JP2007112655A - 新規酸化チタンおよび新規酸化チタンの合成方法 - Google Patents

新規酸化チタンおよび新規酸化チタンの合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、抗菌剤、消臭剤、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等として有用な新規な結晶構造および/または粒子構造を有する酸化チタンを提供する。
【解決手段】X線回折において、少なくとも2θ=24.10°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有する結晶質酸化チタン。平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、粒子密度が0.01〜0.2g/mlの範囲にあるハニカム状酸化チタン粒子。前記ハニカムを形成する空洞の(入り口の)大きさが0.01〜0.3μmの範囲にあり、空洞壁の厚みが1〜20nmの範囲にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規な結晶構造および/または粒子構造を有する酸化チタンおよび該酸化チタンの製造方法に関する。
さらに詳しくは、触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、抗菌剤、消臭剤、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等として有用な新規な結晶構造および/または粒子構造を有する酸化チタンおよび該酸化チタンの製造方法に関する。
酸化チタンは化学的性質、物理的性質、物理化学的性質において特徴的な性質を有することから種々の用途に用いられている。具体的には触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等として用いられている。近年、酸化チタンナノチューブ(特開平10−152323号公報、特許文献1)、酸化チタン繊維(特許第3616927号(特許文献2)、特開2005−68001号公報(特許文献3))等新たな形状、特性を有する酸化チタンも知られている。
特開平10−152323号公報 特許第3616927号公報 特開2005−68001号公報
しかしながら、従来の酸化チタン粒子は粒子密度が高く、用途によっては性能が不充分で、特に単位酸化チタン重量当たりの活性、吸着量等が不充分で、これらを解決する新規な酸化チタンが求められていた。
本発明者らは、これまでにない結晶構造および形状を有する新規酸化チタンを得るべく種々検討した結果、酸化チタン粉末をアルカリ水溶液に混合し、無撹拌下で水熱処理し、ついで、常温で静置すると新規な結晶構造および/または形状を有する酸化チタン粒子が生成することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]本発明に係る新規の結晶質酸化チタン粒子は、X線回折において、少なくとも2θ=
24.10°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有することを特徴としている。
結晶質酸化チタンの結晶子径が4〜20nmの範囲にあることが好ましい。
[2]前記結晶質酸化チタンは、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、粒子密度が
0.01〜0.2g/mlの範囲にあることが望ましい。
[3]本発明に係る新規のハニカム状酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.5〜10μmの
範囲にあり、粒子密度が0.01〜0.2g/mlの範囲にあることを特徴としている。[4]前記ハニカムを形成する空洞の(入り口の)大きさが0.01〜0.3μmの範囲に
あり、空洞壁の厚みが1〜20nmの範囲にある。
[5]前記ハニカム状酸化チタン粒子は、X線回折において、少なくとも2θ=24.10
°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有する。
[6]結晶子径が4〜20nmの範囲にある。
[7]以上のような結晶質酸化チタンまたはハニカム状酸化チタン粒子は、酸化チタン粉末
をアルカリ水溶液に混合し、無撹拌下、130〜200℃で20〜100時間水熱処理し、ついで、60℃以下に冷却し、24時間以上静置することで製造される。
[8]前記酸化チタン粉末が天然ルチル鉱を粉砕したものである。
[9]前記酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(MT)が10〜300の範囲にある。
本発明によれば、従来にはなかった、新規な結晶構造、新規なハニカム状の粒子構造を有する酸化チタンが得られる。この新規酸化チタンは、従来より知られていた酸化チタンとくらべて、触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、抗菌剤、消臭剤、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等として非常に有用であり、その機能が高い。
以下、本発明について具体的に説明する。
[結晶質酸化チタン]
本発明に係る結晶質酸化チタンは、X線回折において、少なくとも2θ=24.10°
、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有することを特徴としている。このようなX線回折パターンを図1に示す。
従来、結晶性酸化チタンにはアナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン等が公知であるが、本発明の結晶質酸化チタンは全く新規な回折ピークを有し、新規な結晶構造を有している。なお、本発明の新規結晶質酸化チタンには、新規結晶性以外に、アナタース、ルチル、ブルッカイトや無定形の酸化チタンを含んでいてもよい。
本発明に係る結晶質酸化チタンの結晶子径は、通常、4〜20nm、さらには5〜15nmの範囲にあるものは各種用途に用いたときに、その効果が顕著に発現できる。
結晶質酸化チタンの結晶子径が小さいもの場合は、得られたとしても結晶性が低く、充分な性能が発現しないことがある。また、前記範囲を越えて大きいものは、現状得ることが困難である。
なお、結晶子径はX線回折により、デバイーシェラーの式を用いて求めることができる

このような新規な結晶質酸化チタンは、従来のアナタースやルチルなどの酸化チタンに比べて、バンドキャップ、屈折率、密度などが異なるために、新たな触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等の用途に好適に使用できる。
このような結晶質酸化チタンの形状、大きさ等には特に制限されるものではない。
下記に示す本発明に係るハニカム状酸化チタン粒子には、以上の結晶質酸化チタンに含まれるものもある。
[ハニカム状酸化チタン粒子]
つぎに、本発明に係るハニカム状酸化チタン粒子について説明する。
本発明に係るハニカム状酸化チタン粒子は、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、粒子密度が0.01〜0.2g/mlの範囲にあることを特徴としている。
なお、ハニカム状粒子とは概略板状である酸化チタンが集合し、少なくとも粒子の外部表面に開口状態の空洞(マクロポア)を有している。また、このような粒子を毬藻状粒子、ネギ坊主状粒子ということもある。
本発明のハニカム状酸化チタン粒子の平均粒子径および粒子密度が前記範囲内にあるものは、触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、抗菌剤、消臭剤、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等として非常に有用であり、その機能性にも優れている。
粒子径は上記範囲であれば、また特に制限されないが、小さいものは、触媒活性が低下したり、基材への配合が困難となることがある。また、粒子径が大きいものは現状得ることが困難である。なお、より効果的な平均粒子径の範囲は1〜8μmである。
また、ハニカム状酸化チタン粒子は粒子密度が、より効果的には、0.01〜0.1g/mlの範囲である。粒子密度が低いものは、粒子が崩壊しやすく、得ることが困難であり、粒子密度が0.2g/mlを超えるものは得られたとしても、外部表面に開口状態の空洞が少なくなり、本発明の目的とするハニカム状酸化チタン粒子を形成しないことがある。
本発明における粒子密度は、メスシリンダーにハニカム状酸化チタン粒子を入れ、木槌で約5分間タッピングし後、ハニカム状酸化チタン粒子の充填容積を計測し、ハニカム状酸化チタン粒子の重量をハニカム状酸化チタン粒子の充填容積で除して求めることができる。
ハニカム状酸化チタン粒子のハニカムを形成する空洞の入り口の大きさ(すなわちマクロポアの径)は、通常0.01〜0.3μmの範囲にある。なお、入り口の大きさが小さいものは、なんら従来の酸化チタン粒子と変わらないことがあり、また入り口の大きさが大きすぎると、空洞壁の厚みが薄くなりすぎて粒子強度が不充分となることがある。ハニカム状粒子の形状保持という点では、入り口の大きさが0.05〜0.2μmの範囲にあるものがより望ましい。
このような、ハニカム状酸化チタン粒子の走査型電子顕微鏡写真を、図2に示す。
また、本発明のハニカム状酸化チタン粒子の、粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚みは、粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、写真に於ける粒子の中心部の空洞10個(程度)についてノギスを用いて測定し、このような測定を20個の粒子について実施し、その平均値として求めることができる。
ハニカム状酸化チタン粒子のハニカムを形成する空洞の入り口径は、通常、前記粒子径の1/100〜1/5の範囲にある。
また、空洞壁の厚みは、通常1〜20nmの範囲にある。なお、空洞壁の厚みが薄ものは、粒子強度が不充分となり、厚いものは、得られたとしても空洞入り口径が小さ過ぎたり、粒子密度が高くなり、本発明の目的の形状を構成しない場合がある。空洞壁の厚みが、特に2〜15nmの範囲にあると、目的の形状が保持されるとともに、強度の高いハニカム状酸化チタン粒子を得ることができる。
このようなハニカム状酸化チタン粒子は、X線回折において、少なくとも2θ=24.10°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有することが好ましく、結晶子径が4〜20nmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る新規なハニカム状酸化チタン粒子は、従来の繊維状、板状アナタースやルチルなどの酸化チタンに比べて、触媒担持量や吸着量が大きく、さらには外部に開放された空洞を有し、この空洞の径が0.01〜0.3μmと大きいために、この空洞に別の活性成分として、粒子径が約0.01〜0.1μmの活性成分を析出させたり、あらかじめ、粒子径などを最適となるように調製した金属コロイド粒子、無機酸化物粒子などを担持
することができる。このため、触媒、触媒担体、吸着剤、光触媒、光学材料、化粧料配合剤、顔料、塗料、充填剤、エレクトロニクス材料等の用途に好適に使用できる。
さらに各種成型体に成型加工してもよく、加工方法としては特に制限されない。
以上のような結晶性酸化チタンおよびハニカム状酸化チタン粒子は、以下の製造方法で製造することができる。
[製造方法]
本発明に係る新規酸化チタンの製造方法は、酸化チタン粉末をアルカリ水溶液に混合し、無撹拌下、130〜200℃で水熱処理し、ついで、60℃以下に冷却し、24時間以上静置することを特徴としている。
酸化チタン粉末としては、天然あるいは合成の酸化チタンを用いることができ、天然の酸化チタンとしては天然ルチル鉱、キンコウ石等が挙げられ、合成酸化チタンとしては、従来公知の酸化チタンを用いることができ、例えば、塩化チタン、硫酸チタニルなどを水酸化ナトリウムなどの塩基で中和して得た水酸化チタンを加熱焼成して得られる酸化チタン等が挙げられる。
なかでも天然ルチル鉱を用いると、理由は定かではないが、本発明に係る新規な結晶構造および/またはハニカム粒子構造を有する酸化チタンを容易に得ることができる。
酸化チタン粉末は粒子径が10〜500μm、さらには30〜300μmの範囲にあることが好ましい。酸化チタン粉末の粒子径が小さい場合、理由は明らかではないが、ハニカム状酸化チタンが得られないことがある。酸化チタン粉末の粒子径が大きすぎると、後述するアルカリへの溶解速度が小さいためか、新規な結晶性を有する酸化チタンやハニカム状酸化チタンが得られないことがある。
このような酸化チタン粉末をアルカリ水溶液に混合する。アルカリ水溶液としてはNaOH、KOH等の水溶液が用いられ、このとき、酸化チタン粉末のモル数(MT)とアル
カリのモル数(MA)との比(MA)/(MT)が10〜300さらには20〜250の範
囲にあることが好ましい。この範囲であれば、新規な結晶性を有する酸化チタンやハニカム状酸化チタンを得ることができる。
なお、(MA)/(MT)が低いと、酸化チタン粉末のアルカリへの溶解が不充分となったり、結晶化速度が小さくなるためかハニカム状酸化チタンが得られないことがある。(MA)/(MT)が高すぎても新規な結晶性を有する酸化チタンやハニカム状酸化チタンが得られないことがある。
アルカリ水溶液中の酸化チタン粉末の濃度はTiO2として0.3〜2重量%、さらには0.5〜1.5重量%の範囲にあることが好ましい。
アルカリ水溶液中の酸化チタン粉末の濃度が低い場合は、ハニカム状酸化チタンの結晶体が得られない場合があり、高すぎても、原料の酸化チタン粉末が残存し、新規な結晶性を有する酸化チタンに、原料に由来する結晶性が存在したり、得られるハニカム状酸化チタン粒子の純度が低下することがある。
ついで、酸化チタン粉末を混合したアルカリ水溶液を130〜200℃、好ましくは150〜180℃に昇温し、20〜100時間、好ましくは30〜70時間水熱処理する。
このとき、酸化チタン粉末をアルカリ水溶液に混合する際および昇温時を除いて,
撹拌しないことが好ましい。昇温後、撹拌すると水熱処理後の時点で繊維状酸化チタンあるいは管状酸化チタンが生成し、前記した本発明に係る新規な結晶構造の酸化チタンや、ハニカム状酸化チタン粒子が得られないことがある。
水熱処理後、撹拌することなく60℃以下、好ましくは室温まで冷却したのち、24時間以上、好ましくは48時間以上静置する。
冷却する際に撹拌すると、前記した本発明に係る新規な結晶構造の酸化チタンや、ハニカム状酸化チタン粒子が得られないことがある。
静置温度が高いと、本発明の新規な結晶性を有する酸化チタンやハニカム状酸化チタンが得られないことがある。
また、静置時間が短いと、本発明に係る新規な結晶構造および/または粒子構造を有する酸化チタンの結晶性、粒子成長が不充分であったり、収率が不充分となることがある。
このようにして前記した本発明に係る新規な新規な結晶構造の酸化チタンや、ハニカム状酸化チタン粒子が得られる。また、必要に応じて濾過分離し、洗浄し、乾燥し、加熱処理してもよい。
洗浄方法としてはアルカリを除去できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、純水あるいは塩酸などの酸性水を掛けたり、限外濾過膜法、イオン交換樹脂法等を用いることができる。
乾燥方法も従来公知の方法を採用することができ、さらに、加熱処理する方法としては、使用目的によって、雰囲気(酸化雰囲気、還元雰囲気、不活性ガス雰囲気等)、温度を適宜選択することができる。
このようにして得られた酸化チタンは、X線回折において、少なくとも2θ=24.10°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有し、新規な結晶構造を有しており、結晶質酸化チタンは結晶子径が4〜20nmの範囲にある。
また、得られた酸化チタンは、ハニカム状(毬藻状)酸化チタン粒子であり、平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、粒子密度が0.01〜0.2g/mlの範囲にある。
平均粒子径を制御するには、出発原料である酸化チタン粉末の粒子径、酸化チタン粉末のアルカリ水溶液中での濃度、酸化チタン粉末とアルカリのモル比などを調節するなどの方法で行われ、たとえば平均粒子径を前記範囲で大きくするには、酸化チタン粉末の粒子径を大きくしてアルカリへの溶解速度を小さくすればよい。
また上記と同様にして、たとえば、粒子密度を前記範囲で大きくするには、酸化チタン粉末の粒子径を小さくすればよい。
また、得られたハニカム状粒子を粉砕などして、形状を破壊すれば、ハニカム状ではないが、上記新規な結晶構造を有する酸化チタンを得ることができる。必ずしも上記新規な結晶構造を有しないもののハニカム状の酸化チタン粒子を得ることも可能である。
[実施例]
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
酸化チタン(1)の調製
粉砕した天然ルチル鉱粉末(Tiwest Sales Pty. Ltd.製:平均粒子径150μm)1.2gを濃度40重量%のNaOH水溶液200mlに混合した。このとき、酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(MT)は133であった
酸化チタン粉末混合アルカリ水溶液をオートクレーブに充填し、撹拌することなく180℃に昇温し、50時間水熱処理した。その後、25℃に冷却し、48時間静置した。
ついで、濾過分離し、1Nの塩酸10gを含む1000gの蒸留水をかけて洗浄し、120℃で16時間乾燥して酸化チタン(1)を調製した。
得られた酸化チタン(1)について、X線回折により回折ピーク、結晶子径を測定した。
X線回折ピークを図1に示した。
なお、主要回折ピークについては、2θが24.10、28.22、48.16における回折の強度を
強(S)、中(M)、弱(W)として表した。
また、得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、図2に示すとともに平均粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚みを測定した。
さらにまた、前記した方法で粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
酸化チタン(2)の調製
実施例1において、天然ルチル鉱粉末を濃度60重量%のNaOH水溶液200mlに混合し、酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(
T)は200とした以外は同様にして酸化チタン(2)を調製した。得られた酸化チタン(2)について、X線回折により主要回折ピークの強度、結晶子径、平均粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚み、粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
酸化チタン(3)の調製
実施例1において、天然ルチル鉱粉末を濃度32重量%のNaOH水溶液200mlに混合し、酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(
T)は106とした以外は同様にして酸化チタン(3)を調製した。得られた酸化チタン(3)について、X線回折により主要回折ピークの強度、結晶子径、平均粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚み、粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
酸化チタン(4)の調製
実施例1において、水熱処理温度を150℃で実施した以外は同様にして酸化チタン(4)を調製した。得られた酸化チタン(4)について、X線回折により主要回折ピークの強度、
結晶子径、平均粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚み、粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
酸化チタン(5)の調製
実施例1において、水熱処理温度を195℃で実施した以外は同様にして酸化チタン(5)を調製した。得られた酸化チタン(5)について、X線回折により主要回折ピークの強度、
結晶子径、平均粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚み、粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例6]
酸化チタン(6)の調製
実施例1において、天然ルチル鉱粉末を濃度40重量%のKOH水溶液200mlに混合し、酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(MT
)は133とした以外は同様にして酸化チタン(6)を調製した。得られた酸化チタン(6)について、X線回折により主要回折ピークの強度、結晶子径、平均粒子径、空洞の入り口の
大きさおよび空洞壁の厚み、粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例7]
酸化チタン(7)の調製
実施例1において、酸化チタン粉末として天然ルチル鉱粉末(Tiwest Sales Pty. Ltd.製:平均粒子径40μm)1.2gを濃度40重量%のNaOH水溶液 200mlに混合し、酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(
T)は133とした以外は同様にして酸化チタン(7)を調製した。得られた酸化チタン(7)について、X線回折により主要回折ピークの強度、結晶子径、平均粒子径、空洞の入り口の大きさおよび空洞壁の厚み、粒子密度を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
酸化チタン(R1)の調製
実施例1において、水熱処理を撹拌下で行い、その後の静置を実施しなかった以外は同様にして酸化チタン(R1)を調製した。得られた酸化チタン(R1)について同様に評価したところ、X線回折により結晶型がアナターゼで、長さが10μm、径が0.06μmの繊維
状酸化チタン粒子であった。
[比較例2]
酸化チタン(R2)の調製
実施例1において、水熱処理を撹拌下で行った以外は同様にして酸化チタン(R2)を調製した。得られた酸化チタン(R2)について、同様に評価したところ、X線回折により結晶型
がアナターゼで、長さが10μm、径が0.05μmの繊維状酸化チタン粒子であった。
[比較例3]
酸化チタン(R3)の調製
実施例1において、水熱処理後、静置でなく撹拌しながら放置した以外は同様にして酸化チタン(R3)を調製した。得られた酸化チタン(R3)について同様に評価したところ、評価したところ、X線回折により結晶型が無定型で、粒子は凝集物であった。なお、繊維状の
粒子は得られなかった。
[比較例4]
酸化チタン(R4)の調製
実施例1において、水熱処理を撹拌下で行い、ついで、静置せずに撹拌しながら放置した以外は同様にして酸化チタン(R4)を調製した。得られた酸化チタン(R4)について同様に評価したところ、X線回折により結晶型がアナターゼで、長さが10μm、径が0.05
μmの繊維状酸化チタン粒子であった。
本発明に係る新規結晶質酸化チタンのX線回折パターンを示す(実施例1で調製したもの) 本発明に係るハニカム状酸化チタン粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。

Claims (10)

  1. X線回折において、少なくとも2θ=24.10°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有する結晶質酸化チタン。
  2. 結晶子径が4〜20nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の結晶質酸化チタン。
  3. 平均粒子径が0.5〜10μmの範囲にあり、粒子密度が0.01〜0.2g/mlの範囲にあることを特徴とするハニカム状酸化チタン粒子。
  4. 前記ハニカムを形成する空洞の(入り口の)大きさが0.01〜0.3μmの範囲にあり、空洞壁の厚みが1〜20nmの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のハニカム状酸化チタン粒子。
  5. X線回折において、少なくとも2θ=24.10°、2θ=28.22°、2θ=48.16°に回折ピークを有する請求項3または4に記載のハニカム状酸化チタン粒子。
  6. 結晶子径が4〜20nmの範囲にあることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のハニカム状酸化チタン粒子。
  7. 酸化チタン粉末をアルカリ水溶液に混合し、無撹拌下、130〜200℃で20〜100時間水熱処理し、ついで、60℃以下に冷却し、24時間以上静置することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶質酸化チタンの製造方法。
  8. 酸化チタン粉末をアルカリ水溶液に混合し、無撹拌下、130〜200℃で20〜100時間水熱処理し、ついで、60℃以下に冷却し、24時間以上静置することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のハニカム状酸化チタン粒子の製造方法。
  9. 前記酸化チタン粉末が天然ルチル鉱を粉砕したものであることを特徴とする請求項7または8に記載の酸化チタンの製造方法。
  10. 前記酸化チタン粉末のモル数(MT)とアルカリのモル数(MA)との比(MA)/(MT)が10〜300の範囲にあることを特徴とする請求項7または8に記載の酸化チタンの製造方法。

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