JP2007121840A - 画像形成装置及び画像形成システム、カートリッジ、メモリ媒体 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成システム、カートリッジ、メモリ媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電電圧回路の省スペース化及び低コスト化と帯電交流電圧の高精度な制御が可能な画像形成装置及び画像形成システム、カートリッジ、メモリ媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】非画像形成時において、帯電電圧出力部から出力される帯電電圧の一部を選択して、検出用電圧として出力し、検出される電流値とあらかじめ設定されている目標電流値を比較して、画像形成時の帯電電圧を決定する手段を有し、像担持体の使用量に応じて、選択する検出用電圧を変更し、検出用電圧を出力して検出される電流値のなかで、目標電流値より大きく、かつ、最小である電流値に対応した帯電電圧を、画像形成時の帯電電圧として決定する制御部を有することを特徴する画像形成装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式を用いた画像形成装置及び画像形成システム、画像形成装置に使用されるカートリッジ、カートリッジに搭載されるメモリ媒体に関するものである。
ここで、カートリッジとは、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つと、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。又は、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものをいう。
図15に一般的な画像形成装置の一例の概略構成を示した。本例の画像形成装置は電子写真方式の複写機もしくはプリンタである。100は潜像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体ドラム100はその回転過程で帯電装置101による所定の極性、電位の一様な帯電処理を受け、次いで露光装置102による像露光を受ける。これにより感光体ドラム面に静電潜像が形成される。次いでその静電潜像は現像装置103により現像されてトナー像として顕像化される。その感光体ドラム面のトナー像が不図示の給紙部から給送された紙等の記録媒体104に対して転写装置105にて転写される。トナー像の転写を受けた記録媒体104は感光体ドラム面から分離されて定着装置106へ導入されてトナー像の定着処理を受けて画像形成物として排紙される。記録媒体分離後の感光体ドラム面はクリーニング装置107により転写残トナーを掻き取られて清掃され、繰り返して作像に供される。
画像形成装置は、上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して、画像形成を行っている。
帯電装置101としては、ローラ型、ブレード型などの帯電部材を感光体ドラム表面に接触させ、該接触帯電部材に電圧を印加して感光体ドラム表面の帯電を行う接触帯電方式が広く採用されている。特に、ローラ型の帯電部材(帯電ローラ)を用いた接触帯電方式は、長期にわたって、安定した帯電を行うことができる。
接触帯電部材としての帯電ローラに対しては、帯電バイアス印加手段から帯電バイアス電圧が印加される。該帯電バイアス電圧は直流電圧のみでも良いが、所望のドラム上暗電位Vdに相当する直流電圧Vdcに、直流電圧印加時の放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)をもつ交流電圧を重畳したバイアス電圧が用いられている(特許文献1参照)。
この帯電方法は、感光体ドラム上を均一帯電するのに優れており、直流電圧に対して交流電圧を重畳印加することによって、感光体ドラム上の局所的な電位ムラが解消され、感光体ドラム表面の帯電電位Vdは、直流印加電圧値Vdcに均一に収束する。
ただし、この方式は、直流成分のみを帯電バイアス電圧として印加する場合に比べ、感光体ドラムに対する放電量が増えるために、感光体ドラム表面がクリーニング装置と摩耗することによって削れるなどの表面劣化が促進されやすいという傾向があった。これに対処するため、帯電バイアス電圧の交流ピーク間電圧Vppをできるだけ小さく抑え、帯電ローラが感光体ドラムに対して過剰に放電することを防ぐ必要があった。
前記した、交流ピーク間電圧(Vpp)と放電量の関係は、感光体ドラム表面の感光層の膜厚や、使用環境などによって異なるため常に一定ではない。例えば、帯電ローラに同じピーク間電圧を印加しても、低温低湿環境では帯電ローラのインピーダンスが上昇するので放電量が少なく、逆にインピーダンスが低下する高温多湿環境では放電量が多い。また、使用環境が同じであっても、使用に伴って感光体表面が摩耗により削られてくると初期使用時に比べてインピーダンスが低下するので放電量が多くなる。
この問題を回避するために、帯電バイアスの交流成分を定電流で制御する方法が提案されている。これは、感光体に流れる交流電流Iacを検出してこれを一定になるように制御するもので、この方式を用いると、環境変動や感光体ドラムの削れなどによるインピーダンス変化に対して、交流ピーク間電圧が自在に変化する。そのため、環境変動や感光体ドラムの膜厚等によらず、放電量を常にほぼ一定に保つことができる(特許文献2参照)。
また、放電電流を高精度に制御する方式も提案されている。例えば、非画像形成時に帯電装置に放電領域と未放電領域の交流ピーク間電圧Vppを印加した場合の交流電流Iacを検出して両者の関係から放電電流量を算出する。そして、算出した放電電流に基づいて適正な放電量が得られる交流電圧を画像形成時の帯電バイアスとして印加する方式が提案されている。この方式は、放電電流をより直接的に制御しているので、従来の定電流制御よりも、高精度に放電電流を制御することが可能である(特許文献3参照)。
これらの方法は、ドラム寿命の延命および良好な帯電性の確保に大きな効果を上げている。
また、他にも、プロセスカートリッジにプロセスカートリッジ使用量検知/記憶手段を搭載し、また、交流ピーク間電圧には2種類以上の定電圧出力を設ける。そして、プロセスカートリッジ使用量に応じて感光体ドラムの膜厚を予測し、交流ピーク間電圧を段階的に下げる方式が提案されている(特許文献4参照)。
また、交流成分を定電圧制御した場合、直流電圧は、図14(a)に示されるように、交流出力用の昇圧トランスT−ACからダイオードDを介して、直流電圧作成用のコンデンサCをつなぎ、該コンデンサCをピークチャージさせることによって作成する。そして、この1個の電圧昇圧手段T−ACのみで交流と直流の重畳バイアスを出力することが可能である電源構成がすでに提案されている(特許文献5参照)。
この構成であれば、直流電圧専用のトランスを省けるので、定電流制御の場合に比べて電源回路構成を大幅に簡素化でき、コスト面、また電源回路の省スペース化の観点からメリットが大きい。
さらに、プロセスカートリッジの使用量に関する情報とプロセスカートリッジ固有のパラメーター値に関する情報をもつカートリッジ用のメモリ媒体も提案されている(特許文献6参照)。
特開昭63−149669号公報 特公平06−093150号公報(第4−5頁、第2図) 特開2001−201920号公報(第11−14頁、第4図) 特開平09−190143号公報(第4−5頁、第1図) 特開平11−258957号公報(第3頁、第16図) 特開2001−117468号公報(第6−7頁、第6図)
前述したように、使用状況によらず放電量をほぼ一定になるように制御するためには、特許文献2のような交流成分の定電流制御方式や、特許文献3のような放電量算出方式を採用すれば良い。しかし、これらの方法ではフィードバック回路等に高精度の部品が必要になりコストアップになる可能性がある。さらに、図14(a)のように、1個の電圧昇圧手段T−ACで交流と直流の重畳電圧を出力するため、高温多湿の環境、又は、ドラム使用量(耐久)寿命後半などの条件下においては、交流ピーク間電圧を減少させるように設定する。このため、直流電圧を生成するためのコンデンサにピークチャージするための電圧が得られない状態になり、感光体を均一に帯電するための電圧を得ることができなくなってしまう。したがって、1個の電圧昇圧手段で電源を構成する場合には、使用する環境によって、感光体ドラムへの帯電が良好に行われず、帯電不良が発生するなどの弊害が発生する場合がある。
このため、1個の電圧昇圧手段で交流と直流の重畳電圧を出力することには限界があり、安定した帯電バイアス電圧を得るためには、図14(b)のように、T−DCとT−ACを切り分け、直流用と交流用の2個の電圧昇圧手段を搭載する必要があった。
しかしながら、電圧昇圧手段は帯電発生回路の中でも高価な上に大型であるため、特に小型、低コスト画像形成装置においては、電源回路の省スペース化、低コスト化の観点から、電圧昇圧手段1個で安定した帯電バイアス電圧を出力することが望ましい。
また、特許文献4の方法では、所定のタイミング(感光体使用量)に到達したときに電圧切替(交流ピーク間電圧ダウン)を行う。このため、帯電バイアス発生回路の電源公差などによって、例えば、交流ピーク間電圧出力が公差下限のときは放電量が適正であるのに電圧切替が行われ放電量不足となって帯電不良が発生する場合がある。さらに、交流ピーク間電圧出力が公差上限のときは放電量が過多の状態であるのに所定タイミングまで電圧切替が行われず、感光体ドラムの摩耗削れが促進されることが考えられ、放電制御の精度の点で前記の定電流制御よりも劣っていた。これらは、帯電装置の抵抗値や帯電バイアス発生回路の電源公差などを小さくすれば解決できる問題であるが、電源公差を小さくするためには電源の調整のためのコストが必要となり、コスト面で問題がある。
上記の事情により、小型で、低コストな画像形成装置においては、簡易的な電源構成、特に、電圧昇圧手段1個で交流と直流の重畳バイアスを出力できる電源構成でも、帯電不良が発生せず、かつ、感光体の摩耗削れを最小限に抑える帯電制御が望まれていた。
よって、本発明は、帯電電圧回路の省スペース化及び低コスト化と帯電交流電圧の高精度な制御が可能な画像形成装置及び画像形成システム、カートリッジ、メモリ媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、感光体の長寿命化およびファーストプリントアウト時間の短縮を可能とする画像形成装置及び画像形成システム、カートリッジ、メモリ媒体を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、以下(1)〜(8)の構成を備えるものである。
(1)像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材とを備えたカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、
前記帯電部材に対して複数の交流電圧を帯電電圧として出力可能な帯電電圧出力部と、前記帯電電圧出力部から前記帯電部材に対して帯電電圧を出力した際に前記像担持体に流れる電流を検出する電流検出部とを有し、
非画像形成時において、前記帯電電圧出力部から出力される帯電電圧の一部を選択して、検出用電圧として出力し、検出される電流値とあらかじめ設定されている目標電流値を比較して、画像形成時の帯電電圧を決定する手段を有し、
前記像担持体の使用量に応じて、選択する検出用電圧を変更し、検出用電圧を出力して検出される電流値のなかで、目標電流値より大きく、かつ、最小である電流値に対応した帯電電圧を、画像形成時の帯電電圧として決定する制御部を有することを特徴する画像形成装置。
(2)前記検出用電圧が、設定された帯電電圧の標準値と、該標準値より高い帯電電圧と、該標準値より低い帯電電圧の中から選択されることを特徴とする前記(1)記載の画像形成装置。
(3)前記カートリッジは、更に、メモリ媒体を有し、
前記メモリ媒体が、前記像担持体の使用量を記憶する第一の記憶領域と、第一の記憶領域に記憶した像担持体の使用量と比較される閾値を記憶する第二の記憶領域と、画像形成時の帯電電圧を決定する過程で、前記検出用電圧を選択する際に用いられる帯電電圧の標準値を特定するデータを記憶する第三の記憶領域と、各検出用電圧に応じて像担持体に流れる電流と比較される電流の目標値を特定するデータを記憶する第四の記憶領域とを有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記カートリッジが、前記画像形成装置本体に装着されたときに、装置本体の前記制御部に対して、メモリ媒体に各記憶領域に記憶された情報を伝達する伝達手段を有することを特徴とする前記(3)に記載の画像形成装置。
(5)画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材とを有し、
前記像担持体の使用量を記憶する第一の記憶領域と、第一の記憶領域に記憶した像担持体の使用量と比較される閾値を記憶する第二の記憶領域と、画像形成時の帯電電圧を決定する過程で、検出用電圧を選択する際に用いられる帯電電圧の標準値を特定するデータを記憶する第三の記憶領域と、各検出用電圧に応じて像担持体に流れる電流と比較される電流の目標値を特定するデータを記憶する第四の記憶領域と、
を有することを特徴とするカートリッジ。
(6)画像形成装置に用いられるカートリッジに搭載されるメモリ媒体であって、
前記カートリッジは、像担持体と前記像担持体を帯電する帯電部材とを有し、前記メモリ媒体は、
前記像担持体の使用量を記憶する第一の記憶領域と、
第一の記憶領域に記憶した像担持体の使用量と比較される閾値を記憶する第二の記憶領域と、
画像形成時の帯電電圧を決定する過程で、検出用電圧を選択する際に用いられる帯電電圧の標準値を特定するデータを記憶する第三の記憶領域と、
各検出用電圧に応じて像担持体に流れる電流と比較される電流の目標値を特定するデータを記憶する第四の記憶領域と、
を有することを特徴とするメモリ媒体。
(7)カートリッジを用いて、記録媒体に画像を形成することが可能な画像形成システムであって、帯電部材に対して複数の交流電圧を帯電電圧として出力可能な帯電電圧出力部と、前記帯電電圧出力部から前記帯電部材に対して帯電電圧を出力したさいに前記像担持体に流れる電流を検出する電流検出部と、
非画像形成過程において、出力可能な帯電電圧の範囲の一部を選択して、検出用電圧として出力し、検出される電流値とあらかじめ設定されている目標電流値を比較して、画像形成時の帯電電圧を決定する手段と、
情報を記憶するメモリ媒体と、
メモリ媒体に記憶された像担持体の使用量に応じて選択する検出用電圧を変更し、
検出用電圧を出力して検出される電流値のなかで、目標電流値より大きく、かつ、最小である電流値に対応した電圧を、画像形成時の帯電電圧として決定する制御部と、
を有することを特徴する画像形成システム。
(8)前記検出用電圧が、設定された帯電電圧の標準値と、該標準値より高い帯電電圧と、該標準値より低い帯電電圧の中から選択されることを特徴とする前記(7)記載の画像形成システム。
本発明は、上記構成を備えることで帯電電圧回路の省スペース化、低コスト化と帯電交流電流の高精度な制御を両立でき、さらには感光体の長寿命化およびファーストプリントアウト時間の短縮を達成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
(1)画像形成装置の構成と動作の概略
図3は本実施例の画像形成装置の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式、プロセスカートリッジ着脱式のレーザプリンタである。
1は潜像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(感光体ドラム)である。本実施例の感光体ドラム1は負帯電性の有機感光体であり、不図示の駆動用モータによって矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
感光体ドラム1はその回転過程で帯電装置によって負の所定電位に一様に帯電処理を受ける。本実施例において帯電装置は帯電部材として帯電ローラ21を用いた接触帯電装置である。帯電ローラ21は感光体ドラム1に対して従動回転する。帯電ローラ21に対しては、帯電バイアス電源からバイアス電圧が印加される。帯電バイアス電圧には、放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)を有する交流電圧に、所望のドラム上電位Vdに相当する直流電圧Vdcを重畳印加する方式が用いられている。この帯電方法は、直流電圧に交流電圧を重畳印加することによって、感光体ドラム上の局所的な電位ムラを解消し、感光体ドラム上を直流印加電圧Vdcにほぼ等しい電位Vdに均一帯電することを狙いとしている。
次いで露光装置30による像露光を受ける。露光装置30は、均一帯電された感光体ドラム1に静電潜像を形成するものであり、本例では、半導体レーザスキャナを用いた。露光装置30は、画像形成装置内のホスト装置(不図示)から送られてくる画像信号に対応して変調されたレーザ光bを出力して、反射鏡31と、後述するプロセスカートリッジCの露光窓部aを介して感光体ドラム1の均一帯電面を走査露光(像露光)する。感光体ドラム表面は露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、画像情報に応じた静電潜像が順次形成される。
次いでその静電潜像は反転現像装置40により現像されてトナー像として顕像化される。本実施例では、ジャンピング現像方式を用いた。この方式では、現像スリーブ41に対して交流と直流を重畳した現像バイアス電圧を印加することによって、現像剤層厚規制部材42と現像スリーブ41の接触箇所でトナーを感光体ドラム表面の静電潜像に適用して静電潜像を反転現像する。
その感光体ドラム面のトナー像が給紙部から給送された紙等の記録媒体(転写材)に対して転写装置にて転写される。本例では転写ローラ5を用いた接触転写装置である。転写ローラ5は感光体ドラム1に対して感光体ドラム中心方向に不図示の押圧バネなどの付勢手段によって押圧されている。転写材が搬送されて転写工程が開始されると、転写バイアス電源から転写ローラ5に対して正極性の転写バイアス電圧が印加され、負極性に帯電している感光体ドラム1上のトナーは転写材上に転写される。
トナー像の転写を受けた転写材は感光体ドラム面から分離されて定着装置70へ導入されてトナー像の定着処理を受け、排紙トレイ85上に排出される。定着装置70は、転写材に転写されたトナー像を熱や圧力などの手段を用いて永久画像に定着するものである。
転写材分離後の感光体ドラム面はクリーニング装置60により転写残トナーを掻き取られて清掃され、繰り返して作像に供される。本例のクリーニング装置60はクリーニングブレード61を用いたものである。クリーニングブレード61は、転写工程時に感光体ドラム1から転写材に転写し切れなかった転写残トナーを回収するものであり、一定の圧力で感光体ドラム1に当接し転写残トナーを回収することによって感光体ドラム表面を清掃する。クリーニング工程終了後、感光体ドラム表面は再び帯電工程に入る。
画像形成装置は、上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して画像形成を行う。
Cは画像形成装置本体Lに対して着脱交換自在のプロセスカートリッジである。本例のプロセスカートリッジCは、潜像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1に対する接触帯電部材としての帯電ローラ21と、現像装置40と、クリーニング装置60の4つのプロセス機器を内包させている。またこのプロセスカートリッジCには記憶部であるメモリ90を具備させてある。画像形成装置本体側の通信部(不図示)を介してメモリ90に対する情報の読み書きを行う。
プロセスカートリッジCは画像形成装置本体Lの本体ドア(カートリッジドア)86を開閉して画像形成装置本体Lに対して着脱される。装着は本体ドア86を開いて画像形成装置本体L内にプロセスカートリッジCを所定の要領にて挿入装着して本体ドア86を閉じ込むことでなされる。プロセスカートリッジCの伝達手段は位置決め部97と金属接点96からなり、プロセスカートリッジCは画像形成装置本体Lに対し装着されることで、メモリ90が本体の読み書き手段に正しい位置で対面し、電気信号の通信が可能になるよう配置されている。すなわち、伝達手段によってメモリ90は画像形成装置本体L側と電気的に連結した状態になる。
プロセスカートリッジCの画像形成装置本体Lからの取り外しは、本体ドア86を開いて画像形成装置本体L内のプロセスカートリッジCを引き抜くことでなされる。
図4は抜き外された状態のプロセスカートリッジCを示している。プロセスカートリッジCは抜き外された状態時にはドラムカバー11が閉じ位置に移動していて感光体ドラム1の露出下面を隠蔽防護している。また露光窓部aもシャッタ板12で閉じ状態に保持されている。ドラムカバー11とシャッタ板12はプロセスカートリッジCが画像形成装置本体L内に装着された状態においてはそれぞれ開き位置に移動して保持される。
また、本発明によれば、メモリ90には、感光体ドラム1が使用された量が書き込まれて記憶される。メモリ90内容の中の感光体ドラムの使用量の種別は、画像形成装置によって判断できるなら特に制限はない。例えば、感光体ドラム回転時間、バイアス印加時間、印字枚数、またそれぞれの使用量の重み付けを行って組み合わせた値などが挙げられる。
また、感光体ドラムの使用量と比較される閾値情報と、使用量が閾値に達したときに設定されるべきプロセス条件を特定するデータは工場出荷時等であらかじめメモリ内に記憶されるべき情報である。閾値情報はプロセス条件を切り替えるタイミングに関する情報である。例えば、感光体ドラムの回転時間、バイアス印加時間、それぞれの使用量の重み付けを行って組み合わせた値など、あらかじめ設定された値がプロセス条件を切り替えるタイミングとして使用できる。
図5に本実施例におけるメモリ90内の記憶情報を示す。感光体のドラム使用量W、使用量の閾値情報Wiとともに、使用量の閾値情報に達したときに変更されるプロセス条件として、帯電電圧の標準値データAwiと目標電流値データBwiを記憶している。
本画像形成装置における感光体ドラムの使用量(ドラムの削れ量)は、W=tv+k×tdであらわされる(帯電交流バイアス印加時間tv、感光体回転時間td)。この算出方法については、本発明者が本実施例のシーケンスにおける感光ドラムの削れ量について、駆動時間と電圧印加時間の寄与を検討した結果をもとに得た。
また、帯電電圧の標準値とは感光体の膜厚の減少に応じて設定される、帯電の交流ピーク間電圧の目安となる値である。本実施例では標準値として標準環境(温度25°湿度50%Rh)下において、帯電ローラの抵抗や電気回路内の部品の定数が設計値であるときに、帯電不良の発生しない帯電電圧に設定している。
また、目標電流値とは帯電ローラの放電量が小さい場合に感光体ドラムの帯電が十分に行われなかった部分に生じる黒い斑点状の画像(砂地画像)が発生しない交流電流値である。
目標電流値はプロセスカートリッジの使用状況によって異なるので、感光体ドラムの使用量に対して、砂地画像が発生しない電流値をあらかじめ測定して、目標電流値を設定するとよい。本実施例では、目標電流値を帯電ローラの抵抗のばらつきや電気回路の公差を考慮しても、砂地画像が発生しない電流値に設定している。
メモリ内に記憶された標準値データAwiは、不図示の制御部が帯電電圧Vppnを特定するのに、目標電流値データBwiは、検出電流値Iacnを0〜3.4Vの電圧にした後AD変換した値、Cnと比較できるように両者とも16進数のデータにしている。
(2)プリンタ動作シーケンス
図6を用いて本実施例におけるプリンタ動作シーケンスの概略を説明する。
まず、画像形成装置内の電源がオンになると初期工程が始まる。この工程では、メインモータが感光体ドラムを回転駆動させている間に、プロセスカートリッジの有り無し検知、転写ローラのクリーニングなどが行われる。
初期工程が終了し、不図示のホストコンピュータなどの出力手段から画像情報が装置に送られていない場合は装置が待機(スタンバイ)状態に入り、画像情報を待つ。また、初期工程中に画像情報が送られると、メインモータの駆動は継続し、初期工程から連続して画像形成前工程に入る。画像形成前工程に於いては、諸プロセス機器の印字準備動作が行われ、主として、感光体ドラム上の予備帯電、レーザスキャナの立ち上げ、転写プリントバイアスの決定、定着装置の温度調節などが行われる。
画像形成前工程が終了すると、画像形成工程が開始される。画像形成工程では、所定タイミングで転写材の給紙、感光体ドラム上の像露光、現像などが行われる。画像形成工程が終了すると、次のプリント信号がある場合、次の転写材が到達するまでの間の紙間工程に入り、次の印字動作を待つ。
また、印字動作終了後、次のプリント信号がない場合は、画像形成装置は画像形成後工程に入る。画像形成後工程では、感光体ドラム表面の除電や、転写ローラに付着したトナーを感光体ドラムへ吐き出す(転写ローラのクリーニング)などの工程が行われている。
画像形成後工程が終了すると、画像形成装置は、再び待機(スタンバイ)状態となり、次のプリント信号を待つ。
(3)プロセス条件の切り替え動作
次に、感光体ドラム使用量が閾値に達したときにプロセス条件を切り替える動作について説明する。
1)メモリ内に記憶された感光体ドラムの使用量Wを読み出す。
2)カートリッジの使用量Wとメモリに記憶された使用量の閾値Wiを比較する。
3)使用量に対応した、帯電電圧の標準データAwiと目標電流値データBwiを選択する。
4)感光体ドラムの駆動を開始する。
5)帯電交流バイアス印加時間Δtvと感光体回転時間Δtdの計測を開始する。
6)動作した時間内の感光体使用量ΔWを求めるために、帯電交流バイアス印加時間に、演算係数kで重み付けした感光体回転時間を加える(ΔW=Δtv+k×Δtd)。
7)感光体ドラムの使用量Wに動作中の使用量ΔWを加えた値をドラム使用量Wとしてメモリに書き込む。
8)感光体ドラムの駆動を停止する。
(4)帯電バイアス電源回路
本実施例で用いた帯電バイアス電源回路22について、図7を用いて概念的に説明する。
本実施例では、帯電バイアス電源回路22は、交流電圧用制御信号発振部53から異なる8通りの交流ピーク間電圧であるVppn(n=1〜8:Vpp1>Vpp2>Vpp3>Vpp4>Vpp5>Vpp6>Vpp7>Vpp8)を出力できる。交流電圧用制御信号発振部53からの交流ピーク間電圧Vppnの出力は、制御部51において帯電電圧選択部52が制御されることで選択的になされる。
まず、交流電圧用駆動信号発振部53からの出力電圧は、増幅回路23で増幅され、オペアンプ、抵抗、コンデンサなどからなる正弦電圧変換回路24で正弦変換された後、コンデンサC1を介し直流成分をゼロにカットされ、昇圧トランスT1に入力される。昇圧トランスT1に入力された電圧は、トランスの巻き数に応じた正弦電圧に昇圧される。
他方、コンデンサC2には、前記の昇圧された正弦電圧が整流回路D1で整流された後、ピークチャージされる。これによって、ある一定の直流電圧Vdc1が発生する。さらに、直流電圧用制御信号発振部54からは、印字濃度になどによって決まる出力電圧が出力され、整流回路25で整流された後、一定電圧VaとしてオペアンプIC1のマイナス入力端子に入力される。また、同時にオペアンプIC1のプラス入力端子には昇圧トランスT1の一方の端子電圧を抵抗R1と抵抗R2で分圧された電圧Vbが入力され、両者(VaとVb)の値が等しくなるようにトランジスタQ1を駆動する。これによって、抵抗R1と抵抗R2には電流が流れ電圧降下が生じ、直流電圧Vdc2が発生する。
以上に説明した直流電圧Vdc1、Vdc2を足し合わせて所望の直流電圧が得られる。この直流電圧が、交流電圧昇圧手段T1の2次側で前述した交流電圧と重畳され、プロセスカートリッジC内の帯電ローラ21に印加される。
なお、本方式では、交流電圧昇圧手段T1を用いて直流電圧を作成しているので、直流電圧は交流ピーク間電圧Vppに対して従属の関係にある。つまり、帯電電位を均一にするための所望の直流電圧Vdcを得るためには、交流電圧昇圧手段T1によってコンデンサC2に一定水準の電荷をチャージさせる必要がある。そして、直流電圧と交流電圧を重畳した電圧をもちいて帯電を行う方式では、図8のように、所望の直流電圧Vdc′を得るためには、交流ピーク間電圧Vppは、2×|Vdc′|以上でなければならない。Vppが2×|Vdc′|よりも小さい領域では、コンデンサC2は十分にチャージしきれないため所望の直流電圧Vdc′を得ることができないので、ドラム上電位Vdを所望の値に帯電させることができなくなり、良好な画像を得ることができない。
前述したように、使用環境によって交流ピーク間電圧Vppは異なる値に設定される。特に、高温高湿の環境においては、Vppは小さい値に設定されるため、その場合にコンデンサC2に十分にチャージされず、所望の直流電圧を得られない場合が発生する。
ゆえに、53が出力できるVppの出力範囲の内の最小値Vpp−minが、帯電ムラを発生させない所望のVdc′に対して、Vpp−min≧2×|Vdc′|なる関係が成り立つように帯電のVdcとVpp−minの関係を設定している。
(5)適正帯電バイアス電圧の決定
本実施例は、初期工程において、検出用電圧である帯電電圧を印加したさい流れる電流値と設定された目標電流値を比較して、画像形成時の帯電電圧を決定する装置である。そして、出力可能な帯電電圧の範囲の一部を検出用電圧の範囲にして、感光体ドラムの使用量で切り替えることを特徴としている。具体的には、検出用電圧の範囲をメモリ90内に記憶された帯電電圧の標準値と前後の帯電電圧としている。
画像形成時の帯電バイアス電圧の決定方法を、図7を用いて説明する。
図7において、帯電ローラ21に帯電バイアス電圧が印加されると、交流電流Iacnは帯電ローラ21、感光体ドラム1を経て高圧電源回路GNDに流れる。このとき、交流電流検出回路26は、この交流電流を、抵抗、コンデンサなどからなる不図示のフィルタ回路で帯電周波数に等しい周波数をもった交流電流のみを抽出し、0〜3.4Vの電圧に電圧変換して、制御部51へ入力する。帯電交流電流値は帯電ローラやドラムの周期で変動する場合がある。特に感光体ドラムには製造時の塗工ムラや偏芯による削れムラなどにより、周方向の膜厚ムラが発生して周方向でインピーダンスが変動する場合がある。これによって、同じ帯電圧Vppを印加しても交流電流Iacnが変動するので、ドラムの1周期以上の時間検出して平均等の演算処理をするのが検出精度向上のために好ましい。
制御部51は、入力された検出電圧VnをAD変換値Cnにしている。他方、あらかじめメモリ90には、目標電流値Iwiを電圧変換後にAD変換した値Bwiが記憶されている。制御部51はCnとBwi(検出電流値Iacnと目標電流値Iwi)を比較する。
また、感光体ドラム使用量Wが閾値Wiに達したときに、標準帯電電圧データAwi、目標電流値Bwiを選択する。したがって、標準帯電電圧はVppnに設定されて、検出用電圧として、Vppn−1、Vppn、Vppn+1を選択する。
次に、本実施例における、プロセスカートリッジ装着から画像形成終了にいたるの一連の動作について、図1、図2のフローチャートと図9のブロック図を用いて説明する。なお、このシーケンスでは、画像形成時の帯電電圧Vprnを目標電流値Iwiより大きい電流値のなかで、最小である電流値に対応した電圧に決定している。
S101:カートリッジCを画像形成装置本体Lに装着する。
S102:メモリ90内のデータを装置本体が読み出す。
S103:ドラム使用量Wと使用量の閾値Wiを比較して、Wi≦W<Wi+1なら閾値Wiに対応する電圧標準値Vppn(データ:Awi)、目標電流値Iwi(データ:Bwi)に設定する。したがって、検出用電圧としてVppn−1、Vppn、Vppn+1を選択する。
S104:感光体ドラムの駆動を開始し、駆動時間Δtdと帯電印加時間Δtpのカウントを始める。
S105:初期値として画像形成時の帯電電圧VprnをVppn−2に設定する。
S106:検出電圧Vppn−1を感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCn−1と目標電流値データBwiを比較して、Cn−1が大きいのならS107進む。
S107:像形成時の帯電電圧VprnをVppn−1に設定し直す。
S108:検出電圧Vppを感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCnと目標電流値データBwiを比較して、Cnが大きいのならS109に進む。
S109:画像形成時の帯電電圧VprnをVppnに設定し直す。
S110:検出電圧Vpp+1を感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCn+1と目標電流値データBwiを比較して、Cn+1が大きいのならS111に進む。
S111:画像形成時の帯電電圧VprnをVppn+1に設定し直す。
S112:プリントレディになる。
S113:プリント信号を入力があるか?YesならS114に進む。NoならS119に進む。
S114:画像形成前工程を開始する。
S115:画像形成を開始する(画像形成時の帯電電圧Vprn)。
S116:プリント信号を入力があるか?YesならS117に進む。NoならS118に進む。
S117:紙間工程を開始する。
S118:画像形成後工程を開始する。S113に戻る。
S119:待機モードになる。
S120:駆動時間Δtdと帯電印加時間Δtpのカウントを終了する。感光体ドラムの駆動が終了する。
S121:メモリ90に感光体ドラム使用量データW=W+ΔW (ΔW=Δtv+k×Δtd)を書き出す。
本シーケンスでは、検出用電圧の範囲をVppn−1〜Vppn+1に設定しており、画像形成時の帯電電圧としてはVppn−2〜Vppn+1の中から選択される。また、検出用電圧の範囲は、画像形成時の帯電電圧の選択範囲が下記のような上下限値を含む範囲になように設定するとよい。
帯電電圧上限値:低温低湿環境下(帯電ローラインピーダンスの高い温湿度条件)で帯電ローラの抵抗や回路の公差等によらずに、砂地が発生しない電圧のなかで最小の値。
帯電電圧下限値:高温高湿環境下で帯電ローラの抵抗や回路の公差等がもっとも砂地に有利な条件のとき、砂地が発生しない電圧値。
さらに、本実施例では、感光体ドラムの使用量に応じて、検出用電圧の範囲が切り替わっても、画像形成時の帯電電圧の選択範囲が上述した上限値と下限値を含む電圧範囲になるように、検出電圧値と各検出用電圧間の差を設定している。
(6)効果
像担持体と帯電手段に複数の検出用電圧を切り替えながら印加したさいに、両者に流れる交流電流値を検出して、目標の電流値と比較しているので、装置の帯電電圧や、感光体ドラムや帯電手段のインピーダンスがばらついても、適正な帯電電圧を決定できる。また、本実施例では、検出精度を高めるために、切り替え可能な帯電電圧を多数設けた場合でも、検出精度を落とさずに短時間で適正な帯電電圧の決定をすることができる。その結果、高い精度の帯電制御や感光体の長寿命化およびファーストプリントアウト時間の短縮を達成できる。
本発明の効果を明確化するために、以下の評価を行った。
<実験1>
本実施例と比較例1と2について、耐久の帯電電流値および感光体ドラムの寿命とファーストプリントアウト時間の計測を行った。
<評価条件>
環境:温度25℃、湿度50%Rh
プロセススピード(感光体表面の移動速度):94mm/sec
帯電交流周波数:900Hz
検出時間:感光体ドラム1周
感光体ドラム直径:φ30cm
感光体ドラム表面層膜厚:25μm
クリーニングブレードの感光体ドラムに対する当接圧:40gf/cm
評価モード:1枚ごとの間欠耐久
また、帯電制御の目標電流値については表1のテーブルで示す。表1は、感光体ドラムの使用量と目標電流値のテーブルである。
Figure 2007121840
<実施例1>
印加可能電圧:1650V〜2000V(電圧間隔50V):8電圧
検出電圧:3電圧(帯電電圧の標準値と前後の電圧)
また、検出電圧範囲については、表2のテーブルで示す。表2は、感光体ドラムの使用量と帯電電圧の標準値(検出電圧範囲)のテーブルである。
Figure 2007121840
<比較例1>
印加可能電圧:1650V〜2000V(電圧間隔50V):8電圧
検出電圧:1650V〜2000V(電圧間隔50V):8電圧
<比較例2>
印加可能電圧:1650V〜2000V(電圧間隔175V):3電圧
検出電圧:1650V〜2000V(電圧間隔175V):3電圧
<結果>
図10に感光体ドラムに流れた交流電流値(実効値)の耐久推移を示す。この図において、比較例2は帯電電圧の切り換え直前で大きな電流値が流れてしまい、感光体ドラムの削れが促進されてしまう。また、比較例1は耐久を通して適正な電流値になっているが、検出電圧に装置が印加可能な電圧をすべて用いているので、画像形成時の帯電電圧を決定する工程が長くなる。したがって、カートリッジ装着後や電源オン後にプリントを出力するときに、ファーストプリントタイムの時間が長くなってしまう。一方、実施例1では、耐久を通して目標電流値に近い値で帯電電圧が印加されることが分かる。また、本実施例では耐久を通して砂地画像の発生はなく、比較例1と比べるとファーストプリントタイムも短縮化できた。
表3は感光体ドラムの寿命とカートリッジ装着後のファーストプリントタイム時間の評価結果である。
Figure 2007121840
このようにして、比較例2に比べファーストプリントタイム6.0sec短くすることができ、比較例2と比べると感光体ドラムの寿命を約15%延ばすことができた。
以上、本実施例における効果は画像形成時の帯電電圧を決定することを、初期工程で行う例によって示したが、本実施例の効果である検出時間の短縮化によって画像形成前工程で行うことも可能である。
以上、説明したように、本発明によれば、1個の電圧昇圧手段で交流と直流の重畳バイアスを印加する系においても、初期工程、もしくは、非画像形成時の任意のタイミングで、感光体ドラム使用量に応じた複数の交流電圧を印加する。そして、交流電流検知手段が感光体に流れる電流値を検知し、最適な電圧レベルをプリントバイアスとして用いるので、感光体を流れる交流電流は、ほぼ一定に近い値に制御される。
これによって、使用環境、感光ドラムの膜厚などのインピーダンス変化、および、帯電電源の公差を補正して、高い精度の帯電制御が可能となった。ゆえに、本発明の目的であった電源回路の低コスト化、省スペース化と高い精度の放電制御とを両立して実現できた。
プロセスカートリッジ内の感光体ドラムの使用量が大きくなると、装置本体の出力可能な帯電電圧の範囲の下限側に近づく。したがって、帯電電圧を決定する工程で用いる検出用電圧の数を少なくすることができる。また、感光体ドラムと現像装置を一体化したプロセスカートリッジの場合、低印字率で長い期間、使用するユーザは感光体ドラムの寿命に到達しやすい。その場合には使用量後半で、検出用電圧の数を少なくすることで検出用電圧印加時間を少なくして、ドラム寿命を向上させることができる。
表4に実施例2における感光体ドラムの使用量と検出電圧範囲(検出電圧数)のテーブル示す。なお、装置本体は実施例1と同様の構成を用いた。
Figure 2007121840
次に、本実施例における、プロセスカートリッジ装着から画像形成終了にいたるの一連の動作について、図11、12のフローチャートと図13のブロック図を用いて説明する。このシーケンスでは検出用電圧数Nwiを1〜3までに設定おり、画像形成時の帯電電圧Vprnを目標電流値Iwiより大きい電流値のなかで、最小である電流値に対応した電圧に決定している。なお、実施例1と同じ機能、役割を有するものには同じ番号、記号を用いている。
S201:カートリッジCを画像形成装置本体Lに装着する。
S202:メモリ90内のデータを装置本体が読み出す。
S203:ドラム使用量Wと使用量の閾値Wiを比較して、Wi≦W<Wi+1なら閾値Wiに対応する電圧標準値Vppn(データ:Awi)、目標電流値Iwi(データ:Bwi)、検出用電圧数Nwiに設定する。
S204:感光体ドラムの駆動を開始し、駆動時間Δtdと帯電印加時間Δtpのカウントを始める。
(CASE1)Nwi=3の場合
S205:検出用電圧数が1かどうかを判断する。Nwi=3の場合NoなのでS206へ進む。
S206:初期値として画像形成時の帯電電圧VprnをVppn−2に設定する。
S207:検出電圧Vpp−1を感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCn−1と目標電流値データBwiを比較して、Cn−1≧BwiならS208進む。NoならS209へ進む。
S208:像形成時の帯電電圧VprnをVppn−1に設定し直す。
S209:検出電圧Vppを感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCnと目標電流値データBwiを比較して、Cn≧BwiのならS210進む。NoならS211へ進む。
S210:画像形成時の帯電電圧VprnをVppnに設定し直す。
S211:検出用電圧数が3かどうかを判断する。Nwi=3の場合YesなのでS212へ進む。
S212:検出電圧Vpp+1を感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCn+1と目標電流値データBwiを比較して、Cn+1≧BwiのならS213進む。NoならS214へ進む。
S213:画像形成時の帯電電圧VprnをVppn+1に設定し直す。S214へ進む。
(CASE2)Nwi=2の場合
S205:検出用電圧数が1かどうかを判断する。Nwi=2の場合NoなのでS206へ進む。
S206:初期値として画像形成時の帯電電圧VprnをVppn−2に設定する。
S207:検出電圧Vpp−1を感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCn−1と目標電流値データBwiを比較して、Cn−1≧BwiのならS208へ進む。NoならS209へ進む。
S208:像形成時の帯電電圧VprnをVppn−1に設定し直す。
S209:検出電圧Vppを感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCnと目標電流値データBwiを比較して、Cn≧BwiのならS210へ進む。NoならS211へ進む。
S210:画像形成時の帯電電圧VprnをVppnに設定し直す。
S211:検出用電圧数が3かどうかを判断する。Nwi=2の場合NoなのでS214へ進む。
(CASE3)Nwi=1の場合
S205:検出用電圧数が1かどうかを判断する。Nwi=1の場合YesなのでS208へ進む。
S208:像形成時の帯電電圧VprnをVppn−1に設定する。
S209:検出電圧Vppを感光体ドラム1周分(Δtc)印加し、検出電流値データCnと目標電流値データBwiを比較して、Cn≧BwiのならS210へ進む。NoならS211へ進む。
S210:画像形成時の帯電電圧VprnをVppnに設定し直す。
S211:検出用電圧数が3かどうかを判断する。Nwi=1の場合NoなのでS214へ進む。
(帯電電圧決定後の動作)
S214:プリントレディになる。
S215:プリント信号を入力があるか?YesならS216に進む。NoならS221に進む。
S216:画像形成前工程を開始する。
S217:画像形成を開始する(画像形成時の帯電電圧Vprn)。
S218:プリント信号を入力があるか?YesならS219に進む。NoならS220に進む。
S219:紙間工程を開始する。
S220:画像形成後工程を開始する。S215に戻る。
S221:待機モードになる。
S222:駆動時間Δtdと帯電印加時間Δtpのカウントを終了する。感光体ドラムの駆動が終了する。
S214:メモリ90に感光体ドラム使用量データW=W+ΔW (ΔW=Δtv+k×Δtd)を書き出す。
以上のシーケンスで、感光体ドラム使用量に応じて、検出用電圧の数を少なくすることができる。したがって、感光体ドラムの使用量後半で検出用電圧印加時間を少なくすることができる。
以上、説明したように本実施例では、実施例1の効果のほかに、感光体ドラム使用量に対して検出用電圧を少なくすることで、よりドラム寿命を向上させることができる。
さらに、画像形成前工程で用いる場合には、感光体ドラム寿命の向上に効果がある。
本発明の実施例1の帯電バイアス決定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例1の帯電バイアス決定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例1の画像形成装置を示す図である。 本発明の実施例1のプロセスカートリッジを示す図である。 本発明の実施例1のメモリ媒体を示す図である。 本発明の実施例1の画像形成装置動作シーケンス概略図である。 本発明の帯電バイアス電源回路を説明する概念図である。 交流ピーク間電圧と出力可能な直流電圧との関係を示す図である。 本発明の実施例1の帯電バイアス決定方法を示すブロック図である。 本発明の実施例1の効果を説明する図である。 本発明の実施例2の帯電バイアス決定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例2の帯電バイアス決定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例2の帯電バイアス決定方法を示すブロック図である。 従来例の帯電バイアス電源回路を概念的に説明する図である。 従来例の画像形成装置の構成を説明する図である。
符号の説明
C プロセスカートリッジ
L レーザプリンタ(画像形成装置に対応)
1 感光体ドラム(像担持体に対応)
21 接触帯電ローラ(帯電部材に対応)
22 帯電バイアス電源回路
30 レーザユニット(露光手段に対応)
41 現像スリーブ
42 現像ブレード
5 転写ローラ
60 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
70 定着ユニット
90 メモリ
50 制御部

Claims (8)

  1. 像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材とを備えたカートリッジを着脱可能な画像形成装置であって、
    前記帯電部材に対して複数の交流電圧を帯電電圧として出力可能な帯電電圧出力部と、前記帯電電圧出力部から前記帯電部材に対して帯電電圧を出力した際に前記像担持体に流れる電流を検出する電流検出部とを有し、
    非画像形成時において、前記帯電電圧出力部から出力される帯電電圧の一部を選択して、検出用電圧として出力し、検出される電流値とあらかじめ設定されている目標電流値を比較して、画像形成時の帯電電圧を決定する手段を有し、
    前記像担持体の使用量に応じて、選択する検出用電圧を変更し、検出用電圧を出力して検出される電流値のなかで、目標電流値より大きく、かつ、最小である電流値に対応した帯電電圧を、画像形成時の帯電電圧として決定する制御部を有することを特徴する画像形成装置。
  2. 前記検出用電圧が、設定された帯電電圧の標準値と、該標準値より高い帯電電圧と、該標準値より低い帯電電圧の中から選択されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記カートリッジは、更に、メモリ媒体を有し、
    前記メモリ媒体が、前記像担持体の使用量を記憶する第一の記憶領域と、第一の記憶領域に記憶した像担持体の使用量と比較される閾値を記憶する第二の記憶領域と、画像形成時の帯電電圧を決定する過程で、前記検出用電圧を選択する際に用いられる帯電電圧の標準値を特定するデータを記憶する第三の記憶領域と、各検出用電圧に応じて像担持体に流れる電流と比較される電流の目標値を特定するデータを記憶する第四の記憶領域とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記カートリッジが、前記画像形成装置本体に装着されたときに、装置本体の前記制御部に対して、メモリ媒体に各記憶領域に記憶された情報を伝達する伝達手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
    像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材とを有し、
    前記像担持体の使用量を記憶する第一の記憶領域と、第一の記憶領域に記憶した像担持体の使用量と比較される閾値を記憶する第二の記憶領域と、画像形成時の帯電電圧を決定する過程で、検出用電圧を選択する際に用いられる帯電電圧の標準値を特定するデータを記憶する第三の記憶領域と、各検出用電圧に応じて像担持体に流れる電流と比較される電流の目標値を特定するデータを記憶する第四の記憶領域と、
    を有することを特徴とするカートリッジ。
  6. 画像形成装置に用いられるカートリッジに搭載されるメモリ媒体であって、
    前記カートリッジは、像担持体と前記像担持体を帯電する帯電部材とを有し、前記メモリ媒体は、
    前記像担持体の使用量を記憶する第一の記憶領域と、
    第一の記憶領域に記憶した像担持体の使用量と比較される閾値を記憶する第二の記憶領域と、
    画像形成時の帯電電圧を決定する過程で、検出用電圧を選択する際に用いられる帯電電圧の標準値を特定するデータを記憶する第三の記憶領域と、
    各検出用電圧に応じて像担持体に流れる電流と比較される電流の目標値を特定するデータを記憶する第四の記憶領域と、
    を有することを特徴とするメモリ媒体。
  7. カートリッジを用いて、記録媒体に画像を形成することが可能な画像形成システムであって、帯電部材に対して複数の交流電圧を帯電電圧として出力可能な帯電電圧出力部と、前記帯電電圧出力部から前記帯電部材に対して帯電電圧を出力したさいに前記像担持体に流れる電流を検出する電流検出部と、
    非画像形成過程において、出力可能な帯電電圧の範囲の一部を選択して、検出用電圧として出力し、検出される電流値とあらかじめ設定されている目標電流値を比較して、画像形成時の帯電電圧を決定する手段と、
    情報を記憶するメモリ媒体と、
    メモリ媒体に記憶された像担持体の使用量に応じて選択する検出用電圧を変更し、
    検出用電圧を出力して検出される電流値のなかで、目標電流値より大きく、かつ、最小である電流値に対応した電圧を、画像形成時の帯電電圧として決定する制御部と、
    を有することを特徴する画像形成システム。
  8. 前記検出用電圧が、設定された帯電電圧の標準値と、該標準値より高い帯電電圧と、該標準値より低い帯電電圧の中から選択されることを特徴とする請求項7記載の画像形成システム。
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