JP2007116960A - さとうきび汁凍結物 - Google Patents
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Abstract
【課題】さとうきび汁に含まれているビタミン類その他の栄養成分が失われることなく、しかも口あたりが良く、保存性が良好な食品を提供する。
【解決手段】さとうきびを水洗い後、電解で生成したpH2.7〜3.0の酸性水で洗浄し、再び水洗いした後さとうきびを搾汁し、得られたさとうきび汁をフィルターに通し、混入物を除去し30〜50kHz超音波振動と紫外線照射で殺菌し、真空袋に充填・封入したさとうきび汁を、75〜85℃、8〜12分間加熱殺菌し、さらに急速冷却して凍結させる。
【選択図】図1
【解決手段】さとうきびを水洗い後、電解で生成したpH2.7〜3.0の酸性水で洗浄し、再び水洗いした後さとうきびを搾汁し、得られたさとうきび汁をフィルターに通し、混入物を除去し30〜50kHz超音波振動と紫外線照射で殺菌し、真空袋に充填・封入したさとうきび汁を、75〜85℃、8〜12分間加熱殺菌し、さらに急速冷却して凍結させる。
【選択図】図1
Description
本発明はさとうきび汁凍結物とその製造方法に関する。
さとうきびは、通常その搾汁液中の糖分を精製して砂糖を製造するために用いられている。しかし、この糖分の精製工程において、本来さとうきび中に含まれていたタンパク質,脂質,各種ミネラル,ビタミン類等種々の栄養成分が失われてしまっていた。
黒砂糖は、さとうきび汁に石灰を混ぜて煮詰めるだけであるから、精製糖に比べるとビタミンB1,B2,ナイアシン等のビタミン類、カルシウム,鉄,ナトリウム,カリウム等のミネラル類のほか、ストレスに対する抵抗性や、持久力の増強、コレステロールの低下、中性脂肪の分解に効果があるとされるオクタコサナールや、抗酸化性、抗変異原性をもち、健康の維持に寄与することが知られているポリフェノール類も含まれている。
これらのことから黒砂糖は、健康食品として広く注目されているものの、独特の風味があり、多少くどい味が残ることから多量に摂取するには抵抗があった。
これらのことから黒砂糖は、健康食品として広く注目されているものの、独特の風味があり、多少くどい味が残ることから多量に摂取するには抵抗があった。
そこで、さとうきび汁中の全成分をそのまま含有した飲料又は食品が抵抗なく摂取できることが望ましいが、ここで問題となるのは、さとうきび汁は微生物が繁殖しやすく、速やかに腐敗して商品価値が失われることである。
上記の問題を解決するために提案されたのは、サトウキビ搾汁液ともろみ液とを混和することによってpHを低下させ、サトウキビ搾汁液の腐敗を抑制し、保存性を高める方法のほか、サトウキビ搾汁液にクエン酸を加えたり、焼酎を混和させる方法である(例えば、特許文献1参照。)。
pHを低下させて酸性として腐敗を防止する方法は、酸味が強くなるため、さとうきび汁本来の味と全く異なったものとなる欠点がある。また、低酸性で腐敗を完全に防止するには、高圧・高温による殺菌が必要となる。このためには、高圧釜等の装置を必要とするとともに、ビタミン類等の栄養成分が失われるおそれがある。また、黒糖などにみられる独特の風味、くどさ等を軽減することも摂取しやすくするために課せられた課題である。
本発明は、従来の技術が有していた上記の問題を解決し、さとうき汁に含まれる有効成分を損なうことなく、温和な条件で殺菌し、しかもくどさを余り感じない食品を提供しようとするものである。
本発明の第1は、順に遂行される下記の各工程、すなわち、
(1)さとうきびの穂・節々のはかまを取除いて水洗い後、電解で生成した酸性水で洗浄し、再び水洗いする第1工程と、
(2)水洗いしたさとうきびを搾汁し、生じたさとうきび汁をフィルターに通し、混入物を除去する第2工程と、
(3)さとうきび汁に超音波振動を加え、あわせて紫外線照射を行う第3工程と、
(4)さとうきび汁を真空袋に充填し封入する第4工程と、
(5)真空袋に封入したさとうきび汁を加熱殺菌する第5工程と、
(6)真空袋に封入したさとうきび汁を急速冷凍し、凍結する第6工程とからなることを特徴とするさとうきび汁凍結物の製造方法である。
(1)さとうきびの穂・節々のはかまを取除いて水洗い後、電解で生成した酸性水で洗浄し、再び水洗いする第1工程と、
(2)水洗いしたさとうきびを搾汁し、生じたさとうきび汁をフィルターに通し、混入物を除去する第2工程と、
(3)さとうきび汁に超音波振動を加え、あわせて紫外線照射を行う第3工程と、
(4)さとうきび汁を真空袋に充填し封入する第4工程と、
(5)真空袋に封入したさとうきび汁を加熱殺菌する第5工程と、
(6)真空袋に封入したさとうきび汁を急速冷凍し、凍結する第6工程とからなることを特徴とするさとうきび汁凍結物の製造方法である。
本発明の第2は、電解で生成した酸性水のpHが2.7〜3であることを特徴とする本発明の第1に記載されたさとうきび汁凍結物の製造方法である。
酸性水のpHは2.7あれば十分殺菌効果があるが、pHが3よりも高くなると殺菌効果が不十分となるおそれがあるからである。
酸性水のpHは2.7あれば十分殺菌効果があるが、pHが3よりも高くなると殺菌効果が不十分となるおそれがあるからである。
本発明の第3は、超音波振動が30〜50kHzであることを特徴とする本発明の第1又は第2に記載のさとうきび汁凍結物の製造方法である。
超音波振動が40kHz付近で最も効果があったのでこのような請求範囲とした。超音波振動と紫外線照射が互いに補って殺菌効果があがるようにした。
超音波振動が40kHz付近で最も効果があったのでこのような請求範囲とした。超音波振動と紫外線照射が互いに補って殺菌効果があがるようにした。
本発明の第4は、真空袋に封入したさとうきび汁の加熱殺菌は、75〜85℃、8〜12分間であることを特徴とする本発明の第1乃至第3のいずれかに記載されたさとうきび汁凍結物の製造方法である。
80℃付近の温度及び10分前後の時間で温和な条件のもと加熱殺菌することでビタミンその他、こわれやすい栄養成分が失われないようにした。
80℃付近の温度及び10分前後の時間で温和な条件のもと加熱殺菌することでビタミンその他、こわれやすい栄養成分が失われないようにした。
本発明の第5は、真空袋入りさとうきび汁の急速冷凍は10〜20分で−20℃までとすることを特徴とする本発明の第1乃至第4のいずれかに記載されたさとうきび汁の製造方法である。
凍結することで保存性を向上させ、凍結し、アイス状のさとうきび汁を摂食することで、黒砂糖などにあるくどさをやわらげ、摂食しやすくした。
凍結することで保存性を向上させ、凍結し、アイス状のさとうきび汁を摂食することで、黒砂糖などにあるくどさをやわらげ、摂食しやすくした。
本発明の第5は、本発明の第1〜第5のいずれかに記載された製造方法で製造されたさとうきび汁の凍結物である。
本発明のさとうきび汁凍結物は、ビタミン類等、さとうきびに含まれていたこわれやすい栄養成分をそのまま含有し、すぐれた健康食品であるとともに、アイス状に凍結されているので保存性もよく、口あたりも黒砂糖のようなくどさが感じられないので摂食するにあたって抵抗感が少ない。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図2に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るさとうきび汁凍結物の製造工程を示すフローチャートである。
まず、さとうきびの穂・節々のはかまを取除き、水洗いの後、電解で生成した酸性水で洗浄し殺菌を行う。電解装置の陽極で生成した酸性水はpH2.7〜3.0と強酸性であるとともに、次亜塩素酸を一定濃度含むようにすることもでき、さらに殺菌効果が期待できる。
まず、さとうきびの穂・節々のはかまを取除き、水洗いの後、電解で生成した酸性水で洗浄し殺菌を行う。電解装置の陽極で生成した酸性水はpH2.7〜3.0と強酸性であるとともに、次亜塩素酸を一定濃度含むようにすることもでき、さらに殺菌効果が期待できる。
次の搾汁工程では、搾汁機でさとうきび汁を搾りとり、フィルターを通して異物を除去する。
充填前殺菌では、異物除去をしたさとうきび汁を撹拌ボックスへ流し込み40kHzの超音波振動を加える。超音波の照射により、さとうきび汁中に発生した気泡(キャビティ)の収縮・破壊による衝撃圧力により、有害微生物を破壊して殺菌を行うことができる。次に紫外線殺菌ラインにおいて、紫外線照射を同時に2方向より10秒以上行い一次殺菌とする。
充填では、一次殺菌処理をしたさとうきび汁を真空袋に充填し速やかに真空封を行う。
殺菌は、さとうきび汁を真空袋に充填・封入したものを、80℃の熱水で10分の殺菌処理を行い、殺菌完了後、水で冷却する。
冷凍処理では、品質の維持を図るため、アルコール冷凍装置で真空袋に封入したさとうきび汁を急速冷凍する。すなわち、15分間で−20℃まで冷却して凍結させる。
図2は、超音波及び紫外線殺菌装置の概念図である。
さとうきび汁は、ステンレス管1の入口8から装置内に流入する。
撹拌ボックス4内に流入したさとうきび汁は、フェライトビーズからなる振動子3によって加えられた超音波振動によって激しく撹拌され、キャビテーションによって混入している微生物細胞は破壊され断片化する。撹拌ボックス4に挿入されているステンレス管1にはシリコンゴム2,2が嵌め込まれてクッションとなっている。振動子3,3…は信号発生機10から供給される電力によって、超音波を発生し、きび汁に超音波エネルギーを照射する。信号発生機10は、生成される超音波の位相又は周波数を変調するために調整可能であることが好ましい。超音波の振動数は30〜50kHz、好ましくは40kHzである。
さとうきび汁は、ステンレス管1の入口8から装置内に流入する。
撹拌ボックス4内に流入したさとうきび汁は、フェライトビーズからなる振動子3によって加えられた超音波振動によって激しく撹拌され、キャビテーションによって混入している微生物細胞は破壊され断片化する。撹拌ボックス4に挿入されているステンレス管1にはシリコンゴム2,2が嵌め込まれてクッションとなっている。振動子3,3…は信号発生機10から供給される電力によって、超音波を発生し、きび汁に超音波エネルギーを照射する。信号発生機10は、生成される超音波の位相又は周波数を変調するために調整可能であることが好ましい。超音波の振動数は30〜50kHz、好ましくは40kHzである。
紫外線殺菌ライン5の中を貫通している透明管7は、シリコンゴム2でステンレス管1に接続しており、さとうきび汁は約10秒以上の時間をかけて、両側に配設されている紫外線殺菌灯6,6の照射を受けて殺菌される。
透明管7は、強化ガラス又は強化アクリル透明管で作られているが、好ましくは石英管を用いるとよい。
1 ステンレス管
2 シリコンゴム
3 振動子
4 撹拌ボックス
5 紫外線殺菌ライン
6 紫外線殺菌灯
7 透明管
8 さとうきび汁入口
9 さとうきび汁出口
10 信号発生機
2 シリコンゴム
3 振動子
4 撹拌ボックス
5 紫外線殺菌ライン
6 紫外線殺菌灯
7 透明管
8 さとうきび汁入口
9 さとうきび汁出口
10 信号発生機
Claims (6)
- 順に遂行される下記の各工程、すなわち、
(1)さとうきびの穂・節々のはかまを取除いて水洗い後、電解で生成した酸性水で洗浄し、再び水洗いする第1工程と、
(2)水洗いしたさとうきびを搾汁し、生じたさとうきび汁をフィルターに通し、混入物を除く第2工程と、
(3)さとうきび汁に超音波振動を加え、あわせて紫外線照射を行う第3工程と、
(4)さとうきび汁を真空袋に充填し封入する第4工程と、
(5)真空袋に封入したさとうきび汁を加熱殺菌する第5工程と、
(6)加熱殺菌した真空袋入りさとうきび汁を急速冷凍し、凍結する第6工程とからなることを特徴とするさとうきび汁凍結物の製造方法。 - 電解で生成した酸性水のpHが2.7〜3であることを特徴とする請求項1記載のさとうきび汁凍結物の製造方法。
- 超音波振動が30〜50kHzであることを特徴とする請求項1又は2記載のさとうきび汁凍結物の製造方法。
- 真空袋に封入したさとうきび汁の加熱殺菌は、75〜85℃、8〜12分間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のさとうきび汁凍結物の製造方法。
- 真空袋入りさとうきび汁の急速冷凍は10〜20分で−20℃までとすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のさとうきび汁凍結物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法で製造されたさとうきび汁凍結物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005312104A JP2007116960A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | さとうきび汁凍結物 |
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JP2007116960A true JP2007116960A (ja) | 2007-05-17 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009247327A (ja) * | 2008-04-11 | 2009-10-29 | Integration:Kk | 炊飯材料 |
CN104824778A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-08-12 | 广西大学 | 一种甘蔗汁固体饮料的加工方法 |
US20180035695A1 (en) * | 2015-03-06 | 2018-02-08 | Citrus Junos S. A R.L. | Extraction and concentration of food flavours |
-
2005
- 2005-10-27 JP JP2005312104A patent/JP2007116960A/ja active Pending
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