JP2007122838A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気ランダムアクセスメモリの高速書き込みを実現する。
【解決手段】本発明の例に関わる半導体記憶装置の書き込み方法は、書き込み線WBL,WWLに流れる書き込み電流により発生する磁場を用いて書き込みを行うとき、書き込み線WBL,WWLの一端をフローティング状態にし、第1電源線Vddから書き込み線WBL,WWLの他端を経由して書き込み線WBL,WWLの充電を開始し、充電を開始した後に書き込み線WBL,WWLの一端を第2電源線Vssに接続し、書き込み線WBL,WWLに書き込み電流を流し、書き込みを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体記憶装置、特に、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM: magnetic random access memory)の書き込み方法に関する。
MRAMは、磁気抵抗効果(magneto-resistive effect)を有する磁気抵抗素子、例えば、MTJ(magnetic tunneling junction)素子を記憶素子として利用した半導体記憶装置であり、不揮発でありながら、高速、高集積及び高信頼という特長を併せ持つ新規メモリデバイスとして注目されている。
MTJ素子は、強磁性体/絶縁体/強磁性体からなるスタック構造を有し、2つの強磁性体の間に電圧を印加すると絶縁体にトンネル電流が流れる。このときの抵抗値は、トンネル磁気抵抗(TMR: tunneling magneto resistive)効果により、2つの強磁性体の磁化の向きの相対角に応じて変化する。
例えば、MTJの抵抗値は、2つの強磁性体の磁化の向きが同じ(平行)であるときに最も小さい値となり、逆に、2つの強磁性体の磁化の向きが逆(反平行)であるときに最も大きい値となる。
これを利用し、例えば、MTJの抵抗値が小さい状態を“0”、大きい状態を“1”として、MTJ素子に1ビットのデータを記憶する。
ここで、磁気ランダムアクセスメモリにおける書き込み方式については、低消費電力化や誤書き込み防止などの観点からいくつか提案されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
いずれの書き込み方式においても、書き込み配線を流れる電流によって発生する磁場を用いてMTJ素子のフリー層の磁化反転を行うことで書き込み動作を行う点は共通である。
ここで、書き込み動作開始時の書き込み電流波形について考える。書き込み電流を流し始めてから所望の電流値に達するまでの時間、所謂、電流立ち上がり時間は、書き込み電流が流れる経路を充電するために必要な時間であるため、電流経路のRC積に依存する。
これらの書き込み方式では、書き込み電流の波形の立ち上がり速度が遅く、書き込み速度を高速化できないという問題がある。
T. Tsuji, et.al., "A 1.2V 1Mbit Embedded MRAM Core with Folded Bit-Line Array Architecture", Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, Jun. 2004, pp.450-453 J. DeBrosse et al. "A 16 Mb MRAM Featuring Bootstrapped Write Drivers", Symposium On VLSI Circuits Digest of Technical Papers, Jun. 2004, pp. 454-457
本発明の例では、書き込み用電流を流すことで書き込み動作を行う半導体記憶装置、例えば、磁気ランダムアクセスメモリにおいて、書き込み速度を高速化できる書き込み方法について提案する。
本発明の例に関わる半導体記憶装置の書き込み方法は、書き込み線に流れる書き込み電流により発生する磁場を用いて書き込みを行うとき、前記書き込み線の一端をフローティング状態にし、第1電源線から前記書き込み線の他端を経由して前記書き込み線の充電を開始し、前記充電を開始した後に前記書き込み線の一端を第2電源線に接続し、前記書き込み線に前記書き込み電流を流して前記書き込みを行う。
本発明の例に関わる半導体記憶装置の書き込み方法は、書き込み線に流れる書き込み電流により発生する磁場を用いて書き込みを行うとき、第1電源線から前記書き込み線の一端及び他端の双方を経由して前記書き込み線の充電を開始し、前記充電を開始した後に前記書き込み線の一端を第2電源線に接続し、前記書き込み線に前記書き込み電流を流して前記書き込みを行う。
本発明の例によれば、書き込み電流の立ち上がり速度を高速化することで、書き込み用電流を流すことで書き込み動作を行う半導体記憶装置、例えば、磁気ランダムアクセスメモリにおける書き込み動作を高速化できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
本発明の例は、書き込み線に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)を用いて書き込みを行う磁気ランダムアクセスメモリを対象とする。
このような磁気ランダムアクセスメモリでは、図1に示すように、書き込み電流(write current)は、例えば、定電流源Iにより生成され、ソース側共通電源線(source side common power line) →トランスファゲートTG1 →書き込み線(write line) →トランスファゲートTG2 →シンク側共通電源線(sink side common power line)という経路を流れる。
しかし、スタンバイ(standby)状態から書き込み動作(write operation)が開始されると、初期段階では、書き込み電流の経路全体の充電のために過渡電流が流れ、定常状態となるまでに一定期間を要する(変化A)。この期間は、経路内の各ノードが定常状態の電位にまで充電されるのに必要な期間に相当するが、ソース側共通電源線と書き込み線との間のトランスファゲート(MOSトランジスタ)TG1がソースフォロア駆動されるために電流駆動力が低いこと、また、シンク側共通電源線と書き込み線との間のトランスファーゲート(MOSトランジスタ)TG2をオンとして電流源から接地端子まで電流を流しながら経路全体の充電を行っていることから、この期間は比較的長く、書き込み速度の高速化の妨げとなっていた。
そこで、本発明の例では、書き込み動作の初期段階において、例えば、シンカーとしてのスイッチ(MOSトランジスタ)SW又はトランスファゲート(MOSトランジスタ)TG2をオフすることによって書き込み線の一端を接地端子Vssから切り離し、書き込み線の一端をフローティング状態にした状態で、電源端子Vddから書き込み線の他端を経由して書き込み線の充電を開始し、その後、一定時間が経過したら、トランスファゲートTG2をオンすることによって書き込み線を接地端子Vssに接続し、書き込み線に書き込み電流を流すことにより書き込みを実行する(変化B)。
このような書き込み方法によれば、トランスファゲートTG2をオフにした状態で書き込み経路の充電を行うために充電時間が短いこと、また、トランスファゲートTG1のソース電位は接地電位よりも高く、トランスファゲートTG1よりもトランスファゲートTG2のほうが動作時の電流駆動能力が高く、トランスファゲートTG2をオフからオンに切り替えた直後にトランスファゲートTG1のドレインとソースとの間の電位差を大きく確保できるために、書き込み経路の各ノードの電位を定常状態まで充放電することが高速に行えること、の2つの理由から、高速書き込み動作が可能となる。
2. 実施の形態
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
(1) 磁気ランダムアクセスメモリの概要
図2は、磁気ランダムアクセスメモリの概要を示している。
メモリセルアレイ11は、メモリセルMCを有する。メモリセルMCは、x方向に延びる書き込みワード線WLとy方向に延びる書き込みビット線BLとの交差部に配置される。
書き込みワード線WLの一端側には、トランスファゲート12、読み出しワード線ドライバ13、書き込みワード線ドライバ14及び電流源&コントローラ15が配置される。電流源&コントローラ15は、書き込み/読み出し電流を発生すると共に、トランスファゲート12、読み出しワード線ドライバ13及び書き込みワード線ドライバ14の動作をコントロールする。
書き込みワード線WLの他端側には、トランスファゲート16、書き込みワード線シンカー17及びコントローラ18が配置される。コントローラ18は、トランスファゲート16及び書き込みワード線シンカー17の動作をコントロールする。
書き込みビット線BLの一端側には、トランスファゲート19、書き込みビット線ドライバ/シンカー20及び電流源&コントローラ21が配置される。電流源&コントローラ21は、書き込み電流を発生すると共に、トランスファゲート19及び書き込みビット線ドライバ/シンカー20の動作をコントロールする。
書き込みビット線BLの他端側には、トランスファゲート22、センスアンプ23、書き込みビット線ドライバ/シンカー24及び電流源&コントローラ25が配置される。電流源&コントローラ25は、書き込み電流を発生すると共に、トランスファゲート22、センスアンプ23及び書き込みビット線ドライバ/シンカー24の動作をコントロールする。
制御回路26は、書き込み/読み出し動作に必要とされる制御信号を発生し、書き込み/読み出し動作の全体の流れを制御する。
本例では、書き込みワード線WLには、一方向に向かう書き込み電流のみが流れ、書き込みビット線BLには、書き込みデータの値に応じて、一方向又は他方向に向かう書き込み電流が流れる。
但し、例えば、トグル(toggle)書き込み方式(非特許文献1)のように、書き込みワード線WL及び書き込みビット線BLには、書き込みデータの値によらず、常に一方向に向かう書き込み電流が流れるようにしてもよい。
また、例えば、アストロイド曲線の第1及び第3象限を用いる書き込み方式のように、書き込みワード線WL及び書き込みビット線BLには、書き込みデータの値に応じて、一方向又は他方向に向かう書き込み電流が流れるようにしてもよい。
さらに、メモリセルアレイ11に関しては、複数のサブアレイ又は複数のブロックから構成してもよい。また、メモリチップ内には、図2に示すメモリセルアレイ及びこれに接続される回路群を複数個搭載しても構わない。
(2) 第1実施の形態
A. 回路構成
図3は、第1実施の形態に関わる書き込み方法が適用される磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。
第1実施の形態は、本発明の例に関わる書き込み方法を図2の書き込みビット線BLに流れる書き込み電流に適用したものである。ここでは、書き込みワード線に関しては省略する。
メモリセルMCは、アレイ状に配置され、メモリセルアレイ11を構成する。書き込みビット線WRT<0>,WRT<1>,WRT<2>,WRT<3>は、メモリセルアレイ11内において、y方向に延びている。
書き込みビット線WRT<0>,WRT<1>,WRT<2>,WRT<3>の一端は、選択スイッチとしてのトランスファゲート19を経由して、共通電源線27に接続される。共通電源線27は、書き込みビット線ドライバ/シンカー20に接続される。
トランスファゲート19のオン/オフは、カラム選択信号XC_L<0>,XC_L<1>,XC_L<2>,XC_L<3>により制御される。
書き込みビット線ドライバ/シンカー20は、電源端子Vddと接地端子Vssとの間に直列接続される定電流源29、PチャネルMOSトランジスタP1及びNチャネルMOSトランジスタN1から構成される。
定電流源29は、定電流SRC_Lを発生し、PチャネルMOSトランジスタP1のゲートには、制御信号SWP_Lが入力され、NチャネルMOSトランジスタN1のゲートには、制御信号SWN_Lが入力される。
書き込みビット線WRT<0>,WRT<1>,WRT<2>,WRT<3>の他端は、選択スイッチとしてのトランスファゲート22を経由して、共通電源線28に接続される。共通電源線28は、書き込みビット線ドライバ/シンカー24に接続される。
トランスファゲート22のオン/オフは、カラム選択信号XC_R<0>,XC_R<1>,XC_R<2>,XC_R<3>により制御される。
書き込みビット線ドライバ/シンカー24は、電源端子Vddと接地端子Vssとの間に直列接続される定電流源30、PチャネルMOSトランジスタP2及びNチャネルMOSトランジスタN2から構成される。
定電流源30は、定電流SRC_Rを発生し、PチャネルMOSトランジスタP2のゲートには、制御信号SWP_Rが入力され、NチャネルMOSトランジスタN2のゲートには、制御信号SWN_Rが入力される。
B. 動作
a. 第1例
図4は、第1実施の形態に関わる書き込み方法の第1例を示している。
ここでは、図3のカラム(column)0内の書き込みビット線WRT<0>を選択し、この書き込みビット線WRT<0>に、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流を流す場合について説明する。
まず、スタンバイ状態から、カラム選択信号XC_L<0>,XC_R<0>の電圧レベルV(XC_L<0>),V(XC_R<0>)を“L(low)”から“H(high)”にし、書き込みビット線WRT<0>を書き込みビット線ドライバ/シンカー20,24に電気的に接続する。
その他のカラム選択信号XC_L<1:3>,XC_R<1:3>の電圧レベルV(XC_L<1:3>),V(XC_R<1:3>)については、“L”のままである。
この後、制御信号SWP_L,SWN_L,SWN_Rの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L),V(SWN_R)を“H”から“L”にし、制御信号SWP_Rの電圧レベルV(SWP_R)を“H”のままとすることで、PチャネルMOSトランジスタP1をオンにし、その他のMOSトランジスタP2,N1,N2をオフとする。
この時、ノードDRV_L,nWRT_L<0>,nWRT_R<0>,DRV_Rは、定電流源29からの定電流により充電され、その電圧レベルV(DRV_L),V(nWRT_L<0>),V(nWRT_R<0>),V(DRV_R)は、次第に上昇する。
ノードnWRT_L<0>の電位が十分高くなった後、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)を“L”から“H”にし、NチャネルMOSトランジスタN2をオンにする。
その結果、書き込みビット線WRT<0>には、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流I(WRT<0>)が流れる。
この時、ソース側トランスファーゲート19のソース電位は、シンク側トランスファーゲート22のそれよりも高いため、ソース側トランスファーゲート19よりもシンク側トランスファーゲート22の電流駆動能力のほうが高く、その結果、ノードnWRT_L<0>の電位は、高速に放電されて低下し、ソース側トランスファーゲート19のドレインとソースとの間の電位差は、定常電流を流すのに十分なだけ確保される。
このように、書き込みビット線WRT<0>の充電を開始した後に、書き込みビット線WRT<0>に書き込み電流を流すことで、書き込み電流I(WRT<0>)が流れ始めてから定常状態になるまでの期間tr1を短くでき、書き込み動作の高速化が実現できる。
b. 第2例
図5は、第1実施の形態に関わる書き込み方法の第2例を示している。
上述の第1例と同様に、図3の書き込みビット線WRT<0>に対して書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流を流す場合について説明する。
まず、スタンバイ状態から、カラム選択信号XC_L<0>の電圧レベルV(XC_L<0>)を“L”から“H”にし、書き込みビット線WRT<0>の一端を書き込みビット線ドライバ/シンカー20に電気的に接続する。
この時、その他のカラム選択信号XC_L<1:3>,XC_R<0:3>の電圧レベルV(XC_L<1:3>),V(XC_R<0:3>)については、“L”のままである。
この後、制御信号SWP_L,SWN_Lの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L)を“H”から“L”にし、制御信号SWP_R,SWN_Rの電圧レベルV(SWP_R),V(SWN_R)を“H”のままとすることで、PチャネルMOSトランジスタP1及びNチャネルMOSトランジスタN2をオンにし、その他のMOSトランジスタP2,N1をオフとする。
この時、ノードDRV_L,nWRT_L<0>,nWRT_R<0>,DRV_Rは、定電流源29からの定電流により充電され、その電圧レベルV(DRV_L),V(nWRT_L<0>),V(nWRT_R<0>),V(DRV_R)は、次第に上昇する。
ノードnWRT_L<0>の電位が十分高くなった後、カラム選択信号XC_R<0>の電圧レベルV(XC_R<0>)を“L”から“H”にし、書き込みビット線WRT<0>の他端を書き込みビット線ドライバ/シンカー24に電気的に接続する。
その結果、書き込みビット線WRT<0>には、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流I(WRT<0>)が流れる。
この時、ソース側トランスファーゲート19のソース電位は、シンク側トランスファーゲート22のそれよりも高いため、ソース側トランスファーゲート19よりもシンク側トランスファーゲート22の電流駆動能力のほうが高く、その結果、ノードnWRT_L<0>の電位は、高速に放電されて低下し、ソース側トランスファーゲート19のドレインとソースとの間の電位差は、定常電流を流すのに十分なだけ確保される。
このように、書き込みビット線WRT<0>の充電を開始した後に書き込みビット線WRT<0>に書き込み電流を流すことで、書き込み電流I(WRT<0>)が流れ始めてから定常状態になるまでの期間tr1を短くでき、書き込み動作の高速化が実現できる。
c. 効果
図6の波形は、シンク側トランスファーゲート22をオフにして書き込みビット線の充電をすることなく、スタンバイ状態から直ちに書き込み電流を流す場合の例である。この場合、ソースフォロワ動作のために電流駆動能力が低いソース側トランスファーゲート19によって書き込み電流を流しながら経路全体を充電するため、スタンバイ状態から書き込み電流の波形が立ち上がり定常状態になるまでの期間tr2は非常に長くなる。
本発明の例によれば、既に述べたように書き込み動作速度を高速化することができる。
また、書き込み動作全体を考えると、一般的には、tr1期間は、ワード線活性化の後に開始されるが、このタイミングをワード線活性化と同時、又は、ワード線活性化よりも前にすることで、更に、高速化が可能である。
尚、図4及び図5の例では、書き込み電流は、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かって流したが、これとは逆向きに書き込み電流を流す場合にも同様の書き込み方法を適用できる。
C. まとめ
このような新規な書き込み方法によれば、磁気ランダムアクセスメモリの書き込み速度を高速化できる。
(3) 第2実施の形態
A. 回路構成
図7は、第2実施の形態に関わる書き込み方法が適用される磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。
第2実施の形態も、第1実施の形態と同様に、本発明の例に関わる書き込み方法を図2の書き込みビット線BLに流れる書き込み電流に適用したものである。ここでは、書き込みワード線に関しては省略する。
第2実施の形態の特長点は、書き込みビット線WRT<0:3>の両端に、それぞれクランプ回路としてのNチャネルMOSトランジスタN3を接続したところにある。
クランプ回路としてのNチャネルMOSトランジスタN3のオン/オフは、制御信号XX_L<0:3>,XX_R<0:3>により制御される。
このクランプ回路の目的の一つは、スタンバイ時において、書き込みビット線WRT<0:3>にその両端から接地電位Vssを供給することで、書き込みビット線の電位を確実に接地電位に固定することである。加えて、書き込み動作時における非選択の書き込みビット線の電位も確実に接地電位に固定することができる。
その他の構成については、第1実施の形態と同じであるため、ここではその説明については省略する。
B. 動作
図8は、第2実施の形態に関わる書き込み方法を示している。
ここでは、図7のカラム0内の書き込みビット線WRT<0>を選択し、この書き込みビット線WRT<0>に、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流を流す場合について説明する。
まず、スタンバイ状態から、クランプ制御信号XX_L<0>,XX_R<0>の電圧レベルV(XX_L<0>),V(XX_R<0>)を“H”から“L”にし、選択された書き込みビット線WRT<0>を接地点から切り離す。
その他の非選択の書き込みビット線WRT<1:3>については、クランプ制御信号XX_L<1:3>,XX_R<1:3>の電圧レベルV(XX_L<1:3>),V(XX_R<1:3>)が“H”のままなので、クランプ回路を経由して接地点に接続されたままとなる。
これとほぼ同時に、スタンバイ状態から、カラム選択信号XC_L<0>,XC_R<0>の電圧レベルV(XC_L<0>),V(XC_R<0>)を“L”から“H”にし、選択された書き込みビット線WRT<0>を書き込みビット線ドライバ/シンカー20,24に電気的に接続する。
その他のカラム選択信号XC_L<1:3>,XC_R<1:3>の電圧レベルV(XC_L<1:3>),V(XC_R<1:3>)については、“L”のままである。
この後、制御信号SWP_L,SWN_L,SWN_Rの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L),V(SWN_R)を“H”から“L”にし、制御信号SWP_Rの電圧レベルV(SWP_R)を“H”のままとすることで、PチャネルMOSトランジスタP1をオンにし、その他のMOSトランジスタP2,N1,N2をオフとする。
この時、ノードDRV_L,nWRT_L<0>,nWRT_R<0>,DRV_Rは、定電流源29からの定電流により充電され、その電圧レベルV(DRV_L),V(nWRT_L<0>),V(nWRT_R<0>),V(DRV_R)は、次第に上昇する。
ノードnWRT_L<0>の電位が十分高くなった後、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)を“L”から“H”にし、NチャネルMOSトランジスタN2をオンにする。
その結果、書き込みビット線WRT<0>には、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流I(WRT<0>)が流れる。
この時、ソース側トランスファーゲート19のソース電位は、シンク側トランスファーゲート22のそれよりも高いため、ソース側トランスファーゲート19よりもシンク側トランスファーゲート22の電流駆動能力のほうが高く、その結果、ノードnWRT_L<0>の電位は、高速に放電されて低下し、ソース側トランスファーゲート19のドレインとソースとの間の電位差は、定常電流を流すのに十分なだけ確保される。
このように、書き込みビット線WRT<0>の充電を行った後に書き込みビット線WRT<0>に書き込み電流を流すことで、書き込み電流I(WRT<0>)が流れ始めてから定常状態になるまでの期間tr1を短くでき、書き込み動作の高速化が実現できる。
そして、この後、制御信号SWP_L,SWN_Lの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L)を“L”から“H”にすると、PチャネルMOSトランジスタP1がオフになり、NチャネルMOSトランジスタN1がオンになるため、書き込みビット線WRT<0>の両端は、それぞれNチャネルMOSトランジスタN1,N2を経由して接地点に短絡される。
また、カラム選択信号XC_L<0>,XC_R<0>の電圧レベルV(XC_L<0>),V(XC_R<0>)を“H”から“L”にすると、全ての書き込みビット線WRT<0:3>が共通電源線と電気的に切断され、共通電源線27,28が接地点に短絡される。
この時、クランプ制御信号XX_L<0>,XX_R<0>の電圧レベルV(XX_L<0>),V(XX_R<0>)を“L”から“H”にすると、書き込みビット線WRT<0>の両端にクランプ回路を経由して接地電位が印加され、スタンバイ状態に戻る。
上述の動作は、第1実施の形態の第1例に相当するが、第1実施の形態の第2例の動作を行うことも可能である。
C. まとめ
このような新規な書き込み方法においても、磁気ランダムアクセスメモリの書き込み速度を高速化できる。
尚、図8の例では、書き込み電流は、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かって流したが、これとは逆向きに書き込み電流を流す場合にもこのような書き込み方法を適用できる。
(4) 第3実施の形態
A. 回路構成
図9は、第3実施の形態に関わる書き込み方法が適用される磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。
第3実施の形態も、第1実施の形態と同様に、本発明の例に関わる書き込み方法を図2の書き込みビット線BLに流れる書き込み電流に適用したものである。ここでは、書き込みワード線に関しては省略する。
第3実施の形態の特長点は、選択された書き込みビット線WRT<0>に対する充電を、書き込みビット線WRT<0>の一端側からのみでなく、書き込みビット線WRT<0>の両端側から行うところにある。
つまり、第3実施の形態は、回路動作に特長を有し、回路構成については、第1実施の形態と同じであるので、ここではその説明を省略する。
尚、第3実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリには、第2実施の形態に関わるクランプ回路を適用することもできる。
B. 動作
図10は、第3実施の形態に関わる書き込み方法を示している。
ここでは、図9のカラム0内の書き込みビット線WRT<0>を選択し、この書き込みビット線WRT<0>に、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流を流す場合について説明する。
まず、スタンバイ状態から、カラム選択信号XC_L<0>,XC_R<0>の電圧レベルV(XC_L<0>),V(XC_R<0>)を“L”から“H”にし、選択された書き込みビット線WRT<0>を書き込みビット線ドライバ/シンカー20,24に電気的に接続する。
その他のカラム選択信号XC_L<1:3>,XC_R<1:3>の電圧レベルV(XC_L<1:3>),V(XC_R<1:3>)については、“L”のままである。
この後、制御信号SWP_L,SWN_L,SWP_R,SWN_Rの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L),V(SWP_R),V(SWN_R)を“H”から“L”にすることで、PチャネルMOSトランジスタP1、P2をオンにし、NチャネルMOSトランジスタN1,N2をオフにする。
この時、ノードDRV_L,nWRT_L<0>,nWRT_R<0>,DRV_Rは、定電流源29,30からの定電流により、書き込みビット線WRT<0>の両端側から急速に充電され、その電圧レベルV(DRV_L),V(nWRT_L<0>),V(nWRT_R<0>),V(DRV_R)は、急速に上昇する。
ノードnWRT_L<0>の電位が十分高くなった後、制御信号SWP_R,SWN_Rの電圧レベルV(SWP_R),V(SWN_R)を“L”から“H”にし、PチャネルMOSトランジスタP2をオフにし、NチャネルMOSトランジスタN2をオンにする。
その結果、書き込みビット線WRT<0>には、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かう書き込み電流I(WRT<0>)が流れる。
この時、ソース側トランスファーゲート19のソース電位は、シンク側トランスファーゲート22のそれよりも高いため、ソース側トランスファーゲート19よりもシンク側トランスファーゲート22の電流駆動能力のほうが高く、その結果、ノードnWRT_L<0>の電位は、高速に放電されて低下し、ソース側トランスファーゲート19のドレインとソースとの間の電位差は、定常電流を流すのに十分なだけ確保される。
このように、書き込みビット線WRT<0>の充電を開始した後に、書き込みビット線WRT<0>に書き込み電流を流すことで、書き込み電流I(WRT<0>)が流れ始めてから定常状態になるまでの期間tr1を短くでき、書き込み動作の高速化が実現できる。
C. まとめ
このような新規な書き込み方法においては、選択された書き込みビット線に対する充電をその両端から行うことにより、さらに、磁気ランダムアクセスメモリの書き込み速度を高速化できる。
尚、図10の例では、書き込み電流は、書き込みビット線ドライバ/シンカー20から書き込みビット線ドライバ/シンカー24に向かって流したが、これとは逆向きに書き込み電流を流す場合にもこのような書き込み方法を適用できる。
(5) 第4実施の形態
A. 回路構成
図11は、第4実施の形態に関わる書き込み方法が適用される磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示している。
第4実施の形態は、本発明の例に関わる書き込み方法を、電流方向が一方向のみである図2の書き込みワード線WLに流れる書き込み電流に適用したものである。ここでは、書き込みビット線に関しては省略する。
メモリセルMCは、アレイ状に配置され、メモリセルアレイ11を構成する。書き込みワード線WRT<0>,WRT<1>,WRT<2>,WRT<3>は、メモリセルアレイ11内において、x方向に延びている。
書き込みワード線WRT<0>,WRT<1>,WRT<2>,WRT<3>の一端は、選択スイッチとしてのトランスファゲート12を経由して、共通電源線31に接続される。共通電源線31は、書き込みワード線ドライバ14に接続される。
トランスファゲート12のオン/オフは、ロウ選択信号XC_L<0>,XC_L<1>,XC_L<2>,XC_L<3>により制御される。
書き込みワード線ドライバ14は、電源端子Vddと接地端子Vssとの間に直列接続される定電流源33、PチャネルMOSトランジスタP1及びNチャネルMOSトランジスタN1から構成される。
定電流源33は、定電流SRC_Lを発生し、PチャネルMOSトランジスタP1のゲートには、制御信号SWP_Lが入力され、NチャネルMOSトランジスタN1のゲートには、制御信号SWN_Lが入力される。
書き込みワード線WRT<0>,WRT<1>,WRT<2>,WRT<3>の他端は、選択スイッチとしてのトランスファゲート16を経由して、共通電源線32に接続される。共通電源線32は、書き込みワード線シンカー17に接続される。
トランスファゲート16のオン/オフは、ロウ選択信号XC_R<0>,XC_R<1>,XC_R<2>,XC_R<3>により制御される。
書き込みワード線シンカー17は、共通電源線32と接地端子Vssとの間に直列接続されるNチャネルMOSトランジスタN2から構成される。NチャネルMOSトランジスタN2のゲートには、制御信号SWN_Rが入力される。
B. 動作
a. 第1例
図12は、第4実施の形態に関わる書き込み方法の第1例を示している。
ここでは、図11のロウ(row)0内の書き込みワード線WRT<0>を選択し、この書き込みワード線WRT<0>に、書き込みワード線ドライバ14から書き込みワード線シンカー17に向かう書き込み電流を流す場合について説明する。
まず、スタンバイ状態から、ロウ選択信号XC_L<0>,XC_R<0>の電圧レベルV(XC_L<0>),V(XC_R<0>)を“L”から“H”にし、書き込みワード線WRT<0>を書き込みワード線ドライバ14に電気的に接続する。
その他のロウ選択信号XC_L<1:3>,XC_R<1:3>の電圧レベルV(XC_L<1:3>),V(XC_R<1:3>)については、“L”のままである。
この後、制御信号SWP_L,SWN_L,SWN_Rの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L),V(SWN_R)を“H”から“L”にすることにより、PチャネルMOSトランジスタP1をオンにし、NチャネルMOSトランジスタN1,N2をオフとする。
この時、ノードDRV_L,nWRT_L<0>,nWRT_R<0>,DRV_Rは、定電流源33からの定電流により充電され、その電圧レベルV(DRV_L),V(nWRT_L<0>),V(nWRT_R<0>),V(DRV_R)は、次第に上昇する。
ノードnWRT_L<0>の電位が十分高くなった後、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)を“L”から“H”にし、NチャネルMOSトランジスタN2をオンにする。
その結果、書き込みワード線WRT<0>には、書き込みワード線ドライバ14から書き込みワード線シンカー17に向かう書き込み電流I(WRT<0>)が流れる。
この時、ソース側トランスファーゲート12のソース電位は、シンク側トランスファーゲート16のそれよりも高いため、ソース側トランスファーゲート12よりもシンク側トランスファーゲート16の電流駆動能力のほうが高く、その結果、ノードnWRT_L<0>の電位は、高速に放電されて低下し、ソース側トランスファーゲート12のドレインとソースとの間の電位差は、定常電流を流すのに十分なだけ確保される。
このように、書き込みワード線WRT<0>の充電を行った後に書き込みワード線WRT<0>に書き込み電流を流すことで、書き込み電流I(WRT<0>)が流れ始めてから定常状態になるまでの期間tr1を短くでき、書き込み動作の高速化が実現できる。
b. 第2例
図13は、第4実施の形態に関わる書き込み方法の第2例を示している。
上述の第1例と同様に、図11の書き込みワード線WRT<0>に対して書き込みワード線ドライバ14から書き込みワード線シンカー17に向かう書き込み電流を流す場合について説明する。
まず、スタンバイ状態から、ロウ選択信号XC_L<0>の電圧レベルV(XC_L<0>)を“L”から“H”にし、書き込みワード線WRT<0>の一端を書き込みワード線ドライバ14に電気的に接続する。
この時、その他のロウ選択信号XC_L<1:3>,XC_R<0:3>の電圧レベルV(XC_L<1:3>),V(XC_R<0:3>)については、“L”のままである。
この後、制御信号SWP_L,SWN_Lの電圧レベルV(SWP_L),V(SWN_L)を“H”から“L”にし、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)を“H”のままとすることで、PチャネルMOSトランジスタP1及びNチャネルMOSトランジスタN2をオンにし、NチャネルMOSトランジスタN1をオフとする。
この時、ノードDRV_L,nWRT_L<0>,nWRT_R<0>,DRV_Rは、定電流源33からの定電流により充電され、その電圧レベルV(DRV_L),V(nWRT_L<0>),V(nWRT_R<0>),V(DRV_R)は、次第に上昇する。
ノードnWRT_L<0>の電位が十分高くなった後、ロウ選択信号XC_R<0>の電圧レベルV(XC_R<0>)を“L”から“H”にし、書き込みワード線WRT<0>の他端を書き込みワード線シンカー17に電気的に接続する。
その結果、書き込みワード線WRT<0>には、書き込みワード線ドライバ14から書き込みワード線シンカー17に向かう書き込み電流I(WRT<0>)が流れる。
この時、ソース側トランスファーゲート12のソース電位は、シンク側トランスファーゲート16のそれよりも高いため、ソース側トランスファーゲート12よりもシンク側トランスファーゲート16の電流駆動能力のほうが高く、その結果、ノードnWRT_L<0>の電位は、高速に放電されて低下し、ソース側トランスファーゲート12のドレインとソースとの間の電位差は、定常電流を流すのに十分なだけ確保される。
このように、書き込みワード線WRT<0>の充電を行った後に書き込みワード線WRT<0>に書き込み電流を流すことで、書き込み電流I(WRT<0>)が流れ始めてから定常状態になるまでの期間tr1を、図12の例と同様に短くでき、書き込み動作の高速化が実現できる。
c. 効果
図14の波形は、シンク側トランスファーゲート16をオフにして書き込みワード線の充電をすることなく、スタンバイ状態から直ちに書き込み電流を流す場合の例である。この場合、ソースフォロワ動作のために電流駆動能力が低い12によって書き込み電流を流しながら経路全体を充電するため、スタンバイ状態から書き込み電流の波形が立ち上がり定常状態になるまでの期間tr2は非常に長くなる。
本発明の例によれば、既に述べたように、書き込み動作速度を高速化することができる。
C. まとめ
このような新規な書き込み方法によれば、磁気ランダムアクセスメモリの書き込み速度を高速化できる。
(6) その他
第1乃至第4実施の形態では、本発明の例を、書き込みビット線に流れる書き込み電流に適用した場合と、書き込みワード線に流れる書き込み電流に適用した場合とに分けて説明したが、両者を組み合わせて使用することもできる。
また、例えば、1つのロウに属するメモリセルに連続してデータを書き込む場合には、所定の1本の書き込みワード線を選択状態のままとし、書き込みビット線を1本ずつ順次選択することもできる。
このような場合には、書き込みワード線については常に充電された状態である反面、書き込みビット線については充放電が繰り返されることになるため、特に、書き込みビット線に流れる書き込み電流に本発明の例を適用した実施の形態が有効になる。
本発明の例は、書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)を利用して書き込みを行う磁気ランダムアクセスメモリを対象とするが、1つのMTJ素子に対する書き込み線の本数に制限はない。
例えば、1本の書き込み線に流れる書き込み電流のみを用いて書き込みを行う一軸方式、互いに交差する2本の書き込み線の交差部にMTJ素子を配置する二軸方式、さらには、3本の書き込み線を用いる三軸方式などにも適用できる。
3. 回路例
本発明の例は、上述の実施の形態で説明したように、特に、シンカーとしてのNチャネルMOSトランジスタ又はシンク側共通電源線と書き込み線との間のトランスファゲートとしてのNチャネルMOSトランジスタの書き込み動作初期時におけるオン/オフの制御に特徴を有する。
ここでは、これらNチャネルMOSトランジスタのオン/オフを決定する制御信号SWN_Rを発生するコントローラの例について説明する。
図15は、2つの制御信号CTRL<0>,CTRL<1>から制御信号SWN_Rを発生するロジック回路の例である。図16は、図15のロジック回路の動作波形を示している。
この例では、二本の同相の制御信号CTRL<0>/CTRL<1>によってパルス信号であるSWN_Rを生成する回路の例を示す。制御信号CTRL<0>の電圧レベルV(CTRL<0>)が“L”から“H”に変化すると、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)が“H”から“L”に変化し、この後、制御信号CTRL<1>の電圧レベルV(CTRL<1>)が“L”から“H”に変化すると、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)が“L”から“H”に変化する。
図17は、1つの制御信号CTRLから制御信号SWN_Rを発生するロジック回路の例である。図18は、図17のロジック回路の動作波形を示している。
この例では、制御信号CTRLの電圧レベルV(CTRL)が“L”から“H”に変化すると、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)が“H”から“L”に変化し、この後、ディレイ回路delayによって決定される遅延時間が経過し、制御信号CTRLDの電圧レベルV(CTRLD)が“L”から“H”に変化すると、制御信号SWN_Rの電圧レベルV(SWN_R)が“L”から“H”に変化する。
図19及び図20は、メモリセルアレイの例を示している。
メモリセルアレイ11は、これらの図に示すように、複数のサブアレイ(又はブロック)から構成される場合がある。このような場合において、サブアレイごとに共通電源線が設けられた例を考える。
この場合、例えば、図21及び図22に示すように、図15のロジック回路Aをサブアレイ0,1,・・・nに対応させて配置する。複数配置されたロジック回路Aのそれぞれは、制御信号CTRL<0>,CTRL<1)に基づいて、制御信号SWN_Ri(i=0,1,・・・n)を生成する。
ロジック回路Bは、制御信号CTRLに基づいて、制御信号CTRL<0>,CTRL<1)を生成する。
図21は複数のサブアレイの片側にロジック回路Bを配置した例であり、図22は複数のサブアレイの中央部にロジック回路Bを配置した例である。
図23及び図24は、通常のセルアレイとは別に、リダンダンシ用セルアレイを有する、所謂ブロックリダンダンシ方式を適用した場合のメモリセルアレイの配置の例を示している。
リダンダンシ用セルアレイは、図19及び図20のサブアレイ0,1,・・・nのうちの1つに相当すると考えることができるが、このリダンダンシ用セルアレイに対しては、本発明の例に関わる書き込み方法を適用しなくてもよい。
その理由は、リダンダンシ用セルアレイの大きさ(メモリ容量)がメモリセルアレイ(サブアレイ、ブロックを含む)のそれよりも小さいことが一般的だからである。
例えば、メモリセルアレイが1024×1024ビットから構成される1Mbのセルアレイを考え、ロウリダンダンシにブロックリダンダンシ方式を適用した場合を考える。その場合、リダンダンシ用セルアレイのビット線長、つまり一本のビット線と交差するワード線の本数は、例えば、128などと通常のメモリセルアレイよりも少ないことが一般的である。例えば、この場合、リダンダンシ用セルアレイのビット線長は、通常、メモリセルアレイのそれの1/8となり、その結果、リダンダンシ用セルアレイのビット線の寄生容量および配線抵抗は、それぞれ、通常、メモリセルアレイのそれよりも小さくなる(この例では、それぞれ1/8となる)。その為、リダンダンシ用セルアレイでは、通常、メモリセルアレイに比べて、高速に書き込み線の充放電が可能となり、従って、本発明を適用せずとも高速な書き込み動作が可能となる場合がある。
但し、これは比較論であり、当然に、リダンダンシ用セルアレイについても、さらなる高速書き込みが必要とされる場合には、通常、メモリセルアレイ同様にリダンダンシ用セルアレイについても、本発明の例を適用することも可能である。
図25及び図26は、リダンダンシ用セルアレイに本発明の例を適用しない場合におけるロジック回路の例を示している。図25はリダンダンシ用セルアレイの為の専用の制御回路Cを配置した例であり、制御回路CがCTRL<0>をリドライブする回路である例である。図26はリダンダンシ用セルアレイと通常メモリセルアレイとで同じ制御回路Aを使用した例であり、リダンダンシ用セルアレイの為の制御回路Aには、制御信号CTRL<1>の代わりに”H”信号(Vdd)が入力されている例である。
図25の例の場合、リダンダンシ用セルアレイに対応するロジック回路Cから出力される制御信号SWN_Rは、制御信号CTRL<0>のみに依存して変化し、制御信号CTRL<1>には依存しない。
即ち、ロジック回路Cは、制御信号CTRL<0>が“H”のときは、制御信号SWN_Rは“H”となり、制御信号CTRL<0>が“L”のときは、制御信号SWN_Rは“L”となる。
図26の例の場合、リダンダンシ用セルアレイに対応するロジック回路Aから出力される制御信号SWN_Rは、制御信号CTRL<0>およびCTRL<1>に関わらず”H”となる。
このようなロジック回路によれば、簡単な構成により、メモリセルアレイとリダンダンシ用セルアレイとを分けて、メモリセルアレイのみに本発明の例に関わる書き込み方法を適用することができる。
4. 適用例
本発明の例に関わる書き込み方法は、磁気ランダムアクセスの種類、例えば、クロスポイント型メモリセルなど、メモリセルアレイの構造に関係なく、適用可能である。
また、本発明の例を適用するに当たって、磁気抵抗効果素子の構造や形状などについても特に限定されることはない。
5. その他
本発明の例によれば、書き込みビット/ワード線に書き込み電流を流すに先立って、書き込みビット/ワード線のシンク側端部をフローティング状態にし、書き込みビット/ワード線の充電を行い、この後、書き込みビット/ワード線のシンク側端部を接地点に接続し、書き込み電流を流している。
従って、書き込み電流の立ち上がり波形を急峻にでき、スタンバイ状態から書き込み電流が定常状態になるまでの時間を短くすることができる。これにより、磁気ランダムアクセスメモリの書き込み速度を高速化できる。
本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の例の概要を示す図。 本発明の例に関わるMRAMを示す図。 第1実施の形態の書き込み方法に関わるMRAMを示す図。 第1実施の形態の書き込み方法を示す波形図。 第1実施の形態の書き込み方法を示す波形図。 第1実施の形態の比較例としての書き込み方法を示す波形図。 第2実施の形態の書き込み方法に関わるMRAMを示す図。 第2実施の形態の書き込み方法を示す波形図。 第3実施の形態の書き込み方法に関わるMRAMを示す図。 第3実施の形態の書き込み方法を示す波形図。 第4実施の形態の書き込み方法に関わるMRAMを示す図。 第4実施の形態の書き込み方法を示す波形図。 第4実施の形態の書き込み方法を示す波形図。 第4実施の形態の比較例としての書き込み方法を示す波形図。 制御信号SWN_Rを発生するロジック回路の例を示す回路図。 図15のロジック回路の動作を示す波形図。 制御信号SWN_Rを発生するロジック回路の例を示す回路図。 図17のロジック回路の動作を示す波形図。 メモリセルアレイの例を示す図。 メモリセルアレイの例を示す図。 制御信号SWN_Riを発生するロジック回路の例を示す回路図。 制御信号SWN_Riを発生するロジック回路の例を示す回路図。 リダンダンシ用セルアレイを有するメモリセルアレイの例を示す図。 リダンダンシ用セルアレイを有するメモリセルアレイの例を示す図。 制御信号SWN_Rを発生するロジック回路の例を示す回路図。 制御信号SWN_Rを発生するロジック回路の例を示す回路図。
符号の説明
11: メモリセルアレイ、 12,16,19,22: トランスファゲート(選択スイッチ)、 13: 読み出しワード線ドライバ、 14: 書き込みワード線ドライバ、 15,21,25: 電流源&コントローラ、 17: 書き込みワード線シンカー、 18: コントローラ、 20,24: 書き込みビット線ドライバ/シンカー、 23: センスアンプ、 26: 制御回路、 27,28,31,32: 共通電源線、 29,30,33: 定電流源、 P1,P2: PチャネルMOSトランジスタ、 N1,N2,N3: NチャネルMOSトランジスタ。

Claims (9)

  1. 書き込み線に流れる書き込み電流により発生する磁場を用いて書き込みを行うとき、前記書き込み線の一端をフローティング状態にし、第1電源線から前記書き込み線の他端を経由して前記書き込み線の充電を開始し、前記充電を開始した後に前記書き込み線の一端を第2電源線に接続し、前記書き込み線に前記書き込み電流を流して前記書き込みを行うことを特徴とする半導体記憶装置の書き込み方法。
  2. 書き込み線に流れる書き込み電流により発生する磁場を用いて書き込みを行うとき、第1電源線から前記書き込み線の一端及び他端の双方を経由して前記書き込み線の充電を開始し、前記充電を開始した後に前記書き込み線の一端を第2電源線に接続し、前記書き込み線に前記書き込み電流を流して前記書き込みを行うことを特徴とする半導体記憶装置の書き込み方法。
  3. 前記充電を行っている間は、前記書き込み線を前記第2電源線に接続するスイッチをオフにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体記憶装置の書き込み方法。
  4. 前記充電を行っている間は、前記書き込み線の一端に接続されるトランスファゲートをオフにすることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置の書き込み方法。
  5. 前記半導体記憶装置がリダンダンシ用セルアレイを有する場合、前記リダンダンシ用セルアレイ内のメモリセルに対しては、前記充電を行うことなく、前記リダンダンシ用セルアレイ内の書き込み線に書き込み電流を流し、前記書き込みを行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体記憶装置の書き込み方法。
  6. 書き込み線と、第1及び第2電源線と、前記書き込み線の一端と第1電源線との間に接続される第1トランスファゲートと、前記書き込み線の他端と第2電源線との間に接続される第2トランスファゲートと、前記第1電源線に接続される第1書き込みドライバ/シンカーと、前記第2電源線に接続される第2書き込みドライバ/シンカーと、前記書き込み線に書き込み電流を流すとき、前記書き込み線の他端をフローティング状態にし、前記第1電源線から前記書き込み線の一端を経由して前記書き込み線の充電を開始した後に、前記書き込み線の他端を前記第2電源線に接続し、前記書き込み線に書き込み電流を流す制御回路とを具備することを特徴とする半導体記憶装置。
  7. 書き込み線と、第1及び第2電源線と、前記書き込み線の一端と第1電源線との間に接続される第1トランスファゲートと、前記書き込み線の他端と第2電源線との間に接続される第2トランスファゲートと、前記第1電源線に接続される第1書き込みドライバ/シンカーと、前記第2電源線に接続される第2書き込みドライバ/シンカーと、前記書き込み線に書き込み電流を流すとき、前記第1電源線から前記書き込み線の一端及び他端の双方を経由して前記書き込み線の充電を開始した後に、前記書き込み線の一端を前記第2電源線に接続し、前記書き込み線に書き込み電流を流す制御回路とを具備することを特徴とする半導体記憶装置。
  8. 書き込み線と、第1及び第2電源線と、前記書き込み線の一端と第1電源線との間に接続される第1トランスファゲートと、前記書き込み線の他端と第2電源線との間に接続される第2トランスファゲートと、前記第1電源線に接続される書き込みドライバと、前記第2電源線に接続される書き込みシンカーと、前記書き込み線に書き込み電流を流すとき、前記書き込み線の他端をフローティング状態にし、前記第1電源線から前記書き込み線の一端を経由して前記書き込み線の充電を開始した後に、前記書き込み線の他端を前記第2電源線に接続し、前記書き込み線に書き込み電流を流す制御回路とを具備することを特徴とする半導体記憶装置。
  9. 前記書き込み線の一端と前記第2電源線との間に接続される第1クランプ回路と、前記書き込み線の他端と前記第2電源線との間に接続される第2クランプ回路とをさらに具備することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
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