は、メモリサブアレイに含まれるセンスアンプSAと同様、交差結合されたpチャネルMOSトランジスタおよび交差結合されたnチャネルMOSトランジスタを含む。したがって、このグローバルデータバス線GDBおよび/GDBも、データバスセンスアンプ7の活性化時、その信号電位は、差動的に増幅される。
この図10に示すように、列ブロックにおいて1つのメモリサブアレイが選択状態とされ、この選択されたメモリサブアレイに対応して設けられたローカルデータバス線がグローバルデータバス線GDBおよび/GDBに接続される。今、メモリサブアレイMB♯iが選択メモリセルを含む場合を想定する。この状態においては、ローカルデータバス線LDBiおよび/LDBiが行ブロック選択ゲートRRGiを介してグローバルデータバス線GDBおよび/GDBに接続される。残りのメモリサブアレイに対して設けられた行ブロック選択ゲートRRG0〜RRGi−1,RRGi+1〜RRGmは非導通状態を維持する。この選択メモリサブアレイMB♯iにおいてのみワード線WLが選択状態へ駆動される。また応じてプレート線PLの電位もワンショットパルスの形で変化する。この状態において、ローカルデータバス線LDB,/LDB(LDB0,/LDB0〜LDBm,/LDBmを総称的に示す)は、対応の電位にプリチャージされている(ビット線のプリチャージ電位と同じである)。
したがって、列選択線CSLが、メモリサブアレイMB♯0〜MB♯mに共通に設けられて、列選択動作が行なわれても、非選択メモリサブアレイのビット線およびローカルデータバス線の電位は変化しない。選択メモリサブアレイにおいてのみ、ビット線およびローカルデータバス線の変化が生じる。このとき、ビット線およびローカルデータバス線の浮遊容量は小さく、メモリセルMCは非破壊的にデータの読出が行なわれる。このビット線BLおよび/BLはローカルデータバス線LDBiおよび/LDBiに列選択ゲートCGを介して接続される。ローカルデータバス線LDBiおよび/LDBiは行ブロック選択ゲートRRGiを介してグローバルデータバス線GDBおよび/GDBに接続される。これらのグローバルデータバス線GDBおよび/GDBには比較的大きな容量を有する付加容量20−aおよび20−bが設けられている。したがって、この選択列に対応するビット線BLおよび/BLに接続されるメモリセルMCは、十分な電荷を放出し、このビット線BL,/BL、ローカルデータバス線LDBi,/LDBiおよびグローバルデータバス線GDBおよび/GDBの電位を変化させる。
破壊読出方式のメモリ(プレート電位がパルス状に変化する)においては、選択メモリセルMCは破壊的にその記憶情報が読出されている。データバスセンスアンプ7を活性化し、グローバルデータバス線GDBおよび/GDBを介してローカルデータバス線LDBi,/LDBiおよびビット線BL,/BLの電位を差動増幅する。これにより、グローバルデータバス線上に読出されたデータの読出が行なわれるとともに、破壊的にデータが読出されたメモリセルデータの再書込が行なわれる。残りのメモリサブアレイMB♯iにおける非選択列に接続されるメモリセルは、非破壊的にデータの読出が行なわれており、このデータバスセンスアンプ7による再書込が行なわれなくても、メモリサイクル完了後、プリチャージ状態への復帰時において、初期状態に復帰する。プレート線PLの電位をワンショットパルスの形で与える場合、非選択列のメモリセルのプレート線電位も同様に変化し、このパルス立下がりに応じて、残留電荷をなくす方向にその状態が容量結合により変化し、元の状態に復帰する。
なお、この実施の形態1の変更例4においては、メモリアレイは行方向および列方向にメモリサブアレイに分割されている。しかしながら、これは、行方向に沿ってのみメモリサブアレイに分割され、列ブロックの数は1つである構成の場合であってもよい。
[変更例5]
図11は、この発明の実施の形態1の変更例5の構成を概略的に示す図である。この図11に示す構成においては、内部データバス線5aおよび5bにそれぞれ接続される付加容量は、2つずつ設けられる。すなわち、内部データバス線5aに対しては、内部データバス線5aと接地電圧Vssを受ける接地ノードの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量20aaと、内部データバス線5aと電源電圧Vccを受ける電源ノードとの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量20abが設けられる。また、内部データバス線5bに対しては、内部データバス線5bと接地ノードとの間に設けられる強誘電体キャパシタで構成される付加容量20baと、内部データバス線5bと電源ノードとの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量20bbが設けられる。他の構成は、図2に示す構成と同じである。
この構成において、メモリセルMCは、2トランジスタ/2キャパシタの構成を備える。すなわち、強誘電体キャパシタで構成されるメモリキャパシタF1およびF2と、ワード線WL上の信号電位に応答してこのメモリキャパシタF1およびF2はビット線BLおよび/BLに接続するアクセストランジスタTG1およびTG2を含む。メモリキャパシタF1およびF2は、他方電極がプレート線PLに接続される。
図12は、強誘電体キャパシタのバイアス電圧と容量値との関係を示す図である。図12において横軸にプレート電圧を示し、縦軸に容量値を示す。強誘電体キャパシタは、そのプレート電極が、ポリシリコンまたはアルミニウムなどの低抵抗導体であり、強誘電体材料を介して、ストレージノードに接続される。このストレージノードは、半導体(シリコン)領域である。プレート線PLの電圧がストレージノードの電圧よりも高い場合には、その強誘電体と半導体との間の空乏層が小さくなり、その容量値が大きくなる。一方、プレートノードの電圧がストレージノードの電圧よりも低い場合には、この強誘電体と半導体の間の空乏層の幅が広くなり、その容量値が小さくなる。この強誘電体キャパシタの容量値においては、電圧に従ってその分極と同様、ヒステリシス特性が生じる。このヒステリシス特性は、用いられる材料に応じて幅に広狭があるが、メモリセルデータ読出時において、一方のメモリセルキャパシタが分極反転を生じた場合、その容量値が小さな容量値から大きな容量値へ変化する。このメモリセルキャパシタの分極反転による容量値の変化を、内部データバス線に設けられた付加容量により補償する。
今、内部データバス線5aおよび5bならびにビット線BLおよび/BLが接地電圧レベルにプリチャージされる場合の動作について簡単に説明する。付加容量20abおよび20bbは、そのプレート電圧が電源電圧Vccレベルであり、図12に示す容量値C1を持つ。一方、付加容量20aaおよび20baは、電極間電圧が0Vであり、自発分極量を有する。今この付加容量20aaおよび20baは、付加容量20abおよび20bbと分極方向が反対であり、容量値C2を維持するようにデフォルトとして作成されている状態を考える。
メモリセルデータが読出され、メモリセルキャパシタF1およびF2から電荷が放出される。今、メモリセルキャパシタF2が分極反転を生じた場合を考える。この状態においては、内部データバス線5bの電位が接地電圧レベルから大きく上昇し、内部データバス線5aの電位が、接地電位から少し変化する。このとき、付加容量20baは、プレート電圧よりも内部データバス線5bの電圧レベルが高くなるため、逆方向にバイアスされ、その容量値が容量値C2から容量値C3方向へと低下する。付加容量20bbは、容量値C1から容量値C2方向へと変化し、その変化はごく僅かである。したがって、この付加容量20baの容量値の変化および付加容量20bbの容量値の低下により、メモリセルキャパシタF2の分極反転による容量値の変化を補償することができる。
一方、メモリセルキャパシタF1においては、その容量値は、値C2からC1方向へ上昇する。一方、付加容量20aaは、容量値C2から少し低下するだけであり、また付加容量20abは、その容量値が容量値C1から少し低下するだけである。したがって、この付加容量20aaおよび20abの容量値の変化方向が、メモリセルキャパシタF1の容量値の変化方向と逆となり、このメモリセルキャパシタF2の容量値変化を補償することができる。これにより、データ読出時におけるビット線BLおよび/BLおよびデータバス線5aおよび5bにおける容量値変化を補償し、これらの容量値のバランスをとることができる。
データバスセンスアンプ7の動作時においては、この内部データバス線5aおよび5bのデータが差動的に増幅される。このデータバスセンスアンプの差動増幅動作時においても、分極状態反転を起こした付加容量は、容量値C1またはC3を有しており、その容量変化量は小さい。分極状態変化を生じていない付加容量についても、元の状態に復帰するだけであり、容量値変化は生じない。
この内部データバス線5aおよび5bに付加容量を与え、接地電圧および電源電圧をそれぞれ受けるように接続する構成は、内部データバス線5aおよび5bならびにビット線BLおよび/BLが中間電圧VBLにプリチャージされる構成において最も効果的となる。この状態においては、確実に付加容量20aaおよび20baと付加容量20abおよび20bbの分極方向は逆状態となる。すなわち、付加容量20aaおよび20baが、容量値C3を有し、付加容量20abおよび20bbが、容量値C1を有する。したがって、メモリセルMCのデータ読出に応じて、内部データバス線5aおよび5bに反対方向に電圧変化が生じ、一方において分極状態に変化が生じた場合、一方の容量値は容量値C0から容量値C1の方向に変化し、他方は、容量値C2から容量値C3方向へ変化する。これにより、容量値が変化を補償することができる。ここで、ビット線BLおよび/BLならびに内部データバス線5aおよび5bを中間電圧VBLへのプリチャージ動作時において、プレート線PLの電圧も同様、中間電圧VCP(Vcc/2)レベルに設定されており、プレート線電圧のパルス上の変化は生じないようにされている。ストレージノード電位が、分極方向に応じて電源電圧レベルまたは接地電圧レベルに保持されてもよい。
したがって、この図11に示すように、2つの付加容量を内部データバス線5aおよび5bそれぞれに接続することにより、分極状態変化時においても、確実に内部データバス線およびビット線の容量を同じとすることができ、データバスセンスアンプ7の有するHレベル読出電圧およびLレベル読出電圧の電位差を同じとすることができ(基準電圧を基準として)、センスマージンを大きくすることができ、安定なセンス動作を実現することができる。
[変更例6]
図13は、この発明の実施の形態1の変更例6の構成を概略的に示す図である。この図13に示す構成においては、先の変更例5に示すデータバス線およびビット線の容量バランスの構成を、通常の強誘電体メモリに適用する。図13において、ビット線BLおよび/BLに対し、付加容量が接続される。すなわち、ビット線BLには、ビット線BLと接地ノードの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量30aaと、ビット線BLと電源ノードの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量30abが接続される。ビット線/BLに対しては、ビット線/BLと接地ノードの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量30baと、ビット線/BLと電源ノードの間に接続される強誘電体キャパシタで構成される付加容量30bbが接続される。ビット線BLおよび/BLは、ビット線イコライズ回路BQにより、スタンバイ時、中間電圧VBLにプリチャージされる。プレート線PLには、パルス状のプレート電圧VCPが印加される。メモリセルMCは、2トランジスタ/2キャパシタ型で構成され、アクセストランジスタTG1およびTG2と、互いに相補なデータを記憶する(分極方向が逆方向である)メモリセルキャパシタF1およびF2を含む。
この図13に示す構成においては、メモリセルのストレージノードならびにビット線BLおよび/BLが中間電圧VBLにプリチャージされており、メモリセルのデータ読出時、ビット線BLおよび/BLには、逆方向に変化する電位変化が生じる。プレート線PLのプレート電圧VCPはパルス状に変化し、この強誘電体キャパシタで構成されるメモリセルキャパシタF1およびF2のストレージノード電極(アクセストランジスタに接続されるノード)において、互いに極性の異なる電荷を放出させる。したがって、メモリセルデータ読出時において、付加容量30baおよび30bbの容量値が大きい場合には、一方が、状態変化を生じる。この分極反転が生じた場合、対応のビット線に接続される付加容量が、一方が同様に、分極反転を生じる。付加容量30aaおよび30abは、分極方向が逆であり、また、付加容量30baおよび30bbもその分極方向が逆のためである。したがって、これにより、分極反転が生じても、ビット線BLおよび/BLの容量値は完全に同じとすることができ、センスアンプSAのセンスノードの容量バランスを実現することができる。これにより、センスマージンの増大(HレベルデータおよびLレベルデータの読出電圧の信号振幅が同じ)、またセンス動作時のビット線BLおよび/BLの容量も同様に活性して変化するため、正確にセンス動作を高速で行なうことができる。
この図13に示す構成において、付加容量30aa,30ab,30baおよび30bbの容量値が十分小さく、このメモリセルMCのキャパシタF1およびF2の一方において分極状態が反転しない場合においては、図11に示す構成と組合せて用いることができる。
これにより、付加容量30aa,30ab,30ba,30bbの容量値を十分小さくして、その占有面積によるあらゆるアレイ占有面積の増大を抑制する。
なお、図13に示すビット線容量を平衡させる構成は、他のビット線BLおよび/BLを接地電圧レベルにプリチャージし、プレート線PLの電圧をパルス方式でドライブする構成および図4に示すメモリにおいても適用可能である。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、複数のビット線に共通に付加容量を設け、選択列に対応して配置されるビット線をこの付加容量に選択的に接続するように構成したため、余分の信号電荷を読出すための付加容量の個数を低減することができ、応じてアレイ占有面積を低減することができる。
また、データ読出動作時においては、各ビット線に対して設けられたセンスアンプSAを動作させる必要がなく、データ読出時の消費電流を低減することができる。
また、選択行/非選択列に対応して配置されたメモリセルは、そのビット線容量が小さく、データは非破壊的に読出されるため、ビット線プリチャージ電圧として、この分極反転を生じさせる電圧レベルを用いる必要がなく、ビット線プリチャージ電圧の選択の自由度が増加し、設計が容易となる。
なお、この図11および図12に示す構成は、プレート線電圧パルス駆動方式の1トランジスタ/1キャパシタ型のメモリセルにおいても当然適用可能である。
[実施の形態2]
図14は、この発明の実施の形態2に従う強誘電体メモリの要部の構成を示す図である。この図14に示す構成においては、図2に示す構成と、以下の点において異なっている。すなわち、内部データバス線5aに対して設けられた付加容量10aは、書込ドライブ指示信号WDEをインバータ33を介してゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ32aを介して内部データバス線5aに接続される。一方、付加容量10bは、そのインバータ33の出力信号をゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ32bを介して内部データバス線5bに接続される。書込ドライブ指示信号WDEは、また書込モード時所定のタイミングでワンショットパルスの形態で発生される。この書込ドライブ指示信号WDEの活性化に応答して、ライトドライバ34が活性化され、入力回路から与えられた内部書込データDから相補内部書込データを生成して内部データバス線5aおよび5bに伝達する。したがって、この内部データバス線5aおよび5bにはライトドライバ34およびデータバスセンスアンプ7両者が接続される。他の構成は、図2に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
データ読出時においては、書込ドライブ指示信号WDEはLレベルの非活性状態にあり、インバータ33の出力信号はHレベルである。これにより、MOSトランジスタ32aおよび32bが導通状態にあり、付加容量10aおよび10bはともに内部データバス線5aおよび5bに接続される。したがってデータ読出時においては、メモリセルMCのデータが、ビット線BL,/BLおよび列選択ゲートC1を介して内部データバス線5aおよび5bに伝達され、その付加容量10aおよび10bにより、メモリセルMCにおいて、内部のメモリセルキャパシタが分極反転を生じて、大きな信号電位差を生じさせる。この大きな信号電位差をデータバスセンスアンプ7で増幅して出力回路へ伝達する。
データ書込時においては、データバスセンスアンプ7は非活性状態に維持される。書込ドライブ指示信号WDEがHレベルの活性状態となると、インバータ33の出力信号がLレベルとなり、MOSトランジスタ32aおよび32bが内部データバス線5aおよび5bから切離される。この状態で、ライトドライバ34が活性化され、入力回路から与えられた書込データDから相補な書込データを生成して内部データバス線5aおよび5bに伝達する。センスアンプSAは非活性状態を維持している。したがって、この内部データバス線5aおよび5bに伝達された相補な内部書込データは、列選択ゲートC1を介してメモリセルMCへ伝達され、メモリセルMCのキャパシタの分極状態がこの書込データに応じた状態に設定される。このとき内部データバス線5aおよび5bは、付加容量10aおよび10bから切離されており、その容量値が十分小さくされている。したがってライトドライバ34は、その駆動すべき負荷が小さくなり、高速で内部書込データを選択メモリセルMCへ伝達することができる。これにより、内部データバス線5aおよび5bに大きな付加容量が接続されている場合においても、高速でデータの書込を行なうことができる。
[変更例1]
図15は、この発明の実施の形態2の変更例1の構成を示す図である。この図15に示す構成は、図11に示す構成の変更例であり、図11に示す構成において付加容量20aa,20ab,20ba,20bbが、それぞれMOSトランジスタ32a,32b,34a,34bを介して内部データバス線5aおよび5bに接続される。具体的に、付加容量20aaは、インバータ33の出力信号をゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ32aを介して内部データバス線5aに接続される。電源ノードにその一方電極が接続される付加容量20abは書込ドライブ指示信号WDEをゲートに受けるpチャネルMOSトランジスタ34aを介して内部データバス線5aに接続される。一方電極が接地ノードに接続される付加容量20baは、インバータ33の出力信号をゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ32bを介して内部データバス線5bに接続される。一方電極ノードが電源ノードに接続される付加容量20bbは、書込ドライブ指示信号WDEをゲートに受けるpチャネルMOSトランジスタ34bを介して内部電源線5bに接続される。この構成は、図14の構成に対し、さらに、電源ノードに接続される付加容量20abおよび20bbを設け、これらを、データ書込時においては、内部データバス線5aおよび5bから切離し、データ読出時にはこれらの付加容量20abおよび20bbを接続する構成と等価である。
したがって、この図15に示す構成においても、データ書込時においては、書込ドライブ指示信号WDEがHレベルとなるため、MOSトランジスタ32a,32b,34a,34bが非導通状態とされ、付加容量20aa,20ba,20ab,20bbはすべて内部データバス線5aおよび5bから切離される。これにより、ライトドライバ34は、その駆動すべき負荷が小さくなり、選択メモリセルへ内部書込データを高速で伝達することができる。
データ読出時においては、ライトドライブ指示信号WDEはLレベルであり、MOSトランジスタ32a,32b,34a,34bはすべて導通状態にあり、内部データバス線5aには付加容量20aaおよび20abが接続され、内部データバス線5bには、付加容量20baおよび20bbが接続される。これにより、ビット線容量を平衡して、安定にデータの読出を行なうことができる。
[変更例2]
図16は、この発明の実施の形態2の変更例2の構成を示す図である。図16においては、1つのビット線対BLおよび/BLを代表的に示す。ビット線BLおよび/BLの一方側端部に、選択メモリセルから読出されたデータを伝達する読出データバス線RDBおよび/RDBが配置され、ビット線BLおよび/BLの他方側端部に、書込データを伝達する書込データバス線WDBおよび/WDBが配置される。ビット線BLおよび/BLは、読出データバス線RDBおよび/RDBと、読出列選択ゲートRCGを介して接続されかつ書込データバス線WDBおよび/WDBに書込列選択ゲートWCGを介して接続される。読出列選択ゲートRCGには、図示しないコラムデコーダからの列選択信号CSRが与えられ、同様、書込列選択ゲートWCGは、図示しないコラムデコーダからの書込列選択信号CSWが与えられる。
書込データバス線WDBおよび/WDBには、ライトドライバ34が設けられ、入力回路からの書込データDに従って相補書込データが内部書込データバス線WDBおよび/WDBにライトドライバ34から伝達される。
一方、読出データバス線RDBおよび/RDBには、読出データバス線RDBおよび/RDBの電位を差動増幅するデータバスセンスアンプ7が設けられる。このデータバスセンスアンプ7は、活性化信号PSの活性化時活性化される。
読出データバス線RDBに対し、さらに、その一方電極ノードが接地ノードに接続される付加容量10aと、リードセンス指示信号φRSAの活性化に応答して付加容量10aの他方電極を読出データバス線RDBに接続するnチャネルMOSトランジスタ36aが設けられる。読出データバス線/RDBに対しては、接地ノードに接続される一方電極ノードを有する付加容量10bと、リードセンス指示信号φRSAの活性化時導通し、付加容量10bの他方電極ノードを読出データバス線/RDBに接続するnチャネルMOSトランジスタ36bが設けられる。このリード指示信号φRSAは、データ読出動作モード時、活性状態とされ、読出データバス線RDBおよび/RDBが所定電位のプリチャージ状態に復帰し、付加容量10aおよび10bが元の状態に復帰した後に、非活性状態とされる。この付加容量10aおよび10bの分極方向は、読出データバス線RDBおよび/RDBからの接地ノードへの方向である。データバスセンスアンプ7は、このリードセンス指示信号φRSAが活性状態となり、十分な信号電位差がこの読出データバス線RDBおよび/RDBに生じた後に活性状態とされる。
この図16に示す構成においては、読出データバスと書込データバスが別々に設けられるI/O分離構成である。書込データバス線WDBおよび/WDBには、付加容量は設けられていない。したがってデータ書込時ライトドライバ34は、高速で書込列選択ゲートWCGを介して選択メモリセルへデータを書込むことができる。データ読出時においては、その付加容量10aおよび10bが読出データバス線RDBおよび/RDBに接続され、メモリセルからの放出電荷を吸収し、大きな信号電位差を生じさせる。
列選択信号CSRおよびCSWはについて、データ読出動作モード時においては、列選択信号CSRが活性状態とされ、また書込動作時には列選択信号CSWが活性状態とされてもよい。しかしながら、データ書込時、データ読出時いずれにおいても、同時にこの列選択信号CSRおよびCSWが選択状態とされてもよい。データ読出時において、この列選択ゲートWCGおよびRCGが同時に導通状態とされても、データ書込時においては、読出データバス線RDBおよび/RDBからは、付加容量10aおよび10bは切離されているため、ライトドライバ34の駆動すべき負荷は小さく、高速でデータ書込を行なうことができる。
なお、図16に示す構成においても、さらに、電源ノードに接続される負荷容量をトランジスタを介して接続するように構成してもよい。
さらに、読出列選択信号CSRが、データ読出動作モード時においてのみ活性状態とされる場合には、この読出データバス線RDBおよび/RDBに常時付加容量10aおよび10bが接続される構成が用いられてもよい。
上述の発明においては、内部データバス線について説明しているが、このデータバス線が、ローカルデータバスおよびグローバルデータバスと階層データバス構造を備える場合においても、グローバルデータバスに対し読出動作モード時にのみ付加容量が接続される構成が使用されてもよい。これは、先の変更例1ないし3において、内部データバス線または読出データバス線をグローバルデータバス線で置換えることに容易に実現される。また、メモリセルは1トランジスタ/1キャパシタ型でもよい。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、データ書込時においては、付加容量を書込データを伝達するバス線に接続されないように構成しているため、データ書込時において高速でデータ書込を行なうことができる。またデータ読出時において、読出データが伝達されるデータバス線には、付加容量が接続されるため、十分な大きさの読出電圧を伝達することができる。
[実施の形態3]
図17は、この発明の実施の形態3に従う強誘電体メモリの要部の構成を示す図である。この図17に示す強誘電体メモリは、データを不揮発的に記憶するFRAMモードと、通常のDRAMと同様にアクセスすることのできるDRAM動作モードとを備える。この構成は、先の図4に示す構成に対応する。この図17に示す構成においては、ビット線BL0,/BL0〜BL255,/BL255に対しては、センスアンプが設けられていない。ビット線BL0,/BL0〜BL255,/BL255の各対においては、ビット線イコライズ指示信号BLEQに応答して活性化され、対応のビット線対を所定電位VBLにプリチャージしかつイコライズするビット線イコライズ回路BQと、リファレンスセルRFCaおよびRFCbと、1列に整列して配置されるメモリセルMCが設けられる。これらの構成要素は、図4に示す構成要素と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
これらのビット線BL0,/BL0〜BL255,/BL255は、それぞれ列選択ゲートCG0〜CG255を介して内部データバス線5aおよび5bに接続される。内部データバス線5aおよび5bには、付加容量10aおよび10bが接続される。この内部データバス線5aおよび5bに接続されるデータバスセンスアンプ7は、交差結合されたpチャネルMOSトランジスタPaおよびPbと、交差結合されたnチャネルMOSトランジスタNaおよびNbを含む。pチャネルMOSトランジスタPaおよびPbで構成されるPセンスアンプは、センスアンプ活性化信号PSPにより活性化され、nチャネルMOSトランジスタNaおよびNbで構成されるNセンスアンプは、センスアンプ活性化信号PSNにより活性化される。
この図17に示す強誘電体メモリにおいては、電源投入後は、メモリセルデータを復元するためのリコール動作モードが必要とされる。このリコール動作モード時においては、メモリセルデータのリコールを内部データバス線5aおよび5bに設けられたデータバスセンスアンプ7を用いて実行する。先に、図5および図6に示す波形図を参照して説明したように、リコール動作モード時においては、各ビット線対に対して設けられたセンスアンプSAを用いて1行のメモリセルデータの復元が行なわれている。一方、この図17に示す構成においては、このリコール動作モード時において、センスアンプ活性化信号SONおよび/SOPに代えて、センスアンプ活性化信号PSNおよびPSPが活性状態とされる。このとき、行および列を、後に説明する内蔵のアドレスカウンタからのアドレスにより順次生成して、データバスセンスアンプ7によりリコール動作を実行する。内部データバス線5aおよび5bに付加容量10aおよび10bが接続されているため、選択列に接続されるメモリセルは、確実に大きな信号電位差を内部データバス線5aおよび5bに生成する。これにより、リファレンスセルを基準として、メモリセルデータの復元を行なうことができる。この図17に示す強誘電体メモリの動作は、図5および図6に示すリコール動作モード時において、センスアンプ活性化信号SONおよび/SOPを、センスアンプ活性化信号PSNおよびPSPで置換え、リコール動作モード時においても列選択信号CSが活性状態とされるようにすれば同じ波形であり、その詳細説明は省略する。
図18は、図17に示す強誘電体メモリの、制御部の構成を概略的に示す図である。図18において、制御部は、外部から与えられるロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CASおよびライトイネーブル信号/WEが所定の状態に設定されたときにリコールモードが指定されたことを検出するリコールモード検出回路50と、リコールモード検出回路50からのリコールモード検出信号の活性化に応答して、リコール動作に必要な制御を行なうリコール制御回路52と、リコール制御回路52の制御の下に、そのカウント値を順次更新するコラムアドレスカウンタ54と、コラムアドレスカウンタ54からのカウントアップ信号に応答してそのカウント値を1更新するロウアドレスカウンタ56と、リコールモード検出回路50からのリコールモード検出信号の活性化に応答してコラムアドレスカウンタ54およびロウアドレスカウンタ56の出力カウント値を外部からのコラムアドレスおよびロウアドレスに代えて選択するマルチプレクサ58と、マルチプレクサ58を介して与えられるアドレス信号をデコードし、列選択信号を生成するコラムデコーダ60と、マルチプレクサ58を介して与えられるアドレス信号をデコードして、ワード線選択信号を生成するロウデコーダ62と、マルチプレクサ58から与えられるアドレス信号の最下位ビットをデコードし、リファレンスセルワード線を駆動するリファレンスデコーダ64を含む。これらのコラムデコーダ60、ロウデコーダ62およびリファレンスセルデコーダ64は、リコール制御回路52の制御の下に動作する。
VBL発生回路66はリコールモード検出信号の活性化時ビット線プリチャージ電圧VBLを接地電位レベルに設定し、それ以外は中間電圧レベルに設定する。
リコール制御回路52は、タイマを内蔵し、リコールモード検出回路50からのリコールモード検出信号の活性化に応答してタイマを起動し、所定時間(コラムアクセス時間程度)間隔でコラムアドレスカウンタ54のカウント値を増分する。マルチプレクサ58は、外部から与えられる(アドレスバッファを介して)コラムアドレスおよびロウアドレスに代えて、このコラムアドレスカウンタ54およびロウアドレスカウンタ56の出力カウント値を選択する。ロウデコーダ62およびリファレンスデコーダ64がリコール制御回路52の制御の下に活性化され、ワード線WLおよびリファレンスワード線RWLを活性状態へ駆動し、1行のメモリセルおよびリファレンスセルを選択状態へ駆動する。次いで、コラムデコーダ60が活性状態とされ、列選択が行なわれ、選択列に接続されるメモリセルのデータがデータバスセンスアンプに伝達されて増幅される。1つの列についての、メモリセルのデータの復元が完了すると、コラム系回路をリセットし、再びリコール制御回路52の制御の下にコラムアドレスカウンタ54がそのカウント値を更新し、再び列選択動作が行なわれ、隣接列の選択が行なわれ、隣接列のメモリセルのデータの復元が行なわれる。
この間、ロウデコーダ62およびリファレンスデコーダ64は、活性状態を維持する。この動作により、1行のメモリセルのデータの復元が完了すると、リコール制御回路52は、コラムアドレスカウンタ54からのカウントアップ指示信号に従ってロウデコーダ62およびリファレンスデコーダ64をリセットし、メモリセルアレイをプリチャージ状態に復帰させる。いわゆる行系回路を初期状態(プリチャージ状態)に復帰させるのに必要なRASプリチャージ期間が経過すると、リコール制御回路52は、再びロウデコーダ62およびリファレンスデコーダ64を活性化し、次のワード線およびリファレンスワード線を選択状態へ駆動する。この次のワード線およびリファレンスワード線の選択状態への駆動が完了すると、次いで列選択動作が順次実行される。次に、すべてのメモリセルのデータの復元が、データバスセンスアンプにより実行される。
このリコールモード動作時においては、VBL発生回路66から発生されるビット線プリチャージ電圧VBLは接地電圧レベルである。
このリコール制御回路52は、行系駆動回路および列系駆動回路を含み、図18においては、列系制御回路からのデータバスセンスアンプ活性化信号PSNおよびPSPおよび行系駆動回路からのビット線イコライズ指示信号BLEQを代表的に示す。ビット線イコライズ指示信号BLEQは、コラムアドレスカウンタ54のカウントアップ時(256列のカウント完了後)所定時間活性状態とされ、所定時間経過後再び非活性状態とされて、行選択が行なわれる。列系駆動回路は、コラムアドレスカウンタの出力変化をトリガとして列選択メモリセルデータの増幅、プリチャージ状態への復帰を行なうパルス信号を順次発生する回路で構成される。これにより、リコール動作モード時においてデータバスセンスアンプ7を用いてメモリセルのデータの復元を行なうことができる。
この実施の形態3に従えば、ビット線やセンスアンプは設けられておらず、リコール動作は、すべてデータバスに設けられたデータバスセンスアンプ7を用いて実行される。内部データバス線5aおよび5bには、付加容量10aおよび10bが接続されている。非選択列においては、非破壊的にデータの読出が行なわれており、選択列に接続されるメモリセルデータのみが実際にデータの読出が行なわれ、データバスセンスアンプにより、データの再書込が実行される。
したがって、この構成においても、付加容量の数が低減されるとともに、センスアンプの数が大幅に低減され、メモリアレイの占有面積を低減することができる。また、リコール動作モード時においては、データバスセンスアンプのみが動作し、1行のセンスアンプが動作しないため、消費電流を大幅に低減することができる。
[実施の形態4]
図19は、この発明の実施の形態4に従う強誘電体メモリの要部の構成を概略的に示す図である。この図19において、ビット線対BL0,/BL0〜BLn,/BLnの各対に対し、1列のメモリセルMC、センスアンプSAおよび列選択ゲートCG(CG0〜CGn)が配置される。メモリセルMCは、2トランジスタ/2キャパシタの構成を備えるが、1トランジスタ/1キャパシタの構成であってもよい。センスアンプSAは、交差結合されたpチャネルMOSトランジスタおよび交差結合されたnチャネルMOSトランジスタを含む。このセンスアンプSAは、センスアンプ活性化信号φSPおよびφSNの活性化に応答して活性化され、対応のビット線BL,/BLの電位を差動的に増幅する。
列選択ゲートCG0〜CGnは、図示しないコラムデコーダからの列選択信号CS0〜CSnに応答して対応のビット線BL0,/BL0〜BLn,/BLnを内部データバス線5aおよび5bに接続する。この内部データバス線5aおよび5bには、交差結合型センスアンプで構成されるデータバスセンスアンプ7が設けられる。この内部データバス線5aおよび5bには、付加容量は設けられていない。
この図19に示す構成においては、ビット線BL0,/BL0〜BLn,/BLnの各対において、付加容量40aおよび40bがそれぞれ配置される。これらの付加容量40aおよび40bは、選択ゲート42aおよび42bを介して対応のビット線BL(BL0〜BLn)および/BL(/BL0〜/BLn)に接続される。これらの選択ゲート42aおよび42bには、対応の列選択信号が与えられる。
次に、この図19に示す強誘電体メモリの動作について、その動作波形図である図20を参照して説明する。時刻t0においてワード線WLが選択状態へ駆動され、1行のメモリセルMCが対応のビット線BL,/BLに接続される。これにより、メモリセルMCの記憶データに応じた信号電荷がビット線BL0,/BL0〜BLn,/BLnに伝達される。このとき、列選択信号CS0〜CSnはまだ非活性状態であり、ビット線BL0,/BL0〜BLn,/BLnの浮遊容量は小さく、メモリセルデータは非破壊的に読出される。図20に示す読出波形図においては、ビット線BLおよび/BLが中間電圧VBLレベルにプリチャージされている場合の読出波形が一例として示される。この場合、プレート線PLの電位は特にパルス化する必要はない。
次いで、時刻t1において、列選択信号CSが選択状態へ駆動され、アドレス指定された列に対応する列選択ゲートCG(今CG0とする)が内部データバス線5aおよび5bに接続される。このとき、列選択信号CS0の活性化に応じて、このビット線BL0および/BL0に設けられた選択ゲート42aおよび42bも導通し、付加容量40aおよび40bがそれぞれビット線BL0および/BL0に接続される。これにより、ビット線BL0および/BL0の浮遊容量が大きくなり、メモリセルMCからさらに電荷が放出され、ビット線BLおよび/BLの信号電位がさらに大きく変化し、この大きな信号電位変化が、内部データバス線5aおよび5bに伝達される。他の非選択列においては、非破壊的に読出された信号電位を保持している。
次いで時刻t2において、データバスセンスアンプ活性化信号PSが活性化され、データバス線5aおよびと5bに現われた信号電位を差動増幅し、応じてビット線BL0および/BL0の電位が電源電圧および接地電圧レベルに駆動される。これにより破壊的に読出されたメモリセルデータの復元が行なわれるとともに、データバスセンスアンプ7を介してデータの読出が行なわれる。メモリセルデータ読出サイクルが完了すると、ワード線WLが非選択状態へ駆動され、メモリセルMCがビット線BL0および/BL0から切離され、次いで列選択信号CSが非選択状態へ駆動された後、データバスセンスアンプ7が非活性状態とされて、次いでデータバス線5aおよび5bならびにビット線BL,/BLが中間電位レベルにプリチャージされる。
このデータ読出サイクル時において、センスアンプSAは非活性状態にあり、データバスセンスアンプ7のみが動作している。したがって、データ読出時における消費電流を低減することができる。この図19に示す構成において、リコール動作時においては、付加容量40a,40bをそれぞれの対応のビット線BL,/BLに接続する。このとき列選択ゲートCG0〜CGnは非選択状態を保持する必要がある。したがって図19に示す構成において、選択ゲート42aおよび42bと対応の列選択ゲートCGへ与えられる信号は、説明するように別々の信号となる。この状態で、ワード線を選択状態へ駆動し、センスアンプSAを活性化する。以降、順次ワード線活性化およびセンスアンプ活性化を実行する。
この図19に示す構成においては、通常のデータ読出時において、メモリセルデータの非破壊読出が保証される。したがって、破壊読出すなわち分極反転を必要とするためのビット線プリチャージ電位を固定する必要がなく、所望のプリチャージ電位にビット線をプリチャージすることができる。
図21は、図19に示す選択ゲートの構成をより詳細に示す図である。図21に示すように、選択ゲート42aおよび42bのゲートへは、リコールモード検出信号φrecallと列選択信号CSを受けるORゲート45の出力信号が与えられる。リコールモード時においては、リコールモード検出信号φrecallはHレベルの活性状態とされ、選択ゲート42aおよび42bが導通し、付加容量40aおよび40bを対応のビット線BLおよび/BLに接続する。通常動作モード時において、このリコールモード検出信号φrecallは、Lレベルであり、列選択信号CSに従って付加容量40aおよび40bは、選択ゲート42aおよび42bにより選択的に対応のビット線BLおよび/BLに接続される。
この図21に示す構成を利用することにより、リコールモード時においてのビット線に対し付加容量を接続して、センスアンプSAを活性化して1行のメモリセルに対し同時にデータの復元を行なうことができる。このとき、各ビット線は、内部データバス線と切離されており、1行のメモリセルデータが内部データバス線に伝達されて衝突することはなく、確実なリコール動作を行なうことができる。データ書込モード時に付加容量40aおよび40bがビット線から切離されてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、選択列に対応するビット線に対してのみ通常動作モード時においては、付加容量を接続するように構成しているため、非選択列のメモリセルデータは非破壊的に読出されるため、分極反転を生じさせるための破壊読出を保証するためのプリチャージ電圧範囲に対する条件が緩和され、所望の電位レベルにプリチャージ電圧を設定することができる。
また、通常動作モード時において、各ビット線に対して設けられたセンスアンプは動作しないため消費電流を低減することをできる。
この実施の形態4においても、1トランジスタ/1キャパシタ型のメモリセルも同様に用いることができ、FRAMモードおよびDRAMモードで動作するメモリにおいても同様適用することができる。
[実施の形態5]
図22は、この発明の実施の形態5に従う強誘電体メモリの要部の構成を概略的に示す図である。図22においても、1つのビット線対BL,/BLを代表的に示す。他のビット線対においても同様の構成が設けられる。この図22に示す構成においては、ビット線BLおよび/BLに対し、強誘電体キャパシタで構成される付加容量50aおよび50bが設けられる。これらの強誘電体キャパシタで構成される付加容量50aおよび50bは、読出データ転送指示信号SCに応答して導通するnチャネルMOSトランジスタ52aおよび52bにより、ビット線BLおよび/BLに接続される。
ビット線BL,/BLは、列選択信号CSに応答して導通する列選択ゲートCGを介して内部データバス線5aおよび5bに接続される。これらの内部データバス線5aおよび5bには、付加容量は設けられておらず、プリアンプ54が設けられる。このプリアンプ54は、内部データバス線5aおよび5bの信号電位を増幅して図示しない出力回路へ伝達する。この場合、内部データバス線5aおよび5bの電位は、差動増幅はされない。
ビット線BLおよび/BLに対して、センスアンプSAが設けられ、また1例として2トランジスタ/2キャパシタ型のメモリセルMCが配置される。センスアンプSAを活性化するために、センスアンプ活性化信号Sに応答して導通し、センスアンプSAのNセンスアンプ部に対し接地電圧Vssを伝達するセンスアンプ活性化トランジスタ55aと、このセンスアンプ活性化信号Sをインバータ56を介してゲートに受け、導通時、センスアンプSAのPセンスアンプ部へ電源電圧Vccを伝達するセンスアンプ活性化トランジスタ55bが設けられる。センスアンプSAのセンスアンプ駆動信号線は、通常、ビット線BLおよび/BLと同じプリチャージ電圧(たとえば中間電圧)レベルにプリチャージされる。次に、この図22に示す強誘電体メモリの動作について図23に示す波形図を参照して説明する。
時刻t0においてロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルに立下がってメモリサイクルが始まる。このロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答して、時刻t1において転送指示信号SCがHレベルに立上がり、MOSトランジスタ52aおよび52bが導通し、付加容量50aおよび50bがビット線BLおよび/BLに電気的に接続される。
時刻t2において、このロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに同期して取込んだ外部アドレス信号に従って行選択動作が行なわれ、ワード線WLが選択状態へ駆動される。このワード線WLの選択状態への駆動により、メモリセルMCに含まれるアクセストランジスタが導通し、そのメモリセルキャパシタの分極状態に応じた電荷がビット線BLおよび/BLに伝達される。ビット線BLおよび/BLには、付加容量50aおよび50bが接続されており、ビット線BLおよび/BLの容量は大きく、十分な大きさの信号電位がビット線BLおよび/BLに伝達される。
時刻t3において、この転送指示信号SCをLレベルの非活性状態とした後、センスアンプ活性化信号SをHレベルの活性状態へ駆動する。これにより、センスアンプ活性化トランジスタ55aおよび55bが導通し、センスアンプSAが活性化され、ビット線BLおよび/BLに生じた電位を差動的に増幅する。このとき、ビット線BLおよび/BLは、付加容量50aおよび50bから電気的に切離されており、ビット線BLおよび/BLの負荷容量は十分小さくされている。したがって、センスアンプSAは、その駆動すべき容量が小さく、高速でセンス動作を行ない、ビット線BLおよび/BLの電位が高速でHレベルおよびLレベルに確定する。
時刻t4において、外部からのコラムアドレスストローブ信号/CASがLレベルに立下がり、列選択動作が開始され、このときのコラムアドレス信号に従って列選択信号CSが選択状態へ駆動され、列選択ゲートCGが導通し、ビット線BLおよび/BLが内部データバス線5aおよび5bに電気的に接続される。次いで、プリアンプ54が活性化され、このデータバス線5aおよび5bに現われた電位を増幅し、メモリセルデータの読出が行なわれる。この構成においては、内部データバス線5aおよび5bは、電源電圧Vccレベルにプリチャージされていてもよく、また図示のように中間電圧レベルにプリチャージされていてもよい。
図24は、この図22に示す強誘電体メモリの制御信号発生部の構成を概略的に示す図である。図24において、制御信号発生部は、ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答してワンショットのパルス信号を発生するSC発生回路61と、このSC発生回路61からの転送指示信号SCの立上がりに応答してワード線ドライブ活性化信号RXを活性状態へ駆動し、ロウアドレスストローブ信号/RASの非活性化に応答してこのワード線ドライブ活性化信号RXを非活性状態へ駆動するワード線ドライブ制御回路63と、SC発生回路61からのデータ転送指示信号SCの非活性化に応答してセンスアンプ活性化信号Sを活性状態へ駆動しかつロウアドレスストローブ信号/RASの非活性化に応答してセンスアンプ活性化信号Sを非活性状態へ駆動するセンス活性化制御回路65を含む。
この図24に示す構成に従えば、通常のゲート回路を用いてワード線ドライブ制御回路63およびセンス活性化制御回路65を実現することができる。SC発生回路61からのデータ転送指示信号SCが活性状態とされてからワード線ドライブ活性化信号RXが活性状態へ駆動され、ロウデコーダ出力に従って選択ワード線が活性状態(選択状態)へ駆動される。センス活性化制御回路65は、このデータ転送指示信号SCが非活性状態となった後に、センスアンプ活性化信号Sを活性状態へ駆動し、ロウアドレスストローブ信号/RASが非活性状態となるとセンスアンプ活性化信号Sを非活性状態へ駆動する。この構成により、選択メモリセルデータがビット線BLおよび/BLに伝達されるときのみビット線BLおよび/BLに対応して設けられた付加容量50aおよび50bとビット線BLおよび/BLとを電気的に接続することができ、センス動作時には、ビット線BLおよび/BLを付加容量50aおよび50bから切離して、ビット線BLおよび/BLの負荷容量を小さくすることができる。
[変更例1]
図25は、この発明の実施の形態5の変更例の構成を概略的に示す図である。この図25に示す構成においては、ビット線BLおよび/BLに対しては、1列のメモリセルMCおよびセンスアンプSAが配置される。付加容量はビット線BLおよび/BLには設けられない。このビット線BLおよび/BLは列選択ゲートCGを介して内部データバス線5aおよび5bに接続される。この内部データバス線5aおよび5bに対して、付加容量10aおよび10bがそれぞれ設けられる。しかしながら、この付加容量10aは、転送指示信号φPTの活性化に応答して導通するnチャネルMOSトランジスタ67aを介して内部データバス線5aに接続される。付加容量10bは、この転送指示信号φPTの活性化に応答して導通するnチャネルMOSトランジスタ67bを介して内部データバス線5bに接続される。この内部データバス線5aおよび5bには、活性化信号PSの活性化に応答して活性化され、この内部データバス線5aおよび5bの電位を差動増幅するデータバスセンスアンプ7が設けられる。次に、この図25に示す構成の動作について図26に示す信号波形図を参照して説明する。
ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルの活性状態に立下がると、転送指示信号φPTが活性状態となり、内部データバス線5aおよび5bに付加容量10aおよび10bが電気的に接続される。このロウアドレスストローブ信号/RASの活性化に応答して、行選択動作が行なわれ、そのときに与えられたロウアドレスに従ってアドレス指定された行に対応するワード線WLが選択状態へ駆動される。この状態においては、まだ列選択信号CSはLレベルの非活性状態にあり、ビット線BLおよび/BLは内部データバス線5aおよび5bと電気的に分離されている。したがって、このワード線WLの選択状態への駆動に従って、メモリセルMCは、その記憶データが非破壊的に読出され、ビット線BLおよび/BLの電位が少し変化する。
次いで、コラムアドレスストローブ信号/CASがLレベルに立下がると、列選択動作が行なわれ、このコラムアドレス信号に従ってアドレス指定された列に対応する列選択信号CSがHレベルに立上がり、列選択ゲートCGが導通する。これにより、ビット線BLおよび/BLが内部データバス線5aおよび5bに電気的に接続され、選択列に対応するビット線BLおよび/BLの容量が、付加容量10aおよび10bにより増大し、選択メモリセルMCの放出電荷量が増大し、ビット線BLおよび/BLならびに内部データバス線5aおよび5bの電位が大きく変化する。
次いで、このコラムアドレスストローブ信号/CASがLレベルの活性状態となりかつ列選択信号CSが選択状態へ駆動されてから所定時間経過後(内部データバス線5aおよび5bのデータ信号電位差が広がった後)、転送指示信号φPTがLレベルの非活性状態となり、MOSトランジスタ67aおよび67bが非導通状態となり、内部データバス線5aおよび5bからこの付加容量10aおよび10bが切離される。この転送指示信号φPTが非活性状態となると、データバスセンスアンプ活性化信号PSが活性状態とされ、データバスセンスアンプ7が、この内部データバス線5aおよび5bの信号電位を差動増幅し、応じて選択列に対応するビット線BLおよび/BLの電位がHレベルおよびLレベルに駆動される。これにより、メモリセルMCの破壊的に読出されたデータが再書込され、かつ、データバスセンスアンプ7を介して出力回路へ内部読出データが伝達される。
次に、ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルに立上がり、選択状態のワード線が非活性状態へ駆動され、コラムアドレスストローブ信号/CASがHレベルに立上がると、列選択信号CSがLレベルの非活性状態となる。このコラムアドレスストローブ信号/CASの非活性化に従って、データバスセンスアンプ活性化信号PSも非活性状態ヘ駆動され、ビット線BLおよび/BLが、内部データバス線5aおよび5bと電気的に切離されるとともに、図示しないプリチャージ回路により中間電位レベルにプリチャージされる。内部データバス線5aおよび5bは、所定のプリチャージ電位(たとえば中間電位)にプリチャージされる。
この図25に示すように、内部データバス線5aおよび5bに付加容量を接続し、選択列に対応するビット線BLおよび/BLのみが内部データバス線5aおよび5bに電気的に接続してその読出信号電位を大きくする構成においても、信号電荷転送動作時にのみこの内部データバス線5aおよび5bに付加容量10aおよび10bを電気的に接続し、データバスセンスアンプ7の活性化時、この付加容量10aおよび10bを内部データバス線5aおよび5bから電気的に切離すことにより、データバスセンスアンプ7の駆動すべき容量が小さくなり、高速でセンス動作を行なうことができ、応じて、高速読出が可能となる。
図27は、図25に示す制御信号φPTおよびPS発生部の構成を概略的に示す図である。図27において、制御信号発生部は、コラムアドレスストローブ信号/CASを所定時間遅延する遅延回路70と、ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答してセットされかつ遅延回路70の出力信号の立下がりに応答してリセットされるリセット優先型フリップフロップ72と、このフリップフロップ72からの出力Qからの出力信号と内部コラムアドレスストローブ信号/CASを受けるNOR回路74を含む。フリップフロップ72の出力Qから、転送指示信号φPTが出力され、NOR回路74からデータバスセンスアンプ活性化信号PSが出力される。
この図27に示す構成においては、ロウアドレスストローブ信号/RASが立下がると、転送指示信号φPTが活性状態に立上がる。次いでコラムアドレスストローブ信号/CASが立下がり、活性状態とされ、遅延回路70の遅延時間が経過し、列選択信号が生成されて内部データバス線に十分にメモリセルMCから信号電荷が伝達された後、このフリップフロップ72がリセットされ、転送指示信号φPTが非活性状態とされる。この転送指示信号φPTが非活性状態のLレベルとなると、NOR回路74は、その両入力がLレベルとなり、データバスセンスアンプ活性化信号PSをHレベルの活性状態とする。この図27に示す構成を利用することにより、メモリセルから電荷を内部データバス線へ転送するときのみ付加容量10aおよび10bを内部データバス線に電気的に接続することができる。
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、メモリセルから信号電荷がビット線BLおよび/BLに読出されるときのみ、このビット線に付加容量を接続し、センス動作時においては、このビット線から付加容量を切離しているため、十分な大きさの信号電位をビット線に生じさせることができるとともに、センス動作を高速で行なうことができる。
[実施の形態6]
図28は、この発明の実施の形態6に従う強誘電体メモリの要部の構成を示す図である。図28においても、1つのビット線対を代表的に示す。この図28に示す構成においては、ビット線/BLとワード線WLaの交差部に対応してメモリセルMCaが配置され、ワード線WLaとビット線BLの交差部に対応してメモリセルMCbが配置される。これらのメモリセルMCaおよびMCbの各々は、1トランジスタ/1キャパシタの構成を備える。すなわち、メモリセルMCaは、強誘電体キャパシタで構成されるメモリセルキャパシタFaと、ワード線WLaの信号電位に応答して導通し、メモリセルキャパシタFaをビット線/BLに接続するnチャネルMOSトランジスタで構成されるアクセストランジスタTaを含む。メモリセルMCbは、強誘電体キャパシタで構成されるメモリセルキャパシタFbと、ワード線WLbの信号電位に応答して導通し、このメモリセルキャパシタFbをビット線BLに接続するnチャネルMOSトランジスタで構成されるアクセストランジスタTbを含む。メモリセルキャパシタFaおよびFbのプレート電極ノードはプレート線PLに接続される。
ワード線WLaは、偶数アドレス(最下位アドレスビットRA=0)が指定する行群に含まれる。ワード線WLbは、奇数ロウアドレス(最下位ロウアドレスビットRA=1)が指定する行群に含まれる。したがって、この図28に示す構成においては、ビット線BLおよび/BLのうち、一方のビット線に対しメモリセルデータが読出され、他方のビット線はプリチャージ電位を保持する。
ビット線BLおよび/BLは、さらに、センスアンプ活性化信号φSNおよびφSPに応答して活性化され、このビット線BLおよび/BLの電位を差動的に増幅するセンスアンプSAが配置される。このセンスアンプSAは、先の実施の形態と同様に、交差結合されたMOSトランジスタで構成される。
ビット線BLおよび/BLは、列選択ゲートCGを介して内部データバス線5aおよび5bに接続される。この内部データバス線5aおよび5bには、付加容量は設けられていない。
ビット線BLおよび/BLに対し、共通に強誘電体キャパシタで構成される付加容量80が設けられる。この付加容量80は、選択信号φRaの活性化時導通するnチャネルMOSトランジスタ82aを介してビット線/BLに接続され、また選択信号φRbの活性化時導通するnチャネルMOSトランジスタ82bを介してビット線/BLに接続される。選択信号φRaは、偶数ロウアドレス(RA=0)が指定されたときに選択状態へ駆動される。選択信号φRbは、奇数アドレス(RA=1)が選択されたときに、選択状態へ駆動される。
次に、この図28に示す強誘電体メモリの動作について、図29に示す波形図を参照して説明する。
まず、ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルの活性状態にされ、メモリサイクルが開始される。このロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答して、行選択動作が行なわれる。このときに与えられるロウアドレス信号に従って、選択信号φRaおよびφRbの一方が選択状態へ駆動され、他方は非選択状態を維持する。今、ワード線WLaが選択された場合を仮定する。この状態においては、選択信号φRaが選択状態へ駆動され、MOSトランジスタ82aが導通し、付加容量80がビット線BLへ電気的に接続され、一方、MOSトランジスタ82bは非導通状態を保持し、ビット線BLは、付加容量80と切離される。この状態において、次いでワード線WLaの電位がHレベルに立上がり、メモリセルMCaのキャパシタFaがビット線/BLに接続される。メモリセルMCbにおいては、ワード線WLbは非選択状態であり、アクセストランジスタTbは非導通状態である。したがってビット線BLは中間電位のプリチャージ電位を保持する。この状態においては、ビット線/BLの付加容量80が接続されているため、大きな容量がビット線/BLに存在し、ビット線/BLには、大きな電位変化が生じる。
次いで、所定時間経過後(十分な大きさの信号電位がビット線/BLに読出された後)、選択信号φRaが非選択状態へ駆動され、この選択信号φRaの非活性化に応答してセンスアンプ活性化信号φSNおよびφSPが活性状態へ駆動される。このセンスアンプSAは、ビット線BLおよび/BLには付加容量は接続されていないため、このビット線BLおよび/BLの電位を差動的に増幅する。ビット線BLおよび/BLの電位がHレベルおよびLレベルに確定すると、(図29において、Hレベルデータが読出される場合を一例として示す)、コラムアドレスストローブ信号/CASの立下がりに応答して、列選択動作が行なわれ、列選択信号CSがHレベルに立上がり、列選択ゲートCGが導通し、このセンスアンプSAにより記憶されたデータが内部データバス線5aおよび5bに伝達される。これにより、データバスセンスアンプ7(通常のプリアンプでよい)が活性化され、この内部データバス線5aおよび5bに読出されるデータを増幅して図示しない出力回路へ伝達する。
この図28に示す構成においては、ビット線対BLおよび/BLに対し1つの付加容量が設けられるだけである。したがって、ビット線BLおよび/BLの付加容量を大きくし、読出電圧振幅を大きくするための付加容量の数は従来の構成に比べて半分にすることができ、応じて、付加容量占有面積を低減することができる。
この図28に示す構成において、選択信号φRbおよびφRaは、図24に示す構成において、SG発生回路60からの転送指示信号SCとロウアドレス信号ビットRAのANDをとることにより生成することができる。
[変更例]
図30は、この発明の実施の形態6の変更例の構成を示す図である。図30に示す構成においては、ビット線BLおよび/BLには付加容量は設けられていない。メモリセルMCaおよびMCbは1トランジスタ/1キャパシタ型の構成を備える(図28参照)。内部データバス線5aおよび5bに対し付加容量10aおよび10bが設けられる。付加容量10aは、転送指示信号φTRbの活性化時導通するnチャネルMOSトランジスタ80aを介して内部データバス線5aに接続される。付加容量10bは、転送指示信号φTRaの活性化時導通するnチャネルMOSトランジスタ80bを介して内部データバス線5bに接続される。データバスセンスアンプ7は、活性化信号PSの活性化時この内部データバス線5aおよび5bの電位を差動増幅する。転送指示信号φTRaは、ワード線WLbの選択時(奇数ロウアドレスが指定されたとき)、選択状態へ駆動される。選択信号φTRaは、ワード線WLaが選択されたとき(偶数ロウアドレスが指定されたとき)、選択状態へ駆動される。次に、この図30に示す構成の動作を図31に示す動作波形図を参照して説明する。
ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルの活性状態となり、メモリサイクルが始まる。このロウアドレスストローブ信号/RASの活性化に従って、ロウアドレス信号が取込まれ、内部ロウアドレス信号が生成される。この内部ロウアドレス信号に従って転送指示信号φTRaおよびφTRbの一方が選択状態へ駆動され、他方は非選択状態を保持する。これにより、内部データバス線5aおよび5bには、付加容量10aおよび10bの一方が電気的に接続される。
次いで、行選択動作が行なわれ、ワード線WLaおよびWLbの一方が選択状態へ駆動される。次いで、ビット線BLおよび/BLにメモリセルから電荷が放出され、他方のビット線は、プリチャージ電圧(中間電位レベル)を保持する。図31において、Hレベルデータが読出される場合の動作波形を一例として示す。
次いで、コラムアドレスストローブ信号/CASの立下がりに応答して列選択動作が行なわれ、選択信号CSがHレベルに立上がり、列選択ゲートCGが導通する。これにより、ビット線BLおよび/BLが内部データバス線5aおよび5bに接続される。内部データバス線5aおよび5bもビット線BLおよび/BLと同様の中間電位レベルに保持されている。この状態において、選択メモリセルデータが読出されたビット線に対し付加容量が接続され、一方、プリチャージ状態を維持し、リファレンス電位を与えるビット線は付加容量から切離されている。この状態において、メモリセルからの放出電荷量が増大し、ビット線BLおよび/BLの電位差がさらに増大する。
このビット線BLおよび/BLならびに内部データバス線5aおよび5bの電位差が増大した状態において、転送指示信号φTRaおよびφTRbはともに非選択状態へ駆動する。これにより、内部データバス線5aおよび5bから付加容量10aおよび10bが切離される。この付加容量10aおよび10bの切離しの後、活性化信号PSが活性化され、データバスセンスアンプ7が活性化され、内部データバス線5aおよび5bおよびビット線BL,/BLの電位を差動的に増幅する。このとき、内部データバス線5aおよび5bには、付加容量は接続されていないため、データバスセンスアンプ7は、高速でセンス動作を行なって、高速でそれらの信号電位を読出されたデータに応じてHレベルおよびLレベルに駆動する。また、図示しない出力回路を介してメモリセルデータの読出が行なわれる。
メモリサイクルが完了すると、ロウアドレスストローブ信号/RASおよびコラムアドレスストローブ信号/CASがLレベルおよびHレベルに立上がり、選択ワード線WLが非選択状態へ、また列選択信号CSが非選択状態へ駆動され、次いで、データバス活性化信号PSが非活性状態とされる。この後、図示しないプリチャージ回路により、ビット線BLおよび/BLならびに内部データバス線5aおよび5bが、所定のたとえば中間電位レベルにプリチャージされる。
この図30に示すように、データバス線5aおよび5bに付加容量10aおよび10bを接続し、メモリセルから電荷が転送される期間のみ付加容量を接続することにより、転送動作時におけるビット線容量を大きくして大きな読出電圧を生成し、かつセンス動作時センスアンプの駆動すべき容量を小さくすることができ、高速センス動作を実現することができる。また図30に示す構成においては、複数のビット線に対し共通に付加容量が設けられており、付加容量の数を大幅に低減することができ、アレイ占有面積を低減することができる。
この図32に示す転送指示信号φTRaおよびφTRbは、図27に示す構成において、転送指示信号φPTを発生する部分において、ロウアドレス信号RAと転送指示信号φPTのANDをとることにより容易に生成することができる。
なお、この実施の形態6において、スタンバイサイクル時において、内部データバス線またはビット線から付加容量80または10aおよび10bが切離されている。付加容量10aおよび10bまたは80は、スタンバイサイクル時において、ビット線BL,/BLまたは内部データバス線5aおよび5bに電気的に接続される構成が用いられてもよい。センス動作が行なわれるときのみ(センスアンプSAが活性状態のときまたはデータバスセンスアンプ7の活性状態の間)、このビット線BLおよび/BLから付加容量80または内部データバス線5aおよび5bから付加容量10aおよび10bが切離される構成が用いられてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態6に従えば、複数のビット線に対し1つの付加容量を設け、この付加容量はメモリセルデータの電荷転送時のみビット線に接続するように構成したため、センス動作時におけるセンスアンプまたはデータセンスアンプの駆動すべき負荷を小さくすることができ、高速センス動作が実現されるため、付加容量の数を低減することができ、アレイ占有面積を低減することができる。
[実施の形態7]
図33は、この発明の実施の形態7に従う強誘電体メモリの全体の構成を概略的に示す図である。図33において、メモリセルアレイは、複数個(図においては4個)のメモリサブアレイ100a,100b,100cおよび100dに分割される。メモリサブアレイ100a〜100dの各々は、行列状に配列されるメモリセルを含む。メモリサブアレイ100aとメモリサブアレイ100bの間にセンスアンプ帯102aが設けられ、メモリサブアレイ100cとメモリサブアレイ100dの間にセンスアンプ帯102bが設けられる。センスアンプ帯102aはメモリサブアレイ100aおよび100bの各列に対応して設けられたセンスアンプを含み、メモリサブアレイ100aおよび100bにより共有される。センスアンプ帯102bは、メモリサブアレイ100cおよび100dの各列に対応して設けられるセンスアンプを含み、メモリサブアレイ100cおよび100dにより共有される。
メモリサブアレイ100a〜100dそれぞれに対応して、図示しないロウアドレス信号をデコードし、対応のメモリサブアレイのアドレス指定された行を選択状態へ駆動するロウデコーダ104a,104b,104cおよび104dが設けられる。メモリサブアレイ100a〜100dに共通にコラムデコーダ106が設けられる。この図33に示す構成においては、選択メモリセル(選択ワード線)を含むメモリサブアレイのみが活性状態とされる。非選択メモリサブアレイは、プリチャージ状態を保持する。
センスアンプ帯102aに含まれるIOゲートを介してメモリサブアレイ100aおよび100bの選択列は内部データバス108aに接続される。センスアンプ帯102bに含まれるIOゲートを介してメモリサブアレイ100cおよび100dの選択列が内部データバス108bに接続される。この内部データバス108aおよび108bには付加容量は設けられていない。内部データバス108aおよび108bは、プリアンプ/選択回路110に信号を伝達する。このプリアンプ/選択回路110は、内部データバス108aおよび108bそれぞれに対応して設けられるプリアンプを含み、選択メモリセルデータが伝達された内部データバスに対して設けられたプリアンプのみが活性化されて増幅動作を行なう。このプリアンプ/選択回路110の出力信号は出力回路112へ与えられ、そこで外部読出データQに変換されて出力される。
センスアンプ帯102aに対しブロックアドレスBAとリード/ライト指示信号R/WZに従ってセンスアンプ帯のセンスアンプとメモリサブアレイ100aおよび100bの各列との接続を制御する列接続制御回路114aが設けられセンスアンプ帯102bに対し、ブロックアドレスBAとリード/ライト指示信号R/WZに従ってセンスアンプ帯102bに含まれるセンスアンプとメモリサブアレイ100cおよび100dの列の接続を制御する列接続制御回路114bが設けられる。
これらの列接続制御回路114aおよび114bは、読出動作モード時においては、センスアンプ帯に含まれるセンスアンプと対応の列の接続を維持する。書込動作時においてのみ選択メモリサブアレイをセンスアンプ帯の各センスアンプに接続し、これと対をなすメモリサブアレイの各列をセンスアンプ帯のセンスアンプから切離す。対をなすメモリサブアレイがともに非選択サブアレイの場合には、センスアンプ帯のセンスアンプがこれらの非選択メモリサブアレイ対の各列に接続される。
図34は、図33に示すメモリアレイ部の構成をより詳細に示す図である。図34においては、メモリサブアレイ100aおよび100bにおける1列の部分の構成を代表的に示す。メモリサブアレイ100cおよび100dにおいても同様の構成が設けられる。
メモリサブアレイ100aに含まれるビット線BLaおよび/BLaが対をなして配線され、ワード線WLaとこれらのビット線対BLaおよび/BLaの交差部に対応してメモリセルMCaが配置される。ワード線WLaと平行にプレート線PLaが配設される。メモリセルMCaは1例として2トランジスタ/2キャパシタ型の構成を備え、ビット線BLaおよび/BLaに相補な信号電位を伝達する。メモリサブアレイ100bのビット線BLbおよび/BLbが対をなして配設され、ビット線対BLbおよび/BLbとワード線WLbの交差部に対応してメモリセルMCbが配設される。このメモリセルMCbも同様1例として2トランジスタ/2キャパシタ型の構成を備える。ワード線WLbと平行に、プレート線PLbが配設される。これらのメモリセルMCaおよびMCbは、2トランジスタ/2キャパシタ型の構成を備えているが、1トランジスタ/1キャパシタ型の構成であってもよい。
ビット線BLaおよび/BLaに対し、ビット線分離指示信号BLIaに応答して導通し、ビット線BLaおよび/BLaを内部ノード120aおよび120bに接続するビット線分離ゲートBIGaが設けられる。ビット線BLbおよび/BLbに対して、ビット線分離指示信号BLIbに応答して導通し、ビット線BLbおよび/BLbを内部ノード120aおよび120bに接続するビット線分離ゲートBIGbが設けられる。
内部ノード120aおよび120bの間に、センスアンプ活性化信号/SOPおよびSONの活性化時活性化されて、この内部ノード120aおよび120bの信号電位を差動増幅するセンスアンプSAが設けられる。センスアンプSAは、交差結合されたpチャネルMOSトランジスタおよび交差結合されたnチャネルMOSトランジスタ、センスアンプ活性化信号/SOPの活性化時導通し、この交差結合されたpチャネルMOSトランジスタで構成されるフリップフロップを活性化するPセンス活性化トランジスタ、およびセンスアンプ活性化信号SONの活性化時導通し、交差結合されたnチャネルMOSトランジスタへ接地電圧Vssを伝達して、Nセンスアンプを活性化するNセンス活性化トランジスタを含む。
この内部ノード120aおよび120bに対し、さらに、ビット線イコライズ指示信号BLEQの活性化時活性化され、内部ノード120aおよび120bをビット線プリチャージ電圧VBLにプリチャージするビット線イコライズ/プリチャージ回路BQが設けられる。このビット線イコライズ/プリチャージ回路BQは、ビット線イコライズ指示信号BLEQの活性化時導通し、内部ノード120aおよび120bを電気的に短絡するイコライズトランジスタ、およびビット線イコライズ指示信号BLEQの活性化時導通し、内部ノード120aおよび120bにそれぞれプリチャージ電圧VBLを伝達するプリチャージトランジスタを含む。
この内部ノード120aおよび120bに対し、さらに、図示しないコラムデコーダから伝達される列選択信号CSに応答して導通し、内部ノード120aおよび120bを、それぞれ内部データバス線108aaおよび108abへ接続する列選択ゲートCGが設けられる。次に、この図34に示す構成の動作について、図35および図36に示す動作波形を参照して説明する。
まず、図35を参照して、メモリサブアレイ100aのメモリセルMCaの記憶データを読出す動作について説明する。
ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルのときには、ビット線イコライズ指示信号BLEQがHレベルであり、またビット線分離指示信号BLIaおよびBLIbもHレベルである。この状態において、内部ノード120aがビット線BLaおよびBLbに接続され、また内部ノード120bがビット線/BLaおよび/BLbに接続されている。したがって、ビット線BLa,BLb,/BLaおよび/BLbは、ビット線イコライズ/プリチャージ回路BQにより所定のプリチャージ電圧VBLにプリチャージされている。
ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルからLレベルに立下がると、メモリサイクルが始まり、このときに与えられるアドレスがロウアドレスとして取込まれる。このロウアドレスに含まれるブロックアドレスに従って、選択メモリセルがメモリサブアレイ100aに含まれることが示されると、ビット線イコライズ指示信号BLEQがLレベルとなり、ビット線イコライズ/プリチャージ回路BQが非活性状態となり、内部ノード120aおよび120b、ビット線BLa,BLb,/BLaおよび/BLbは、そのプリチャージ電圧VBLでフローティング状態となる。
メモリサブアレイ100aが選択メモリセルを含むため、ビット線分離指示信号BLIaおよびBLIbはデータ読出時においては、Hレベルを保持する。したがって、この状態において、ビット線BLaはビット線BLbに接続され、ビット線/BLaはビット線/BLbに接続されている。
次いで、行選択動作が始まり、選択ワード線の電位が上昇する。メモリセルMCaがアドレス指定されているため、ワード線WLaの電位がHレベルに立上がり、一方、メモリサブアレイ100bにおいては、ワード線WLbは非選択状態のLレベルを維持する。このワード線WLaの立上がりに応答して、メモリセルMCaの記憶データがビット線BLaおよび/BLaに読出される。ビット線BLaおよび/BLaは、それぞれ、ビット線BLbおよび/BLbに接続されているため、その浮遊容量は大きく、メモリセルMCaからは、大量の電荷が放出され、ビット線BLaおよび/BLaの信号電位が十分大きく変化する。このビット線BLaおよび/BLaの信号電位変化は、内部ノード120aおよび120bに伝達される。
次いで、所定のタイミングで、センスアンプ活性化信号/SOPおよびSONが活性状態へ駆動され、センスアンプSAがセンス動作を行ない、内部ノード120aおよび120bの信号電位を差動増幅し、読出データに応じて内部ノード120aおよび120bの電位をHレベルおよびLレベルに駆動する。
センスアンプSAのセンス動作が完了し、内部ノード120aおよび120bの電位が安定化すると、次いで、コラムデコーダが列選択動作を行ない、列選択信号CSをHレベルの選択状態へ駆動する。これにより、列選択ゲートCGが導通し、内部ノード120aおよび120bが内部データバス線108aaおよび108abに接続され、メモリセルデータの読出が行なわれる。
このデータ読出時においては、非選択メモリサブアレイ100cおよび100dはプリチャージ状態を維持している。
図35に示す動作波形から明らかなように、データ読出時において、選択メモリサブアレイの各ビット線を対をなす非選択メモリサブアレイのビット線に接続してデータの読出を行なうことにより、各ビット線BL,/BLの浮遊容量が大きくなり、付加容量を各ビット線に設けることなくビット線上の読出電圧振幅を大きくすることができる。これにより、付加容量を必要としないため、メモリセルアレイ占有面積を低減することができる。
次に、図36を参照して、データ書込動作について説明する。
この図36に示す動作波形図においては、メモリサブアレイ100aのメモリセルMCaへのデータ書込が行なわれる動作波形が一例として示される。
ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルのときには、メモリサブアレイ100aおよび100bがプリチャージ状態にあり、ビット線BLaがビット線BLbに電気的に接続され、またビット線/BLaがビット線/BLbに電気的に接続され、これらのビット線は、ビット線イコライズ/プリチャージ回路BQにより所定のプリチャージ電圧VBLにプリチャージされている。
ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルからLレベルへ立下がると、メモリサイクルが始まり、ビット線イコライズ指示信号BLEQがLレベルに立下がり、ビット線イコライズ/プリチャージ回路BQが非活性状態となり、ビット線BLa,BLb,/BLaおよび/BLbはプリチャージ電圧VBLでフローティング状態となる。
データ書込時においては、メモリアレイを特定するブロックアドレスに従って、選択メモリセルMCaを含むメモリサブアレイ100aに対するビット線分離指示信号BLIaはHレベルを維持し、一方、これと対をなす非選択メモリサブアレイに対するビット線分離指示信号BLIbがLレベルに立下がる。これにより、ビット線BLaおよび/BLaは内部ノード120aおよび120bに接続され、一方ビット線BLbおよび/BLbはこの選択ゲートCG、ビット線プリチャージ/イコライズ回路BQおよび内部ノード120aおよび120bから分離される。
この状態において、ワード線選択動作が行なわれ、ワード線WLaの電位がHレベルに立上がり、メモリセルMCaの記憶データがビット線BLaおよび/BLaに読出され、ビット線BLaおよび/BLaの電位が変化する。このときビット線BLaおよび/BLaは、内部ノード120aおよび120bに接続されているものの、ビット線BLbおよび/BLbから切離されており、その浮遊容量は十分小さく、ビット線BLaおよび/BLaの読出電圧振幅は十分小さく、メモリセルMCaのデータは非破壊的に読出される。次いで、図示しないコラムデコーダからの列選択信号CSがHレベルに立上がり、列選択ゲートCGが導通し、内部データバス線108aaおよび108abが内部ノード120aおよび120bを介してビット線BLaおよび/BLbに電気的に接続される。
この列選択動作において、内部データバス線には書込データが伝達されており、ビット線BLaおよび/BLaの電位が、この書込データに応じて変化する。メモリサブアレイ100aにおける非選択のビット線は、図36において破線で示すように、微小電位変化を生じているだけで、記憶情報は非破壊的に読出されて、分極状態の反転は生じていない。メモリサイクルが完了すると、ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルに立上がり、選択ワード線WLaの電位がLレベルに立下がり、メモリセルMCaがビット線BLaおよび/BLaから切離され、次いで、ビット線分離指示信号BLIbがHレベルとなり、ビット線イコライズ指示信号BLEQがHレベルとなり、ビット線BLa,/BLa,BLbおよび/BLbが元のプリチャージ電圧VBLにプリチャージされる。このプリチャージ動作時においては、列選択信号CSはLレベルの非選択状態に復帰している。
データ書込時においては、選択メモリセルアレイの選択列のみを、内部データバス線108aaおよび108abに接続することにより、データ書込を行なうライトドライバの負荷が軽減され、高速でデータの書込を行なうことができる。
図37は、図33に示す列接続制御回路の構成の一例を示す図である。図37においては、センスアンプ帯102aに対して設けられた列接続制御回路114aの構成を示す。列接続制御回路114bも同様の構成を備える。与えられるサブアレイ特定信号が異なるだけである。
図37において、列選択制御回路114aは、サブアレイ特定信号BAaおよびBAbを受けるEXOR回路114aaと、EXOR回路114aaの出力信号とサブアレイ特定信号BAaを受けるOR回路114abと、EXOR回路114aaの出力信号とサブアレイ特定信号BAbを受けるOR回路114acと、リード/ライト指示信号R/WZとロウアドレスストローブ信号/RASとOR回路114abの出力信号を受けるOR回路114adと、リード/ライト指示信号R/WZとロウアドレスストローブ信号/RASとOR回路114acの出力信号を受けるOR回路114aeを含む。OR回路114adからビット線分離指示信号BLIaが出力され、OR回路114aeからビット線分離指示信号BLIbが出力される。
サブアレイ特定信号BAaは、メモリサブアレイ100aが選択メモリセルを含むときにHレベルの活性状態とされる。サブアレイ特定信号BAbは、メモリサブアレイ100bが選択メモリセルを含むときにHレベルの活性状態とされる。これらのサブアレイ特定信号BAa,BAbは、ロウアドレス信号に含まれるたとえば2ビットの最上位アドレスをデコードすることにより生成される。サブアレイ特定信号BAaおよびBAbがともにLレベルであり、メモリサブアレイ100aおよび100bがともにプリチャージ状態を維持すべきときには、このEXOR回路114aaの出力信号がHレベルとなる。これにより、OR回路114ab,114acの出力信号がHレベルとなり、応じてOR回路114adおよび114aeから出力されるビット線分離指示信号BLIaおよびBLIbはHレベルとなる。
一方、メモリサブアレイ100aおよび100bの一方が選択メモリセルを含む場合、サブアレイ特定信号BAaおよびBAbの一方が選択状態となり、他方は非選択状態を維持する。この場合、EXOR回路114aaの出力信号はLレベルとなる。今、サブアレイ特定信号BAaがHレベル、サブアレイ特定信号BAbがLレベルの場合を考える。この場合には、OR回路114abの出力信号がHレベル、OR回路114acの出力信号がLレベルとなる。データ読出時動作モード時においては、リード/ライト指示信号R/WZは、Hレベルであり、OR回路114abおよび114acの出力信号の論理レベルにかかわらず、ビット線分離指示信号BLIaおよびBLIbはHレベルを維持する。一方、リード/ライト指示信号R/WZがLレベルであり、データ書込動作が示されているときには、ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルに立下がると、OR回路114adおよび114aeの出力信号はOR回路114abおよび114acの出力信号と同じ論理レベルとなる。したがって、サブアレイ特定信号BAaが選択状態のときには、ビット線分離指示信号BLIaはHレベルであり、一方ビット線分離指示信号BLIbはLレベルとなる。これにより、データ書込時非選択メモリサブアレイ100bがセンスアンプ帯から切離され、選択メモリセルアレイ100aがセンスアンプ帯に接続される。
図38は、センスアンプ制御部の構成の一例を概略的に示す図である。図38においては、センスアンプ帯102aに対するセンスアンプ制御部の構成を示す。センスアンプ帯102bに対しても、同様の構成が設けられる。
図38において、センスアンプ制御部は、サブアレイ特定信号BAaおよびBAbを受けるOR回路120aと、リード/ライト指示信号R/WZとOR回路120aの出力信号とを受けるAND回路120bと、AND回路120bの出力信号がHレベルのとき活性化され、ロウアドレスストローブ信号/RASに従って、所定時間経過後、センスアンプ活性化信号/SOPおよびSONを活性状態へ駆動するセンスアンプ制御回路120cを含む。このセンスアンプ制御回路120cは、単にロウアドレスストローブ信号/RASを所定時間遅延する回路であり、この遅延回路の出力信号の有効/無効がAND回路120bの出力信号により決定される。
データ読出動作時において、サブアレイ特定信号BAaおよびBAbの一方が選択状態のときには、OR回路120aの出力信号がHレベルとなり、応じてAND回路120bの出力信号がHレベルとなり、センスアンプ制御回路120cが活性化される。これにより、センスアンプ制御回路120cからのセンスアンプ活性化信号/SOPおよびSONが、ロウアドレスストローブ信号/RASが活性状態とされてから所定時間経過後に活性状態とされる。
一方、サブアレイ特定信号BAaおよびBAbがともに非活性状態のLレベルのときまたはリード/ライト指示信号R/WZがLレベルでありデータ書込を示しているときには、AND回路120bの出力信号はLレベルであり、センスアンプ制御回路120cは、非活性状態を維持する。これにより、データ読出時における非選択メモリサブアレイまたはデータ書込動作時においては、センスアンプ活性化信号/SOPおよびSONは非活性状態を維持する。
データ書込動作モード時において、センスアンプ非活性状態において、書込データが選択列のメモリセルに伝達される。このとき、選択列に対応するビット線電位は電源電圧Vccおよび接地電圧Vssレベルに変化するが、センスアンプSAにおいては、センスアンプ活性化トランジスタが非導通状態にあり、電源線Vccおよび接地線Vssから分離されているため、リーク電流がセンスアンプSAにおいて生じることはなく、確実にメモリセルへデータを書込むことができる。
なお、この図33に示すメモリアレイの構成においては、センスアンプ帯は、メモリサブアレイのそれぞれの一方側にのみ整列して配置されている。しかしながら、センスアンプが各メモリサブアレイの両側に交互に各1列おきごとに配置される「交互配置型シェアードセンスアンプ」構成が用いられてもよい。また、メモリサブアレイの数は4より多くてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態7に従えば、データ読出動作モード時においては、選択メモリサブアレイの各列をこれと対をなすメモリセルアレイの各列と接続するように構成しているため、ビット線の浮遊容量が大きくなり、選択メモリセルの放出電荷量を大きくすることができ、十分な大きさの信号電位をビット線上に生じさせることができる。また、データ書込時においては、センスアンプを非活性状態としかつ選択メモリサブアレイの列を、これと対をなす非選択メモリセルアレイの各列と切離しているため、選択メモリサブアレイの非選択列のメモリセルのデータを非破壊的に読出しかつ選択列のメモリセルへは、高速でデータの書込を行なうことができる。また書込時の消費電流も低減できる。
また、単にビット線の接続/非接続により各ビット線の浮遊容量を大きくしているため、別に付加容量を設ける必要がなく、アレイ占有面積を低減することができる。
[実施の形態8]
図39は、この発明の実施の形態8に従う強誘電体メモリの要部の構成を示す図である。図39においては、1つのメモリセルおよび1つのビット線に接続される付加容量の断面構造を概略的に示す。
図39において、メモリセルは、P型半導体基板(またはウェル)125表面に間をおいて形成される高濃度N型不純物領域(N+)126aおよび126bと、これらの不純物領域126aおよび126bの間の半導体基板125表面上にゲート絶縁膜127を介して形成されるワード線WLを構成する導電層128と、このワード線を構成する導電層128上層に形成される、ストレージノード129を形成する導電層129aと、導電層129a上に形成される強誘電体膜130と、この強誘電体膜130上に形成されるプレート線(PL)を構成する導電層132を含む。導電層129aは、導電層129bにより、不純物領域126bに接続される。不純物領域126aは、この導電層129aとワード線を構成する導電層128の間の配線層に形成されるビット線(BL)134に接続される。
このプレート線を構成する導電層132は、プレート線電圧VCPが一定の場合には、すべてのメモリセルに共通に配設され、一方、パルス方式で選択行のメモリセルに対してのみ読出/書込パルスが印加される場合には、このプレート線を構成する導電層132は、各行単位で分離して配置される。
付加容量は、ビット線(BL)を構成する導電層134上層に形成されかつこのビット線の導電層134に直接コンタクトがとられる導電層135と、この導電層135上に形成される強誘電体膜137と、プレート電極層と同一配線層に形成される導電層139を含む。導電層135は、メモリセルキャパシタの導電層129aと同一配線層に形成され、同一プロセスで形成される。強誘電体膜137も、このメモリセルキャパシタの強誘電体膜130と同一プロセスで形成される。したがって強誘電体膜137は、メモリセルキャパシタの強誘電体膜130と同一材料および同一膜厚を有する。導電層139は、プレート線を構成する配線層と同一配線層に形成される。すべてのメモリセルに共通にプレート線電圧が印加される場合には、この導電層139とプレート線を構成する導電層132は同じ導電層である。プレート線電圧がパルス方式で与えられる場合には、この導電層139はプレート線を構成する導電層132と同一プロセスで同一配線層に互いに分離して形成される。
この図39に示す構成の場合、付加容量の一方電極(ストレージノード)を構成する導電層135はビット線を構成する導電層130に直接コンタクトがとられる。したがって、メモリセルキャパシタのように、コンタクトのための導電層129bを用いてP型半導体基板125表面に形成された不純物領域に接続するとともに、この不純物領域を介してビット線に接続する必要はない。したがって、付加容量の占有面積を不純物領域を設ける必要がない分小さくすることができ、ビット線付加容量占有面積を小さくすることができる。
[実施の形態9]
図40は、この発明の実施の形態9に従う強誘電体メモリの要部の構成を示す図である。図40においては、メモリセルアレイ部の構成を概略的に示す。この図40に示す構成において、メモリセルMCが行方向および列方向に整列して配置される。メモリセルMCは、破線の円内に示すように、強誘電体キャパシタで構成されるメモリセルキャパシタCとnチャネルMOSトランジスタで構成されるアクセストランジスタTを備える1トランジスタ/1キャパシタ型の構成を備える。プレート電圧VCPは一定でもよくパルス形式でもよい。
この1トランジスタ/1キャパシタ型のメモリセルにおいて、列方向に整列して配置されるメモリセル各列に対しビット線BLが配置され、各ビット線には対応の列方向に整列して配置されたメモリセルが接続される。行方向に整列して配置されたメモリセルに対してワード線WLが配置され、これらのワード線WLには、対応の行方向に整列して配置されたメモリセルが接続される。
この図40に示すメモリアレイ配置において、行方向および列方向において、2つ連続してメモリセルが配置されると、1つのメモリセル領域の空き領域を生成し、続いて2つのメモリセルを連続して配置する。隣接行においては、行方向のメモリセルの配置パターンは異なり、また列方向においても隣接列においてはメモリセルの配置パターンが異なる。
すなわち、列方向においては、3本のワード線WLを単位として、この3本のワード線のうち2つのワード線にメモリセルが接続され、残りの1本のワード線にはメモリセルは接続されない。同様、行方向においても、3本のビット線BLを単位として、この単位の3本のビット線のうち2本のビット線にメモリセルが接続され、残りの1本のビット線にはメモリセルは接続されない。このメモリセル配置は、1つのメモリセルに対し列方向に3F、行方向に2Fの長さをとることができ、メモリセルの占有面積として、3F・2F=6F2 のメモリセル面積を実現する。ここで、Fは、ワード線ピッチおよびビット線ピッチの1/2を示す。
図40において、6本のワード線WL0〜WL5を代表的に示し、また6本のビット線BL0〜BL5を代表的に示す。したがってビット線BL0〜BL2が1つの組となり、ビット線BL3〜BL5が1つの組となる。同様、ワード線WL0〜WL2が1つの組となり、ワード線WL3〜WL5が1つの組となる。この行方向および列方向において、図40に示すメモリセル配置が繰返される。したがって、ワード線WL0とワード線WL3はそのメモリセルの配置の位置が同じであり、ワード線WL1とWL4は同じメモリセル配置位置を有し、ワード線WL2およびWL5は、同じメモリセル配置を有する。同様、ビット線BL0がビット線BL3と同じメモリセル配置を有し、ビット線BL1がビット線BL4と同じメモリセル配置を有し、ビット線BL2とビット線BL5が同じメモリセル配置を有する。メモリセル配置パターンは、図40において括弧内に示すように、3の剰余系で同定され、3で各ワード線番号またはビット線番号を割ったときの余りが同じ場合には、同じメモリセル配置を有する。
ビット線BL0〜BL5それぞれに対して、ビット線選択ゲートSG0〜SG5が設けられる。これらのビット線選択ゲートSG0〜SG5は、それぞれ対応のビット線BL0〜BL5を内部データバス線5aまたは5bに接続する。内部データバス線5aおよび5bには、それぞれ付加容量10aおよび10bが設けられ、ビット線選択時におけるビット線の浮遊容量を大きくする機能を備える。この内部データバス線5aおよび5bに対して、交差結合型のMOSトランジスタで構成されるデータバスセンスアンプ7が配置される。
この図40に示すメモリセル配置において、ビット線の浮遊容量は小さく、ビット線が内部データバス線5aおよび5bと分離されている場合には、このメモリセルMCのデータは非破壊的に読出すことができる。この図40に示す配置において、選択メモリセルを含むビット線とこの選択ビット線に対し基準電位を与えるビット線を選択して内部データバス線5aおよび5bに接続する。たとえば、図40において、ワード線WL2とビット線BL2の交差部に対応して配置されるメモリセルが選択された場合、ビット線BL2およびBL3を選択して、内部データバス線5aおよび5bに接続する。これにより、データバスセンスアンプ7により、メモリセルデータの差動増幅を行なうことができる。
図41は、この選択メモリセル位置とそのときに導通状態とされるビット線選択ゲートの対応関係を一覧にして示す図である。
図41において、ワード線WLおよびビット線BLを、それぞれ単位内の番号を付している(これは、各ワード線番号またはビット線番号を3で除算し、その余りを求めることにより得ることができる:これはモジュロ3の演算である)。
(i) ワード線WL0が選択されたとき:
ビット線BL0が選択された場合には、このビット線BL0と図示しないビット線BL0よりも上方のビット線BL(−1)を選択するため、選択ゲートSG0およびSG(−1)を選択する。ビット線BL1が指定された場合には、ビット線BL1およびビット線BL2を選択する。ビット線BL2が指定された場合には、この交差部にはメモリセルは存在せず、この状態では選択は任意(X:ドントケア)とされる(これは、アドレススクランブルにより実現される)。
(ii) ワード線WL1が選択されたとき:
ビット線BL0が選択された場合には、ビット線BL0およびビット線BL1を選択する。ビット線BL1が選択された場合には、交差部にはメモリセルが存在しないため、この状態は選択は任意とされる。ビット線BL2が選択された場合には、ビット線BL2とビット線BL1とを選択する。
(iii) ワード線WL2が選択されたとき:
ビット線BL0が選択された場合、交差部には、メモリセルは存在せず、この状態は選択は任意とされる。ビット線BL1が選択された場合には、ビット線BL0およびBL1を選択する。ビット線BL2が選択された場合には、ビット線BL2およびその1列下のビット線BL3を選択する。この図41に示す関係から、ビット線およびワード線の番号から、同時に選択状態とされるビット線選択ゲートを求めることができる。
図42に、この選択ワード線および選択ビット線と同時に選択状態とされるリファレンスビット線の関係を一覧して示す。図42において、数字iは、ワード線WLkの番号kに3のモジュロ演算を行なった値を示す。数字jは、ビット線BLlのビット線番号lをモジュロ3で演算した値を示す。この状態において、i+jの値を算出する。i+j=0の場合には、選択列は、単位内でビット線jおよび1列前のビット線j−1である。i+j=1の場合には、選択列はjおよび1列下のj+1である。i+j=2の状態は存在しないため、選択は任意である。i+j=3は、モジュロ3の演算を行なえば、0と同じであり、ビット線jおよびj−1が選択される。i+j=4の場合、モジュロ3の演算で1と同じであり、対応のビット線jおよび1列下のビット線j+1が選択される。
すなわち、このi+jのモジュロ3の値に従って、選択ビット線BLlと1列上位または1列下位のビット線を同時に選択する。
図43は、ビット線選択信号CSG発生部の構成を概略的に示す図である。図43において、ビット線選択信号発生部は、外部から与えられるアドレスをワード線およびビット線の物理的配置位置に対応した物理アドレスに変換する物理アドレス変換部200と、この物理アドレス変換部200から与えられたロウアドレス信号をデコードし、ワード線を選択状態へ駆動するロウデコーダ202と、この物理アドレス変換部200から与えられたコラムアドレスをデコードし、アドレス指定されたビット線を選択するビット線選択信号CSGを発生するコラムデコーダ204と、物理アドレス変換部200からの物理アドレス信号にモジュロ3の演算を行ない、その演算結果に従って、コラムデコーダ204により同時に選択状態とされるビット線選択信号を決定するモジュロ演算部204を含む。この物理アドレス変換部200は、メモリ外部に設けられていてもよい。ワード線およびビット線の番号が、物理アドレス変換部200から与えられたロウアドレスおよびコラムアドレスにより2進表示される。
図44は、この図43に示すモジュロ演算部204の内部構成を概略的に示す図である。モジュロ演算部204は、物理アドレス変換部200から与えられるロウアドレスおよびコラムアドレスを受け、これらのロウアドレスおよびコラムアドレスそれぞれを10進値に変換する10進変換部204aと、この10進変換部204aにより変換された10進値の各桁の値を加算する各桁加算部204bと、この各桁加算部204bにより計算された値を3で割り、その余りを求める除算器204cと、除算器204cからのロウアドレスについての剰余値iおよびコラムアドレスについての剰余値jを加算する加算器204dと、この加算器204dの加算値を3で除算し、その剰余値を求める除算器204eを含む。
この図44に示すモジュロ演算部204は、たとえばDSP(ディジタルシグナルプロセサ)などで構成されてもよい。次にこの図44に示すモジュロ演算部204の動作について説明する。10進変換部204aは、物理アドレス変換部200から与えられたアドレスAddを10進値に変換する。この演算は、A=Σai・2i で表わされる。ここで、aiは、値0または1をとる。この10進変換部204aは、ロウアドレスおよびコラムアドレスそれぞれについて10進値を求める。各桁加算部204bは、この求められた10進値Aの各桁の値Aiを10進加算して加算値Bを求める。この各桁加算部204bもロウアドレスおよびコラムアドレスそれぞれについて10進演算を行なって加算値を求める。次いで除算器204cが、この各桁加算部204bから与えられた加算値Bに対しモジュロ3の演算を施し、ロウアドレスおよびコラムアドレスそれぞれについて剰余値iおよびjを算出する。この剰余値iおよびjは、ワード線単位およびビット線単位内の選択ワード線および選択ビット線の位置を示し、加算器204dで加算されて除算器204eへ与えられる。除算器204eは、3でこの加算器204dから与えられた加算値を除算し、その剰余値を求める。これは、モジュロ3の演算に対応する。
除算器204eの出力値が0の場合には、シフト信号φSH−が活性状態とされ、除算器204eから出力値が1の場合には、シフト信号φSH+が活性状態とされる。シフト信号φSH+およびφSH−は、コラムデコーダからのビット線選択信号CSGlのシフト方向を決定する。シフト信号φSH−が活性状態とされると、ビット線選択信号CSGlおよびCSGl−1が同時に活性状態とされ、シフト信号φSH+が活性状態とされると、ビット線選択信号CSGlおよびCSGl+1が活性状態とされる。
コラムデコーダ204はこのシフト信号φSH−およびφSH+に従ってそのビット線選択信号のシフト動作を行なう。
図45は、コラムデコーダ206の構成の一例を示す図である。図45においては、4つのビット線選択信号CSGj−1,CSGj,CSGj+1およびCSGj+2に対して設けられた部分の構成を示す。図45において、コラムデコーダ206は、与えられたコラムアドレス信号をデコードし、対応のビット線がアドレス指定されたときに、その出力信号をHレベルへ駆動するAND型デコード回路216j−1,216j,216j+1および216j+2と、このAND型デコード回路216j−1〜216j+2それぞれに対応して設けられ、各々が一方入力に対応のAND型デコード回路の出力信号を受けるOR回路218j−1,218j,218j+1および218j+2を含む。OR回路218j−1〜218j+2からビット線選択信号CSGj−1〜CSGj+2がそれぞれ出力される。
コラムデコーダ206は、さらに、シフト信号φSH−に従って、AND型デコード回路の出力信号を1列上位方向(ビット線番号の小さい方向)へシフトする転送ゲート220と、シフト信号φSH+に従って、AND型デコード回路216の出力信号を1列下位方向のOR回路の他方入力へ伝達する転送ゲート222を含む。図45において、AND回路216jの出力信号は、転送ゲート220jを介してOR回路218i−1の他方入力へ与えられ、AND回路216j+1の出力信号が、転送ゲート220j+1を介してOR回路218jの他方入力へ与えられ、同様、転送ゲート220j+2により、AND回路216j+2の出力信号がOR回路218j+1の他方入力へ与えられる。
一方、転送ゲート222j−1は、AND回路216i−1の出力信号をOR回路218jの他方入力へ伝達し、転送ゲート222jが、AND回路216jの出力信号をOR回路218j+1の他方入力へ伝達し、転送ゲート222j+1がAND回路216j+1の出力信号をOR回路218j+2の他方入力へ伝達する。
この図45に示すコラムデコーダの構成を用いれば、ビット線選択信号CSGjが選択状態のとき、転送ゲート群220または222により、ビット線選択信号CSGj−1またはビット線選択信号CSGj+1が同時に選択状態へ駆動される。これにより、同時に、選択メモリセルが接続するビット線とメモリセルデータに対し基準電位を与えるリファレンスビット線とを選択状態とすることができる。
なお、この実施の形態9の構成において、ロウアドレスとコラムアドレスとが同時に与えられる構成が用いられてもよく、またロウアドレスが与えられて、先に値iについての算出動作を行ない、次いでコラムアドレスが与えられたときに、値jの算出動作が行なわれ、データバスセンスアンプ活性化前に、リファレンスビット線が選択されて内部データバス線に接続される構成が用いられてもよい。
[変更例1]
図46は、この発明の実施の形態9の変更例1の構成を概略的に示す図である。図46において、行方向にワード線WL0〜WL3,…が配設され、列方向にビット線BL0〜BL3,…が配設される。図46においては、ワード線WL0〜WL3およびビット線BL0〜BL3を代表的に示す。これらワード線WL0〜WL3およびビット線BL0〜BL3の交差部に対応して、所定の配置順序でメモリセルMCが配置される。このメモリセルMCの配置順序は、図40に示すものと同じである。
ワード線WL0〜WL3,…に対し、アドレス信号に従ってワード線を選択状態へ駆動するためのロウデコーダ202が設けられる。ビット線BL0〜BL3,…に対しては、コラムデコーダ206からの列選択信号CSG0〜CSG254の出力信号に従ってビット線と内部データバス線とを接続するビット線選択ゲート群SGが配置される。
このビット線BL0〜BL3と平行に、ロウデコーダ202の出力部に、行グループ特定信号線210a,210bおよび210cが配置される。これらの行グループ特定信号線210a,210bおよび210cは、プリチャージトランジスタ211a,211bおよび211cを介して電源電圧Vccレベルにプリチャージされる。これらのプリチャージトランジスタ211a〜211cは、pチャネルMOSトランジスタでたとえば構成されており、プリチャージ指示信号/RPRの活性状態(Lレベル)のときに導通し、対応の行グループ特定信号線210a〜210cを電源電圧レベルにプリチャージする。ワード線WL0〜WL3とこれらの行グループ特定信号線210a〜210cの交差部に対応して、放電トランジスタPG0〜PG3が所定のシーケンスで配置される。
これらの放電トランジスタPG0〜PG3は、対応のワード線番号のモジュロ値(3のモジュロ値)に従って対応のワード線が選択状態へ駆動されたとき、対応の行グループ特定信号線210a〜210cを接地電位レベルに放電するように配置される。行グループ特定信号線210aはワード線番号の3のモジュロ値0のグループを特定し、行グループ特定信号線210bは、ワード線番号の3のモジュロ値が1のワード線を特定し、行グループ特定信号線210cは、ワード線番号の3のモジュロ値が2のワード線を特定する。たとえば、ワード線WL0は選択状態へ駆動されると、放電トランジスタPG0が導通し、行グループ特定信号線210aを接地電位レベルに放電する。ワード線WL1が選択状態へ駆動されると、行グループ特定信号線210bが放電トランジスタPG1を介して接地電位レベルへ放電される。ワード線WL2が選択状態へ駆動されると、放電トランジスタPG2が導通し、行グループ特定信号線210cが接地電位レベルへ放電される。ワード線WL3が選択状態へ駆動されると、放電トランジスタPG3が導通し、行グループ特定信号線210aが接地電位レベルへ放電される。
コラムデコーダ206の出力部に対して、ワード線WLと平行に列グループ特定信号線215a,215bおよび215cが配設される。列グループ特定信号線215aはビット線番号の3のモジュロ値が0の列群を特定する。列グループ特定信号線215bは、列番号の3のモジュロ値が1の列群を特定する。列グループ特定信号線215cは、列番号の3のモジュロ値が2の列群を特定する。これらの列グループ特定信号線215a〜215cそれぞれに対し、プリチャージ指示信号/CPRの活性化時導通し、これらの列グループ特定信号線215a〜215cを電源電圧Vccレベルにプリチャージするプリチャージトランジスタ216a,216bおよび216cが設けられる。
列選択信号線CSG0〜CSG254(列選択信号と列選択信号線とを同じ参照符号で示す)と列グループ特定信号線215a〜215cの交差部に対応して放電トランジスタQG0〜QG254が配置される。これらの放電トランジスタQG0〜QG254は、対応の列選択信号線が選択状態へ駆動されると、この列選択信号に対応する列グループ特定信号線を接地電位レベルへ放電するように配置される。たとえば、列選択信号線CSG0が選択状態へ駆動されると、放電トランジスタQG0が導通し、列グループ特定信号215aを接地電位レベルへ放電する。列選択信号線CSG1が選択状態へ駆動されると、放電トランジスタQG1が導通し、列グループ特定信号線215bが接地電位レベルへ放電される。列選択信号線CSG2が選択状態へ駆動されると、放電トランジスタQG2が導通し、列グループ特定信号線215cが接地電位レベルへ放電される。同様にして、このビット線(列)番号の3のモジュロ値に応じて、対応の列グループ特定信号線が接地電位レベルへ放電される。
これらの列グループ特定信号線210a〜210cおよび列グループ特定信号線215a〜215cは、デコード回路220へ与えられる。デコード回路220は、これらの信号線210a〜210cおよび215a〜215c上の信号電位をデコードし、シフト信号φSH+およびφSH−を発生してコラムデコーダ206へ与える。次に動作について簡単に説明する。
スタンバイ状態においては、プリチャージ指示信号/RPRが活性状態のLレベルにあり、同様、コラム系のプリチャージ指示信号/CPRも活性状態のLレベルである。この状態においては、プリチャージトランジスタ211a〜211cおよび216a〜216cがすべて導通状態にあり、行グループ特定信号線210a〜210cおよび列グループ特定信号線215a〜215cはすべて電源電圧レベルにプリチャージされる。行選択動作が始まると、プリチャージ指示信号/RPRがHレベルの非活性状態とされ、これらの行グループ特定信号線210a〜210cが電源電圧レベルでフローティング状態とされる。ロウデコーダ202からの出力信号により、ワード線が選択状態へ駆動されると、選択ワード線に従って対応のプリチャージトランジスタが導通し、この選択ワード線が含まれるグループに対応する行グループ特定信号線が接地電位レベルへ放電される。
また、列選択動作においても、コラムデコーダ206の動作前に、プリチャージ指示信号/CPRがHレベルの非活性状態となり、プリチャージトランジスタ216a〜216cがすべて非導通状態となり、列グループ特定信号線215a〜215cがすべて電源電圧レベルでフローティング状態とされる。次いでコラムデコーダ206の列選択動作により、列選択信号線CSG0〜CSG254のいずれかが選択状態へ駆動される。これにより、選択状態へ駆動された列選択信号線が属する列グループに従って対応の列グループ特定信号線が接地電位レベルへ放電される。デコード回路220は、これらのグループ特定信号線210a〜210cおよび215a〜215cの電圧レベルに応じて、いずれのワード線グループおよびビット線グループが選択状態へ駆動されたかを判定し、その判定結果に従ってシフト信号φSH+およびφSH−のいずれかを活性状態とする。コラムデコーダ206は、このシフト信号φSH+およびφSH−に従って、列選択信号のシフト動作を行ない、隣接する2本の列選択信号を同時に選択状態へ駆動する。これにより、2つのビット線、すなわちメモリセルが接続するビット線と基準電位を与えるリファレンスビット線とを同時に選択することができる。
デコード回路220の構成は、単に図42に示す関係が実現される構成であればよい。たとえば、ワード線WL0および列選択信号線CSG0が選択状態へ駆動されると、この状態は、i+j=0に対応し、デコード回路220は、シフト信号φSH−を活性状態とする。一方、ワード線WL0と列選択信号線CSG1が選択状態へ駆動されると、この状態はi+j=1に対応し、デコード回路220は、シフト信号SH+を活性状態へ駆動する。
この図46に示す構成の場合、単に、グループ特定信号210a〜210cおよび215a〜215cの電位レベルに従ってシフト動作の方向を決定している。したがって、複雑な演算を利用する必要がなく、高速で必要とされるビット線を選択状態へ駆動することができ、高速アクセスが可能となる。
[変更例2]
図47は、この発明の実施の形態9に従う強誘電体メモリの変更例2の構成を示す図である。この図47に示す構成においては、メモリセルアレイのビット線の一方側に内部データバス線5aおよび5bが配列され、これらのビット線の他方端部に内部データバス線205aおよび205bが配設される。図47においては、ビット線BL0〜BL5およびワード線WL0〜WL2を代表的に示す。行方向および列方向それぞれに沿って、図40に示すメモリセル配置と同じ配置でメモリセルMCが配置される。
選択列に対応するビット線およびリファレンスビット線を選択するために、ビット線BL0〜BL5の一方側端部に、選択回路SRGと内部データバス線5aおよび5bの間に、選択ゲートTR0〜TR5がそれぞれビット線BL0〜BL5に対応して配置される。ビット線BL0〜BL5の他方側端部に、選択回路SRGと内部データバス線205aおよび205bの間に、ビット線BL0〜BL5それぞれに対応して選択ゲートTL0〜TL5が配置される。
選択ゲートTR0およびTR1はそのゲートに、ビット線選択信号CSG0およびCSG1を受けるOR回路OR0の出力信号を受ける。選択ゲートTR2およびTR3はそれぞれのゲートに、ビット線選択信号CSG2およびCSG3を受けるOR回路OR2の出力信号を受ける。選択ゲートTR4およびTR5は、ビット線選択信号CSG4およびCSG5を受けるOR回路OR4の出力信号を受ける。このビット線選択信号CSGはコラムデコーダ230から出力され、2本の隣接ビット線が同時に選択される。コラムデコーダ230は、AND型デコード回路を備え、コラムアドレス信号ビットCA0〜CAnをデコードし、選択列に対応するビット線を選択する信号を生成する。この図47に示す構成において、コラムデコーダ230は、シフト機能を備えておらず、アドレス指定された列に対応するビット線のみを選択する信号を生成する。
選択ゲートTL1およびTL2は、ビット線選択信号CSG1およびCSG2をゲートに受けるOR回路OL1の出力信号を受ける。選択ゲートTL3およびTL4は、ビット線選択信号CSG3およびCSG4を受けるOR回路OL3の出力信号を受ける。選択ゲートTL5は、ビット線選択信号CSG5およびCSG6を受けるOR回路OL5の出力信号を受ける。選択ゲートTL0は、図示しないOR回路の出力信号を受ける。
図47に示すように、同時に、1対のビット線が選択される。しかしながら、この選択態様は、OR回路OR0,OR2およびOR4が同時に選択状態とするビット線対と、OR回路OL1,OL3およびOL5が同時に選択状態とするビット線とは、1本だけワード線延在方向に沿ってずれている。この1本ずつずらして同時にビット線対を選択する構成とすることにより、ビット線選択時、上位方向にシフトされたリファレンスビット線または下位方向にシフトされたリファレンスビット線の選択が可能となる。
この選択回路SRGおよびSLGの選択動作を制御するために、シフト信号φSH+およびφSH−ならびに、最下位コラムアドレス信号ビットCA0および/CA0が用いられる。具体的に、この選択制御部は、シフト信号φSH−とコラムアドレスビット/CA0を受けるAND回路210aと、シフト信号φSH+とコラムアドレスビットCA0を受けるAND回路210bと、AND回路210aおよび210bの出力信号を受けるOR回路210cと、シフト信号φSH−とコラムアドレスビットCA0を受けるAND回路212aと、シフト信号φSH+とコラムアドレスビット/CA0を受けるAND回路212bと、AND回路212aおよび212bの出力信号を受けるOR回路212cを含む。コラムアドレスビットCA0は、選択されるビット線が偶数列のときに0の値をとり、奇数列が選択されたときに1の値をとる。ここで、“0”をLレベルの電位レベルに対応させ、“1”を、Hレベルの電位レベルに対応させる。
内部データバス線205aおよび205bは、内部データバス線5aおよび5bにそれぞれ接続される。内部データバス線5aおよび205aに対しては、付加容量20aaおよび20abと、ライトドライブ指示信号/WEの非活性化時導通し、付加容量20aaを内部データバス線5aに接続するnチャネルMOSトランジスタ32aと、ライトドライブ指示信号WDEの非活性化時導通し、付加容量20abを内部データバス線5aに接続するpチャネルMOSトランジスタ34aが設けられる。内部データバス線5bに対しては、付加容量20baおよび20bbとライトドライブ指示信号/WBEの非活性化時導通し、付加容量20beを内部データバス線5bに接続するnチャネルMOSトランジスタ32bと、ライトドライブ指示信号WDEの非活性化時導通し、付加容量20bbを内部データバス線5bに接続するpチャネルMOSトランジスタ5bが設けられる。付加容量20aaおよび20abは、その一方電極ノードが接地ノードに接続され、付加容量20abおよび20bbは、その一方電極ノードが電源ノードに接続される。
データ書込動作時においては、これらの付加容量20aa,20ab,20baおよび20bbは内部データバス線5aおよび5bから分離される。内部データバス線5aおよび5bならびに内部データバス線205aおよび205bには、データバスセンスアンプ7が設けられ、データ読出時、この内部データバス線5aおよび5bまたは205aおよび205bの電位を差動的に増幅し、選択列に対応して設けられたメモリセルデータの増幅および再書込を行なう。次に動作について簡単に説明する。
シフト信号φSH+およびφSH−は、先の実施の形態9において説明したシフト信号と同じである(図42参照)。選択回路SRGは、偶数番号の列を下位方向(ビット線番号の大きい方向)へシフトさせ、奇数番号のビット線を、上位方向(ビット線番号の小さい方向)へシフトしている。一方、選択回路SLGは、奇数番号のビット線を下位方向にシフトさせ、また偶数番号のビット線を上位方向にシフトさせている。このビット線が偶数であるか奇数であるかは、コラムアドレスビットCA0および/CA0により判定される。
したがって、シフト信号φSH+がHレベルであり、コラムアドレスビット/CA0がHレベルのときには、偶数列に対応して配置されたビット線とこの偶数列に配置されたビット線を下位方向にシフトさせたビット線とを同時に選択する必要がある。この状態においては、選択回路SRGが導通状態となる。シフト信号φSH−がHレベルであり、コラムアドレスビットCA0がHレベルのときには、奇数番号のビット線と、これを上位方向へシフトしたビット線とを同時に選択する必要がある。この場合には、AND回路212aがHレベルの信号を出力し、OR回路212cを介して選択回路SRGを導通状態とする。
一方、シフト信号φSH+がHレベルであり、コラムアドレスビットCA0がHレベルのときには、奇数番号に対応するビット線と、これを下位方向にシフトしたビット線とを同時に選択する必要がある。この状態においては、AND回路210bの出力信号がHレベルとなり、OR回路210cを介して選択回路SLGが導通する。また、シフト信号φSH−がHレベルであり、コラムアドレスビット/CA0がHレベルのときには、偶数番号のビット線とこれと上位方向に隣接するビット線とを同時に選択する必要がある。したがって、この状態において、AND回路210aがHレベルの信号を出力し、OR回路210cを介して選択回路SLGが導通する。
この選択回路SRGおよびSLGを用いて選択的に、シフト方向を設定することにより、先の変更例1の構成の場合と同様、ビット線選択信号のシフト動作を実現することができる。コラムデコーダにシフトのための回路を設ける必要がなく、コラムデコーダ占有面積を低減することができる。この図47に示す構成においては、選択列に接続するメモリセルと、リファレンス電位を与えるリファレンスビット線とが内部データバス線に接続される。この内部データバス線には、付加容量20aa,20abおよび20bb,20baが接続されている。したがって、選択メモリセルデータの放出電荷量が大きく、大きな信号電圧の読出を行なうことができ、データバスセンスアンプ7のセンス動作により、正確なセンス動作を行なうとともに、データが破壊的に読出されても、この破壊的に読出された選択メモリセルデータの再書込を実現することができる。
この実施の形態9において、電源投入後のリコール動作時においては、アドレスデコーダへカウンタからのアドレス信号を与えて列選択を行なうことにより、メモリセルが接続するビット線とリファレンス電位を与えるリファレンスビット線とを選択して、データバスセンスアンプ7を用いてデータの復元を行なうことができる。
以上のように、この発明の実施の形態9に従えば、ビット線およびワード線各々3本あたり2個のメモリセルを配置するように構成したため、通常の折返しビット線の構成または2トランジスタ/2キャパシタ型メモリセルのようにビット線対とワード線の交差部に対応してメモリセルを配置する構成に比べて、メモリセル占有面積を低減することができ、高密度のメモリセルアレイを実現することができ、大記憶容量のメモリを限られた面積内で実現することができる。
また、ビット線対の両側に内部データバス線を配置し、これらを、ビット線対を1本ずつずらして選択する構成により、容易にメモリセルが接続するビット線と基準電位を与えるリファレンスビット線とを同時に選択することができる。
1 メモリセルアレイ、2 ロウデコーダ、4 コラムデコーダ、5 内部データバス、7 データバスセンスアンプ、10,10a,10b 付加容量、SA センスアンプ、F1,F2 メモリセルキャパシタ、MC メモリセル、Cc メモリセルキャパシタ、Cr リファレンスセルキャパシタ、RFCa,RFCb リファレンスセル、BQ ビット線イコライズ/プリチャージ回路、PA Pセンスアンプ、NA Nセンスアンプ、20a0〜20an,20b0〜20bn 付加容量、GB0,/GB0〜GBn,/GBn グローバルビット線、LB00〜LBnm,/LB00〜/LBnm ローカルビット線、D,/DB 内部データバス線、20a,20b 付加容量、LD00〜LDmn ローカルデータバス、GD0〜GDn グローバルデータバス、20−0〜20−n 付加容量、7,7−0〜7−n データバスセンスアンプ、LDB0,/LDB0〜LDBm,/LDBm ローカルデータバス線、GDB,/GDB グローバルデータバス線、20−a,20−b,20aa,20ab,20ba,20bb 付加容量、30aa,30ab,30ba,30bb 付加容量、32a,32b MOSトランジスタ、34a,34b MOSトランジスタ、36a,36b MOSトランジスタ、RDB,/RDB 読出データ線、WDB,/WDB 書込データ線、40a,40b 付加容量、42a,42b MOSトランジスタ、50a,50b 付加容量、52a,52b MOSトランジスタ、67a,67b MOSトランジスタ、80 付加容量、82a,82b MOSトランジスタ、Fa,Fb メモリキャパシタ、84a,84b MOSトランジスタ、100a〜100d メモリサブアレイ、102a,102b センスアンプ帯、114a,114b 列選択制御回路、134 ビット線配線層、129a,135 ストレージノード相当導電層、130,137 強誘電体膜、132,139 プレート線相当導電層、125 半導体基板領域、126a,126b 不純物領域、128 ワード線相当導電層、SG0〜SG5 ビット線選択ゲート、204 モジュロ演算部、206 コラムデコーダ、220 デコード回路、SRD,SLD ビット線群選択回路、205a,205b 内部データバス線、230 コラムデコーダ。