JP2007114143A - 焼結原料の水分計測方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼結鉱の焼結原料に含まれる水分、特に造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く連続的に測定することができる焼結原料の水分計測方法及び装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、照射した赤外線の水による吸収を利用して焼結原料に含まれる水分量を計測する方法であって、焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、前記測定した反射光強度に基づいて前記焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、焼結鉱の焼結原料に含まれる水分、特に造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く連続的に測定することができる焼結原料の水分計測方法及び装置に関する。
焼結鉱の製造工程において、焼結鉱の原料となる焼結原料は、数種類の鉄鉱石、CaO源としての石灰石、SiO及びMgO源としての蛇紋岩、燃料としての粉コークス及び返鉱等から構成されている。通常、これらの原料は、その銘柄毎に原料槽に貯蔵されており、配合割合に応じて定量切り出しされている。切り出された各原料は、原料搬送用のベルトコンベア上で合流し、造粒機まで搬送される。そして、造粒機において、原料に水分が添加されて混合造粒が行われる。さらに、造粒後の原料は、焼結機に供給されて原料充填層が形成され、その最上部が点火される。その後、原料充填層へ大気が下方吸引されることによって焼結反応が充填層の上部から下部に進行する。下部の焼成が完了すると、焼結機排鉱部で破砕された後にクーラーで冷却される。
上記の焼結原料とこれに添加される水分の役割、ひいては水分計測の必要性については次のように考えられる。焼結原料の造粒は、水がバインダーとなって原料の粒子同士が付着することによってなされる。この粒子同士の付着によって生成した造粒物を擬似粒子と称し、擬似粒子の粒径を擬似粒度と称する。擬似粒度を大きくすると、焼結反応が進行する際の原料充填層の通気性が向上する。原料充填層の通気性が向上すると、焼結速度が高まるため、焼結鉱の生産量を確保する上で焼結原料の造粒は重要である。この造粒において、水分は擬似粒度を制御する重要な因子であるため、目標水分が得られるように添加水分を制御する必要がある。
ここで、焼結原料に添加する水分量制御用の測定装置として、比較的繰り返して再現性の良い連続測定が可能であることから、特許文献1〜3や非特許文献1に記載のような赤外線吸収式水分計(以下、赤外線水分計とも称する)が広く使用されている。
より具体的に説明すれば、特許文献1には、連続波長の赤外線を放射する光源からの光を、水分に吸収される1.94μm近傍の波長帯を選択的に透過する狭帯域フィルターと、水分子に吸収されない2.10μm近傍ならびに、2.30μm近傍の波長帯を選択的に透過する狭帯域フィルターとを有するフィルター用回転板を介して、焼結混合原料に照射し、該焼結混合原料からの反射光を受光部に配設された光電変換素子で受光し、前記光電変換素子によって検出された赤外線量から焼結混合原料の水分量を求めることを特徴とする赤外線水分計による焼結混合原料の水分測定方法が提案されている。
また、非特許文献1には、赤外線水分計について次の点が記載されている。まず、吸収波長に関して、通常は水の吸収帯として、1.43μm、1.94μm、2.95μmの3つの波長が用いられること、0〜2%の低水分では2.95μm、0〜30%水分では1.94μm、それ以上の水分では1.43μmが用いられることが記載されている。また、第1表に、鉄鋼・金属における焼結原料の水分はおよそ0〜10%であることが記載されており、このことから鉄鋼・金属における焼結原料の水分測定には、1.94μmの波長が用いられることが示唆されているといえる。さらに、非特許文献1には、赤外線水分計は、水分の相対変化をとらえるもので、絶対値を計測するものではないので、基準となる手分析値(後述する絶乾式水分測定法など)との突き合せを行うことにより初めてオンライン水分計として測定できることが記載されている。
以上に説明した特許文献1や非特許文献1の記載から明らかなように、従来、赤外線水分計を用いた焼結原料の水分測定において、水の吸収波長としては1.9μm近傍、特に1.94μmを中心とした波長帯が用いられてきた。
また、特許文献2には、間欠的に実施される焼結原料の配合変更の都度その直後に、試料を採取して乾燥前後の重量変化から水分を測定する方法(以下、絶乾式水分測定法とも称する)を実施し、その結果に基づいて赤外線水分計の新たな検量線を作成し、この検量線を基に水分測定を行うことが提案されている。
さらに、特許文献3には、ミキサーへの散水量をフィードフォワード制御系とフィードバック制御系とを組合せて制御するに際し、実績水分値として、絶乾式水分測定法と赤外線水分計とによって測定した水分値を併用することが提案されている。
一方、非特許文献2には、焼結原料に含まれる水分は、鉄鉱石の粒子内に吸収される水と、原料粒子間でバインダーとして機能する水とに大別されることが開示されている。より具体的には、原料の真粒の内部に浸透した水や、原料内にもともと化学的に結合している水(いわゆる結晶水)は造粒への寄与が小さいのに対し、原料粒子間にバインダーとして存在する水(原料粒子間水)はその表面張力により粒子同士の結合を進行させるため造粒への寄与が大きいことが開示されている。斯かる理論に基づけば、造粒が適正であるか否かは、焼結原料に含まれる全水分量から原料粒子内に吸収される水分量を差し引いた原料粒子間水の水分量で評価されることになるので、造粒における水分制御を精度良く行うには、原料粒子間水の水分量を精度良く計測することが重要であると考えられる。
特開昭63−63948号公報 特開平6−34532号公報 特開平10−17946号公報 高野聡一郎、「粉粒体プロセスにおける水分計測」、計測技術、2000年5月、p.21−25 佐藤駿ほか3名、「焼結原料の造粒および通気現象のモデル化の検討」、鉄と鋼、Vol.68(1982)p.2174−2181
ここで、赤外線水分計を用いて焼結原料に含まれる水分量を測定する際には、鉄鉱石の種類やその配合比率、副原料の配合比率、粒度、色などによって測定値が影響を受け、誤差が生じるという欠点がある。換言すれば、水分検出感度に比べて、水分以外の影響因子による反射光強度のバラツキ(ひいては吸光度のバラツキ)の方が大きいという欠点がある。
そこで、特許文献1に記載の方法は、水の吸収波長以外の波長を追加して高精度化を試みているが、これでは十分な精度が得られないという問題がある。
また、特許文献2や特許文献3に記載の方法は、赤外線水分計の測定値が前述のように焼結原料の配合比率や粒度等の影響を受けやすいことに鑑み、赤外線水分計と絶乾式水分測定法とを併用し、焼結原料が変わるたびに絶乾式水分測定法で水分量を測定し、赤外線水分計の検量線を修正することで測定精度の向上を図ろうとしているが、測定精度を高めるためには絶乾式水分測定法での測定頻度を高める等の煩雑さが発生するという問題がある。
そして、特許文献1〜3のいずれに記載の方法も、焼結原料の造粒における水分制御に最も影響を与える原料粒子間水の水分量を評価することについては、その解決手段を提示するに至っていない。
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、焼結鉱の焼結原料に含まれる水分、特に造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く連続的に測定することができる焼結原料の水分計測方法及び装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明の発明者らは赤外線水分計について種々の検討を重ねた結果、下記の(1)及び(2)の新しい知見を見出すに至った。すなわち、
(1)焼結原料に赤外線を照射した場合における反射光の赤外分光スペクトルを詳細に検討した結果、水の吸収波長として2.78μm近傍の波長を選択すると、従来使用されていた波長に比べて、焼結原料に含まれる水分量の内、原料粒子間水の水分量の変化に対する検出感度が高いということ、
(2)水の吸収波長として2.78μm近傍の波長を選択して水分量を計測すると、焼結原料の配合比率や粒度等の影響を受け難く、原料粒子間水の水分量との相関が強くなるという知見である。
本発明は、上記発明者らが見出した新しい知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、照射した赤外線の水による吸収を利用して焼結原料に含まれる水分量を計測する方法であって、焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、前記測定した反射光強度に基づいて前記焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むことを特徴とする焼結原料の水分計測方法を提供するものである。
斯かる発明によれば、水の吸収波長として2.78μm近傍の波長を選択することになり、従来使用されていた波長に比べて、焼結原料の配合比率や粒度等の影響を受け難く、しかも造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く連続的に測定することが可能である。
好ましくは、含水前の焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、含水後の焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、前記測定した含水前の焼結原料の反射光強度と前記測定した含水後の焼結原料の反射光強度との差に基づいて、前記含水後の焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むように構成される。
斯かる好ましい構成によれば、含水前の焼結原料(原料粒子間水が存在しないと考えられる焼結原料)と含水後の焼結原料(原料粒子間水が存在する焼結原料)との反射光強度の差(本発明における反射光強度の差とは、文字通り反射光強度の差を意味するのみならず、反射光強度に対応する指標である吸光度等の差も含む広い概念である)に基づいて、含水後の焼結原料に含まれる水分量(原料粒子間水の水分量)を算出するため、いったん反射光強度の差(吸光度の差)と水分量との検量線を絶乾式水分測定法等によって作成しさえすれば、その後に検量線を修正する必要がない或いは検量線の修正頻度を著しく低減できるという利点を有する。
また、前記課題を解決するべく、本発明は、焼結原料に対して赤外線を照射する光源と、前記光源から照射された赤外線の前記焼結原料での反射光を検出する検出素子と、前記光源と前記焼結原料との間、及び/又は、前記焼結原料と前記検出素子との間に配置され、2.78μm近傍の波長の赤外線を選択的に透過させる光学フィルタとを備えることを特徴とする焼結原料の水分計測装置としても提供される。
本発明に係る焼結原料の水分計測方法及び装置によれば、焼結鉱の焼結原料に含まれる水分、特に造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く連続的に測定することが可能である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係る焼結原料の水分計測方法の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る焼結原料の水分計測方法は、照射した赤外線の水による吸収を利用して焼結原料に含まれる水分量を計測する方法であって、焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、前記測定した反射光強度に基づいて前記焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むことを特徴としている。
より具体的に説明すれば、本実施形態に係る水分計測方法は、2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定し吸光度を算出する。そして、絶乾式水分測定法等を用いて測定した焼結原料に含まれる水分量(原料粒子間水の水分量)と、前記算出した吸光度との関係に基づいて予め検量線を作成しておき、この検量線と前記算出した吸光度とに基づいて、焼結原料に含まれる水分量を算出する方法である。以下、本実施形態に係る計測方法によって、焼結鉱の焼結原料に含まれる水分、特に造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く計測できる理由について説明する。
図1は、所定の焼結原料についての含水前サンプル(造粒前の焼結原料をサンプリングし、100℃のオーブンで十分乾燥させたもの)と、含水後サンプル(焼結原料に造粒機において水分を添加し造粒した後にサンプリングしたもの)との赤外分光スペクトルの一例を示す。図1の横軸は波長を、縦軸は分光反射強度を示す。図1に示すように、含水後サンプルの分光スペクトルは、非特許文献1の第1図に示された水の分光吸収特性に酷似しており、1.43μm、1.94μm及び2.95μmにおいて吸収スペクトルが観測された。
図1のみから判断すると、水の吸収波長として従来から用いられている波長を使用することが適当であると考えることが可能である。しかしながら、含水前サンプルのスペクトルにおいても、2.9μm近傍に強い吸収が観測されており、これは、含水前サンプルにおいて乾燥せずに残留していると共に含水後サンプルにおいても存在する、いわゆる結晶水のOH基等による吸収が生じているものと考えられる。
そこで、図1の測定結果から、含水後サンプル及び含水前サンプルの各波長毎の吸光度を算出すると共に、各サンプルの吸光度の差(差分吸光度)を算出した。図2(a)は含水後サンプル及び含水前サンプルの各波長毎の吸光度を、図2(b)は差分吸光度(含水後サンプルの吸光度−含水前サンプルの吸光度)を示す。なお、吸光度は、各サンプルへの赤外線の照射光量をI0とし、各サンプルでの反射光量をIとした場合、下記の式(1)で表される値であり、反射率rの逆数の対数値に相当する値である。
吸光度=ln(I/I0)=ln(1/r) ・・・(1)
図2(b)に示す差分吸光度には、焼結原料に存在する結晶水ではなく、含水後サンプルに存在する原料粒子間水の水分量が反映されていると考えられる。図2(b)に示すように、差分吸光度には2.78μmに最も強い吸収ピークが存在している。すなわち、この波長の光を吸収波長として用いれば、従来使用されていた波長に比べて、原料粒子間水の水分量の変化に対する検出感度が高くなることを示している。この点から、本発明の発明者らは、赤外線水分計において、水の吸収波長を2.78μm近傍とすることが有効であると想到するに至った。
さらに、本発明の発明者らは、赤外線水分計における水の吸収波長として、従来から使用されている波長である1.94μmや2.95μmを用いた場合と、2.78μmを用いた場合とについて、種々の焼結原料(鉄鉱石A〜Eの5種類、及びそれらの配合比や粒度を適宜変更して配合したもの4種類の計9種類の焼結原料)を造粒した際の粒子間水分の水分量と、反射強度(具体的には吸光度)との相関を調査した。
図3に調査結果の一例を示す。図3(a)は水の吸収波長として2.78μmを用いた場合の粒子間水分の水分量と吸光度(差分吸光度)との相関を、図3(b)は水の吸収波長として1.94μmを用いた場合の粒子間水分の水分量と吸光度(差分吸光度)との相関を示す。図3の横軸は、原料粒子間水分の水分量を意味し、造粒前後での水分添加に伴う重量増分として求めた。なお、造粒前原料は、図1や図2に示す結果を得た場合と同様に、100℃のオーブンで十分乾燥させたものを用いた。
図3(a)と(b)との相関係数(R)を比較すると、波長2.78μm(図3(a))では、R=0.819であるのに対し、波長1.96μm(図3(b))ではR=0.49と相関が弱くなっている。また、図示を省略しているが、波長2.95μmでも、R=0.47と相関が弱くなっている。以上の点より、赤外線水分計における水の吸収波長として2.78μm近傍の波長を用いれば、従来使用していた波長に比べ、焼結原料の配合比率や粒度等の影響を受け難く、原料粒子間水の水分量と強い相関を示すことが分かる。
以上の検討結果より、赤外線水分計における水の吸収波長として2.78μm近傍の波長を用いれば、反射光の吸光度自体は、従来と同様に原料粒子間水以外の影響因子(結晶水や焼結原料の配合比率や粒度等)によって変動するものの、原料粒子間水の水分量の変動に伴う吸光度の増分は、上記影響因子に依存せず比較的近い値が得られるといえる。換言すれば、横軸に絶乾式水分測定法等を用いて測定した原料粒子間水の水分量を、縦軸に吸光度をプロットして得られる検量線の定数分(Y切片)は焼結原料に依存するが、その勾配は略一定であるため、少なくとも定数分について適宜検量線を校正しさえすれば、原料粒子間水の水分量を精度良く測定可能である。
これに対して、従来の吸収波長を用いた赤外線水分計においては、焼結原料の配合比率や粒度等によって、検量線の定数分のみならず勾配も変動する。そして、絶乾式水分測定法を用いて一度に測定できるのは、サンプリングした一点の水分量である。従って、絶乾式水分測定法によって一度に測定した水分量を用いて検量線を校正する場合、検量線の定数分又は勾配の何れか一方のみを修正することになり、自ずと十分な校正精度が得られないことになる。検量線の定数分及び勾配の双方を修正するには、水分量の異なる2点以上の絶乾式水分測定法の測定結果が必要であり、測定頻度を高める等の煩雑さが発生することになる。
以上に説明した理由により、前述のように、本実施形態に係る水分計測方法は、焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、前記測定した反射光強度に基づいて前記焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含む構成としている。
なお、以上に説明した本実施形態に係る水分計測方法を実施するための水分計測装置としては、焼結原料に対して赤外線を照射する光源と、前記光源から照射された赤外線の前記焼結原料での反射光を検出する検出素子と、前記光源と前記焼結原料との間、及び/又は、前記焼結原料と前記検出素子との間に配置され、2.78μm近傍の波長の赤外線を選択的に透過させる光学フィルタとを備える構成を採用することが可能である。換言すれば、本実施形態に係る水分計測装置は、例えば特許文献1に開示されているような従来の赤外線水分計(従来装置)と主たる構成要素に変わりはなく、従来装置における光学フィルタを2.78μm近傍の波長の赤外線を選択的に透過させる光学フィルタに置き換える点、反射光を検出する検出素子として2.78μm近傍の波長を検出するのに好ましい素子を用いる点、2.78μm近傍の波長に適した光源やレンズ等を用いる点が従来装置と相違している。
より具体的に説明すれば、本実施形態に係る水分計測装置は、2.78μm近傍の波長を含む赤外線を焼結原料に照射するための光源及びレンズやミラー等の投光光学系と、照射した光の内、焼結原料で反射された光を検出するための検出素子及び検出素子上に反射光を集光するためのレンズやミラー等の検出光学系と、投光光学系又は検出光学系のいずれか一方或いは両方において、投光した光又は反射光の内、少なくとも2.78μm近傍の波長の光を選択的に透過させるフィルタを含むフィルタ機構とを備える。なお、上記フィルタの中心波長は約2.78μmとし、その通過帯域幅は300nm以下とするのが好ましく、図1に示す2.78μm近傍のスペクトルのピークの半値幅程度である100nm程度とするのが特に好ましい。
上記フィルタ機構は、2.78μm近傍の波長の光を選択的に透過させるフィルタと、好ましい構成として3.2μm近傍の波長の光を選択的に透過させるフィルタとを備え、これらのフィルタを時系列的に順次切り替える構成とされている。上記2種類のフィルタを時系列的に順次切り替えるには、例えば、回転円盤の特定半径の円周上に上記2種類のフィルターを配し、この円盤を回転させて、投光光学系又は検出光学系の光軸上を両フィルターが横切る構成を採用すれば良い。なお、3.2μm近傍の波長の光を選択的に透過させるフィルタは、光源から出射される赤外線光量の経時変化、検出素子からの出力信号を増幅するアンプの劣化、レンズやミラー等に付着する汚れなどに伴って、検出される反射光の光量(ひいては吸光度)が変動する影響を補正するために好適に用いられる。より具体的に説明すれば、3.2μm近傍の波長の光についての吸光度を基準として、2.78μm近傍の波長の光についての吸光度を算出(例えば、2.78μm近傍の波長の光の吸光度と3.2μm近傍の波長の光の吸光度との差を、2.78μm近傍の波長の光の吸光度として算出する)すれば、上記のような変動要因は、2.78μm近傍の波長の光と3.2μm近傍の波長の光の双方に生じるため、その影響を低減することが可能である。
また、本実施形態に係る水分計測装置を構成する光源としては、ヒーター線や石英ガラスで封じたハロゲンランプを用いることができる。検出素子としては、PbS又はPbSeであって温度を低温安定に制御したものを用いることができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る水分計測方法によれば、水の吸収波長として2.78μm近傍の波長を選択することになり、従来使用されていた波長に比べて、焼結原料の配合比率や粒度等の影響を受け難く、しかも造粒への寄与が大きいと考えられる原料粒子間に存在する原料粒子間水の水分量を精度良く連続的に測定することが可能である。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る焼結原料の水分計測方法は、含水前の焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、含水後の焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、前記測定した含水前の焼結原料の反射光強度と前記測定した含水後の焼結原料の反射光強度との差に基づいて、前記含水後の焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むことを特徴としている。
より具体的に説明すれば、本実施形態に係る水分計測方法は、造粒前の焼結原料(含水前の焼結原料)をサンプリングして所定の温度で乾燥させた後に、2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定し吸光度を算出する。次に、造粒後の焼結原料(含水後の焼結原料)について2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定し吸光度を算出する。次に、両者の吸光度の差(差分吸光度)を算出する。そして、絶乾式水分測定法等を用いて測定した焼結原料に含まれる水分量(原料粒子間水の水分量)と、前記算出した差分吸光度との関係に基づいて予め検量線を作成しておき、この検量線と前記算出した差分吸光度とに基づいて、造粒後の焼結原料に含まれる水分量を算出する方法である。
本実施形態に係る方法は、含水前後の焼結原料の吸光度の差(差分吸光度)を用いて水分量を算出する構成であるため、第1実施形態と異なり、焼結原料に依存する検量線の定数分(Y切片)が吸光度の差を算出することによって略割愛されることになる。従って、最初に差分吸光度と水分量との検量線を絶乾式水分測定法等によって作成しておきさえすれば、第1実施形態のように、焼結原料の変更に応じて検量線の定数分を修正する必要がない或いは検量線の修正頻度を著しく低減できるという利点を有する。
なお、本実施形態に係る水分計測方法を実施するには、第1実施形態で説明したのと同様の構成を有する水分計測装置を造粒前後の工程にそれぞれ配置すればよく、水分計測装置の構成自体は第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。また、本実施形態において、2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定する含水前の焼結原料としては、造粒前の焼結原料をサンプリングして所定の温度で乾燥させたものに限るものではなく、造粒前のベルトコンベアで搬送される焼結原料を用いることができる他、造粒後に絶乾式水分計で水分量を測定した後のサンプルを用いることも可能である。
図1は、所定の焼結原料についての含水前サンプルと、含水後サンプルとの赤外分光スペクトルの一例を示す。 図2(a)は、図1に示す含水後サンプル及び含水前サンプルの各波長毎の吸光度を、図2(b)は差分吸光度(含水後サンプルの吸光度−含水前サンプルの吸光度)を示す。 図3(a)は水の吸収波長として2.78μmを用いた場合の粒子間水分の水分量と吸光度(差分吸光度)との相関を、図3(b)は水の吸収波長として1.94μmを用いた場合の粒子間水分の水分量と吸光度(差分吸光度)との相関を示す。

Claims (3)

  1. 照射した赤外線の水による吸収を利用して焼結原料に含まれる水分量を計測する方法であって、
    焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、
    前記測定した反射光強度に基づいて前記焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むことを特徴とする焼結原料の水分計測方法。
  2. 含水前の焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、
    含水後の焼結原料に対して照射した赤外線の2.78μm近傍の波長についての反射光強度を測定するステップと、
    前記測定した含水前の焼結原料の反射光強度と前記測定した含水後の焼結原料の反射光強度との差に基づいて、前記含水後の焼結原料に含まれる水分量を算出するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の水分計測方法。
  3. 焼結原料に対して赤外線を照射する光源と、
    前記光源から照射された赤外線の前記焼結原料での反射光を検出する検出素子と、
    前記光源と前記焼結原料との間、及び/又は、前記焼結原料と前記検出素子との間に配置され、2.78μm近傍の波長の赤外線を選択的に透過させる光学フィルタとを備えることを特徴とする焼結原料の水分計測装置。
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