JP2007109682A - 半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い信頼性を有し且つn型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層と良好な低抵抗接触が得られる電極構造を備えた半導体素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に、前記半導体層と低抵抗接触する電極を備えた半導体素子であって、前記電極を、少なくともGeを含むCrからなる構成としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に低抵抗接触な電極を備えた半導体素子及びその製造方法に関する。
GaN、AlGaN、InGaN、AlInGaN等に代表されるAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体(III−V族窒化物系化合物半導体)は、禁制帯幅が大きく(バンドギャップが広く)、且つ熱的に働く荷電粒子(電子と正孔)が少ないことから、高温動作や高耐圧性に優れている。
AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体を用いたものとして、発光ダイオードやレーザダイオード等の発光素子、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子、バイポーラトランジスタ(HBT)、電解効果トランジスタ(FET)、高移動度トランジスタ(HEMT)等の電子デバイスが知られている。また、これらの半導体素子では、前記半導体層と低抵抗接触(接触抵抗の小さなオーミック接触、又はオーミック接触)となる電極が切望されている。
AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体において、上述のような低抵抗接触を実現する電極材料として、仕事関数の小さいチタン−アルミニウム(Ti/Al)若しくはチタン−アルミニウム−チタン−金(Ti/Al/Ti/Au)が多く利用されている。しかしながら、これらの何れかを使用した場合であっても、接触抵抗は一般に1×E−5(Ω・cm)程度と高い。また、これらの何れかを使用した電極はアルミニウム(Al)を含むため、大電流を流すとエレクトロマイグレーションが発生し、信頼性が低下してしまう。
上述のようなエレクトロマイグレーションが発生せず、且つAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層に低抵抗接触する電極として、クロム(Cr)を用いた電極がある。しかしながら、Cr単体では良好な信頼性を有する電極特性が得られない。そこで、特許文献1及び2に記載されるような、III-V族n型窒化物系化合物半導体層の上にCrを積層し、その上にニッケル(Ni)を積層して電極をなす構成とした半導体素子が提案されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の材料からなる電極を高温でアニール処理(熱処理)すると、NiがIII-V族n型窒化物系化合物半導体層の方へ少なからず浸透、または反応してしまう。Niは仕事関数が比較的大きく、III-V族n型窒化物系化合物半導体に対してショットキー接合となる金属材料であるため、III-V族n型窒化物系化合物半導体層に対して良好な低抵抗接触となる電極が得られないという問題がある。
特許文献3には、III-V族n型窒化物系化合物半導体の上に、仕事関数の小さいCr、ニオブ(Nb)、Ti等の何れかの金属、及びシリコンを構成元素とするシリサイドを形成し、III-V族n型窒化物系化合物半導体と低抵抗接触となる電極構造を有する半導体素子が記載されている。上記金属の何れかを構成元素としてシリサイド化された電極は、III-V族n型窒化物系化合物半導体との接着強度が強く、電極上面の荒れが少ないという点で優れている。
しかしながら、特許文献3に記載の半導体素子に備えられた電極では、III-V族n型窒化物系化合物半導体に対して所望される良好な低抵抗接触が得られないという問題がある。
また、特許文献4には、III-V族n型窒化物系化合物半導体層上に、Ti、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)より選択された少なくとも1種以上を含有してなる第1の電極と、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)から選択された少なくとも1種を含有してなる第2の電極が形成され、前記第1の電極が前記半導体層に接して形成された半導体素子が記載されている。
しかしながら、特許文献4に記載の半導体素子では、III-V族n型窒化物系化合物半導体層に対して所望する程度に良好な低抵抗接触が得られないという問題がある。
特許第2803741号公報 特許第3384700号公報 特許第3360945号公報 特許第3047960号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層の上に、高い信頼性を有し且つ前記半導体層と良好な低抵抗接触が得られる電極構造を備えた半導体素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
特に、n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層の上にGeを含み、Crを電極の構成元素とすることで高い信頼性を有し且つ前記半導体層と所望する程度に良好な低抵抗接触を得ることができる半導体素子及びその製造方法を提供する。
上記目的を達成するため、本発明の半導体素子は、n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に、前記半導体層と低抵抗接触する電極を備えた半導体素子であって、前記電極は、Geを含む、Crからなる電極であることを特徴とする。
本発明によれば、電極上面の荒れが少なく、良好な低抵抗接触を得ることが可能な電極構造とすることが可能となる。特に、Geを含む電極を形成することにより、n型又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層に対して電極上面の荒れが少なく、前記半導体層と所望する程度に良好な低抵抗接触が得られる電極を備えた半導体素子を提供することができる。
また、本発明の半導体素子は、電極に含まれるGeが、電極上面側に比べて電極下面側に多く含まれている構成とすることが好ましい。
また、本発明の半導体素子は、電極上面側にAuが含まれた構成とすることが好ましい。
また、本発明の半導体素子は、電極の中間部が、CrとAuとGeとが混合されてなる構成とすることが好ましい。
本発明の半導体素子の製造方法は、n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又は、ノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に、前記半導体層と低抵抗接触する電極を備えた半導体素子の製造方法であって、前記半導体層上に、Crからなる第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極に積層して、Geを含む第2の電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、n型又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上において、電極表面の荒れが少なく、前記半導体層とより良好なオーミック接触が得られる電極を有する半導体素子の製造方法を提供することができる。
また、本発明の半導体素子の製造方法は、更に、前記第2の電極に積層して、Auを含む第3の電極を形成する工程を備えて製造する方法としても良い。
また、本発明の半導体素子の製造方法は、前記第2の電極が、AuとGeとが混合されてなる構成として製造する方法としても良い。
本発明はの半導体素子の製造方法は、前記半導体層上に前記第1の電極、及び第2の電極を形成した後、400℃以上1000℃以下の温度で熱処理することを特徴とする。
本発明によれば、n型又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層に対して、電極表面側の荒れが少なく、より良好な低抵抗接触が得ることが可能な電極を有する半導体素子における製造方法を提供することができる。
本発明の半導体素子によれば、n型又はノンドープのAlGaYIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層とその上に形成される電極との間の低抵抗性が向上し、電極上面の荒れが少なく信頼性の高い半導体素子が得られる。
以下、本発明の半導体素子の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の各実施形態に限定されるものではなく、例えばこれら実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせてもよい。
本実施形態では、図1に示すようなショットキーバリアダイオードの半導体素子20を例に説明する。
この半導体素子20は、n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に、前記半導体層と低抵抗接触する電極を備えており、該電極は、Geを含む、Crからなる電極で構成されている。
また、半導体素子20は、シリコン等の導電性基板又はSiCやサファイア等の絶縁基板からなる基板1と、該基板1上に形成され、低温成長のGaN層が順次積層されたバッファ層2と、該バッファ層2上に形成されたGaNからなる第1半導体層3と、該第1半導体層3上に形成され、n型又はノンドープのAlGaNからなる第2半導体層4とが、順に積層して形成されている。第2半導体層4の主面200上には、第2半導体層4とショットキー接合を有する電極5と、第2半導体層4と低抵抗接触(オーミック接触)を有する電極6が形成され、図1に示すようなショットキーバリアダイオードとして概略構成されている。
基板1は、半導体素子20の基板として設けられ、基板1上にはバッファ層2を介して半導体層が積層される。
基板1の材質は、上述したように、シリコン等の導電性基板、又はSiCやサファイア等の絶縁基板を用いることができ、適宜選択して採用することができる。
バッファ層2は、基板1上に積層して形成されるとともに、該基板1と半導体層との間に配されている。
バッファ層2は、低温成長のGaN層とGaN層とからなり、これらの各層が順次積層されてなる。
第1半導体層3は、バッファ層2上に形成される半導体層である。
第1半導体層3は、上述したように、GaNからなり、第2半導体層4とともに、本実施形態の半導体素子20を形成している。
また、第1半導体層3には、後述の第2半導体層4との境界であるヘテロ界面201付近に、窒化物系化合物半導体の自発分極及びピエゾ電気分極に基づく2次元キャリア(2次元電子ガス層又は2次元ホールガス層ともいう)202が発生している。
第2半導体層4は、第1半導体層3上に形成され、該第1半導体層3とともに、本実施形態の半導体素子20の半導体層を形成している。
第2半導体層4は、n型、またはノンドープの窒化物系化合物半導体{AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)}からなる。
電極5は、第2半導体層4の主面200上に形成され、第2半導体層4との間でショットキー接合される。
電極6は、第2半導体層4の主面200上に、第2半導体層4と低抵抗接触(オーミック接触)を有して形成されており、Geを含むCrからなる電極である。
以下、本実施形態の電極6について詳しく説明する。
電極6に含まれるGeは、n型、またはノンドープのAlGaIn1−X−YN半導体からなる第2半導体層4のドナーとなる。
電極6に含まれるGeは、電極6の上面6a側に比べて、電極6と第2半導体層4との界面である下面6b側に多く含まれていることが望ましい。
第2半導体層4と、その上に形成された電極6とが低抵抗接触するメカニズムについては、以下のように考えられる。第2半導体層4の主面200は、結晶格子の終端部であるため不飽和結合が存在し、第2半導体層4の主面200近傍に表面準位が発生しやすい。この表面準位に電子が捕獲されると、第2半導体層4内部の正孔が界面200に引き寄せられ、第2半導体層4の主面200近傍の正孔濃度が高くなってしまう。
本発明では、Geを含み、Crを主たる構成元素とする電極6を、第2半導体層4の主面200に配した構成している。Geは、融点が958℃であり、Crの融点(1890℃)よりも低い。一般的に金属は、融点の1/10程度の温度で自己表面拡散が起こり始め、融点の1/3程度の温度で合金化が始まるといわれている。このため、電極のアニール処理を行った場合、電極6の構成元素であるGeはCrよりも容易に自己拡散し、電極6の下面6b側に存在する一部のGeと主面200近傍の第2半導体層4内の正孔とが打ち消しあう。この結果、電極6と第2半導体層4との界面においてバリア障壁の幅が狭まり、トンネル効果が生じて電子が第2半導体層4とその上に形成された電極6との間を通り抜けやすくなる。従って、第2半導体層4と電極6との間に良好な低抵抗接触が得られる。
また、CrにGeを加えることによって、Cr単体の場合に比べ、第2半導体層4とその上に形成される電極6との密着性が促進され、電極6と第2半導体層4との間の強度が増す。さらに、電極6の上面6aの電極荒れが抑制されるため、上面6a側に絶縁膜を積層した後に上面6aを露出してボンディングワイヤ(図示略)を熱圧着法及び超音波法で接続する際、ボンディングワイヤを上面6aに良好に接続することができる。特に、電極6の上面6a側に比べて下面6b側にGeを多く含む構成とすることにより、第2半導体層4と電極6との密着性がより促進され、本発明の効果を得ることができる。
また、電極6の上面6a側はAu(金)を含むことが望ましい。これにより、第2半導体層4と、該第2半導体層4上に形成される電極6との間の低抵抗接触が可能となり、さらに、電極6と、該電極6の上面6aに接続されるボンディングワイヤとの密着性を向上させることができる。
また、本実施形態の半導体素子20に用いられる電極6は、電極6の下面6bと上面6aとの間の中間部6cにおいて、Cr、Au、Geが混合されてなる構成としてもよい。これにより、第2半導体層4と電極6との間の、より良好な低抵抗接触が可能となる。
電極6に含まれるCrの重量含有率は、30w%未満とすることが好ましい。
電極6のCrの含有率が30W%を超えると、電極6におけるGeの占める重量含有率が小さくなってしまい、CrにGeを含ませることによる本発明の効果が低下してしまう。これは、第2半導体層4の上に、Cr又はCrとAuからなる電極を形成した場合、所望する程度の良好な低抵抗接触が得られないことから確認することができる。
よって、電極6に含まれるCrの含有量は、重量含有率で30w%以下とすることが好ましい。
一方、電極6に含まれるCrの重量含有率を5w%未満とした場合も、本発明の効果が得られなくなる。
この点に関するメカニズムは、本発明者が鋭意研究したところによれば、半導体素子をアニール処理することにより、電極6の構成元素であるGeはCrよりも容易に自己拡散するが、Geの第2半導体層4への浸透を電極6の構成元素であるCrが抑制し、電極6の下面6b側(界面200近傍)にGeを残存させることで、界面200における電極6と第2半導体層4との低抵抗接触を可能とし、電極6と第2半導体層4との密着性をも良好とし、さらに電極6上面の荒れをも抑制することができると考えられる。
従って、後述の本発明の半導体素子の製造方法で説明するが、電極6は、Crをある程度厚く積層し、その上にGeを含む電極層を積層して形成することが望ましく、且つ電極6に含まれるCrの重量含有率が5w%以上であることが望ましい。
図1に示すような本実施形態の半導体素子20では、上述の構成によってショットキーダイオードを成しているが、本発明の半導体素子はこれに限らない。また、第2半導体層4はAlGaN層に限らない。本発明は、n型又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体に低抵抗で且つ信頼性の高い電極を形成した半導体素子を提供するものであり、例えばLED、FET、HFET、IGBT、サイリスタ、トランジスタ等、n型又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)からなる半導体層と、この半導体層上に形成されて該半導体層と低抵抗接触する電極を備える全ての半導体素子に適用することができる。
なお、本実施形態の電極6を構成している、Geを含むCrからなる電極は、Mo、W、Ta、Nb等の高融点の電極材料を構成元素として含んでいても良く、それら何れかを含む混合物又は合金化された物からなる電極であっても良い。上述したような、高融点の電極材料を電極6の構成元素に含ませることで、より高温で半導体素子をアニール処理することが可能となり、第2半導体層4と電極6との密着性等をさらに向上することができる。
以下に、本発明の半導体素子の製造方法の一例について、図2を参照しながら説明する。
本実施形態の半導体素子20の製造方法は、n型又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層を上面に有する半導体基体10上に電極を形成する方法であって、例えば、基板1、バッファ層2、第1半導体層3、第2半導体層4を、この順で積層して形成した半導体基体10上に、該半導体基体10と低抵抗接触する電極6を形成する方法である。つまり、半導体基体10上に、スパッタ法又は真空蒸着法によってCrからなる第1の電極61を形成する工程と、スパッタ法又は真空蒸着法によって第1の電極61の上にGeを含む第2の電極62を積層する工程と、を備えてなる製造方法であることを特徴としている。
また、本実施形態の半導体素子20の製造方法では、更に、前記第2の電極62に積層して、Auを含む第3の電極63を形成する工程を備えたことを特徴としている。
また、本実施形態の半導体素子20の製造方法では、第2の電極62を、AuとGeとが混合されてなる電極として構成することができる。
また、本実施形態の半導体素子20の製造方法では、半導体基体10上に前記電極を形成する積層工程の後、400℃以上1000℃以下の温度でアニール処理(熱処理)する方法とすることができる。
なお、図2に示す半導体基体10は一例であって、本例の説明には限定されない。
まず、シリコンなどの導電性基板、又はSiCやサファイアなどの絶縁性基板からなる基板1の上に、GaNからなるバッファ層2と、膜厚3nmのノンドープのGaNからなる第1半導体層3と、膜厚20nmのAlGaNからなる第2半導体層4とを順に積層し、半導体基体10を形成する。
次に、半導体基体10の主面200上に、スパッタ法又は真空蒸着法によってCrからなる第1の電極61を形成し、該第1の電極61上に積層して、Geを含む第2の電極62を形成する。第2の電極62を形成する方法としては、Au及びGeを同時にスパッタ法又は真空蒸着法によって積層する方法としても良い。また、第2の電極62を、AuGeを電極材料として、スパッタ法又は真空蒸着法によって積層する方法としても良い。また、図3に示すように、ボンディングワイヤとの密着性を高めるため、第2の電極62上に、Auを含む第3の電極63をスパッタ法又は真空蒸着法によって形成してもよい。
このようにして形成した第1の電極61及び第2の電極62(第3の電極がある場合には、第3の電極63も含み、以下同様)をフォトマスクとエッチングにて不要な部分を除去する。
その後、アニーリング装置(熱処理装置)に入れて、400℃以上1000℃以下、より好ましくは700℃以上1000℃以下の温度でアニール処理して、第2半導体層4、第1の電極61、第2の電極62のそれぞれが接する界面における反応を促進させ、電極6を形成する。
アニール処理の温度を上記範囲とすることによって、電極6上面の電極荒れを防止すると共に、低抵抗接触を得ることができる。アニール温度が400℃以下だと、低抵抗接触が得られにくい。逆に、アニール温度が1000℃を超えると、Geの融点を超えてしまい、好ましくない。
次に、Ni、白金(Pt)等の仕事関数が大きい金属を、主面200上にスパッタ法又は真空蒸着法によって積層した後、フォトマスクとエッチングにて不要な部分を除去し、さらにアニール処理して半導体層4とショットキー接合を有する電極5を形成する。
本実施形態の半導体素子における電極6の製造方法は、例えば、Crからなる第1の電極61を70nm、AuGeからなる第2の電極62を40nm、Auからなる第3の電極63を100nmの膜厚で順に形成する。
その後、約800℃で10分間、アニール処理を行う。これにより、第2の電極62の構成元素であるGeは、第1の電極61の構成元素であるCrの方へ浸透して行く。これにより、第2半導体層4上に、Geを含むCrからなる電極6が形成される。
なお、本実施形態の製造方法において、第2の電極62を形成する工程と第3の電極63を形成する工程との間に、高融点の電極材料であるMo、W、Ta、Nb等を構成元素とする中間電極を形成する工程を設けても良い。また、第2の電極62を形成する工程を、上記何れかの高融点の電極材料とGeを含む混合材料または合金から形成する工程としても良い。
上記高融点の電極材料をCrの上に積層することによって、アニール処理後の電極6の上面側にCrが露出することを抑制する効果(バリアのような効果)を有する。従って、より高温でアニール処理を行うことが可能となり、第2半導体層4と電極6との密着性を向上することができる。また、Crと上記高融点の電極材料とが混合、合金化するか、又はCrの表面が高融点の電極材料で覆われるため、電極6上面の荒れを防止し、電極6の上面に接続されるボンディングワイヤとの密着性を高めることができる。
以下、本発明の半導体素子の実施例について説明するが、本発明の半導体素子は、これらの実施例にのみ限定されるものでは無い。
本発明者は、特に本発明の半導体素子と特許文献4(特許第3047960号公報)に記載の半導体素子とを比較するため、以下に示すようなサンプル作製及び実験を行った。
[半導体素子のサンプル作製]
ノンドープのAlGaN半導体層の上に、第1の電極/第2の電極/第3の電極を、それぞれCr(70nm)/AuGe(40nm)/Au(100nm)の材料及び膜厚で形成し、さらに、所定の温度でアニールすることで本発明に係る低抵抗接触な電極を有する半導体素子(実施例)を得た。また、この際の電極の構成元素の重量含有率は、それぞれ、Cr:16w%/Ge:1w%/Au:83w%とした。
また、ノンドープのAlGaN半導体層の上に、第1の電極/第2の電極/第3の電極を、それぞれTi(10nm)/AuGe(40nm)/Au(100nm)の材料及び膜厚で形成した後、所定の温度でアニールした電極、及び、それぞれTi(10nm)/AuSi(40nm)/Au(100nm)の材料及び膜厚で形成した後、所定の温度でアニールした電極を作製し、従来の半導体素子(比較例:特許文献4に記載の半導体素子)を得た。また、この際の電極の構成元素の重量含有率は、それぞれ、Ti:1.68w%/Ge:0.95w%/Au:97.4w%、及び、Ti:1.65w%/Si:0.07w%/Au:98.2w%とした。
上述のようにして作製した各実施例及び比較例のサンプルを、それぞれ500℃、650℃、800℃、900℃、1100℃の各温度でアニール処理を行い、後述の評価を行った。
なお、実施例サンプルのCrを厚く形成しているのは、上述したようにCrを厚くすることによって低抵抗接触となるからである。また、比較例サンプルにおいて、Tiの厚さを10nmとしたのは、特許文献4に記載された半導体素子の電極のTiの厚さは50nm以下とあり、より薄く形成するのが好ましいと記載されていることからである。
[サンプルの評価]
上記各温度でアニール処理したサンプルについて、半導体層と電極との間の接触抵抗値を測定するとともに、電極上面の状態について光学顕微鏡を用いて、電極の荒れの有無を確認した。
[評価結果]
電極の材料をCr/AuGe/Auとし、アニール処理温度を650℃、800℃、900℃とした本発明の半導体素子のサンプルは、電極上面の荒れも無く、また、半導体層と電極との間の接触抵抗も0.76〜1.44Ω・mmと、低い範囲の数値を示した。
これに対し、電極の材料をCr/AuGe/Auとし、アニール処理温度を500℃としたサンプルでは、所望する程度の低抵抗接触が得られなかった。
また、電極の材料をCr/AuGe/Auとし、アニール処理温度を1100℃としたサンプルでは、電極上面が荒れる結果となった。
また、電極の材料をTi/AuGe/Auとした従来の半導体素子のサンプルでは、アニール処理温度を500℃、650℃、800℃、900℃、1100℃のいずれとした場合も、電極上面に荒れが生じ、且つ低抵抗接触がまったく得られなかった。
また、電極の材料をTi/AuSi/Auとした従来の半導体素子のサンプルでは、アニール処理温度を800℃とした場合には、約6.0Ω・mmという接触抵抗値が得られたが、本発明の半導体素子に比べて高い数値であり、800℃も高い温度でアニール処理した場合には電極上面が荒れる結果となった。
以上の結果により、n型又はノンドープのAlGaNIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層の上に、Cr/AuGe/Auからなる電極を形成した本発明の半導体素子は、電極上面の荒れが少なく、n型又はノンドープのAlGaNIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層と良好な低抵抗接触が得られることが明らかである。
本発明の半導体素子の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の半導体素子のアニール処理前における一例を模式的に示す断面図である。 本発明の半導体素子のアニール処理前における他例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…基板、2…バッファ層、3…第1半導体層、4…n型半導体層、5…電極(ショットキー電極)、6…電極(低抵抗電極)、6a…上面、6b…下面、6c…中間部、61…第1の電極、62…第2の電極、63…第3の電極

Claims (8)

  1. n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又はノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に、前記半導体層と低抵抗接触する電極を備えた半導体素子であって、
    前記電極は、Geを含む、Crからなる電極であることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記電極に含まれるGeは、電極上面側に比べて電極下面側に多く含まれていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記電極は、上面側にAuが含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子。
  4. 前記電極の中間部は、CrとAuとGeとが混合されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体素子。
  5. n型AlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層、又は、ノンドープのAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)半導体層上に、前記半導体層と低抵抗接触する電極を備えた半導体素子の製造方法であって、
    前記半導体層上に、Crからなる第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極に積層して、Geを含む第2の電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  6. 更に、前記第2の電極に積層して、Auを含む第3の電極を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項5に記載の半導体素子の製造方法。
  7. 前記第2の電極は、AuとGeとが混合されてなる電極であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体素子の製造方法。
  8. 前記半導体層上に、請求項5〜7の何れかに記載の電極を形成した後、400℃以上1000℃以下の温度で熱処理することを特徴とする半導体素子の製造方法。
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