JP2007120205A - 免震装置 - Google Patents

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丈司 大場
Takashi Yokoi
横井  隆
Takahisa Shizuku
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Abstract

【課題】環境に負荷を与えずに履歴依存性や温度依存性が良好で高い制振特性を有する免震装置を得る。
【解決手段】弾性変形し得るゴムリング18と剛性を維持する為の金属リング20とが、交互に複数枚ずつ配置されて外側積層体16が形成される。ゴムリング18を構成するゴム材が、天然ゴムのみの通常のゴム材と比較して減衰性の高いゴム材となっている。外側積層体16の中心に存在する円筒形の中空部24内に、双晶の金属材料により線材22Aを弾性変形可能な螺旋状のコイルスプリングの形に形成した制振合金であるコイルバネ22が嵌まり込むように、配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、環境に負荷を与えずに履歴依存性や温度依存性が良好で高い制振特性を有し得る免震装置震装置に関する。
従来より、地震の揺れを低減する為の部材として、建築物とこの建築物を支持する地盤との間に配置される免震装置が知られている。そして、この免震装置は、ゴム板と金属製の積層板とを積層した積層ゴムだけでなく、揺れに伴う振動を抑える為の制振合金をも構成部材としたものがあり、これらの部材の複合的な作用で地震の揺れを減衰して低減し、建築物側に地震の揺れを伝達し難くしていた。
従来の免震装置の制振合金として、制振特性の面から一般に鉛材が使用されていたが、環境面への配慮が近年重要視されるのに伴い、制振合金を鉛材から他の金属材料に置き換えることが検討されるようになった。しかし、鉛材以外の他の金属材料では特性が鉛材と比較して低く、十分な制振特性が得られない為、他の金属材料に単に置き換えることは難かった。
他方、鉛材を用いない免震装置として、ゴム板の材質として一般的な天然ゴムの替わりに、高い減衰性のゴム材を使用したものが考えられていた。このような減衰性の高いゴム材を用いた場合には、tanδである損失係数が高く良好な制振特性が得られるものの、履歴依存性や温度依存性が悪く、地震波の入力により繰り返しの変位が加わった場合や、所定の温度範囲から外れた場合には、十分な制振特性が得られない欠点を有していた。
特開平1−250547号公報 特開平11−270621公報
以上より、環境に負荷を与えないだけでなく、履歴依存性や温度依存性が良好で、繰り返しの変位を伴う地震波が入力されても高い制振特性を有する免震装置を開発する必要性も生じていた。
本発明は上記事実を考慮し、環境に負荷を与えずに履歴依存性や温度依存性が良好で高い制振特性を有する免震装置を提供することが目的である。
請求項1に係る免震装置は、減衰性の高いゴム材により形成された弾性板と剛性を有した硬質板とが交互に積層された形の積層体と、
双晶の金属材料で形成され且つ積層体と並んだ形で配置される制振合金と、
を有することを特徴とする。
請求項1に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項の免震装置では、減衰性の高いゴム材により形成された弾性板と剛性を有した硬質板とが交互に積層されて積層体が形成され、双晶の金属材料で形成される制振合金が、積層体と並んだ形で配置される構成となっている。従って、本請求項に係る免震装置によれば、地震が生じた場合、相互に並列的に配置されてそれぞれ変形する積層体の弾性板と制振合金との間の複合的な作用で地震の揺れを減衰して低減し、建築物側に地震の揺れが伝達され難くなる。
つまり、本請求項では、地震が生じて地震による大きな水平方向の繰り返し変位が地震波として免震装置に入力されるのに伴い、減衰性の高いゴム材による弾性板及び、双晶の金属材料による制振合金が、この変位の入力に合わせてそれぞれ変形することで、地震の揺れを減衰して低減する。
但し、減衰性の高いゴム材を弾性板として用いているので、tanδである損失係数が高くなる傾向を有するものの、積層体と並んで配置される制振合金が双晶の金属材料による形成されていることから、この双晶の金属材料によっても損失係数が高まる。この為、弾性板として用いられるゴム材の減衰性を必要以上に高くしなくとも、良好な制振特性が得られるようになる。従って、この双晶の金属材料の作用により、ゴム材の減衰性を必要以上に高くしなくとも良くなるので、履歴依存性や温度依存性を良好な範囲で維持できることになる。
以上より、本請求項の免震装置によれば、減衰性の高いゴム材により弾性板を形成するだけでなく、双晶の金属材料を制振合金として採用したことで、鉛材を制振合金として用いずとも、履歴依存性や温度依存性を良好としつつ十分な制振特性を得ることができるようになる。この為、制振性能を十分且つ安定的に発揮して、長期間にわたって地震の揺れを低減できるようになる。これに伴って、本請求項の免震装置を用いれば、鉛材を用いていないことから環境に負荷を与えずに、地震による揺れを長期間確実に減衰して建築物側に揺れが直接伝達されなくなり、この結果として、建築物の安全性が長期間にわたって向上する。
請求項2に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、制振合金が、コイルバネとされて積層体の内部に配置されるという構成を有している。つまり、本請求項では、制振合金をコイルバネとして積層体の内部に配置した構成としたのに伴い線材の径やピッチ等を変更することで、弾性係数や制振合金として必要な特性を容易に調整可能となる。
請求項3に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項2と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、コイルバネを形成する線材の断面形状が、四角形とされるという構成を有している。つまり、本請求項では、線材の断面形状が四角形のコイルバネとされていることから、免震装置に水平方向の変位が入力されるのに伴い、このコイルバネが変位の入力に合わせて変形するものの、この際に断面形状を四角形とした線材の隣り合った面同士が接触するので、互いの線材が拘束仕合ってコイルバネの倒れを自己防止できるようになる。
この結果、免震装置に大きな水平方向の変位が加わっても、コイルバネが潰れることがなくなるので、繰り返し変位後においても安定した制振性能を発揮して、制振性を安定的に保つことができる。従って、本請求項に係る免震装置によれば、地震が生じた場合でも、コイルバネと並列的に配置される積層体の弾性板とこのコイルバネとの間の複合的な作用がより確実に生じて、地震の揺れが一層低減される。
請求項4に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、制振合金が、円筒状に形成されて積層体の内部に配置されるという構成を有している。つまり、本請求項では、制振合金を円筒状に形成して積層体の内部に配置した構成としたことで、免震装置の製造に際して、制振合金を容易に加工できると共に積層体に制振合金が入る空間を容易に形成できるようになる結果、製造が容易になって免震装置の製造コストが低減される。
請求項5に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、Cu−Al−Mn合金、Mg−Zr合金、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Al−Zn合金、Cu−Zn−Al合金、Mg合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Ni−Al合金、SUS304の内の何れかを双晶の金属材料として使用するという構成を有している。
つまり、これらの金属の内の何れかが双晶の金属材料として使用されることで、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する双晶の金属材料がより確実に得られるようになる。
請求項6に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、積層体及び制振合金がそれぞれ円筒状に形成され、積層体の内部にこの制振合金が配置されるという構成を有している。
つまり、本請求項では、円筒状に形成された積層体の内部に同じく円筒状に形成された制振合金が配置される形とされている。この為、それぞれが円筒状とされていることから、いずれの方向から免震装置に揺れが加わった場合であっても免震装置の制振特性に変化が無く、地震の揺れを一層確実に減衰して低減するようになる。他方、円筒状の積層体内に制振合金が配置されることから、本請求項によれば、免震装置の省スペース化にも寄与することになる。
以上説明したように本発明の上記構成によれば、環境に負荷を与えずに履歴依存性や温度依存性が良好で高い制振特性を有し得る免震装置を提供できるという優れた効果を有する。
本発明に係る免震装置の第1の実施の形態を図1及び図2に基づき説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る免震装置10の上下部分をそれぞれ円板状に形成された連結板12、14が構成している。この内の下側の連結板12が地盤と当接し、また上側の連結板14が建築物の下部に当接するような構造になっている。
また、これら一対の連結板12、14の間には、中心部分に円筒形の中空部24を有しつつ円筒状に形成された積層体である外側積層体16が配置されている。この外側積層体16は、リング状に形成されて弾性変形し得る弾性板であるゴム製のゴムリング18と、リング状に形成されて剛性を維持する為の硬質板である金属製の金属リング20とが、交互に複数枚ずつ配置された形の構造になっている。
但し、本実施の形態では、このゴムリング18を構成するゴム材が天然ゴムと高減衰ゴムとを所定の比率で混合したものであり、天然ゴムのみの通常のゴム材と比較して減衰性の高いゴム材となっている。すなわち、このように減衰性を高くした結果、損失係数が高く良好な制振特性が得られるようになる。
一方、これら一対の連結板12、14は、外側積層体16の上下端にそれぞれ加硫接着されて取り付けられており、また、これら一対の連結板12、14の中心には、それぞれ途中に段部を有した円形の貫通穴12A、14Aが形成されている。但し、これら貫通穴12A、14Aに対応した大きさであって外周側にフランジを有した蓋材32が、ボルト34によるねじ止めによって、一対の連結板12、14にそれぞれ固定されることで、貫通穴12A、14Aがそれぞれ閉鎖されている。
この外側積層体16の中心に存在する円筒形の中空部24内には、双晶の金属材料により断面形状を長方形とした線材22Aを弾性変形可能な螺旋状のコイルスプリングの形に形成した制振合金であるコイルバネ22が嵌まり込むように、配置されている。つまり、コイルバネ22を構成する線材22Aの断面形状が、図1及び図2に示すように四角形の内のコイルバネ22の径方向Rを長辺とする長方形とされている。
以上より、本実施の形態に係る免震装置10では、弾性変形し得る外側積層体16が、双晶の金属材料により弾性変形可能となるように螺旋状に形成されたコイルバネ22と、並列的に配置された構造になっている。そして、コイルバネ22の自由な状態での高さは、外側積層体16の高さより高くされており、これに伴い、図1に示す外側積層体16内にコイルバネ22が組み付けられた状態では、蓋材32によりコイルバネ22が圧縮されて予歪みがこのコイルバネ22に与えられた形になる。
次に、本実施の形態に係る免震装置10の製造を以下に説明する。
この免震装置10を作製する際には、まず天然ゴムと高減衰ゴムとを所定の比率で混合して形成したゴム材によりゴムリング18を複数作製すると共に、金属リング20を複数作製する。そして、これらゴムリング18と金属リング20とが積層されて形成される外側積層体16を作製するが、この際に、外側積層体16の上下に一対の連結板12、14を加硫接着してそれぞれ取り付けておくことにする。
これとは別に、断面形状を長方形とした線材22Aで螺旋状のコイルバネ22を作製し、Mn−Cu−Ni−Fe合金の場合は、850℃程度の温度で1時間程度保持した後、空冷により徐冷し、また、Cu−Al−Mn−Co合金の場合は、900℃程度の温度で5分間程度保持した後、急冷後再加熱し200℃で15分間程度保持した後、空冷することで、双晶のコイルバネ22とすることができる。但しこの際、外側積層体16の高さをコイルバネ22の高さより低くするように、この外側積層体16を作製する。
この後、連結板12の貫通穴12Aを通過させて、外側積層体16の中心に存在する中空部24内にコイルバネ22を挿入する。そして、これら連結板12、14に蓋材32をそれぞれねじ止めして取り付けることにより、図1に示す免震装置10が完成される。
このとき、外側積層体16の高さより高く形成されているコイルバネ22が、蓋材32の連結板12、14へのねじ止に伴って、外側積層体16と同じ高さとなるように圧縮されることで、圧縮されて予歪みがこのコイルバネ22に与えられた状態となる。
次に、本実施の形態に係る免震装置10の作用を以下に説明する。
本実施の形態の免震装置10によれば、剛性を有してリング状に形成される金属リング20と弾性を有してリング状に形成されるゴムリング18とが交互に積層されて円筒状とされた外側積層体16内に、双晶の金属材料で弾性変形可能な螺旋状に形成されたコイルバネ22が、この外側積層体16と並んだ形となるように、配置された構造とされている。但し、このゴムリング18用のゴム材は、天然ゴムと高減衰ゴムとが所定の比率で混合されて、天然ゴムのみによる通常のゴム材より減衰性の高いゴム材となっている。
従って、本実施の形態に係る免震装置10によれば、地震が生じた場合、相互に並列的に配置されてそれぞれ変形する外側積層体16のゴムリング18とコイルバネ22との間の複合的な作用で地震の揺れを減衰して低減し、建築物側に地震の揺れが伝達され難くなる。
つまり、本実施の形態では、地震が生じて地震による大きな水平方向Aの繰り返し変位が地震波として免震装置10に入力されるのに伴い、減衰性の高いゴム材により形成されたゴムリング18及び、双晶の金属材料により形成されたコイルバネ22が、この変位の入力に合わせてそれぞれ変形することで、地震の揺れを減衰して低減する。
但し、減衰性の高いゴム材をゴムリング18として用いているので、損失係数が高くなる傾向を有するものの、外側積層体16と並んで配置されるコイルバネ22が双晶の金属材料により形成されていることから、この双晶の金属材料によっても損失係数が高まる。この為、ゴムリング18として用いられるゴム材の減衰性を必要以上に高くしなくとも、良好な制振特性が得られるようになる。従って、この双晶の金属材料の作用により、ゴム材の減衰性を必要以上に高くしなくとも良くなるので、履歴依存性や温度依存性を良好な範囲で維持できることになる。
以上より、本実施の形態の免震装置10によれば、減衰性の高いゴム材によりゴムリング18を形成するだけでなく、双晶の金属材料をコイルバネ22として採用したことで、鉛材を制振合金として用いずとも、履歴依存性や温度依存性を良好としつつ十分な制振特性を得ることができるようになる。この為、制振性能を十分且つ安定的に発揮して、長期間にわたって地震の揺れを低減できるようになる。
これに伴って、本実施の形態の免震装置10を用いれば、鉛材を用いていないことから環境に負荷を与えずに、地震による揺れを長期間確実に減衰して建築物側に揺れが直接伝達されなくなり、この結果として、建築物の安全性が長期間にわたって向上する。
他方、本実施の形態では、図1及び図2に示すように制振合金がコイルバネ22とされて、このコイルバネ22が外側積層体16の内部に配置された構造になっている。つまり、本実施の形態では、制振合金をコイルバネ22として外側積層体16の内部に配置した構造としたのに伴い、線材の径やピッチ等を変更することで、弾性係数や制振合金として必要な特性を容易に調整可能となった。
さらに、本実施の形態では、線材の断面形状が四角形のコイルバネ22とされていることから、地震が生じて、免震装置10に水平方向Aの変位が入力されるのに伴い、図2(A)に示す状態から、このコイルバネ22が変位の入力に合わせて変形するものの、この際に図2(B)に示すように断面形状を四角形とした線材の隣り合った面同士が接触するので、互いの線材が拘束仕合ってコイルバネ22の倒れを自己防止できるようになる。
この結果、免震装置10に大きな水平方向Aの変位が加わっても、コイルバネ22が潰れることがなくなるので、繰り返し変位後においても安定した制振性能を発揮して、制振性を安定的に保つことができる。従って、本実施の形態に係る免震装置10によれば、地震が生じた場合でも、コイルバネ22と並列的に配置される外側積層体16のゴムリング18とこのコイルバネ22との間の複合的な作用がより確実に生じて、地震の揺れが一層低減される。
次に、本発明に係る免震装置の第2の実施の形態を図3に基づき説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
本実施の形態では第1の実施の形態と同様に、外側積層体16がゴムリング18と金属リング20とを交互に積層して円筒状に形成され、この外側積層体16の内部に円筒状に形成された円筒形制振合金42が配置されている。
以上より、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様な作用を奏するだけでなく、円筒状に形成された円筒形制振合金42を外側積層体16の内部に配置したことで、免震装置10の製造に際して、円筒形制振合金42を容易に加工できると共に外側積層体16に円筒形制振合金42が入る空間部24を容易に形成できるようになる結果、製造が容易になって免震装置10の製造コストが低減される。
さらに、本実施の形態では、外側積層体16及び円筒形制振合金42がそれぞれ円筒状とされていることから、いずれの方向から免震装置10に揺れが加わった場合であっても、免震装置10の制振特性に変化が無く、地震の揺れを一層確実に減衰して低減できるようになる。他方、円筒状の外側積層体16内に円筒形制振合金42が配置されることから、本実施の形態によれば、免震装置10の省スペース化にも寄与することになる。
一方、上記各実施の形態では、例えば、Cu−Al−Mn合金、Mg−Zr合金、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Al−Zn合金、Cu−Zn−Al合金、Mg合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Ni−Al合金、SUS304の内の何れかを双晶の金属材料として使用することが考えられる。
つまり、これらの金属の内の何れかが、コイルバネ22を構成する線材22Aや円筒形制振合金42を形成する為の双晶の金属材料として使用されることで、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有するコイルバネ22や円筒形制振合金42がより確実に得られるようになる。
例えば、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金等のマンガン系の合金を使用した場合、800℃〜930℃の温度で0.5時間から2時間程度の時間保持して、10時間から20時間程度の時間をかけて徐冷することで、双晶の金属材料が得られる。
また、Cu−Al−Mn合金、Cu−Al−Ni合金、Cu−Zn−Al合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金等の銅系の合金を使用した場合、約900℃の温度で5分から1時間程度の時間保持し、急冷した後、約200℃の温度に再加熱して15分から30分程度の時間保持することで、双晶の金属材料が得られる。
次に、双晶とすることによるコイルバネ22を構成する線材22Aや円筒形制振合金42の変形のメカニズムを以下に説明する。
図4(A)に示す金属の原子が均一に整列したマルテンサイト相に横方向から応力を加えることで、図4(B)に示すように変形が始まる。さらに、応力が加わり続けると図4(C)に示すような形に変形する。そして、この図4(C)に示す状態では寸法Sの変形量が生じたことになる。
これに対して、図5(A)に示す一般的な金属では原子が均一に整列しているものの、横方向から応力を加えた場合、図5(B)に示すように原子の配列にずれが生じて、欠陥が発生する。つまり、一般的な金属において原子の配列にずれが生じると、塑性変形することになるので、図5(B)に示す状態に一旦成ると、図5(A)に示す状態に戻ることはない。
以上より、一般的な金属と異なり、双晶の金属材料では、比較的小さな応力で変形が開始するものの、図4(C)に示す状態まで変形しても塑性変形することが無いので、応力を逆にかければ図4(A)に示す状態に戻るようになる。更に、双晶の金属材料の断面積を小さくして全体へかかる応力が低い段階から変形が発生するようにすることで、全体へかかる応力歪み曲線におけるヒステリシスのバネ定数が上昇しないようになる。
ここで、本発明の実施の形態に係る免震装置の応力歪み曲線におけるヒステリシスを図6のグラフに表し、従来の制振合金に鉛材を用いた免震装置の応力歪み曲線におけるヒステリシスを図7のグラフに表し、以下にこれらのグラフの説明をする。
つまり、繰り返し両方向の剪断荷重(Shear stress)を加えて免震装置に変形(Shear strain)を生じさせるのに伴い、図7に表す従来の免震装置の応力歪み曲線では、変化の経路であるヒステリシスが大きく斜めになり、ヒステリシスに囲まれた面積も小さいのに対して、図6に表す実施の形態の応力歪み曲線のヒステリシスは両端が立ち上がった形となると共に、ヒステリシスに囲まれた面積も大きくなった。
以上より、これら図6及び図7のグラフから、本発明の実施の形態に係る免震装置は、従来の制振合金に鉛材を用いた免震装置と比較して、環境に負荷を与えずに履歴依存性や温度依存性を良好にできるだけでなく、高い減衰性が得られることが確認されたことになる。
尚、上記各実施の形態では、弾性板であるゴムリング18を構成するゴム材が天然ゴムと高減衰ゴムとを混合して形成されたものであるが、これら天然ゴムと高減衰ゴムとの比率は、必要とされる特性により決定され、例えば天然ゴムと高減衰ゴムとを各50%ずつとすることが考えられる。また、双晶の金属材料により形成された制振合金とこの減衰性の高い弾性板との特性に占める割合は例えば30%から70パーセントとすることが考えられる。
さらに、上記第1の実施の形態ではコイルバネの数を1つとしたが、コイルバネを2つ以上としても良い。また、上記第1の実施の形態において、コイルバネを構成する線材の断面形状を四角形としたことで、コイルバネの歪み量が最も大きくなると考えられる最内径部分の断面積が、円形断面より増えてコイルバネの強度が向上することにもなる。
一方、上記各実施の形態では、コイルバネを構成する線材の断面形状を四角形の内のコイルバネの径方向を長辺とする長方形としたが、本発明の作用効果を満足すれば、コイルバネの径方向を短辺とする長方形としても良く、また、正方形としても良い。
他方、上記各実施の形態に係る免震装置では、コイルバネや円筒形制振合金を上下から蓋材により押さえつける構造とされていたが、この替わりにネジ等の固定具を用いて蓋材にコイルバネや円筒形制振合金の上下端を固定するような構造として、免震装置の変位にコイルバネや円筒形制振合金をより確実に追従させるような構造を採用しても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る免震装置の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る免震装置のコイルバネの要部を拡大して示す要部拡大図であって、(A)は免震装置に変位が加わっていない状態を表す図であり、(B)は免震装置に変位が加わった状態を表す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る免震装置の断面図である。 本発明の実施の形態に係るコイルバネの原子配列を表す説明図であって、(A)はマルテンサイト相を表す図であり、(B)はマルテンサイト相に変形が始まった状態を表す図であり、(C)はマルテンサイト相の変形が終わった状態を表す図である。 一般的な金属の原子配列を表す説明図であって、(A)は原子が均一に整列した状態を表す図であり、(B)は原子の配列の一部にずれが生じた状態を表す図である。 本発明の実施の形態に係る免震装置の応力歪み曲線を表すグラフを示す図である。 従来の免震装置の応力歪み曲線を表すグラフを示す図である。
符号の説明
10 免震装置
16 外側積層体(積層体)
18 ゴムリング(弾性板)
20 金属リング(硬質板)
22 コイルバネ(制振合金)
22A 線材
42 円筒形制振合金(制振合金)

Claims (6)

  1. 減衰性の高いゴム材により形成された弾性板と剛性を有した硬質板とが交互に積層された形の積層体と、
    双晶の金属材料で形成され且つ積層体と並んだ形で配置される制振合金と、
    を有することを特徴とする免震装置。
  2. 制振合金が、コイルバネとされて積層体の内部に配置されることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. コイルバネを形成する線材の断面形状が、四角形とされることを特徴とする請求項2記載の免震装置。
  4. 制振合金が、円筒状に形成されて積層体の内部に配置されることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  5. Cu−Al−Mn合金、Mg−Zr合金、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Al−Zn合金、Cu−Zn−Al合金、Mg合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Ni−Al合金、SUS304の内の何れかを双晶の金属材料として使用したことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  6. 積層体及び制振合金がそれぞれ円筒状に形成され、積層体の内部にこの制振合金が配置されることを特徴とする請求項1記載の免震装置。

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