JP2007120964A - 回転位相検出装置及び同期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動機07aに設けたZ相付きインクリメンタルエンコーダ09aの出力が回転位相検出装置4に入力する。回転位相検出装置4は、Z相信号をクロック信号により位相シフトしZ相信号に含まれるノイズをキャンセルするノイズキャンセラー6fと、Z相信号の発生位相近傍以外の禁止区間で侵入するノイズを除去するZバンド発生器7f及びZ相監視器9fを有する。そして、電動機07aの回転速度が低速度であるときはノイズキャンセラー6fの作用によりZ相信号に侵入したノイズを除去し、さらにZバンド発生器7fの作用によりZ相信号に侵入したノイズを除去する。また、Z相監視器9fによりノイズの発生状況を定量的に検出する。
【選択図】図14
Description
該図19において符号01、02はそれぞれ集中制御装置、通信線路を表し、該集中制御装置01は後述する複数の同期制御装置に回転速度指令及び回転位相指令を該通信線路02経由にて送出すると共に、新聞輪転印刷機の運転、操作、及び監視などを行う。
同様に前記印刷ユニット11a、12a、及び13aも前記同期制御装置06a、電動機07a、及びロータリーエンコーダ09aをそれぞれ備え、前記集中制御装置01の指令に追随して精度良く同期制御にて駆動され、換言すれば前記4色の印刷ユニット10aから13a相互間の回転位相と回転速度が精度良く一致することとなりカラー印刷を実現している。
この構成例においても該同期制御装置06d及び06eはそれぞれ前記ロータリーエンコーダ09d、09eからフィードバック信号を得て、前記集中制御装置01から前記通信線路02を経由して受信した回転位相指令及び回転速度指令に追随して前記電動機07d、07eを精度良く制御し表裏の両面印刷を行う。 同様に前記印刷ユニット11c、12c、及び13cも印刷ユニット10cと同期制御にて駆動され、この構成例においては8台のロータリーエンコーダを用いている。
この例では14台のロータリーエンコーダを用いているが、通常の新聞の朝刊セットは1部当たりの新聞のページが更に多くこれに対応して使用するロータリーエンコーダの台数も多くなっている。そして、確実に印刷を行う為に、前記同期制御装置(図19において06aから06e)は前記ロータリーエンコーダ(図19においては09aから09e)からフィードバックの回転位相と回転速度をいついかなるときも安定して確実に検出せねばならない。
始めに、図20は前記インクリメンタルエンコーダの概要を説明するもので、図20−(a)は構造について、図20−(b)、(c)、及び(d)は出力する信号を示す。
該図20−(a)において被検出体である回転円板上に放射状に等間隔の光学的なスリットを設け、これを発光素子、受光素子を用いて回転に応じたパルス列を発生するもので、図20−(b)、(c)、及び(d)に示すA相、B相のインクリメンタル信号と1回転に1つのパルスを発生するZ相の信号を出力する。
ここで、前記A相とB相は電気角で例えば90°の位相差を有して正転と逆転の検出が可能であり、該インクリメンタルエンコーダには下記に示す特徴がある。
(i) 出力信号がA相、B相、及びZ相と数が少なく長距離伝送に耐え得る。
(ii)位相の変化をシリアルなパルス列で検出するので、高速回転中であってもリアルタイムに時間の遅延がない回転位相を検出できる。
(iii) 出力信号がA相、B相、及びZ相のパルス信号のみで受信側のインターフェイスを簡単に構成でき、温度変化や経年変化の少ないインターフェイスが可能である。
(iv)後述するアブソリュートエンコーダと比較して一般的に安価である。
などの長所があるが、
(v) そのままでは絶対回転位相を検出できない。
という課題があり、その為に例えば制御装置側に回転位相検出カウンタを設け、前記インクリメンタルエンコーダが出力するA相とB相のインクリメンタル信号をカウントし、Z相の信号により前記回転位相検出カウンタをゼロにクリアすることに依り1回転の絶対回転位相の検出が従来から実施されている。
(vii)絶対回転位相を常時検出できる。
という長所があるが、
(viii)回転位相検出の分解能を高くする為には回転円板上のトラックの数を多くせねばならず、これに伴い回転円板の形状が大きくなり高い分解能のものは実現が困難もしくは不可能である。
(ix)同じく回転位相検出の分解能を高くする程2進化信号線の本数が多くなり、長距離の回転位相の電送が困難となる。
(x)絶対回転位相を検出するとき前記b0からbn−1のデータの変化とタイミングを合わせて検出する必要があり、高速回転においてリアルタイムに回転位相を検出することが困難である。
などの課題がある。
図22は従来の同期制御装置において、前記インクリメンタルエンコーダを用いた回転位相の検出を説明するもので、06a、07aは前記図19と同じく同期制御装置及び電動機を示し、09aは該電動機07aに付属するインクリメンタルエンコーダを示す。さらに、該同期制御装置06aが内蔵する1f、2f、3f、及び4fはそれぞれA相、B相インターフェイス、Z相インターフェイス、フィードバックの回転位相検出カウンタ、及びフィードバックの回転速度検出器である。該A相、B相インターフェイス1fは前記インクリメンタルエンコーダ09aが出力するA相とB相信号を入力し、電気的絶縁やレベル変換を行うと共に、例えば回転に応じたA相信号の1倍、2倍、若しくは4倍の周波数の1列のAB相パルス信号1f1と回転方向を示す信号1f2を生成して前記回転位相検出カウンタ3fへ出力する。
なお、以降の本発明の説明において、前記A相、B相インターフェイス1fは前記A相信号の2倍の周波数を該AB相パルス信号1f1に出力するとする。
なお、前記電動機07aの正転、または逆転運転に対応した前記回転方向信号1f2により該回転位相検出カウンタ3fはカウントアップ、またはカウントダウンの動作となるが、以降の説明において前記電動機07aは正転方向に回転し、前記回転位相検出カウンタ3fは前記AB相パルス信号1f1を入力してカウントアップの動作を行うものとする。また、前記インクリメンタルエンコーダ09aが出力するZ相パルスと前記Z相信号2f1は、間に前記Z相インターフェイス2fが介在するのみで以降の説明においては同一の信号と見なすものである。
次に、前記回転速度検出器4fは図示しないリアルタイマーを内蔵し前記回転位相検出カウンタ3fから常に前記回転位相3f1を入力して、基準時間当たりの該回転位相3f1の変化量より回転速度4f1を演算し出力する。
なお、該図22において細線は一つの信号の流れを示し、太線は例えば1ワード、2ワード長などの数値データの流れを示し、以降の説明図においても同様に表記するものである。
このため、前記インクリメンタルエンコーダ09aが出力するZ相にノイズが侵入した場合、前記回転位相検出カウンタ3fは正しく回転位相を検出することができない。
図24はこの様相を模擬的に示すもので図24−(a)、(b)、(c)はそれぞれ前記図23−(a)、(b)、(c)に対応しており、相違は該図24−(b)の時刻t2において前記インクリメンタルエンコーダ09aのZ相にノイズが侵入するとしている。 この時刻t2において、前記回転位相検出カウンタ3fが出力する前記回転位相3f1は図24−(c)に示すとおりPt2からゼロにクリアされ、その後カウントアップを継続して正規にZ相がハイとなる時刻t3において再び前記回転位相3f1がPt3からゼロにクリアされる。すなわち、時刻t2からt3において前記回転位相検出カウンタ3fは回転位相を正しく検出せず、同期制御においては精度が著しく劣化し前記図19におけるカラー印刷運転を行っているときは印刷ずれを発生することとなる。
特許文献1に記載のものは、インクリメンタルエンコーダが出力するパルスをカウントするリセット検出カウンタを備え、該リセット検出カウンタの出力を現在値、前回値としてそれぞれ第1、第2のラッチゲートに記憶させ、第1、第2のラッチゲートの出力の偏差に基づきZ相付きインクリメンタルエンコーダの1回転を判別する回転数判別手段を備えたものであり、Z相にノイズが侵入した場合であっても、インクリメンタルエンコーダの回転数を正しく検出できるようにしたものである。
また、特許文献2には、Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するA,B相パルス、Z相パルスに対応したパルス信号を出力する速度及び位置信号発生装置が記載されている。
上記ロータリーエンコーダとして、リアルタイム性と回転位相の分解能に優れたZ相付きインクリメンタルエンコーダを使用する場合、該インクリメンタルエンコーダが出力するZ相にノイズが侵入すると、前記図24で説明した様に回転位相検出カウンタは正しく回転位相を検出することができず、同期制御の精度が著しく劣化し、印刷ずれ等が発生する。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的はインクリメンタルエンコーダが出力するZ相にノイズが侵入する場合であってもこれを確実に除去し、いついかなるときも安定して正確な回転位相を検出することができるようにすることである。
(1)回転機器の回転に応じたパルス列を生成するとともに該回転機器が一回転する毎にZ相信号を生成するZ相付きインクリメンタルエンコーダの出力が与えられる回転位相検出カウンタを内蔵し、上記回転位相検出カウンタが、上記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するパルス列をカウントして積算値を得るとともに、上記Z相信号により該積算値をゼロにクリアすることにより、上記回転機器の回転位相に対応した信号を検出する回転位相検出装置において、上記回転位相検出カウンタのZ相信号の入力側に、多分割可変クロック発生器とノイズカットZ相発生器とから構成され、Z相信号に含まれるノイズをキャンセルするためのノイズキャンセラーを設ける。
そして、上記多分割可変クロック発生器に、前記回転位相検出カウンタが出力する回転位相より演算した回転速度を入力し、ゼロから最高速度に至るまでの上記回転速度に応じて、低い周波数から高い周波数に段階的に切り替わる可変クロック信号を生成する。
また、上記ノイズカットZ相発生器に上記可変クロック信号と前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するノイズを含むZ相信号を入力し、上記可変クロック信号により、上記ノイズを含むZ相信号を該クロック信号のnクロックサイクルだけ位相シフトすることにより、nクロックサイクルより短いノイズを除去したノイズキャンセラーZ相信号を出力し、上記ノイズキャンセラーZ相信号を前記回転位相検出カウンタへのZ相入力とする。
具体的には、上記ノイズカットZ相発生器は、入力されたZ相信号を上記可変クロック信号によりシフトするn段のシフトレジスタと(Z相パルスの幅を上記可変クロック信号のmクロックサイクルとするとn<m)、シフトレジスタの各段の出力が入力される論理回路を備え、上記論理回路は、該シフトレジスタの全段がハイレベルになったときハイレベルの出力を発生し、上記シフトレジスタの全段がローレベルになるまでハイレベルの出力状態を維持することより上記Z相信号を上記可変クロック信号のnクロックサイクルだけ位相シフトし、上記可変クロック信号のnクロックサイクルより短いノイズを除去したノイズキャンセラーZ相信号を出力する。
(2)上記(1)において、多分割可変クロック発生器が、ゼロから最高速度に至るまでの上記回転速度に応じて、低い周波数から高い周波数に2段階に切り替わる可変クロック信号を生成し、この可変クロック信号をノイズカットZ相発生器に供給する。
(3)回転機器の回転に応じたパルス列を生成するとともに該回転機器が一回転する毎にZ相信号を生成するZ相付きインクリメンタルエンコーダの出力が与えられる回転位相検出カウンタを内蔵し、上記回転位相検出カウンタが、上記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するパルス列をカウントして積算値を得るとともに、上記Z相信号により該積算値をゼロにクリアすることにより、上記回転機器の回転位相に対応した信号を検出する回転位相検出装置において、上記回転位相検出カウンタのZ相信号の入力側に、Zバンド発生器とゲート回路から構成されるZバンドノイズ阻止手段を設ける。
上記Zバンド発生器は、上記回転位相の最小値より予め設定された第1の所定値だけ大きい回転位相をZバンドロー位相設定値PZLoとし、上記回転位相の最大値より予め設定された第2の所定値だけ小さい回転位相をZバンドハイ位相設定値PZHi(但しPZLo<PZHi)としたとき、前記回転位相検出カウンタが出力する回転位相3f1と、上記Zバンドロー位相設定値PZLo及びZバンドハイ位相設定値PZHiと比較し、該回転位相3f1がPZLoを越えてPZHi未満のときはノンアクティブとなるZバンド信号を生成し、上記回転位相3f1がPZHi以上、又は、PZLo以下のときはアクティブとなるZバンド信号を生成する。
そして、上記ゲート回路の一方の入力端に上記Zバンド発生器の出力を、また、他方の入力端にノイズを含むZ相信号が入力し、該ゲート回路の出力を回転位相検出カウンタのZ相入力端に接続し、上記ゲート回路が、上記Zバンド信号がアクティブのとき、ノイズを含むZ相信号を通過可能とし、上記Zバンド信号がノンアクティブのときノイズを含むZ相信号の通過を阻止する。
(4)上記(3)において、前記電動機がゼロもしくは低速度にて運転しているとき、前記Zバンド発生器は、前記Zバンド信号を常にアクティブとし、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するZ相信号を通過させて上記回転位相検出カウンタに入力させる。
(5)上記(3)または(4)において、運転操作、又はシーケンス制御の指令により、前記Zバンド発生器は前記Zバンド信号をアクティブとし、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するZ相信号を通過させて上記回転位相検出カウンタに入力させる。(6)上記(3),(4)または(5)の回転位相検出装置において、前記ゲート回路のZ相信号入力端の入力側に、(1)または(2)のノイズキャンセラーを設け、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するZ相信号を上記ノイズキャンセラーに入力し、ノイズキャンセラーの出力を上記ゲート回路に入力する。
(7)上記(6)において、前記電動機がゼロもしくは低速度にて運転するときは、前記Zバンド発生器は前記Zバンド信号を常時アクティブとし、前記ノイズキャンセラーの出力を上記回転位相検出カウンタに入力させ、前記電動機が低速度を越える速度にて運転しているとき、前記Zバンド発生器は、前記回転位相検出カウンタが出力する回転位相3f1と、上記Zバンドロー位相設定値PZLo及びZバンドハイ位相設定値PZHiと比較し、該回転位相3f1がPZLoを越えてPZHi未満のときはノンアクティブとなるZバンド信号を生成し、上記回転位相3f1がPZHi以上、又は、PZLo以下のときはアクティブとなるZバンド信号を生成する。
そして、前記ゲート回路は、上記Zバンド信号がアクティブのとき、前記ノイズキャンセラーの出力を通過可能とし、上記Zバンド信号がノンアクティブのとき前記ノイズキャンセラーの出力の通過を阻止する。
(8)上記(6)または(7)において、前記Zバンド発生器が出力するZバンド信号と、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダの出力であるノイズキャンセラーへの入力信号が入力されるZ相監視器を設け、上記Z相監視器は、前記Zバンド信号がノンアクティブのときにノイズキャンセラーに入力される信号の回数を計数するカウンタと、該カウンタの出力を表示する不正Z相カウント表示器を内蔵し、該不正Z相カウント表示器を監視することにより、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダの出力によるZ相信号にノイズが混入した回数を検知可能とする。
(9)集中制御装置と、複数の電動機と、該電動機の回転を検出するZ相付きインクリメンタルエンコーダと、集中制御装置に対応した指令用の回転位相検出装置と、上記電動機の台数に対応した複数のフィードバック用の回転位相検出装置と、上記電動機を制御する制御装置を内蔵し、上記Z相付きインクリメンタルエンコーダは電動機の回転に応じたパルス列を生成するとともに該回転機器が一回転する毎にZ相信号を生成し、上記集中制御装置は、電子的に上記Z相付きインクリメンタルエンコーダの機能をエミュレートして、回転位相指令と回転速度指令に対応したパルス列と1回転毎にZ相信号を出力し、上記集中制御装置が出力する回転位相指令と回転速度指令に対応した信号に、上記電動機の回転位相と回転速度とを同期させる同期制御装置において、上記指令用の回転位相検出装置及び上記フィードバック用の回転位相検出装置として、上記(6)(7)または(8)の回転位相検出装置を使用する。
そして、上記制御装置は、上記指令用の回転位相検出装置と上記フィードバック用の回転位相検出装置が出力する回転位相指令および回転位相から、それぞれ回転速度指令と回転速度を演算し、回転速度指令と回転速度の速度偏差を求め、また、上記指令用の回転位相検出装置と上記フィードバック用の回転位相検出装置が出力する回転位相指令および回転位相から、位相偏差を求め、上記速度偏差と位相偏差に基づき電動機の回転位相と回転速度が、それぞれ回転位相指令と回転速度指令に一致するように制御する。
(1)回転位相検出装置に、ノイズキャンセラーを内蔵させたので、回転機の回転速度が低いときに、インクリメンタルエンコーダのZ相出力にノイズが侵入しても、このノイズが回転位相検出カウンタに入力されるのを阻止することができ、安定、且つ正確に回転位相を検出することができる。
(2)回転位相検出装置に、Zバンドノイズ阻止手段を内蔵させたので、電動機に付属するインクリメンタルエンコーダのZ相出力にノイズが侵入しても、このノイズがZ相信号の発生位相近傍のZ相信号通過許容期間内に侵入した場合を除き、ノイズの侵入を確実に阻止し、安定し、且つ正確な回転位相を検出することができる。
(3)上記ノイズキャンセラーとZバンドノイズ阻止手段の両方を回転位相検出装置に内蔵させることにより、電動機がいかなる速度で運転しているときであっても、ノイズが回転位相検出カウンタに入力されるのを阻止することができ、常に正確に回転位相を検出することができる。
(4)Zバンド信号がノンアクティブのときにノイズキャンセラーに入力される信号の回数を計数するカウンタと、該カウンタの出力を表示するZ相監視器を設けることにより、インクリメンタルエンコーダの出力信号にノイズが侵入した頻度を定量的に記録して表示することができ、各種制御装置、駆動装置の設置環境の改善を確認して実施することを可能となる。
(5)上記ノイズキャンセラーとZバンドノイズ阻止手段を有する回転位相検出装置を用いて同期制御を行うことにより、高精度の同期制御や位置制御を実現することが可能となる。
図1から図4は請求項1に、図5と図6は請求項2に、図7から図12は請求項3から請求項5に、図13は請求項6と請求項7に、図14から図16は請求項8に、図17と図18は請求項9に関わる実施例を説明する図である。
図1において、前記図22と同じ符号を付すものは機能が同一でありその説明を割愛し、1及び6fはそれぞれ本発明による回転位相検出装置及びノイズキャンセラーであり、6f29は該ノイズキャンセラー6fが出力するノイズキャンセラーZ相信号である。 本実施例による前記回転位相検出装置1は従来の前記回転位相検出カウンタ3fに加えて前記ノイズキャンセラー6fを内蔵し、該ノイズキャンセラー6fは前記Z相信号2f1と前記回転速度検出器4fが出力する回転速度4f1を入力とし、前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29を前記回転位相検出カウンタ3fへ出力する。
該ノイズキャンセラー6fは前記インクリメンタルエンコーダ09aが出力する信号による前記Z相信号2f1にノイズが侵入した場合であっても、該ノイズを消去した前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29を出力する。さらに、このノイズを消去する性能は前記電動機07aの回転速度が高いときより低いときの方が優れているものとしていることに特徴がある。
該多分割可変クロック発生器6f0は前記回転速度4f1を入力し該回転速度4f1がゼロから最高速度に至るまで、低い周波数のクロック信号から高い周波数のクロック信号に順次切り替えてm段の周波数の可変クロック信号6f15を生成して前記ノイズカットZ相発生器6f21へ出力する。そして、前記ノイズカットZ相発生器6f21は該可変クロック信号6f15と前記Z相信号2f1を入力し、該Z相信号2f1を可変クロック信号6f15にて波形整形することによりノイズを消去したノイズキャンセラーZ相信号6f29を出力するものである。
該発信器6f2は固定の周波数信号を発生し前記分周器6f3及びNOTゲート6f4へ出力し、前記分周器6f3はCK入力に供給された周波数信号をm段に順次分周してQ0出力から出力する。図2においては説明を容易とする為該分周器6f3は仮に5段に分周するとして、Q0出力及びQ1出力には入力周波数がそれぞれ2分の1、4分の1に分周されて出力されQ3出力には16分の1に分周されたクロック信号が出力される。
そして、前記回転速度4f1がゼロから最高速度に至るまでS0、S1、S3、S4と順次交互にハイの信号を出力し、該セレクタ6f5の出力は前記Dフリップフロップ6f6から6f9とNOTゲート6f4により前記発信器6f2が出力する周波数信号に同期化された後、前記ANDゲート6f10から6f13へ入力され唯一のANDゲートをアクティブ(セレクト)にすることとなる。
すなわち、前記ORゲート6f14は前記回転速度4f1の値に対応して、前記発信器6f2を16分の1、8分の1、4分の1、または2分の1のいずれかに分周したクロック信号を可変クロック信号6f15として出力することとなる。なお、本発明に本質的にかかわるものではないが、図2において前記分周器6f3及びDフリップフロップ6f6から6f9はCK入力の立ち上がりで動作を更新すると想定しており、以降の説明においても各種フリップフロップはCK入力の立ち上がりで動作するものとする。
図3−(a)は前記電動機07aの回転速度4f1の変化を示し、回転速度4f1は、ゼロと最高回転速度の間を図示する如く時間と共に推移するとする。
図3−(b)、(c)、(d)、及び(e)はそれぞれ前記セレクタ6f5のS0、S1、S2、及びS3出力に生成される信号の時間的推移を表し、図3−(f)、(g)、(h)、及び(i) はそれぞれ前記ANDゲート6f10、6f11、6f12、及び6f13の出力を、図3−(j)は前記可変クロック信号6f15の時間的推移を表す。
始めに、図3−(a)と図3−(b)、(c)、(d)、(e)を対比して説明する。(1)図3−(b)で表される前記セレクタ6f5のS0出力は、前記回転速度4f1がゼロから加速し回転速度がVup1となる時刻t1迄ハイ、時刻t1を過ぎるとローとなり、次に前記回転速度4f1が減速して回転速度がVdw1以下となる時刻t6を過ぎると再びハイとなる。
(2)図3−(c)で表される前記セレクタ6f5のS1出力は、加速するときは前記回転速度4f1がVup1となる時刻t1からVup2となる時刻t2迄ハイとなり、減速するときは前記回転速度4f1がVdw2となる時刻t5からVdw1となる時刻t6迄ハイとなり、それ以外はローである。
(3)図3−(d)で表される前記セレクタ6f5のS2出力は、加速するときは前記回転速度4f1がVup2となる時刻t2からVup3となる時刻t3迄ハイとなり、減速するときは前記回転速度4f1がVdw3となる時刻t4からVdw2となる時刻t5迄ハイとなり、それ以外はローである。
(4)図3−(e)で表される前記セレクタ6f5のS3出力は、前記回転速度4f1が加速してVup3となる時刻t3から減速してVdw3となる時刻t4迄ハイとなり、それ以外はローである。
このように、前記セレクタ6f5は前記回転速度4f1の速度の高低のレベルを示す信号をS0出力からS3出力に生成し、該信号は前記Dフリップフロップ6f6から6f9により前記発信器6f2が出力する周波数信号に同期化されるが該Dフリップフロップ6f6から6f9による遅延は僅かであり、前記図3−(b)、(c)、(d)、(e)はそれぞれDフリップフロップ6f6、6f7、6f8、6f9のQ出力の信号をも示すものとする。
(5)図3−(f)で表される前記ANDゲート6f10の出力は、前記図3−(b)の信号と前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数信号を例えば16分の1に分周したクロック信号をAND演算したもので図示する如きとなる。
(6)図3−(g)で表される前記ANDゲート6f11の出力は、前記図3−(c)の信号と前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数信号を8分の1に分周したクロック信号をAND演算したもので図示する如きとなる。
(7)図3−(h)で表される前記ANDゲート6f12の出力は、前記図3−(d)の信号と前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数信号を4分の1に分周したクロック信号をAND演算したもので図示する如きとなる。
(8)図3−(i) で表される前記ANDゲート6f13の出力は、前記図3−(e)の信号と前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数信号を2分の1に分周したクロック信号をAND演算したもので図示する如きとなる。
図2において6f22、6f23、6f24、及び6f25はDフリップフロップ、6f26、6f27、及び6f28はそれぞれANDゲート、NORゲート、及びJKフリップフロップである。前記Dフリップフロップ6f22から6f25は前記Z相信号2f1を信号入力とし前記可変クロック信号6f15をCK入力とする例えば4段のZ相シフトレジスタを構成し、前記ANDゲート6f26は前記Dフリップフロップ6f22から6f25の出力が全てハイのとき出力はハイとなり、前記NORゲート6f27は前記Dフリップフロップ6f22から6f25の出力が全てローのとき出力はハイとなる。該ANDゲート6f26とNORゲート6f27の出力は前記JKフリップフロップ6f28のJ及びK入力に接続され、該JKフリップフロップ6f28の出力は前記ノイズキャンセラー6fが出力するノイズキャンセラーZ相信号6f29となる。
同様に図4−(d)は前記可変クロック信号6f15が、前記分周器6f3が出力する16分の1に分周したクロック信号のときを表しており、図4−(e)は該図4−(d)に対応した前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29である。
始めに、前記図4−(a)において前記Z相信号2f1は前記インクリメンタルエンコーダ09aの正規の1回転毎の信号として時刻t1aにおいてハイとなり時刻t1bにおいてローとなるとし、時刻t1cからt1dにおいて図示するノイズが混入したとしている。
ここで、該JKフリップフロップ6f28のCK入力によるJ、K入力からQ出力への遅延は僅かであり無いものとし、以下の説明においても同様である。
また、前記図4−(a)の時刻t1bにてZ相信号2f1がローになった後、前記図4−(b)のクロック信号が時刻t2cから4クロック後の時刻t2dにて前記NORゲート6f27がハイとなり、前記JKフリップフロップ6f28が出力する前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29は図4−(c)の時刻t2dにおいてローとなる。
また、前記時刻t1dにてZ相信号2f1がローになった後、前記図4−(b)の時刻t2gから4クロック後の時刻t2hにて前記NORゲート6f27がハイとなり、前記JKフリップフロップ6f28が出力する前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29は図4−(c)の時刻t2hにおいてローとなる。
以上のように、前記Z相信号2f1に前記図4−(a)の時刻t1cに侵入したノイズは、前記可変クロック信号6f15が出力するクロック信号が前記図4−(b)に示す如き高いとき、前記図4−(c)に示すとおり前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29にも表れるものである。
また、前記時刻t1bにてZ相信号2f1がローになった後、前記図4−(d)の時刻t4eから4クロック後の時刻t4hにて前記NORゲート6f27がハイとなり、前記JKフリップフロップ6f28が出力する前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29は図4−(e)の時刻t4hにおいてローとなる。
以上のように、前記回転速度4f1の高低に応じて前記可変クロック信号6f15の周波数を切り替え、該回転速度4f1が低いときに該可変クロック信号6f15の周波数を充分に低くすることにより、前記ノイズキャンセラー6fは前記Z相信号2f1に混入したノイズを消去し、前記図4−(e)に示す如くノイズレスの前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29を生成するものである。
ここで、前記図2による可変クロック発生器6f0は前記回転速度4f1の値に対応して、多分割の周波数のクロック信号を可変クロック信号6f15として出力するものであったが、実施例2の可変クロック発生器6f1ではこれを単純化し、前記回転速度4f1がゼロから最高速度の範囲で遷移するとき低い周波数と高い周波数の種類の2クロック信号を切り替えて可変クロック信号6f15を生成する。
そして、前記ANDゲート6f17、6f18、及びORゲート6f19の作用により、前記回転速度4f1が低速度であるときは前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数を例えば16分の1に分周したQ3出力のクロック信号を前記可変クロック信号6f15として出力し、前記回転速度4f1が低速度を越えるときは前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数を例えば2分の1に分周したクロック信号を前記可変クロック信号6f15として出力するものである。
(1)前記図5のセレクタ6f5のS0出力は前記回転速度4f1がゼロから加速し回転速度がVup1となる時刻t1迄ハイ、時刻t1を過ぎるとローとなり、次に、前記回転速度4f1が減速して回転速度がVdw1以下となる時刻t6を過ぎると再びハイとなる。該S0出力の信号は前記Dフリップフロップ6f6により前記発信器6f2が出力する周波数信号に同期化されて図6−(b)に表される信号となり前記ANDゲート6f17の入力となる。
(2)該図6−(b)で表される信号は前記NOTゲート6f16にて反転され図6−(e)に表される信号となり前記ANDゲート6f18の入力となる。
次に、前記図3−(f)、(i) 、及び(j)について説明する。
(3)図6−(f)で表される前記ANDゲート6f17の出力は、前記図6−(b)の信号と前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数信号を例えば16分の1に分周したクロック信号をAND演算したもので図示する如きとなる。
(4)図6−(i) で表される前記ANDゲート6f18の出力は、前記図6−(e)の信号と前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数信号を例えば2分の1に分周したクロック信号をAND演算したもので図示する如きとなる。
そして、該図6−(j)と前記図6−(a)を対照して本実施例による前記可変クロック発生器6f1の特徴を説明すれば、前記回転速度4f1がゼロもしくは低い速度から加速するとき、可変クロック信号6f15(ORゲート6f19の出力)は低い周波数から高い周波数へ2分割のクロック信号を出力し、前記回転速度4f1が高い速度から減速するとき、該可変クロック信号6f15は高い周波数から低い周波数へ2分割のクロック信号を出力するものである。そして、該可変クロック信号6f15を前記図5のノイズカット発生器に供給することにより前記回転速度4f1が特に低い速度であるとき、前記Z相信号2f1に混入したノイズを強力に除去した前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29を生成する。該ノイズキャンセラーZ相信号6f29は前記回転位相検出カウンタ3fのZ相入力に供給されて、安定した回転位相3f1を得ることができる。
図7において、前記図1と同じ符号を付すものは機能が同一でありその説明を割愛し、2、7f、及び7f12はそれぞれ本実施例3による回転位相検出装置、Zバンド発生器、及びZバンド信号であり、8fはANDゲート、7f13はZバンドによるZ相信号であり、上記Zバンド発生器7fとANDゲートを併せて、Zバンドノイズ阻止手段を構成する。
本実施例による前記回転位相検出装置2は従来の前記回転位相検出カウンタ3fに加えて前記Zバンド発生器7fを内蔵し、該Zバンド発生器7fは前記回転位相検出カウンタ3fが出力する回転位相3f1と前記回転速度検出器4fが出力する回転速度4f1を入力する。そして、該Zバンド発生器7fは前記回転位相3f1が後述するZバンドハイ位相設定値PZHi以上のとき、またはZバンドロー位相設定値PZLo以下のとき、前記Zバンド信号7f12をアクティブとし、該Zバンド信号7f12と前記Z相信号2f1を前記ANDゲート8fにて論理演算を行ってZバンドによるZ相信号7f13を生成し、これを前記回転位相検出カウンタ3fへ入力する。
このようにして生成される前記ZバンドによるZ相信号7f13は、前記回転位相3f1がZバンドロー位相設定値PZLoを越えてZバンドハイ位相設定値PZHi未満のとき、前記Z相信号2f1に侵入したノイズを完全に排除する特徴がある。
そして、図8−(e)にて示す前記ZバンドによるZ相信号7f13は、前記図8−(b)と図8−(d)の信号をAND演算したものである。それゆえに、前記図8−(d)のZ相禁止期間TZoffの期間内に前記図8−(b)のZ相信号2f1にノイズが侵入したとしても、該図8−(e)においては完全に消去されることとなる。ここで、前記図7の構成のとき前記図8−(c)の回転位相3f1は、前記8−(e)にて示されるZバンドによるZ相信号7f13がハイのときゼロにクリアされることに留意されたい。
そして、前記係数器7f1が出力する最大回転位相Pmaxと前記係数器7f2が出力するZバンドロー位相設定値PZLoは、前記加減算器7f3にて加減算されてZバンドハイ位相設定値PZHiを生成する。前記コンパレータ7f4は該Zバンドハイ位相設定値PZHiと前記回転位相3f1を入力して比較し、前記回転位相3f1が該Zバンドハイ位相設定値PZHi以上のときはハイを出力し、前記回転位相3f1が該Zバンドハイ位相設定値PZHi未満のときはローを出力する。該コンパレータ7f4の出力は2つの前記ORゲート7f6と7f8を経由して前記Zバンド信号7f12となる。
一方、前記コンパレータ7f4の動作に類似して、前記コンパレータ7f5は前記係数器7f2が出力するZバンドロー位相設定値PZLoと前記回転位相3f1を入力して比較し、前記回転位相3f1が該Zバンドロー位相設定値PZLo以下のときはハイを出力し、前記回転位相3f1が該Zバンドロー位相設定値PZLoを越えるときはローを出力する。そして、該コンパレータ7f5の出力は2つの前記ORゲート7f6と7f8を経由して前記Zバンド信号7f12となる。
そして、前記Zバンド信号7f12がハイのときは前記ANDゲート8fの作用により前記Z相信号2f1は許可されてそのまま前記ZバンドZ相信号7f13の出力となり、前記Zバンド信号7f12がローのときは前記ANDゲート8fの作用により前記Z相信号2f1は禁止されて前記ZバンドZ相信号7f13は強制的にローとなる。
これを前記図9により説明する。図9はインクリメンタルエンコーダの回転速度に応じて前記Z相信号2f1を許可する機能を有するようにした場合を示している。
図9において、前記Zバンド制御器7f7は前記回転速度4f1を入力し該回転速度4f1が予め定める速度以下のときはハイを出力し、それを越える速度のときはローを出力する。
該Zバンド制御器7f7が出力する信号は前記ORゲート7f8を介して前記Zバンド信号7f12となり、前記ANDゲート8fの作用により前記Z相信号2f1を許可、または禁止するものである。
具体的にこのような制御が必要となる例を挙げると、前記図7の回転位相検出装置2や回転位相検出カウンタ3fはディスクリートのロジックデバイスを用いる他、今日ではPLDやASICを用いてワンチップのデバイスにロジック回路を実現する。
このような電子装置は電源がオフからオンしたとき前記回転位相検出カウンタ3fが出力する回転位相3f1は、通常、実際の位相と相違する。そのゆえ、電源がオンしたときは正しく回転位相を検出する為、前記Z相信号2f1が正規にハイとなることを少なくとも1回転以上待つ必要がある。
この為、前記Zバンド制御器7f7に図示しないマイクロコンピュータを内蔵させ、電源がオフからオンしたとき運転操作の指令や、外部に設置されたこれも図示しない集中制御装置のシーケンス制御の指令を受信して前記Zバンド制御器7f7に一時的にハイを出力せしめる。これにより、前記コンパレータ7f4及び7f5の動作にかかわらず前記Z相信号2f1の許可を行い、該Z相信号2f1が正規にハイとなって正しく前記回転位相検出カウンタ3fをゼロにクリアし後前記回転位相3f1による回転位相の検出を開始する。
そして、図10−(d)、(e)、及び(f)はそれぞれ前記コンパレータ7f4、コンパレータ7f5、及びORゲート7f6の出力を示し、前記図10−(d)のコンパレータ7f4の出力は前記10−(c)を参照して、前記回転位相3f1が前記Zバンドハイ位相設定値PZHi以上である時刻t2とt3間においてハイでありそれ以外のときはローであり、前記図10−(e)のコンパレータ7f5の出力は、前記回転位相3f1が前記Zバンドロー位相設定値PZLo以下である時刻t3とt4間においてハイでありそれ以外のときはローである。そして、図10−(f)で表される前記ORゲート7f6の出力は前記図10−(d)と図10−(e)をOR演算して得られ図示の如く例えば時刻t2とt4間においてハイとなる。
そして、図10−(h)にて示す前記ORゲート7f8の出力であるZバンド信号7f12は、前記図10−(f)と図10−(g)をOR演算して得られるものである。本発明では該10−(h)のハイの期間はZ相許可期間TZon、ローの期間はZ相禁止期間TZoffと呼称し、該10−(h)のZバンド信号7f12と前記図10―(b)のZ相信号2f1は前記ANDゲート8fでAND演算されて前記図10−(i) のZバンドZ相信号7f13を生成する。該ZバンドZ相信号7f13は前記図7の回転位相検出カウンタ3fに入力され、前記図10−(c)に示す回転位相3f1をゼロにクリアすることとなる。
ここで、該図12−(b)の時刻t3及びt7において前記Z相信号2f1が正規のハイになるとし、該図12−(c)において前記回転位相3f1が前記Zバンドハイ位相設定値PZHi以上となる時刻をt2及びt6とし、前記のノイズが侵入する前記時刻t1は該時刻t2とt3の間としている。
さらに、該図12−(c)においてノイズが侵入した時刻t1にて前記回転位相3f1は回転位相Pt1からゼロにクリアされ、その後カウントアップを継続し時刻t3にて正しくZ相信号2f1がハイとなって回転位相Pt3からゼロにクリアされる。該回転位相3f1はその後時刻t4にて前記Zバンドロー位相設定値PZLoを越えつつ動作を継続する。
Pt1+Pt3=Pmax・・・・・・・・・・・(1)式
Pt1=Pmax−Pt3・・・・・・・・・・・(2)式
また、時刻t1において前記回転位相Pt1は前記Zバンドハイ位相設定値PZHiより大きいこと、及び上記(2)式より次の(3)式が導かれる。
PZHi<(Pt1=Pmax−Pt3)
Pt3 <Pmax−PZHi・・・・・・・・・(3)式
また、前記図9において前記Zバンドハイ位相設定値PZHiは前記最大回転位相Pmaxから前記Zバンドロー位相設定値PZLoを減じたものであったので、つぎの(4)式が導かれる。
PZLo=Pmax−PZHi・・・・・・・・・(4)式
上記(4)式を(3)式に代入すればつぎの(5)式のとおりとなる。
Pt3 <PZLo・・・・・・・・・・・・・・(5)式
上記(5)式により前記時刻t3において前記Z相信号2f1が正しくハイとなるとき前記図9のコンパレータ7f5はハイを出力しており、図12−(h)に示す前記Zバンド信号7f12もハイとなる。
かように、前記図9においてコンパレータ7f4を設けたときは前記回転位相3f1がZバンドロー位相設定値PZLo以下であることを検出する前記コンパレータ7f5も必要となる。
ここで、該図12について具体例を示せば、前記インクリメンタルエンコーダ09aのA相信号の1回転当たりのパルス発生数を19200ppr(pprはPulse Per Round)とし、前記図7の前記A相B相インターフェイス1fは前記A相信号の2倍の周波数を前記AB相パルス信号1f1に出力するとすれば、図12−(c)の最大回転位相Pmaxはつぎの(6)式のとおりとなる。
Pmax=19200×2=38400パルス・・・・・・(6)式
また、前記Zバンドロー位相設定値PZLoは例えば16パルスと設定すれば、前記Z相許可期間TZonと1回転に要する時間の比率はつぎの(7)式のとおり僅か0.0834%である。
TZon/(TZon+TZoff)=(2×PZLo)/Pmax
=(2×16)/38400=0.0834%・・・・・・(7)式
また、前記回転位相検出装置2は、前記Z相信号2f1に前記図12−(b)にて示したワーストケースの前記Z相許可期間TZonにノイズが侵入する場合も、前記Zバンドロー位相設定値PZLoの値は通常前記(7)式の例で示した様に充分に小さく設定するので1回転に対する前記Z相許可期間TZonの比率は小さく、該Z相許可期間TZonの期間内にノイズが侵入する確率も極めて小さい。また、該Z相許可期間TZonの期間内にノイズが侵入したとしても、前記図12−(c)の時刻t3に示すとおり前記Z相信号2f1が正しくハイとなって前記回転位相Pt3からゼロにクリアされ、速やかに正常な状態に復帰し信頼性のある回転位相を検出せしめるものである。
本実施例4は前記図1のノイズキャンセラー6fと前記図7のZバンド発生器7fとゲート8fから構成されるZバンドノイズ阻止手段を同時に用いて安定化Z相信号8f1を生成して、これを前記回転位相検出カウンタ3fのZ相入力とする。そして、その目的とするところは前記前記電動機07aが低速度から最高速度までいかなる速度で運転しているときも、前記インクリメンタルエンコーダ09aが出力するZ相信号に万が一ノイズが侵入した場合であっても、該ノイズを確実に除去して正確な回転位相を検出することにある。
電動機07aが停止もしくは低速度にて運転するとき、
(1)始めに、前記図13のZバンド発生器7fの動作について前記図9を参照して説明する。
(2)前記Zバンド発生器7fが内蔵するZバンド制御器7f7は、入力する前記回転速度4f1から電動機07aが停止もしくは低速度であることを検出してハイを出力する。これにより前記Zバンド信号7f12は前記コンパレータ7f4、または7f5の動作にかかわらずハイとなる。
(3)該Zバンド信号7f12がハイなので、ANDゲート8fの出力である前記安定化Z相信号8f1は前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29と同じ信号となる。
(4)次に、前記図13のノイズキャンセラー6fの動作について、前記ノイズキャンセラー6fが内蔵する可変クロック発生器は、前記図2の多分割可変クロック発生器6f0ではなく前記図5の2分割可変クロック発生器6f1を使用しているとし該図5を参照して説明する。
(5)前記2分割可変クロック発生器6f1が内蔵する前記セレクタ6f5は、入力する前記回転速度4f1から電動機07aが停止もしくは低速度であることを検出してS0出力をハイとする。
(6)これにより前記可変クロック信号6f15は、前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数を例えば16分の1に分周したQ3出力と低い周波数のクロック信号となる。
(7)該可変クロック信号6f15は前記ノイズカットZ相発生器6f21に供給され、周波数が低いので前記Z相信号2f1に混入したノイズを強力に除去した前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29を生成する。
(8)該ノイズキャンセラーZ相信号6f29はANDゲート8fを経由して安定化Z相信号8f1となり、前記回転位相検出カウンタ3fのZ相入力に供給される。
(9)そして、前記同期制御装置06aが電源オン後であっても、前記Z相信号2f1が正規にハイとなって前記回転位相検出カウンタ3fをゼロにクリアして信頼性のある回転位相3f1の検出を開始する。
(10)始めに、前記図13のノイズキャンセラー6fの動作について上記と同様に前記図5を参照して説明する。
(11)前記2分割可変クロック発生器6f1が内蔵する前記セレクタ6f5は、入力する前記回転速度4f1から電動機07aが低速度を越えて運転していることを検出してS0出力をローとする。
(12)これにより前記可変クロック信号6f15は、前記分周器6f3が出力する発信器6f2の周波数を例えば2分の1に分周したQ0出力と高い周波数のクロック信号となる。
(13)該可変クロック信号6f15は前記ノイズカットZ相発生器6f21に供給され、前記Z相信号2f1に混入したノイズを通常に除去した前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29を生成する。
(14)次に、前記図13のZバンド発生器7fの動作について前記図9を参照して説明する。
(15)前記Zバンド発生器7fが内蔵するZバンド制御器7f7は、入力する前記回転速度4f1から電動機07aが低速度を越えていることを検出してローを出力する。
(16)これにより、前記Zバンド信号7f12において前記コンパレータ7f4、または7f5の出力が有効となり、該Zバンド信号7f12は前記Z相許可期間はハイ、前記Z相禁止期間はローとなる。
(17)前記ANDゲート8fは該Zバンド信号7f12により前記ノイズキャンセラーZ相信号6f29のノイズを消去して安定化Z相信号8f1を出力し、該安定化Z相信号8f1は前記回転位相検出カウンタ3fのZ相入力に供給されて信頼性のある回転位相3f1を得る。
図14において前記図1及び図13と同じ符号を付すものは機能が同一でありそれぞれの説明を割愛し、4及び9fはそれぞれ本実施例5の回転位相検出装置及びZ相監視器である。
前述のとおり前記電動機07aがいかなる速度で運転しているときも、前記ノイズキャンセラー6fとZバンド発生器7fの作用によりノイズの侵入を除去した前記安定化Z相信号8f1を得るものであった。本実施例5においては前記電動機07aが低速度を越える速度で運転しているとき、前記Z相監視器9fは前記Zバンド信号7f12と前記Z相信号2f1を入力として、前記インクリメンタルエンコーダ09aが出力する信号にノイズが侵入した回数を定量的に検出し監視を容易とするものである。
図17において07a及び09aは前記図14と同じく電動機及びロータリーエンコーダを示し、5fは前記図14の4と機能が同一のフィードバックの回転位相検出装置を示し、その他1fから9fまで添え字「f」を付すものはフィードバックの信号を処理するものであり前記図14と同じ符号を付すものと同一の機能を有しその説明を割愛する。
そして、図17において01は集中制御装置であり、該集中制御装置01は前記インクリメンタルエンコーダ09aの動作を電子的にエミュレートして指令の回転位相と回転速度となるA相、B相、及びZ相を生成する(A相、B相、及びZ相の生成については前記特許文献2参照)。
すなわち、該集中制御装置01は前記図20にて示すA相、B相、及びZ相を生成して出力する。次に、前記同期制御装置06aが内蔵する1sから9sまで添え字「s」を付すものは、前記集中制御装置01からのA相、B相、及びZ相を受信して本発明による指令の回転位相検出装置を構成し、前記の1fから9fまで同じ番号で添え字「f」を付すものとそれぞれ同じ機能を有している。すなわち、指令の回転位相検出装置5sはノイズキャンセラー6s、Zバンド発生器7s、ANDゲート8s、Z相監視器9s、及び回転位相検出カウンタ3sを内蔵し、前記集中制御装置01がいかなる指令の回転速度を出力するときであってもノイズの侵入を除去して正確な指令の回転位相を検出する。
5c、6cはそれぞれ演算増幅器及び駆動部であり、前記加算器4cは前記増幅後の位相偏差と速度偏差を加算して出力し、該出力は前記演算増幅器5cによりトルク指令に変換されて前記駆動部6cを制御し電動機07aを駆動することとなる。
かように、前記集中制御装置01が出力する指令に対して、前記指令の回転位相検出装置5sは常にノイズの侵入を排除した信頼性の高い指令の回転位相を検出すると共に、前記指令の回転速度検出器4sは該回転位相より信頼性の高い指令の回転速度の検出が可能となった。同様に、前記フィードバックの回転位相検出装置5f及び回転速度検出器4fの作用により信頼性の高い前記電動機6aのフィードバックの回転位相と回転速度を検出するので、前記集中制御装置01の指令に追随した精度の良い同期制御や位置制御を実現する。
以上のように、前記図19のシャフトレス輪転印刷機において多数の電動機をいかなる回転速度にて電子的に同期制御で駆動するときも、本発明による回転位相検出装置を用いることにより、インクリメンタルエンコーダのZ相にノイズが侵入したときであってもこれを確実に除去し信頼性の高い回転位相の検出を実現することができる。
2 回転位相検出装置
3 回転位相検出装置
4 回転位相検出装置
01 集中制御装置
02 通信線路
03a、03b、03c 給紙部
04a、04b、04c 印刷紙
05a、05b、05c インフィードロール
06a、06b、06d、06e、06f 同期制御装置
07a、07b、07d、07e、07f 電動機
09a、09b、09d、09e、09f インクリメンタルエンコーダ(ロータリーエンコーダ)
10a、10c 印刷ユニット(イエロー)
11a、11c 印刷ユニット(マゼンダ)
12a、12c 印刷ユニット(シアン)
13a、13c 印刷ユニット(ブラック)
10b 印刷ユニット(ブラック)
14a、14b、14c アウトフィードロール
15f 折り機
1c、2c 加減算器
3c 位相偏差増幅器
4c 加算器
5c 演算増幅器
6c 駆動部
1s A相B相インターフェイス(指令のA相B相インターフェイス)
2s Z相インターフェイス(指令のZ相インターフェイス)
3s 回転位相検出カウンタ(指令の回転位相検出カウンタ)
4s 回転速度検出器(指令の回転速度検出器)
6s ノイズキャンセラー(指令のノイズキャンセラー)
7s Zバンド発生器(指令のZバンド発生器)
8s ANDゲート
9s Z相監視器(指令のZ相監視器)
1f A相B相インターフェイス(フィードバックのA相B相インターフェイス)1f1 AB相パルス信号
1f2 回転方向信号
2f Z相インターフェイス(フィードバックのZ相インターフェイス)
2f1 Z相信号
3f 回転位相検出カウンタ(フィードバックの回転位相検出カウンタ)
3f1 回転位相(フィードバックの回転位相)
4f 回転速度検出器(フィードバックの回転速度検出器)
5f 回転位相検出装置(フィードバックの回転位相検出装置)
4f1 回転速度(フィードバックの回転速度)
6f ノイズキャンセラー(フィードバックのノイズキャンセラー)
6f0 多分割可変クロック発生器
6f1 2分割可変クロック発生器
6f2 発信器
6f3 分周器
6f4 NOTゲート
6f5 セレクタ
6f6、6f7、6f8、6f9 Dフリップフロップ
6f10、6f11、6f12、6f13 ANDゲート
6f14 ORゲート
6f15 可変クロック信号
6f16 NOTゲート
6f17、6f18 ANDゲート
6f19 ORゲート
6f21 ノイズカットZ相発生器
6f22、6f23、6f24、6f25 Dフリップフロップ
6f26 ANDゲート
6f27 NORゲート
6f28 JKフリップフロップ
6f29 ノイズキャンセラーZ相信号
7f Zバンド発生器(フィードバックのZバンド発生器)
7f1、7f2 係数器
7f3 加減算器
7f4、7f5 コンパレータ
7f6 ORゲート
7f7 Zバンド制御器
7f8 ORゲート
7f12 Zバンド信号
7f13 ZバンドによるZ相信号
8f ANDゲート
9f Z相監視器(フィードバックのZ相監視器)
9f1 NOTゲート
9f2 ANDゲート
9f3 カウンタ
9f4 ノイズカウント値
9f5 不正Z相カウント表示器
PZHi Zバンドハイ位相設定値
PZLo Zバンドロー位相設定値
TZon Z相許可期間
TZoff Z相禁止期間
Claims (9)
- 回転機器の回転に応じたパルス列を生成するとともに該回転機器が一回転する毎にZ相信号を生成するZ相付きインクリメンタルエンコーダの出力が与えられる回転位相検出カウンタを内蔵し、
上記回転位相検出カウンタが、上記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するパルス列をカウントして積算値を得るとともに、上記Z相信号により該積算値をゼロにクリアすることにより、上記回転機器の回転位相に対応した信号を検出する回転位相検出装置であって、
上記回転位相検出カウンタのZ相信号の入力側に、多分割可変クロック発生器とノイズカットZ相発生器とから構成され、Z相信号に含まれるノイズをキャンセルするためのノイズキャンセラーを設け、
多分割可変クロック発生器に前記回転位相検出カウンタが出力する回転位相より演算した回転速度を入力し、ゼロから最高速度に至るまでの上記回転速度に応じて、低い周波数から高い周波数に段階的に切り替わる可変クロック信号を生成し、
上記ノイズカットZ相発生器に上記可変クロック信号と前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するノイズを含むZ相信号を入力し、
上記可変クロック信号により、上記ノイズを含むZ相信号を該クロック信号のnクロックサイクルだけ位相シフトすることにより、nクロックサイクルより短いノイズを除去したノイズキャンセラーZ相信号を出力し、
上記ノイズキャンセラーZ相信号を前記回転位相検出カウンタへのZ相入力とする
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 請求項1の前記回転位相検出装置において、
前記多分割可変クロック発生器は、ゼロから最高速度に至るまでの上記回転速度に応じて、低い周波数から高い周波数に2段階に切り替わる可変クロック信号を生成する
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 回転機器の回転に応じたパルス列を生成するとともに該回転機器が一回転する毎にZ相信号を生成するZ相付きインクリメンタルエンコーダの出力が与えられる回転位相検出カウンタを内蔵し、
上記回転位相検出カウンタが、上記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するパルス列をカウントして積算値を得るとともに、上記Z相信号により該積算値をゼロにクリアすることにより、上記回転機器の回転位相に対応した信号を検出する回転位相検出装置であって、
上記回転位相検出カウンタのZ相信号の入力側に、Zバンド発生器とゲート回路から構成されるZバンドノイズ阻止手段を設け、
上記回転位相の最小値より予め設定された第1の所定値だけ大きい回転位相をZバンドロー位相設定値PZLoとし、上記回転位相の最大値より予め設定された第2の所定値だけ小さい回転位相をZバンドハイ位相設定値PZHi(但しPZLo<PZHi)としたとき、
上記Zバンド発生器は、前記回転位相検出カウンタが出力する回転位相3f1と、上記Zバンドロー位相設定値PZLo及びZバンドハイ位相設定値PZHiと比較し、該回転位相3f1がPZLoを越えてPZHi未満のときはノンアクティブとなるZバンド信号を生成し、上記回転位相3f1がPZHi以上、又は、PZLo以下のときはアクティブとなるZバンド信号を生成し、
上記ゲート回路の一方の入力端には上記Zバンド発生器の出力が、また、他方の入力端にはノイズを含むZ相信号が入力され、該ゲート回路の出力は回転位相検出カウンタのZ相入力端に接続され、上記ゲート回路は、上記Zバンド信号がアクティブのとき、ノイズを含むZ相信号を通過可能とし、上記Zバンド信号がノンアクティブのときノイズを含むZ相信号の通過を阻止する
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 請求項3の前記回転位相検出装置において、
前記電動機がゼロもしくは低速度にて運転しているとき、前記Zバンド発生器は前記Zバンド信号を常にアクティブとし、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するZ相信号を通過させて上記回転位相検出カウンタに入力させる
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 請求項3または請求項4の前記回転位相検出装置において、
運転操作、又はシーケンス制御の指令により、前記Zバンド発生器は前記Zバンド信号をアクティブとし、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するZ相信号を通過させて上記回転位相検出カウンタに入力させる
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 請求項3,4または請求項5の回転位相検出装置において、
前記ゲート回路のZ相信号入力端の入力側に、請求項1または請求項2のノイズキャンセラーを設け、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダが出力するZ相信号を上記ノイズキャンセラーに入力し、ノイズキャンセラーの出力を上記ゲート回路に入力する
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 請求項6の前記回転位相検出装置において、
前記電動機がゼロもしくは低速度にて運転するときは、前記Zバンド発生器は前記Zバンド信号を常時アクティブとし、前記ノイズキャンセラーの出力を上記回転位相検出カウンタに入力させ、
前記電動機が低速度を越える速度にて運転しているときは、
前記Zバンド発生器は、前記回転位相検出カウンタが出力する回転位相3f1と、上記Zバンドロー位相設定値PZLo及びZバンドハイ位相設定値PZHiと比較し、該回転位相3f1がPZLoを越えてPZHi未満のときはノンアクティブとなるZバンド信号を生成し、上記回転位相3f1がPZHi以上、又は、PZLo以下のときはアクティブとなるZバンド信号を生成し、
前記ゲート回路は、上記Zバンド信号がアクティブのとき、前記ノイズキャンセラーの出力を通過可能とし、上記Zバンド信号がノンアクティブのとき前記ノイズキャンセラーの出力の通過を阻止する
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 請求項6または請求項7の前記回転位相検出装置において、
前記Zバンド発生器が出力するZバンド信号と、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダの出力であるノイズキャンセラーへの入力信号が入力されるZ相監視器を備え、
上記Z相監視器は、前記Zバンド信号がノンアクティブのときにノイズキャンセラーに入力される信号の回数を計数するカウンタと、該カウンタの出力を表示する不正Z相カウント表示器を内蔵し、
該不正Z相カウント表示器を監視することにより、前記Z相付きインクリメンタルエンコーダの出力によるZ相信号にノイズが混入した回数を検知する
ことを特徴とする回転位相検出装置。 - 集中制御装置と、複数の電動機と、該電動機の回転を検出するZ相付きインクリメンタルエンコーダと、集中制御装置に対応した指令用の回転位相検出装置と、上記電動機の台数に対応した複数のフィードバック用の回転位相検出装置と、上記電動機を制御する制御装置を内蔵し、
上記Z相付きインクリメンタルエンコーダは電動機の回転に応じたパルス列を生成するとともに該回転機器が一回転する毎にZ相信号を生成し、
上記集中制御装置は、電子的に上記Z相付きインクリメンタルエンコーダの機能をエミュレートして、回転位相指令と回転速度指令に対応したパルス列と1回転毎にZ相信号を出力し、
上記集中制御装置の回転位相指令と回転速度指令に、上記電動機の回転位相と回転速度とを同期させる同期制御装置であって、
上記指令用の回転位相検出装置及び上記フィードバック用の回転位相検出装置として、前記請求項6,7または請求項8の回転位相検出装置を使用し、
上記制御装置は、上記指令用の回転位相検出装置と上記フィードバック用の回転位相検出装置が出力する回転位相指令および回転位相から、それぞれ回転速度指令と回転速度を演算し、回転速度指令と回転速度の速度偏差を求め、
また、上記指令用の回転位相検出装置と上記フィードバック用の回転位相検出装置が出力する回転位相指令および回転位相から、位相偏差を求め、
上記速度偏差と位相偏差に基づき電動機の回転位相と回転速度が、それぞれ回転位相指令と回転速度指令に一致するように制御する
ことを特徴とする同期制御装置。
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