JP2006207637A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する免震装置を得る。
【解決手段】 弾性変形し得るゴム板18と、剛性を維持する為の金属板20とが、交互に複数枚ずつ配置されて積層体16が形成される。積層体16の外周側における積層体16を中心とした放射状の位置に、U字状に湾曲して形成された湾曲部22Aを中央部分に有すると共に、直線状に形成された腕部22Bを両端部分に有した金属製の板バネ22が、配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する免震装置に関する。
従来より、地震の揺れを低減する為に、建築物とこの建築物を支持する地盤との間に配置される免震装置が知られている。そして、この免震装置は、ゴム板と積層板とを積層した積層ゴムだけでなく、揺れに伴う振動を抑える為の制振合金をも構成部材としていて、これらの部材の複合的な作用で地震の揺れを低減し、建築物側に地震の揺れを伝達し難くしていた。
しかし、従来の免震装置の制振合金として、制振特性の面から一般に鉛材が使用されていたが、環境面への配慮が近年重要視されるのに伴い、他の材料に置き換えることが検討されるようになった。
特開昭58−44137号公報 特開昭61−200276号公報 特開昭63−125745号公報 特開平8−260755号公報 登録実用新案第3030228号公報 特開平9−264079号公報 特開平10−54441号公報 特開平10−238160公報
つまり、免震装置に採用される制振合金として、環境に負荷を与えずに従来の制振合金と同等以上の制振特性を有するものを開発する必要が生じていた。
本発明は上記事実を考慮し、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する免震装置を提供することが目的である。
請求項1に係る免震装置は、弾性を有した弾性板と剛性を有した硬質板とが交互に積層された形の積層体と、U字状に湾曲して形成された金属製の板バネとが、相互に並列に配置された免震装置であって、
板バネのU字状に湾曲された湾曲部の曲率半径をRとし、板バネの板厚をTとしたとき、板バネが、
3≦(R/T)≦5の範囲の形状とされることを特徴とする。
請求項1に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項の免震装置によれば、弾性を有した弾性板と剛性を有した硬質板とが交互に積層された形の積層体と、U字状に湾曲して形成された金属製の板バネとが、相互に並列に配置されている。そして、この板バネのU字状に湾曲された湾曲部の曲率半径をRとすると共に、板バネの板厚をTとしたとき、3≦(R/T)≦5の範囲の形状に板バネがされる。
つまり、本請求項では、免震装置に変位が入力されるのに伴い、積層体が変位の入力に合わせて変形するだけでなく、U字状に湾曲して形成された金属製の板バネも変位の入力に合わせて変形する。従って、本請求項に係る免震装置によれば、地震が生じた場合には、板バネと並列的に配置されて弾性変形する積層体とこの板バネとの間の複合的な作用で確実に地震の揺れを低減し、建築物側に地震の揺れが伝達され難くなる。
さらに、上記のように板バネの湾曲部の曲率半径をRとし、この板バネの板厚をTとしたとき、3≦(R/T)の範囲の形状に板バネが形成されることから、この板バネの耐久性が高まって、免震装置の長寿命化が図れる。つまり、R/Tの範囲が3未満となった場合には、板バネの板厚が相対的に厚くなり過ぎて変形し難くなるのに伴い、十分な耐久性が得られないことからこの範囲とされている。
また、(R/T)≦5の範囲の形状に板バネが形成されることから、この板バネによる減衰力が確実に確保される。つまり、R/Tの範囲が5を越えた場合には、板バネの湾曲部の曲率半径が大きくなり過ぎて変形に伴う減衰力が得られないことから、この範囲とされている。
以上より、本請求項に係る免震装置は、U字状に湾曲して形成された金属製の板バネを積層体と並列に配置したことで、鉛材を用いずとも上記のような制振特性を得られるようになる為、環境に負荷を与えずに従来の免震装置と同等以上の制振特性を有するようになった。
請求項2に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、湾曲部の曲率半径が相互に異なる板バネが複数存在し、これら複数の板バネの両端部をそれぞれ連結した形で板バネが配置されたという構成を有している。
つまり、湾曲部の曲率半径が相互に異なる複数の板バネであれば、これら板バネを重ねて配置することが可能となり、これに伴って、狭い空間であっても複数の板バネを配置できるようになる結果、請求項1と同様の作用効果をより確実に奏するようになる。
請求項3に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、湾曲部の曲率半径が相互に同一の板バネが複数存在し、これら複数の板バネの両端部をそれぞれ連結して板バネが配置されたという構成を有している。
つまり、湾曲部の曲率半径が相互に同一の複数の板バネの両端部をそれぞれ連結することで、これら板バネを重ねて配置することが可能となり、これに伴って、狭い空間であっても、複数の板バネを配置できる結果、請求項1と同様の作用効果をより確実に奏するようになる。そして、板バネを重ねて配置することにより、各板バネに入力される変位が減少するのに伴い、板バネの耐久性が高まって免震装置の長寿命化も図れる。
請求項4に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、積層体が複数存在すると共に板バネが複数存在し、積層体と板バネとが交互に隣り合って配置されたという構成を有している。つまり、複数の積層体と複数の板バネとが交互に隣り合って配置されていることから、狭い空間であっても、請求項1と同様の作用効果を確実に奏することができるようになる。
請求項5に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項4と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、積層体の積層方向と直交する断面が円弧状に形成されたという構成を有している。
つまり、本請求項でも請求項4と同様に、複数の積層体と複数の板バネとが交互に隣り合って配置されていることから、請求項1と同様の作用効果を奏することができるだけでなく、断面がそれぞれ円弧状に形成された複数の積層体を組み合わせることで、円筒状の免震装置となるので、狭い空間であっても請求項1と同様の作用効果を一層確実に奏することができる。
請求項6に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、板バネが双晶の金属材料で形成されたという構成を有している。つまり、本請求項では、弾性変形可能なU字状に湾曲した板バネが双晶の金属材料により形成されるのに伴い、この板バネを構成する双晶の金属材料に予歪みが与えられることになるので、引張力や剪断力が加わった際に、単純な双晶の合金と比較してもバネ定数が低くなると共に減衰係数が高くなり、従来の制振合金と同等以上の大きな制振特性を有するようになる。
請求項7に係る免震装置の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項6と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、Cu−Al−Mn合金、Mg−Zr合金、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Al−Zn合金、Cu−Zn−Al合金、Mg合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Ni−Al合金、SUS304の内の何れかを双晶の金属材料として使用するという構成を有している。
つまり、これらの金属の内の何れかが、板バネを形成する為の双晶の金属材料として使用されることで、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する板バネがより確実に得られるようになる。
以上説明したように本発明の上記構成によれば、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する免震装置を提供できるという優れた効果を有する。
本発明に係る免震装置の実施の形態を図1から図4に基づき説明する。図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る免震装置10の上下部分をそれぞれ円板状に形成された連結板12、14が構成している。この内の下側の連結板12が地盤と当接し、また上側の連結板14が建築物の下部に当接するような構造になっている。
また、これら一対の連結板12、14の間には、円筒状に形成された積層体16が配置されていて、これら一対の連結板12、14が、積層体16の上下端にそれぞれ加硫接着されて取り付けられた形となっている。この積層体16は、円状に形成されて弾性変形し得る弾性板であるゴム製のゴム板18と、円状に形成されて剛性を維持する為の硬質板である金属製の金属板20とが、交互に複数枚ずつ配置された構造とされている。
また、図1及び図2に示すように、この積層体16の外周側における積層体16を中心とした放射状の例えば8箇所の位置には、U字状に湾曲して形成された湾曲部22Aを中央部分に有すると共に、直線状に形成された腕部22Bを両端部分に有した金属製の板バネ22が、それぞれ配置されている。
但し、本実施の形態では、湾曲部22Aの曲率半径が相互に異なる複数(本実施の形態では2つ)の板バネ22の上端部分の腕部22B同士及び下端部分の腕部22B同士が、一対の連結板12、14から伸びるボルト24によりそれぞれ連結されて、複数の板バネ22が同一の位置にそれぞれ配置された構造になっている。
以上より、本実施の形態に係る免震装置10では、弾性変形し得る積層体16が、双晶の金属材料により弾性変形可能となるようにそれぞれU字状に湾曲して形成された複数の板バネ22と、並列的に配置された構造になっている。そして、板バネ22の自由な状態での高さは、積層体16の高さより高くされており、これに伴い、図1に示す積層体16と並列に板バネ22が組み付けられた状態では、一対の連結板12、14により板バネ22が圧縮されて予歪みがこの板バネ22に与えられた形になる。
尚、図3に示すように、免震装置10を構成する板バネ22の湾曲部22Aの免震装置10に組み込まれた状態における曲率半径をRとし、板バネ22の板厚をTとしたとき、3≦(R/T)≦5の範囲の形状にこの板バネ22はなっている必要がある。更に、板バネ22の一対の腕部22Bのそれぞれの長さをLとし、板バネ22の水平方向Aにおける予想最大変位量をXとしたとき、(2L+πR)>Xの範囲の形状にこの板バネ22はなっている必要がある。つまり、板バネ22の全長となる2L+πRの値が予想最大変位量Xより小さくなることで、板バネ22の耐久性が高まることになる。
次に、本実施の形態に係る免震装置10の製造を以下に説明する。
この免震装置10を作製する際には、まず湾曲部22Aの曲率半径Rが相互に異なる複数の板バネ22を必要数作製し、Mn−Cu−Ni−Fe合金の場合は、850℃程度の温度で1時間程度保持した後、空冷により徐冷し、また、Cu−Al−Mn−Co合金の場合は、900℃程度の温度で5分間程度保持した後、急冷後再加熱し200℃で15分間程度保持した後、空冷することで、双晶の板バネ22とすることができる。
これとは別に、ゴム板18と金属板20とが積層されて形成される積層体16を作製するが、この際に、積層体16の上下に一対の連結板12、14を加硫接着してそれぞれ取り付けておくことにする。但しこの際、積層体16の高さを板バネ22の高さより低くするように、この積層体16を作製する。
この後、円筒状に形成された積層体16の外周側に各板バネ22が配置されるように、一対の連結板12、14間に各板バネ22を挿入し、各板バネ22の一対の腕部22Bをボルト24により一対の連結板12、14に締結することで、免震装置10が完成される。
このとき、積層体16の高さより高く形成されている板バネ22が、一対の連結板12、14間への取り付けに伴って、積層体16と同じ高さとなるように圧縮されることで、圧縮されて予歪みがこの板バネ22に与えられた状態となる。
次に、本実施の形態に係る免震装置10の作用を以下に説明する。
本実施の形態の免震装置10によれば、弾性を有したゴム板18と剛性を有した金属板20とが交互に積層されて円筒径に形成された積層体16を中心とした放射状とされる積層体16の外周側の図2に示す8箇所の位置には、中央部分をU字状に湾曲した金属製の板バネ22が、それぞれ配置されている。
尚、図1に示すように、この積層体16の外周側の各位置には、中央部分となる湾曲部22Aの曲率半径Rを相互に異ならせた板バネ22がそれぞれ複数ずつ配置されており、これら複数の板バネ22の両端部分とされる腕部22Bがそれぞれボルト24により連結されている。これに伴い、積層体16と複数の板バネ22とが、相互に並列に配置された構造となるものの、これらの各板バネ22の形状は、3≦(R/T)≦5の範囲に入るように形成されている。
つまり、本実施の形態では、免震装置10に水平方向Aの変位が入力されるのに伴い、積層体16が変位の入力に合わせて変形するだけでなく、U字状に湾曲して形成された板バネ22も変位の入力に合わせて、図3の二点鎖線のように変形する。従って、本実施の形態に係る免震装置10によれば、地震が生じた場合には、板バネ22と並列的に配置されて弾性変形する積層体16とこの板バネ22との間の複合的な作用で確実に地震の揺れを低減し、建築物側に地震の揺れが伝達され難くなる。
さらに、上記のように板バネ22の湾曲部22Aの曲率半径をRとし、この板バネ22の板厚をTとしたとき、3≦(R/T)の範囲の形状に板バネ22が形成されることから、この板バネ22の耐久性が高まって、免震装置10の長寿命化が図れる。つまり、R/Tの範囲が3未満となった場合には、板バネ22の板厚が相対的に厚くなり過ぎて変形し難くなるのに伴い、十分な耐久性が得られないことからこの範囲とされている。
また、(R/T)≦5の範囲の形状に板バネ22が形成されることから、この板バネ22による減衰力が確実に確保される。つまり、R/Tの範囲が5を越えた場合には、板バネ22の湾曲部22Aの曲率半径が大きくなり過ぎて変形に伴う減衰力が得られないことから、この範囲とされている。
以上より、本実施の形態に係る免震装置10は、U字状に湾曲して形成された金属製の板バネ22を積層体16と並列に配置したことで、鉛材を用いずとも上記のような制振特性を得られるようになる為、環境に負荷を与えずに従来の免震装置10と同等以上の制振特性を有するようになった。
さらに、本実施の形態では、中央部分とされる湾曲部22Aの曲率半径Rが相互に異なる複数の板バネ22の両端部分とされる腕部22Bをそれぞれ連結した形で板バネ22が配置された構造となっている。つまり、湾曲部22Aの曲率半径Rが相互に異なる複数の板バネ22であれば、これら板バネ22を重ねて配置することが可能となり、これに伴って、狭い空間であっても複数の板バネ22を配置できるようになる。
一方、本実施の形態では、弾性変形可能なU字状に湾曲した板バネ22が双晶の金属材料により形成されるのに伴い、この板バネ22を構成する双晶の金属材料に予歪みが与えられることになるので、単純な双晶の合金と比較して、引張力や剪断力が加わった際に、バネ定数が低くなると共に減衰係数が高くなり、従来の制振合金と同等以上の大きな制振特性を有するようになる。
つまり、外部から応力がこの板バネ22に付与された場合、予歪みが与えられていて図4の応力歪み曲線中における双晶の変形が生じる領域F1内の点Pまで既に変形されているこの板バネ22が、さらに双晶の変形を大きくする形或いは、双晶の変形を小さくする形で、双晶の変形が生じる領域F1内において、矢印Eのように変形することになる。
このことから、双晶の板バネ22に予歪みを与えたことにより、バネ定数の低減が図られ、図4の応力歪み曲線中の領域F1を含んでいるヒステリシス線Fで囲まれた範囲をより大きくできるようになる。そして、これに伴う効果的で良好な制振特性が得られるようになった。
次に、本発明に係る免震装置の第2の実施の形態を図5に基づき説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
本実施の形態の免震装置10も、第1の実施の形態と同様に双晶の金属材料でU字状に湾曲して形成された複数の板バネ22が、積層体16と相互に並列に配置された構造とされている。
但し、第1の実施の形態では、複数の板バネ22の湾曲部22Aの曲率半径Rが相互に異なっているのに対して、本実施の形態の免震装置10では、図5に示すように、湾曲部22Aの曲率半径Rが相互に同一の複数の板バネ22の腕部22Bをそれぞれ連結して、これら複数の板バネ22が直列的に配置された構造とされている。
つまり、本実施の形態では、湾曲部22Aの曲率半径Rが相互に同一の複数の板バネ22の両端部分である腕部22Bをそれぞれボルト24により連結することで、これら板バネ22を重ねて配置することが可能となり、これに伴って、狭い空間であっても複数の板バネ22を配置できるので、複数の板バネ22が変位の入力に合わせて確実に変形するようになる。そして、板バネ22を重ねて配置することにより、各板バネ22に入力される変位が減少するのに伴い、板バネ22の耐久性が高まって免震装置10の長寿命化も図れる。
以上より、本実施の形態に係る免震装置10によれば、積層体16と板バネ22との間の複合的な作用で確実に地震の揺れを低減するだけでなく、湾曲部22Aの曲率半径が相互に同一の複数の板バネ22の両端部分とされる腕部22Bをそれぞれ連結しつつ、これら各板バネ22が配置されていることにより、建築物側に地震の揺れが一層伝達され難くなる。従って、第1の実施の形態と同様に、鉛材を用いずとも上記のような制振特性を得られるようになる為、環境に負荷を与えずに従来の免震装置10と同等以上の制振特性を有するようになった。
次に、本発明に係る免震装置の第3の実施の形態を図6から図8に基づき説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
本実施の形態に係る免震装置10も第1の実施の形態と同様の構造となっているが、本実施の形態では、積層体16が複数存在しているが、単に複数存在するだけでなく、図6及び図7に示すように積層方向と直交する各積層体16の断面が円弧状に形成されている。
これに合わせて各積層体16の間に板バネ22がそれぞれ配置されることで板バネ22が複数存在することになるので、これら積層体16と板バネ22とが交互に隣り合って配置された構造とされている。そして、本実施の形態では、各積層体16間の外周側が、ゴム材等により構成される被覆材26で覆われている。
つまり、断面がそれぞれ円弧状に形成された複数の積層体16と複数の板バネ22とを組み合わせることで、円筒状の免震装置10とされつつこれら積層体16と板バネ22とが交互に隣り合って配置されることになる。この結果として、狭い空間であっても、複数の板バネ22を配置できる構造となるのに伴い、複数の板バネ22が変位の入力に合わせてそれぞれ確実に変形するようになる。
以上より、本実施の形態に係る免震装置10によれば、積層体16と板バネ22との間の複合的な作用で確実に地震の揺れを低減するだけでなく、湾曲部22Aの曲率半径が相互に同一の複数の板バネ22の両端部分とされる腕部22Bをそれぞれ連結しつつ、これら各板バネ22が配置されていることにより、建築物側に地震の揺れが一層伝達され難くなる。従って、第1の実施の形態と同様に、鉛材を用いずとも上記のような制振特性を得られるようになる為、環境に負荷を与えずに従来の免震装置10と同等以上の制振特性を有するようになった。
尚、本実施の形態では、免震装置10内の3箇所に板バネ22が配置された構造を示すが、本実施の形態の変形例として、図8に示すように免震装置10内の4箇所に板バネ22が配置された構造としても良い。
一方、本実施の形態では、例えば、Cu−Al−Mn合金、Mg−Zr合金、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Al−Zn合金、Cu−Zn−Al合金、Mg合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Ni−Al合金、SUS304の内の何れかを双晶の金属材料として使用することが考えられる。
つまり、これらの金属の内の何れかが、板バネ22を形成する為の双晶の金属材料として使用されることで、環境に負荷を与えずに従来と同等以上の制振特性を有する板バネ22がより確実に得られるようになる。
例えば、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金等のマンガン系の合金を使用した場合、800℃〜930℃の温度で0.5時間から2時間程度の時間保持して、10時間から20時間程度の時間をかけて徐冷することで、双晶の金属材料が得られる。
また、Cu−Al−Mn合金、Cu−Al−Ni合金、Cu−Zn−Al合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金等の銅系の合金を使用した場合、約900℃の温度で5分から1時間程度の時間保持し、急冷した後、約200℃の温度に再加熱して15分から30分程度の時間保持することで、双晶の金属材料が得られる。
次に、双晶とすることによる板バネ22の変形のメカニズムを以下に説明する。
図9(A)に示す金属の原子が均一に整列したマルテンサイト相に横方向から応力を加えることで、図9(B)に示すように変形が始まる。さらに、応力が加わり続けると図9(C)に示すような形に変形する。そして、この図9(C)に示す状態では寸法Sの変形量が生じたことになる。
これに対して、図10(A)に示す一般的な金属では原子が均一に整列しているものの、横方向から応力を加えた場合、図10(B)に示すように原子の配列にずれが生じて、欠陥が発生する。つまり、一般的な金属において原子の配列にずれが生じると、塑性変形することになるので、図10(B)に示す状態に一旦成ると、図10(A)に示す状態に戻ることはない。
以上より、一般的な金属と異なり、双晶の金属材料では、比較的小さな応力で変形が開始するものの、図9(C)に示す状態まで変形しても塑性変形することが無いので、応力を逆にかければ図9(A)に示す状態に戻るようになる。更に、双晶の金属材料の断面積を小さくして全体へかかる応力が低い段階から変形が発生するようにすることで、全体へかかる応力歪み曲線におけるヒステリシスのバネ定数が上昇しないようになる。
尚、上記第1の実施の形態では、各位置に配置された板バネの数を2つとしたが、板バネを1つ或いは3つ以上としても良い。また、上記第2の実施の形態では、湾曲部の曲率半径が相互に同一の複数の板バネを直列的に配置したが、湾曲部の曲率半径が相互に異なる複数の板バネを直列的に配置しても良い。さらに、上記各実施の形態では、板バネの材質として双晶の金属材料を採用したが、バネ材として一般的な他の金属材料を採用しても良い。
一方、上記各実施の形態では、湾曲部の曲率半径が各板バネ内において一定とされていたが、同一の板バネにおいて、曲率半径を順次変化させる構造とすることも考えられ、このように曲率半径を順次変化させた場合には、板バネの耐久性が高まって免震装置の長寿命化が図れることが期待できる。
本発明の第1の実施の形態に係る免震装置の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る免震装置の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る免震装置に適用される板バネの側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る板バネの応力歪み曲線を表すグラフの図である。 本発明の第2の実施の形態に係る免震装置の断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る免震装置の断面図である。 図6の7−7矢視線断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る免震装置の変形例を示す図であって、図6の7−7矢視線断面図に対応する図である。 本発明の実施の形態に係る板バネの原子配列を表す説明図であって、(A)はマルテンサイト相を表す図であり、(B)はマルテンサイト相に変形が始まった状態を表す図であり、(C)はマルテンサイト相の変形が終わった状態を表す図である。 一般的な金属の原子配列を表す説明図であって、(A)は原子が均一に整列した状態を表す図であり、(B)は原子の配列の一部にずれが生じた状態を表す図である。
符号の説明
10 免震装置
16 積層体
18 ゴム板(弾性板)
20 金属板(硬質板)
22 板バネ
22A 湾曲部

Claims (7)

  1. 弾性を有した弾性板と剛性を有した硬質板とが交互に積層された形の積層体と、U字状に湾曲して形成された金属製の板バネとが、相互に並列に配置された免震装置であって、
    板バネのU字状に湾曲された湾曲部の曲率半径をRとし、板バネの板厚をTとしたとき、板バネが、
    3≦(R/T)≦5の範囲の形状とされることを特徴とする免震装置。
  2. 湾曲部の曲率半径が相互に異なる板バネが複数存在し、これら複数の板バネの両端部をそれぞれ連結した形で板バネが配置されたことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 湾曲部の曲率半径が相互に同一の板バネが複数存在し、これら複数の板バネの両端部をそれぞれ連結して板バネが配置されたことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  4. 積層体が複数存在すると共に板バネが複数存在し、
    積層体と板バネとが交互に隣り合って配置されたことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  5. 積層体の積層方向と直交する断面が円弧状に形成されたことを特徴とする請求項4記載の免震装置。
  6. 板バネが双晶の金属材料で形成されたことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  7. Cu−Al−Mn合金、Mg−Zr合金、Mn−Cu合金、Mn−Cu−Ni−Fe合金、Cu−Al−Ni合金、Ti−Ni合金、Al−Zn合金、Cu−Zn−Al合金、Mg合金、Cu−Al−Co合金、Cu−Al−Mn−Ni合金、Cu−Al−Mn−Co合金、Cu−Si合金、Fe−Mn−Si合金、Fe−Ni−Co−Ti合金、Fe−Ni−C合金、Fe−Cr−Ni−Mn−Si−Co合金、Ni−Al合金、SUS304の内の何れかを双晶の金属材料として使用したことを特徴とする請求項6記載の免震装置。
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