JP2007112882A - レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法 - Google Patents

レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007112882A
JP2007112882A JP2005304805A JP2005304805A JP2007112882A JP 2007112882 A JP2007112882 A JP 2007112882A JP 2005304805 A JP2005304805 A JP 2005304805A JP 2005304805 A JP2005304805 A JP 2005304805A JP 2007112882 A JP2007112882 A JP 2007112882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
laser
laser welding
composition
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005304805A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4695483B2 (ja
Inventor
Hiroshi Mori
森 博志
Makiko Ueda
真紀子 上田
Mitsunobu Nakatani
光伸 中谷
Toshio Watanabe
敏雄 渡辺
Takehiko Nakajima
毅彦 中島
Hideo Nakamura
中村 秀生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
EIDP Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005304805A priority Critical patent/JP4695483B2/ja
Publication of JP2007112882A publication Critical patent/JP2007112882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4695483B2 publication Critical patent/JP4695483B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、熱伝導率の高い樹脂材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物において、熱伝導性の低い空隙を有する材料を添加することにより、レーザー溶着用樹脂組成物の熱伝導を低下させ、低照射エネルギーでレーザー溶着が可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および空隙を有する材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物であり、空隙を有する材料は、例えば中空ガラスまたはシリカである。本発明は、この組成物を用いた成型品および該成型品の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー溶着用樹脂組成物、特に、熱可塑性樹脂および空隙を有する材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物に関する。さらに本発明は、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法に関する。
従来、合成樹脂材料同士を接合する手段として、超音波、振動、摩擦などにより熱を加えて溶着する物理的接合方法や、接着剤を用いる化学的接合方法が知られている。これらの方法に加えて、螺子などを用いる機械的接合方法などもある。近年は、これらの手段に加え、レーザー光を照射して合成樹脂材料を接合するレーザー溶着方法も注目を集めている。
例えば、特開昭60−214931号公報および特開昭62−142092号公報(特許文献1および2)には、一方がレーザーに対して透過性を有する異種の合成樹脂を密着させ、透過性を有する合成樹脂側からレーザーを照射して合成樹脂を接着する技術が開示されている。
このようなレーザーを照射して合成樹脂を接着する場合、合成樹脂によっては、レーザー照射による溶着が効率的に進行しない場合がある。このような場合、合成樹脂に種々の添加剤を添加して樹脂の特性を変化させることが行われている。
レーザー溶着溶樹脂組成物に対する添加剤を開示した文献には、例えば以下のようなものがある。
特開2004−250621号公報(特許文献3)には、耐熱性、寸法安定性、レーザー溶着性が均衡して優れたレーザー溶着用樹脂材料が開示されている。特にこの文献では、上記の溶着用樹脂材料を用いた複合成形体を得ることにより、製品設計自由度を低下させることなく、金属に近い特性を有し、かつ、レーザー光線透過側成形体として適用することのできるレーザー溶着用樹脂材料を提供している。この樹脂材料は(A)熱可塑性樹脂および(B)レーザー光を透過するフィラーの合計100重量%に対して(A)熱可塑性樹脂1〜70重量%および(B)レーザー光を透過するフィラー99〜30重量%を含有する。この文献は、レーザー光を透過するフィラーをレーザー光透過側の成形体の樹脂組成物に含有させることにより、機械強度の向上とレーザー光の透過性の低減防止の両立を図っている。フィラーの材料としてはガラスなどが開示されている。
特開2004−268427号公報(特許文献4)には、波長500〜1200nmの光に対する透過率が15〜80%の第1の樹脂成形体と、ガラス充填材を含み、発泡成形により透過率を0.1〜15%に調整した第2の樹脂成形体とからなる樹脂成形体が開示されている。この文献に記載の発明では、レーザー光を照射する側の第1の樹脂成形体については通常の光透過性の樹脂成形体を用い、レーザー光を吸収して発熱する側の第2の樹脂成形体についてはガラス充填材の添加と発泡とにより透過率を調整することによって、光透過性を維持した上で、レーザー光に対する良好な吸収性を付与し、レーザー溶着を可能にしたことが特徴である。よって、該レーザー溶着方法により得られる本発明の樹脂成形品は、第1及び第2の樹脂成形体がいずれも光透過性を有しており、第2の樹脂成形体に着色剤を添加せずに用いることができるため、樹脂の自然色の状態で得ることができる、というものである。
上記文献はいずれも、レーザー光透過側および吸収側の透過率に着目しているが、樹脂組成物やその成分の熱伝導率についての開示はない。
特開昭60−214931号公報 特開昭62−142092号公報 特開2004−250621号公報 特開2004−268427号公報
本発明は、低照射エネルギーでレーザー溶着が可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであり、レーザー溶着用樹脂組成物において、熱伝導率の低い空隙を有する材料を添加して、レーザー溶着用樹脂組成物の熱伝導率を低下させることで、効率よくレーザー溶着が行えることを見いだしたことに基づく。
本発明は、熱可塑性樹脂および空隙を有する材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物を提供する。さらに、本発明は、この樹脂組成物を準備する工程と、前記組成物を射出成形して樹脂部材を得る工程とを含むレーザー溶着用樹脂部材の製造方法を提供する。
上記組成物および製造方法では、前記空隙を有する材料は中空ガラスまたはシリカであることが好ましく、中空ガラスであることがより好ましい。本発明の組成物は、空隙を有する材料をレーザー溶着用樹脂組成物の全重量に対して1〜50重量%含むことが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリアセタール、およびポリエステルからなる群から選択されることが好ましい。
本発明には、上記製造方法により製造されるレーザー溶着用樹脂部材およびこのレーザー溶着用樹脂部材からなる自動車部品が包含される。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、中空ガラスまたはシリカなどの空隙を有する材料を含有することにより、樹脂部材に成形した場合にその熱伝導率を低下させ、効率的なレーザー溶着を可能とする。また、本発明の組成物を使用することで、少ないレーザーエネルギー照射量で高い溶着強度が得られる。従って、レーザー溶着の効率化やコストの削減が可能となる。
本発明は、熱可塑性樹脂および空隙を有する材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物に関する。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、レーザー溶着用組成物に使用可能な樹脂を使用することができる。好ましくは、比較的高い熱伝導率を有する樹脂が使用される。具体的には、例えば、0.05〜0.6W/m・K、好ましくは0.1〜0.45W/m・Kの熱伝導率を有する樹脂を使用することができる。高い熱伝導性を有する樹脂を用いた場合、空隙を有する材料による少ないレーザーエネルギーでの溶着に関して、より高い効果が得られる。熱伝導率は、JISに記載などの公知の方法を用いて測定されうる。測定装置としては、市販されている装置を用いることができる。
本発明では、特に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂を好適に使用することができる。これらの熱可塑性樹脂は、レーザー溶着に利用可能なものであれば特に限定されない。
これらの熱可塑性樹脂のより具体的な例には、例えば、ポリオレフィンでは、ポリプロピレン、ポリエチレン等を例に挙げることができる。ポリエステルとしては、脂肪族ポリエステルおよび芳香族ポリエステルが含まれる。例えば、脂肪族ポリエステルの例は、ポリε−カプロラクトン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートであり、芳香族ポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートである。また、ポリアセタールとしては、例えばポリオキシメチレンなどを挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、融点の低いものを用いることができる。融点が低いと少ないレーザーエネルギーで融解するため、サイクルの短縮、低出力レーザー装置によるコスト減といった効果を得ることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、本発明の組成物の全重量に基づいて、50〜99重量%、好ましくは70〜95重量%で本発明の組成物に含まれる。
本発明で用いられる空隙を有する材料は、熱伝導率が好ましくは2.5W/m・K以下、より好ましくは1.0W/m・K以下、さらに好ましくは0.3W/m・K以下を有する物質から選択することができる。本発明では、このような熱伝導率を有する中空ガラスおよびシリカであることが好ましい。中空ガラス、シリカの形状は、上記熱伝導率を有する限り特に限定されない。中空ガラスの具体的例としては、例えば住友スリーエム(株)製、グラスバブルスS60HSなどを挙げることができる。また、シリカの具体例としては、例えば株式会社龍森製、シリカMSR−2000を例として挙げることができる。シリカは、比重が1.8g/cm〜2.3g/cmの多孔質シリカであることが好ましい。また、シリカのタイプとしては、合成シリカや溶融シリカが挙げられる。
空隙を有する材料の形状は、強度維持の観点からは、空隙を有する球状・板状であることが好ましく、中空繊維状の形状を有することがより好ましい。さらには、空隙を有する材料は、樹脂との密着性を向上するために、シランカップリング材またはチタネート系カップリング材で表面処理されていることが好ましい。
空隙を有する材料の大きさは、物性維持の点から、球状の場合、平均粒径5〜500μmであることが好ましい。板状、繊維状の場合、厚み7μm〜50μm、長さ100μm〜2000μmであることが好ましい。平均粒径および長さは、繊維長分布測定器等によって測定されうる。
中空ガラスの材質については、剛性を高める観点からは、無機物であることが好ましい。また、レーザー溶着性の観点からは、透過側材料として利用される場合は無機ガラス(珪素酸化物)であることが好ましい。
空隙を有する材料は、本発明の組成物の全重量に基づいて、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%で本発明の組成物に含まれる。
本発明組成物には、上記成分に加えて、カーボンブラック、ニグロシン等の物質を添加することができる。これらの添加量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、0.05〜1重量%、好ましくは、0.1〜0.6重量%である。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない限り任意の割合で他の成分を添加することができる。例えば、酸化防止剤や耐熱安定剤、耐候剤、離型剤及び滑剤、顔料、染料、結晶核剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、他の重合体などを添加することができる。
本発明の組成物は、原材料を任意の配合方法で配合することにより得られる。これらの配合成分は、通常、できるだけ均質化させることが好ましい。具体的には、樹脂組成物は、例えば、全ての原材料をブレンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール、単軸若しくは二軸押出機等の混合機で混合して均質化させて得ることができる。または、樹脂組成物は、一部の原材料を混合機で混合した後、残りの成分を加えて更に混合して均質化させて得ることもできる。または、樹脂組成物は、予めドライブレンドされた原材料を、加熱した押出機で溶融混練して均質化した後、針金状に押出し、次いで所望の長さに切断してペレットとして得ることもできる。
なお、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、レーザー溶着用部材として成形する場合、レーザー透過側およびレーザー吸収側のいずれの部材の材料としても用いることができる。
次に、上記の樹脂組成物を用いた樹脂部材の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、上述の本発明の樹脂組成物を準備する工程と、前記組成物を射出成形して樹脂部材を得る工程とを含む。
レーザー溶着用樹脂組成物の成形は、通常行われる種々の手順により行い得る。例えば、本発明の樹脂組成物ペレットを用いて、射出成形機により成形することができる。本発明では、射出成形が好ましいが、押出成形、圧縮成形、発泡成形、ブロー成形、真空成形、インジェクションブロー成形、回転成形、カレンダー成形、溶液流延等、一般に行われる何れの成形方法を採用することもできる。このような成形により、種々の形状のレーザー溶着用樹脂部材を得ることができる。
本発明は、上記製造方法により製造されるレーザー溶着用樹脂部材を包含する。この樹脂部材は、レーザー光透過側部材および/またはレーザー光吸収側の部材として、レーザー溶着することにより、実用的な製品を与えることができる。例えば、電気・電子用途、自動車用途、一般雑貨用途、建築部材等に有用である。特に本発明では、自動車部品、例えばエンジンルーム内のモジュール部品、インテークマニホールド、アンダーフード部品、ラジエター部品、インパネなどに用いるコックピットモジュール部品に用いることができる。その他の用途としては、例えば、パソコン、液晶プロジェクター、モバイル機器、携帯電話等の電子部品に有用である。
本発明では、レーザー溶着が可能であれば樹脂部材の厚さは特に限定されないが、レーザー透過側部材の厚さ(溶着部分)は、好ましくは10mm以下、より好ましくは0.5〜4mmである。
本発明のレーザー溶着用樹脂部材を用いたレーザー溶着は、例えば以下のようにして行うことができる(図1参照)。図1(a)および(b)は、本発明の一実施形態のレーザー溶着方法である。
図1(a)は溶着される樹脂部材(レーザー透過側部材102、レーザー吸収側部材104)を、段差部分を突き合わせて固定した様子を表す図であり、突き合わされる段差部分を106で表した。図1(b)は溶着の様子を表した図である。図1の各符号は、第1の部材(レーザー透過側部材)102、第2の部材(レーザー吸収側部材)104、レーザー光照射部108、レーザー光をレーザー光源から導くための光ファイバ110、レーザー光照射部108の移動方向112、レーザー光114、および溶接される部分116を表す。なお、第1の部材および第2の部材は、これらを固定するための固定手段(図示せず)により固定される。
溶接される第1の部材102および第2の部材104を台座(図示せず)に適切な固定手段(例えば、クランプ、空気圧で第1および第2の部材の厚み方向に圧力をかけて固定する手段など)により所望の部位で固定し、レーザー光照射部を溶着する部分の開始点にセットする。セッティングは、例えば走査経路などの情報がインプットされた産業用ロボットのアーム(図示せず)によって行われる。なお、第1の部材および第2の部材は、先に説明した本発明に係るレーザー溶着用樹脂組成物を使用する。
次に、レーザー光照射部108が、例えば産業用ロボットのアーム(図示せず)によって溶着部分116に沿って(例えば矢印112に沿って)走査されレーザー溶着が行われる。走査の速度は、溶着される材料によって変化するが、例えばポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン樹脂では、200〜1000cm/分の範囲の走査速度を使用することができる。また、レーザーの出力は、溶着する材料により種々変化するが、例えばポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン樹脂では、10〜180Wの範囲の出力を使用することができる。
なお、図1では、直線状の溶着を説明したが、本方法はこれに限定されず、種々の形状の溶着が可能である。また、溶着される部材(第1の部材および第2の部材)は、図1に示されるような矩形である必要はなく、用途に応じて円形、円筒形、半球形などの種々の形態を取りうる。また、これらの部材は同じまたは異なる厚みを有していてもよく、それぞれ段差を設け、段差部分を互いに接触させて接触させた部分にレーザー光を照射することもできる。
また、上記の説明では、走査はレーザー光照射部108を移動することにより行ったが、台座を、例えばXYZステージとして、台座を走査に合わせて稼働するようにしてもよい。
本発明のレーザー溶着で使用できるレーザー光源は、YAGレーザー(1064nm)、半導体レーザー(例えば、808nm、940nm、980nmなどの近赤外領域の波長を有するもの)などである。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明を制限することを意図するものではない。
実施例1 熱可塑性樹脂として、ポリプロビレン(日本ポリプロ株式会社製、ノバテック PP MA3AH)を準備した。このポリプロピレンに、組成物の全重量に対する含有量が5重量%となるように中空ガラス(住友スリーエム株式会社製、グラスバブルス S60HS)と0.6重量%のカーボンブラックを混合した。混合物を2軸押出機で溶融混練した後、ベレット化した。
射出成形機を用いて調製したペレットから樹脂部材を得た。樹脂部材104の形状は、図2(a)に示すように、段差部分106を有する短冊状の形状とした。樹脂部材の寸法は長さ80mmおよび幅18mmとした。厚みに関しては、全厚3mm、段差部分106の厚さ1.5mmとした。
同様に、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、ノバテック PP MA3AH)を用いた射出成形により、図2(b)に示す樹脂部材を得た。樹脂部材102の寸法は長さ80mmおよび幅18mmとした。厚みに関しては、全厚3mm、段差部分106の厚さ1.5mmとした。
得られた2枚の樹脂部材を、図2(c)に示すように、段差部分で一直線上に重ね合わせ、空気圧で厚み方向に圧力をかけて固定した。ドイツロフィン−シナール製の半導体レーザー(波長940nm、焦点径3mm、最大出力500W)を使用してレーザー溶着を行った。レーザーは、中空ガラスを有さない樹脂部材側から、樹脂部材の接触部分に向けて照射した。照射するレーザー出力(10〜40W)、または走査速度(3〜7cm/秒)を変化(本明細書では異なるレーザー照射条件と称する)させて、種々のサンプルを得た。
異なるレーザー照射条件で溶着されたサンプルについて、島津製作所製引張り試験機を用いて、引張り速度2mm/分で、せん断引張り強度を測定した。レーザーエネルギー量と、せん断引張り強度との関係を調査した。せん断引張強度が最大値を100とした場合に、レーザーエネルギー量を減らす方向に関して、せん断引張強度が90となるレーザーエネルギー量(F90)を求めた。せん断引張強度が90となるレーザーエネルギー量が小さいほど、少ないレーザーエネルギー量で最大値に近いせん断引張り強度が得られることになる。中空ガラスを5wt%導入した系においては、F90は0.10J/mmであった。結果を表1に示す。
実施例2
中空ガラスの含有量を、組成物の全重量に対して15重量%とした以外は、実施例1と同様にして種々のサンプルを得た。異なるレーザー照射条件で溶着されたサンプルについて、実施例1と同様にして、せん断引張り強度を測定した。中空ガラスを15wt%導入した系においては、F90は0.08J/mmであった。結果を表1に示す。
実施例3
中空ガラスの含有量を、組成物の全重量に対して30重量%とした以外は、実施例1と同様にして種々のサンプルを得た。異なるレーザー照射条件で溶着されたサンプルについて、実施例1と同様にして、せん断引張り強度を測定した。中空ガラスを30wt%導入した系においては、F90は0.06J/mmであった。結果を表1に示す。
実施例4
中空ガラスの代わりにシリカ(株式会社龍森製、シリカMSR−2000)を、組成物の全重量に対して20重量%配合した以外は、実施例1と同様にして種々のサンプルを得た。異なるレーザー照射条件で溶着されたサンプルについて、実施例1と同様にして、せん断引張り強度を測定した。シリカを20wt%導入した系においては、F90は0.10J/mmであった。結果を表1に示す。
比較例1 中空ガラスを添加しない以外は、実施例1と同様にして種々のサンプルを得た。異なるレーザー照射条件で溶着されたサンプルについて、実施例1と同様にして、せん断引張り強度を測定した。添加剤を導入しない系においては、F90は0.12J/mmであった。結果を表1に示す。
Figure 2007112882
上述のように、中空ガラスまたはシリカを添加した場合、より低いレーザーエネルギーで、最大強度に近い溶着強度が得られる。つまり、本発明によって、レーザー溶着の際に照射されるレーザーエネルギー量に関する自由度が高まる。少ないレーザーエネルギー照射量で高い溶着強度が得られる場合には、レーザー溶着の効率化やコスト削減が図れる。
(a)はレーザー溶着用部材の一具体例を示す図であり、(b)は、本発明の組成物を使用するレーザー溶着の手順を説明するための図である。 (a)は実施例で使用したレーザー溶着用部材を示す図であり、(b)は、実施例におけるレーザー溶着の手順を説明するための図である。
符号の説明
102 レーザー透過側部材
104 レーザー吸収側部材
104 部材
108 レーザー光照射部
110 光ファイバ
112 移動方向
114 レーザー光
116 溶着部分

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂、および空隙を有する材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
  2. 前記空隙を有する材料は中空ガラスまたはシリカである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記空隙を有する材料は中空ガラスである請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記空隙を有する材料はレーザー溶着用樹脂組成物の全重量に対して1〜50重量%含まれる請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリアセタール、およびポリエステルからなる群から選択される請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 熱可塑性樹脂および空隙を有する材料を含むレーザー溶着用樹脂組成物を準備する工程と、
    前記組成物を射出成形して樹脂部材を得る工程と
    を含む、レーザー溶着用樹脂部材の製造方法。
  7. 前記空隙を有する材料は中空ガラスまたはシリカである請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記空隙を有する材料は中空ガラスである請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記空隙を有する材料は、前記樹脂組成物の全重量に対して1〜50重量%含まれる請求項6に記載の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリアセタール、およびポリエステルからなる群から選択される請求項6に記載の製造方法。
  11. 請求項6から10のいずれか1項に記載の製造方法により製造されるレーザー溶着用樹脂部材。
  12. 請求項11に記載のレーザー溶着用樹脂部材からなる自動車部品。
JP2005304805A 2005-10-19 2005-10-19 レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法 Expired - Fee Related JP4695483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005304805A JP4695483B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005304805A JP4695483B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007112882A true JP2007112882A (ja) 2007-05-10
JP4695483B2 JP4695483B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=38095371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005304805A Expired - Fee Related JP4695483B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4695483B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103029570A (zh) * 2012-12-29 2013-04-10 重庆长安汽车股份有限公司 一种汽车散热器安装架及散热器总成安装结构
CN111655795A (zh) * 2018-01-31 2020-09-11 住友化学株式会社 树脂组合物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250621A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Toray Ind Inc レーザー溶着用樹脂材料およびそれを用いた複合成形体
JP2005329669A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂成形品
JP2006273992A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Toray Ind Inc 溶着用樹脂組成物および樹脂溶着方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250621A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Toray Ind Inc レーザー溶着用樹脂材料およびそれを用いた複合成形体
JP2005329669A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂成形品
JP2006273992A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Toray Ind Inc 溶着用樹脂組成物および樹脂溶着方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103029570A (zh) * 2012-12-29 2013-04-10 重庆长安汽车股份有限公司 一种汽车散热器安装架及散热器总成安装结构
CN111655795A (zh) * 2018-01-31 2020-09-11 住友化学株式会社 树脂组合物
US11753540B2 (en) 2018-01-31 2023-09-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Resin composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP4695483B2 (ja) 2011-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4894761B2 (ja) レーザー溶着用材料及びこれを用いたレーザー溶着方法及び成形品
JP4641377B2 (ja) レーザー溶着用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形品
JP4771371B2 (ja) 異種部材の接合方法及び異種部材接合品
JP4911548B2 (ja) レーザ溶着用樹脂組成物およびそれを用いた複合成形体
US7129439B2 (en) Resin molded body joining method
CN101291798A (zh) 用于激光焊接三个聚合物层的方法以及由该方法生产的制品
JP5302683B2 (ja) レーザー溶着用樹脂組成物及び成形品
JP4724527B2 (ja) レーザー溶着法を用いた樹脂成形品の製造方法
JP2008163167A (ja) レーザー溶着用変性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた複合成形体
JP4695483B2 (ja) レーザ溶着用樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂部材および該樹脂部材の製造方法
US20070131348A1 (en) Process for laser welding
JP2008031393A (ja) レーザー光透過性着色樹脂組成物及びその関連技術
JP2011116933A (ja) レーザー光溶着用プロピレン系樹脂組成物およびその用途
JPWO2018012138A1 (ja) レーザー溶着用樹脂組成物及び成形品、複合成形品及びその製造方法、並びにレーザー光透過性向上方法
JP5256931B2 (ja) レーザー光照射条件の設定方法、レーザー溶着加工方法及びポリアミド樹脂部材溶着体の製造方法
JP4854213B2 (ja) レーザ溶着用樹脂組成物及び成形品
JP2011074394A (ja) レーザー溶着用樹脂組成物、レーザー溶着方法および樹脂成形品
JP2007321077A (ja) レーザー溶着用樹脂組成物、レーザー溶着方法および樹脂成形品
JP2007168163A (ja) 複合成形体
WO2018012139A1 (ja) レーザー溶着用樹脂組成物及び成形品
WO2018216804A1 (ja) 樹脂成形品の接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees