JP2007107408A - バランスウェイト及び送風機用ファン - Google Patents

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Shohei Onuma
翔平 大沼
Hideki Aoi
英樹 青井
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Abstract

【課題】
ファンが回転する際、搭載したバランスウェイトが外れないように、嵌合強度を上げると同時に、従来方法より簡易な取り付けを可能とするバランスウェイトの取り付け方法を提供し、高速回転用ファンでもファンのバランスを取れるようにする。
【解決手段】
略U字状に形成し、U字両面がブレード5の湾曲に沿うように同角度方向に折り曲げられており、面2aより面2bを長く形成して、ブレード5との接触面を増やし、バランスウェイト1の挿入口をブレード5の厚さよりも狭くする。両面には略U字バネの内側に向けて係合用の爪3を設けて、ブレードとの接点を増やす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、送風機等に用いられているファンのバランスウェイトに関するものである。
略U字状に形成され、U字両側片を湾曲させることで、ファンの羽根(ブレード)を複数の接点で支持して固定するバランスウェイトは従来から知られている。また、U字側片面に段部を設けて、この段部とブレードが係合するようにしたものは従来から知られている。(特許文献1、特許文献2参照)
特開平6−288392 特開平11−210690
送風機羽根車において、複数ある羽根(ブレード)は、製造上、どうしても重量が不均等になってしまう。そのため、羽根車全体のバランスが悪くなり、回転に伴う振動が大きいものとなる。対策として、羽根車全体のバランスを均等にするために、ブレードにバランスウェイトを取り付けて、重量バランスを調整することは、従来から知られている。
前記バランスウェイトは湾曲しており、バランスウェイト内でブレードの湾曲部と嵌合することで、ブレードに装着している。そして、バランスウェイトの嵌合強度を上げるために、バランスウェイト内側に向けて切り欠きを設けて係合爪を形成することで、ブレードの湾曲に係合爪を係合させている。
しかし、前記バランスウェイトの係合爪の形成箇所は従来では1箇所のみであった。そのため、羽根車の回転方向に荷重が加わった場合、この係合爪が中心となってしまうため、回転方向荷重に対しては、動きやすく、また、抜けやすいという問題があった。
また、係合接点を増やすために、バランスウェイトの形を大きく湾曲させ、ブレードの両側面から挟持させる方法がある。しかし、ブレードの湾曲が大きい場合は、バランスウェイトの挿入途中で引っかかった状態となり、ブレードを挿入するための作業性が悪くなる。また、途中までしか挿入しなかった場合は、係合接点が少なくなり嵌合強度が低くなってしまう。さらに、ブレードの大きさに合わせてバランスウェイトを作成しなければならず、バランスウェイトが大きくなり、材料使用量が多くなる。
そこで、本発明は上記問題点を考慮し、挿入が簡易であり、かつ、ブレードの嵌合強度を向上させたバランスウェイトを提供する。
請求項1に関する発明は、板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状バネの対向した両面に、内側に向かって切り欠きにより係合爪を形成したことを特徴とするバランスウェイトを提供するものである。
請求項2に関する発明は、略U字状の対向した両面に設けられた各係合爪が幅方向の中心からずらした位置に設けたことを特徴とする請求項1記載のバランスウェイトを提供するものである。
請求項3に関する発明は、略U字状の対向した両面に前記係合爪が複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のバランスウェイトを提供するものである。
請求項4に関する発明は、前記係合爪の形状が、矩形状、或いは、正方形状にしたことを特徴とする請求項1〜3記載のバランスウェイトを提供するものである。
請求項5に関する発明は、板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状の対向した面の一方の面に、略U字形バネの内側に向かって、切り欠きにより係合爪を形成したバランスウェイトにおいて、他方の面の先端部を、略L字状に内側に向けて折り曲げて係合爪を形成し、このL字状爪と前記切り欠き爪を設けたことを特徴とするバランスウェイトを提供するものである。
請求項6に関する発明は、板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状の2つの面の両側を、略U字になるように内側に向けて折り曲げて係合爪を形成したことを特徴とするバランスウェイトを提供するものである。
請求項7に関する発明は、板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状の1つの面の先端部を、略U字の内側に向かって折り曲げ、さらに、略U字状の他の面の両側を、略U字の内側に向かって折り曲げて係合爪を形成したことを特徴とするバランスウェイトを提供するものである。
請求項8に関する発明は、ファンの形状に沿って湾曲したことを特徴とする請求項1〜7記載のバランスウェイトを提供するものである。
請求項9に関する発明は、前記板状のバネ材の材質として、ステンレス鋼、或いは、リン青銅、ベリリウム銅などの銅合金を用いたことを特徴とする請求項1〜8記載のバランスウェイトを提供するものである。
請求項10に関する発明は、請求項1〜9記載のバランスウェイトの何れかを装着したことを特徴とする送風機用ファンを提供するものである。
請求項1に関する発明は、係合爪を2つの対向した両面に設けることにより、ブレードとの接点を増やし、嵌合強度を上げることができる。また、回転方向荷重に対しても複数点で支持しているので、動きにくくなる。
請求項2に関する発明は、U字バネの両面の幅方向の中心からずらした位置に係合爪を設けることで、係合爪の支持点が回転方向荷重の中心にならないので、動きにくくなる。
請求項3に関する発明は、U字バネ両面に複数の係合爪を設けることで、ブレードとの接点を増やし、嵌合強度をさらに上げることができる。
請求項4に関する発明は、矩形状あるいは正方形状の係合爪にするかを、ブレードやバランスウェイトの形状に合わせて選ぶことができる。これにより、ブレードの形状による嵌合強度の低下を抑えることができる。
請求項5に関する発明は、従来では点でブレードを支持していたのに対し、線で支持しているので、嵌合強度を上げることができる。
請求項6に関する発明は、従来では点でブレードを支持していたのに対し、線で支持しており、また、2箇所あるいは4箇所に爪を設けることで、嵌合強度を上げることができる。
請求項7に関する発明は、従来では点でブレードを支持していたのに対し、線で支持しており、6箇所の爪により嵌合強度がさらに上げることができる。
請求項8に関する発明は、バランスウェイトをファンの形状に沿って湾曲させる簡易な形状を取っているため、バランスウェイトの製造が容易なものとなる。また、ブレードへの搭載も容易なものとなるので、工程の簡略が可能となる。
請求項9に関する材質を用いることで、平面状の板から略U字状への形成が容易であり、尚且つブレードを挟む保持力が高いため、他材質よりも優れている。
請求項10に関するように、回転速度の速いファンにバランスウェイトに搭載しても、本発明のバランスウェイトでは、ブレードから抜けにくいものとなる。そのため、高速回転用ファンの重量バランス調整が可能であり、結果、振動の少ない高速回転用ファンが利用可能となる。
また、ブレードの先端にバランスウェイトを搭載する方法であるため、小形のバランスウェイトが作成でき、結果、材料使用量の軽減と、重量の微調整が可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図1から図14に基づいて説明する。
(1)バランスウェイトの構造
本発明のバランスウェイトの基本構造について、図1から図4を例にとって説明する。本発明のバランスウェイト1は略U字状の形状をしており、U字の2つの面2a、2bは、ブレード5の湾曲に沿うように同角度方向に湾曲している。また、面2bは面2aよりも長く形成して、ブレード5を挿入しやすくしている。さらに、ブレード5を挿入する口を、ブレード5の厚さより狭くするようにして、ブレード挿入時の嵌合強度を上げている。
また、バランスウェイト1は、ステンレス鋼、或いは、リン青銅、ベリリウム銅などといった、銅合金のような弾性のある部材を使用している。
(2)本発明の実施例1の構造
図1、図2より、バランスウェイト1の両面2には、ブレード挿入部側へと切り欠きを設けて係合用の爪3を形成している。そして、図3より、面2aの係合爪3aと面2b側の係合爪3aは、幅方向の中心からずらした位置に設けており、回転方向荷重の中心にならないようにしている。
図5より、バランスウェイト11のように係合爪13の数を増やしてもよい。これによりブレードへの嵌合強度が上がると同時に、一つの係合爪に対して回転方向荷重の中心にならないので動きにくい。その際、ブレードの形状によっては、両面の係合爪の数は同数でなくても良く、また、係合爪の位置が対向していなくても良い。
図6より、バランスウェイト21のように、両面22に係合爪23は側片水平方向に対して平行に設けるだけでなく、互い違いに設けるようにしている。これは、バランスウェイトの面積や、装着するブレードの形状に合わせて選択する。
(3)本発明の実施例2の構造
図7、図8より、バランスウェイト31のように、両面32に係合爪33が設けられている。そして、面32bのU字頂点ではブレード挿入部側へ略L字状に曲げられ、係合爪34が設けられている。これにより、従来では点で支えていた状態から線で支えることになり、嵌合強度が上がり、また、回転方向荷重に対しても強いものとなる。
(4)本発明の実施例3の構造
図9、図10より、バランスウェイト41のように、両面42の両端部をブレード挿入部側へ折り曲げ、係合爪43が設けられている。合計4箇所の爪を線で支えることにより、嵌合強度の向上および回転方向荷重に対する強度も上がる。
(5)本発明の実施例4の構造
図11、図12より、バランスウェイト51のように、面52aでは両端部をブレード挿入部側へ略L字状に折り曲げて係合爪53が設けられており、一方、面52bではU字頂点部をブレード挿入部側へ折り曲げて係合爪54を形成している。
本発明は、バランスウェイトをブレードに嵌合させる際、嵌合強度を高くし、特に回転方向荷重に対する支持強度が高いものを提供する。また、このバランスウェイトは高速回転のファンにも装着することができるため、振動の少ないファンを提供することができる。
本発明の第1実施例の斜視図である。 本発明の第1実施例の側面図である。 本発明の第1実施例の平面図である。 本発明の第1実施例において、バランスウェイト搭載時の側面図である。 本発明の第1実施例の別形状1における斜視図である。 本発明の第1実施例の別形状2における平面図である。 本発明の第2実施例の斜視図である。 本発明の第2実施例の側面図である。 本発明の第3実施例の斜視図である。 本発明の第3実施例の平面図である。 本発明の第4実施例の斜視図である。 本発明の第4実施例の平面図である。
符号の説明
1、11、21、31、41、51 バランスウェイト
2a、12a、22a、32a、42a、52a 短い面
2b、12b、22b、32b、42b、52b 長い面
3、13、23、33、34、43、53、54 係合爪
5 ブレード

Claims (10)

  1. 板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状バネの対向した両面に、内側に向かって切り欠きにより係合爪を形成したことを特徴とするバランスウェイト。
  2. 略U字状の対向した両面に設けられた各係合爪が幅方向の中心からずらした位置に設けたことを特徴とする請求項1記載のバランスウェイト。
  3. 略U字状の対向した2つの両面に前記係合爪が複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のバランスウェイト。
  4. 前記係合爪の形状が、矩形状、或いは、正方形状にしたことを特徴とする請求項1〜3記載のバランスウェイト。
  5. 板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状の対向した面の一方の面に、略U字形バネの内側に向かって、切り欠きにより係合爪を形成したバランスウェイトにおいて、他方の面の先端部を、略L字状に内側に向けて折り曲げて係合爪を形成し、このL字状爪と前記切り欠き爪を設けたことを特徴とするバランスウェイト。
  6. 板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状の2つの面の両側を、略U字になるように内側に向けて折り曲げて係合爪を形成したことを特徴とするバランスウェイト。
  7. 板状のバネ材を略U字状に形成し、この略U字状の1つの面の先端部を、略U字の内側に向かって折り曲げ、さらに、略U字状の他の面の両側を、略U字の内側に向かって折り曲げて係合爪を形成したことを特徴とするバランスウェイト。
  8. ファンの形状に沿って湾曲したことを特徴とする請求項1〜7記載のバランスウェイト。
  9. 前記板状のバネ材の材質として、ステンレス鋼、或いは、リン青銅、ベリリウム銅などの銅合金を用いたことを特徴とする請求項1〜8記載のバランスウェイト。
  10. 請求項1〜9記載のバランスウェイトの何れかを装着したことを特徴とする送風機用ファン。
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