JP2007119364A - ホスフィン内包型両親媒性デンドリマー、その製造方法、ホスフィン配位子及びその配位構造を有する含パラジウム錯体触媒 - Google Patents

ホスフィン内包型両親媒性デンドリマー、その製造方法、ホスフィン配位子及びその配位構造を有する含パラジウム錯体触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】水中有機合成用の有機金属錯体触媒の原料となるホスフィン配位子として有用である、デンドリマー末端部に親水性基を有し、コア部にホスフィン骨格を有するホスフィン内包型両親媒性デンドリマーを提供する。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2007119364

(uは0〜2の整数、vは1〜3の整数、u+v=3、Gは一般式(II)
Figure 2007119364

)で表されるデンドリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なホスフィン内包型両親媒性デンドリマー、このものを製造する方法、このデンドリマーからなるホスフィン配位子及びこのものの配位構造を有する含パラジウム錯体触媒に関するものである。
デンドリマーは中心核から周囲に樹木状に枝分かれした分子構造を有し、コアと呼ばれる中心部分とデンドロンと呼ばれる枝分かれ繰り返し部分、及び末端基から構成され、分子構造及び分子サイズを高度に制御することが可能な高分子化合物である。この特異な構造に着目し、近年デンドリマーの様々な部位に官能基を導入することにより、機能性高分子としての利用が試みられている(非特許文献1参照)。
デンドリマーに触媒機能をもたせることもその1つで、既にこれまでに多くのデンドリマー固定型触媒が開発され、その殆どはデンドリマー分子の最外殻に触媒を固定化したものや中心核に触媒を固定化したものである(非特許文献2、3参照)。
例えば代表的なデンドリマー固定化有機金属触媒として、デンドリマーの末端に導入したジアミンを二座配位子としたデンドリマー固定型ニッケル錯体触媒(非特許文献4参照)、親油性のデンドリマーのコア部に導入したホスフィン骨格を配位子としたデンドリマー固定型白金ホスフィン錯体触媒(非特許文献5参照)などが挙げられる。
またデンドリマー固定型有機金属触媒は、そのサイズがナノレベルであることから、液相膜反応器(メンブレンリアクター)への適用により、触媒のリサイクルによる連続反応化も可能である(非特許文献6、7参照)。
「デンドリマーズ・アンド・デンドロンズ(Dendrimers and Dendrons)」、2001年、p.51(WILEY−VCH) 「有機合成化学協会誌」、2000年、第58巻、p.988 「化学工業」、2001年、第52巻、p.933 「ネイチャー(Nature)」、1994年、第372巻、p.659 「オルガノメタリクス(Organometallics)」、2001年、第20巻、p.5342 「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー(J.Am.Chem.Soc.)」、1996年、第118巻、p.11111 「ジャーナル・オブ・キャタリスト(J.Cat.)」、1999年、第183巻、p.163
本発明の課題は、このような事情のもとで、水中有機合成用の有機金属錯体触媒の原料となるホスフィン配位子として有用である、デンドリマーの末端部に親水性基を有し、コア部にホスフィン骨格を有するホスフィン内包型両親媒性デンドリマーを提供することにある。
本発明者らは、前記したデンドリマーの末端部に親水性基を有するホスフィン内包型両親媒性デンドリマーについて鋭意研究を重ねた結果、溶媒中において、対応するホスフィンオキシドの還元や、ホスフィン内包型デンドリマー末端のエステル基の加水分解などにより、新規なホスフィン内包型両親媒性デンドリマーが容易に得られること、そしてこのホスフィン内包型両親媒性デンドリマーは配位子として利用でき、このものを配位子とし調製される両親媒性デンドリマー固定型パラジウムホスフィン錯体は、パラジウムホスフィン錯体触媒により活性化される有機反応を水中でも効率的に促進させることから、水中有機合成用新規錯体触媒として有用であることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 一般式(I)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基である]
で表されるデンドリマーであることを特徴とするホスフィン内包型両親媒性デンドリマー。
(2) 一般式(III)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、G′は一般式(IV)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、kは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるホスフィンオキシド内包型デンドリマーを、溶媒中で還元することを特徴とする一般式(V)
Figure 2007119364
(式中、u、v、G′は上記のとおりである)
で表されるホスフィン内包型両親媒性デンドリマーの製造方法。
(3) 一般式(VI)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、G″は一般式(VII)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、R5は炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、mは0以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるホスフィン内包型デンドリマーを、溶媒中で水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて加水分解し、場合によりさらに酸と反応させることを特徴とする一般式(VIII)
Figure 2007119364
[式中、u、vは上記のとおりであり、G*は一般式(IX)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3、R4、p、q、r、s、t、Y、Z、n、d、e及びfは上記のとおりであり、Mは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子を示す)
で表される基である]
で表されるホスフィン内包型両親媒性デンドリマーの製造方法。
(4) 前記(1)記載のホスフィン内包型両親媒性デンドリマーからなるホスフィン配位子。
(5) 前記(4)記載のホスフィン配位子を含む配位構造を有する一般式(X)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基、L1はハロゲン化物イオン、硝酸イオン又は酢酸イオン、gは1又は2を示す]
及び一般式(XI)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基、L2及びL3はそれぞれ異なって、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はアリルアニオンを示し、hは1又は2を示すが、L2及びL3の何れかがアリルアニオンの場合、hは1を示す]
で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体の中から選ばれた少なくとも1種からなる含パラジウム錯体触媒。
本発明において、一般式(I)、(X)及び(XI)における置換基OG、一般式(III)及び(V)における置換基OG′、一般式(VI)における置換基OG″及び一般式(VIII)における置換基OG*は、フェニル基の2,3,4,5,6位のいずれかに置換される。
本発明の新規なホスフィン内包型両親媒性デンドリマーは、下記一般式(I)で表される。
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基である]
このデンドリマーについて、前記式中の置換基における各符号で示される内容を具体的に説明することにより、その構造をさらに明らかにする。
(1)R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基を示すが、この基には、2価脂肪族基や2価芳香族基が包含される。2価脂肪族基には鎖状及び環状のものが包含される。2価芳香族基にはアリーレン基及びアラルキレン基が包含される。
2価脂肪族基としては、炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、イソブチレン基等)や、炭素数3〜8、好ましくは5〜6のシクロアルキレン基(例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等)が挙げられる。
2価芳香族基としては、炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基等)や、炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキレン基、例えば一般式(XII)で表される基等が挙げられる。
−(R6y−Ar−(R7z− (XII)
(式中、Arはアリーレン基を示し、R6及びR7は炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキレン基を示し、y及びzは1又は0で、これらのいずれか一方は1である)
(2)Y及びZはO、S、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO2−)、アミド基[−NRCO−、−CONR−(Rは水素原子又はアルキル基)]又はカルボニル基(−CO−)を示すが、好ましくはO、S又はスルホニル基(−SO2−)である。
(3)p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1を示すが、好ましくはp、q及びrが1でs及びtは0、あるいはpが1でq、r、s及びtは0である。
(4)mは0以上の整数で好ましくは0〜50である。Xは水素原子、カルボキシル基(CO2H)、リチウムカルボキシレート基(CO2Li)、ナトリウムカルボキシレート基(CO2Na)又はカリウムカルボキシレート基(CO2K)を示す。但しmが0の場合、Xは水素原子以外の上記官能基に限定される。mが1以上の場合、Xは水素原子が好ましい。
(5)繰り返し構造の世代数nは1以上の整数を示すが、好ましくは1〜6である。
(6)d、e及びfのうち、少なくとも2つが1、残りは0を示す。
符号Gで表わされる基の一例として、d、e及びfのうち、いずれか2つが1でn=3の場合について示すと次のとおりである。
−(R1p−(Y)q−(R2r−(Z)s−(R3t−C63−[O−(R1p−(Y)q−(R2r−(Z)s−(R3t−C63−[O−(R1p−(Y)q−(R2r−(Z)s−(R3t−C63−[O−(CH2CH2O)m−R4−X]222
前記一般式(I)のデンドリマーにおいて、繰り返し構造は一般式(XIII)で表される。
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3、Y、Z、d、e、f、p、q、r、s及びtは、前記と同じ意味を示す。)
この繰り返し構造として好ましくは、化16中の各符号について、d、f及びpが1、e、q、r、s及びtが0、R1がアルキレン基であるものが挙げられる。
本発明のホスフィン内包型両親媒性デンドリマー(I)の製造について述べる。
i)一般式(II)においてXが水素原子であるものについては、一般式(III)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、G′は一般式(IV)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、kは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるホスフィンオキシド内包型デンドリマーを、溶媒中で還元することにより製造することができる。
還元操作は、好ましくはトリエチルアミン等の三級アミン存在下トリクロロシランやヘキサクロロジシランを還元剤に用い、また反応条件については、反応温度は、通常室温〜150℃の範囲で選ばれ、また反応時間は、反応温度や使用する溶媒等のその他の条件により異なり、一概に定めることはできないが、好ましくは6〜72時間程度である。また溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素が好ましい。
ii)一般式(II)においてXがカルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基であるものについては、一般式(VI)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、G″は一般式(VII)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、R5は炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、mは0以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるホスフィン内包型デンドリマーを、溶媒中で水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて加水分解し、場合によりさらに酸、例えば塩酸または硫酸を用い中和反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、これらの塩基化合物を溶解させる、メタノールやエタノール等のアルコールやジオキサン、テトラヒドロフラン、及びこれらの混合溶媒や、これらと水との混合溶媒が好ましい。
加水分解操作は、通常室温〜100℃の温度で行われる。中和反応は、通常室温で行われる。
加水分解操作の反応時間は使用する溶媒等のその他の条件により異なり、一概に定めることはできないが、好ましくは2〜12時間程度である。中和反応は、多くの場合反応速度は速く、反応時間は30分以内程度である。
この場合、原料となる一般式(VI)で表されるホスフィン内包型デンドリマーは、対応するホスフィンオキシド内包型デンドリマーを、前記i)の場合と同様に還元することにより製造される。
前記i)及びii)の各製造方法において、原料物質やその原料に対応する下記一般式(XIV)
Figure 2007119364
[式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(XV)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Wは水素原子又はエステル基CO25(R5は炭化水素基)、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はWはエステル基CO25である)
で表される基である]
で表される、ホスフィンオキシド内包型両親媒性デンドリマーは、一般式(XVI)
Figure 2007119364
(式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、水酸基は、フェニル基の2,3,4,5,6位のいずれかに置換される)
で表される含水酸基ホスフィンオキシドと、一般式(XVII)
Figure 2007119364
(式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Wは水素原子又はエステル基CO25(R5は炭化水素基)、Tはハロゲン原子、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はWはエステル基CO25である)
で表される含ハロゲンデンドロンを、溶媒中で塩基存在下、加熱することにより製造することができる。
塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
加熱温度は、通常室温から150℃の範囲で選ばれるが、50℃から100℃が好ましい。また、反応中、反応液は攪拌するのがよい。
前記i)及びii)の方法における反応終了後、溶媒及び未反応物質を分離除去することにより反応生成物が得られ、1H−NMR及び31P−NMR測定より目的物の生成が確認される。
本発明の一般式(I)で表されるホスフィン内包型両親媒性デンドリマーは配位子としての利用が可能である。このホスフィン内包型両親媒性デンドリマーを配位子とした金属化合物との反応の1例について、以下に説明する。
脱酸素雰囲気下、前記配位子としてのホスフィン内包型両親媒性デンドリマーと一般式(XVIII)又は(XIX)
Pd(L12 (XVIII)
PdL23 (XIX)
(式中L1、L2、及びL3は、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、アリルアニオンC35 -を示し、またL2及びL3はそれぞれ異なる。但しアリルアニオンはL2又はL3に適用される)
の組成で表されるパラジウム(II)化合物とを溶媒中でそれぞれ反応させ、一般式(X)
Figure 2007119364
(式中、u、v、Gは前述したものと同じ、L1はハロゲン化物イオン、硝酸イオン又は酢酸イオン、gは1又は2を示す。)
や一般式(XI)
Figure 2007119364
(式中、u、v、Gは前述したものと同じ、L2とL3はハロゲン化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はアリルアニオンを示し、hは1又は2を示すが、L2及びL3の何れかがアリルアニオンの場合、hは1である)
で表される、デンドリマーコア部のホスフィン骨格を配位子とする両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体を製造することができる。
この反応は溶媒に所定のホスフィン内包型両親媒性デンドリマーを溶解させ、パラジウム(II)化合物を添加して行われる。溶媒には水や有機溶媒、好ましくはジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒が用いられる。
また反応は、格別加熱することなく、室温程度で進行させることができるが、加熱により促進させるようにしてもよい。また、反応中、反応液は攪拌するのがよい。
反応終了後、溶媒の減圧留去により反応生成物が得られ、その1H−NMR及び31P−NMRの測定より目的物の生成が確認される。
このように、上記パラジウム(II)化合物は、配位子としての上記デンドリマーで配位されることにより固定化される。この両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体は、各種のパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒により活性化される有機反応、例えばSuzuki−Miyaura反応、Tsuji−Trost反応等の炭素−炭素結合生成反応に適用することにより、水中でも反応を促進させることができることから、水中有機合成用のパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒として有用である。
本発明の一般式(X)及び(XI)で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体をこのような水中有機合成用のパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒として用いた反応の1例について、以下に説明する。
前記触媒としてのパラジウム(II)ホスフィン錯体の存在下に、一般式
Figure 2007119364
(式中、R8、R9、R10、R11及びR12は、水素原子又は炭化水素基であって、R8及びR9、R9及びR10、R11及びR12それぞれにおいて、いずれも炭化水素基の場合、両者は互いに結合して環を形成してもよい)
で表されるホウ酸誘導体と、一般式
Figure 2007119364
(式中、Jはハロゲン原子、アセトキシ基(OCOCH3)、炭酸エステル基(OCO2R R:炭化水素基)、トリフルオロメタンスルホニル基(OSO2CF3)又はメタンスルホニル基(OSO2CH3)、R13、R14及びR15は、水素原子又は炭化水素基であって、R13及びR14、R13及びR15それぞれにおいて、いずれも炭化水素基の場合、両者は互いに結合して環を形成してもよい。iは0又は1を示すが、0の場合、Jはアセトキシ基及び炭酸エステル基以外の置換基である)
で表される有機化合物を、水中で反応させ、一般式
Figure 2007119364
(式中、R8、R9、R10、R13、R14及びR15は前記と同じ意味を示し、iは0又は1を示す)
で表される炭化水素を製造することができる。
この反応は、触媒を溶媒である水に溶解又は懸濁させ、原料物質を添加させて行われる。溶媒としてジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン等の有機溶媒を用いてもよい。
また反応は、室温程度で進行させることもできるが、加熱により反応を促進させるのが好ましい。反応中、反応液は攪拌するのがよい。
反応終了後反応液を抽出し、分離精製、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー等でのそれにより目的物質を得ることができる。
本発明の両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体触媒は、デンドリマーの世代数を大きくすることによりナノフィルター(NF膜)での濾別分離が可能となる。そのため本触媒の液相膜反応器(メンブレンリアクター)への適用により、触媒のリサイクルによる連続反応化が可能となり、省エネ型化学プロセスが達成される。それ故本パラジウム(II)ホスフィン錯体触媒は水中プロセス化のみならず、触媒反応プロセスの省エネ化に資するものである。
このように、前記一般式(X)、(XI)で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体は、パラジウム(II)ホスフィン錯体触媒として有用であり、本触媒を用いることにより水中でも効率的に、パラジウム(II)ホスフィン錯体触媒により活性化される有機反応を促進させることができる。
本発明によれば、新規なホスフィン内包型両親媒性デンドリマーを得ることができ、本化合物は両親媒性ホスフィン配位子として有用である。このものを配位子とする両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体は、水中有機合成用のパラジウム(II)錯体触媒として有効であり、例えばSuzuki−Miyaura反応などの種々の炭素−炭素結合生成反応等を水中で効率よく進行させるのに資する。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例において、脱酸素無水キシレン溶液、脱酸素無水ベンゼン溶液、脱酸素水溶液等における脱酸素溶媒は、アルゴンで脱気させて調製されたものである。
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2007119364
で表されるホスフィンオキシド内包型デンドリマー717.5mgの脱酸素無水キシレン溶液(2.5ml)に、0℃にてトリエチルアミン255.5mgの脱酸素無水キシレン溶液(3ml)とトリクロロシラン335mgの脱酸素無水キシレン溶液(2ml)を順次加え、室温で30分攪拌後、120℃で12時間攪拌し、反応させた。
このようにして得られた反応液に、0℃にて水酸化ナトリウム400mgの水溶液(1ml)を滴下し15分攪拌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでセライト濾過し、濾液を減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=15:1)で精製した(無色油状、収量624.5mg、収率87.9%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
1H−NMR(500MHz,C66)δ/ppm 7.42(t,6H,J=8.2Hz),6.89(d,6H,J=8.2Hz),6.65(s,6H),6.54(s,3H),4.70(s,6H),3.79(t,12H,J=4.7Hz),3.54−3.46(m,48H),3.34(t,12H,J=4.9Hz),3.13(s,18H)
31P−NMR(202MHz,C66)δ/ppm −9.7
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。
Figure 2007119364
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2007119364
で表されるホスフィンオキシド内包型デンドリマー404.0mgの脱酸素無水キシレン溶液(2ml)に、0℃にてトリエチルアミン75.4mgの脱酸素無水キシレン溶液(1ml)とトリクロロシラン87.2mgの脱酸素無水キシレン溶液(1ml)を順次加え、室温で30分攪拌後、120℃で16時間攪拌し、反応させた。
このようにして得られた反応液に、0℃にて水酸化ナトリウム97mgの水溶液(0.5ml)を滴下し15分攪拌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでセライト濾過し、濾液を減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:エタノール=30:1)で精製した(無色油状、収量321.3mg、収率79.9%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
1H−NMR(500MHz,C66)δ/ppm 7.44(t,6H,J=8.4Hz),6.92(d,6H,J=8.4Hz),6.77(d,6H,J=2.2Hz),6.74(t,3H,J=2.2Hz),6.69(d,12H,J=2.4Hz),6.56(t,6H,J=2.4Hz),4.77(s,12H),4.74(s,6H),3.83(t,24H,J=4.9Hz),3.56(t,24H,J=4.9Hz),3.50−3.46(m,72H),3.35(t,24H,J=4.9Hz),3.13(s,36H)
31P−NMR(202MHz,C66)δ/ppm −9.6
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。
Figure 2007119364
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2007119364
で表されるホスフィンオキシド内包型デンドリマー967.4mgの脱酸素無水キシレン溶液(5ml)に、0℃にてトリエチルアミン172.6mgの脱酸素無水キシレン溶液(2.5ml)とトリクロロシラン218.6mgの脱酸素無水キシレン溶液(1ml)を順次加え、室温で20分攪拌後、110℃で14時間攪拌し、反応させた。
このようにして得られた反応液に、0℃にて水酸化ナトリウム230mgの水溶液(1ml)を滴下し15分攪拌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでセライト濾過し、濾液を減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=15:1)で精製した(無色油状、収量826.6mg、収率86.1%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
1H−NMR(500MHz,C66)δ/ppm 7.43(dd,6H,J=7.7,7.0Hz),6.90(d,6H,J=8.2Hz),6.66(d,6H,J=2.1Hz),6.56(t,3H,J=2.1Hz),4.72(s,6H),3.81(t,12H,J=4.9Hz),3.55(t,12H,J=4.9Hz),3.48−3.45(m,84H),3.36−3.34(m,12H),3.13(s,18H)
31P−NMR(202MHz,C66)δ/ppm −9.7
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。
Figure 2007119364
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2007119364
で表されるホスフィン内包型デンドリマー518.8mgの無水テトラヒドロフラン溶液(5ml)に、氷冷下水酸化カリウム361mgの無水エタノール溶液(2ml)を加え、室温にて6.5時間撹拌した。生成したカルボン酸塩を溶解させるため、反応開始後1時間おきにアルゴンにて脱気を行った水(1ml)を4回、計4ml加えた。
反応後、反応液を減圧下で溶媒留去し、得られた油状物質を1mol/l塩酸(50ml)に滴下して目的生成物を沈降させ、これを濾別し、40℃で16時間真空乾燥した(白色粉体、410.5mg、収率83.7%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
1H−NMR(500MHz,CD3SOCD3)δ/ppm 8.00(d,12H,J=8.2Hz),7.59(d,12H,J=8.2Hz),7.19(t,6H,J=8.2Hz),7.06(d,6H,J=8.2Hz),6.77(s,6H),6.71(s,3H),5.22(s,12H),5.07(s,6H)
31P−NMR(202MHz,CD3SOCD3)δ/ppm −10.8
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。
Figure 2007119364
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られたホスフィン内包型デンドリマー41.0mgの脱酸素無水ベンゼン溶液(1ml)に、0℃にてビス(アリル)ジ−μ−クロロジパラジウム(II)[PdClC3525.2mgを加え、室温で1時間攪拌し、反応させた。
このようにして得られた反応液を減圧下で溶媒留去し、30℃で1時間真空乾燥し、目的生成物48.5mgを得た。
このものの核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
1H−NMR(500MHz,C66)δ/ppm 7.75(t,6H,J=8.8Hz),6.89(d,6H,J=8.8Hz),6.64(d,6H,J=1.8Hz),6.52(s,6H),5.08−4.98(m,1H),4.69(s,6H),3.79(t,12H,J=4.7Hz),3.53(t,12H,J=4.9Hz),3.50−3.45(m,38H),3.34(t,12H,J=4.7Hz),3.12(s,18H),2.43(bs,2H)
31P−NMR(202MHz,C66)δ/ppm 18.9
これらの分析結果より、この生成物は式(XX)
Figure 2007119364
で表される含パラジウム化合物であることが確認された。
アルゴン雰囲気下、実施例1で得られたホスフィン内包型デンドリマー74.8mgの脱酸素水溶液(2.5ml)に、0℃にてビス(アリル)ジ−μ−クロロジパラジウム(II)[PdClC3527.2mgを加え、室温で40分攪拌し、式(XX)の含パラジウム化合物からなるパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒含有溶液を調製した。この溶液に酢酸シンナミル710mg、以下の構造式
Figure 2007119364
で表される2−フェニル−1,3,2−ジオキサボリナン976mg、及び炭酸カリウム2.503gを順次加え、60℃にて3時間攪拌し、反応させた。
反応終了後、反応液をジエチルエーテルで4回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で分離、精製して以下の構造式
Figure 2007119364
で表わされる炭化水素664mg(収率84.8%)を得た。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    Figure 2007119364
    [式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
    Figure 2007119364
    (式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
    で表される基である]
    で表されるデンドリマーであることを特徴とするホスフィン内包型両親媒性デンドリマー。
  2. 一般式(III)
    Figure 2007119364
    [式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、G′は一般式(IV)
    Figure 2007119364
    (式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、kは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
    で表される基である]
    で表されるホスフィンオキシド内包型デンドリマーを、溶媒中で還元することを特徴とする一般式(V)
    Figure 2007119364
    (式中、u、v、G′は上記のとおりである)
    で表されるホスフィン内包型両親媒性デンドリマーの製造方法。
  3. 一般式(VI)
    Figure 2007119364
    [式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、G″は一般式(VII)
    Figure 2007119364
    (式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、R5は炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、mは0以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
    で表される基である]
    で表されるホスフィン内包型デンドリマーを、溶媒中で水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて加水分解し、場合によりさらに酸と反応させることを特徴とする一般式(VIII)
    Figure 2007119364
    [式中、u、vは上記のとおりであり、G*は一般式(IX)
    Figure 2007119364
    (式中、R1、R2、R3、R4、p、q、r、s、t、Y、Z、n、d、e及びfは上記のとおりであり、Mは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子を示す)
    で表される基である]
    で表されるホスフィン内包型両親媒性デンドリマーの製造方法。
  4. 請求項1記載のホスフィン内包型両親媒性デンドリマーからなるホスフィン配位子。
  5. 請求項4記載のホスフィン配位子を含む配位構造を有する一般式(X)
    Figure 2007119364
    [式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
    Figure 2007119364
    (式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
    で表される基、L1はハロゲン化物イオン、硝酸イオン又は酢酸イオン、gは1又は2を示す]
    及び一般式(XI)
    Figure 2007119364
    [式中、uは0〜2の整数、vは1〜3の整数であって、かつu+v=3であり、Gは一般式(II)
    Figure 2007119364
    (式中、R1、R2、R3及びR4は2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO2、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
    で表される基、L2及びL3はそれぞれ異なって、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はアリルアニオンを示し、hは1又は2を示すが、L2及びL3の何れかがアリルアニオンの場合、hは1を示す]
    で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ホスフィン錯体の中から選ばれた少なくとも1種からなる含パラジウム錯体触媒。
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