JP2007107636A - クランクプーリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クランクシャフトの振動や回転速度変動をより効果的に緩和することができるクランクプーリ装置を提供する。
【解決手段】 本発明のクランクプーリ装置1は、外周にベルトが巻き掛けられるとともに内周に外側軌道面31を有するプーリ部材3と、外周に内側軌道面21を有し、プーリ部材3に対して相対回転可態に配設された内側部材2と、外側軌道面31と内側軌道面21との間に転動可能に介在した円筒ころ4とを備えている。内側軌道面21及び外側軌道面31には、プーリ部材3と内側部材2との相対回転に伴い円筒ころ4を転動させつつ円筒ころ4の挟持間隔を漸次狭くして、前記相対回転により生じたプーリ部材3と内側部材2との間の位相差を解消する方向の回動付勢力をプーリ部材3と内側部材2との間に付与する異形軌道面2k、3kが形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトに取り付けられるクランクプーリ装置に関する。
自動車等のエンジンのクランクシャフトには、オルタネータ等の補機類を駆動するためのベルトが巻き掛けられるクランクプーリ装置が取り付けられている。
一般に、自動車等のエンジンのクランクシャフトは、シリンダの爆発力によって回転力が付与されるので、その回転速度に変動が生じる。そして、このようなクランクシャフトの回転速度の変動がベルトを介して補機類に伝達されると、回転によって慣性力が生じている補機類は、その回転速度の変動に追従できない。このため、ベルトの張力が過大に変動したり、クランクプーリ装置とベルトの間でスリップが生じたりすることがあった。このようなベルトのスリップや張力の過大な変動は、ベルトの異音の発生や寿命低下等の原因となる。また、ベルトのスリップを防止するために、当該ベルトの初期張力を比較的高く設定することがあり、この場合には、クランクシャフトの回転抵抗が増大し、エンジンの燃費性能を低下させることもあった。
また、クランクシャフト自体が軸方向に軸対称に形成されていないため、上記クランクシャフトの回転速度の変動は、クランクシャフト自体のねじり振動やうねり振動の原因にもなっていた。
このため、クランクシャフトの回転速度変動による他の部分への影響を緩和すべく、クランクシャフトに取り付けられるプーリボスと、外周にベルトが巻き掛けられる筒状のプーリ部材と、前記プーリボスと前記プーリ部材との間に介在するダンパゴムとを備えたクランクプーリ装置が提案されている。このようなクランクプーリ装置は、弾性体からなるダンパゴムを、プーリ部材とクランクシャフトとの間に介在させ、両者を周方向に弾性的に相対回転可能とすることで、プーリ部材をクランクシャフトに対するダンパマスとして機能させて、ダンパ作用を得ることができる。このダンパ作用によって、クランクシャフトの振動を吸収するとともに、クランクシャフトの回転速度変動を緩和していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−172403号公報(図2)
上記従来のクランクプーリ装置より得られる、クランクシャフトの回転速度変動を緩和するためのダンパ作用は、ダンパゴムの弾性特性に大きく依存している。ダンパゴムの弾性特性は、当該ダンパゴムを構成する弾性体の材質や、その厚み寸法を変更することで変更することができるが、このような方法による弾性特性の変更可能な範囲はそれほど広いものではなく、その自由度は低いものであった。従って、上記従来のプーリ装置では、ダンパゴムの弾性特性を適切に設定できず、クランクシャフトの振動や回転速度変動を効果的に緩和できない場合があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、クランクシャフトの振動や回転速度変動をより効果的に緩和できるクランクプーリ装置を提供することを目的とする。
本発明のクランクプーリ装置は、外周にベルトが巻き掛けられるとともに内周に外側軌道面を有する円筒状のプーリ部材と、外周に前記外側軌道面と対向する内側軌道面を有し、前記プーリ部材に対して相対回転可能に配設されるとともにクランクシャフトに一体回転可能に取り付けられる内側部材と、前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動可能に介在した転動体とを備え、前記内側軌道面及び外側軌道面の少なくとも一方が、前記プーリ部材と前記内側部材との相対回転に伴い転動体を転動させつつ当該転動体の挟持間隔を漸次狭くして、前記相対回転により生じた前記プーリ部材と前記内側部材との間の位相差を解消する方向の回動付勢力を前記プーリ部材と前記内側部材との間に付与する異形軌道面を少なくとも一部に有していることを特徴としている。
上記のように構成されたクランクプーリ装置によれば、ねじりコイルばね等を用いることなく簡素な構成で回動付勢機能(ねじりばね性)を付与することができる。すなわち、このねじりばね性によって、プーリ部材と内側部材とを周方向に弾性的に相対回転させることができ、これによって、プーリ部材をクランクシャフトに対するダンパマスとして機能させてクランクシャフトの振動を緩和するとともに、クランクシャフトの回転速度変動を緩和することができる。
また、上記構成により得られるねじりばね性の特性は、異形軌道面の形状や転動体の外径等を変更することで、多様に変化させることができ、その設定の自由度が極めて高くなる。従って、当該クランクプーリ装置が取り付けられるエンジンの仕様や特性等に応じて、好適な弾性力特性を当該クランクプーリ装置に付与することができる。
上記クランクプーリ装置において、前記プーリ部材と、前記内側部材との間には、これらを互いに同心に支持する転がり軸受が介装されていることが好ましい。
この場合、前記プーリ部材に作用するラジアル方向の負荷荷重を前記転がり軸受によって支持することができるので、異形軌道面及び転動体に作用する外部からの負荷荷重を低減できる。従って、上記ねじりばね牲をより安定して得ることができる。
以上のように、本発明に係るクランクプーリ装置によれば、プーリ部材と内側部材との間に付与される弾性力を、エンジンの仕様や特性等に応じて、好適に設定することができるので、クランクシャフトの振動や回転速度変動をより効果的に緩和できる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態であるクランクプーリ装置の要部構成を示す断面図である。このクランクプーリ装置1は、自動車のエンジンのクランクシャフトに取り付けられるものであり、クランクシャフトによる回転力をオルタネ一タ等の補機類に伝達し駆動するためのベルトが巻き掛けられるものである。
このクランクプーリ装置1は、エンジンのクランクシャフトSに一体回転可能に取り付けられる内側部材2と、この内側部材2の外周側に同軸に配置された円筒状のプーリ部材3と、これらの間に転動可能に介在した転動体としての円筒ころ4と、この円筒ころ4の軸方向両側において内側部材2とプーリ部材3との間に介装された二つの転がり軸受51,52と、を備えている。
このうち、プーリ部材3の外周面には、エンジンのクランクシャフトによる回転力を補機類に伝達するためのベルト50が巻き掛けられる波状溝3aが形成されている。また、このプーリ部材3の内周面には、円筒ころ4が転動する外側軌道面31が形成されている。
内側部材2は、クランクシャフトSが挿入される貫通孔26aが設けられたボス部26と、この貫通孔26aの軸心と一致する外周面を有する環状部25と、ボス部26から放射状に延ばされて環状部25を支持している複数のスポーク部材27とを備えている。この内側部材2は、貫通孔26aにクランクシャフトSを挿入し、ボルトS1によって固定されることで、クランクシャフトSの端部に一体回転可能に取り付けられる。また、環状部25の外周面には、円筒ころ4が転動する内側軌道面21が、外側軌道面31に対向して形成されている。
転がり軸受51、52は、内側部材2とプーリ部材3との間に介装されることで、これらを互いに相対回転可能とするとともに、プーリ部材3に作用するラジアル方向の荷重を支持している。
次に、内側部材2及び基端部材3にそれぞれ設けられた内側軌道面21及び外側軌道面31について説明する。図2は、図1中II−II線の断面図である。環状部25(内側部材2)の内側軌道面21は、内側部材2及びプーリ部材3の回転軸Xを中心とする円周面とは異なる複数の異形軌道面としての内側異形軌道面2kを連続的に形成することにより構成されている。外側軌道面31は、複数の異形軌道面としての外側異形軌道面3kを連続的に形成することにより構成されている。
内側軌道面21を構成する各内側異形軌道面2kはすべて同一形状であり、外側軌道面31を構成する各外側異形軌道面3kもすべて同一形状である。内側軌道面21は周方向に均等に(45度ごとに)8分割され、各分割部分がそれぞれ内側異形軌道面2kとされている。同様に、外側軌道面31も周方向に均等に(45度ごとに)8分割され、各分割部分がそれぞれ外側異形軌道面3kとされている。そして、各異形軌道面2k、3k間に1個ずつ円筒ころ4が配置されている。
また、内側部材2とプーリ部材3との間には、内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kにより、軌道面間隔が周方向に漸次狭くなる漸縮空間部(くさび状空間部)が形成され、内側部材2とプーリ部材3との相対回転に伴い所謂くさび効果によって円筒ころ4が圧縮弾性変形する。上記の如く、内側軌道面21及び外側軌道面31をそれぞれ異形軌道面2k、3kの連続により形成することで、内側軌道面21及び外側軌道面31はそれぞれ異形軌道面2k、3kのみによって占められている。しかも、各異形軌道面2k,3kは周方向に等配されている。
次に、外側異形軌道面3k及び内側異形軌道面2kの輪郭形状について詳述する。
外側軌道面31を構成する複数の外側異形軌道面3kは、それぞれ凹曲面とされている。具体的には、外側異形軌道面3kは、内側部材2及びプーリ部材3の回転軸X(以下、軸中心Xともいう)よりも軌道面(当該外側異形軌道面3k)に近い側に位置する外輪軌道曲率中心Coを中心とする円周面とされている。この外側異形軌道面3kの曲率半径groは、外側軌道面31と軸中心Xとの距離の最大値であって外側軌道面31の断面輪郭線に外接する円の半径である外側軌道基準半径Roよりも小さい。また、断面視において、3つの各外側異形軌道面3kのそれぞれに関し、外側軌道曲率中心Coは、軸中心Xからの距離が最大値となる外側軌道最大径位置3mと軸中心Xとを含む直線p3上にある。
内側軌道面21を構成する複数の内側異形軌道面2kは、それぞれ凸曲面とされている。具体的には、内側異形軌道面2kは軸中心Xよりも軌道面(当該内側異形軌道面2k)から遠い側に位置する内側軌道曲率中心Ciを中心とする円周面とされている。この内側異形軌道面2kの曲率半径griは、内側軌道面21と軸中心Xとの距離の最小値であって内側軌道面21の断面輪郭線に内接する円の半径である内側軌道基準半径Riよりも大きい。また、断面視において、3つの各内側異形軌道面2kのそれぞれに関し、内側軌道曲率中心Ciは、軸中心Xからの距離が最小値となる内側軌道最小径位置2mと軸中心Xとを含む直線p2上にある。
以上のような形状の内側軌道面21と外側軌道面31とを有するクランクプーリ装置1は、回動付勢機能(ねじりばね機能)を有している。以下、この点について説明する。
内側軌道面21及び外側軌道面31は、上述したように、いずれも軸中心Xを中心とする円周面ではないので、内側軌道面21と外側軌道面31との間の空間(転動空間)の形状は内側部材2とプーリ部材3との相対位相関係により変化するが、図2の状態は、外側軌道面31の外側軌道最大径位置3mと内側軌道面21の内側軌道最小径位置2mとが同位相とされた状態である。以下、この状態を基準状態ということとする。この基準状態において、各円筒ころ4は、内側軌道最小径位置2m及び外側軌道最大径位置3mと接する周方向位置に配置される。この基準状態は、外側異形軌道面3kと内側異形軌道面2kとによる円筒ころ4の挟持間隔(円筒ころ4の接触位置における軌道面間隔)が最も広い状態である。よって、この基準状態では、両軌道面2k、3kから円筒ころ4に作用する圧縮力は最小値(たとえば0)となる。
なお、基準状態における内側軌道最小径位置2mと外側軌道最大径位置3mとの間の径方向距離は円筒ころ4の直径と略一致させるが、若干のラジアル隙間(プラス隙間又はマイナス隙間)を与えても良い。
次に、この基準状態から内側部材2とプーリ部材3とを相対回転させると、円筒ころ4が転動するとともに、当該円筒ころ4の挟持間隔は漸次狭くなる。よってこの相対回転に伴い円筒ころ4は内側軌道面21及び外側軌道面31により圧縮されて弾性圧縮変形し、この相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力(弾性力;ねじりばね力)を内側部材2とプーリ部材3との間に付与する。
上記の回動付勢力(ねじりばね力)が生じる点について更に詳細に説明する。図3は、内側部材2とプーリ部材3との相対回転により発生する回動付勢力について説明するための断面図であり、理解しやすいように内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kと円筒ころ4の断面線のみを示している。図3では、内側部材2を固定し、プーリ部材3を反時計回りに角度θだけ回転させて静止させた釣り合い状態を示している。基準状態では、外側軌道最大径位置3mは、図3のx軸上の位置3miに位置し、且つ内側軌道最小径位置2mもx軸上にある。またこの基準状態では円筒ころ4の中心Prもx軸上にある。かかる基準状態からプーリ部材3を角度θだけ反時計回りに回転させると、円筒ころ4が図3に示す位置まで反時計回りに転動する。この転動による円筒ころ4の公転角度は、内側軌道曲率中心Ciに対して角度φiである。
このとき、内側異形軌道面2kと円筒ころ4との接触位置の中心をPi、外側異形軌道面3kと円筒ころ4との接触位置の中心をPoとすると、PiとPoとの間の間隔は、基準状態における内側軌道最小径位置2mと外側軌道最大径位置3mとの間の間隔よりも狭くなっており、且つ、円筒ころ4の直径2Rr(円筒ころ4の半径Rrの2倍)よりも狭くなっている。よって、円筒ころ4は、内側軌道面21から垂直力Qiを受けるとともに、外側軌道面31から垂直力Qoを受けて圧縮弾性変形する。釣り合って静止している状態では、円筒ころ4に接線力は殆ど働かず、図3に示すように点Ci,Co,Pi,Pr,Poは直線L1上に並ぶこととなる。そして、上記垂直力Qi及び垂直力Qoのベクトルの向きも直線L1と同じ向きとなり、内側部材2が円筒ころ4から受ける垂直力Qi′、及び、プーリ部材3が円筒ころ4から受ける垂直力Qo′も直線L1と同じ向きとなる。
そして、プーリ部材3が円筒ころ4から受ける垂直力Qo′は、クランクプーリ装置1の径方向(円筒ころ4との接触位置の中心Poと軸中心Xとを結ぶ方向)と相違しており、当該径方向の成分とともに時計回りの成分を有することとなる。このようにして、プーリ部材3は、回動付勢力(ねじりばね性)を発生させる時計回り方向のモーメント(以下、回動付勢モーメントともいう)を受ける。回動付勢モーメントの大きさは、〔(ベクトルQo′の大きさ)×(軸中心Xから直線L1までの距離U1)〕となる。
上述したように、内側異形軌道面2kは凸曲面であり、且つ、外側異形軌道面3kは凹曲面である。しかも、内側異形軌道面2k及び外側異形軌道面3kは滑らかに連続した曲面を構成している。内側軌道面21において滑らかに連続した曲面となっていないのは、隣り合った内側異形軌道面2k同士間の境界位置21bのみであり(図2参照)、外側軌道面31において滑らかに連続した曲面となっていないのは、隣り合った外側異形軌道面3k同士間の境界位置31bのみである(図2参照)。したがって、円筒ころ4と軌道面との接触位置がこれら境界位置21b,31bに達しない限り、内側部材2とプーリ部材3との相対回転に伴う円筒ころ4接触位置における軌道面間隔は漸次(徐々に)変化することとなる。そして、図3を用いて説明した上記機構により、内側部材2とプーリ部材3との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内側部材2とプーリ部材3との間に付与される。
上記のように構成されたクランクプーリ装置1によれば、ねじりコイルばね等を用いることのない簡素な構成で回動付勢機能(ねじりばね性)を付与することができる。すなわち、このねじりばね性によって、プーリ部材3と内側部材2とを周方向に弾性的に相対回転させることができ、これによって、プーリ部材3をクランクシャフトに対するダンパマスとして機能させてクランクシャフトの振動を緩和するとともに、クランクシャフトの回転速度変動を緩和することができる。
また、上記構成により得られるねじりばね性の特性は、両異形軌道面2k、3kの形状や円筒ころ4の外径等を変更することで、多様に変化させることができ、その設定の自由度が極めて高くなる。従って、エンジンの仕様や特性等に応じて、好適な弾性力特性を当該クランクプーリ装置1に付与することができ、クランクシャフトの振動や回転速度変動をより効果的に緩和できる。
また、このクランクプーリ装置1によれば、上記のようにクランクシャフトの振動や回転速度変動を効果的に緩和できるので、従来のクランクプーリ装置を用いた場合よりも、ベルト50との間に生じるスリップを効果的に抑制することができる。従って、従来のクランクプーリ装置の場合よりも、ベルト50の初期張力を低く設定することが可能となる。これによって、クランクシャフトの負荷を低減し、エンジンの燃費性能を向上させることができる。
また、上記実施形態のクランクプーリ装置1は、円筒ころ4と、内側軌道面21及び外側軌道面31との間の転動部位を、オイルやグリース等の潤滑剤で潤滑した場合、円筒ころ4が転動する際の潤滑剤の転がり粘性抵抗や撹拌抵抗によって減衰機能を付与することができ、ねじりばね性を有するとともに、作用する外力及び前記外力の反力としての回動付勢力を減衰する減衰機能を兼ね備えたものとすることができる。これにより、本実施形態のクランクプーリ装置1は、ねじりばね性によって生じる共振等を減衰、緩和することができる。
また、このクランクプーリ装置1において、内側部材2とプーリ装置3との間には、転がり軸受51、52が介装されており、これらによって、プーリ部材3に作用するラジアル方向の荷重を支持している。これにより、両異形軌道面2k、3k及び円筒ころ4に作用する外部からの負荷荷重を低減できるので、回動付勢力を生じさせるために必要な負荷を、これら両異形軌道面2k、3k及び円筒ころ4に安定的に作用させることができる。従って、当該クランクプーリ装置1により得られる回動付勢力をより安定したものにできる。
また、本実施形態のクランクプーリ装置1によれば、従来の弾性体からなるダンパゴム等を用いたプーリ装置と比較して、連続使用や経時変化による劣化を抑制することができ、長寿命化、信頼性の向上を図ることができる。
尚、本発明のクランクプーリ装置は上記各実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、転動体として円筒ころを用いたが、例えば球や円すいころ等を用いてもよく、プーリボスとプーリ部材との相対回転に伴い転動するものであれば、転動体の形状等は特に限定されない。また、ねじり剛性の設定自由度を高めるため、弾性圧縮変形しやすい中空の転動体(例えば中空の円筒ころや中空の球)等を用いることもできる。また、転動体の材質は、当該クランクプーリ装置に求められる性能に合わせて適宜選択される。
また、プーリ部材は、その形状や肉厚を調整することで、全体の重量を適宜調整し、当該クランクプーリ装置におけるダンパマスとしての効果を高めることで、クランクシャフトの振動や回転速度変動の緩和効果をより高めることもできる。
また、図4、図5に示すように、内側異形軌道面2kが形成された内側軌道面21、外側異形軌道面3kが形成された外側軌道面31、及び円筒ころ4を径方向複列に配置してもよい。この場合、ねじり剛性が低くなるとともに許容回転角度を大きくできるので、クランクシャフトの振動や回転速度変動の緩和効果をより高めることができる。
本発明の第一の実施形態であるクランクプーリ装置の要部構成を示す軸方向断面図である。 図1中、II−II線の断面図である。 内側部材とプーリ部材との相対回転により発生する回動付勢力について説明するための断面図である。 内側軌道面、外側軌道面、及び円筒ころを径方向複列に配置したクランクプーリ装置の要部構成を示す軸方向断面図である。 図4中、V−V線の断面図である。
符号の説明
1 クランクプーリ装置
2 内側部材
21 内側軌道面
2k 内側異形軌道面
3 プーリ部材
31 外側軌道面
3k 外側異形軌道面
4 円筒ころ(転動体)
50 ベルト
51,52 転がり軸受

Claims (2)

  1. 外周にベルトが巻き掛けられるとともに内周に外側軌道面を有する円筒状のプーリ部材と、
    外周に前記外側軌道面と対向する内側軌道面を有し、前記プーリ部材に対して相対回転可能に配設されるとともにクランクシャフトに一体回転可能に取り付けられる内側部材と、
    前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動可能に介在した転動体とを備え、
    前記内側軌道面及び外側軌道面の少なくとも一方が、前記プーリ部材と前記内側部材との相対回転に伴い転動体を転動させつつ当該転動体の挟持間隔を漸次狭くして、前記相対回転により生じた前記プーリ部材と前記内側部材との間の位相差を解消する方向の回動付勢力を前記プーリ部材と前記内側部材との間に付与する異形軌道面を少なくとも一部に有していることを特徴とするクランクプーリ装置。
  2. 前記プーリ部材と前記内側部材との間には、これらを互いに相対回転可能に支持する転がり軸受が介装されている請求項1記載のクランクプーリ装置。
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