JP2007112000A - タイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007112000A
JP2007112000A JP2005305705A JP2005305705A JP2007112000A JP 2007112000 A JP2007112000 A JP 2007112000A JP 2005305705 A JP2005305705 A JP 2005305705A JP 2005305705 A JP2005305705 A JP 2005305705A JP 2007112000 A JP2007112000 A JP 2007112000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
gas barrier
manufacturing
barrier layer
unmodified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005305705A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5166691B2 (ja
Inventor
Sukekazu Takahashi
祐和 高橋
Daisuke Nohara
大輔 野原
Daisuke Kato
大輔 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2005305705A priority Critical patent/JP5166691B2/ja
Publication of JP2007112000A publication Critical patent/JP2007112000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5166691B2 publication Critical patent/JP5166691B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】タイヤのガスバリア層同士のジョイント部をなくすことにより、タイヤのユニフォミティに優れ、ジョイント部からのエア洩れ及びジョイント割れに起因するエア洩れを防止でき、軽量化とガスバリア性の向上とを同時に達成し得るタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解し、溶液とする工程と、未加硫タイヤに該溶液を塗布し、塗膜を形成する工程と、該塗膜を乾燥処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、未加硫タイヤを加硫する工程とを含むタイヤの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア層を具備するタイヤの製造方法に関する。
昨今の省エネルギー化の流れの中、空気入りタイヤを使用する自動車の燃費節減は大きな社会的テーマである。この燃費節減の方策として、タイヤそのものの質量を軽量化することは有効な手段である。従前よりタイヤの空気圧を一定に保持する為のインナーライナー層には、ブチルゴムの様な比較的空気透過性の低いゴムが用いられてきた。しかしブチルゴムの空気透過性とタイヤ内面との接着性を考慮すると、インナーライナー層の厚みは1mmを超える厚さとなり、タイヤ質量を増大させる大きな原因となっていた。
これを解決する方法として、タイヤのインナーライナーをより高バリアの熱可塑性樹脂からなるフィルムに置き換えるという解決法がある。例えば、特許文献1には、エチレン含有量20〜70モル%、ケン化度85モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体60〜99質量%および疎水性可塑剤1〜40質量%からなる樹脂組成物でなるタイヤ内面用インナーライナーが開示されている。
また、特許文献2には、エチレン含有量25〜50モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる空気入りタイヤ用インナーライナーが開示されている。
しかしながら、いずれのインナーライナ−も予め、フィルム状に製膜したエチレン−ビニルアルコール系共重合体組成物を接着剤等でタイヤ内面に貼着するものであり、タイヤにおいてガスバリア層同士のジョイント部があるため、ジョイント割れの問題があると共に、タイヤのユニフォミティも悪かった。
そこで、ガスバリア層同士のジョイント部のジョイント割れをなくし、ガスバリア性を大幅に向上すると共に、タイヤのユニフォミティを改善する方策が望まれていた。
特開2002−52904号公報 特開2004−176048号公報
本発明は、タイヤのガスバリア層同士のジョイント部をなくすことにより、タイヤのユニフォミティに優れ、ジョイント部からのエア洩れ及びジョイント割れに起因するエア洩れを防止でき、軽量化とガスバリア性の向上とを同時に達成し得るタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、エチレン−ビニルアルコール系共重合体溶液を未加硫タイヤに塗布し、ガスバリア層を形成することにより、その目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解し、溶液とする工程と、未加硫タイヤに該溶液を塗布し、塗膜を形成する工程と、該塗膜を乾燥処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、未加硫タイヤを加硫する工程とを含むタイヤの製造方法。
2.未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体とゴム成分との複合組成物を溶媒に溶解し、樹脂/ゴム複合組成物の溶液とする工程と、未加硫タイヤに該樹脂/ゴム複合組成物の溶液を塗布し、塗膜を形成する工程と、該塗膜を乾燥処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、未加硫タイヤを加硫する工程とを含むタイヤの製造方法。
3.樹脂/ゴム複合組成物が、未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体40〜99質量%及びゴム成分1〜60質量%からなる混合物を含む上記2に記載のタイヤの製造方法。
4.未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解する工程の前に、予め電子線を照射し、該未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の一部を架橋する工程をさらに含む上記1〜3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
5.溶媒が、有機溶媒単独又は該有機溶媒と水との混合溶媒である上記1〜4のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
6.有機溶媒がメタノール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン及びトルエンの中から選ばれる少なくとも1種である上記1〜5のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
7.未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶融し、溶融物とする工程と、未加硫タイヤに該溶融物を塗布し、塗膜を形成する工程と、該塗膜を冷却処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、未加硫タイヤを加硫する工程とを含むタイヤの製造方法。
8.予め未加硫タイヤの表面に接着層を配設し、その上にガスバリア層を形成する上記1〜7のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
9.接着層がクロロスルホン化ポリエチレンを含むものである上記8に記載のタイヤの製造方法。
10.塗膜の形成工程と、ガスバリア層の形成工程とを2回以上繰り返し、二層以上のガスバリア層を形成する上記1〜9のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
11.未加硫タイヤにガスバリア層を形成するための塗膜を形成する工程の前及び/又はガスバリア層を形成する工程の後にガスバリア層に隣接する保護層を形成する上記1〜10のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
12.保護層が熱可塑性ウレタン、ナイロン6、ナイロン66、エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンの中から選ばれる少なくとも1種である上記11に記載のタイヤの製造方法。
13.ガスバリア層をタイヤの最内層に形成する上記1〜12のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
14.上記1〜13のいずれかに記載の製造方法により製造されてなるタイヤ。
本発明方法によれば、薄ゲージ化が可能なガスバリア層を具備するタイヤを好適に製造することができる。成型された未加硫タイヤにエチレン−ビニルアルコール系共重合体等の溶液又は溶融物を塗布してガスバリア層を形成するので、従来のブチル系ゴム組成物製インナーライナーでガスバリア性の向上を図る場合と比較してはるかに薄ゲージ化できる。そして、タイヤ成型の拡張によるガスバリア層の拡張部位での薄化がないので、タイヤ径方向で最もガスバリア性が必要な部位に、より厚くガスバリア層を設定することもできる。
さらに、タイヤのガスバリア層同士のジョイント部がないので、タイヤのユニフォミティに優れ、ジョイント部からのエア洩れ及びジョイント割れに起因するエア洩れを防止でき、軽量化とガスバリア性の向上とを同時に達成することができる。
本発明方法に用いられるエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHということがある)は、エチレンとビニルエステルからなる共重合体をアルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。
そして、本発明方法に用いられるEVOHのエチレン含量は好ましくは20〜70モル%であり、より好ましくは25〜50モル%であり、さらに好ましくは30〜48モル%であり、特に好ましくは35〜45モル%である。EVOHのエチレン含量が20モル%以上であれば、柔軟性を確保でき、耐久性、溶融成形性も良好となる。同様な観点から、より好適には25モル%以上であり、さらに好適には30モル%以上であり、特に好適には35モル%以上である。また、ガスバリア性の観点からは、エチレン含量の上限は70モル%以下であり、同様な観点から、より好適には50モル%以下、さらに好適には48モル%以下、特に好適には45モル%以下である。なおここで、EVOHがエチレン含量の異なる2種類以上のEVOHの配合物からなる場合には、配合質量比から算出される平均値をエチレン含量とする。
また、本発明方法に用いられるEVOHのビニルエステル成分のケン化度は90モル%以上であることが好ましい。タイヤのガスバリア層のガスバリア性の観点からは、EVOHのケン化度はより好適には95モル%以上であり、さらに好適には98モル%以上であり、特に好適には99モル%以上である。ケン化度が90モル%以上であれば、EVOHの高湿度時のガスバリア性が確保され、熱安定性が良化する。
本発明方法に用いられるEVOHの好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、21.18N(2160g)荷重下)は0.1〜30g/10分であり、より好適には0.3〜25g/10分である。
なお、EVOH樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、クラレ(株)製「エバール」シリーズ等を用いることができる。
未変性EVOHをガスバリア層として用いた場合は、内圧保持性改良効果は大きいが、弾性率が通常タイヤに用いられているゴムに比べ大幅に高いため、ガスバリア層の柔軟性や耐久性をより向上する目的で必要に応じ、変性することが好ましい。
本発明方法に用いられる変性EVOHとして、例えば、未変性EVOH100質量部に対して、エポキシ化合物1〜50質量部を反応させて得られる変性EVOHが好ましい。より好適には、未変性EVOH100質量部に対してエポキシ化合物2〜40質量部であり、さらに好適には未変性EVOH100質量部に対してエポキシ化合物5〜35質量部である。
未変性EVOHとエポキシ化合物とを反応させて変性EVOHを製造する方法は特に限定されないが、未変性EVOHとエポキシ化合物とを溶液中で反応させる製造法が好適な方法として挙げられる。
溶液反応による製造法では、未変性EVOHの溶液に酸触媒あるいはアルカリ触媒存在下でエポキシ化合物を反応させることによって変性EVOHが得られる。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等のEVOHの良溶媒である極性非プロトン性溶媒が好ましい。反応触媒としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸および3弗化ホウ素等の酸触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキサイド等のアルカリ触媒が挙げられる。これらの内、酸触媒を用いることが好ましい。触媒量としては、未変性EVOH100質量部に対し、0.0001〜10質量部程度が適当である。また、未変性EVOH及びエポキシ化合物を反応溶媒に溶解させ、加熱処理を行うことによっても変性EVOHを製造することができる。
上記変性EVOHの製造に用いられるエポキシ化合物は特に制限はされないが、一価エポキシ化合物であることが好ましい。二価以上のエポキシ化合物である場合、未変性EVOHとの架橋反応が生じゲル、ブツ等の発生によりタイヤのガスバリア層の品質が低下する虞がある。変性EVOHの製造の容易性、ガスバリア性、耐屈曲性および耐疲労性の観点から、好ましい一価エポキシ化合物としてグリシドール及びエポキシプロパンが挙げられる。
上記変性EVOHの酸素透過度は、JIS K7126(B法等圧法、20℃、65%RH)に準拠して測定する場合において、7.6×10-14mol/m2・s・Pa以下であることが好ましく、4.6×10-14mol/m2・s・Pa以下であることがより好ましく、1.5×10-14mol/m2・s・Pa以下であることがさらに好ましい。そして7.6×10-15mol/m2・s・Pa以下であることが特に好ましい。
例えば、未変性EVOHの酸素透過度は、上記測定条件において、通常、エチレン分が27モル%の場合1.0×10-15mol/m2・s・Paであり、エチレン分が44モル%の場合7.6×10-15mol/m2・s・Paである。
本発明方法に用いられる未変性又は変性EVOHは一部架橋されていることが好ましい。この架橋により、タイヤの加硫工程において未変性又は変性EVOHからなる層が著しく変形して均一な層を保持できなくなることを防止し、これにより、ガスバリア層のガスバリア性、耐屈曲性及び耐疲労性を良化することができる。
未変性又は変性EVOHに架橋構造を形成させる方法に関しては特に限定されないが、好ましい方法としてエネルギー線を照射する方法が挙げられる。エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、α線、γ線等の電離放射線が挙げられ、好ましくは電子線が挙げられる。
電子線の照射方法に関しては、電子線照射装置に未変性又は変性EVOHのペレットを導入し、電子線を照射する方法が挙げられる。電子線の線量に関しては特に限定されないが、好ましくは10〜60Mradの範囲内である。照射する電子線量が10Mradより高いと、架橋が進み易くなる。一方、照射する電子線量が60Mrad以下であると未変性又は変性EVOHの劣化が進行し難くなる。より好適には電子線量の範囲は20〜50Mradである。電子線を照射した後、未変性又は変性EVOHのペレットは溶液又は溶融物に処理される。
上記のように、未変性又は変性EVOH単独でガスバリア層を形成してもよいが、ガスバリア性を損なわない範囲で、層の柔軟性、耐屈曲性及び耐疲労性を改良するために、樹脂である未変性又は変性EVOHとゴム成分とを混合して、樹脂/ゴム複合組成物を調製し、これを用いてガスバリア層を形成してもよい。特に、ゴムラテックスとEVOH樹脂溶液とを適当な比率で混合して乾燥固化させることにより、EVOH樹脂の海相中にナノメーターサイズのゴムラテックス粒子が島相として分散した複合材料を得ることができる。この複合材料は、EVOH樹脂の海相が連続層であるためEVOH樹脂のガスバリア性を十分に保持するものであり、また、このEVOH樹脂相中にナノメーターサイズのゴムラテックス粒子が分散することにより柔軟性、伸び特性が高められ、EVOHの脆性破壊挙動が緩和され、延性材料ないしゴム材料に似た特性が得られる。
ここで、ゴム成分は、EVOHとの相溶性、入手の容易さ等の観点から、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体:NBR)、ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン共重合体(SEBS)、ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体(SEEPS)、ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体(SEPS)、ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(SEP)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等が挙げられ、特にNBRが好ましい。
これらのゴムは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。なお、ゴム成分としては、上記のゴムラテックスの1種又は2種以上を用いてもよいし、上記の1種又は2種以上を水及び/又は有機溶媒に溶解又は分散させたものを用いても良い。
なお、EVOH樹脂溶液とゴム成分との混合液の乾燥固化は、適当な混合手段で混合して得られた混合液をオーブン等で乾燥固化するものであっても良いが、2軸押出機を用いて乾燥と混合押出しとを同時に実施するのが好ましい。
また、未変性又は変性EVOHとゴム成分との樹脂/ゴム複合組成物の溶液を得るに際し、予め未変性又は変性EVOHとゴム成分との複合組成物を調製した後、該複合組成物を溶媒に溶解するのが好ましいが、未変性又は変性EVOHとゴム成分とを別個に溶媒に投入後、溶解してもよいし、両者の溶液を混合してもよい。
このようにして得られる上記の樹脂/ゴム複合組成物は、EVOH樹脂の海相中に、粒径10〜100nm程度のゴムラテックスの島相が均一に分散した海島構造を有し、良好なガスバリア性と柔軟性及び伸び特性とを兼備するものである。
上記の樹脂/ゴム複合組成物は、未変性又は変性EVOH40〜99質量%及びゴム成分1〜60質量%からなる混合物を含むことが好ましい。ゴム成分が60質量%以下であれば、EVOHの樹脂層が海相の連続層を形成し易く、ガスバリア確保の観点から好ましい。ゴム成分が1質量%以上あれば、柔軟性、耐屈曲性及び耐疲労性の改良効果を得ることができる。
なお、本発明方法に用いられる樹脂/ゴム複合組成物は、EVOHとゴム成分とで構成されるものであるが、本発明の目的を損なわない範囲で無水マレイン酸変性PP、ポリアミド、アクリル酸エステル、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどを含む共重合体等の、EVOHとゴムラテックス以外の成分を含んでいても良い。
本発明方法において、まず、未変性若しくは変性EVOH又は樹脂/ゴム複合組成物(以下、EVOH等ということがある)を適当な溶媒に溶解し、溶液とする。溶媒としては、有機溶媒単独又は有機溶媒と水との混合溶媒が好ましく、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、イソプロピルアルコール及びグリセロールの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、メタノール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン及びトルエンの中から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。このような溶媒にEVOH等を溶解する際の温度には特に制限はないが、若干の加熱条件とすることが好ましく、40〜80℃、特に50〜70℃であることが好ましい。上記溶液中のEVOH等の濃度は、EVOH等を溶解し得る濃度であれば良く、特に制限はないが、過度に高いと高粘度化して、作業が困難であり、過度に低いと乾燥に時間がかかることから、5〜30質量%、特に10〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明方法において、EVOH等を溶融し、溶融物として用いてもよい。
次に、上述の溶媒に溶解したEVOH等の溶液、あるいはEVOH等を溶融し、溶融物を未加硫タイヤに塗布し、塗膜を形成する。そして、この溶液による塗膜を乾燥処理すれば、あるいはこの溶融物による塗膜を冷却処理すれば、未加硫タイヤにガスバリア層を形成することができる。
乾燥処理は自然乾燥が好ましいが、迅速な処理のため、温風若しくは冷風乾燥又は加温乾燥等の強制乾燥処理を行ってもよい。冷却処理は自然冷却が好ましいが、冷風等による
強制冷却処理を行ってもよい。
また、塗布は、ローラー刷毛、ディスペンサー等による塗布でもよいが、スプレー噴射による塗布が好ましい。
塗布による塗膜の形成と乾燥等によるガスバリア層の形成を2回以上繰り返して2層以上のガスバリア層を形成してもよい。層は、厚さの調整等の目的で同一材料を2層以上形成してもよいし、異なる材料で2層以上としてもよい。
さらに、タイヤ内面の内、ガスバリア性を高める必要性が高い部位のみを2層以上としてもよい。
また、本発明方法においては、ガスバリア層をタイヤの最内面に形成することが特に好ましいが、これに限定するわけではなく、タイヤの外表面等の他のガスバリア効果を奏する部位にガスバリア層を配設してもよい。
本発明方法において、ガスバリア層と未加硫タイヤ内表面との接着をより高めるために、両者の中間に接着層を設けてよい。接着層としては、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体:NBR)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン共重合体(SEBS)、ポリスチレン-ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体(SEEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(SEP)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム等が挙げられ、特にクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)が好ましい。
本発明方法において、ガスバリア層を保護するために、保護層をガスバリア層に隣接して配設することが好ましい。保護層は、ガスバリア層の片側のみでもよいが、両側に配設されることが好ましい。保護層の配設により、ガスバリア層のクラックの発生や成長が抑制され、耐屈曲性及び耐疲労性はさらに改良される。
保護層としては、熱可塑性ウレタン、ナイロン6、ナイロン66、エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン又は無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ハロゲン化ブチルゴム等のブチルゴム、ジエン系エラストマー等が好適なものとして例示される。前記ジエン系エラストマーとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等が好適なものとして例示される。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いられる。保護層(D)の薄膜化及びクラックの発生、伸展抑制の観点から、熱可塑性ウレタン、ナイロン6、ナイロン66、エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン又は無水マレイン酸変性ポリプロピレンが好ましく、熱可塑性ウレタン系エラストマーが特に好ましい。
ところで、ガスバリア層としての、EVOH等の層の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。5μm以上であれば、タイヤ性能に必要なガスバリア性を十分保持できるので好ましく、100μm以下であれば、性能とコストのバランスが可能であり好ましい。
そして、保護層の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。5μm以上であれば、ガスバリア層の保護層として十分役割を果たすので好ましく、100μm以下であれば、性能とコストのバランスが可能であり好ましい。
また、接着層の厚さは、未加硫タイヤ表面、ガスバリア層及び/又は保護層の種類により適宜選択すればよい。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、EVOHのエチレン含有量及びメルトフローレート並びにタイヤのガスバリア指数は、下記の方法に従って測定した。
1.エチレン含有量及びケン化度
重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒とした1H−NMR(核磁気共鳴)測定(日本電子社製「JNM−GX−500型」を使用)によりスペクトルから算出した。
2.メルトフローレート(MFR)
試料とするEVOHを、メルトインデクサーL244(宝工業株式会社製)の内径9.55mm、長さ162mmのシリンダーに充填し、190℃で溶融した後、重さ2160g、直径9.48mmのプランジャーを使用して均等に21.18Nの荷重をかけた。
シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより単位時間当たりに押出される樹脂量(g/10分)を測定し、これをメルトフローとした。但し、EVOHの融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは21.18N(2160g)荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。
3.ガスバリア指数
実施例1〜11及び比較例1、2の13種類の乗用車用空気入りラジアルタイヤについて、空気圧140kPaで80km/hの速度に相当する回転数のドラム上に荷重6kNで押し付けて、10,000km走行を実施した。上記条件で走行したタイヤを用い、内圧保持性を下記条件で評価した。内圧保持性は、試験タイヤを6JJ×15のリムに装着した後、内圧を240kPa充填、3ヶ月後の内圧を測定することで評価し、下式にて、ガスバリア指数として指数化した。
ガスバリア指数=((240−b)/(240−a))×100
なお、式中、aおよびbは、
a:ガスバリア指数の3ヶ月後内圧
b:下記比較例1記載の走行タイヤの3ヶ月後内圧
を表す。
製造例1(変性EVOHの合成)
加圧反応槽に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9モル%の未変性EVOH(メルトフローレート:5.5g/10分(190℃、21.18N(2160g)荷重下))2質量部及びN−メチル−2−ピロリドン8質量部を仕込み、120℃で、2時間加熱撹拌することにより、未変性EVOHを完全に溶解させた。
これに、エポキシ化合物としてグリシドール0.4質量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100質量部に析出させ、多量の蒸留水で充分にN−メチル−2−ピロリドン及び未反応のグリシドールを洗浄し、変性EVOHを得た。
さらに、得られた変性EVOHを粉砕機で粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で充分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、2軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。
製造例2(電子線照射により架橋処理された変性EVOHの製造)
日新ハイボルテージ株式会社製電子線照射装置「生産用キュアトロンEBC200−100」を使用して、上記製造例1で得られたペレットに、加速電圧200kV、照射エネルギー30Mradの条件にて電子線照射し、架橋処理を施した。これにより、電子線照射後のペレットを得た。
製造例3(接着層用塗布液の調製)
表1に記載した各成分の質量部を、有機溶媒としてのトルエン1000質量部に加え、溶解又は分散して接着層用塗布液を調製した。
製造例4(ブチルゴム組成物層用配合組成物の調製)
表2に示す配合処方により調製した。
なお、表1及び表2中の各成分の詳細を以下に示す。
1.Br−IIR: EXXON BIL CHEMICAL社製、商品名「EXXON BROMO BUTYL 222」
2.クロロスルホン化ポリエチレン: デュポン エラストマー社 販売、商品名「ハイパロン」
3.カーボンブラックNB: 東海カーボン(株)社製、商品名「シーストNB」
4.カーボンブラックN−550: 旭カーボン(株)社製、商品名「旭#60」
5.フェノール樹脂: 住友ベークライト(株)社製、商品名「PR−SC−400」
6.ZTC: ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業(株)社製、商品名「ノクセラーZTC」
7.促進剤DM: ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)社製、商品名「ノクセラーDM」
8.促進剤D: ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)社製、商品名「ノクセラーD」
9.ステアリン酸: 新日本理化(株)社製、商品名「ステアリン酸 50S」
10.亜鉛華: ハクスイテック(株)社製、商品名「酸化亜鉛2種 粉末品」
Figure 2007112000
Figure 2007112000
製造例5(樹脂/ゴム複合組成物Aの調製)
製造例1で得た変性EVOHを水とメタノールとの混合液(質量比2:3)に60℃で溶解させて、変性EVOH溶液を調製した。この溶液に日本ゼオン(株)社製 NBRラテックス(商品名「Nipol 1561」)をゴム成分として添加し、2軸押出機を用いて乾燥、混合押出することにより、樹脂/ゴム複合組成物のペレットを得た。なお、変性EVOH/NBRの質量比は、70/30であった。このペレットを製造例2と同じ条件で電子線照射し、架橋処理を施した。これにより、電子線照射後の樹脂/ゴム複合組成物Aのペレットを得た。
製造例6(樹脂/ゴム複合組成物Bの調製)
製造例1で得た変性EVOHを水とメタノールとの混合液(質量比2:3)に60℃で溶解させて、変性EVOH溶液を調製した。また、予め株式会社クラレ製 熱可塑性エラストマー、SEBS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体)(商品名「セプトン S8076」)100gをテトラヒドロフラン1000mlに溶解しゴム溶液とした。次に、変性EVOH溶液にゴム溶液をゴム成分として添加し、2軸押出機を用いて乾燥、混合押出することにより、樹脂/ゴム複合組成物のペレットを得た。なお、変性EVOH/(セプトン S8076)の質量比は、70/30であった。このペレットを製造例2と同じ条件で電子線照射し、架橋処理を施した。これにより、電子線照射後の樹脂/ゴム複合組成物Bのペレットを得た。
実施例1
予め、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層を配設した。製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレット 10gをメタノール900mlに溶解し、溶液とした。この溶液を未加硫タイヤのブチルゴム組成物層の表面に塗布し塗膜を形成した後、自然乾燥により乾燥処理し、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたってガスバリア層を形成した。次に、未加硫タイヤを通常の加硫条件により加硫し、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例2
予め、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層を配設した。製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレット 10gを1Lのステンレス容器に入れ、200℃に加熱し、溶融物とした。この溶融物を未加硫タイヤのブチルゴム組成物層の表面に塗布し塗膜を形成した後、自然冷却により冷却処理し、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたってガスバリア層を形成した。次に、未加硫タイヤを実施例1と同一の加硫条件により加硫し、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例3
予め、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層を配設した後、製造例3で得た接着層用塗布液をブチルゴム組成物層表面に塗布し、乾燥して接着層を形成した。その後、実施例1と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例4
予め、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層を配設した後、製造例3で得た接着層用塗布液をブチルゴム組成物層表面に塗布し、乾燥して接着層を形成した。その後、実施例2と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例5
実施例3と同様にして乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。但し、塗膜の形成工程と、ガスバリア層の形成工程とを2回繰り返したので、タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは40μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例6
まず、熱可塑性ポリウレタン(以下、TPUということがある)(株式会社クラレ製、クラミロン3190)10gをテトラヒドロフラン900mlに溶解してTPU溶液を調製した。
また、予め、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層を配設した後、製造例3で得た接着層用塗布液をブチルゴム組成物層表面に塗布し、乾燥して接着層を形成した。次に、接着層表面にTPU溶液を塗布、乾燥して保護層としての第1TPU層を形成し、その表面に実施例1と同様にしてガスバリア層を形成した。その後、ガスバリア層表面に、さらにTPU溶液を塗布、乾燥して保護層としての第2TPU層を形成した。この未加硫タイヤを実施例1と同一の加硫条件により加硫して、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部での第1TPU層、ガスバリア層及び第2TPU層の厚さはそれぞれ、20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例7
製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレットに代えて、製造例5で得た樹脂/ゴム複合組成物Aのペレットを用いた以外は、実施例3と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例8
製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレットに代えて、製造例5で得た樹脂/ゴム複合組成物Aのペレットを用いた以外は、実施例6と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部での保護層としての第1TPU層、ガスバリア層及び保護層としての第2TPU層の厚さはそれぞれ、20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例9
製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレットに代えて、製造例6で得た樹脂/ゴム複合組成物Bのペレットを用いた以外は、実施例6と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部での保護層としての第1TPU層、ガスバリア層及び保護層としての第2TPU層の厚さはそれぞれ、20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例10
製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレットに代えて、製造例1で得た電子線照射していない変性EVOHのペレットを用いた以外は、実施例3と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
実施例11
製造例2で得た電子線照射後の変性EVOHペレットに代えて、電子線照射していない未変性EVOHのペレットを用いた以外は、実施例3と同様にして、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。タイヤセンター部でのガスバリア層の厚さは20μmであった。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
比較例1
未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層をインナーライナーとして配設したが、ガスバリア層を配設しなかった。次に、未加硫タイヤを実施例1と同一の加硫条件により加硫し、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
比較例2
製造例1で得た電子線照射していない変性EVOHのペレットを用いて、40mmφ押出機(プラスチック工学研究所製PLABOR GT−40−A)とTダイからなる製膜機を用いて、下記押出条件で製膜し、厚み20μmの単層フィルムを得た。
形式: 単軸押出機(ノンベントタイプ)
L/D: 24
口径: 40mmφ
スクリュー: 一条フルフライトタイプ、表面窒化鋼
スクリュー回転数:40rpm
ダイス: 550mm幅コートハンガーダイ
リップ間隙: 0.3mm
シリンダー、ダイ温度設定:C1/C2/C3/アダプター/ダイ
=180/200/210/210/210(℃)
予め、未加硫タイヤの内面の全範囲にわたって厚さ1000μmの製造例4のブチルゴム組成物層を配設した後、実施例3と同様に接着層を配設した。その後、上記の単層フィルムを接着層表面に配設した。配設にあたり、フィルム同士を接合してジョイント部を設けた。
次に、未加硫タイヤを実施例1と同一の加硫条件により加硫し、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(195/65R15)を得た。このタイヤのガスバリア指数を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2007112000
表3のガスバリア指数の評価結果から明らかなごとく、実施例1〜11の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、比較例1の乗用車用空気入りラジアルタイヤと比較して、いずれも、ガスバリア性が著しく向上した。比較例2の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、ガスバリア指数評価の走行テスト中、ガスバリア層のジョイント割れが発生し、エア洩れにより完走できず、ガスバリア指数を評価できなかった。
また、実施例1〜11の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、比較例2のガスバリア層同士のジョイント部を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤと比較してユニフォミティも大幅に改善した。
本発明方法は、薄ゲージ化が可能なガスバリア層を具備するタイヤを好適に製造できるので、乗用車用ラジアルタイヤばかりでなく、トラック・バス用ラジアルタイヤ、二輪車用タイヤ等の広範囲な種類のタイヤの製造方法として好適に用いられる。

Claims (14)

  1. 未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解し、溶液とする工程と、
    未加硫タイヤに該溶液を塗布し、塗膜を形成する工程と、
    該塗膜を乾燥処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、
    未加硫タイヤを加硫する工程とを
    含むタイヤの製造方法。
  2. 未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体とゴム成分との複合組成物を溶媒に溶解し、樹脂/ゴム複合組成物の溶液とする工程と、
    未加硫タイヤに該樹脂/ゴム複合組成物の溶液を塗布し、塗膜を形成する工程と、
    該塗膜を乾燥処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、
    未加硫タイヤを加硫する工程とを
    含むタイヤの製造方法。
  3. 樹脂/ゴム複合組成物が、未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体40〜99質量%及びゴム成分1〜60質量%からなる混合物を含む請求項2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解する工程の前に、予め電子線を照射し、該未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の一部を架橋する工程をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  5. 溶媒が、有機溶媒単独又は該有機溶媒と水との混合溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  6. 有機溶媒がメタノール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン及びトルエンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  7. 未変性又は変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶融し、溶融物とする工程と、
    未加硫タイヤに該溶融物を塗布し、塗膜を形成する工程と、
    該塗膜を冷却処理し、未加硫タイヤにガスバリア層を形成する工程と、
    未加硫タイヤを加硫する工程とを
    含むタイヤの製造方法。
  8. 予め未加硫タイヤの表面に接着層を配設し、その上にガスバリア層を形成する請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  9. 接着層がクロロスルホン化ポリエチレンを含むものである請求項8に記載のタイヤの製造方法。
  10. 塗膜の形成工程と、ガスバリア層の形成工程とを2回以上繰り返し、二層以上のガスバリア層を形成する請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  11. 未加硫タイヤにガスバリア層を形成するための塗膜を形成する工程の前及び/又はガスバリア層を形成する工程の後にガスバリア層に隣接する保護層を形成する請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  12. 保護層が熱可塑性ウレタン、ナイロン6、ナイロン66、エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載のタイヤの製造方法。
  13. ガスバリア層をタイヤの最内層に形成する請求項1〜12のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法により製造されてなるタイヤ。
JP2005305705A 2005-10-20 2005-10-20 タイヤの製造方法 Active JP5166691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305705A JP5166691B2 (ja) 2005-10-20 2005-10-20 タイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305705A JP5166691B2 (ja) 2005-10-20 2005-10-20 タイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007112000A true JP2007112000A (ja) 2007-05-10
JP5166691B2 JP5166691B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=38094623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005305705A Active JP5166691B2 (ja) 2005-10-20 2005-10-20 タイヤの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5166691B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008143188A1 (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Bridgestone Corporation 重荷重用ラジアルタイヤ
JP2009083776A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Bridgestone Corp タイヤ用インナーライナー及びそれを用いたタイヤ
JP2010132227A (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2010253836A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP2012250371A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Bridgestone Corp タイヤの製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0284310A (ja) * 1988-06-27 1990-03-26 Bridgestone Corp 加硫ゴム―合成樹脂複合体の製造方法
JPH05330307A (ja) * 1992-06-02 1993-12-14 Polytec Design:Kk タイヤのインナーライナー
JPH08216609A (ja) * 1995-02-16 1996-08-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH0952502A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2002079804A (ja) * 2000-09-07 2002-03-19 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2003200706A (ja) * 2002-01-07 2003-07-15 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ
JP2004130831A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Sumitomo Chem Co Ltd チューブレスタイヤ
JP2004161161A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ/ホイール組立体
JP2004196256A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2004196255A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0284310A (ja) * 1988-06-27 1990-03-26 Bridgestone Corp 加硫ゴム―合成樹脂複合体の製造方法
JPH05330307A (ja) * 1992-06-02 1993-12-14 Polytec Design:Kk タイヤのインナーライナー
JPH08216609A (ja) * 1995-02-16 1996-08-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH0952502A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2002079804A (ja) * 2000-09-07 2002-03-19 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2003200706A (ja) * 2002-01-07 2003-07-15 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ
JP2004130831A (ja) * 2002-10-08 2004-04-30 Sumitomo Chem Co Ltd チューブレスタイヤ
JP2004161161A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ/ホイール組立体
JP2004196256A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2004196255A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008143188A1 (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Bridgestone Corporation 重荷重用ラジアルタイヤ
JP5237937B2 (ja) * 2007-05-17 2013-07-17 株式会社ブリヂストン 重荷重用ラジアルタイヤ
JP2009083776A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Bridgestone Corp タイヤ用インナーライナー及びそれを用いたタイヤ
JP2010132227A (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2010253836A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Bridgestone Corp 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP2012250371A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Bridgestone Corp タイヤの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5166691B2 (ja) 2013-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4589615B2 (ja) 空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ
JP5019812B2 (ja) 積層体及びその製造方法、並びにそれを用いたタイヤ
JP2006256557A (ja) 重荷重用タイヤ
JP5591225B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN103476893B (zh) 粘合剂组合物、粘接方法和充气轮胎
JP2009263653A (ja) フィルム、タイヤ用インナーライナー及びそれを用いたタイヤ
JP2008024217A (ja) 空気入りタイヤ用インナーライナー及びそれを備えた空気入りタイヤ
JPWO2007141973A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5001597B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4939863B2 (ja) 空気入りタイヤ用インナーライナー及びその製造方法、並びに空気入りタイヤ
JP5166691B2 (ja) タイヤの製造方法
JP2009190448A (ja) タイヤ
US9718311B2 (en) Pneumatic tire
JP2009220793A (ja) タイヤ
JP5519644B2 (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2007100003A (ja) 接着剤組成物の製造方法、その製造方法により製造された積層体及びそれを用いたタイヤ
JP2009083776A (ja) タイヤ用インナーライナー及びそれを用いたタイヤ
JP5707031B2 (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2009274680A (ja) 重荷重用タイヤ
JP2007276235A (ja) タイヤの製造方法
JP2008024220A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006213300A (ja) 空気入りタイヤ
JP2007276581A (ja) 空気入りタイヤ
JP5319752B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP2007008186A (ja) 空気入りタイヤ用インナーライナー及び空気入りタイヤ。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110620

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121221

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5166691

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250