JP2007115449A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電効率を向上できる、燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システム100は、セルスタック102、セルスタック102のカソード104cに空気を供給するためのエアポンプ148、セルスタック102とエアポンプ148との間に設けられる防錆用バルブ158、および燃料電池システム100を制御するコントローラ156を備える。防錆用バルブ158は、弁軸176a、弁板176bおよび係合子176cを含む弁176と、係合子176cに係合する規制部材178と、規制部材178を移動させるソレノイド166とを含む。流路の開状態および流路の閉状態を維持するために、コントローラ156はソレノイド166を制御し、係合子176cに規制部材178を係合させる。
【選択図】 図13

Description

この発明は燃料電池システムに関し、より特定的には、弁を備える燃料電池システムに関する。
たとえば特許文献1には、燃料電池システムの流路に弁を設けることが開示されている。特許文献1の燃料電池システムでは、ポンプの駆動に伴う空気の押圧によって弁が揺動し流路が開となり、ポンプの停止後に重力によって弁が揺動し流路が閉となる。
特開2002−216823
しかし、特許文献1の燃料電池システムでは、空気の押圧によって流路の開状態を維持するので、重力によって閉じようとする弁がポンプによって送り出される空気の抵抗となり、ポンプの負担が大きくなる。このために、ポンプの消費電力が大きくなり、燃料電池システムの発電効率が悪くなるという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、発電効率を向上できる、燃料電池システムを提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料電池、燃料電池に接続される流路に気体を流通させるためのポンプ、流路が閉となるように流路に設けられポンプの駆動に伴う気体の流通によって流路が開となる方向に揺動する弁、弁に係合することによって弁の揺動を規制する規制部材、規制部材を移動させるための駆動手段、および流路が開であるときに規制部材を弁に係合させるために駆動手段を制御する制御手段を備える。
請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、ポンプは燃料電池の上流側に設けられ、弁は燃料電池とポンプとの間で流路に設けられ、制御手段はさらに、流路が閉であるときに規制部材を弁に係合させるために駆動手段を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の燃料電池システムは、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、直接メタノール型燃料電池システムであることを特徴とする。
請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池は、メタノール水溶液が供給されるアノードと、白金を含む触媒が設けられポンプの駆動によって空気が供給されるカソードとを含み、メタノール水溶液を収容する水溶液タンク、および水溶液タンク内の気化したメタノールを含む気体を空気に混入させるために弁とカソードとの間で流路に接続される混入用流路をさらに含むことを特徴とする。
請求項5に記載の燃料電池システムは、請求項2から4のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、ポンプはルーツブロア型ポンプであることを特徴とする。
請求項6に記載の燃料電池システムは、請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、流路が閉となる方向に弁を付勢するための付勢部材をさらに含むことを特徴とする。
請求項7に記載の燃料電池システムは、請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、駆動手段は、直線運動するプランジャを含むソレノイドであることを特徴とする。
請求項8に記載の燃料電池システムは、請求項7に記載の燃料電池システムにおいて、規制部材とプランジャとを連結する連結部材をさらに含むことを特徴とする。
請求項9に記載の燃料電池システムは、請求項1から8のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、弁は、流路を開閉する弁板と、弁板を流路に揺動可能に配置する弁軸と、弁軸に偏心して設けられる係合子とを含み、規制部材は係合子に係合することを特徴とする。
請求項10に記載の輸送機器は、請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池システムを搭載したことを特徴とする。
請求項1に記載の燃料電池システムでは、制御手段が駆動手段を制御することによって、流路が開であるときに規制部材を移動させて規制部材を弁に係合させる。つまり、開いている弁の揺動を規制部材によって規制し、流路の開状態を維持する。したがって、気体の押圧によって流路の開状態を維持する場合に比べ、ポンプの圧力を小さくでき、ポンプの負担を低減できる。ひいては、ポンプの消費電力を抑えることができ、発電効率を向上できる。
請求項2に記載の燃料電池システムでは、制御手段が駆動手段を制御することによって、流路が閉であるときに規制部材を移動させて規制部材を弁に係合させる。つまり、閉じている弁の揺動を規制部材によって規制し、流路の閉状態を維持する。これによって、燃料電池と燃料電池の上流側に設けられるポンプとを確実に遮断できる。したがって、蒸気の逆流を防止でき、蒸気の侵入によってポンプ内部が錆びて故障することを防止できる。
メタノールを改質せずにダイレクトに発電に利用する直接メタノール型燃料電池システムでは、アノードからのクロスオーバーによってカソードに大量の蒸気が発生する。このために、直接メタノール型燃料電池システムでは、ポンプの停止後に蒸気がポンプに逆流しやすい。請求項3に記載の燃料電池システムでは、燃料電池とポンプとを確実に遮断できるので、直接メタノール型であってもポンプの故障を防止できる。
近年、直接メタノール型燃料電池システムにおいて水溶液タンク内の気化したメタノールをカソードに与え白金を含む触媒によって無害にする技術が提案されている。この場合、ポンプの停止後に気化したメタノールもポンプに逆流するおそれがあり、さらにポンプが故障しやすくなる。請求項4に記載の燃料電池システムでは、燃料電池とポンプとを確実に遮断できるので、水溶液タンク内の気化したメタノールをカソードに与える構成であってもポンプの故障を防止できる。
ルーツブロア型ポンプでは、寸法精度を保つために内部に表面処理(防錆処理)がなされないことが多く、内部への蒸気の侵入によって特に錆が発生しやすく故障しやすい。請求項5に記載の燃料電池システムでは、燃料電池とポンプとを確実に遮断できるので、錆びやすいルーツブロア型ポンプであっても故障を防止できる。
請求項6に記載の燃料電池システムでは、付勢部材によって流路が閉となる方向に弁が付勢されるので、弁の配置態様に拘わらず流路を隙間なく塞ぐことができ、ポンプへの蒸気の逆流をより確実に防止できる。
請求項7に記載の燃料電池システムでは、プランジャを直線運動させるソレノイドが駆動手段として用いられる。このようなソレノイドを駆動手段として用いることによって、規制部材を簡単に直線的に移動させることができ、構成を簡単にできる。
請求項8に記載の燃料電池システムでは、規制部材とソレノイドのプランジャとを連結部材を介して連結することによって、プランジャを流路外に配置できる。これによって、プランジャに錆が発生することを防止でき、ソレノイドの故障を防止できる。
請求項9に記載の燃料電池システムでは、弁軸に設けられる係合子に規制部材を係合させることによって、規制部材の移動量を小さくできる。したがって、駆動手段の消費エネルギーを小さくでき、発電効率をより一層向上できる。
通常、輸送機器は移動に伴って振動するので、弁の状態を維持することが難しい。この発明の燃料電池システムは、弁の状態を確実に維持できるので、請求項10に記載するように輸送機器に好適に用いられる。
この発明によれば、発電効率を向上できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
ここでは、この発明の燃料電池システムを輸送機器の一例である自動二輪車10に搭載した場合について説明する。この発明の実施の形態における左右、前後、上下とは、自動二輪車10のシートにドライバがそのハンドル24に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
自動二輪車10は、車体11と燃料電池システム100とを備えている。
図1〜図7を参照して、車体11は車体フレーム12を含む。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下方に延びる縦断面I字型のフロントフレーム16と、フロントフレーム16の後端部に連結されかつ自動二輪車10の中央部下側から後方へ斜め上方に立ち上がるリヤフレーム18と、リヤフレーム18の上端部に取り付けられるシートレール20とを備えている。フロントフレーム16の後端部はリヤフレーム18の中央部よりもやや下端部寄りの位置に接続され、フロントフレーム16およびリヤフレーム18全体で側面視略Y字状を呈している。
フロントフレーム16は、上下方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びかつ左右方向に対して直交する板状部材16aと、それぞれ板状部材16aの上端縁および下端縁に形成されかつ後方へ斜め下方に延び左右方向に幅を有するフランジ部16bおよび16cと、板状部材16aの両表面に突設される補強リブ16dと、後端部に設けられたとえばボルト等によってリヤフレーム18が連結される連結部16eとを備えている。補強リブ16dは、フランジ部16bおよび16cと共に板状部材16aの両表面を区画して、後述する燃料電池システム100の構成部品を収納する収納スペースを形成している。
一方、図3に示すように、リヤフレーム18は、一対の板状フレーム18a,18bを備えている。板状フレーム18aおよび18bは、それぞれ自動二輪車10の中央部下側から後方へ斜め上方に延びかつ前後方向に幅を有し、フロントフレーム16の連結部16eを挟むように対向配置されている。
図1に示すように、ヘッドパイプ14内には、車体方向変更用のステアリング軸22が回動自在に挿通されている。ステアリング軸22の上端にはハンドル24が固定されたハンドル支持部26が取り付けられており、ハンドル24の両端にはグリップ28が取り付けられている。右側のグリップ28は回動可能なスロットルグリップを構成している。
ハンドル支持部26のハンドル24の前方には表示操作部30が配置されている。表示操作部30は、電動モータ60(後述)の各種データを計測表示するためのメータ30a、走行状態等の各種情報提供用のたとえば液晶ディスプレイ等で構成された表示部30b、および各種情報入力用の入力部30c等が一体化されたものである。ハンドル支持部26における表示操作部30の下方には、ヘッドランプ32が固定されており、ヘッドランプ32の左右両側には、フラッシャランプ34がそれぞれ設けられている。
また、ステアリング軸22の下端には左右一対のフロントフォーク36が取り付けられており、フロントフォーク36それぞれの下端には、前輪38が前車軸40を介して取り付けられている。前輪38は、フロントフォーク36によって緩衝懸架された状態で前車軸40によって回転自在に軸支されている。
一方、板状フレーム18aおよび18bの上端部には、フレーム状のシートレール20が取り付けられている。シートレール20は、板状フレーム18aおよび18bの上端部にたとえば溶接によって固設され、略前後方向に配設されている。シートレール20上には図示しないシートが開閉自在に設けられている。シートレール20の後端部には取り付けブラケット42が固設されており、取り付けブラケット42にはテールランプ44および左右一対のフラッシャランプ46がそれぞれ取り付けられている。
また、板状フレーム18aと18bとの間かつ板状フレーム18aおよび18bの下端部後寄りの位置には、リヤアーム48がピボット軸50を介して揺動自在に支持されている。リヤアーム48の後端部48aには駆動輪である後輪52が回転自在に軸支されており、リヤアーム48および後輪52は、図示しないリヤクッションによってリヤフレーム18に対して緩衝懸架されている。
さらに、板状フレーム18aおよび18bの下端部前側には、リヤフレーム18から左右方向に突出するようにフットレスト取付用バー54が固定され、フットレスト取付用バー54には図示しないフットレストが取り付けられる。フットレスト取付用バー54の後側には、メインスタンド56が回動可能にリヤアーム48に支持されており、メインスタンド56は、リターンスプリング58によって閉じ側に付勢されている。
リヤアーム48の後端部48aよりも内側には、後輪52に連結されかつ後輪52を回転駆動させるためのアキシャルギャップ型の電動モータ60と、電動モータ60に電気的に接続される駆動ユニット62とが配設されている。駆動ユニット62は、電動モータ60の回転駆動を制御するためのコントローラ64を含む。
このような車体11には、車体フレーム12に沿って燃料電池システム100が搭載されている。燃料電池システム100は、電動モータ60やその他の構成部品を駆動するための電気エネルギーを生成する。
以下、燃料電池システム100について説明する。
燃料電池システム100は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに発電に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
燃料電池システム100は、フロントフレーム16の下側に配置される燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)102を含む。
図8および図9に示すように、セルスタック102は、メタノールに基づく水素と酸素との電気化学反応によって電気エネルギーを生成することができる燃料電池(燃料電池セル)104をセパレータ106を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック102を構成する各燃料電池セル104は、固体高分子膜等から構成される電解質(電解質膜)104aと、電解質104aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)104bおよびカソード(空気極)104cとを含む。アノード104bおよびカソード104cの電解質104a側にはそれぞれ、白金を含む触媒層(白金触媒層)が設けられる。
図4等に示すように、セルスタック102はスキッド108上に載せられ、スキッド108はフロントフレーム16のフランジ部16cから吊されるステースタック110によって支持されている。
図6に示すように、フロントフレーム16の下側かつセルスタック102の上側には、水溶液用のラジエータ112と気液分離用のラジエータ114とが配置されている。ラジエータ112と114とは一体的に構成され、その前面が車両の前方やや下向きに配置され、前面に対して直交するように設けられる複数の板状のフィン(図示せず)を有する。このようなラジエータ112および114は、走行時に風を十分に受けることができる。
図6等に示すように、ラジエータ112は、旋回するように形成されるラジエータパイプ116を含む。ラジエータパイプ116は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、ラジエータ入口118a(図5参照)からラジエータ出口118b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ112の裏面側にはラジエータパイプ116と対向するようにラジエータ冷却用のファン120が設けられている。
同様に、ラジエータ114は、それぞれ蛇行するように形成される2本のラジエータパイプ122を含む。各ラジエータパイプ122は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、ラジエータ入口124a(図3参照)からラジエータ出口124b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ114の裏面側にはラジエータパイプ122と対向するようにラジエータ冷却用のファン126が設けられている。
図1〜図7に戻り主に図3を参照して、フロントフレーム16の後側には、上方から順に燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132が配置されている。燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
燃料タンク128は、シートレール20の下側に配置され、シートレール20の後端部に取り付けられている。燃料タンク128は、セルスタック102の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。燃料タンク128はその上面に蓋128aを備え、蓋128aを取り外してメタノール燃料が供給される。
また、水溶液タンク130は、燃料タンク128の下側に配置され、リヤフレーム18に取り付けられている。水溶液タンク130は、燃料タンク128からのメタノール燃料をセルスタック102の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。
燃料タンク128にはレベルセンサ129が装着され、燃料タンク128内のメタノール燃料の液面の高さが検出される。水溶液タンク130にはレベルセンサ131が装着され、水溶液タンク130内のメタノール水溶液の液面の高さが検出される。レベルセンサ129,131で液面高さを検出することによって、タンク内の液量を検出できる。水溶液タンク130内の液面は、たとえば図4においてAで示す範囲内にコントロールされる。
水タンク132は、リヤフレーム18の板状フレーム18aおよび18b間かつセルスタック102の後側に配置される。
また、燃料タンク128の前側かつフロントフレーム16のフランジ部16bの上側には、二次電池134が配置されている。二次電池134は、セルスタック102で生成された電気エネルギーを蓄え、コントローラ156(後述)の指令に応じて電気エネルギーを対応する電気構成部品に供給する。たとえば、二次電池134は、補機類や駆動ユニット62に電気エネルギーを供給する。
二次電池134の上側かつシートレール20の下側には、燃料ポンプ136、測定用バルブ138が配置されている。また、水溶液タンク130の上側にはキャッチタンク140が配置されている。
キャッチタンク140はその上面に蓋140aを備え、たとえば燃料電池システム100を一度も起動したことがない状態(水溶液タンク130が空の状態)において、蓋140aを取り外してメタノール水溶液が供給される。キャッチタンク140は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
また、フロントフレーム16とセルスタック102とラジエータ112,114とによって囲まれた空間には、エアフィルタ142が配置され、エアフィルタ142の後側斜め下側には水溶液フィルタ144が配置されている。
また、図4に示すように、フロントフレーム16の左側の収納スペースには、水溶液ポンプ146およびエアポンプ148が収納されている。図11および図12をも参照して、エアポンプ148は、ルーツブロア型ポンプからなり、ポンプケース148aとポンプケース148a内に収納される2つの略まゆ状の回転子148bとを含む。ポンプケース148aと2つの回転子148bとは、たとえばアルミニウム等の金属からなる。2つの回転子148bは、モータ148cによって駆動され、噛み合うような位置関係を保ちつつも接触することなく回転する。これによって、加圧された空気が送り出される。一般に、ルーツブロア型のエアポンプ148では、寸法精度を保つために、ポンプケース148aの内周面および2つの回転子148bの外周面に表面処理(防錆処理)がなされないことが多い。このためにエアポンプ148では、蒸気が侵入すると内部に錆が発生し、故障の原因となる。エアポンプ148の左側には、エアチャンバ150が配置されている。
さらに、図5に示すように、フロントフレーム16の右側の収納スペースには、前方から順にメインスイッチ152、DC−DCコンバータ154、コントローラ156、防錆用バルブ158および水ポンプ160が配置される。なお、メインスイッチ152はフロントフレーム16の収納スペースを右側から左側に貫通するように設けられている。セルスタック102の前面にはホーン162が設けられている。また、DC−DCコンバータ154は電圧を24Vから12Vに変換し、変換された12Vの電圧によってファン120,126が駆動される。
このように配置される燃料電池システム100の配管について、図4〜図7および図10を参照して説明する。
燃料タンク128と燃料ポンプ136とはパイプP1によって連通され、燃料ポンプ136と水溶液タンク130とはパイプP2によって連通されている。パイプP1は、燃料タンク128の左側面下端部と燃料ポンプ136の左側面下端部とを結び、パイプP2は、燃料ポンプ136の左側面下端部と水溶液タンク130の左側面下端部とを結ぶ。燃料ポンプ136を駆動させることによって、燃料タンク128内のメタノール燃料がパイプP1,P2を介して水溶液タンク130に与えられる。
水溶液タンク130と水溶液ポンプ146とはパイプP3によって連通され、水溶液ポンプ146と水溶液フィルタ144とはパイプP4によって連通され、水溶液フィルタ144とセルスタック102とはパイプP5によって連通されている。パイプP3は、水溶液タンク130の左側面下隅部と水溶液ポンプ146の後部とを結び、パイプP4は、水溶液ポンプ146の後部と水溶液フィルタ144の左側面とを結び、パイプP5は、水溶液フィルタ144の右側面とセルスタック102の前面右下隅部に位置するアノード入口I1とを結ぶ。水溶液ポンプ146を駆動させることによって、水溶液タンク130からのメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144で不純物が除去された後、パイプP5を介してセルスタック102に与えられる。
セルスタック102と水溶液用のラジエータ112とはパイプP6によって連通され、ラジエータ112と水溶液タンク130とはパイプP7によって連通されている。パイプP6は、セルスタック102の後面左上隅部に位置するアノード出口I2とラジエータ112の下面右側端部から引き出されるラジエータパイプ116のラジエータ入口118a(図5参照)とを結び、パイプP7は、ラジエータ112の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出されるラジエータパイプ116のラジエータ出口118b(図3参照)と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。セルスタック102から排出される未反応メタノール水溶液および二酸化炭素は、パイプP6を介してラジエータ112に与えられ温度が下げられ、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。これによって水溶液タンク130内のメタノール水溶液の温度を下げることができる。
上述したパイプP1〜P7は主として燃料の流路となる。
また、エアフィルタ142とエアチャンバ150とはパイプP8によって連通され、エアチャンバ150とエアポンプ148とはパイプP9によって連通され、エアポンプ148と防錆用バルブ158とはパイプP10によって接続され、防錆用バルブ158とセルスタック102とはパイプP11によって接続されている。パイプP8は、エアフィルタ142の後部とエアチャンバ150の中央部よりもやや前方寄りの位置とを結び、パイプP9は、エアチャンバ150の中央部の下側とエアポンプ148の後部左側面とを結び、パイプP10は、板状部材16aの左側に位置するエアポンプ148の後部右側面と板状部材16aの右側に位置する防錆用バルブ158とを結び、パイプP11は、防錆用バルブ158とセルスタック102の後面右上端部に位置するカソード入口I3とを結ぶ。
燃料電池システム100の運転時には、エアポンプ148の駆動に伴って防錆用バルブ158が開き、酸素を含む空気が外部から吸入される。吸入された空気は、エアフィルタ142で浄化された後、パイプP8、エアチャンバ150およびパイプP9を介してエアポンプ148に流入し、さらに、パイプP10、防錆用バルブ158およびパイプP11を介してセルスタック102に与えられる。防錆用バルブ158は、エアポンプ148の停止に伴って閉じられる。これによって、エアポンプ148への蒸気(水蒸気および気化したメタノール等)の逆流を防ぎエアポンプ148の錆を防止する。
ここで図11、図13および図14を参照して、防錆用バルブ158について詳しく説明する。
図11に示すように、防錆用バルブ158は、エアポンプ148の右側に配置され、パイプP10を介してエアポンプ148に接続される。防錆用バルブ158は、略立方体状の筐体164と筐体164に取り付けられる円柱状のソレノイド166を含む。
図13および図14に示すように、筐体164は、後面開口の筐体168と前面開口の筐体170とで板状のガスケット172を挟み、筐体168と170とを複数のボルトで連結することによって構成されている。筐体168および170はそれぞれ、錆びに強いたとえばSUS304等からなる。
駆動手段であるソレノイド166は、上下に直線運動するプランジャ166aを含み、板状の取付部材174を介して筐体170の上面に取り付けられている。ソレノイド166はいわゆるプル型のソレノイドであり、プランジャ166aの動作はコントローラ156によって制御される。具体的に、プランジャ166aは、ソレノイド166への通電によって下方に移動され、ソレノイド166への通電停止によって元の位置に復帰する(上方に移動する)。
図13に示すように、筐体168の左側面には円筒部168aが設けられ、筐体168の右側面には円筒部168bが設けられている。円筒部168aにはパイプP10が接続され、円筒部168bにはパイプP11が接続される(図11参照)。したがって、エアポンプ148によって送り出された空気は、円筒部168aを介して筐体164内に導入され、円筒部168bを介して筐体164内から排出される。
また、筐体164内には弁176および規制部材178が配置されている。弁176は、その一方端部が筐体168の前方側の壁に回転可能に取り付けられる弁軸176aと、弁軸176aの外周面に設けられ防錆用バルブ158を開閉するための弁板176bと、弁軸176aの他方端部近傍に取り付けられる係合子176cとを含む。弁176は、たとえばSUS304等からなる。
弁板176bは、エアポンプ148が停止している状態で円筒部168aの開口部を塞ぐように配置されている。また、弁板176bの円筒部168a側の主面には、円筒部168aの開口部を隙間なく塞ぐためのOリング179(図14において破線で示す)が取り付けられている。係合子176cは、楕円状(カム状)に形成され、弁軸176aに偏心して設けられる。
また、弁軸176aには、係合子176cよりも後側の位置にトーションばね180が設けられている。トーションばね180は、係合子176cに固定される端部から弁軸176aの外周面に巻き付くように延びた後、筐体170の天板に接するように左側から右側に直線状に延びる。このようなトーションばね180は、弁板176bを閉じ側(円筒部168a側)に付勢するための付勢部材として機能する。トーションばね180の弾力は、たとえば、エアポンプ148の出力が90%以上(空気の流量が65L/min)となったときに弁板176bが開き側(円筒部168b側)に揺動するように設定されている。
規制部材178は、蒸気に触れても腐食しにくいたとえばエチレンプロピレンゴムやテフロン(登録商標)等からなり、上端部を一部斜めに切り欠いた円柱状に形成されている。図14に示すように、規制部材178は筐体170を下方から貫通するように配置され、規制部材178の下端部は連結部材182を介してソレノイド166のプランジャ166aに連結されている。したがって、規制部材178はプランジャ166aの上下動に伴って上下に移動する。筐体170の底面には、規制部材178の外周面に密着するOリング183が設けられる。これによって、筐体164内の空気が外部に漏れることはない。
なお、図14にはソレノイド166に通電されていない状態、つまり規制部材178の位置が最も高い状態が示されている。この状態では、規制部材178の上面と係合子176cの側面とが接し、弁軸176aの回転ひいては弁板176bの揺動が規制される。
また、筐体170の右側面には、開閉状態を検出するための開閉センサ184が取り付けられている。開閉センサ184は、たとえば、バリアブルリラクタンス方式に構成され、係合子176cの回転による磁界の変化を信号としてコントローラ156に入力する。これによって、弁板176bの位置ひいては流路の開閉状態を検出できる。
図4〜図7および図10に戻って、セルスタック102と気液分離用のラジエータ114とは2本のパイプP12によって連通され、ラジエータ114と水タンク132とは2本のパイプP13によって連通され、水タンク132にはパイプ(排気管)P14が設けられている。各パイプP12は、セルスタック102の前面左下隅部に位置するカソード出口I4とラジエータ114の下面左側端部から引き出される各ラジエータパイプ122の入口124a(図3参照)とを結び、各パイプP13は、ラジエータ114の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出される各ラジエータパイプ122の出口124b(図3参照)と水タンク132の前面上部とを結び、パイプP14は、水タンク132の後面上部に接続され、一旦上昇しその後下降するようにくの字状に形成されている。セルスタック102のカソード出口I4から排出される水分(水および水蒸気)や二酸化炭素を含む排気は、パイプP12を介してラジエータ114に与えられ、水蒸気が液化される。ラジエータ114からの排気は、パイプP13を介して水と共に水タンク132に与えられ、パイプP14を介して外部に排出される。
上述したパイプP8〜P14は、主として排気の流路となる。パイプP8〜P14の材質としては、蒸気に触れても腐食しにくいたとえばエチレンプロピレンゴムやテフロン(登録商標)等が用いられる。
さらに、水タンク132と水ポンプ160とはパイプP15によって連通され、水ポンプ160と水溶液タンク130とはパイプP16によって連通されている。パイプP15は、水タンク132の右側面下端部と水ポンプ160の中央部とを結び、パイプP16は、水ポンプ160の中央部と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。水ポンプ160を駆動させることによって、水タンク132内の水がパイプP15,16を介して水溶液タンク130に戻される。
上述したパイプP15,P16は水の流路となる。
また、パイプP4には、水溶液ポンプ146によって送り出されパイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するように、パイプP17が接続される。図4に示すように、パイプP17には、パイプP17内でメタノール濃度を測定するための超音波センサ186が取り付けられている。超音波センサ186は、流入したメタノール水溶液のメタノール濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に応じて超音波の伝播速度が変化することを利用してパイプP17内のメタノール水溶液のメタノール濃度を測定するために用いられる。
図4に示すように、濃度センサである超音波センサ186は、超音波を発生させる発信部186aと超音波を検出する受信部186bとを有する。発信部186aは、パイプP4に介挿される。発信部186aにはパイプP17の始端が接続され、パイプP17にはメタノール水溶液が導入される。受信部186bは、パイプP17の終端に接続され二次電池134の左側面に配置される。超音波センサ186では、発信部186aで超音波を発生させ、受信部186bで超音波を受信する。コントローラ156は、発信部186aでの超音波の発生開始から受信部186bでの超音波の受信までの時間に基づいてパイプP17内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する。
受信部186bと測定用バルブ138とはパイプP18によって連通されている。また、測定用バルブ138と水溶液タンク130とはパイプP19によって連通されている。パイプP18は、受信部186bの上面と測定用バルブ138の左側面とを結び、パイプP19は、測定用バルブ138の右側面と水溶液タンク130の上面とを結ぶ。
上述したパイプP17〜P19は主として濃度測定用の流路となる。
さらに、水溶液タンク130とキャッチタンク140とはパイプP20によって連通され、キャッチタンク140と水溶液タンク130とはパイプP21によって連通される。パイプP20は、水溶液タンク130の左側面上隅部とキャッチタンク140の左側面上隅部とを結び、パイプP21は、キャッチタンク140の下端部と水溶液タンク130の左側面下隅部とを結ぶ。水溶液タンク130内にある気体(主に、二酸化炭素、気化したメタノールおよび水蒸気)は、パイプP20を介してキャッチタンク140に与えられる。気化したメタノールと水蒸気とはキャッチタンク140で冷却、液化された後、パイプP21を介して水溶液タンク130に戻される。
また、キャッチタンク140の左側面上端部寄りの位置にはパイプP22が接続されており、パイプP22はパイプP11に接続されている。キャッチタンク140内の気体(二酸化炭素、液化されなかったメタノールおよび水蒸気)は、パイプP22を介してパイプP11の空気に混入され、セルスタック102を構成する各燃料電池セル104のカソード104cに与えられる。
上述したパイプP20〜P22は主として燃料処理のための混入用の流路となる。
このような燃料電池システム100は、メインスイッチ152をオンすることによって起動され、制御手段であるコントローラ156によって制御され、二次電池134によって電気エネルギーが補完される。
ついで、このような燃料電池システム100の電気的構成について、図15を参照して説明する。
燃料電池システム100のコントローラ156は、必要な演算を行い燃料電池システム100の動作を制御するためのCPU188、CPU188にクロックを与えるクロック回路190、燃料電池システム100の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納するための、たとえばEEPROMからなるメモリ192、燃料電池システム100の誤動作を防ぐためのリセットIC194、外部機器と接続するためのインターフェイス回路196、自動二輪車10を駆動する電動モータ60にセルスタック102を接続するための電気回路198における電圧を検出するための電圧検出回路200、電気回路198を流れる電流を検出するための電流検出回路202、電気回路198を開閉するためのON/OFF回路204、電気回路198の過電圧を防止するための電圧保護回路206、電気回路198に設けられるダイオード208、および電気回路198に所定の電圧を供給するための電源回路210を含む。
このようなコントローラ156のCPU188には、レベルセンサ129〜133、開閉センサ184および超音波センサ186からの検出信号が入力される。また、CPU188には、転倒の有無を検知する転倒スイッチ196からの検知信号や、電源をオンオフするためのメインスイッチ152からの入力信号や、各種設定や情報入力のための入力部30cからの信号が与えられる。
メモリ192には、図16および図17に示す動作を実行するためのプログラムや、各種演算データ等が格納される。
また、CPU188によって、燃料ポンプ136、水溶液ポンプ146、エアポンプ148、水ポンプ160、冷却用ファン120,126、検出用バルブ138および防錆用バルブ158等の補機類が制御される。さらに、CPU188によって、各種情報を表示し自動二輪車の搭乗者に各種情報を報知するための表示部30bが制御される。
また、セルスタック102には二次電池134および駆動ユニット62が接続される。二次電池134および駆動ユニット62は電動モータ60に接続される。二次電池134は、セルスタック102からの出力を補完するものであり、セルスタック102からの電気エネルギーによって充電され、その放電によって電動モータ60や補機類に電気エネルギーを与える。
電動モータ60には、電動モータ60の各種データを計測するためのメータ30aが接続され、メータ30aによって計測されたデータや電動モータ60の状況は、インターフェイス回路198を介してCPU188に与えられる。
ついで、燃料電池システム100の運転時の主要動作について説明する。
燃料電池システム100は、メインスイッチ152がオンされることを契機として、水溶液ポンプ146やエアポンプ148等の補機類を駆動し、運転を開始する。
水溶液ポンプ146の駆動によって、水溶液タンク130に収容されるメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144に供給される。そして、水溶液フィルタ144で不純物等が除去されたメタノール水溶液は、パイプP5、アノード入口I1を介してセルスタック102を構成する各燃料電池セル104のアノード104bにダイレクトに供給される。
一方、エアポンプ148の駆動によってエアフィルタ142から吸入された空気(エア)は、パイプP8を介してエアチャンバ150に流入することによって消音される。そして、吸入された空気およびエアチャンバ150に与えられたキャッチタンク140からの気体が、パイプP9〜P11、カソード入口I3を介してセルスタック102を構成する各燃料電池セル104のカソード104cに供給される。
各燃料電池セル104のアノード104bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが化学反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質104aを介してカソード104cに流入し、そのカソード104c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギーが生成される。つまり、セルスタック102において発電が行われる。生成された電気エネルギーは、二次電池134に送られて蓄えられると共に、自動二輪車10の走行駆動等に利用される。
一方、各燃料電池セル104のアノード104bで生成された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、上記電気化学反応によって発生する熱によって温度上昇し(たとえば約65℃〜70℃となる)、未反応メタノール水溶液の一部は気化される。二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、セルスタック102のアノード出口I2を介して水溶液用のラジエータ112内に流入し、ラジエータパイプ116を流れる間にファン120によって冷却される(たとえば約40℃となる)。冷却された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。
一方、各燃料電池セル104のカソード104cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック102のカソード出口I4から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口I4から排出された水蒸気の一部は、ラジエータ114で冷却され露点を下げることによって液化される。ラジエータ114による水蒸気の液化動作は、ファン126を動作させることによって行われる。カソード出口I4からの水は、水蒸気を含む排気(未反応の空気)と共にパイプP12,ラジエータ114およびパイプP13を介して水タンク132内に導入される。
また、各燃料電池セル104のカソード104cでは、キャッチタンク140からの気化したメタノールおよびクロスオーバーによってカソード104cに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と反応して無害な水(水蒸気)と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水(水蒸気)と二酸化炭素とは、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによって各燃料電池セル104のカソード104cに移動した水(水蒸気)が、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。
水タンク132に回収された水は、水ポンプ160の駆動によってパイプP15,P16を介して水溶液タンク130に適宜還流され、メタノール水溶液の水として利用される。
ついで、図16〜図18を参照して、燃料電池システム100における防錆用バルブ158の制御動作について詳しく説明する。なお、図18においては理解を容易にするために、防錆用バルブ158の筐体168、弁176、規制部材178およびOリング179のみを示す。
まず、図16と図18とを参照して、流路を開とする場合の防錆用バルブ158の制御動作について説明する。
まず、エアポンプ148の駆動前に、コントローラ156によって弁板176bが閉じているか否かが判断される(ステップS1)。そして、開閉センサ184からの信号に基づいて弁板176bが閉じていると判断された場合、ソレノイド166への通電が開始される(ステップS3)。
ステップS3では、プランジャ166a(図13および図14参照)ひいては規制部材178が下方に移動し、規制部材178の位置が図18(a)から図18(b)に示すように変更される。これによって、規制部材178が係合子176cから離れ、弁176が解放され、円筒部168aの開口部を塞ぐ弁板176bが揺動可能になる。
つづいてエアポンプ148が駆動され(ステップS5)、開き側に揺動するように弁板176bが空気の押圧を受ける。そして、ステップS7で所定時間(たとえば10秒)が経過するまでに、空気の押圧によって弁板176bが図18(c)に示すように揺動すれば(ステップS9がYES)、ソレノイド166への通電が停止される(ステップS11)。
ソレノイド166への通電が停止されると、プランジャ166aひいては規制部材178が上方に復帰し、図18(d)に示すように、規制部材178が再び係合子176cに係合する。そして、規制部材178が最も高い位置に復帰すると、図18(e)に示す状態になる。図18(e)に示す状態では、係合子176cが規制部材178によって押し上げられ、弁板176bと筐体168の天板とが略平行になる。つまり、規制部材178によって弁板176bを完全に開いた状態が維持される。その後、防錆用バルブ158の制御動作が終了される。
一方、ステップS1において弁板176bが開いている場合、凍結等によって弁176が固着しているものとして別のエラー処理(ステップS13)に移り、その後、防錆用バルブ158の制御動作が終了される。また、ステップS7において所定時間が経過しても弁板176bが閉じている場合も、エアポンプ148が停止され(ステップS15)、ソレノイド166への通電が停止され(ステップS17)、ステップS13に移る。
ついで、図17と図18とを参照して、流路を閉とする場合の防錆用バルブ158の制御動作について説明する。
まず、発電停止等によってエアポンプ148が停止されると(ステップS21)、ソレノイド166への通電が開始される(ステップS23)。これによって、図18(e)に示す状態から規制部材178が下方に移動する。このとき、弁板176bは、空気の押圧を受けていないので、トーションばね180(図13および図14参照)の弾力および重力によって閉じ側に揺動し、図18(b)に示す状態になる。
その後、所定時間(たとえば3秒)が経過すれば(ステップS25)、ソレノイド166への通電が停止される(ステップS27)。これによって規制部材178が上方に復帰し、図18(a)に示す状態になり、規制部材178によって弁板176bを完全に閉じた状態が維持される。その後、防錆用バルブ158の制御動作が終了される。
なお、図16において、ステップS3とS5とを逆の順で行ってもよい。ステップS15とS17とについても同様である。また、図17において、ステップS21とS23とを逆の順で行ってもよい。
このような燃料電池システム100によれば、コントローラ156がソレノイド166を制御することによって、流路が開であるときに規制部材178を移動させ規制部材178を係合子176cに係合させる。つまり、開いている弁板176bの揺動を規制部材178によって規制し、流路の開状態を維持する。したがって、空気の押圧によって流路の開状態を維持する場合に比べ、エアポンプ148の吐出圧力を小さくでき、エアポンプ148の負担を低減できる。ひいては、エアポンプ148の消費電力を抑えることができ、発電効率を向上できる。
また、コントローラ156がソレノイド166を制御することによって、流路が閉であるときに規制部材178を移動させ規制部材178を係合子176cに係合させる。つまり、閉じている弁板176bの揺動を規制部材178によって規制し、流路の閉状態を維持する。これによって、セルスタック102とセルスタック102の上流側に設けられるエアポンプ148とを確実に遮断できる。このように、蒸気の逆流を確実に防止できるので、蒸気の侵入によって内部に錆が発生しやすく故障しやすいルーツブロア型のエアポンプ148であっても故障を防止できる。
セルスタック102とエアポンプ148とを確実に遮断できるので、メタノールおよび水のクロスオーバーによってカソード104cに大量の蒸気が発し、かつ、カソード104cに気化したメタノールが与えられる燃料電池システム100であっても、エアポンプ148の故障を防止できる。
トーションばね180によって流路が閉となる方向に弁176が付勢されるので、防錆用バルブ158の配置態様に拘わらず円筒部168aの開口部を隙間なく塞ぐことができ、蒸気のエアポンプ148への逆流をより確実に防止できる。
ソレノイド166を用いることによって、規制部材178を簡単に直線的に移動させることができ、防錆用バルブ158の構成を簡単にできる。
規制部材178とプランジャ166aとを連結部材182を介して連結することによって、プランジャ166aを筐体164の外に配置できる。これによって、プランジャ166aに錆が発生することを防止でき、ソレノイド166の故障を防止できる。
係合子176cに規制部材178を係合させることによって、弁板176bに規制部材178を係合させる場合と比べて規制部材178ひいてはプランジャ166aの移動量を小さくできる。したがって、ソレノイド166の消費電力を小さくでき、発電効率をより一層向上できる。
また、プル型のソレノイド166を用い、弁板176bが開くときおよび弁板176bが閉じるときにのみソレノイド166に通電しソレノイド166を駆動させることによって、ソレノイド166の消費電力を抑えることができ、発電効率をより一層向上できる。
この発明の燃料電池システム100は、弁176の状態を確実に維持できるので、走行に伴う振動によって弁176の状態を維持することが難しい自動二輪車10に好適に用いられる。
なお、上述の実施形態では、流路の開状態および流路の閉状態を維持する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえば流路の開状態のみを維持するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、プル型のソレノイド166を用いる場合について説明したが、この発明はこれに限定しない。ソレノイド166として、たとえば通電停止後もプランジャの位置が変化しない自己保持型のソレノイドを用いてもよい。さらに、上述の実施形態では、駆動手段としてソレノイド166を用いる場合について説明したが、この発明はこれに限定されず、駆動手段としてたとえばモータ等の任意のアクチュエータを用いることができる。
また、上述の実施形態では、連結部材182を介して規制部材178とプランジャ166aとを連結する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえばソレノイドのプランジャを規制部材として用いてもよい。
また、上述の実施形態では防錆用バルブ158をカソード入口I3の上流側に設ける場合について説明したが、弁の位置および数は任意に設定できる。たとえば、防錆用バルブ158をカソード出口I4の下流側に設けてもよい。
さらに、この発明の燃料電池システムは、自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器に好適に用いることができる。
上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
この発明は、水素ガスを燃料として燃料電池に供給する水素型の燃料電池システムや改質器搭載タイプの燃料電池システムにも適用できる。また、この発明は、小型の据え付けタイプの燃料電池システムにも適用できる。
この発明に係る自動二輪車を示す左側面図である。 自動二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め前方からみた斜視図である。 自動二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め後方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を示す左側面図である。 燃料電池システムの配管状態を示す右側面図である。 燃料電池システムの配管状態を左斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を右斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池セルスタックを示す図解図である。 燃料電池セルを示す図解図である。 燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 エアポンプと防錆用バルブとを右斜め後方からみた斜視図である。 エアポンプの一例を示す図解図である。 防錆用バルブの分解斜視図である。 防錆用バルブの断面図解図である。 燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 流路を開とする場合の防錆用バルブの制御動作を示すフロー図である。 流路を閉とする場合の防錆用バルブの制御動作を示すフロー図である。 弁と規制部材との位置関係を示す図解図である。
符号の説明
10 自動二輪車
100 燃料電池システム
102 燃料電池セルスタック
104b アノード
104c カソード
130 水溶液タンク
148 エアポンプ
156 コントローラ
158 防錆用バルブ
166 ソレノイド
166a プランジャ
176 弁
176a 弁軸
176b 弁板
176c 係合子
178 規制部材
180 トーションばね
182 連結部材
P1〜P22 パイプ



Claims (10)

  1. 燃料電池、
    前記燃料電池に接続される流路に気体を流通させるためのポンプ、
    前記流路が閉となるように前記流路に設けられ前記ポンプの駆動に伴う前記気体の流通によって前記流路が開となる方向に揺動する弁、
    前記弁に係合することによって前記弁の揺動を規制する規制部材、
    前記規制部材を移動させるための駆動手段、および
    前記流路が開であるときに前記規制部材を前記弁に係合させるために前記駆動手段を制御する制御手段を備える、燃料電池システム。
  2. 前記ポンプは前記燃料電池の上流側に設けられ、
    前記弁は前記燃料電池と前記ポンプとの間で前記流路に設けられ、
    前記制御手段はさらに、前記流路が閉であるときに前記規制部材を前記弁に係合させるために前記駆動手段を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 直接メタノール型燃料電池システムである、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池は、メタノール水溶液が供給されるアノードと、白金を含む触媒が設けられ前記ポンプの駆動によって空気が供給されるカソードとを含み、
    前記メタノール水溶液を収容する水溶液タンク、および
    前記水溶液タンク内の気化したメタノールを含む気体を前記空気に混入させるために前記弁と前記カソードとの間で前記流路に接続される混入用流路をさらに含む、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記ポンプはルーツブロア型ポンプである、請求項2から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記流路が閉となる方向に前記弁を付勢するための付勢部材をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記駆動手段は、直線運動するプランジャを含むソレノイドである、請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記規制部材と前記プランジャとを連結する連結部材をさらに含む、請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記弁は、前記流路を開閉する弁板と、前記弁板を前記流路に揺動可能に配置する弁軸と、前記弁軸に偏心して設けられる係合子とを含み、
    前記規制部材は前記係合子に係合する、請求項1から8のいずれかに記載の燃料電池システム。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池システムを搭載した輸送機器。
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