JP2007111503A - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造上不可避的に発生する皺により製品価値が低下するのを防ぐ。
【解決手段】最外面シートS1と、この最外面シートS1の内面に固定された内面側シートS2と、この内面側シートS2の内面側に設けられた吸収体を有する吸収性物品において、内面側シートS2を皺寄せするとともに、その内面側シートS2の皺によって最外面シートS1に凹凸を形成し、製造上不可避的に発生する皺を目立たなくする。
【選択図】図12

Description

本発明は、紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品、およびその製造方法に関するものである。
幼児や大人のテープ式やパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの吸収性物品は、使用面側のトップシートと、背面側の液の透過を防止する液不透過性シートと、これらのシート間に介在され、トップシートを透過した排泄液を受け入れ保持する吸収要素とを基本要素としている(例えば特許文献1参照)。
この基本要素に対し、液不透過性シートの裏面側にたとえば不織布などからなる最外面シートを設け、液不透過性シートとしてプラスチックシートを使用した場合における肌触りを改良する形態、製品の両側にいわゆるバリヤーカフスを形成する形態など、ウエスト周りや腹周りのフィット性を改良するために弾性伸縮性を付与する形態などが、適宜付加される。
特開2004−65300号公報 特表2002−524399号(WO99/27879)公報 特表2004−500165号(米国特許第6,646,180号)公報
しかしながら、従来は、最外面シートをバックシート等の内面側のシートに固定する際、あるいは切断等の他の工程において、素材の伸縮等により、製品外面に現れるような皺が発生することがあった。このような製造過程で偶発的に発生する皺は、大きさ、方向または位置が不規則であり、機能上は問題無いものであっても、製品価値を低下させる一因となるため好ましくない。
また、この問題点に対して、従来は、伸びの少ない素材を用いる等、皺を最小限にするための技術開発がなされてきた。しかし、皺を完全に無くすことができないだけでなく、素材の選択肢が狭まる等の制限が発生していた。
そこで、本発明の主たる課題は、製造上不可避的に発生する皺により製品価値が低下するのを防ぐことにある。
上記課題を解決した本発明は、皺を無くそうとする従来の考え方に対して発想を転換し、内面側シートまたは最外面シートに積極的に皺を寄せることにより、製造上偶発的かつ不可避的に発生する皺を目立たなくしようとするものである。
<請求項1記載の発明>
最外面シートと、この最外面シートの内面に固定された内面側シートと、この内面側シートの内面側に設けられた吸収体を有する吸収性物品において、
前記内面側シートが皺寄せされるとともに、その内面側シートの皺によって最外面シートに凹凸が形成されている、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本項記載の発明は、積極的に、内面側シートに皺を寄せて最外面シートに皺状の凹凸を形成し、製造上偶発的かつ不可避的に発生する皺を目立たなくするものである。また、内面側シートの皺およびこれに伴う最外面シートの凹凸が存在することにより、柔軟性に富む外観及び触感がもたらされる。さらに、後述する製造法からも明らかなように、素材の伸びが問題とならないため、素材の選択肢が広がり、柔らかく、伸縮し易い素材も使用できるようになる。
<請求項2記載の発明>
前記最外面シートと前記内面側シートとがシートの延在方向に間隔を空けて接着されており、非接着部分における最外面シートが接着部分よりも外側に膨出されている、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
本項記載の場合、非接着部分が接着部分に対して浮き上がるため、特に柔軟な触感が得られる。
<請求項3記載の発明>
前記最外面シートが伸縮性を有する不織布シートであり、前記内面側シートが前記最外面シートよりも伸縮性に乏しい液不透過性シートである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
このようなシートの組み合わせは吸収性物品全般に広く採用されており、特別な設計変更を要せずに、容易に本発明を適用できるため好ましい。
<請求項4記載の発明>
最外面シートと、この最外面シートの内面に固定された内面側シートと、この内面側シートの内面側に設けられた吸収体を有する吸収性物品において、
前記内面側シートの収縮により前記最外面シートが皺寄せされている、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
一方、本項記載の発明は、内面側シートの収縮を利用して積極的に最外面シートに皺を寄せることで、製造上偶発的かつ不可避的に発生する皺を目立たなくするものである。この場合、最外面シートに皺が存在することにより、柔軟性に富む外観及び触感がもたらされる。さらに、後述する製造法からも明らかなように、素材の伸びが問題とならないため、素材の選択肢が広がり、柔らかく、伸縮し易い素材も使用できるようになる。
<請求項5記載の発明>
前記最外面シートと前記内面側シートとがシートの延在方向に間隔を空けて接着されており、非接着部分における最外面シートが内面側シートから離間して膨らんでいる、請求項4記載の吸収性物品。
(作用効果)
本項記載の場合、非接着部分の最外面シートが接着部分に対して浮き上がるため、特に柔軟な触感が得られる。
<請求項6記載の発明>
前記接着部分を、物品の前後方向に連続して且つ物品の幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数設けるか、または物品の幅方向に連続させて且つ物品の前後幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数設けた、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
このような方向及び間隔で接着を行うと、規則的かつ細かい皺及び凹凸が多数形成され、美観及び柔軟性ともに優れるようになるため好ましい。また、特に物品の前後方向または幅方向に沿って連続させて接着を行うと、製造が容易で、かつ外観にも優れるため好ましい。
<請求項7記載の発明>
不織布からなる最外面シートと、この最外面シートの内面に固定された内面側シートと、この内面側シートの内面側に設けられた吸収体を有するとともに、フック要素を有するファスニング片を背側または腹側の両側端部に備え、装着に際して前記ファスニング片のフック要素を、背側及び腹側のうちファスニング片を有する側と反対側における前記最外面シート及び内面側シートが重なる部分の外表面に係合するように構成したテープ式使い捨ておむつであって、
前記最外面シート及び内面側シートが重なる部分全体にわたり、前記内面側シートが皺寄せされるとともに、その内面側シートの皺によって最外面シートに凹凸が形成されているか、あるいは前記内面側シートの収縮により前記最外面シートが皺寄せされており、
前記最外面シートにおけるフック要素の係合箇所は、前記フック要素の剥離に対する耐久性が前記フック要素の非係合箇所よりも高くなるように構成されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
吸収性物品の中でも、本項記載のように不織布からなる最外面シートそのものにフック要素を係合させるテープ式使い捨て紙おむつに対して、係合箇所を含めて前述の本発明の凹凸等形成加工を適用すると、係合箇所におけるフック要素の剥離に対する耐久性が低下する。その結果、止着時にフック要素に絡まった不織布繊維がフック要素の剥離に伴って抜け落ちたり、フック要素の剥離に伴い最外面シートにも剥離力が作用して内面側シートから剥離されたりするといった事態が発生し、繰り返し止着が困難となったり、最外面シートが破けたりするおそれがあった。
この問題点に対して、最外面シートと内面側シートとの重なる部分の全体の耐久性を高めることもできるが、その場合、資材コストや製造コストが極端に増加する、あるいは製品外面の大部分にわたって風合いが損なわれるといった問題点が発生する。
そこで、本項記載の発明では、最外面シートにおけるフック要素の係合箇所の耐久性を、フック要素の非係合箇所よりも高くなるように構成したものである。
なお、この説明からも明らかなように、本発明における「耐久性」とは、フック要素の剥離に起因する不織布繊維の抜け落ち難さや、最外面シートの内面側シートからの剥離し難さ(剥離強度)を意味する。
<請求項8記載の発明>
前記最外面シートと前記内面側シートとがシートの延在方向に間隔を空けて接着されており、非接着部分における最外面シートが接着部分よりも外側に膨出されることにより、前記最外面シートに凹凸が形成されているか、あるいは非接着部分における最外面シートが内面側シートから離間して膨らむことにより、前記最外面シートが皺寄せされており、
前記接着剤の塗布パターンおよび塗布量の少なくとも一方が、前記フック要素の係合箇所と非係合箇所とで異なることにより、前記フック要素の係合箇所における耐久性が前記フック要素の非係合箇所よりも高くなっている、請求項7記載の吸収性物品。
(作用効果)
本発明の凹凸等形成加工に際して最外面シートと内面側シートとを間欠接着する場合、その接着剤を利用して、接着剤の塗布パターンや塗布量の相違によりフック要素の係合箇所における耐久性を向上させると、外観および外面の風合いの変化を抑制しつつ、繊維の抜け落ちおよび最外面シートの剥離の双方に優れるようになり、また製造も容易になるため好ましい。
<請求項9記載の発明>
前記接着剤の塗布パターンが、物品前後方向または幅方向に連続する接着線が所定の間隔で複数列設けられたパターンであり、前記係合箇所における接着線の線幅が0.1〜3mmであり、かつ前記係合箇所の90%以上の面積が接着されているか、あるいは
前記接着剤の塗布パターンが、点状の接着点が散点状に設けられたパターンであり、前記係合箇所における接着点の面積が0.05〜5mm2であり、かつ前記係合箇所の90%以上の面積が接着されている、
請求項8記載の吸収性物品。
(作用効果)
接着剤の塗布パターンとしては、本項記載のように線状または点状のものが好ましく、この場合、係合箇所における総接着面積が90%未満であると耐久性の向上が困難となり、係合箇所における線幅または点面積が狭過ぎると、総塗布面積や塗布量に関係なく耐久性の向上が困難となり、線幅または点面積が広過ぎると、凹凸等形成加工が困難になる、風合いが悪化し易くなる。よって、本項記載の範囲内が好ましい。なお、「散点状」とは、規則的に配列されているものと、不規則に散らばっているものの両者を含む。
<請求項10記載の発明>
前記最外面シートにおけるフック要素の係合箇所にヒートエンボス加工が施され、前記非係合箇所にはヒートエンボス加工が施されていない、請求項7記載の吸収性物品。
(作用効果)
耐久性向上の別の手段としては、本項記載のようなヒートエンボス加工を採用することもできる。この場合、圧密化や素材の融着等により耐久性が向上するだけでなく、外観上の差異も生ずるため、係合箇所を表示する機能も発揮される。
<請求項11記載の発明>
最外面シートと内面側シートとを固定した後、内面側シートの内面側に吸収体を設ける、吸収性物品の製造方法において、
前記固定に際し、最外面シート及び内面側シートのいずれか一方のシートを他方のシートよりも伸張させた状態で最外面シートと内面側シートとを固定した後、最外面シート及び内面側シートを開放し、前記一方のシートを前記他方のシートよりも収縮させる、
ことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
本項記載のように、予め伸張差を持たせた状態で固定した後に自然収縮させると、両シートが一体化されているために、収縮量の少ない他方のシートは収縮限界を超えた後も、収縮量の多い一方のシートに追従し、皺寄せがなされる。一方のシートが内面側シートの場合、その皺は、最外面シートとの接触により、最外面シートに凹凸を形成する。また、最外面シートの外面から内面側シートが透けて見える場合には、視覚的に凹凸が強調される。反対に、一方のシートが最外面シートの場合、最外面シートに直接皺が形成される。
この結果、最外面シートに形成された凹凸または皺によって、製造上偶発的かつ不可避的に発生する皺が目立たなくなる。また、柔軟性に富む外観及び触感がもたらされる。さらに、本発明の製造方法は、素材の伸びを積極的に利用するため、柔らかく、伸縮し易い素材も使用でき、素材の選択肢が広がる利点もある。
なお、本発明における伸縮(伸張および収縮)は、素材本来の弾性によるものを意味し、皺や襞等の形状による伸縮を含まない。
<請求項12記載の発明>
前記固定に際し、最外面シートの内面および内面側シートの外面の少なくとも一方の面に間隔を空けて接着剤を付与し、この接着剤により最外面シートと内面側シートとを固定する、請求項11記載の吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
請求項2または請求項5記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
<請求項13記載の発明>
前記接着部分を、物品の前後方向に連続させて且つ物品の幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数付与するか、または物品の幅方向に連続させて且つ物品の前後幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数付与する、請求項11または12記載の吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
請求項6記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
<請求項14記載の発明>
前記最外面シート及び内面側シートはそれぞれ連続状をなしており、これら最外面シート及び内面側シートをそれぞれ連続方向に沿って引張り移送するとともに、最外面シート及び内面側シートのそれぞれに作用する引張力の調整により、最外面シート及び内面側シートのいずれか一方のシートを他方のシートよりも伸張させた状態とし、この状態で最外面シートと内面側シートとを固定した後、前記連続方向に間隔を空けて切り離すことにより前記開放を行う、請求項11〜13のいずれか1項に記載の吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
本項記載の方法によれば、前述の本発明に係る吸収性物品を製造ラインで連続的に製造できるようになる。
<請求項15記載の発明>
前記最外面シートが伸縮性を有する不織布シートであり、前記内面側シートが前記最外面シートよりも伸縮性に乏しい液不透過性シートであり、前記固定に際し、最外面シートを内面側シートよりも伸張させる、請求項11〜14のいずれか1項に記載の吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
請求項3記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
以上のとおり、本発明によれば、製造上不可避的に発生する皺により製品価値が低下するのを防止できる等、種々の利点がもたらされる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について詳説する。
<パンツ型使い捨ておむつの例>
図1には、パンツ型使い捨ておむつの例が示されている。このパンツ型使い捨ておむつ10は、外面(裏面)側の外装シート12と内面(表面)側の吸収性本体20とを備え、外装シート12に吸収性本体20が固定されている。吸収性本体20は、尿や軟便などの体液(後述する生理用ナプキンでは経血)を受け止めて吸収保持する部分である。外装シート12は着用者に装着するための部分である。
外装シート12はたとえば図示のように砂時計形状となり、両側が括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。吸収性本体20は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。
外装シート12は、図2に示すように、吸収性本体20が所定位置に設置され固定された後、前後に折り畳まれ、外装シート12の前身頃12F及び後身頃12Bの両側部の接合領域12Aが熱融着などにより接合される。これによって、図1に示す構造の、ウエスト開口部WOと一対のレッグ開口部LOを有するパンツ型使い捨ておむつが得られる。
図示の吸収性本体20の長手方向(すなわち図2の上下方向。製品の前後方向でもある。)の中間の幅は、外装シート12の括れた部分を繋ぐ幅より短い形態が示されている。この幅の関係は逆でもよいし、同一の幅でもよい。
外装シート12は望ましくは図示のように二枚のシートを積層してなり、これらのシート間に弾性伸縮部材12Cを介在させて、その収縮力により着用者にフィットさせる形態が望ましい。外装シート12の素材としては、たとえば撥水性不織布を用いることができる。また、弾性伸縮部材としては、糸ゴムや弾性発泡体の帯状物などを使用できるが、多数の糸ゴムを使用するのが望ましい。図示の形態では、糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域Wにおいては幅方向に連続して設けられ、腰下領域Uにおいては両側部分のみに設けられ、股下領域Lにおいては設けられていない。糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域W及び腰下領域Uの両者に設けられていることで、糸ゴム12C自体の収縮力が弱いとしても、全体としては腰下領域Uにおいても着用者に当たるので、製品が着用者に好適にフィットする。
(吸収性本体)
吸収性本体20としては、図3に示されるように、使用面側から順に、体液を透過させるたとえば不織布などからなるトップシート30と、吸収要素50とを備えたものを用いることができる。通常の場合、吸収要素50の裏面側にはプラスチックシートなどからなる体液不透過性シート70が設けられる。この体液不透過性シート70の裏面側は外装シート12の身体側面に接合されている。また、トップシート30を透過した体液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に、中間シート(セカンドシート)40を設けることができる。さらに、吸収部20の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、吸収部20の両側に起立するバリヤーカフス60、60を設けることができる。
(トップシート)
トップシート30は、体液を透過する性質を有する。したがって、トップシート30の素材は、この体液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した体液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より体液の透過速度が速い、通常「セカンドシート」と呼ばれる中間シート40を設けることができる。この中間シート40は、体液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した体液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布及びスパンボンド不織布が好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、体液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。中間シート40の代表的な素材は体液の透過性に優れる不織布である。
(体液不透過性シート)
体液不透過性シート70は、単に吸収体56の裏面側に配されるシートを意味し、本実施の形態においては、トップシート30との間に吸収体56を介在させるシートとなっている。したがって、本体液不透過性シートは、その素材が、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで体液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートや、SMS不織布等の液不透過性極細繊維不織布を例示することができる。
体液不透過性シート70は、いわゆる額巻きする形態で使用面に延在させる(図示せず)ことで、体液の横漏れを防止できるが、実施の形態においては、横漏れについては、バリヤーカフス60を形成する二重のバリヤーシート64間に第2体液不透過性シート72を介在させることにより防止している。この形態によれば、バリヤーカフス60の起立まで第2体液不透過性シート72が延在しているので、トップシート30を伝わって横に拡散した体液やバリヤーカフス60、60間の軟便の横漏れを防止できる利点もある。
体液不透過性シート70には、商品名、機能説明、キャラクター、模様等の表示部を設けることができ、この表示部は、排尿があったことを知らせるお知らせ機能を有していても良い。
(バリヤーカフス)
製品の両側に設けられたバリヤーカフス60、60は、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために設けられているが、付加的な要素である。
図示のバリヤーカフス60は、撥水性不織布シートを二重にしたものであり、吸収体56の裏面側からトップシート30の下方への折り込み部分を覆って、表面側に突出するように形成されている。トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿を阻止するために、特に、二重の不織布シート間に体液不透過性シート70の側部が挿入され、表面側に突出するバリヤーカフス60の途中まで延在している。
また、バリヤーカフス60自体の形状は適宜に設計可能であるが、図示の例では、バリヤーカフス60の突出部の先端部及び中間部に弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム62が伸張下で固定され、使用状態においてその収縮力により、バリヤーカフス60が起立するようになっている。中間部の糸ゴム62が先端部の糸ゴム62、62よりも中央側に位置してトップシート30の前後端部に固定される関係で、図3のように、バリヤーカフス60の基部側は中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端部は外側に斜めに起立する形態となる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包被シート58とを有する。包被シート58は省略することもできる。さらに、図示形態では、吸収体56と包被シート58の裏面側部位(下側の部分)との間に保持シート80が設けられているが、この保持シート80は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、綿状パルプ等の短繊維を積繊したものの他、フィラメント52,52…の集合体からなるもの等も使用できる。
フィラメント52,52…の集合体は、トウ(繊維束)を開繊することにより得ることができる。トウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸された繊維であってもよい。
好適に採用できるセルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種類以上混合して使用できる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。特に好ましいセルロースエステルは、セルロースジアセテートである。
トウ構成繊維は、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
トウ構成繊維の繊度は、例えば、1〜16デニール、好ましくは1〜10デニール、さらに好ましくは1〜6デニールが望ましい。トウ構成繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収体を製造できるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウ構成繊維は、例えば、1,000〜1,000,000本、好ましくは2,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。繊維束は、1,000〜1,000,000本程度の連続繊維を集束して構成するのが好ましい。
本発明において好適に使用できるセルロースジアセテートのトウのベールは、セラニーズ社やダイセル化学工業などにより市販されている。セルロースジアセテートのトウのベールは、密度は約0.5g/cm3であり、総重量は400〜600kgである。このベールから、トウを引き剥がし、所望のサイズ、嵩となるように広い帯状に開繊する。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅50〜2000mm、好ましくは製品の吸収体の幅の50〜300mm程度とすることができる。また、トウの開繊度合いを調整することにより、吸収体の密度を調整することができる。
好適には、図3に示すように、吸収体56中に高吸収性ポリマー粒子54,54…を含ませる。そして、少なくとも体液受け入れ領域において、フィラメント52,52…の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。この実質的に厚み方向全体に分散されている状態を図3の要部拡大図として概念的に示した。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、フィラメントの集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子がフィラメント52,52…の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子がフィラメントフィラメント52,52…の集合体を通り抜けて包被シート58上にある形態や図6に示されるように保持シート80上にある形態も排除されるものではない。
(高吸収性ポリマー粒子)
高吸収性ポリマー粒子54とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子54の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子54としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子54の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子54としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された体液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子54としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、体液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子54の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量を50g/m2以下とすることにより、ポリマーの重量によって、合成連続繊維を採用することにより軽量化効果が発揮されにくくなるのを防止できる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子54の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子54は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、体液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
必要により、高吸収性ポリマー粒子54として、粒径分布が異なる複数用意し、厚み方向に順次供給し、吸収体56内の下側に粒径分布が小さいものを、上側に粒径分布が大きいものを分布させることができる。
高吸収性ポリマー粒子54と連続繊維との割合は吸収特性を左右する。吸収体56における体液を直接受ける領域での5cm×5cmの平面面積内における重量比としては、高吸収性ポリマー粒子/連続繊維重量が、1〜14、特に2〜9であることが望ましい。
(包被シート)
包被シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包被シート58は、図3のように、連続繊維52,52…の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…の層全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包被するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの体液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの体液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包被シートの構成要素となる)。必要ならば、連続繊維52,52…の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…の層を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(保持シート)
保持シート80を設ける場合、保持シート80と吸収体56上との間には、高吸収性ポリマー粒子54をその散布などにより介在させることができる。高吸収性ポリマー粒子54は、連続繊維52の集合体への供給時又はその後の工程、あるいは消費者が使用するまでの流通過程で、連続繊維52の集合体を通り抜けることがある。連続繊維の集合体を通り抜けた高吸収性ポリマー粒子群の凹凸は、消費者が使用する際に手で触ったときジャリジャリした違和感を与える。そこで、吸収体56と包被シート58との間に高吸収性ポリマー54の保持性能を有する保持シート80を介在させるのも好ましい形態である。この保持シート80は、ティッシュペーパ(クレープ紙)などの包被シート58のみでは足りないコシを補強して、消費者が使用する際に手で触ったとき違和感を軽減又は防止する。
保持シート80の素材は、特に限定されず、高吸収性ポリマー54の保持性能を有するものであれば足りる。具体的には、例えば、不織布、捲縮パルプ、低吸収性のコットン繊維(例えば、未脱脂のコットン繊維、脱脂されたコットン繊維、レーヨン繊維を撥水剤や疎水化剤で処理したものなど。)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、絹、綿、麻、ナイロン、ポリウレタン、アセテート繊維等を例示することができる。
保持シート80を不織布とする場合、その保持シート80は、KES試験に基づく圧縮エネルギーが0.01〜10.00gfcm/cm2、好ましくは、0.01〜1.00gfcm/cm2で、かつ圧縮レジリエンスが10〜100%、好ましくは、70〜100%の不織布であるとよい。
保持シート80を設ける理由は先にも触れたように、たとえば吸収体56から下方に抜け落ちた(抜け出た)高吸収性ポリマー54を保持することにある。したがって、抜け出た高吸収性ポリマー粒子54に対して、包被シート58及び保持シート80を介して使用者に接触するので、使用者にジャリジャリした違和感として、伝わるおそれがない。特に上記の縮エネルギー及び圧縮レジリエンスである不織布であると、その機能が十分に発揮する。
また、抜け出た高吸収性ポリマー54は、保持シート60によって保持され、包被シート58上を移動することがないため、吸収能力の偏在が生じるおそれもない。特に、保持シート80上を高吸収性ポリマー粒子54が移動を防止するために、予め粘着性を有するホットメルト接着剤などを保持シート80上に塗布することができる。また、保持シート80の上面(使用面側に向かう面)を粗面とすることで、保持シート80上を高吸収性ポリマー粒子54が移動を防止するようにしてもよい。このための粗面化又は毛羽立ち手段としては、不織布の製造時におけるネット面でない非ネット面とする、マーブル加工を行う、ニードルパンチにより加工する、ブラシッング加工するなどを挙げることができる。
保持シート80は、図3等に示すように吸収体56の下方にのみ設けても、また図示しないが、吸収体56の側面を通り吸収体56の上面にまで巻き上げて延在させてもよい。また、保持シート80を複数枚重ねて使用することも可能である。
上記例は、吸収体56と包被シート58の裏面側部位との間に保持シート58を設ける例であるが、保持シートは、包被シートより裏面側であってもよく(その形態は図示していない)、要は、吸収体56に対して裏面側に保持シートを設ければ、製品の裏面から触る場合におけるジャリジャリした違和感を軽減させるあるいは生じさせないものとなる。
(エンボス加工)
トップシート30の表面側から厚み方向にエンボスによる凹部Eを形成してもよい。この場合、トップシート30のみにエンボスによる凹部Eを形成するほか、図7に示すように、トップシート30と中間シート40との両者にエンボスによる凹部Eを形成方したり、トップシート30の表面側から吸収体56の厚さ方向一部または略全体に達するようにエンボスによる凹部を形成したり(図示せず)することができる。トップシート30と中間シート40との両者にエンボスによる凹部Eを形成させるためには、中間シート40としては、坪量が8〜40g/m2、厚さ0.2〜1.5mm、トップシート30としては、坪量が15〜80g/m2、厚さ0.2〜3.5mmの範囲にあるのが、透液性を阻害しない条件で、エンボス加工を充分に行える点で望ましい。
また、トップシート30に凹部を形成することなく、中間シート40のみにエンボスによる凹部を形成してもよく、さらにトップシート30及び中間シート40に凹部を形成することなく、吸収要素56のみにエンボスによる凹部を形成しても、また、トップシート30、中間シート40および包被シート58に凹部を形成することなく、吸収体58のみにエンボスによる凹部を形成してもよい。
凹部Eはこれが延在する方向に、体液を誘導し拡散させる効果がある。よって、凹部Eを実質的に溝状に連続させる(複数の凹部が間隔を空けて列なり一つの溝を形成する場合を含む)と、体液は、吸収体に到達する前に表面側層の凹部Eを伝って拡散するようになり、吸収体のより広範な部分を吸収に利用できるようになる。よって、製品全体の吸収容量が増大し、吸収容量不足に基づく側方からの漏れや逆戻りが発生し難い吸収性物品となる。
一方、トウからなる吸収体56は従来のパルプ物と比べて剛性が低下し易いが、吸収体56にエンボスによる凹部を形成すると剛性を高めることができるため好ましい。図示しないが、吸収要素50の剛性を高めるために、吸収体56の裏面側(トップシート30側に対して反対側)から厚み方向にエンボスによる凹部を形成するのも好ましい形態である。この裏面側の凹部を形成するために、保持シート80、包被シート58、体液不透過性シート70または外装シート12の裏面側から、吸収体56まで達するように一体的にエンボス加工を施すことができる。また、このような裏面側の凹部は、表面側の凹部Eとともに形成するのが好ましいが、表面側の凹部Eを形成せずに裏面側の凹部のみ形成することもできる。凹部を表裏両側に設ける場合には、凹部の形態を表裏共通にしても良く、また表裏異なるものとしても良い。
エンボスによる凹部はその延在方向に体液を誘導し拡散させる効果がある。また剛性を高める効果もある。よって、エンボスによる凹部の形態はこれらの効果を考慮して決定するのが望ましい。例えば、凹部は、実質的に溝状に連続するもの(複数の凹部が間隔を空けて列なり一つの溝を形成する場合を含む)の他、複数の凹部が間隔を空けて点状に配置されるものであっても良い。また、平面パターンとしては、溝状または点状の凹部が、製品の長手方向、幅方向、これらを組み合わせた格子状、幅方向に往復するジグザグ状(千鳥状)、あるいは不規則に配置された形態等を採ることができる。さらに、ピン状、富士山状、蛇腹状等、適宜の形態を採用することができる。
(その他)
なお、図示しないが、吸収性本体20の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより相互に固定することができる。
(テープ式使い捨ておむつの例)
一方、図8及び図9はテープ式使い捨ておむつの例を示している。図9は図8における9−9線矢視図であるが、吸収性本体20についてはやや誇張して図示してある。また、図10及び図11は別の例を示している。
テープ式使い捨ておむつ10Aは、おむつの背側両側端部に取り付けられたファスニング片130を有し、このファスニング片130の止着面にフック要素130Aを有するとともに、前記おむつの裏面を構成するバックシート12Aを不織布積層体とし、おむつの装着に当り、前記ファスニング片130のフック要素130Aを前記バックシートの表面の任意個所に係合可能となしたおむつである。
吸収性本体20は、トップシート30と体液不透過性シート70との間に吸収要素50を介在させたものとなっている。吸収要素50は、吸収体56と、吸収体56の全体を包む包被シート58とを有する。吸収体56は、図10及び図11に示すように、その一部、例えば背側部における肛門と対向する部分に、上下方向に貫通する貫通孔56Hを形成することができる。貫通孔56Hは複数設けることもできる。また貫通孔56Hの横断面形状としては、図示のような円形の他、正方形、長方形、楕円、五角形、六角形等、任意の形状とすることができる。
吸収体56と包被シート58との間には、図8及び図9に示す例では保持シート80が設けられているが、図10及び図11に示すように設けない構造とすることもできる。
さらに、トップシート30と吸収体56との間には、中間シート40が介在されている。この中間シート40は、図10及び図11に示す例では設けられていない。体液不透過性シート70は吸収体56より幅広の長方形をなし、その外方に砂時計形状の不織布からなるバックシート12Aが設けられている。
トップシート30は吸収体56より幅広の長方形をなし、吸収体56の側縁より若干外方に延在し、体液不透過性シート70とホットメルト接着剤などにより固着されている。
おむつの両側部には、使用面側に突出するバリヤーカフス60Aが形成され、このバリヤーカフス60Aは、実質的に幅方向に連続した不織布からなるバリヤーシート64と、このバリヤーシート64に伸張状態で固定された弾性伸縮部材62とにより構成されている。この弾性伸縮部材62としては糸ゴム等を用いることができ、例えば図8及び図9に示すように各複数本設ける他、図10及び図11に示すように各1本設けることができる。
バリヤーシート64の内面は、トップシート30の側縁と離間した位置において固着始端を有し、この固着始端から側方の部分は、体液不透過性シート70の側縁及びバックシート12Aの側縁にわたりホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分においては、バリヤーシート64と体液不透過性シート70とが対向する部分のシート間、ならびにバリヤーシート64とバックシート12Aとが対向する部分のシート間に、糸ゴム等の弾性伸縮部材66がそれぞれ設けられている。さらに、図10及び図11の形態では、吸収要素50の下面両側部と体液不透過性シート70上面との間にも、糸ゴム等の弾性伸縮部材65がそれぞれ設けられている。
バリヤーシート64の内面の、体液不透過性シート70への固着始端は、バリヤーカフス60Aの起立端を形成している。脚周りにおいては、この起立端より内側は、製品本体に固定されていない自由部分であり、この自由部分が糸ゴム62の収縮力により起立するようになる。
ファスニング片130は、プラスチック、ポリラミ不織布、紙製などのファスニング基材の基部がバックシート12Aに、例えば接着剤により接合されており、先端側にフック要素130Aを有する。フック要素130Aはファスニング基材に接着剤により接合されている。フック要素130Aは、その外面側に多数の係合片を有する。フック要素130Aより先端側に仮止め接着剤部130Bを有する。製品の組立て末期において、仮止め接着剤部130Bがバリヤーシート64に接着されることによりファスニング片130の先端側の剥離を防止するようにしている。使用時には、その接着力に抗して剥離し、ファスニング片130の先端側を前身頃に持ち込むものである。仮止め接着剤部130Bより先端側はファスニング基材が露出して摘みタブ部とされている。
腹側の開口部側には、バックシート12Aの内面側に、デザインシートとしてのターゲット印刷シート74が設けられ、ファスニング片130のフック要素130Aを止着する位置の目安となるデザインが施されたターゲット印刷がなされ、外部からバックシート12Aを通して視認可能なように施されている。ターゲット印刷シート74は省略することができる。
本例では、ファスニング片130として、面ファスナーを用いることで、バックシート12Aに対して、メカニカルに止着できる。したがって、いわゆるターゲットテープを省略することもでき、かつ、ファスニング片130による止着位置を自由に選択できる。
おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム62の収縮力が作用するので、脚周りでは、糸ゴム62の収縮力によりバリヤーカフス60Aが起立する。
起立部で囲まれる空間は、尿又は軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿はトップシート30を通って吸収体56内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、バリヤーカフス60Aの起立部がバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。万一、起立部の起立遠位側縁を乗り越えて横に漏れた尿は、平面当り部によるストップ機能により横漏れが防止される。
本形態において、各起立カフスを形成するバリヤーシート64は、透液性でなく実質的に不透液性(半透液性でもよい)であるのが望ましい。また、本発明の表面シート(不織布積層体)に対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。いずれにしても、バリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ通気性があり、かつバリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ耐水圧が100mmH2O以上のシートであるのが好適である。これによって、製品の幅方向側部において通気性を示すものとなり、着用者のムレを防止できる。
その他の点、例えば各部の使用素材等については、前述のパンツ型紙おむつの場合と同じであるため、敢えて説明を省略する。
(本発明の特徴部分)
さて、本発明は、前述したように、最外面シートおよびその内面に固定された内面側シートに適用されるものである。具体的に、前述のパンツ型使い捨ておむつまたはテープ式使い捨ておむつの例において、外装シート12またはバックシート12Aが二層構造とされている場合、その外側のシート及び内側のシートをそれぞれ本発明の最外面シート及び内面側シートとすることができる。また、外装シート12またはバックシート12Aの積層数に関係なくその全体を本発明の最外面シートとし、その内面が固定される体液不透過性シート70を本発明の内面側シートとすることもできる。
本発明の第1の形態は、これらのシートを対象として、図12に示すように、内面側シートS2が皺寄せされるとともに、その内面側シートS2の皺によって最外面シートS1に凹凸が形成されたものである。第1の形態は、最外面シートS1が伸縮性を有する不織布シートであり、内面側シートS2が最外面シートS1よりも伸縮性に乏しい液不透過性シートである場合に好適な形態である。
また第2の形態は、図13に示すように、内面側シートS2の収縮により最外面シートS1が皺寄せされたものである。この形態は、内面側シートS2が最外面シートS1よりも伸縮性に富む場合に好適な形態である。
これらの本発明の構造は、最外面シートS1及び内面側シートS2のいずれか一方のシートを他方のシートよりも伸張させた状態で最外面シートS1と内面側シートS2とを固定した後、最外面シートS1及び内面側シートS2を開放し、一方のシートを他方のシートよりも収縮させることにより製造することができる。ただし、この一方のシートは、第1の形態のときには最外面シートS1となり、第2の形態の場合には内面側シートS2となる。
一方のシートを他方のシートよりも伸張させるにあたり、その伸張率差としては、例えば0.5〜10%、特に1〜6%とするのが好ましい。
製造ラインで連続的に製造する場合、図示しないが、連続帯状の最外面シート及び内面側シートをそれぞれ連続方向に沿って引張り移送するとともに、最外面シート及び内面側シートのそれぞれに作用する引張力(いわゆるラインドロー)を個別に調整して、最外面シート及び内面側シートのいずれか一方のシートを他方のシートよりも伸張させた状態とし、この状態で最外面シートと内面側シートとを固定した後、例えば最終段階の個々の物品への切り離し時に、製品幅若しくは製品長さに応じた適切な間隔で切り離すことにより最外面シート及び内面側シートの張力を開放させる、といった手法を採用できる。
固定手段としては、外観変化が少ない点で、ホットメルト接着剤等の接着剤Bを用いるのが好ましい。接着剤Bは最外面シートS1の内面に塗布しても、また内面側シートS2の外面に塗布しても良く、さらに必要に応じて両面に塗布することもできる。最外面シートS1の素材と内面側シートS2の素材とが異なる場合には、接着剤がより透過し難い方のシート、例えば不織布シートと体液不透過性シートとを接着する場合には体液不透過性シートに、接着剤を塗布するのが好ましい。
接着剤Bの塗布パターン、カーテン、スパイラル、サミット(スパイラルの間隔を狭くしたもの)、ベタ、スロット等の適宜のパターンを採用することができるが、ベタのように間隔を空けずに固定部分の全面に塗布するよりも、カーテン(間欠塗布)、スパイラル、サミット、スロットのように間隔を空けて規則的なパターンで接着剤を塗布できるものが好ましい。
すなわち、間隔を空けて接着剤を付与し、この接着剤により最外面シートS1と内面側シートS2とを固定した後、最外面シートS1及び内面側シートS2を開放し、最外面シートS1を内面側シートS2よりも収縮させると、第1の形態では最外面シートS1及び内面側シートS2の非接着部分が接着部分よりも外側に膨出し、また第2の形態では最外面シートS1の非接着部分が内面側シートから離間して膨らみ、モコモコとした柔軟な凹凸が形成される。
また、このような間欠接着においては、接着剤の塗布パターンにより皺のパターンが決まる。具体的には、接着剤間隔を調整することで皺及び凹凸のサイズを調整でき、非接着部の数を調整することで皺及び凹凸の数を調整できる。皺及び凹凸の形状、サイズ、数は適宜定めることができるが、製造容易性を考慮すると、接着部分を、物品の前後方向に連続させて且つ物品の幅方向に所定の間隔dを空けて複数列設けるか、または物品の幅方向に連続させて且つ物品の前後幅方向に所定の間隔dを空けて複数列設けるのが好ましい。この間隔dは、適宜定めることができるが、通常の場合、1〜10mmとするのが好ましい。
また、特に第1の形態においては、内面側シートS2の皺を最外面シートS1を通して視認できるように、構成するのも好ましい。具体的には、最外面シートS1の不透明度(JIS P 8149)を30〜80%とするのが好ましい。また、最外面シートS1の素材が不織布である場合、その坪量を10〜40g/m2程度、特に15〜25g/m2としても同様である。
ところで、前述した弾性伸縮部材12Cを有する部分では、その収縮力により外装シート12に皺が形成される。外装シート12は最外面シートS1を含むものであるため、この弾性伸縮部材12Cを有する部分に、本発明の凹凸または皺を設けることもでき、その場合、よりモコモコとした外観及び触感を得ることができる。これに対して、弾性伸縮部材12Cにより皺が形成される部分には本発明の凹凸または皺を設けずに、それ以外の部分に本発明の凹凸または皺を設けることもできる。この場合、弾性伸縮部材12Cを有する部分において、よりすっきりとした外観となる。
この説明からも明らかなように、本発明の凹凸又は皺は、最外面シート及び内面側シートが重なる部分の全体に設けることも、また一部に設けることもできる。これは、最外面シートと内面側シートとが同寸法の場合(例えば、バックシート12Aが二層構造とされており、その外側のシート及び内側のシートをそれぞれ本発明の最外面シート及び内面側シートとする場合)であっても、また、最外面シートと内面側シートのいずれか一方が小さい場合(バックシート12Aの積層数に関係なくその全体を本発明の最外面シートとし、その内面が固定される体液不透過性シート70を本発明の内面側シートとする場合)であっても同じである。
他方、特に前述したテープ式使い捨ておむつのように、ファスニング片130のフック要素130を不織布積層体からなるバックシート12Aの外面繊維に係合させる形態において、係合箇所を含めて前述の本発明の凹凸等形成加工を適用する場合、係合箇所におけるフック要素の剥離に対する耐久性を相対的に高くなるように補強するのが好ましい。この補強手段としては、本発明では、最外面シート及び内面側シート間を接着する前述の接着剤Bを利用する形態と、別途ヒートエンボス加工を施す形態が提案される。
以下、順に説明すると、先ず、接着剤Bを利用する形態は、接着剤Bの塗布パターンおよび塗布量の少なくとも一方を、フック要素の係合箇所と非係合箇所とで異ならしめることにより、係合箇所における耐久性を相対的に向上させるものである。塗布パターンとしては、例えばスパイラル、サミット、スロット等から選択でき、塗布量は例えば係合箇所のみ二重に塗布して塗布量を増加させるといったことができる。製造容易性の観点からは塗布パターンを係合箇所および非係合箇所で共通にし、塗布量を異ならしめるのが好ましい。塗布量の目安としては、係合箇所5g/m2以上、非係合箇所2.5g/m2未満である。
また、塗布量だけでなく、接着剤Bの塗布パターン、寸法および総接着面積も重要である。係合箇所における接着剤Bの塗布パターンとしては、物品前後方向または幅方向に連続する接着線が所定の間隔で複数列設けられたパターン、あるいは点状の接着点が散点状に設けられたパターンが製造容易性の観点から好適であり、この場合、係合箇所における総接着面積が90%以上100%未満であり、かつ係合箇所における接着線の線幅(一本)が0.1〜3mm、または係合箇所における接着点の面積(一点)が0.05〜5mm2であるのが好ましい。総接着面積が少な過ぎると耐久性の向上が困難となり、係合箇所における線幅または点面積が狭過ぎると、総塗布面積や塗布量に関係なく耐久性の向上が困難となり、線幅または点面積が広過ぎると、凹凸等形成加工が困難になる、風合いが悪化し易くなる。特に好ましい範囲は、総接着面積は95〜97%であり、接着線幅は1〜2mmであり、接着点の面積は2〜4mm2である。
次に、ヒートエンボス加工を施す形態は、本発明の凹凸等形成加工の後、最外面シートの外面側からヒートエンボス加工を施すものである。例えば、バックシート12Aが二層構造とされており、その外側のシート及び内側のシートをそれぞれ本発明の最外面シート及び内面側シートとする場合にあっては、これらの積層後、吸収性本体等の内装部品の取り付け前に、ヒートエンボス加工を施すことができる。また、バックシート12Aの積層数に関係なくその全体を本発明の最外面シートとし、その内面が固定される体液不透過性シート70を本発明の内面側シートとする場合にあっては、全ての部品を組み立てた後に、ヒートエンボス加工を施すことができる。ヒートエンボス加工は、対象シートを加熱したエンボスロールに圧接することにより、対象シートに凹凸模様を付与するものであり、最外面シートにおける繊維の圧密化や、繊維相互の融着や内面側シートとの融着により耐久性をさせることができる。また、係合箇所にヒートエンボス加工を施すと、周囲に対して外観上の差異ができるため、係合箇所の表示手段を兼ねることができる。この場合等、必要に応じて、前述したターゲット印刷やターゲット印刷シート74を省略することができる。
ここで、本発明の係合箇所は、背側及び腹側のうちファスニング片130を有する側と反対側にあり、且つフック要素が係合される限り、その位置及び寸法は任意に定めることができる。通常の場合、係合箇所は、高さ20〜80mm、幅150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁とウエスト開口部との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
本発明は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、おむつカバーと併用する吸収パッド等の吸収性物品に好適なものである。
パンツ型使い捨ておむつの斜視図である。 パンツ型使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図2の3−3線断面図である。 他の例の断面図である。 別の例の断面図である。 変形例の断面図である。 他の例の断面図である。 テープ式使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図8の9−9線断面図である。 別のテープ式使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図10の9−9線断面図である。 第1の形態を示す要部拡大断面図である。 第2の形態を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
10…パンツ型使い捨ておむつ、10A…テープ式使い捨ておむつ、12…外装シート、12A…バックシート、20…吸収性本体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、52…フィラメント、52X…ベール、52Y…トウ、52Z…フィラメントの集合体、54…高吸収性ポリマー粒子、56…吸収体、58…包被シート、60、60A…バリヤーカフス、64…バリヤーシート、70…体液不透過性シート、72…第2体液不透過性シート、80…保持シート、E…熱融着部分、S1…最外面シート、S2…内面側シート。

Claims (15)

  1. 最外面シートと、この最外面シートの内面に固定された内面側シートと、この内面側シートの内面側に設けられた吸収体を有する吸収性物品において、
    前記内面側シートが皺寄せされるとともに、その内面側シートの皺によって最外面シートに凹凸が形成されている、ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記最外面シートと前記内面側シートとがシートの延在方向に間隔を空けて接着されており、非接着部分における最外面シートが接着部分よりも外側に膨出されている、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記最外面シートが伸縮性を有する不織布シートであり、前記内面側シートが前記最外面シートよりも伸縮性に乏しい液不透過性シートである、請求項1または2記載の吸収性物品。
  4. 最外面シートと、この最外面シートの内面に固定された内面側シートと、この内面側シートの内面側に設けられた吸収体を有する吸収性物品において、
    前記内面側シートの収縮により前記最外面シートが皺寄せされている、ことを特徴とする吸収性物品。
  5. 前記最外面シートと前記内面側シートとがシートの延在方向に間隔を空けて接着されており、非接着部分における最外面シートが内面側シートから離間して膨らんでいる、請求項4記載の吸収性物品。
  6. 前記接着部分を、物品の前後方向に連続して且つ物品の幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数列設けるか、または物品の幅方向に連続させて且つ物品の前後幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数列設けた、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 不織布からなる最外面シートと、この最外面シートの内面に固定された内面側シートと、この内面側シートの内面側に設けられた吸収体を有するとともに、フック要素を有するファスニング片を背側または腹側の両側端部に備え、装着に際して前記ファスニング片のフック要素を、背側及び腹側のうちファスニング片を有する側と反対側における前記最外面シート及び内面側シートが重なる部分の外表面に係合するように構成したテープ式使い捨ておむつであって、
    前記最外面シート及び内面側シートが重なる部分全体にわたり、前記内面側シートが皺寄せされるとともに、その内面側シートの皺によって最外面シートに凹凸が形成されているか、あるいは前記内面側シートの収縮により前記最外面シートが皺寄せされており、
    前記最外面シートにおけるフック要素の係合箇所は、前記フック要素の剥離に対する耐久性が前記フック要素の非係合箇所よりも高くなるように構成されている、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  8. 前記最外面シートと前記内面側シートとがシートの延在方向に間隔を空けて接着されており、非接着部分における最外面シートが接着部分よりも外側に膨出されることにより、前記最外面シートに凹凸が形成されているか、あるいは非接着部分における最外面シートが内面側シートから離間して膨らむことにより、前記最外面シートが皺寄せされており、
    前記接着剤の塗布パターンおよび塗布量の少なくとも一方が、前記フック要素の係合箇所と非係合箇所とで異なることにより、前記フック要素の係合箇所における耐久性が前記フック要素の非係合箇所よりも高くなっている、請求項7記載の吸収性物品。
  9. 前記接着剤の塗布パターンが、物品前後方向または幅方向に連続する接着線が所定の間隔で複数列設けられたパターンであり、前記係合箇所における接着線の幅が0.1〜3mmであり、かつ前記係合箇所の90%以上の面積が接着されているか、あるいは
    前記接着剤の塗布パターンが、点状の接着点が散点状に設けられたパターンであり、前記係合箇所における接着点の面積が0.05〜5mm2であり、かつ前記係合箇所の90%以上の面積が接着されている、
    請求項8記載の吸収性物品。
  10. 前記最外面シートにおけるフック要素の係合箇所にヒートエンボス加工が施され、前記非係合箇所にはヒートエンボス加工が施されていない、請求項7記載の吸収性物品。
  11. 最外面シートと内面側シートとを固定した後、内面側シートの内面側に吸収体を設ける、吸収性物品の製造方法において、
    前記固定に際し、最外面シート及び内面側シートのいずれか一方のシートを他方のシートよりも伸張させた状態で最外面シートと内面側シートとを固定した後、最外面シート及び内面側シートを開放し、前記一方のシートを前記他方のシートよりも収縮させる、
    ことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
  12. 前記固定に際し、最外面シートの内面および内面側シートの外面の少なくとも一方の面に間隔を空けて接着剤を付与し、この接着剤により最外面シートと内面側シートとを固定する、請求項11記載の吸収性物品の製造方法。
  13. 前記接着部分を、物品の前後方向に連続させて且つ物品の幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数列付与するか、または物品の幅方向に連続させて且つ物品の前後幅方向に1〜10mmの間隔を空けて複数列付与する、請求項11または12記載の吸収性物品の製造方法。
  14. 前記最外面シート及び内面側シートはそれぞれ連続状をなしており、これら最外面シート及び内面側シートをそれぞれ連続方向に沿って引張り移送するとともに、最外面シート及び内面側シートのそれぞれに作用する引張力の調整により、最外面シート及び内面側シートのいずれか一方のシートを他方のシートよりも伸張させた状態とし、この状態で最外面シートと内面側シートとを固定した後、前記連続方向に間隔を空けて切り離すことにより前記開放を行う、請求項11〜13のいずれか1項に記載の吸収性物品の製造方法。
  15. 前記最外面シートが伸縮性を有する不織布シートであり、前記内面側シートが前記最外面シートよりも伸縮性に乏しい液不透過性シートであり、前記固定に際し、最外面シートを内面側シートよりも伸張させる、請求項11〜14のいずれか1項に記載の吸収性物品の製造方法。
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