JP2007121380A - 光導波回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路の提供を目的とする。
【解決手段】本発明にかかる光導波回路は、光軸と略直交する第一の側面と、第一の側面に略平行に対向する第二の側面と、第二の側面と90°より大きく180°より小さい内角を持つように配置される第三の側面とを含む。第二の側面と第三の側面とが90°より大きく180°より小さい内角を持つため、ミラー溝に流し込まれる硬化性樹脂が第三の側面上で自らの表面張力によりせり上がるのを防ぐことができる。このため表面が平坦な反射部を形成することができる。また、ミラー溝が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、導波光の入出力において使用される反射面の反射角制御性を向上し、反射面の製造歩留りを向上することができる光導波回路に関する。
従来の光導波回路では、導波路の光軸に対して直交するミラー溝がエッチング等により形成され、そのミラー溝に金属膜が配置されていた。導波光がその金属膜で反射されることにより、導波路から導波光が出力された(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された光導波回路では、導波路の光軸に直交し、且つ光導波回路中の導波路のコアより深いミラー溝が設けられ、このミラー溝の底部に金属膜が蒸着形成される。さらに、ループを描くように形成されたリボン状金属膜の両端が、ミラー溝底部の金属膜上に圧着されている。リボン状金属膜は、導波路から導波光を取り出すため、導波光を上方に反射させる。
しかし、リボン状金属膜では、平坦な反射面を形成するのが困難であった。このため、導波光の波面歪みや散乱が発生していた。またリボン状金属膜の成すループの形状を微調整するのが困難であった。このため、リボン状金属膜で反射された導波光は、リボン状金属膜上の反射した場所に応じて反射角度が大きく異なり反射角度の制御性が悪く、また製造歩留りが悪かった。
特開2004−118081号公報
本発明は、このような問題を解決するために、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路の提供を目的とする。
本発明に係る光導波回路は、導波光を入出力するミラー溝が、光軸と略直交する第一の側面と、第一の側面に略平行に対向する第二の側面と、第二の側面と90°より大きく180°より小さい内角を持つように交わる第三の側面とを含む。第二の側面と第三の側面とが90°より大きく180°より小さい内角を持つため、ミラー溝に流し込まれる硬化性樹脂が第三の側面上で自らの表面張力によりせり上がるのを防ぐことができる。このため、表面が平坦な反射部を形成することができる。また、ミラー溝が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。従って、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
さらに、本発明に係る光導波回路は、導波光を入出力するミラー溝が、光軸と略直交する第一の側面と、第一の側面に略平行に対向する第二の側面と、第二の側面と90°以上で180°より小さい内角を持つように交わる第三の側面と、180°より小さい外角で第三の側面と交わる第四の側面と、を含む。第四の側面と第三の側面との成す交線が、反射部の反射面と第三の側面との成す交線より第一の側面側にある。このため、ミラー溝に流し込まれる硬化性樹脂は、ミラー溝の底面の表面不整等により流れが乱されても、第四の側面と第三の側面とのコーナーでせき止められ、ミラー溝が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。また、底面の表面不整等の影響を抑え、表面が平坦な反射部を形成することができる。従って、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
具体的には、本願第1の発明は、平坦な基板上に形成されたクラッドと、前記クラッドに囲まれ光を導波するコアと、前記コアを遮るように形成され底面が前記コアより深いミラー溝と、を備える光導波回路であって、前記ミラー溝は、前記コアの露出する第一の側面が前記コアの光軸に略直交し、第二の側面が前記第一の側面に略平行に対向し、第三の側面が90°より大きく180°より小さい内角で前記第二の側面と交わり、前記底面が前記第二の側面とのコーナーにコアからの光を前記底面と反対側に反射する反射部を有する光導波回路である。
反射部は、硬化性樹脂により形成されるのが好ましい。液状の硬化性樹脂をミラー溝の所定の位置に流し込み硬化させることにより形成することができる。反射部は、ミラー溝の底面と第二の側面とのコーナーに斜面を有し、底面、第二の側面及び第三の側面と接する。第三の側面が、第二の側面に対し90°より大きく180°より小さい内角で交わるため、ミラー溝に流し込まれる硬化性樹脂が、第三の側面上で、表面張力によりせり上がるのを防止することができる。このため表面が平坦な反射部を形成することができる。また、せり上がり現象を抑えることにより、ミラー溝が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。従って、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
本願第1の発明において、前記底面は、前記反射部を有しない部分が前記反射部を有する部分に比べ、前記反射部の前記底面と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈するのが好ましい。
ミラー溝は、斜め蒸着法等により表面処理が施される。底面は、濡れ性の異なる領域に分けられ、底面の第一の側面側を硬化性樹脂に対してより大きい接触角を呈する大接触角領域と、第二の側面側をより小さい接触角を呈する小接触角領域とに分けられる。第三の側面も硬化性樹脂に対してより大きい接触角を呈する大接触角領域とより小さい接触角を呈する小接触角領域とに分けられる。ミラー溝に流し込まれた硬化性樹脂は、底面のより小さい接触角を呈する小接触角領域を選択して流れ、第三の側面に突き当たる。硬化性樹脂は第三の側面上の小接触角領域をせり上がる。硬化性樹脂は、底面及び第三の側面上の小接触角領域と大接触角領域の境界でせき止められる。従って、底面の小接触角領域と第二の側面とのコーナーに斜面を有する反射部を精度よく形成することができる。
本願第1の発明において、前記第三の側面と前記第二の側面との成す内角から90°をひいた角度をθ°とし、前記反射部が前記底面と成す傾斜角をφ°とし、前記底面における前記反射部を有しない部分の接触角をΓ°としたとき、前記θが下式(1)を満足することが好ましい。
θ≧sin−1(cosΓ/sinφ)(1)
このとき底面における反射部を有しない部分とは、底面の大接触角領域と略一致するため、接触角のΓとは底面の大接触角領域の接触角を示す。
第三の側面が90°より大きく180°より小さい内角で前記第二の側面と交わることで、硬化性樹脂が表面張力により、第三の側面上で接触角が異なる境界を越えてせり上がるのを防止することができる。より厳密には、第三の側面と反射部の斜面との成す角度が底面の大接触角領域の接触角より小さいことが好ましい。すなわち上式(1)を満足すればよい。上式(1)を満足するように、第三の側面を第二の側面に対して配置することで、硬化性樹脂が第三の側面上において大接触角領域と小接触角領域との境界を越えてせり上がるのを防止することができる。
具体的には、本願第2の発明は、平坦な基板上に形成されたクラッドと、前記クラッドに囲まれ光を導波するコアと、前記コアを遮るように形成され底面が前記コアより深いミラー溝と、を備える光導波回路であって、前記ミラー溝は、前記コアの露出する第一の側面が前記コアの光軸に略直交し、第二の側面が前記第一の側面に略平行に対向し、第三の側面が90°以上で180°より小さい内角で前記第二の側面と交わり、第四の側面が180°より小さい外角で第三の側面と交わり、前記底面が前記第二の側面とのコーナーにコアからの光を前記底面と反対側に反射する反射部を有し、前記第四の側面と前記第三の側面との成す交線が前記反射部の反射面と前記第三の側面との成す交線より第一の側面側にある光導波回路である。
反射部は、硬化性樹脂により形成されるのが好ましい。液状の硬化性樹脂をミラー溝の所定の位置に流し込み硬化させることにより形成することができる。反射部は、ミラー溝の底面と第二の側面とのコーナーに斜面を有し、底面、第二の側面及び第三の側面と接する。また、第四の側面は、180°より小さい外角で第三の側面と交わるように配置される。第四の側面と第三の側面との成す交線が反射部の反射面と第三の側面との成す交線より僅かに第一の側面側にある。このため、ミラー溝に流し込まれる硬化性樹脂は、ミラー溝の底面の表面不整等により流れが乱されても、第四の側面と第三の側面とのコーナーでせき止められるため、ミラー溝が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。また、底面の表面不整等の影響を抑えられるため、表面が平坦な反射部を形成することができる。従って、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
本願第2の発明において、前記底面は、前記反射部を有しない部分が前記反射部を有する部分に比べ、前記反射部の前記底面と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈することが好ましい。
ミラー溝は、第一の発明と同様、斜め蒸着法等による表面処理が施される。底面は、濡れ性の異なる領域に分けられ、底面の第一の側面側を硬化性樹脂に対してより大きい接触角を呈する大接触角領域と、より小さい接触角を呈する小接触角領域とに分けられる。第三の側面も硬化性樹脂に対して大きい接触角を呈する大接触角領域と小さい接触角を呈する小接触角領域とに分けられる。第四の側面は小さい接触角を呈する。ミラー溝に流し込まれた硬化性樹脂は、底面のより小さい接触角を呈する小接触角領域を選択して流れ、第三の側面に突き当たる。硬化性樹脂は第三の側面上の小接触角領域をせり上がる。硬化性樹脂は、底面の大接触角領域と小接触角領域との境界でせき止められる。さらに、ミラー溝の底面の表面不整等により流れが乱れても、第四の側面と第三の側面とのコーナーで表面張力によりせき止められ、底面の大接触角領域に流れ込まない。従って、底面の小接触角領域と第二の側面とのコーナーに斜面を有する反射部を形成することができる。
本願第2の発明において、前記第三の側面と前記第四の側面との成す外角をσ°とし、前記底面における前記反射部を有する部分の接触角をγ°としたとき、前記σが下式(2)を満足する事が好ましい。
σ≦γ+90 (2)
このとき底面における反射部を有する部分と、底面における小接触角領域とは略一致するため、接触角γとは底面の小接触角領域の接触角を示す。
第四の側面は、180°より小さい外角で第三の側面と交わる。第四の側面と第三の側面との成す交線が反射部の反射面と第三の側面との成す交線より僅かに第一の側面側にある。このため、底面の表面不整等があったとしても、硬化性樹脂は第四の側面と第三の側面とのコーナーで表面張力によりせき止められ、大接触角領域に流れ込まず、ミラー溝が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。また、底面の表面不整等の影響を抑えることで、表面が平坦な反射部を形成することができる。より厳密には、第三の側面と第四の側面との成す外角をσ°とし、底面における小接触角領域の接触角をγ°としたとき、前記σが上式(2)を満足する事が好ましい。上式(2)を満足するように第三の側面と第四の側面とを配置することで、底面に表面不整等があり硬化性樹脂の流れが多少乱れたとしても、硬化性樹脂を第四の側面と第三の側面とのコーナーで自らの表面張力によりせき止めることができる。
なお、前述したこれらの発明は可能な限り組み合わせることができる。
本発明により、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
(実施の形態1)
本願第1の実施形態は、平坦な基板上に形成されたクラッドと、前記クラッドに囲まれ光を導波するコアと、前記コアを遮るように形成され底面が前記コアより深いミラー溝と、を備える光導波回路であって、前記ミラー溝は、前記コアの露出する第一の側面が前記コアの光軸に略直交し、第二の側面が前記第一の側面に略平行に対向し、第三の側面が90°より大きく180°より小さい内角で前記第二の側面と交わり、前記底面が前記第二の側面とのコーナーにコアからの光を前記底面と反対側に反射する反射部を有する光導波回路である。
第1の実施形態に係る光導波回路について図1及び図2を用いて説明する。図1は、第1及び第2の実施形態に係る光導波回路の上面図である。図2は、第1の実施形態に係る光導波回路であって、図1のA−A’面における断面図である。図1及び図2に示す光導波回路91は、平坦な基板10上に形成されたクラッド11と、クラッド11に囲まれ光を導波するコア12と、コア12を遮るように形成され底面24がコア12より深いミラー溝20と、を備える光導波回路91であって、ミラー溝20は、コア12の露出する第一の側面25がコア12の光軸101に略直交し、第二の側面26が第一の側面25に略平行に対向し、第三の側面27が90°より大きく180°より小さい内角で第二の側面26と交わり、底面24が前記第二の側面26とのコーナーにコア12からの光を底面24と反対側に反射する反射部21を有する。
光導波回路91としては、クラッド11及びコア12がSiOを主成分とする石英ガラス系光導波回路を用いるのが好ましいがこれに限らない。石英ガラス系光導波回路は、光損失が少なく高性能である。例えば、クラッド11及びコア12がフッ素化ポリイミド等を材料とするポリマ光導波回路でもよい。製造工程を簡素化でき低コスト化することができる。光導波回路91は、埋め込み型光導波回路が好ましい。スラブ型光導波回路でもよい。また、光導波回路91は、シングルモードでもマルチモードでもよい。
基板10は、平坦な板状に形成される。シリコン基板を用いるのが好ましい。石英基板、ポリイミド基板等を用いてもよい。クラッド11及びコア12は火炎堆積法により形成されるのが好ましい。CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により形成されてもよい。
ミラー溝20は、コア12により導波される光の進行方向を遮るように形成される。ミラー溝20は、コア12に略直交し、底面24はコア12より深い。深さは、基板10にまで達していてもよい。ミラー溝20は、ドライエッチング法により形成されるのが好ましい。精密に形成することができる。ウェットエッチング法、サンドブラスト法、マイクロブラスト法等を用いてもよい。ミラー溝20は、底面24、第一の側面25、第二の側面26、第三の側面27及び反射部21を含む。第一の側面25は、コア12の光軸101に略直交し、コア12を露出する面である。コア12は、第一の側面25上で略直交に切断される。第一の側面25上で、コア12により導波された光はコア12の光軸101方向に出射する。第二の側面26は、第一の側面25に略平行に対向する面である。第三の側面27は、第二の側面26に対し90°より大きく180°より小さい内角で交わる。反射部21は、第二の側面26と底面24とのコーナー斜面を有する。
ミラー溝20は、光導波回路91に含まれるコア12を切断し、第一の側面25上で露出するコア12の切断面から導波光を取り出し、取り出した導波光を反射部21で反射させ、外部に出力するためのものである。外部からの光を反射部21で反射させコア12へ入力することも可能である。
底面24は第二の側面26とのコーナーに反射部21を有する。反射部21は、底面24と第二の側面26とのコーナーに斜面を有し、コア12からの光を底面24と反対側に反射させ、導波路の外部に出力させるための部位である。反対に、外部からの光をコア12の光軸101方向に反射させ、コア12に入力させるためにも用いられる。反射部21は、硬化性樹脂により形成されるのが好ましい。硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。光硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、可視光硬化性樹脂等があり、一般に硬化速度が速く、接着性に優れる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。耐熱性、耐湿性、接着性に優れ、表面の硬化性が高い。例えば、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を用いてもよい。
図1に示すように、ミラー溝20は上面から見るとL字状に形成され、樹脂供給溝30と連通していることが好ましい。樹脂供給溝30に硬化性樹脂を注入することで、ミラー溝20へ流し込まれる硬化性樹脂の流量及び流速の微調整をすることができる。樹脂供給溝30は、光導波回路91に含まれる別のミラー溝と連通していてもよい。樹脂供給溝30を通じ、底面24と第二の側面26とのコーナーに流し込まれた液状の硬化性樹脂が表面張力の効果により前記コーナーをつたい進み、前記コーナーで硬化することにより、反射部21が形成される。反射部21は、底面24と第二の側面26とのコーナーに斜面を有し、底面24、第二の側面26、第三の側面27と接する。
第三の側面27は、底面24に対し略直角に交わっていることが好ましい。形成が容易である。硬化性樹脂の表面張力の大きさにより、角度を変えてもよい。また、第三の側面27は、第二の側面26に対し90°より大きく180°より小さい内角で交わる。第三の側面27は、ミラー溝20に流し込まれた硬化性樹脂の流れをせき止める。ミラー溝20の底面24と第二の側面26とのコーナーに硬化性樹脂を適量流し込めば、硬化性樹脂は、底面24、第二の側面26、第三の側面27との表面張力により、底面24と第二の側面26とのコーナーにとどまる。従って、ミラー溝20を埋めることなく底面24と第二の側面26とのコーナーに斜面を有する反射部21を形成することができる。
ミラー溝20に流し込まれる硬化性樹脂が、表面張力によって、底面24と第二の側面26とのコーナーをつたい進み、第三の側面27に突き当たる。第三の側面27は、第二の側面26に対し90°より大きく180°より小さい内角で交わるため、第三の側面27上で形成予定の反射部21の傾斜角を越えてせり上がることを防止することができる。従って、第三の側面27上で余分なせり上がり部分がない平坦な斜面を有する反射部21を形成することができる。また、ミラー溝20が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができるため、製造歩留りを良くすることができる。すなわち、反射角度の制御性が高く、製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
(実施の形態2)
本願第2の実施形態は、本願第1の実施形態において、底面の反射部を有しない部分が反射部を有する部分に比べ、反射部の底面と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈することを特徴とする光導波回路である。
第2の実施形態に係る光導波回路について図1及び図4を用いて説明する。図1は、第1及び第2の実施形態に係る光導波回路91の上面図である。図4は、第2及び第3の実施形態に係る光導波回路92であって、図1のA−A’面における断面図である。ここで、図1の光導波回路91のA−A’面における断面図は、第1の実施形態に係る図2の光導波回路91及び第2の実施形態にかかる図4の光導波回路92で示される。第2の実施形態は、図1の光導波回路91及び図4の光導波回路92で示されるが、二つは同一のものであるので、光導波回路92を代表して用いる。図1及び図2に示される光導波回路92は、平坦な基板10上に形成されたクラッド11と、クラッド11に囲まれ光を導波するコア12と、コア12を遮るように形成され底面24がコア12より深いミラー溝20と、を備える光導波回路であって、ミラー溝20は、コア12の露出する第一の側面25がコア12の光軸101に略直交し、第二の側面26が第一の側面25に略平行に対向し、第三の側面27が90°より大きく180°より小さい内角で第二の側面26と交わり、底面24が前記第二の側面26とのコーナーにコア12からの光を底面24と反対側に反射する反射部21を有し、また、底面24において、反射部21を有しない部分が反射部21を有する部分に比べ、反射部21の底面24と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈する。
第1の実施形態と同様、反射部21の底面24と接する部分を形成する物質としては、硬化性樹脂が好ましい。
接触角とは、固体の表面が液体及びその蒸気を含んだ気体(通常は空気)と接触しているとき、この3相の接触する境界線において液体面が固体面となす角を、液体側で表した角である。接触角が大きいと液滴は球に近く、接触角が小さいと液滴は平面に近い。接触角が大きいとは濡れ性が良いと同義であり、接触角が小さいとは濡れ性が悪いと同義である。
図4に示すように、底面24において、反射部21を形成する予定の領域である第二の側面26側を小接触角領域23とし、底面24のそれ以外の部分を大接触角領域22とする。大接触角領域22が小接触角領域23に比べ大きい接触角を呈するように表面処理を施す。
ここで、ミラー溝20を接触角の異なる領域に分けるための表面処理の方法について説明する。但し、下記の方法に限定されるものではない。まず、ミラー溝20の斜め上方からTiを0.1μm程度の厚さに斜め蒸着させる。このとき、Tiが蒸着していない、すなわち蒸着方向に対して、影になっている部分が、反射部21を形成する予定の領域と略一致するようにする。反射部21は第二の側面26と底面24とのコーナーに形成する予定であるので、第二の側面26が影になるように蒸着を行う。次に、光導波回路92を回転させながら、影ができないようにミラー溝20を含む光導波回路92の全面にCrを0.1μm程度の厚さに蒸着する。次に、光導波回路92の全面を希フッ酸に浸漬させ、TiでCrをリフトオフし除去する。この過程により、前の過程でTiの蒸着方向に対して影となっていた部分にCrが残留する。次に、光導波回路92の全面に表面処理膜を形成する。表面処理膜としては、フッ素系撥水処理剤を用いることができるがこれに限らない。表面処理膜は硬化性樹脂に対して大きい接触角を呈し、硬化性樹脂に対する接触角は45°以上であることが好ましい。最後に、光導波回路92の全面をCrエッチング液に浸漬させ、Crで表面処理膜をリフトオフし除去する。この過程により、ミラー溝20で反射部21を形成する予定の領域は表面処理膜がリフトオフされ除去され、それ以外の領域の表面処理膜は残留する。表面処理膜が除去された領域は表面処理膜が残留している領域と比べ、硬化性樹脂に対して小さい接触角を呈する。
このように、上記方法により、ミラー溝20を接触角の異なる領域に分けることができる。底面24は、第一の側面25側に表面処理膜が残留し、より大きい接触角を呈する大接触角領域22と、第二の側面26側に表面処理膜が除去されより小さい接触角を呈する小接触角領域23とに分けられる。大接触角領域22と小接触角領域23との境界は、前記斜め蒸着により第二の側面26の影となった部分と蒸着された部分との境界であるため、第一の側面25及び第二の側面26に略平行になる。第三の側面27も、より大きい接触角を呈する大接触角領域とより小さい接触角を呈する小接触角領域とに分けられる。底面24及び第三の側面27において、小接触角領域が反射部21の形成予定の部分と略一致する。
樹脂供給溝30を通じミラー溝20に流し込まれた硬化性樹脂は、底面24のより小さい接触角を呈する小接触角領域23を選択して流れ、第三の側面27に突き当たる。硬化性樹脂は第三の側面27上の小接触角領域をせり上がる。第三の側面27が第二の側面26に対し90°より大きく180°より小さい内角で交わるため、硬化性樹脂が、第三の側面27上で接触角が異なる領域の境界を越えてせり上がることを防止することができる。また、硬化性樹脂は、小接触角領域と大接触角領域の境界でせき止められるため、液圧と大気圧がつり合うまで、すなわち反射部21の斜面がより平坦になるまで樹脂を供給することができる。すなわち、小接触角領域23と第二の側面26とのコーナーに第1の実施形態に比べより平坦な斜面を有する反射部21を形成することができる。
従って、第三の側面27上で余分なせり上がり部分がなく、且つ第1の実施形態と比べより平坦な斜面を有する反射部21を形成することができる。また、硬化性樹脂が第三の側面27上で余分にせり上がるのを防止することができるため、ミラー溝20が硬化性樹脂で埋まることも防止できる。
さらに、第2の実施形態において、第三の側面27と第二の側面26との成す内角から90°をひいた角度をθ°とし、反射部21が底面24と成す傾斜角をφ°とし、底面24における反射部21を有しない部分の接触角をΓ°としたとき、前記θが下式(1)を満足することが好ましい。
θ≧sin−1(cosΓ/sinφ)(1)
このとき底面24における反射部21を有しない部分の接触角Γ°とは、底面24の大接触角領域22の接触角とする。
上式(1)の導出について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、第二の側面26と第三の側面27とが直角の内角で交わるときの第二の側面26、第三の側面27及び底面24が成すコーナーの斜視図である。図6は、第二の側面26と第三の側面27とが(90+θ)°の内角で交わるときの第二の側面26、第三の側面27及び底面24が成すコーナーの斜視図である。
図5及び図6は、底面24と、底面24に垂直に交わる第二の側面26と、底面24に垂直に交わる第三の側面27と、反射部21と、を含む。図5及び図6では、第三の側面27上に接触角の境界であり、反射部21の形成予定の場所を示す境界を一点鎖線で示し、反射部21と底面24及び第三の側面27との境界を破線で示している。前記一点鎖線と、前記破線とが重なる部分については、代表して破線で示している。また、便宜のために直交座標軸を図示している。第二の側面26、第三の側面27及び底面24の交点を原点とし、第二の側面26及び第三の側面27との交線をZ軸、底面24及び第二の側面26との交線をY軸、原点を通り且つ第二の側面26の垂線をX軸とする。図6において、反射部21の斜面の法線ベクトル41と、第三の側面27の法線ベクトル42とを設定し、反射部21が底面24と成す角をγ°とし、第二の側面26と第三の側面27とが成す角をθ°とし、第三の側面の法線ベクトル42と反射部21の斜面の法線ベクトル41との成す内角をβ°とする。
図5では、第三の側面27と第二の側面26とが直角で交わっているため、第三の側面27上で、硬化性樹脂が表面張力により接触角の異なる境界を越えてせり上がる。図6に示されるように、第三の側面27上で、硬化性樹脂がせり上がるのを防止するためには、より厳密に、第三の側面27と反射部21の斜面との成す角度が、底面24における大接触角領域22の接触角より小さければよい。第三の側面27と反射部21の斜面とのなす角度は、第三の側面の法線ベクトル42と反射部21の斜面の法線ベクトル41との成す内角をβ°と同値である。すなわち、β≦Γであれば、硬化性樹脂が第三の側面27上でせり上がるのを防止することができる。
数式上、法線ベクトル41をnr、法線ベクトル42をnwで示し、上式(1)を導出する。上記各法線ベクトルを成分表示すると、
nr=(sinθ,cosθ,0)
nw=(sinφ,0,cosφ)である。
そこで、法線ベクトル41と法線ベクトル42との内積は、
nw・nr=|nr||nw|cosβより、
sinθsinφ=cosβ
θ=sin−1(cosβ/sinφ)
また、β≦Γより、
θ≧sin−1(cosΓ/sinφ)となる。
よって、上式(1)が導出された。上式(1)を満足するθにおいて、第三の側面27を第二の側面26に対して(90+θ)°の内角を持つように交わらせて配置するのがよい。従って、より厳密に、硬化性樹脂が第三の側面27上において大接触角領域と小接触角領域との境界を越えて、せり上がるのを防止することができる。
(実施の形態3)
本願第3の実施形態は、平坦な基板上に形成されたクラッドと、前記クラッドに囲まれ光を導波するコアと、前記コアを遮るように形成され底面が前記コアより深いミラー溝と、を備える光導波回路であって、前記ミラー溝は、前記コアの露出する第一の側面が前記コアの光軸に略直交し、第二の側面が前記第一の側面に略平行に対向し、第三の側面が90°以上で180°より小さい内角で前記第二の側面と交わり、第四の側面が180°より小さい外角で第三の側面と交わり、前記底面が前記第二の側面とのコーナーにコアからの光を前記底面と反対側に反射する反射部を有し、前記第四の側面と前記第三の側面との成す交線が前記反射部の反射面と前記第三の側面との成す交線より第一の側面側にあり、また、前記底面において、前記反射部を有しない部分が前記反射部を有する部分に比べ、前記反射部の前記底面と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈することを特徴とする光導波回路である。
第3の実施形態に係る光導波回路について図3及び図4を用いて説明する。図3は、第3の実施形態に係る光導波回路92の上面図である。図4は、第2及び第3の実施形態に係る光導波回路であって、図3のA−A’面における断面図である。図3及び図4に示す光導波回路92は、平坦な基板10上に形成されたクラッド11と、クラッド11に囲まれ光を導波するコア12と、コアを12遮るように形成され底面24がコア12より深いミラー溝20と、を備える光導波回路92であって、ミラー溝20は、コア12の露出する第一の側面25がコア12の光軸101に略直交し、第二の側面26が第一の側面25に略平行に対向し、第三の側面27が90°以上で180°より小さい内角で第二の側面26と交わり、第四の側面28が180°より小さい外角で第三の側面27と交わり、底面24が第二の側面26とのコーナーにコア12からの光を底面24と反対側に反射する反射部21を有し、第四の側面28と第三の側面27との成す交線が反射部21の反射面と第三の側面27との成す交線より第一の側面側25にあり、また、底面24において、反射部21を有しない部分が反射部21を有する部分に比べ、反射部21の底面24と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈する。
第2の実施形態と同様、反射部21の底面24と接する部分を形成する物質としては、硬化性樹脂が好ましい。また、反射部21の斜面は金属蒸着されているのが好ましい。精緻な反射面が形成される。例えば、金属膜を反射部21の斜面に接着してあってもよい。蒸着される金属としては、Auを用いるのが好ましい。Ag、Cu、Pt、Cr等でもよい。
樹脂供給溝30を通じてミラー溝20に流し込まれた硬化性樹脂は、第2の実施形態と同様、小接触角領域23を選択して流れ、第三の側面27に突き当たる。硬化性樹脂は、接触角の境界線上で境界を越えてせり上がる傾向があり、特に、第三の側面27と底面24と反射部21の反射面との交点で、接触角の境界を越えてせり上がる傾向がある。このため、底面24に表面不整等があり、僅かに硬化性樹脂の流れがみだされると、硬化性樹脂が、第三の側面27と底面24と反射部21の反射面との交点付近から接触角の境界を越えて流れてしまうことがある。
第3の実施形態では、第四の側面28が設けられ、第四の側面28は、第三の側面27と180°より小さい外角で交わり、また第四の側面28と第三の側面27との成す交線が反射部21の反射面と第三の側面27との成す交線より第一の側面25側にある。第四の側面28と第三の側面27との成す交線が底面24と交わる交点が、第三の側面27と底面24と反射部21の反射面との交点より、僅かに第一の側面25側にあることが好ましい。底面24に表面不整等があり、硬化性樹脂の流れが乱されても第四の側面28と第三の側面27とのコーナーで硬化性樹脂をせき止めることができるため、ミラー溝20が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。また、底面24の表面不整等の影響を抑えることができるため、表面が平坦な反射部21を形成することができる。従って、反射角度の制御性が高く製造歩留りの良い光導波回路を提供することができる。
さらに、第3の実施形態において、第三の側面27と第四の側面28との成す外角をσ°とし、底面24における反射部21を有する部分の接触角をγ°としたとき、σが下式(2)を満足することが好ましい。
σ≦γ+90 (2)
このとき底面24における反射部21を有する部分の接触角γとは、底面24の小接触角領域23の接触角とする。
上式(2)の導出について、図7を用いて説明する。図7は、第三の側面27が第四の側面28とσ°の外角で交わるときの第三の側面27と第四の側面28とが成すコーナーの上面図である。図7は、第二の側面26と、底面24(不図示)及び第二の側面26に垂直に交わる第三の側面27と、底面24(不図示)と垂直に交わり第三の側面27にσ°の外角で交わる第四の側面28と、反射部21と、を含む。図7には、便宜のため、底面24(不図示)の大接触角領域22(不図示)及び小接触角領域23(不図示)との境界に補助線43、補助線43と第三の側面27との交点を通り第四の側面28に平行な補助線44を一点鎖線で図示し、反射部21と底面24(不図示)との境界を破線で図示している。前記一点鎖線と、前記破線とが重なる部分については、代表して一点鎖線で示している。補助線43と補助線44との成す角は、(σ−90)°となる。第四の側面と第三の側面との成す角度と、斜め蒸着法等を行う角度との兼ね合いにより、第四の側面28は、小接触角領域となる。
底面24に表面不整等があり、硬化性樹脂の流れが乱されても第四の側面28と第三の側面27とのコーナーで硬化性樹脂をせき止めるには、より厳密には、補助線43と補助線44との成す角が小接触角領域23(不図示)の接触角γより小さければよい。σ−90≦γの式変形より、上式(2)が導出される。上式(2)の条件を満足するように第四の側面28を配置すれば、第三の側面27と底面24と反射部21の反射面との交点で、硬化性樹脂が第三の側面27をつたって、底面24の接触角の境界を越えて大接触角領域22に流れ込むのを、第三の側面27と第四の側面28とのコーナーでせき止めることができる。
次に、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態における光導波回路の動作について図2及び図4を用いて説明する。コア12により導波された光は、ミラー溝20における第一の側面25上のコア12の切断面から出射される。コア12の切断面から出射された光は、反射部21の反射面で底面24の反対側に反射する。本発明により平坦な反射部21を形成することができ、反射部21と底面24との成す傾斜角φを精度よく決めることができるため、反射光の反射角度の制御性が高い。従って、反射した光を、光導波回路の外部に低損失で取り出すことができる。また、光導波回路の外部から反射部21の反射面に向かって光を出射し、反射面で反射させ、高精度でコア12に光を入力することができる。光導波回路のミラー溝20の上部に受光素子や他の光導波路等を設置してもよい。反射部21の傾斜角をほぼ45°にすることで、導波光の垂直入出力を精度よく行うことができる。またミラー溝と他の光学部品との接続部分については、マッチングオイル等を充填し屈折率の整合を行うことが好ましい。
以上説明したように、光導波回路91は、底面24が、大接触角領域22と小接触角領域23とに分かれ、第三の側面27が第二の側面26に対し90°より大きく180°より小さい内角で交わることで、より厳密には、上式(1)の条件を満たすθを用いて、第二の側面26に対し(90+θ)°の内角で交わることで、第三の側面27上で余分なせり上がりのない平坦な反射部21が形成される。また、ミラー溝20が硬化性樹脂で埋められるのを防止できる。さらに、第四の側面28が第三の側面27に対し180°より小さい外角で交わることで、より厳密には、上式(2)の条件を満たすσ°の外角で交わることで、ミラー溝20の底面24に表面不整等があったとしても、硬化性樹脂が第四の側面28と第三の側面27のコーナーでせき止められ、ミラー溝20が硬化性樹脂で埋められるのを防止することができる。また、底面24の表面不整等の影響を抑えることが出来るため、表面が平坦な反射部21を形成することができる。従って、反射角の制御性を高くし、製造歩留りを良くすることができる。
本発明の実施例について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
光導波回路として、Si基板上にSiOを主成分とするガラスからなる石英系光導波回路を火炎堆積法で形成した埋め込み型光導波回路を用いた。コア‐クラッド間の比屈折率差は0.5%、下部クラッドの厚さは20μm、コアは7μm角、上下両クラッドを含む厚さは40μmである。この光導波回路中の所望の場所に、図1及び図3に示されるように、樹脂供給溝を備え、L字状で、溝長Dが200μm、溝幅Wが70μm、樹脂供給溝の幅dが30μmで、底面が基板まで達する深さ40μmのミラー溝をドライエッチング法によって形成した。ミラー溝の第三の側面は底面に対し90°で交わる。ミラー溝はフッ素系撥水処理剤による表面処理を施し、大接触角領域と小接触角領域とに分けた。大接触角領域の接触角は75°〜80°であり、小接触角領域の接触角は10°〜30°であった。硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を樹脂供給溝に滴下し、ミラー溝の小接触角領域に流し込み、ほぼ45°の傾斜角を持つ反射部を形成した。
本願第1の発明について、第三の側面が第二の側面に対して交わる内角を変えたときの製造歩留りを調べた。具体的には、第三の側面が第二の側面と成す内角を(θ+90)°としたとき、θを0から40まで5おきに変えた9種類のミラー溝をそれぞれ264個ずつ作成した。総数2376個のミラー溝を4インチウエーハ上に均一に分布させたものを用いて調べた。θ=0のミラー溝については、歩留りは95.1%であり、ウエーハ周辺部で13個のミラー溝が硬化性樹脂で埋められた。一方、5≦θ≦40のミラー溝については、歩留りは100%であった。例えば、大接触角領域の接触角Γ=75として上式(1)に代入して計算すると、θが約21以上のとき、第三の側面上で硬化性樹脂がせり上がるのを防止することができる。ただし、5≦θ≦40で歩留りは100%であるため、せり上がりを完全に防止しなくても、ミラー溝が埋まるのを防止でき、歩留りを向上することができる。
また、本願第2の発明について、第三の側面が第二の側面に対し成す内角を90°に固定し、且つ第四の側面が第三の側面に対し成す外角を変えたときの製造歩留りを調べた。具体的には、第四の側面が第三の側面に対し成す外角をσ°としたとき、σを100から60まで10おきに変えた5種類のミラー溝をそれぞれ475個ずつ作成した。総数2375個のミラー溝を4インチウエーハ上に均一に分布させたものを用いて調べた。σ=100のミラー溝については歩留りが97.7%であった。ウエーハ周辺部の11個のミラー溝で、硬化性樹脂で埋められたり、反射部の斜面の形状不整が発生した。一方、110≦σ≦60のミラー溝については、歩留りは100%であった。σ=100のミラー溝について、硬化性樹脂で埋められたり、反射部の斜面の形状不整が発生したのは、上式(2)に代入して計算すると小接触角領域の接触角γ°が10°以下の領域が部分的にあったためだと考えられる。
以上の実施例により、反射部の歩留り向上効果が得られたことが解る。従って、本発明により、反射部製造における工程内検査を省略でき、反射部による導波光の垂直入出力構造を用いた応用デバイスの低価格化が実現できる。さらに、第三の側面上でのせり上がりが防止されたことが確認できた。従って、本発明により、ゆがみの少ない平坦な斜面を有する反射部を実現することができる。
本発明は、入射光の波面歪みや散乱の発生が小さいゆがみの少ない平坦な反射面を実現できるため、高性能な光路変換機能が要求される半導体レーザ光の導波路への入力に特に有効である。
本願第1の実施形態及び第2の実施形態に係る光導波回路の上面図である。 図2は、第1の実施形態に係る光導波回路であって、図1のA−A’面における断面図である。 第3の実施形態に係る光導波回路の上面図である。 第2及び第3の実施形態に係る光導波回路であって、図1及び図3のA−A’面における断面図である。 第二の側面と第三の側面とが直角の内角で交わるときの第二の側面、第三の側面及び底面が成すコーナーの斜視図である。 第二の側面と第三の側面とが(90+θ)°の内角で交わるときの第二の側面、第三の側面及び底面が成すコーナーの斜視図である。 第三の側面が第四の側面とσ°の外角で交わるときの第三の側面と第四の側面とが成すコーナーの上面図である。
符号の説明
10 基板
11 クラッド
12 コア
20 ミラー溝
21 反射部
22 大接触角領域
23 小接触角領域
24 底面
25 第一の側面
26 第二の側面
27 第三の側面
28 第四の側面
30 樹脂供給溝
41、42 法線ベクトル
43、44 補助線
91 光導波回路
92 光導波回路
101 光軸

Claims (6)

  1. 平坦な基板上に形成されたクラッドと、
    前記クラッドに囲まれ光を導波するコアと、
    前記コアを遮るように形成され底面が前記コアより深いミラー溝と、を備える光導波回路であって、
    前記ミラー溝は、
    前記コアの露出する第一の側面が前記コアの光軸に略直交し、
    第二の側面が前記第一の側面に略平行に対向し、
    第三の側面が90°より大きく180°より小さい内角で前記第二の側面と交わり、
    前記底面が前記第二の側面とのコーナーにコアからの光を前記底面と反対側に反射する反射部を有する光導波回路。
  2. 前記底面は、前記反射部を有しない部分が前記反射部を有する部分に比べ、前記反射部の前記底面と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈することを特徴とする請求項1に記載の光導波回路。
  3. 前記第三の側面と前記第二の側面との成す内角から90°をひいた角度をθ°とし、
    前記反射部が前記底面と成す傾斜角をφ°とし、
    前記底面における前記反射部を有しない部分の接触角をΓ°としたとき、
    前記θが下式(1)を満足することを特徴とする請求項2に記載の光導波回路。
    θ≧sin−1(cosΓ/sinφ) (1)
  4. 平坦な基板上に形成されたクラッドと、
    前記クラッドに囲まれ光を導波するコアと、
    前記コアを遮るように形成され底面が前記コアより深いミラー溝と、を備える光導波回路であって、
    前記ミラー溝は、
    前記コアの露出する第一の側面が前記コアの光軸に略直交し、
    第二の側面が前記第一の側面に略平行に対向し、
    第三の側面が90°以上で180°より小さい内角で前記第二の側面と交わり、
    第四の側面が180°より小さい外角で第三の側面と交わり、
    前記底面が前記第二の側面とのコーナーにコアからの光を前記底面と反対側に反射する反射部を有し、
    前記第四の側面と前記第三の側面との成す交線が前記反射部の反射面と前記第三の側面との成す交線より第一の側面側にある光導波回路。
  5. 前記底面は、前記反射部を有しない部分が前記反射部を有する部分に比べ、前記反射部の前記底面と接する部分を形成する物質に対して、大きい接触角を呈することを特徴とする請求項4に記載の光導波回路。
  6. 前記第三の側面と前記第四の側面との成す外角をσ°とし、
    前記底面における前記反射部を有する部分の接触角をγ°としたとき、
    前記σが下式(2)を満足する事を特徴とする請求項5に記載の光導波回路。
    σ≦γ+90 (2)




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