JP2007117863A - ハニカム構造体およびこれを用いたキャニスター - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な吸着性能を維持するとともに、サブキャニスターに用いた場合、長期間破損することがない上、より安価に製造できるハニカム構造体及びその製造方法並びにキャニスターを提供する。
【解決手段】活性炭粒子と、該活性炭粒子を結合する粘土状物質で形成される結合相とからなる外周壁と、該外周壁の内側に複数の隔壁で区画形成されたセルを備え、ガス吸着法を用いて測定した前記外周壁および隔壁に存在する直径5〜7nmの細孔容積が253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積が90mm/g以上の構造であるハニカム構造体とする。このようにすることで、炭化水素の吸着および脱離に効果的な細孔の直径および細孔容積が最適化されるので、前記炭化水素に対して長期間良好な吸着性能および脱離性能を維持することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸着剤や触媒担体として作用する活性炭と粘土状物質を用いたハニカム構造体、このハニカム構造体を用いた自動車の燃料蒸発防止装置で用いられるキャニスターに関する。
自動車がエンジンを停止したとき、ガソリンタンクから蒸発した炭化水素を主成分とする蒸気(以下、ガソリン蒸気という)は、従来回収されることなく大気中に放出されていた。しかし、近年大気汚染に対する配慮から大気中への放出パイプの途中に、ガソリン蒸気の吸着剤として通常粒状活性炭を充填したキャニスターを備えた燃料蒸発防止装置が取り付けられるようになってきている。このキャニスターは、ガソリン蒸気を吸着剤に吸着させ、次の走行時逆方向に流された空気によって、ガソリン蒸気を吸着剤から脱離させ、エンジンに供給、再使用させるものである。
このガソリン蒸気の大気中へのリーク量を低減するため、粒状活性炭の吸着性能の向上やキャニスターの構造に対して多くの提案がなされてきた。
一方、規制面では自動車排ガス規制として2003年、米国カリフォルニア州ではLEV(Amendments to California’ Low−Emission Vehicle regulations)が定められ、2004年よりさらに厳しい自動車排ガス規制LEV2が施行された。この新しい自動車排ガス規制LEV2では、車両が停止しているときも含めて、ガソリン蒸気の大気中へのリーク防止が要求されているが、吸着剤として粒状活性炭を充填したキャニスターを搭載した自動車では長時間停車した場合、時間の経過とともに、ガソリン蒸気がキャニスター内で拡散し、それに伴って大気中へのリーク量も増加して規制値を超えるという問題を引き起こし、その対策が必要とされるようになってきている。
この問題を解決するために、特許文献1では前記キャニスターの後に別のキャニスター(以下、サブキャニスターと称す)を直列に配置し、サブキャニスターに装着する吸着剤を活性炭ハニカムとすることにより、長時間停車した場合でもガソリン蒸気のリーク量を抑制できる装置が提案されている。
また、吸着性能も高めるために、種々の活性炭ハニカム構造体が提案されており、例えば、特許文献2では、水銀圧入法で測定した細孔構造を直径4nm以上の細孔容積が0.45ml/g以上で、直径600nm以上の細孔容積が0.20〜0.35ml/gとすることにより、ヨード(I)やメチレンブルー(C1618ClNS)の吸着性能を改良した活性炭ハニカム構造体が提案されている。
特開平10−37812号公報 特許第3125808号公報
しかしながら、特許文献1では活性炭ハニカム構造体がガソリン蒸気の有効な吸着剤として提案されているものの、活性炭ハニカム構造体を形成する粒子の界面及び内部に存在する細孔の径と容積が制御されていないため、十分な吸着、脱離性能を発揮することができず、長期間の使用に供することができないという問題があった。
また、特許文献2で提案された活性炭ハニカム構造体の細孔構造の測定方法、即ち水銀圧入法を本発明で提案するハニカム構造体の細孔の直径の測定に用いようとすると、直径が20nm以上の細孔を有する活性炭ハニカム構造体には適しているものの、直径が20nm未満の細孔を有する活性炭ハニカム構造体では測定し難いという問題があった。
また、特許文献2で提案された活性炭ハニカム構造体は、ガソリン蒸気の主成分を構成する炭化水素より分子径がかなり大きいヨード(I)やメチレンブルー(C1618ClNS)の吸着性能を改良したものであって、本願のように炭化水素の吸着性能および脱離性能の向上を目的としたものではないため、この性能に寄与する細孔構造に調整されておらず、ガソリン蒸気に対して十分な吸着性能、脱離性能を有することができないという問題があった。
本発明は、ガソリンエンジンに用いた際の良好な吸着・脱離性能を維持するとともに、サブキャニスターに用いた場合、長期間破損することがない上、より安価に製造できるハニカム構造体及び該ハニカム構造体を用いたキャニスターを提供するものである。
本発明のハニカム構造体は、外周壁の内側に複数の隔壁で区画形成されたセルを備え、前記外周壁および隔壁が活性炭粒子と、活性炭粒子を結合する粘土状物質で形成される結合相とからなるハニカム構造体であって、ガス吸着法を用いて測定した前記外周壁および隔壁に存在する直径5〜7nmの細孔容積が253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積が90mm/g以上であることを特徴とするものである。
また、活性炭粒子の内部に存在する細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係がV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30を満たすことを特徴とするものである。
さらに、前記結合相に空隙が形成されていることを特徴とするものである。
またさらに、前記外周壁および隔壁の熱伝導率が1W/(m・K)以上であることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明のキャニスターは、前記ハニカム構造体をガソリン蒸気の流路に装着したことを特徴とするものである。
本発明は外周壁の内側に複数の隔壁で区画形成されたセルを備え、前記外周壁および隔壁は、活性炭粒子と、該活性炭粒子を結合する粘土状物質で形成される結合相とからなるハニカム構造体であって活性炭粒子と、該活性炭粒子を結合する粘土状物質で形成される結合相とからなる外周壁と、該外周壁の内側に複数の隔壁で区画形成されたセルを備えたハニカム構造体であって、ガス吸着法を用いて測定した前記外周壁および隔壁に存在する直径5〜7nmの細孔容積を253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積を90mm/g以上とすることにより、炭化水素の吸着および脱離に効果的な細孔の直径および細孔容積が最適化されるので、前記炭化水素に対して長期間良好な吸着性能および脱離性能を維持することができる。
また、活性炭粒子の内部に形成される細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)との関係がV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30であるハニカム構造体とすることにより、細孔容積(V)は適切に制御されるため、ハニカム構造体の強度を維持することができるとともに、炭化水素の分子径の大きさに係わらず、炭化水素の吸着および脱離を容易にすることができる。
さらに、前記結合相に空隙が形成されていることから、前記空隙は炭化水素が流出入する通路として機能するので、前記吸着性能や脱離性能をさらに向上させられる。
またさらに、前記外周壁および隔壁の熱伝導率が1W/(m・K)以上であることから、吸着した炭化水素に熱を容易に伝えられ、脱離を促進する作用が高くなり、効率よく脱離することができる。
さらにまた、前記ハニカム構造体は、炭化水素に対する吸着性能や脱離性能が高いので、ハニカム構造体をガソリン蒸気の流れる通路に吸着剤として装着したキャニスターに用いることが好適である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を用いて説明する。
図1は本発明のハニカム構造体を用いた燃料蒸発防止装置と、該燃料蒸発防止装置と接続するガソリンタンクおよびエンジン内部におけるガソリン蒸気の移動を示す概略図、図2は本発明のハニカム構造体の一実施形態を示す斜視図、図3はハニカム構造体における活性炭粒子の部分断面図を示す模式図、図4および図5は本発明のハニカム構造体の他の実施形態を示す軸方向から見た断面図の一部である。
本発明のハニカム構造体は、ガソリン蒸気を吸着および脱離するものであり、例えば、図1に示されるような燃料蒸発防止装置に用いられる。この燃料蒸発防止装置は、メインキャニスター1、サブキャニスター2及び両者を接続する連結通路3からなるものであり、メインキャニスター1は、例えば直径100mm、長さ127mmの容器に所定の粒度分布を有する活性炭4を充填したもので、本発明のハニカム構造体5を装着したサブキャニスター2が連結通路3を介して直列に接続されている。この燃料蒸発防止装置では、エンジン6の停止中、ガソリンタンク7内で発生したガソリン蒸気はチャージ通路8、連結通路3を介してメインキャニスター1、サブキャニスター2の順に導入される。このガソリン蒸気は、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素等の炭化水素からなり、該炭化水素は活性炭4やハニカム構造体5に吸着された後、ガソリン蒸気と混ざり合っていた空気は大気通路9を介して大気中に放出される。また、エンジン6が駆動されると、スロットルバルブ10を備えた吸気通路11内に発生する負圧によって、外部より大気通路9を介して、空気が吸入される。メインキャニスター1に充填された活性炭4やサブキャニスター2に装着されたハニカム構造体5で吸着されたガソリン蒸気は吸入された空気により脱離し、パージ通路12、吸気通路11を介してエンジン6に供給される。
このハニカム構造体5は、図2に示すように、活性炭粒子と、活性炭粒子を結合する木節粘土、蛙目粘土、ボールクレー、ベントナイト、含水ケイ酸マグネシウム繊維、ハロイサイト粘土、フリントクレー等の粘土状物質からなる結合相とにより、外周壁51と、この外周壁51の内側に区画形成されるセル52構成するための複数の隔壁53とを備え、各セル52を形成する外周壁51および隔壁53によって、ガソリン蒸気を構成する炭化水素等を吸着、脱離するものであり、ハニカム構造体5を区画形成する隔壁53が軸方向に形成され、例えば、隔壁53の厚みは0.35mm、外周壁51の厚みは0.5mmである。
このハニカム構造体5における活性炭粒子は、内部に微細な細孔を有しており、この細孔のうち直径50nm以上の細孔からなるマクロ孔、直径2nm〜50nmの細孔からなるメソ孔、直径0.8nm〜2nmの細孔からなるミクロ孔を有する。例えば、ハニカム構造体5をガソリン蒸気の通路に設置されるキャニスターとして用いた場合、ハニカム構造体5内に流入したガソリン蒸気59は、図3に示すように、活性炭粒子を構成する活性炭部55と、活性炭粒子の内部に形成される細孔のうち、マクロ孔56を通過した後、メソ孔57またはミクロ孔58内で液化し、毛細管現象によりメソ孔56またはミクロ孔57を形成する活性炭部55に吸着される。脱離は、吸着のメカニズムとは逆に、液化して活性炭部55に吸着された炭化水素59が吸気通路11内に発生する負圧によって、外部から大気通路9を介して、吸入された空気によって、メソ孔57またはミクロ孔58内で気化し、マクロ孔56を通過してハニカム構造体5より流出する。
なお、前記マクロ孔56、メソ孔57およびミクロ孔58は、いずれも国際純正応用化学連合(IUPAC)で定義される細孔をいう。
また、前記ガソリン蒸気は、ブタン(C10)、ペンテン(C10)、ペンタン(C12)、ヘキサン(C14)、トルエン(C)、ヘプタン(C16)、オクタン(C18)、ノナン(C20)、デカン(C1022)、ウンデカン(C1124)、ドデカン(C1226)、トリデカン(C1328)、テトラデカン(C1430)、ペンタデカン(C1532)等の各種炭化水素からなり、これら炭化水素はそれぞれ分子量が異なり、この分子量に応じて分子径は異なる。
本発明のハニカム構造体5は、図2に示されるように、ガソリン蒸気を構成する炭化水素のうち、特に分子径が0.85〜0.96nmと比較的大きい炭化水素の吸着および脱離を対象としたもので、ガス吸着法を用いて測定した外周壁51および隔壁53に存在する直径5〜7nmの細孔容積が253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積が90mm/g以上とすることが重要である。
前記活性炭粒子は上述で説明したような炭化水素の吸着と脱離に、また粘土状物質はハニカム構造体5としての形状の維持に寄与するものであり、活性炭粒子や木節粘土を含有するハニカム構造体5とすることで、粒状活性炭でサブキャニスター2を充填した場合に比べ、サブキャニスター2の内部で発生する圧力損失を大幅に低減することができる。また、ガス吸着法で測定した細孔構造を直径5〜7nmの細孔容積を253mm/g以上とすることで、長期間良好な吸着性能を維持することができる。
この理由は、ドデカン(C1226)、トリデカン(C1328)、テトラデカン(C1430)、ペンタデカン(C1532)等の炭化水素は、分子径が0.85〜0.96nmであり、ハニカム構造体5の細孔の直径は吸着された炭化水素が有する分子径の約5〜8倍程度が適正である。本件出願人がハニカム構造体5の細孔構造を鋭意検討した結果、直径5〜7nmの細孔の細孔容積を253mm/g以上にすることで、ドデカン(C1226)、トリデカン(C1328)、テトラデカン(C1430)、ペンタデカン(C1532)等の炭化水素の吸着が進行しても、前記細孔は容易に飽和しないため、これら炭化水素を効率よく吸着できることを見出した。
また、極端に大きな直径の細孔が存在すると、ハニカム構造体5の吸着性能は低下するため、細孔の直径は600nm未満であることが好適である。
なお、前記ガス吸着法としては、窒素吸着法、ヘリウム吸着法、フッ素吸着法、アルゴン吸着法等が挙げられるが、費用の点から窒素吸着法が好適である。
さらに、外周壁51および隔壁53に存在する細孔が、ガス吸着法を用いて測定した場合、直径13〜15nmの細孔の細孔容積を253mm/g以上にすることで、前記炭化水素に対し長期間良好な脱離性能を維持することができる。
ハニカム構造体5の細孔径は吸着分子径の約5〜8倍程度が適正であることは先に述べた通りであるが、本件出願人がハニカム構造体5の脱離性能の向上について検討した結果、
脱離に寄与する細孔の直径は吸着された炭化水素が有する分子径の約13〜18倍程度が適正であり、直径13〜15nmの細孔の細孔容積を上述のように規定することで、脱離性能を発揮できることを見出した。
即ち、前記炭化水素が各細孔に吸着した後、脱離する場合、分子径が0.85〜0.96nmであるドデカン(C1226)、トリデカン(C1328)、テトラデカン(C1430)、ペンタデカン(C1532)等の炭化水素の脱離は主に直径13〜15nmの細孔が寄与し、前記直径の細孔容積を253mm/g以上にすることで、液化して吸着された前記炭化水素は容易に気化できる容積が増加して脱離しやすくなるので、特にガソリン用のキャニスターとして用いた場合、脱離性能を高いものとすることができる。
特に、直径5〜7nmの細孔容積は300mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積は130mm/g以上であることが好適である。
なお、本発明のハニカム構造体5は、直径5nm未満の細孔、直径7nmを超えて直径13nm未満の細孔および直径15nmを超える細孔を除外するものではなく、これら細孔が存在しても何等差し支えない。
ここで、前記細孔の直径の細孔容積を測定するには、ハニカム構造体5を測定用の容器に収納できる大きさに切り出し、切り出したハニカム構造体5の一部を前記容器に入れた後、先ず前処理として、真空脱気を行い、150℃に加熱して、活性炭に付着している不純物や水等の異物を除去する。その後、容器ごと液体窒素で液体窒素温度(77K)まで冷却し、圧力を変化させながら既知量の窒素ガスを容器に注入する。そして、Kelvin式に従って発生する毛管凝縮現象(小さい細孔内部ほど入り込んだ窒素が低い圧力で飽和し、凝集する現象)を利用して、相対圧(=吸着平衡圧/飽和蒸気圧)を横軸に、活性炭への窒素吸着量を縦軸にプロットした吸着等温線から前記細孔径や細孔容積を算出すればよい。
なお、ガソリン蒸気は約200〜300種類の炭化水素から構成され、炭化水素の分子径は略0.4〜1.0nmと広汎にわたっている。このような炭化水素を効率よく吸着、脱離するには活性炭粒子の内部に形成される細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係を規定することが有効で、本発明のハニカム構造体5は、活性炭粒子の内部に存在する細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係がV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30であることが好適である。
前記細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係をV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30の範囲内とすることで、細孔容積(V)が適切に制御されるため、ハニカム構造体5の強度を維持することができるとともに、炭化水素の種類に係わらず、吸着および脱離を容易にすることができる。前記直径(D)(nm)と細孔容積(V)(mm/g)との関係をV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30の範囲としたのは、この関係がV>593D−0.98+30では、細孔容積(V)が大きくなりハニカム構造体5の強度が不足するおそれがあるからであり、V<593D−0.98−30では、細孔容積(V)が小さくなり、炭化水素の種類によっては吸着または脱離が困難になるからである。
特に、前記細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係はV=593D−0.98−20〜593D−0.98+20を満たすことがより好適である。
なお、前記関係は、例えば、細孔の直径2nm,4nm,6nm,8nm,10nm,12nm,14nm,16nmおよび前記直径に対する各細孔容積の測定値から最小二乗法の一種である累乗近似を行うことで求めることができる。
上述の関係を満たすには、粉末状の活性炭粒子の細孔構造に大きく支配され、例えば粉末状の活性炭粒子の内部に存在する直径2nm、4nm、6nm、8nm、10nm、12nm、14nmおよび16nmの各細孔容積をそれぞれ1100〜2200mm/g、500〜1600mm/g,100〜900mm/g、50〜800mm/g、10〜800mm/g、10〜700mm/g、10〜600mm/g、10〜500mm/gとすればよい。
また、本発明のハニカム構造体5では、前記結合相の形態によっても吸着性能および脱離性能が異なり、結合相が空隙を備えることが好適である。結合相が空隙を備えることで、マクロ孔と同様、前記空隙はガソリン蒸気が流出入する通路として作用するため、脱離性能をより向上することができる。
特に、前記空隙はハニカム構造体5の任意の断面における最大の長さが10〜40μmであることが好適で、この空隙の長さは走査型電子顕微鏡を用い、例えば倍率を500〜3000倍にして撮影した写真より求めることができる。
さらに、本発明のハニカム構造体5は、ハニカム構造体5を形成する外周壁51および隔壁53の熱伝導率により、脱離性能は影響を受け、ハニカム構造体5の熱伝導率を高くすることで、吸着した炭化水素に熱を容易に伝えることができ、脱離を促進する作用を高くすることができる。本発明のハニカム構造体5は、その熱伝導率が1W/(m・K)以上であることが好適である。これにより吸着した炭化水素に熱を容易に伝えることができ、脱離を促進する作用が高くなるため、効率よく脱離することができる。
なお、ハニカム構造体5の外周壁51および隔壁53の熱伝導率は、気孔率が10%以下という適用範囲および試験片の形状を除き、R 1611−1997に準拠して測定すればよく、ハニカム構造体での測定が困難な場合、形状以外は後述するハニカム構造体の製造方法と同じ方法で作製した、JIS R 1611−1997に準拠する円板を用いてもよい。
また、本発明のハニカム構造体5は、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)、スピネル(MgAl)、フォルステライト(MgSiO)(以下、添加剤と称す)の少なくともいずれか1種が添加されてなることが好ましい。
これら添加剤の比熱は760J/(kg・K)以上であって、活性炭粒子の比熱400J/(kg・K)より高いため、活性炭粒子の熱を吸収、蓄熱しやすく、炭化水素の脱離時にはこれら添加剤に予め蓄えられていた熱によって活性炭粒子の温度低下は抑えられ、活性炭粒子からの脱離量を増大させることができる。添加剤及び活性炭粒子の比熱は、JIS R 1611−1997に準拠して測定すればよく、さらに前記添加剤は、ハニカム構造体5中に20〜50質量%含まれていることがより好適である。
また、図4は本発明に係るハニカム構造体5の他の実施形態を示す軸方向に垂直な断面図の一部であり、ハニカム構造体5を区画形成する隔壁53が軸方向に形成され、その厚みが0.35mm以下、外周壁51の厚みが0.5mm以上であるとともに、外周壁51と隔壁53とが接する箇所の近傍に補強部54を形成することが好ましい。
一般に、セルの個数を一定にした場合、隔壁の厚みを薄くして、セルの開口率を上げれば圧力損失を低減したり、吸着性能を向上させたりすることができるものの、機械的な強度は低下するというトレードオフの関係が存在する。ここで、開口率とは前記ハニカム構造体5の軸方向に垂直な断面の面積に対する開口したセルの面積の比率をいう。ハニカム構造体5を例えばサブキャニスターに装着する場合、前記トレードオフの関係を満足させるために、ハニカム構造体5を区画形成する隔壁53の厚みが0.35mm以下、外周壁51の厚みが0.5mm以上であるとともに、外周壁51と隔壁53とが接する箇所の近傍に補強部54を形成することが好ましく、セル52の開口率は50%以上であることが好適である。
また、外周壁51の厚みが薄いと、自動車が走行中に悪路等で受ける振動によってはハニカム構造体として強度が不足するために破損することがあり、外周壁51の厚みを0.5mm以上とすることで自動車が走行中に強い振動を受けても必要な強度が維持できているため、破損することがない。
上述のようなハニカム構造体5を得るには、焼結に到るまでの収縮率及び補強部の大きさ、配置を考慮して、押出成形機に装着する金型を設計する必要がある。より具体的には、外周壁や隔壁の厚みは、金型に設けた溝の幅によって決定され、例えば、前記収縮率が10%になるような焼成条件を設定した場合には、外周壁や隔壁の厚みに対して、溝の幅を10%大きく設定すればよい。また、セルの開口率は、ハニカム構造体5の軸方向に垂直な断面の面積に対する開口したセルの面積の比率として定義されるので、外周壁や隔壁の厚みと同様、開口したセルや補強部の収縮率を考慮して、金型の形状を設定すればよい。
また、軸方向から見たセルの断面形状は図5に示すように六角形であることが好ましく、ハニカム構造体5の外周壁の径が一定の場合、軸方向に垂直なセルの断面形状を六角形にすると、セルの断面形状を正方形にした場合に比べ、セル内を通過するガソリン蒸気が隔壁と接触する面積を増やすことができ、短時間でガソリン蒸気に含まれる炭化水素を吸着することができるからである。
また、ハニカム構造体5の外周壁の径が一定の場合、軸方向から見たセルの断面形状を三角形、円形、楕円形のいずれかにすると、セルの断面形状を正方形にした場合に比べ、隔壁の面積を増やすことができ、強度を高くすることができる。
なお、セルの断面形状を上述のような形状にするには、セルの断面形状と同一の形状となるように前記金型に溝を設ければよい。
また、前記活性炭粒子および粘土状物質の重量比率が60:40〜30:70であることが好ましい。活性炭粒子が60重量部を超える(粘土状物質が30重量部未満である)と、ハニカム構造体5が大型である場合、ハニカム構造体5の強度が不足することがあるからであり、逆に、活性炭粒子が30重量部未満(粘土状物質が70重量部を超える)では、ハニカム構造体5における活性炭粒子の量が少なくなり、吸着剤としての使用可能な時間が減少することがあるからである。
また、前記粘土状物質は、成形体の細孔形成の容易性、価格、入手の容易性を考慮すると、木節粘土、蛙目粘土、ボールクレー、ゼオライト、ベントナイト、含水ケイ酸マグネシウム繊維から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
ハニカム構造体5に高強度が要求される場合、SiOを45〜57質量%、Alを26〜37質量%含む木節粘土、蛙目粘土、ボールクレーの少なくとも1種の粘土状物質を用いることが好ましい。この粘土状物質に含まれるSiOを45〜57質量%、Alを26〜37質量%とすることで、液性限界と塑性限界との差として定義される塑性指数が44以上と高くなるので、成形時に必要な可塑性が得られるとともに、ハニカム構造体5としての強度を容易に確保できるからである。
また、ハニカム構造体5に高い脱離性能が要求される場合、ゼオライト、ベントナイト、含水ケイ酸マグネシウム繊維から選択された少なくとも1種であることがより好ましい。
この粘土状物質として、ゼオライトを選択した場合、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライトのうち、燃料成分の吸着性能が高い人工ゼオライトや合成ゼオライトが好ましい。なお、ゼオライトの吸着性能に影響を及ぼす因子は、2つあり、SiO/Alモル比およびゼオライトの内部に形成される細孔の直径である。ゼオライトは、SiO/Alモル比(5〜800)により異なった吸着特性を持つという性質がある。SiO/Alモル比を小さくすれば親水性になり、水を始めとする極性物質を強く吸着する。逆に、モル比を大きくすれば疎水性になり、水よりも有機分子を選択的に吸着する。このような特性から合成ゼオライトの中でも、SiO/Alモル比が10以上のハイシリカゼオライトが特に好適である。
また、含水ケイ酸マグネシウム繊維としては、セピオライト、アタパルジャイトまたはパリゴルスカイトなどの天然の粘土質繊維状鉱物を用いることができる。
なお、不可避不純物としてFeを1.4質量%以下、KOを1.8質量%以下、NaOを1.1質量%以下、灼熱減量(Ig.Loss)を17質量%以下含んでいてもよい。
また、不可避不純物の合計が酸化物換算で2質量%以下であることが好ましく、ハニカム構造体中の不可避不純物の偏析を低減させることができ、局部的な強度低下を防止できる。ここで、不可避不純物としては、例えば、Fe、Co、Ni等の強磁性物質を始め、Ca,Ti,Cr,Mn,Y,Zr,Nb,Sr,Fe,Cr,MnO,NiO,CuO等の弱磁性物質があげられ、この不可避不純物の検出には蛍光X線分析を用いればよい。
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体を得るには、先ず、粉末状の活性炭粒子9〜18gおよび木節粘土、蛙目粘土、ゼオライト、ベントナイト、含水ケイ酸マグネシウム繊維等の粘土状物質21〜12gを調合したものに、縦方向の押出成形に好適な成形助剤と所定量の水を添加し、混練機(Needer)で混合、撹拌、混練を行う。
特に、上述のような直径5〜7nmの細孔容積が253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積が90mm/g以上のハニカム構造体5を得るには、粉末状の前記活性炭粒子の細孔構造が重要であり、ガス吸着法を用いて測定した場合、例えば直径5〜7nmの細孔容積が1550mm/g以上および直径13〜15nmの細孔容積が770mm/g以上である粉末状の活性炭粒子を用いればよい。
また、粘土状物質は5μm以下の粒径のものが90質量%以上含まれ、75μm以上の粒径のものが含まれないものを用いることが好適である。
粒径が5μm以下の粘土状物質を90質量%以上とするとともに、75μm以上の粒径の粘土状物質を除くことで、粘土状物質の粒子間に生じる粘着力が大きくなり、成形体の保形性を維持することができるからである。
さらに、ハニカム構造体に高い脱離性能が求められる場合には、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)、スピネル(MgAl)、フォルステライト(MgSiO)の少なくともいずれか1種を合計5〜15g添加することもできる。
ここで、不可避不純物の合計を酸化物換算で2.0質量%以下とするには、前記粉末状の活性炭及び粘土状物質に所定量の水を添加、調合したものを電磁石または永久磁石で形成される磁界に通して不可避不純物を除去した後、成形助剤を添加し、混練機(Needer)で混合、撹拌、混練を行えばよい。
また、活性炭粒子の内部に存在する細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係がV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30であるハニカム構造体を得るには、上述と同様、粉末状の活性炭粒子の細孔構造の影響を受け、例えば粉末状の活性炭粒子の内部に存在する直径2nm,4nm,6nm,8nm,10nm,12nm,14nmおよび16nmの各細孔容積をそれぞれ1100〜2200mm/g、500〜1600mm/g,100〜900mm/g、50〜800mm/g、10〜800mm/g、10〜700mm/g,10〜600mm/g,10〜500mm/gとすればよい。
また、熱伝導率が高いハニカム構造体を得るには、熱伝導率の高い活性炭粒子および粘土状物質を用いればよく、熱伝導率が1W/(m・K)以上のハニカム構造体を得るには、熱伝導率がともに1W/(m・K)以上の活性炭粒子および粘土状物質を用いればよい。
次に、得られた混練体をハニカム状に所定の金型が装着された押出成形機に投入し、圧力を加えてハニカム状の成形体とし、乾燥後、所定の長さに切断する。
そして、乾燥・切断された成形体は、電気炉、ガス炉、真空炉等の焼成炉で焼成され、焼成温度は600〜1300℃とすることが重要である。600℃未満では、ハニカム構造体の焼結が不十分なため、その強度は著しく低くなるからであり、1300℃を超えるとハニカム構造体の細孔が十分に形成されず、吸着性能が低くなるからである。ハニカム構造体として必要な強度、吸着性能を得るためには、600〜1300℃で焼成することが必要で、特に空隙を備えた結合相を形成するには、600〜1000℃で焼成するか、または粘土状物質とは収縮率の異なる空隙形成剤、例えば、電融アルミナを添加してもよい。
粘土状物質として木節粘土、蛙目粘土、ボールクレーのうちの少なくとも1種を選んだ場合、900〜1300℃で焼成することが好適であり、ゼオライト、ベントナイト、含水ケイ酸マグネシウム繊維のうちの少なくとも1種を選んだ場合、600〜1000℃で焼成することが好適である。
ここで、前記焼成の雰囲気としては、非酸化性雰囲気、例えば、窒素雰囲気、不活性ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気のいずれかであることが好ましいが、製造コストを考慮して大気雰囲気中で炭素質材料を含む遮蔽材を前記成形体の周囲に配置して焼結させてもよい。炭素質材料を含む遮蔽材を成形体の周囲に配置することで、大気雰囲気中の酸素は炭素質材料の燃焼に用いられ、成形体の周囲は酸素のない雰囲気となり、成形体の燃焼が効果的に防止できるからであり、成形体を炭素質材料の中で埋め焼きしてもよい。前記炭素質材料とは、粉粒状等の活性炭、コークス、木炭、アンスラサイト、素灰、カーボンブラック等をいうが、その組成が炭素を80%以上含み、着火温度が500°以上のものが耐久性にも優れており好ましい。また、前記遮蔽材は、灰化するまで何度でも繰り返し使用することができる。
上述したような製造方法を用いて本発明のハニカム構造体を作製すれば、良好な吸着性能を維持できるとともに、長期間破損することがない上、安価なハニカム構造体を得ることができる。
以上、本発明のハニカム構造体をキャニスターに用いた場合で説明したが、本発明のハニカム構造体はオゾン、窒素、水素、一酸化炭素、炭酸ガス、塩化水素、フッ化水素等の吸着分離、沸騰水型原子炉により発生する放射性のクリプトン、キセノン等稀ガスの吸着、メタン等天然ガスの吸着、メタノールあるいはエタノール吸着式冷凍機、電気二重層キャパシター、浄水器等に用いることもできる。
以下本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
粉末状の木質活性炭および木節粘土を重量比率60:40で調合したものに、所定量のバインダー及び水を添加して、混練機(Needer)で混合、撹拌、混練を行った。
用いた粉末状の木質活性炭の内部に存在する細孔の直径に対する細孔容積は、表1に示す通りで、このように設定することで、ハニカム構造体の内部に存在する細孔容積を調整した。
次に、得られた混練体を金型が装着された押出成形機に投入し、所定の圧力を加えることで、軸方向から見たセルの断面形状が正方形であって、その個数が200個/(inch)であるハニカム状の成形体を得た。得られた成形体を乾燥させた後、カッター刃により所定の長さに切断した。切断された成形体を電気炉に投入し、この成形体の周囲にコークスを配置した後、温度950℃、保持時間2時間で焼成し、直径5〜7nm,直径13〜15nmの各細孔の細孔容積が表1に示されるハニカム構造体である試料No.1〜7を得た。また、これらハニカム構造体の隔壁の厚みは0.3mm、外周壁の厚みは0.75mm、外径は30mmであった。
ここで、窒素吸着法により細孔の直径の細孔容積を日本ベル(株)製高精度全自動ガス吸着装置(BELSORP 36)を用いて測定した。具体的には、前記ハニカム構造体の一部を切り出し、その切り出した一部を測定用の容器に入れた後、真空脱気を行い、150℃に加熱して、ハニカム構造体に付着している不純物や水等の異物を除去した。その後、容器ごと液体窒素で液体窒素温度(77K)まで冷却し、圧力を変化させながら既知量の窒素ガスを容器に注入した。そして、Kelvin式に従って発生する毛管凝縮現象(小さい細孔内部ほど入り込んだ窒素が低い圧力で飽和し、凝集する現象)を利用して、相対圧(=吸着平衡圧/飽和蒸気圧)を横軸に、活性炭への窒素吸着量を縦軸にプロットした吸着等温線から前記直径の細孔容積を求めた。
切り出した部分以外のハニカム構造体の吸着性能および脱離性能の評価については、ハニカム構造体に吸着させるガスをブタンからガソリン蒸気に変更する以外は、ASTM(アメリカ合衆国標準試験規格)D5228−92(Reapproved2002)に準拠して、吸着量および脱離量を求めた。
具体的にはハニカム構造体の軸方向からガソリン蒸気を供給し、飽和するまで吸着させた後、ガソリン蒸気の供給を停止し、窒素ガスを前記軸方向から供給して吸着したガソリン蒸気を脱離するというサイクルを1サイクルとして、50サイクル目におけるハニカム構造体100ml当たりに対するガソリン蒸気の吸着量(GA)を測定することで、ハニカム構造体の吸着性能を評価した。次に、窒素ガスを供給して50サイクル終了後にハニカム構造体から脱離せず、吸着したままになっているハニカム構造体100ml当たりに対するガソリン蒸気の残量(GR)を測定した。そして、前記吸着量(GA)と残量(GR)との差である脱離量(GWC=GA−GR)を算出することで、ハニカム構造体の脱離性能を評価した。
吸着量(GA)が高ければ、ハニカム構造体の吸着性能は高く、脱離量(GWC)が高ければ、ハニカム構造体の脱離性能は高いことを意味する。前記ガソリン蒸気の吸着量(GA)、残量(GR)および脱離量(GWC)を表1に示す。
Figure 2007117863
表1からわかるように、窒素吸着法を用いて測定した外周壁および隔壁に存在する直径5〜7nmの細孔容積が253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積が90mm/g以上である本発明の試料No.4〜7は、本発明の範囲外である試料No.1〜3よりガソリン蒸気の吸着量(GA)、脱離量(GWC)とも高く、吸着性能、脱離性能とも高く良好な結果であることがわかる。
特に、直径5〜7nmの細孔容積が300mm/g以上である試料No.5,6は吸着性能が高く、直径13〜15nmの細孔容積が130mm/g以上である試料No.6,7は脱離性能が高く好適である。
(実施例2)
粉末状の木質活性炭および木節粘土を重量比率55:45で調合したものに、所定量のバインダー及び水を添加して、混練機(Needer)で混合、撹拌、混練を行った。次に、得られた混練体を金型が装着された押出成形機に投入し、所定の圧力を加えることで、軸方向から見たセルの断面形状が正方形であって、その個数が200個/(inch)であるハニカム状の成形体を得た。切断された成形体を電気炉に投入し、この成形体の周囲にコークスを配置した後、温度900℃、保持時間2時間で焼成し、表2に示すハニカム構造体である試料No.8〜16を得た。また、これらハニカム構造体の隔壁の厚みは0.3mm、外周壁の厚みは0.75mm、外径は30mmであった。
ここで、実施例1に示した窒素吸着法により細孔の直径2nm,4nm,6nm,8nm,10nm,12nm,14nmおよび16nmの各細孔容積を測定し、前記直径とこの直径の細孔容積より累乗近似曲線を求め、得られた累乗近似曲線を表2に示した。
なお、前記細孔の直径の各細孔容積は、粉末状の木質活性炭の平均粒径を変更することで適宜調整した。
切り出した部分以外のハニカム構造体については、強度評価用のハニカム構造体と、吸着性能および脱離性能評価用のハニカム構造体に分割した。
ハニカム構造体の強度については、外周側より軸に向かい、隔壁と平行な方向よりハニカム構造体に荷重を加え、破壊する強度(B軸圧縮強度、以下単に圧縮強度という。)を測定した。
また、ハニカム構造体の吸着性能および脱離性能の評価については、実施例1に示した評価の方法と同じ方法で行った。
ガソリン蒸気の吸着量(GA)、残量(GR)および脱離量(GWC)を表2に示す。
Figure 2007117863
表2からわかるように、活性炭粒子の内部に形成される細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係がV>593D−0.98+30である試料No.8は、圧縮強度は低く、前記関係がV<593D−0.98−30である試料No.16は、ガソリン蒸気の吸着量(GA)、脱離量(GWC)は低い。一方、活性炭粒子の内部に形成される細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係がV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30である試料No.6〜12は、圧縮強度が高く、ガソリン蒸気の吸着量(GA)および脱離量(GWC)とも高く、良好な結果であることがわかる。
特に、前記関係がV=593D−0.98−20〜593D−0.98+20である試料No.10〜14は、圧縮強度、吸着量(GA)および脱離量(GWC)の均衡がよく好適であることがわかった。
(実施例3)
粉末状の木質活性炭および木節粘土を重量比率55:45で調合したものに、所定量のバインダー及び水を添加して、混練機(Needer)で混合、撹拌、混練を行った。次に、得られた混練体を金型が装着された押出成形機に投入し、所定の圧力を加えることで、軸方向から見たセルの断面形状が正方形であって、その個数が200個/(inch)であるハニカム状の成形体を得た。切断された成形体を電気炉に投入し、この成形体の周囲にコークスを配置した後、表3に示す焼成温度、保持時間2時間で焼成し、ハニカム構造体である試料No.17〜19を得た。また、これらハニカム構造体の隔壁の厚みは0.3mm、外周壁の厚みは0.75mm、外径は30mmであった。
ここで、前記ハニカム構造体の一部を切り出し、走査型電子顕微鏡を用いて、切り出されたハニカム構造体の断面を5つ選定し、これら断面における結合相内の空隙の有無を倍率500倍で観察した。
また、ハニカム構造体の細孔の各直径に対する細孔容積、吸着性能および脱離性能の評価については、実施例1に示した評価の方法と同じ方法で行った。
ガソリン蒸気の吸着量(GA)、残量(GR)および脱離量(GWC)を表3に示す。
Figure 2007117863
表3からわかるように、結合相に空隙を備えた試料No.17,18は、結合相に空隙のない試料No.19に比べ、ガソリン蒸気の吸着量(GA)、脱離量(GWC)とも高く、吸着性能および脱離性能とも良好であることがわかる。
(実施例4)
表4に示す粉末状の木質活性炭および木節粘土を重量比率で調合したものに、所定量のバインダー及び水を添加して、混練機(Needer)で混合、撹拌、混練を行った。前記木質活性炭および木節粘土は、予め熱伝導率が測定されており、その値は表4に示されるものである。
次に、得られた混練体を金型が装着された押出成形機に投入し、所定の圧力を加えることで、軸方向から見たセルの断面形状が正方形であって、その個数が200個/(inch)であるハニカム状の成形体を得た。切断された成形体を電気炉に投入し、この成形体の周囲にコークスを配置した後、温度1000℃、保持時間2時間で焼成し、ハニカム構造体である試料No.20〜25を得た。また、これらハニカム構造体の隔壁の厚みは0.3mm、外周壁の厚みは0.75mm、外径は30mmであった。
ハニカム構造体の熱伝導率については、気孔率が10%以下という適用範囲と形状以外は、R 1611−1997に準拠して、前記ハニカム構造体の製造方法と同じ方法で作製した円板の熱伝導率を測定することで代用し、その測定値をハニカム構造体の熱伝導率とした。
また、ハニカム構造体の細孔の各直径に対する細孔容積、吸着性能および脱離性能の評価については、実施例1に示した評価の方法と同じ方法で行った。
前記ガソリン蒸気の吸着量(GA)、残量(GR)および脱離量(GWC)を表4に示す。
Figure 2007117863
表4からわかるように、ハニカム構造体の熱伝導率が1W/(m・k)以上である試料No.21〜25は、熱伝導率が1W/(m・k)未満である試料No.20に比べ、ガソリン蒸気の吸着量(GA)、脱離量(GWC)とも高く、吸着性能および脱離性能とも良好であることがわかる。
本発明のハニカム構造体を用いた燃料蒸発防止装置と、該燃料蒸発防止装置と接続するガソリンタンクおよびエンジン内部におけるガソリン蒸気の移動を示す概略図である。 本発明のハニカム構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明のハニカム構造体における活性炭粒子の部分断面図を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態を示す軸方向から見た断面図の一部である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態を示す軸方向から見た断面図の一部である。
符号の説明
1:メインキャニスター
2:サブキャニスター
3:連結通路
4:活性炭
5:ハニカム構造体
6:エンジン
7:ガソリンタンク
8:チャージ通路
9:大気通路
10:スロットルバルブ
11:吸気通路
12:パージ通路
51:外周壁
52:セル
53:隔壁
54:補強部
55:活性炭部
56:マクロ孔
57:メソ孔
58:ミクロ孔
59:炭化水素

Claims (5)

  1. 外周壁の内側に複数の隔壁で区画形成されたセルを備え、前記外周壁および隔壁が活性炭粒子と、活性炭粒子を結合する粘土状物質で形成される結合相とからなるハニカム構造体であって、ガス吸着法を用いて測定した前記外周壁および隔壁に存在する直径5〜7nmの細孔容積が253mm/g以上、直径13〜15nmの細孔容積が90mm/g以上であることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記活性炭粒子の内部に存在する細孔の直径(D)(nm)および細孔容積(V)(mm/g)の関係がV=593D−0.98−30〜593D−0.98+30の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記結合相に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記外周壁および隔壁の熱伝導率が1W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体をガソリン蒸気の流路に吸着剤として装着したことを特徴とするキャニスター。
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