JP2007118752A - 空気通路開閉装置及び車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気通路を開閉する膜状部材への巻き癖(転写)の発生を抑制する。
【解決手段】送風空気が流れる空気通路を形成するケース1a内に配置され、空気通路の開口部13a、15aを開閉する膜状部材16、22と、開口部13a、15aの周縁部に膜状部材16、22の一端部を固定する固定部17、23と、膜状部材16、22の他端部に連結され、膜状部材16、22の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸18、24と、巻き取り軸18、24を開口部13a、15a上で回転させながら固定部17、23に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構19、25と、巻き取り軸駆動機構19、25を制御する制御手段31とを備え、制御手段31が、空気通路への送風が停止したときに巻き取り軸駆動機構19、25を膜状部材16、22の引き延ばし方向に操作する。
【選択図】図6
【解決手段】送風空気が流れる空気通路を形成するケース1a内に配置され、空気通路の開口部13a、15aを開閉する膜状部材16、22と、開口部13a、15aの周縁部に膜状部材16、22の一端部を固定する固定部17、23と、膜状部材16、22の他端部に連結され、膜状部材16、22の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸18、24と、巻き取り軸18、24を開口部13a、15a上で回転させながら固定部17、23に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構19、25と、巻き取り軸駆動機構19、25を制御する制御手段31とを備え、制御手段31が、空気通路への送風が停止したときに巻き取り軸駆動機構19、25を膜状部材16、22の引き延ばし方向に操作する。
【選択図】図6
Description
本発明は膜状部材(フィルムドア)によって空気通路を開閉する空気通路開閉装置及びそれを用いた車両用空調装置に関するものである。
従来、この種の膜状部材によって空気通路を開閉する空気通路開閉装置が特許文献1にて提案されている。
この特許文献1の従来技術では、膜状部材の一端側を開口部の周縁部に固定するとともに、膜状部材の他端側を巻き取り軸に連結し、この巻き取り軸が回転しながら膜状部材の一端側(膜状部材が固定された側)に対して離間または接近する方向に移動することによって、膜状部材の巻き取り、送り出しを行っている。
そして、膜状部材が全て巻き取られると開口部が全開し、膜状部材が全て送り出される(引き延ばされる)と開口部が全閉するようになっている。
ところで、この従来技術では、送風停止時に膜状部材の一端側が巻き取り軸に巻き取られた状態で放置されるようになっている。このため、ヒータコアの予熱や周囲の温度変化等によって膜状部材に巻き癖(転写)が発生する。
この巻き癖が発生すると、巻き取り軸から膜状部材を全て送り出して開口部を全閉したときに、膜状部材は巻き癖によって開口部周縁のシール面から凸状に浮き上がる浮き上がり部分を形成する。
この凸状の浮き上がり部分とシール面との間に隙間が生じると、この隙間を空気が通過して開口部内へ空気が流れ込み、空気洩れが生じてしまう。また、膜状部材の浮き上がり部分が風圧により自励振動を起こして異音が発生してしまう。
そこで、この従来技術では、膜状部材の巻き癖によって発生する浮き上がり部分の凸方向と同方向に凸となる湾曲形状を開口部周縁のシール面に形成して、膜状部材の巻き癖による浮き上がり部分と、シール面との間の隙間を低減するようになっている。
特開2004−231156号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術では、巻き取り軸をシール面の湾曲形状に沿って移動させなければならないので、巻き取り軸の駆動機構が複雑になってしまうという問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、ケースに設けられた開口部を膜状部材によって開閉する空気通路開閉装置において、膜状部材への巻き癖(転写)の発生を抑制することによって膜状部材とシール面との間の隙間を低減し、空気洩れや異音の発生という不具合を回避することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
ケース(1a)内に配置され、空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
開口部(13a、15a)の周縁部に膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
膜状部材(16、22)の他端部に連結され、膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、巻き取り軸(18、24)を開口部(13a、15a)上で回転させながら固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
巻き取り軸駆動機構(19、25)を制御する制御手段(31)とを備え、
制御手段(31)が、空気通路(2、11、21、27)への送風が停止したときに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを第1の特徴とする。
空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
ケース(1a)内に配置され、空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
開口部(13a、15a)の周縁部に膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
膜状部材(16、22)の他端部に連結され、膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、巻き取り軸(18、24)を開口部(13a、15a)上で回転させながら固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
巻き取り軸駆動機構(19、25)を制御する制御手段(31)とを備え、
制御手段(31)が、空気通路(2、11、21、27)への送風が停止したときに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを第1の特徴とする。
これによると、空気通路(2、11、21、27)への送風が停止したときに、制御手段(31)が膜状部材(16、22)を引き延ばすので、開口部(13a、15a)を開閉する必要がないときに膜状部材(16、22)が巻き取り状態で長時間放置されることを回避することができる。
このため、膜状部材(16、22)に巻き癖が発生することを抑制できるので、開口部(13a、15a)を全閉したときに、膜状部材(16、22)が巻き癖によって開口部(13a、15a)周縁部から凸状に浮き上がることを抑制できる。この結果、空気洩れや異音の発生という不具合を回避することができる。
また、本発明の車両用空調装置は、上述した本発明による空気通路開閉装置と、
送風空気を発生する送風機(1d)とを備え、
開口部(13a、15a)は車室内へ向かって空気が流れる空気通路に形成されるものであり、
膜状部材(16、22)により車室内へ向かって流れる空気流れを制御するようになっており、
制御手段(31)が、送風機(1d)の停止に基づいて送風の停止を判定するようになっている。
送風空気を発生する送風機(1d)とを備え、
開口部(13a、15a)は車室内へ向かって空気が流れる空気通路に形成されるものであり、
膜状部材(16、22)により車室内へ向かって流れる空気流れを制御するようになっており、
制御手段(31)が、送風機(1d)の停止に基づいて送風の停止を判定するようになっている。
これにより、空気通路の開口部(13a、15a)を膜状部材(16、22)によって開閉する車両用空調装置において、送風機(1d)が停止したとき、換言すれば、開口部(13a、15a)を開閉する必要がなくなったときに膜状部材(16、22)が巻き取り状態で長時間放置されることを回避することができる。
また、本発明は、送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
ケース(1a)内に配置され、空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
開口部(13a、15a)の周縁部に膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
膜状部材(16、22)の他端部に連結され、膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、巻き取り軸(18、24)を開口部(13a、15a)上で回転させながら固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
巻き取り軸駆動機構(19、25)を制御する制御手段(31)とを備え、
制御手段(31)が、開口部(13a、15a)に空気を通過させる必要がなくなったときに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを第2の特徴とする。
空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
ケース(1a)内に配置され、空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
開口部(13a、15a)の周縁部に膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
膜状部材(16、22)の他端部に連結され、膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、巻き取り軸(18、24)を開口部(13a、15a)上で回転させながら固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
巻き取り軸駆動機構(19、25)を制御する制御手段(31)とを備え、
制御手段(31)が、開口部(13a、15a)に空気を通過させる必要がなくなったときに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを第2の特徴とする。
これによると、開口部(13a、15a)に空気を通過させる必要がなくなったときに制御手段(31)が膜状部材(16、22)を引き延ばすので、空気通路(2、11、21、27)への送風が停止したときのみならず、空気通路(2、11、21、27)へ送風されているときであっても、開口部(13a、15a)を開けておく必要がないときに、膜状部材(16、22)が巻き取り状態で長時間放置されることを回避することができる。
また、本発明の車両用空調装置は、上述した本発明による空気通路開閉装置と、
送風空気を発生する送風機(1d)とを備え、
開口部(13a、15a)は車室内へ向かって空気が流れる空気通路に形成されるものであり、
膜状部材(16、22)により車室内へ向かって流れる空気流れを制御するようになっており、
制御手段(31)が、送風機(1d)の停止に基づいて必要がなくなったことを判定するようになっている。
送風空気を発生する送風機(1d)とを備え、
開口部(13a、15a)は車室内へ向かって空気が流れる空気通路に形成されるものであり、
膜状部材(16、22)により車室内へ向かって流れる空気流れを制御するようになっており、
制御手段(31)が、送風機(1d)の停止に基づいて必要がなくなったことを判定するようになっている。
これにより、空気通路の開口部(13a、15a)を膜状部材(16、22)によって開閉する車両用空調装置において、送風機(1d)が停止したとき、換言すれば、開口部(13a、15a)を開閉する必要がなくなったときに膜状部材(16、22)が巻き取り状態で長時間放置されることを回避することができる。
また、本発明は、送風空気を発生する送風機(1d)と、
車室内へ向かって送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
ケース(1a)内に配置され、空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
開口部(13a、15a)の周縁部に膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
膜状部材(16、22)の他端部に連結され、膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、巻き取り軸(18、24)を開口部(13a、15a)上で回転させながら固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
送風機(1d)と巻き取り軸駆動機構(19、25)とを制御する制御手段(31)とを備え、
制御手段(31)が、車両エンジンが停止したときに、送風機(1d)を停止するとともに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを第3の特徴とする。
車室内へ向かって送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
ケース(1a)内に配置され、空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
開口部(13a、15a)の周縁部に膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
膜状部材(16、22)の他端部に連結され、膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、巻き取り軸(18、24)を開口部(13a、15a)上で回転させながら固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
送風機(1d)と巻き取り軸駆動機構(19、25)とを制御する制御手段(31)とを備え、
制御手段(31)が、車両エンジンが停止したときに、送風機(1d)を停止するとともに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを第3の特徴とする。
ところで、車両用空調装置においては、車両エンジンが作動している間、換言すれば、車両が使用されている間は、一旦送風が停止されても短時間後に再送風される場合がある。
このような場合、送風が停止されたときに膜状部材(16、22)を引き延ばしてしまうと、短時間後に再送風する場合には、膜状部材(16、22)を元の状態に巻き取らなければならないので、開口部(13a、15a)を所定の開度に戻すまでに時間がかかってしまう。
この点に鑑みて、車両エンジンが停止して送風機(1d)を停止するときのみ、膜状部材(16、22)を引き延ばすので、車両エンジンが作動しているとき、換言すれば、車両が使用されているときは、送風機(1d)が停止しても膜状部材(16、22)が引き延ばされない。
このため、短時間後に再送風する場合に、開口部(13a、15a)を所定の開度に戻すまでに時間がかかるという不都合を回避することができる。
また、本発明は、巻き取り軸駆動機構(19、25)は、車両に搭載されるバッテリから電源供給を受けて巻き取り軸(18、24)を移動させるようになっており、
制御手段(31)が、車両エンジンが停止したとき、かつ、バッテリの電圧が所定値以上であるときに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作するようになっている。
制御手段(31)が、車両エンジンが停止したとき、かつ、バッテリの電圧が所定値以上であるときに、巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作するようになっている。
ところで、周知のように、車両エンジンが停止しているときは車両エンジンが発電を行わないので、バッテリが充電されない。このため、電力消費量が多い夏期等においては、車両エンジン停止時にバッテリの電圧が低下していることがある。
一方、巻き取り軸駆動機構(19、25)はバッテリから電源供給を受けるので、車両エンジンが停止してバッテリの電圧が低下しているときに巻き取り軸駆動機構(19、25)を操作すると、バッテリの電圧不足によって巻き取り軸駆動機構(19、25)の作動不良が発生することがある。
この点に鑑みて、車両エンジンが停止したとき、かつ、バッテリの電圧が所定値以上であるときのみ、制御手段(31)が巻き取り軸駆動機構(19、25)を膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作するので、バッテリの電圧不足による巻き取り軸駆動機構(19、25)の作動不良の発生を回避することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。図1は本発明を車両用空調装置に適用した場合の全体構成を示しており、図2は図1におけるA−A断面図を示している。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。図1は本発明を車両用空調装置に適用した場合の全体構成を示しており、図2は図1におけるA−A断面図を示している。
本実施形態における車両用空調装置の空調ユニット部1は、本出願人が先に出願した特願2005−199988号と同一構成であるので、以下、その概要を説明する。
空調ユニット部1は、樹脂製の空調ケース1aを有し、車両の車室内計器盤内側において車両幅(左右)方向の略中央部位に配置され、かつ車両の前後、上下、左右方向に対して図1、図2の矢印に示すように配置される。
空調ケース1a内部の最も車両前方側部位には、送風ユニット1bの送風空気が接続ダクト1c(図2参照)を介して流入する空気入口空間2が形成されている。
この接続ダクト1cが空調ケース1aの助手席側の面(車両右側の面)に配置され、車室内計器盤内側の助手席側に配置される送風ユニット1bの空気出口部が接続ダクト1cに接続される。
送風ユニット1bは内気と外気とを切り替えて導入し、内気と外気とを電動式送風機1dによって空調ケース1aに向けて送風するものである。従って、送風ユニット1b内の電動式送風機1dが作動することによって、接続ダクト1cから空気入口空間2内に空気(内気または外気)が流入する。
なお、送風ユニット1bは空気入口空間2の車両右側(図1の紙面裏側)に配置されるが、図1では、送風ユニット1bを模式的に示しており、図示の都合上、送風ユニット1bを空気入口空間2の車両前方側(図1の左方側)に図示している。
また、本例では、左ハンドル車に適用しているため、送風ユニット1b及び接続ダクト1cが空調ケース1aの車両右側の面に配置されているが、右ハンドル車に適用する場合には、送風ユニット1b及び接続ダクト1cが空調ケース1aの車両左側の面に配置される。
空調ケース1a内には、その空気上流側から順に蒸発器3、ヒータコア4が設けられている。この蒸発器3は周知の冷凍サイクルに設けられ、空調ケース1a内への送風空気から冷媒が吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。また、ヒータコア4は、車両エンジンの温水(エンジン冷却水)を熱源として空調ケース1a内の空気を加熱する加熱用熱交換器である。
空調ケース1aの空気下流端には複数の吹出開口部5〜10が形成されている。このうち、デフロスタ開口部5は空調ケース1aの上面部に配置される。このデフロスタ開口部5には図示しないデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダクト先端部のデフロスタ吹出口から空調空気を車室内フロントガラス内面に向けて吹き出す。
前席側フェイス開口部6は空調ケース1aの車両後方側の面の上部に配置される。この前席側フェイス開口部6には図示しない前席側フェイスダクトが接続され、このフェイスダクト先端部のフェイス吹出口から空調空気を前席(運転席および助手席)乗員の上半身に向けて吹き出す。
前席側フット開口部7は空調ケース1aの車両後方側の面の上部の左右両側に配置される。この前席側フット開口部7には図示しない前席側フットダクトが接続され、前席(運転席および助手席)乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出す。
後席側フェイス開口部8は、空調ケース1aの車両後方側の面の下部に配置される。この後席側フェイス開口部8には図示しない後席側フェイスダクトが接続され、この後席側フェイスダクトを介して、車室中央下部に設けられた吹出口から空調空気を後席乗員の上半身に向けて吹き出す。
後席側フット開口部9は、空調ケース1aの車両後方側の面の下部の左右両側に配置される。この後席側フット開口部9には図示しない後席側フットダクトが接続され、この後席側フットダクトを介して空調空気を後席乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出す。
そして、Bピラー開口部10が、空調ケース1aの車両後方側の面の下部の左右両側に配置される。このBピラー開口部10には図示しないBピラーダクトが接続され、このBピラーダクトを介して、図示しないBピラー(車室内空間を構成する柱のうち、側面から見て前から2番目の柱のこと)の中間部に設けられた吹出口から後席乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。
なお、本例では、上記開口部5〜10は、図示しない吹出モードドアにより開閉されるようになっている。
図1および図2に示すように空調ケース1a内において、ヒータコア4の上方部には後述する冷風側通路開閉手段12の構成部品の一部である冷風側開口パネル13が設けられている。この冷風側開口パネル13内には、冷風側開口部13aが開口している。
冷風側開口部13aは、ヒータコア4をバイパスして冷風が流れる冷風側通路11を形成している。なお、冷風側通路開閉手段12は、冷風側通路11を通過する冷風の量を調整するものであり、詳細は後述する。
また、ヒータコア4の空気上流側には、後述する温風側通路開閉手段14の構成部品の一部である温風側開口パネル15が設けられている。この温風側開口パネル15内には、温風側開口部15aが開口している。
温風側開口部15aは、ヒータコア4にて加熱される空気(温風)が流れる温風側通路21を形成している。なお、温風側通路開閉手段14は、温風側通路21を通過する温風の量を調整するものであり、詳細は後述する。
温風側通路21を通過した温風は、デフロスタ開口部5と、前席側フェイス開口部6と、前席側フット開口部7とに向かう温風H1と、後席側フェイス開口部8と、後席側フット開口部9と、Bピラー開口部10とに向かう温風H2とに分かれる。
上記温風H1は、冷風側通路11を通過した冷風と混合され所望温度の空調風となり、図示しないドア手段によって開閉されるデフロスタ開口部5、前席側フェイス開口部6及び前席側フット開口部7のいずれかから車室内に吹き出される。
即ち、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14によって冷風側通路11を通過した冷風と温風側通路21を通過した温風との風量割合を調整して、車室内への吹出空気温度を調整することができる。
従って、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14により車室内への吹出空気の温度調整手段が構成される。
また、ヒータコア4の下方には、後席側フェイス開口部8と後席側フット開口部9と、Bピラー開口部10とに通じる後席側冷風バイパス流路27が形成されている。この後席側冷風バイパス流路27の空気流れ下流側には、後席側冷風バイパス流路27を通過する冷風の量を調整する後席側エアミックスドア28が設けられている。
上記温風H2は、後席側冷風バイパス流路27を通過した冷風と、後席側エアミックスドア28によって調整された割合で混合されて所望温度の空調風となり、図示しないドア手段によって開閉された後席側フェイス開口部8、後席側フット開口部9及び、Bピラー開口部10のいずれかから車室内に吹き出される。
なお、本実施形態では、空調ケース1a内の空気通路を車両幅方向の中央部に位置する仕切り板29によって仕切り、空調ケース1a内の運転席側の空気通路と助手席側の空気通路にそれぞれ、冷風側通路開閉手段12と、温風側通路開閉手段14とを独立に設けている。
そして、それぞれ運転席側と助手席側とに設けられた冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14を、運転席側と助手席側とでそれぞれ独立に操作することにより、運転席側の車室内に吹き出す空調風の温度と、助手席側の車室内に吹き出す空調風の温度を独立に調整できるようにしている。
冷風側通路開閉手段12と温風側通路開閉手段14は、運転席側と助手席側とで左右対称に構成されるので、図1では図示の簡略化のために、一方の冷風側通路開閉手段12と、温風側通路開閉手段14のみを図示した。
以下、図1および図3を用いて冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14について説明する。
図3は、冷風側通路開閉手段12の単体を示した斜視図である。冷風側通路開閉手段12は、冷風側開口パネル13、冷風側膜状部材16、冷風側固定シャフト17、冷風側巻き取りシャフト18、冷風側巻き取り軸駆動機構19とにより構成される。
一方、温風側通路開閉手段14は、温風側開口パネル15、温風側膜状部材22、温風側固定シャフト23、温風側巻き取りシャフト24、温風側巻き取り軸駆動機構25とにより構成される。
温風側通路開閉手段14は、冷風側通路開閉手段12とほぼ同一構成であるので、図3中の括弧内に温風側通路開閉手段14に対応する符号を付し、温風側通路開閉手段14についての説明を省略する。
なお、冷風側固定シャフト17及び温風側固定シャフト23は本発明の固定部に該当し、冷風側巻き取りシャフト18及び温風側巻き取りシャフト24は本発明の巻き取り軸に該当し、冷風側巻き取り軸駆動機構19及び温風側巻き取り軸駆動機構25は本発明の巻き取り軸駆動機構に該当するものである。
冷風側開口パネル13は、ヒータコア4の上方部において、空気流れ上流側に上端が傾斜するように配置されている。
冷風側膜状部材16は、下端側が冷風側固定シャフト17によって冷風側開口部13aの下方側周縁部に固定され、上端側が冷風側巻き取りシャフト18に連結されている。
本例では、冷風側膜状部材16の具体的材質として、冷風側巻き取りシャフト18に巻き取り可能な可撓性を有する樹脂フィルム材を用いている。
冷風側巻き取り軸駆動機構19は、冷風側巻き取りシャフト18の両端側に設けられ、冷風側ラック13b、冷風側ピニオンギア20、円筒状のレール部材19a及びサーボモータ30とにより構成される。
冷風側ラック13bは、冷風側開口部13aの周縁部のうち上下方向に延びる周縁部に設けられる。冷風側ピニオンギア20は、冷風側巻き取りシャフト18の両端部に配置され、冷風側ラック13bと噛み合うようになっている。
冷風側巻き取りシャフト18の一端側は、冷風側ピニオンギア20を貫通して突出することにより突出部18aを形成している。
冷風側巻き取りシャフト18の一端側において、冷風側巻き取りシャフト18と直交配置される円筒状のレール部材19aは、その端部がサーボモータ30の回転軸に接続されて回転駆動されるものであり、外周面にらせん状の溝が形成されている。冷風側巻き取りシャフト18の突出部18aは、レール部材19aのらせん状の溝に嵌合するようになっている。
これにより、レール部材19aの回転に伴って、突出部18aは、レール部材19aのらせん状の溝の壁面から矢印Aの方向に押圧される。
突出部18aが矢印Aの方向に押圧されると、冷風側ピニオンギア20は冷風側ラック13bと噛み合って回転しながら矢印Aの方向へ移動する。このため、冷風側巻き取りシャフト18が冷風側開口パネル13と平行な平面に沿って矢印Aの方向に回転移動する。
この冷風側巻き取りシャフト18の回転移動によって、冷風側膜状部材16を上方から巻き取り、送り出しを行なうことができ、冷風側開口パネル13に設けられた冷風側開口部13aの開口面積を調整することができる。この結果、冷風側通路11を通過する空気の量を調整することが可能である。
次に、本実施形態における電気制御部の要部を図4に基づいて説明する。空調用電子制御装置31は、周知のごとくCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものであり、本発明における制御手段に該当するものである。
空調用電子制御装置31には、車室内の計器盤周辺に配置される空調操作パネル(図示せず)の操作部材32〜35を通じて乗員によって設定される各種設定信号が入力される。
具体的には、冷凍サイクルの圧縮機(図示せず)の作動信号を発生するエアコンスイッチ32、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ33、送風機1dの作動信号と風量切替信号とを発生するブロワスイッチ34、及び、温度設定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ35が設けられる。
空調操作パネルには、その他に、送風ユニット1bの内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ等が設けられ、これらのスイッチからの設定信号も空調用電子制御装置31に入力されるようになっている。
また、空調用電子制御装置31には、エンジンの始動および停止を司るイグニッションスイッチ36からの信号が入力され、温水温度Tw、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts等を検出する各センサ37〜40から検出信号が入力される。
空調用電子制御装置31は、各センサ37〜40からの検出信号と温度設定スイッチ35の温度設定信号Tsetとに基づいて運転席側、助手席側、後席側の3つの空調ゾーンへの目標吹出温度(TAO)等をそれぞれ演算する。
そして、空調用電子制御装置31は、目標吹出温度(TAO)等に基づいて、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14の各サーボモータ30、及び、電動式送風機1dの送風ファンを駆動するブロワモータ41をはじめ、後席側エアミックスドア28、送風機1d、圧縮機、吹出モードドア等を制御するようになっている。
なお、本例では、空調用電子制御装置31が4つのサーボモータ30、即ち、運転席側及び助手席側の冷風側通路開閉手段12と運転席側及び助手席側の温風側通路開閉手段14とにそれぞれ配置されるサーボモータ30をそれぞれ制御するようになっている。
また、サーボモータ30は、車載バッテリ(図示せず)から電源供給を受けるようになっている。
また、本例では、オートスイッチ33がオンまたはブロワスイッチ34がオンされたときに、送風機1dが起動するようになっており、ブロワスイッチ34がオフまたは車両エンジンのイグニッションスイッチ36がオフされたときに、送風機1dが停止するようになっている。
次に、上記構成において本実施形態の作動の要部を説明する。図5のフローチャートは空調用電子制御装置31のマイクロコンピュータにより実行される制御処理の概要を示し、図5の制御ルーチンは、車載バッテリ(図示せず)から電源が供給されている状態において実行される。
先ず、ステップS100にて、タイマー、フラグ等の初期化を行ったのち、ステップS200にて、空調操作パネルの操作部材32〜35からの操作信号と、イグニッションスイッチ36からの信号と、各センサ37〜40からの検出信号とを読み込む。
そして、ステップS300にて、車両エンジンのイグニッションスイッチ36がオン状態のとき、次のステップS400に進む。ステップS400では、オートスイッチ33がオン状態にあるか否かを判定し、オートスイッチ33がオン状態にあるとき、ステップS500にて送風機1dを起動させる。
そして、ステップS600にて、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14を通常作動させる。即ち、冷風側開口部13a及び温風側開口部15aの開度がそれぞれ目標開度SWとなるように冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14を制御する。
具体的には、目標吹出温度(TAO)に基づいて、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14の開度をそれぞれ調整する。
目標吹出温度(TAO)が低温側である最大冷房時には、冷風側通路開閉手段12の冷風側巻き取りシャフト18が冷風側開口部13aの全開位置に回転移動し、温風側通路開閉手段14の温風側巻き取りシャフト24が温風側開口部15aの全閉位置に回転移動する。これにより、冷風側通路11を通過する冷風の量が最大となるとともに、温風側通路21を通過する温風が遮断されるので、吹出温度を低くすることができる。
一方、目標吹出温度(TAO)が高温側である最大暖房時には、冷風側巻き取りシャフト18が冷風側開口部13aの全閉位置に回転移動し、温風側巻き取りシャフト24が温風側開口部15aの全開位置に回転移動する。これにより、冷風側通路11を通過する冷風が遮断されるとともに、温風側通路21を通過する温風の量が最大となるので、吹出温度を高くすることができる。
目標吹出温度(TAO)tが中間値のときは、冷風側巻き取りシャフト18及び温風側巻き取りシャフト24が冷風側開口部13a及び温風側開口部15aの中間開度位置に回転移動することにより、吹出温度を調整することができる。
ところで、ステップS400において、エアコンスイッチ32がオフ状態にあるときは、ステップS700にてブロワスイッチ34がオン状態にあるか否かを判定する。ブロワスイッチ34がオン状態にあるときは、ステップS500に進み送風機1dを起動させたのち、ステップS600にて、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14を通常作動させるようになっている。
このとき、オートスイッチ33がオフされているので、空調自動制御状態ではなく、温度調整等を手動で行う手動調整状態となっている。このため、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14の開度は、目標吹出温度(TAO)に代わり温度設定スイッチ35による温度設定信号Tsetに基づいて、それぞれ調整される。
即ち、温度設定信号Tsetが低温側である最大冷房時には、冷風側通路開閉手段12の冷風側巻き取りシャフト18が冷風側開口部13aの全開位置に回転移動し、温風側通路開閉手段14の温風側巻き取りシャフト24が温風側開口部15aの全閉位置に回転移動する。これにより、冷風側通路11を通過する冷風の量が最大となるとともに、温風側通路21を通過する温風が遮断されるので、吹出温度を低くすることができる。
一方、温度設定信号Tsetが高温側である最大暖房時には、冷風側巻き取りシャフト18が冷風側開口部13aの全閉位置に回転移動し、温風側巻き取りシャフト24が温風側開口部15aの全開位置に回転移動する。これにより、冷風側通路11を通過する冷風が遮断されるとともに、温風側通路21を通過する温風の量が最大となるので、吹出温度を高くすることができる。
温度設定信号Tsetが中間値のときは、冷風側巻き取りシャフト18及び温風側巻き取りシャフト24が冷風側開口部13a及び温風側開口部15aの中間開度位置に回転移動することにより、吹出温度を調整することができる。
ところで、ステップS700において、ブロワスイッチ34がオフ状態にあるときは、ステップS800にて、送風機1dを停止させる。
そして、ステップS900にて、本発明の特徴的な作動を実行する。即ち、ステップS900にて、冷風側巻き取りシャフト18及び温風側巻き取りシャフト24が冷風側開口部13a及び温風側開口部15aの全閉位置に回転移動するように、冷風側巻き取り軸駆動機構19及び温風側巻き取り軸駆動機構25のサーボモータ30を制御する。
図6は、このときの温風側通路開閉手段14における温風側巻き取りシャフト24の作動を模式的に示した説明図である。なお、このときの冷風側通路開閉手段12における冷風側巻き取りシャフト18の作動は、温風側巻き取りシャフト24の作動と同様であるので、図6中の括弧内に冷風側通路開閉手段12に対応する符号を付し、説明を省略する。
図6において、温風側巻き取りシャフト24の実線位置は、温風側巻き取りシャフト24が全閉位置に回転操作された状態を示し、2点鎖線位置は、その直前の状態(即ち、送風機1dが停止したときの状態)における温風側巻き取りシャフト24の位置の一例を示している。
送風機1dが停止していると判断したときは、温風側巻き取りシャフト24が2点鎖線位置から実線位置(全閉位置)に回転操作されるので、温風側膜状部材22が全て、温風側巻き取りシャフト24から送り出されて引き延ばされる。
また、ステップS300において、イグニッションスイッチ36がオフ状態にあるときも同様に、ステップS800に進み送風機1dを停止させたのち、ステップS900にて、冷風側巻き取りシャフト18及び温風側巻き取りシャフト24が冷風側開口部13a及び温風側開口部15aの全閉位置に回転移動するように、冷風側巻き取り軸駆動機構19及び温風側巻き取り軸駆動機構25のサーボモータ30を制御する。
即ち、本実施形態では、ブロワスイッチ34がオフまたはイグニッションスイッチ36がオフされたときに、送風機1dを停止させたのち、膜状部材16、22を引き延ばすようになっている。
このため、送風機1dが停止している間、換言すれば、冷風側通路開閉手段12及び温風側通路開閉手段14が開口部13a、15aを開閉する必要がない間に、膜状部材がヒータコアの予熱や周囲の温度変化等を受けて膜状部材に巻き癖(転写)が発生することを抑制することができる。
この結果、膜状部材16、22の巻き癖(転写)に起因する空気洩れや異音の発生という不具合を回避することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、ブロワスイッチ34がオフまたはイグニッションスイッチ36がオフされたときに、膜状部材16、22を引き延ばすようになっているが、本第2実施形態では、図7に示すように、イグニッションスイッチ36がオフされたときのみ、膜状部材16、22を引き延ばすようにする。
上記第1実施形態では、ブロワスイッチ34がオフまたはイグニッションスイッチ36がオフされたときに、膜状部材16、22を引き延ばすようになっているが、本第2実施形態では、図7に示すように、イグニッションスイッチ36がオフされたときのみ、膜状部材16、22を引き延ばすようにする。
図7は、本実施形態における制御処理のフローチャートを示している。図7のフローチャートのうち、第1実施形態と同一のステップについては、第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態では、ステップS700において、ブロワスイッチ34がオフ状態のときは、ステップS710に進み、送風機1dを停止させるのみで、膜状部材16、22を引き延ばさない。一方、ステップS300において、イグニッションスイッチ36がオフ状態にあるときは、第1実施形態と同様に、ステップS800に進み送風機1dを停止させたのち、ステップS900にて、膜状部材16、22を引き延ばす。
即ち、ブロワスイッチ34がオフされて送風機1dが停止しても、イグニッションスイッチ36がオン状態にあって車両エンジンが作動しているとき、換言すれば、車両が使用されているときは、短時間後に送風機1dを再作動させる場合がある。
このような場合、送風機1dが停止したときに、巻き取りシャフト18、24が開口部13a、15aの全閉位置に移動して膜状部材16、22を引き延ばしてしまっていると、巻き取りシャフト18、24を元の位置に復帰させるのに時間がかかり、速やかに所望温度の空調風を吹き出すことができない。
この点に鑑みて、本実施形態では、送風機1dが停止しているときであっても、車両エンジンが作動しているときは、膜状部材16、22を引き延ばさないようにしている。このため、短時間後に送風機1dを再作動させたときに、速やかに所望温度の空調風を吹き出すことができる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、イグニッションスイッチ36がオフされたときに、膜状部材16、22を引き延ばすようにするようになっているが、本第3実施形態では、図8に示すように、イグニッションスイッチ36がオフされたとき、かつ、車載バッテリの電圧が所定値以上のときのみ、膜状部材16、22を引き延ばすようにする。
上記第2実施形態では、イグニッションスイッチ36がオフされたときに、膜状部材16、22を引き延ばすようにするようになっているが、本第3実施形態では、図8に示すように、イグニッションスイッチ36がオフされたとき、かつ、車載バッテリの電圧が所定値以上のときのみ、膜状部材16、22を引き延ばすようにする。
図8は、本実施形態における制御処理のフローチャートを示している。図8のフローチャートのうち、第2実施形態と同一のステップについては、第2実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態では、ステップS300において、イグニッションスイッチ36がオフ状態にあるときは、ステップS720にて、バッテリの電圧が所定値以上か否かを判断する。
なお、空調用電子制御装置31には、図示しないバッテリ電圧値検出手段からの検出信号が入力されるようになっており、このバッテリ電圧値検出手段からの検出信号に基づいてバッテリの電圧が所定値以上か否かを判断するようになっている。
また、本例では、バッテリの電圧の上記所定値を8Vとしている。この所定値は、サーボモータ30の作動の精度が保証される最低電圧値に応じて適宜設定すればよい。
そして、バッテリの電圧が所定値以上のときは、第2実施形態と同様に、ステップS800に進み送風機1dを停止させたのち、ステップS900にて、膜状部材16、22を引き延ばす。
一方、バッテリの電圧が所定値未満のときは、ステップS710に進み、送風機1dを停止させるのみで、膜状部材16、22を引き延ばさない。
ところで、周知のように、車両エンジンが停止しているときは車両エンジンが発電を行わないので、バッテリが充電されない。このため、電力消費量が多い夏期等においては、車両エンジン停止時にバッテリの電圧が低下していることがある。
一方、巻き取り軸駆動機構19、25のサーボモータ30はバッテリから電源供給を受けるので、車両エンジンが停止してバッテリの電圧が低下しているときにサーボモータ30を駆動して膜状部材16、22を引き延ばすと、バッテリの電圧不足によってサーボモータ30の作動不良が発生することがある。
この点に鑑みて、イグニッションスイッチ36がオフされて車両エンジンが停止したときたとき、かつ、車載バッテリの電圧が所定値以上のときのみ、サーボモータ30を駆動して膜状部材16、22を引き延ばすので、バッテリの電圧低下によるサーボモータ30の作動不良の発生を回避することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、ステップS900にて、巻き取りシャフト18、24を開口部13a、15aの全閉位置に回転移動すると、膜状部材16、22を全て、巻き取りシャフト18、24から送り出して引き延ばすことによって、開口部13a、15aを全閉しているが、開口部13a、15aをほぼ全閉する状態にとどめてもよい。
なお、上記各実施形態では、ステップS900にて、巻き取りシャフト18、24を開口部13a、15aの全閉位置に回転移動すると、膜状部材16、22を全て、巻き取りシャフト18、24から送り出して引き延ばすことによって、開口部13a、15aを全閉しているが、開口部13a、15aをほぼ全閉する状態にとどめてもよい。
即ち、開口部13a、15aをほぼ全閉する状態では、膜状部材16、22のごく一部が巻き取りシャフト18、24に巻き取られているため、このごく一部の巻き取られた部分に巻き癖が発生するが、ごく一部の巻き癖であれば実質的に空気洩れや異音が発生することはないからである。
また、上記各実施形態では、オートスイッチ33またはブロワスイッチ34がオンされたときに送風機1dが起動し、ブロワスイッチ34がオフまたは車両エンジンのイグニッションスイッチ36がオフされたときに送風機1dが停止するようになっているが、これは送風機1dの起動、停止条件の一例を示したものに過ぎず、適宜変更が可能である。
また、上記各実施形態では、、乗員が希望温度を設定するとその温度を保つように自動制御を行ういわゆるオートエアコンに本発明を適用しているが、乗員が温度調整等を手動で行ういわゆるマニュアルエアコンに本発明を適用してもよい。
また、上記第2実施形態及び第3実施形態において、車速が一定以上に達したとき、外気導入モードに切り替えることによって、車両走行動圧(ラム圧)を利用して送風機1dを作動させることなく送風するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明における空気通路開閉装置を、車室内への吹出空気の温度調整手段に適用しているが、複数の吹出開口部を切替開閉する吹出口切替手段に適用してもよい。
本発明における空気通路開閉装置を吹出口切替手段に適用する場合においては、空気通路への送風が停止したときのみならず、空気通路へ送風されているときであっても吹出開口部から空気を吹き出す必要がないとき、換言すれば、吹出開口部に空気を通過させる必要がないときに膜状部材を引き延ばすことによって、膜状部材が巻き取り状態で長時間放置されることを回避することができる。
15a…温風側開口部(開口部)、21…温風側通路(空気通路)、
22…温風側膜状部材(膜状部材)、23…温風側固定シャフト(固定軸)、
24…温風側巻き取りシャフト(巻き取り軸)。
22…温風側膜状部材(膜状部材)、23…温風側固定シャフト(固定軸)、
24…温風側巻き取りシャフト(巻き取り軸)。
Claims (6)
- 送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
前記空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
前記開口部(13a、15a)の周縁部に前記膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
前記膜状部材(16、22)の他端部に連結され、前記膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、前記巻き取り軸(18、24)を前記開口部(13a、15a)上で回転させながら前記固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
前記巻き取り軸駆動機構(19、25)を制御する制御手段(31)とを備え、
前記制御手段(31)が、前記空気通路(2、11、21、27)への送風が停止したときに、前記巻き取り軸駆動機構(19、25)を前記膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを特徴とする空気通路開閉装置。 - 請求項1に記載の空気通路開閉装置と、
前記送風空気を発生する送風機(1d)とを備え、
前記開口部(13a、15a)は車室内へ向かって空気が流れる空気通路に形成されるものであり、
前記膜状部材(16、22)により車室内へ向かって流れる空気流れを制御するようになっており、
前記制御手段(31)が、前記送風機(1d)の停止に基づいて前記送風の停止を判定することを特徴とする車両用空調装置。 - 送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
前記空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
前記開口部(13a、15a)の周縁部に前記膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
前記膜状部材(16、22)の他端部に連結され、前記膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、前記巻き取り軸(18、24)を前記開口部(13a、15a)上で回転させながら前記固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
前記巻き取り軸駆動機構(19、25)を制御する制御手段(31)とを備え、
前記制御手段(31)が、前記開口部(13a、15a)に空気を通過させる必要がなくなったときに、前記巻き取り軸駆動機構(19、25)を前記膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを特徴とする空気通路開閉装置。 - 請求項3に記載の空気通路開閉装置と、
前記送風空気を発生する送風機(1d)とを備え、
前記開口部(13a、15a)は車室内へ向かって空気が流れる空気通路に形成されるものであり、
前記膜状部材(16、22)により車室内へ向かって流れる空気流れを制御するようになっており、
前記制御手段(31)が、前記送風機(1d)の停止に基づいて前記必要がなくなったことを判定することを特徴とする車両用空調装置。 - 送風空気を発生する送風機(1d)と、
車室内へ向かって前記送風空気が流れる空気通路(2、11、21、27)と、
前記空気通路(2、11、21、27)を形成するケース(1a)と、
前記ケース(1a)内に配置され、前記空気通路(2、11、21、27)の開口部(13a、15a)を開閉する膜状部材(16、22)と、
前記開口部(13a、15a)の周縁部に前記膜状部材(16、22)の一端部を固定する固定部(17、23)と、
前記膜状部材(16、22)の他端部に連結され、前記膜状部材(16、22)の巻き取り、送り出しを行う巻き取り軸(18、24)と、前記巻き取り軸(18、24)を前記開口部(13a、15a)上で回転させながら前記固定部(17、23)に対して離間、接近する方向に移動させる巻き取り軸駆動機構(19、25)と、
前記送風機(1d)と前記巻き取り軸駆動機構(19、25)とを制御する制御手段(31)とを備え、
前記制御手段(31)が、車両エンジンが停止したときに、前記送風機(1d)を停止するとともに、前記巻き取り軸駆動機構(19、25)を前記膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記巻き取り軸駆動機構(19、25)は、車両に搭載されるバッテリから電源供給を受けて前記巻き取り軸(18、24)を移動させるようになっており、
前記制御手段(31)が、前記車両エンジンが停止したとき、かつ、前記バッテリの電圧が所定値以上であるときに、前記巻き取り軸駆動機構(19、25)を前記膜状部材(16、22)の引き延ばし方向に操作することを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
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KR101364507B1 (ko) * | 2007-06-01 | 2014-02-19 | 한라비스테온공조 주식회사 | 차량용 공조장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090106 |