JP2007119407A - コエンザイムq10含有組成物およびコエンザイムq10含有組成物を含有する食品または製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 CoQ10の生体吸収性が向上するコエンザイムQ10含有組成物およびこれを用いた食品または製剤を提供する。
【解決手段】 本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、コエンザイムQ10とγ−リノレン酸とを含む。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、コエンザイムQ10とγ−リノレン酸とを含む。
【選択図】 なし
Description
本発明は、コエンザイムQ10含有組成物およびコエンザイムQ10含有組成物を含有する食品または製剤に関する。
コエンザイムQ10(CoQ10)は、ユビキノン−10などとも呼ばれ、その特異な生理作用により代謝性強心剤などとして医薬品に利用されている。また、CoQ10の抗酸化作用に由来する心筋保護作用、発ガン予防、老化防止作用、血中LDL酸化抑制、血圧上昇抑制、虚血心筋での酸素利用効率の改善、心筋ミトコンドリアのATP合成賦活、新機能改善などのCoQ10の効果が知られている。特に、CoQ10は、国内においては、食薬区分の見直しにより、食品用途への利用が可能となり、健康食品分野での応用が増加している。
また、CoQ10の作用としては、エネルギー産生促進作用、心肺機能を高める作用、免疫賦活作用なども知られている。CoQ10は、特にエネルギー酸化過程で産生する電子伝達系における重要な成分のため、運動時のエネルギーレベルを向上させる作用があることが知られている。
しかし、CoQ10は、融点が約48℃であり、常温(25℃前後)において黄色〜橙色の固体で、水、アルコールに殆んど溶解せず、また油にも溶けにくい。このため、CoQ10を経口投与した場合に、体内への吸収率が非常に低いという問題がある。
この問題を解決するため、CoQ10と親水性多価アルコール脂肪酸エステルとを含有するCoQ10含有組成物が開発されている(特許文献1参照)。この文献に記載のCoQ10含有組成物では、親水性多価アルコール脂肪酸エステルの乳化若しくは可溶化作用により、CoQ10の結晶化が抑制される。これにより、CoQ10の生体吸収性が向上する。
特開2005−43号公報
特許文献1に記載のCoQ10含有組成物は、CoQ10を親水性多価アルコール脂肪酸エステルで被覆する。これにより、この組成物を室温等で保存した場合に、液状の場合であっても、CoQ10が析出しにくくなる。
しかし、特許文献1に記載のCoQ10含有組成物では、保存状態により、例えば、高温、あるいは多湿の雰囲気下に置かれる場合がある。このような場合に、CoQ10が析出する可能性がある。一旦CoQ10が析出すれば、CoQ10の結晶化が進み、CoQ10の生体吸収性が低下するという問題がある。
すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、CoQ10の生体吸収性が向上するコエンザイムQ10含有組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、コエンザイムQ10とγ−リノレン酸とを含む。
本発明者らは、コエンザイムQ10をγ−リノレン酸に混和すると、コエンザイムQ10の融点が低下することを見出し、本発明を完成した。コエンザイムQ10は、γ−リノレン酸の添加により、凝固点が降下したものと推定される。
このようにコエンザイムQ10の融点が低下したコエンザイムQ10含有組成物を経口で摂取すると、体温により消化管内でコエンザイムQ10が溶解する。この結果、コエンザイムQ10の生体吸収性が向上する。
また、コエンザイムQ10の融点を低下させるために用いるγ−リノレン酸は、高血圧抑制、ガンの転移、潰瘍形成、慢性関節リュウマチ、骨粗鬆症、歯周炎等の各種疾患の治療及び改善効果のある物質として知られている。これにより、コエンザイムQ10を単独で、あるいは親水性多価アルコール脂肪酸エステルと共に摂取した場合に比べ、本組成物の摂取により、γ−リノレン酸の効果が付加される。
上記のコエンザイムQ10含有組成物を含有する食品または製剤であってもよい。このような食品または製剤は、コエンザイムQ10の生体吸収率が向上される。また、このような食品または製剤は、運動時のエネルギー変換促進、脂肪燃焼促進および/または持久力向上に優れる。
本発明のコエンザイムQ10含有組成物は、γ−リノレン酸がコエンザイムQ10の融点を低下させる。この結果、コエンザイムQ10の生体吸収性を向上させることができる。
本発明のCoQ10含有組成物(以下、組成物という)は、CoQ10とγ−リノレン酸とを含有する。
[CoQ10]
CoQ10とは、10個のイソプレン単位からなるイソプレノイド鎖を側鎖として有するベンゾキノン誘導体であり、広く自然界に分布する。動植物等においては、ミトコンドリア内で酸化的リン酸化の電子伝達系に関与する。本発明に使用されるCoQ10としては、生体、例えば、哺乳動物、中でもヒトが摂取可能なものであれば特に限定されるものではない。このようなCoQ10としては、例えば、一般的に用いられている工業的合成品、発酵法により得られる酵母抽出品等の菌体抽出品、イワシ、ブタ、ウシ、ニワトリ、ブロッコリー、ナス、ニンニク、キャベツ等の動植物からの抽出品等が挙げられ、それぞれ単独で若しくは2種以上を混合して使用することができる。好ましくは、発酵法または合成法により得られるCoQ10である。
CoQ10とは、10個のイソプレン単位からなるイソプレノイド鎖を側鎖として有するベンゾキノン誘導体であり、広く自然界に分布する。動植物等においては、ミトコンドリア内で酸化的リン酸化の電子伝達系に関与する。本発明に使用されるCoQ10としては、生体、例えば、哺乳動物、中でもヒトが摂取可能なものであれば特に限定されるものではない。このようなCoQ10としては、例えば、一般的に用いられている工業的合成品、発酵法により得られる酵母抽出品等の菌体抽出品、イワシ、ブタ、ウシ、ニワトリ、ブロッコリー、ナス、ニンニク、キャベツ等の動植物からの抽出品等が挙げられ、それぞれ単独で若しくは2種以上を混合して使用することができる。好ましくは、発酵法または合成法により得られるCoQ10である。
なお、自然界には1〜12個のイソプレン単位からなるイソプレノイド鎖を側鎖として有するもの(CoQ1〜12)が存在する。このため、本発明で用いるCoQ10には、特に制限がない限り、それらのイソプレノイド鎖の長さが異なる類縁体が一部含まれていてもよい。
[γ−リノレン酸]
γ−リノレン酸は、ボラージ種子油、紅花油、むらさき種子油、サクラソウ種子油及び月見草油に多量に含まれる不飽和脂肪酸(C18:3、cis6,9,12)である。また、微生物を用いて培養法によって生産されるものであってもよい。γ−リノレン酸は、通常、生体内ではリノール酸の代謝分解物として得られ、体内で、組織や細胞の機能を正常に維持する局所ホルモン、プロスタグランジンに変換される。一方で、肥満、加齢。糖尿病、アルコール過飲、栄養摂取の偏りなどの阻害要因により、リノール酸からγ−リノレン酸の合成が阻害される。このため、γ−リノレン酸を直接摂取することが行われている。本発明においては、上記機能を有するγ−リノレン酸が、CoQ10の融点の降下に寄与する。
γ−リノレン酸は、ボラージ種子油、紅花油、むらさき種子油、サクラソウ種子油及び月見草油に多量に含まれる不飽和脂肪酸(C18:3、cis6,9,12)である。また、微生物を用いて培養法によって生産されるものであってもよい。γ−リノレン酸は、通常、生体内ではリノール酸の代謝分解物として得られ、体内で、組織や細胞の機能を正常に維持する局所ホルモン、プロスタグランジンに変換される。一方で、肥満、加齢。糖尿病、アルコール過飲、栄養摂取の偏りなどの阻害要因により、リノール酸からγ−リノレン酸の合成が阻害される。このため、γ−リノレン酸を直接摂取することが行われている。本発明においては、上記機能を有するγ−リノレン酸が、CoQ10の融点の降下に寄与する。
[配合比]
CoQ10とγ−リノレン酸との配合比としては、CoQ10を100重量部に対してγ−リノレン酸が、好ましくは10〜800重量部、より好ましくは50〜400重量部、更に好ましくは100〜250重量部である。
CoQ10とγ−リノレン酸との配合比としては、CoQ10を100重量部に対してγ−リノレン酸が、好ましくは10〜800重量部、より好ましくは50〜400重量部、更に好ましくは100〜250重量部である。
[融点]
CoQ10の融点は、日本薬局方「ユビデカレノン」の融点試験方法により測定すると、約48℃である。本発明の組成物において、CoQ10の融点は、配合するγ−リノレン酸の配合量により異なるが、ヒトの腸内温度である37℃以上になることはない。本発明の組成物において、CoQ10の融点は、約33℃程度である。
CoQ10の融点は、日本薬局方「ユビデカレノン」の融点試験方法により測定すると、約48℃である。本発明の組成物において、CoQ10の融点は、配合するγ−リノレン酸の配合量により異なるが、ヒトの腸内温度である37℃以上になることはない。本発明の組成物において、CoQ10の融点は、約33℃程度である。
本発明の組成物では、CoQ10の融点の降下により、コエンザイムQ10の生体吸収性が向上する。この結果、本発明の組成物は、運動時の酸素摂取効率を向上させ、基礎代謝を高め、疲労物質である血中乳酸の分解能を高めることで、運動後の疲労回復を早めるとともに、筋組織内の血流を増加させることができる。すなわち、本発明の組成物は、摂取によって、特に、運動時のエネルギー変換促進、脂肪燃焼促進、持久力向上に有用である。
[その他の成分]
本発明の組成物は、さらに、例えば、乳化剤化合物を含有させてもよい。乳化剤化合物としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルはグリセリンの重合度、脂肪酸の種類とエステル化度の組合せにより巾広いHLBの化合物があり、HLBの高いデカグリセリンモノリレートやデカグリセリンモノリレート等の単独添加や、高HLBのグリセリン脂肪酸エステルとテトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンペンタオレエートや、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等の低〜中HLBのグリセリン脂肪酸エステルとを組合せて使用することができる。
本発明の組成物は、さらに、例えば、乳化剤化合物を含有させてもよい。乳化剤化合物としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルはグリセリンの重合度、脂肪酸の種類とエステル化度の組合せにより巾広いHLBの化合物があり、HLBの高いデカグリセリンモノリレートやデカグリセリンモノリレート等の単独添加や、高HLBのグリセリン脂肪酸エステルとテトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンペンタオレエートや、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等の低〜中HLBのグリセリン脂肪酸エステルとを組合せて使用することができる。
本発明の組成物において、その他の成分の含有量は、特に限定されるものではなく、本発明の所望の効果が得られる範囲で、適宜調整すればよい。
[製造方法]
本発明の組成物は、γ−リノレン酸を含有するオイルとポリグリセリン脂肪酸エステルを60℃〜80℃程度に加温して混合し、その後ヒトの体温程度まで温度を下げた後に、コエンザイムQ10を加え均一になるまで攪拌して油状の組成物を得る。また、γ−リノレン酸を含有するオイルとポリグリセリン脂肪酸エステルと、コエンザイムQ10とを加えて、60℃〜80℃程度に加温して混合し、油状の組成物を得てもよい。なお、本発明の組成物とともに他のビタミン、ミネラルやハーブエキス等の有効成分、種々の賦形薬等を添加併用することができる。
本発明の組成物は、γ−リノレン酸を含有するオイルとポリグリセリン脂肪酸エステルを60℃〜80℃程度に加温して混合し、その後ヒトの体温程度まで温度を下げた後に、コエンザイムQ10を加え均一になるまで攪拌して油状の組成物を得る。また、γ−リノレン酸を含有するオイルとポリグリセリン脂肪酸エステルと、コエンザイムQ10とを加えて、60℃〜80℃程度に加温して混合し、油状の組成物を得てもよい。なお、本発明の組成物とともに他のビタミン、ミネラルやハーブエキス等の有効成分、種々の賦形薬等を添加併用することができる。
得られた組成物は、通常、ソフトカプセルに充填したり、又はハードカプセルに充填されて服用に供される。特に、ソフトカプセルに充填した場合に、CoQ10の一部が析出した場合においても、腸内でCoQ10が溶解するので、高い生体吸収率が得られる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
γ−リノレン酸を60g含有するオイル240g(DSMニュートリションジャパン(株)製)と乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル10gとを、65℃まで加温溶解し、その後室温まで冷却して、次に、コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)30gを入れ、全体が均一になるまで攪拌して実施例1の組成物を作成した。
γ−リノレン酸を60g含有するオイル240g(DSMニュートリションジャパン(株)製)と乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル10gとを、65℃まで加温溶解し、その後室温まで冷却して、次に、コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)30gを入れ、全体が均一になるまで攪拌して実施例1の組成物を作成した。
(実施例2)
γ−リノレン酸を60g含有するオイル240g(出光興産(株)製、商品名:GLANOIL HGC)と乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル10gとを、65℃まで加温溶解し、その後室温まで冷却して、次に、コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)30gを入れ、全体が均一になるまで攪拌して実施例2の組成物を作成した。
γ−リノレン酸を60g含有するオイル240g(出光興産(株)製、商品名:GLANOIL HGC)と乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル10gとを、65℃まで加温溶解し、その後室温まで冷却して、次に、コエンザイムQ10(日清ファルマ(株)製)30gを入れ、全体が均一になるまで攪拌して実施例2の組成物を作成した。
(試験例1)
(融点の降下)
日本薬局方「ユビデカレノン」の融点測定方法により、示差熱分析計を用いて、実施例1と実施例2の組成物の融点を測定した。示差熱分析計を用いて測定した実施例1と実施例2の組成物の融点の測定データを図1と図2に示す。図1と図2から、実施例1の組成物、実施例2の組成物とも、26℃程度から、融け始め、実施例1の組成物は33.4℃、実施例2の組成物は33.2℃で完全に溶解したことがわかる。
(融点の降下)
日本薬局方「ユビデカレノン」の融点測定方法により、示差熱分析計を用いて、実施例1と実施例2の組成物の融点を測定した。示差熱分析計を用いて測定した実施例1と実施例2の組成物の融点の測定データを図1と図2に示す。図1と図2から、実施例1の組成物、実施例2の組成物とも、26℃程度から、融け始め、実施例1の組成物は33.4℃、実施例2の組成物は33.2℃で完全に溶解したことがわかる。
一方、コエンザイムQ10単独で、同様の方法により融点を測定したところ、48.1℃であった。このことから、本発明の組成物において、コエンザイムQ10の融点が降下していることがわかった。
(試験例2)
本試験例において、実施例1の組成物を通常のカプセルの製法に従って、1カプセルあたり280mg充填したソフトカプセルを用いた。さらに、コエンザイムQ10、γ−リノレン酸をいずれも含まない総合ビタミン剤をプラセボとして用いた。年齢21〜28歳の健康な成人男子12名を被験者とした。
本試験例において、実施例1の組成物を通常のカプセルの製法に従って、1カプセルあたり280mg充填したソフトカプセルを用いた。さらに、コエンザイムQ10、γ−リノレン酸をいずれも含まない総合ビタミン剤をプラセボとして用いた。年齢21〜28歳の健康な成人男子12名を被験者とした。
具体的には、成人男子12名を無作為にAおよびBの2群に分け、A群には実施例1の組成物を充填したソフトカプセルを、B群にはプラセボを、それぞれ一日あたり3粒を3ヶ月継続摂取させた。摂取開始前と後に、(1)同一負荷強度に対する体重あたりの酸素摂取量、(2)基礎代謝量、(3)運動負荷後の血中乳酸濃度、(4)運動負荷後の筋組織血流量を、二重盲検比較試験法で検証した。その後、A群にはプラセボを、B群には実施例1の組成物を充填したソフトカプセルを、上記と同様の条件で摂取させた。
(1)同一負荷強度に対する体重あたりの酸素摂取量
図3は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとをそれぞれ摂取した場合の同一負荷に対する体重あたりの酸素摂取量(VO2/kg)の経時変化を調べたグラフである。なお、同一負荷に対する体重あたりの酸素摂取量は、トレッドミルの上を同じ速さで走った時の、酸素の摂取量を体重で割った値である。同じスピードのとき、この値が少ないということは、体の中に取り込んだ酸素の利用効率がよくなっていると解釈できる。
図3は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとをそれぞれ摂取した場合の同一負荷に対する体重あたりの酸素摂取量(VO2/kg)の経時変化を調べたグラフである。なお、同一負荷に対する体重あたりの酸素摂取量は、トレッドミルの上を同じ速さで走った時の、酸素の摂取量を体重で割った値である。同じスピードのとき、この値が少ないということは、体の中に取り込んだ酸素の利用効率がよくなっていると解釈できる。
図3から、本発明の組成物を充填したソフトカプセルを摂取した場合に、プラセボを摂取した場合に比べ、同一負荷に対するVO2/kgは、9分経過時から有意に(p<0.05)低い値を示したことがわかる。12分経過時にはさらに低い値を示した。
この結果、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは、運動時の酸素効率を高める効果を確認できた。
(2)基礎代謝量
図4は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとをそれぞれ摂取した場合の基礎代謝量(BM)の変化を調べたグラフである。
図4は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとをそれぞれ摂取した場合の基礎代謝量(BM)の変化を調べたグラフである。
基礎代謝量(BM)の変化は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとの摂取前に基礎代謝量の初期測定を行い、その後摂取を行いながら、1週間ごとに基礎代謝量の測定を行った。図4から、本発明の組成物を充填したソフトカプセルを摂取した場合に、プラセボを摂取した場合に比べ、3週間経過時点より、基礎代謝量が有意に(p<0.05)高まったことがわかる。4週間経過時においても有意な差が認められた。
(3)運動負荷後の血中乳酸濃度
血中乳酸濃度の変化は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとを摂取3ヶ月経過時の運動後における血中乳酸濃度の変化を調べた。運動負荷後の血中乳酸は、乳酸測定器(ラクテート・プロ アークレイ(株)製)を用いて測定した。運動負荷としては、自転車エルゴメーターで約1分以内の全力ペダル運動を最大まで行った。その直後より、経時的に指先より採血をして乳酸を測定した。図5は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとをそれぞれ摂取した場合の血中乳酸濃度の変化を調べたグラフである。
血中乳酸濃度の変化は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとを摂取3ヶ月経過時の運動後における血中乳酸濃度の変化を調べた。運動負荷後の血中乳酸は、乳酸測定器(ラクテート・プロ アークレイ(株)製)を用いて測定した。運動負荷としては、自転車エルゴメーターで約1分以内の全力ペダル運動を最大まで行った。その直後より、経時的に指先より採血をして乳酸を測定した。図5は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとをそれぞれ摂取した場合の血中乳酸濃度の変化を調べたグラフである。
この図から、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは、運動後の血中乳酸の分解能を高める効果を確認できた。
(4)運動負荷後の筋組織血流量
運動負荷後の筋組織血流量は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとを摂取3ヶ月経過時の運動後における安静時および連続的足関節底屈運動後のヒラメ筋(SOL)およびひ腹筋(GAST)の筋組織血流量(MTBF)および組織酸素消費量(MRO2)を調べた。なお、筋組織血流量は、近赤外分光法(NIRS)を用いて評価した。
運動負荷後の筋組織血流量は、本発明の組成物を充填したソフトカプセルとプラセボとを摂取3ヶ月経過時の運動後における安静時および連続的足関節底屈運動後のヒラメ筋(SOL)およびひ腹筋(GAST)の筋組織血流量(MTBF)および組織酸素消費量(MRO2)を調べた。なお、筋組織血流量は、近赤外分光法(NIRS)を用いて評価した。
(筋運動)
筋運動の測定は、簡易型下腿筋力測定装置を用いて行った。被験者には、1回/秒のテンポに合わせて、30回常に最大努力で瞬間的に等尺性最大筋力を発揮するよう指示した。
筋運動の測定は、簡易型下腿筋力測定装置を用いて行った。被験者には、1回/秒のテンポに合わせて、30回常に最大努力で瞬間的に等尺性最大筋力を発揮するよう指示した。
(測定装置)
筋組織血流量は、NIRSによる酸素飽和度および総ヘモグロビン(THb)量測定器(バイオメディカルサイエンス社製)を用いて行った。抹消血液循環指標としての組織酸素飽和度およびヘモグロビン量の測定は、左下腿部下部のヒラメ筋(SOL)およびひ腹筋(GAST)に、筋肉・経頭蓋骨用センサ(psp20x50)を貼付して行った。下肢血流量、下肢平均血圧および下肢血管抵抗は、左足首から膝下までの下肢電気抵抗とその微分波をインピーダンスプレスチモグラフ法により測定した。
筋組織血流量は、NIRSによる酸素飽和度および総ヘモグロビン(THb)量測定器(バイオメディカルサイエンス社製)を用いて行った。抹消血液循環指標としての組織酸素飽和度およびヘモグロビン量の測定は、左下腿部下部のヒラメ筋(SOL)およびひ腹筋(GAST)に、筋肉・経頭蓋骨用センサ(psp20x50)を貼付して行った。下肢血流量、下肢平均血圧および下肢血管抵抗は、左足首から膝下までの下肢電気抵抗とその微分波をインピーダンスプレスチモグラフ法により測定した。
(実験プロトコル)
被験者を仰臥位にして、下肢を心臓よりやや高い位置にした状態で、大腿部用カフおよびNIRSプローブをSOLとGASTに装着した。なお、指尖部にパルスオキシメータを装着した。パルスオキシメータを用いて、動脈血酸素飽和度を計測し、安静5分後静脈阻血施行時のTHbおよびTHbに占める酸素化ヘモグロビン量(StO2)(%)を測定した。
被験者を仰臥位にして、下肢を心臓よりやや高い位置にした状態で、大腿部用カフおよびNIRSプローブをSOLとGASTに装着した。なお、指尖部にパルスオキシメータを装着した。パルスオキシメータを用いて、動脈血酸素飽和度を計測し、安静5分後静脈阻血施行時のTHbおよびTHbに占める酸素化ヘモグロビン量(StO2)(%)を測定した。
次に、被験者を椅座位にして、簡易型下腿筋力測定装置を用いて、足関節底屈筋力を3回測定し、その最大値を最大筋力とした。その後30回の足関節底屈運動を行わせ、運動直後に安静時と同様の方法を用いて、THbおよびStO2を測定した。
(データ処理)
筋組織血流量(MTBF)および組織酸素消費量(MRO2)は、THb量曲線のVopointより、立ち上がり部分の5分後の平均勾配を用い数式より算出した。
筋組織血流量(MTBF)および組織酸素消費量(MRO2)は、THb量曲線のVopointより、立ち上がり部分の5分後の平均勾配を用い数式より算出した。
(A)筋組織血流量(MTBF)
図4は、ヒラメ筋における筋組織血流量を示す図である。図6から明らかなように、ヒラメ筋で、プラセボ1.74(g/100cc/min)に対して、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは1.89(g/100cc/min)を示し、本発明の組成物を充填したソフトカプセルでは、筋組織血流量が有意に(p<0.05)増加した。なお、安静時における筋組織血流量は、0.87(g/100cc/min)であった。
図4は、ヒラメ筋における筋組織血流量を示す図である。図6から明らかなように、ヒラメ筋で、プラセボ1.74(g/100cc/min)に対して、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは1.89(g/100cc/min)を示し、本発明の組成物を充填したソフトカプセルでは、筋組織血流量が有意に(p<0.05)増加した。なお、安静時における筋組織血流量は、0.87(g/100cc/min)であった。
図5は、ひ腹筋における筋組織血流量を示す図である。図7から明らかなように、ひ腹筋で、プラセボ1.52(g/100cc/min)に対して、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは1.71(g/100cc/min)を示し、本発明の組成物を充填したソフトカプセルでは、筋組織血流量が有意に(p<0.05)増加した。なお、安静時における筋組織血流量は、0.72(g/100cc/min)であった。
(B)組織酸素消費量(MRO2)
図6は、ヒラメ筋における組織酸素消費量を示す図である。図8から明らかなように、ヒラメ筋で、プラセボ71.7(g/100cc/min)に対して、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは82.6(g/100cc/min)を示し、本発明の組成物を充填したソフトカプセルでは、組織酸素消費量が有意に(p<0.05)増加した。なお、安静時における組織酸素消費量は、28.6(g/100cc/min)であった。
図6は、ヒラメ筋における組織酸素消費量を示す図である。図8から明らかなように、ヒラメ筋で、プラセボ71.7(g/100cc/min)に対して、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは82.6(g/100cc/min)を示し、本発明の組成物を充填したソフトカプセルでは、組織酸素消費量が有意に(p<0.05)増加した。なお、安静時における組織酸素消費量は、28.6(g/100cc/min)であった。
図9は、ひ腹筋における組織酸素消費量を示す図である。図9から明らかなように、ひ腹筋で、プラセボ58.3(g/100cc/min)に対して、本発明の組成物を充填したソフトカプセルは62.8(g/100cc/min)を示し、本発明の組成物を充填したソフトカプセルでは、組織酸素消費量が有意に(p<0.05)増加した。なお、安静時における組織酸素消費量は、26.2(g/100cc/min)であった。
以上から、本発明の組成物における、運動に多く動員される筋組織内の血流を増加させる効果が確認された。
Claims (5)
- コエンザイムQ10とγ−リノレン酸とを含むコエンザイムQ10含有組成物。
- コエンザイムQ10の融点が低下した請求項1に記載のコエンザイムQ10含有組成物。
- コエンザイムQ10単独の場合と比較して、コエンザイムQ10の生体吸収性が向上した、コエンザイムQ10高吸収性組成物である請求項1または2に記載のコエンザイムQ10含有組成物。
- 請求項1〜3に記載のコエンザイムQ10含有組成物を含有する食品または製剤。
- 運動時のエネルギー変換促進用、脂肪燃焼促進用および/または持久力向上用である請求項4に記載の食品または製剤。
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