JP2007106870A - メタリック塗膜の下地形成塗料用材料、これを用いた塗料及び塗膜 - Google Patents
メタリック塗膜の下地形成塗料用材料、これを用いた塗料及び塗膜 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】メタリック塗膜の下地形成塗料用材料は、環状分子と、この環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有し、直鎖状分子及び環状分子の少なくとも一方が疎水性の修飾基を有する親油性ポリロタキサンから成る。メタリック塗膜の下地形成塗料は、メタリック塗膜の下地形成塗料用材料を用いたものである。メタリック塗膜の下地用塗膜は、メタリック塗膜の下地形成塗料を用いて形成される。積層塗膜は、メタリック塗膜の下地形成塗料を用い、被塗物に、下地用塗膜、メタリック塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成して成る。
【選択図】なし
Description
このような自動車の内外装塗装に用いられるメタリック塗料は、いわゆる粒子感が無く、ハイライト領域とシェード領域の光沢の差が大きい独特の意匠性を有するものである。
そして、そのような平滑な下地用塗膜を創出するためには、下地用塗膜に含まれる体質顔料の量を低減することが有効であると考えられる。
また、これらをフード先端等の積層構成の一部へ追加したアンダーコートやストンガードコートが知られている(特許文献2参照。)。
また、上記特許文献1及び2に記載された軟質塗料や軟質塗膜を適用する場合にあっては、クラックが発生する可能性があるので、軟質の程度には制限があるという問題点がある。
この親油性ポリロタキサンは、環状分子と、両末端に封鎖基を持つ直鎖状分子を有する。また、直鎖状分子は、環状分子の開口部を串刺し状に貫通することによって当該環状分子を包接しており、更に、その両末端に配置された封鎖基が包接した環状分子の脱離を防止している。
また、この親油性ポリロタキサンを構成する直鎖状分子、環状分子のいずれか一方又は双方は、疎水性の修飾基を有している。
同図において、この疎水性修飾ポリロタキサン5は、直鎖状分子6と、環状分子であるシクロデキストリン7と、直鎖状分子6の両末端に配置された封鎖基8を有し、直鎖状分子6は環状分子7の開口部を貫通して環状分子7を包接している。
そして、シクロデキストリン7は、疎水性修飾基7aを有している。
また、塗料に適用するときは製品の耐久性が向上する。即ち、メタリック塗膜の耐チッピング性を向上できる。更に、メタリック塗膜の平滑性に由来する意匠性を向上できる。更にまた、メタリック塗膜においては、耐候性、耐汚染性、密着性等にも優れる。
また、環状分子の大きさにも影響を受けるが、その長さも環状分子が滑車効果を発揮できる限り特に限定されない。
かかる親油性の発現は、従来は水系溶剤や有機系溶剤に難溶性ないしは不溶性であったポリロタキサンに対し、有機溶剤という反応場、典型的には架橋場を提供するものである。即ち、本発明のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料は、有機溶剤の存在下で他のポリマーとの架橋や修飾基による修飾が容易に行える反応性を向上したものである。
かかる疎水基としては、例えば、アルキル基、ベンジル基(ベンゼン環)及びベンゼン誘導体含有基、アシル基、シリル基、トリチル基、硝酸エステル基、トシル基などがある。
かかる親水基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、アミノ基(一級〜三級)、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシアルキル基などがある。
具体的には、例えばポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
分子量が1,000未満では、滑車効果が低下することでメタリック塗膜の下地用塗膜の伸び率が低下し、メタリック塗膜の下地用塗膜の耐チッピング性が低下することがある。
一方、分子量が60,000を超えると、メタリック塗膜の下地形成塗料用材料の溶解性が低下し、メタリック塗膜の下地用塗膜の平滑性が低下するとともに、メタリック塗膜の平滑性が低下することがある。
かかる反応基としては、採用する封鎖基の種類などに応じて適宜変更することができるが、水酸基、アミノ基、カルボキシル基及びチオール基などを例示できる。
また、環状分子は実質的に環状であれば十分であり、「C」字状のように完全な閉環ではないものも含まれる。
かかる反応基は、適宜変更することができるが、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びアルデヒド基などを例示できる。
また、反応基としては、後述する封鎖基を形成する(ブロック化反応)際に、この封鎖基と反応しない基が好ましい。
特に、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンが良好であり、被包接性の観点からはα−シクロデキストリンが好ましい。
このとき、上記疎水性修飾基による修飾度は、シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とすると、0.02以上であることが好ましく、0.04以上であることがより好ましく、0.06以上であることが更に好ましい。
0.02未満であると、メタリック塗膜の下地形成塗料用材料の有機溶剤への溶解性が十分なものとならず、不溶性ブツ(異物付着などに由来する突出部)が生成することがある。
ここで、シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数とは、換言すれば、修飾する前にシクロデキストリンが有していた全水酸基数のことである。修飾度とは、換言すれば、修飾された水酸基数の全水酸基数に対する比のことである。
なお、疎水性修飾基は少なくとも1つでよいが、シクロデキストリン環1つに対して1つの疎水性修飾基を有するのが望ましい。
また、官能基を有している疎水性修飾基を導入することにより、他のポリマーとの反応性を向上させることが可能になる。
0.06未満では滑車効果が低下することでメタリック塗膜の下地用塗膜の伸び率が低下することがある。
一方、0.61を超えると、環状分子が密に配置され過ぎて環状分子の可動性が低下することがあり、メタリック塗膜の下地用塗膜の伸び率が低下し、メタリック塗膜の下地用塗膜の耐チッピング性が低下することがある。
例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)に、BOP試薬(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロフォスフェート)、HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、アダマンタンアミン、ジイソプロピルエチルアミンを、この順番で添加し溶液とする。一方、DMF/DMSO(ジメチルスルホキシド)混合溶媒に、直鎖状分子に環状分子が串刺された包接錯体を分散させた溶液を得る。これら両者を混合し、このときのDMF/DMSOの混合比率を変更することで、環状分子の包接量を任意に制御できる。なお、DMF/DMSO比が高いほど環状分子の包接量は大きくなる。
かかる基としては、「嵩高さ」を有する基又は「イオン性」を有する基などを挙げることができる。また、ここで「基」とは、分子基及び高分子基を含む種々の基を意味する。
また、「イオン性」を有する基のイオン性と、環状分子の有するイオン性とが相互に影響を及ぼし合い、例えば反発し合うことにより、環状分子が直鎖状分子に串刺しにされた状態を保持することができる。
(1)環状分子と直鎖状分子とを混合し、環状分子の開口部を直鎖状分子で串刺し状に貫通して直鎖状分子に環状分子を包接させる工程と、(2)得られた擬ポリロタキサンの両末端(直鎖状分子の両末端)を封鎖基で封鎖して、環状分子が串刺し状態から脱離しないように調製する工程と、(3)得られたポリロタキサンの環状分子が有する水酸基を疎水性修飾基で修飾する工程、で処理することにより得られる。
なお、上記(1)工程において、環状分子として、予め環状分子が有する水酸基を疎水性修飾基で修飾したものを用いることによっても、疎水性修飾ポリロタキサンを得ることができ、その場合には、上記(3)工程を省略することができる。
かかる有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、イソプロピルアルコールやブチルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル類、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルやジオキサンなどのエーテル類、トルエンやキシレンなどの炭化水素溶剤などを挙げることができ、該親油性ポリロタキサンは、これらの2種以上を混合した溶媒についても良好な溶解性を示す。
このような親油性架橋ポリロタキサンとしては、比較的低分子量のポリマー、代表的には分子量が数千程度のポリマーと架橋した親油性ポリロタキサンを挙げることができる。
かかる官能基は、そのシクロデキストリンの外側にあることが立体構造的に好ましく、ポリマーと結合又は架橋する際、この官能基を用いて容易に反応を行なうことができる。
更に、本発明においては、官能基の具体例として、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、チオール基及びアルデヒド基などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
かかる官能基としては、特にシクロデキストリンの水酸基と結合した化合物の残基であり、当該残基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基を有するものが良好であり、反応の多様性の観点からは水酸基が好ましい。
このような官能基を形成する化合物としては、例えばプロピレンオキシドなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
例えば、当該疎水性修飾ポリロタキサンの有機溶剤への溶解性向上効果をあまり低下させなければ、官能基を形成する化合物がポリマーであってもよく、溶解性の観点からは、例えば、分子量が数千程度であることが望ましい。
なお、上述の官能基としては、上述した封鎖基が脱離しない反応条件において反応する基であることが好ましい。
本発明のメタリック塗膜の下地形成塗料は、上述のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料を用いて成る。また、本発明のメタリック塗膜の下地用塗膜は、当該メタリック塗膜の下地形成塗料を用いて形成したものである。
図2に、架橋ポリロタキサンを概念的に示す。
同図において、この架橋ポリロタキサン1は、ポリマー3と上記親油性ポリロタキサン5を有する。そして、このポリロタキサン5は、環状分子7を介して架橋点9によってポリマー3及びポリマー3’と結合している。
即ち、図2(B)に示すように、環状分子7は滑車効果によって直鎖状分子6に沿って移動可能であるため、上記応力をその内部で吸収可能である。
また、この架橋ポリロタキサンの前駆体である親油性ポリロタキサンは、上述の如く有機溶剤への溶解性が改善されており、有機溶剤中での架橋などが容易である。
従って、本発明のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料は、その適用範囲が拡大されており、例えば、有機溶剤に可溶な塗膜ポリマーを用いる塗料や接着剤、特に耐洗車性、耐引っ掻き性、耐チッピング性、耐衝撃性及び耐候性の要求される自動車用の塗料、樹脂基材及び接着剤、並びに家電用の塗料や樹脂基材等についても適用可能であり、これらの用途においても優れた滑車効果を発現できるものである。
従って、以下に説明する架橋ポリロタキサンの形成方法によれば、上記塗膜形成成分の物性と親油性ポリロタキサン自体の物性を併有する材料が得られるのみならず、ポリマー種などを選択することにより、所望の機械的強度などを有する塗膜を得ることができる。
なお、架橋ポリロタキサンは、架橋対象が疎水性であり、その分子量が余り大きくない場合、例えば分子量が数千程度までなら有機溶剤に溶解する。
架橋ポリロタキサンは、代表的には、(a)メタリック塗膜の下地形成塗料用材料(親油性ポリロタキサン)を他の塗膜形成成分と混合し、(b)当該塗膜形成成分の少なくとも一部を物理的及び/又は化学的に架橋させ、(c)当該塗膜形成成分の少なくとも一部と親油性ポリロタキサンとを環状分子を介して結合させる(硬化反応)、ことにより形成できる。
なお、親油性ポリロタキサンは、有機溶剤に可溶であるため、(a)工程〜(c)工程を有機溶剤中で円滑に行うことができる。また、これらの工程は硬化剤を用いることでより円滑に行うことができる。
含有量が1%より少ないと、滑車効果が低下することでメタリック塗膜の下地用塗膜の伸び率が低下し、メタリック塗膜の下地用塗膜の耐チッピング性が低下することがある。
一方、含有量が50%を超えると、表面の膜形成のために塗装するクリヤー塗膜の平滑性が低下することがある。
具体的には、当該メタリック塗膜の下地形成塗料が体質顔料を含み、そのメタリック塗膜の下地形成塗料中の塗膜形成成分全量を基準として、体質顔料の含有量が10%以下であることが好ましく、耐チッピング性を維持し得れば、体質顔料の含有量が0%、つまり、体質顔料を含まなくてもよい。
なお、光架橋基としては、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩及びスチリルキノリン塩などを例示できる。
更に、かかる樹脂成分は、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。コポリマーの場合、2種以上のモノマーから構成されるものでもよく、ブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー又はグラフトコポリマーのいずれであってもよい。
誘導体としては、上述した水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ビニル基、チオール基又は光架橋基及びこれらの組合せに係る基を有するものが好ましい。
また、上記硬化剤は、分子量が2000未満、好ましくは1000未満、更に好ましくは600未満、いっそう好ましくは400未満のものを用いることができる。
本発明の積層塗膜は、被塗物に、上述のメタリック塗膜の下地形成塗料を用いて形成したメタリック塗膜の下地用塗膜、メタリック塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成して成る。
また、これらにメタリック塗膜の下地形成塗料を被覆する方法としては、公知慣用の方法が採用できる。例えば、はけ塗り法、吹付け法、静電塗装法、電着塗装法、粉体塗装、更にはスパッタ法などが挙げられる。
更に、上記メタリック塗膜の下地形成塗料は、被塗物の全体又は一部に被覆できる。
これにより、積層塗膜の耐チッピング性が向上する。また、積層塗膜の表面の平滑性が良好となる。
光輝材重量濃度が1%未満の場合には、メタリック感が低下し、14%を超えると、密着性が低下する可能性がある。
また、繊維素系樹脂の含有量が11%未満の場合には、メタリック感が低下し、50%を超えると、密着性が低下する可能性がある。
なお、光輝材としては、蒸着アルミニウム薄片やリーフィングアルミなどを好適に用いることができる。
また、繊維素系樹脂としては、例えばセルロースアセテートブチレートやニトロセルロースなどを挙げることができる。
厚みが1μm未満の場合には、下地が透ける可能性があり、20μmを超えると、塗装ムラができる可能性がある。
光輝材の厚みが0.01μm未満の場合には、凝集し易く、厚みが0.2μmを超えると、メタリック感が低下する。
また、直径が5μm未満の場合には、光輝感が低下する可能性があり、60μmを超えると、メタリック感が低下する可能性があるからである。
このような範囲の重量平均分子量を有する繊維素系樹脂は、光輝材の配向性をコントロールすることに優れている。一方、重量平均分子量が30,000未満の場合には、メタリック感が低下する可能性があり、一方、40,000を超えると、密着性が低下する可能性がある。
この積層塗膜は、メタリック塗膜の下地用塗膜層10とメタリック塗膜層11とクリヤー塗膜層12が順次設けられている。
なお、メタリック塗膜の下地形成塗料は、単独層を形成することに限定されず、複数層の形成に使用することができる。つまり、メタリック塗膜の下地用塗膜層10は、いわゆる中塗り塗膜層であっても下塗り塗膜層であってもよく、下塗り塗膜層と中塗り塗膜層の双方がメタリック塗膜の下地用塗膜であってもよい。
1.修飾したポリロタキサンの合成
水酸基をヒドロキシプロピル基で修飾したヒドロキシプロピル化ポリロタキサン500mgに、モレキュラーシーブで乾燥させたε−カプロラクトン10mLを加え、室温で30分撹拌して浸透させた。その後、2−エチルヘキサン酸スズ0.2mLを加え、100℃で1〜8時間反応させた。
反応終了後、試料を50mLのトルエンに溶解させ、撹拌した450mLのヘキサン中に滴下して析出させ回収した。
得られたポリロタキサンをトルエンで10%に成るように溶解した。
次いで、体質顔料抜きの中塗り塗料(日本油脂株式会社製、商品名:ハイエピコNo.500)に、溶解したポリロタキサンを撹拌しながら添加した。
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、70mm×150mmのダル鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「パワートップU600M」、日本ペイント社製カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装した後、160℃で30分間焼き付けた。
その後、体質顔料抜きの中塗り塗料(日本油脂株式会社製、商品名:ハイエピコNo.500)を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示す仕様とした以外は、実施例1と同様の操作を繰返して、本例の積層塗膜を形成した。
工程2で得たメタリック塗膜の下地形成塗料を、ガラス板に塗布したときの白濁度を目視評価した。
〇:透明
△:若干の白濁
×:白濁および分離
工程3で得た積層塗膜中のクリヤー塗膜の平滑度合いを目視評価した。
〇:かなり平滑
△:若干、凹凸
×:凹凸
グラベロメータ試験機(スガ試験機製)を用い、−20℃雰囲気下ショット材に6号砕石250gを使用し、4kgf/cm2のエア圧で塗装板に吹付けて、傷付き程度を目視評価した。
○:殆ど傷がない。
△:少し傷がある。
×:目立つほど多くの傷がある。
工程2で得たメタリック塗膜の下地形成塗料を40℃の恒温槽に1ヶ月放置し、沈降物がハードケーキ(固形になり、撹拌しても回復しない状態)に成っているか否かを判定した。
〇:回復する
△:時間は要するが回復する
×:回復しない
100個の碁盤目を作製し、セロハンテープで剥離し、塗膜として残存している数により判定した。
○:100/100
△:90/100以上
×:90/100未満
工程1で得たポリロタキサンとヘキサメチレンジイソシアネートを当量比で混合し、140℃で30分間焼付け乾燥した。その塗膜の赤外線吸収スペクトルによってウレタン結合の有無により判定した。
〇:ウレタン結合有り
×:ウレタン結合が無い
そして、上層との付着性、反応性も良好であることがわかる。更に、塗料としての溶解性や顔料沈降性についても優れていることが分かる。
また、実施例9のように、直鎖状分子の分子量が1,000未満では、耐チッピング性が低下していることから、滑車効果が低下することがわかる。
更に、実施例10のように、直鎖状分子の分子量60,000超では、塗膜としての平滑性、上層との付着性が低下することがわかる。また、塗料としての顔料沈降性が低下することが分かる。
更にまた、実施例11のように、親油性ポリロタキサンの塗料への添加量が50%超では、塗料としての顔料沈降性や溶解性が低下することが分かり、更には、形成した塗膜の平滑性や上層との付着性が低下することがわかる。
3、3’ ポリマー
5 疎水性修飾ポリロタキサン
6 直鎖状分子
7 環状分子(シクロデキストリン)
7a 疎水性修飾基
8 封鎖基
9 架橋点
10 メタリック塗膜の下地用塗膜層
11 メタリック塗膜層
12 クリヤー塗膜層
Claims (18)
- 環状分子と、この環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され上記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有し、上記直鎖状分子及び/又は上記環状分子が疎水性の修飾基を有する親油性ポリロタキサンから成ることを特徴とするメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記疎水性修飾基が疎水基又は疎水基と親水基を有し、全体として疎水性であることを特徴とする請求項1に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記環状分子が水酸基を有し、該水酸基の全部又は一部を疎水性修飾基で修飾したことを特徴とする請求項1又は2に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記疎水性修飾基の全部又は一部が、官能基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記環状分子の包接量は、上記直鎖状分子が環状分子を包接する最大量である最大包接量を1とすると、0.06〜0.61であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記直鎖状分子の分子量が1,000〜60,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記環状分子が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンから成る群より選ばれた少なくとも1種のシクロデキストリンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 上記シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とするとき、シクロデキストリンの疎水性修飾基による修飾度が0.02以上であることを特徴とする請求項7に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料。
- 請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料用材料を用いたことを特徴とするメタリック塗膜の下地形成塗料。
- 当該メタリック塗膜の下地形成塗料中の塗膜形成成分全量を基準として、上記メタリック塗膜の下地形成塗料用材料の含有量が1〜50%であることを特徴とする請求項9に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料。
- 当該メタリック塗膜の下地形成塗料が体質顔料を含み、そのメタリック塗膜の下地形成塗料中の塗膜形成成分全量を基準として、体質顔料の含有量が10%以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料。
- 請求項9〜11のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料を用いて形成されることを特徴とするメタリック塗膜の下地用塗膜。
- 請求項9〜11のいずれか1つの項に記載のメタリック塗膜の下地形成塗料を用いて形成される積層塗膜であって、
被塗物に、該メタリック塗膜の下地形成塗料を用いて形成したメタリック塗膜の下地用塗膜、メタリック塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成して成ることを特徴とする積層塗膜。 - 上記被塗物と上記メタリック塗膜の下地用塗膜との間に、下塗り塗膜を更に形成したことを特徴とする請求項13に記載の積層塗膜。
- 上記メタリック塗膜が、光輝材と繊維素系樹脂を含有するメタリック塗料を用いて形成され、当該メタリック塗料の光輝材重量濃度が1〜14%であり、且つ当該メタリック塗料中の塗膜形成成分全量を基準として、繊維素系樹脂の含有量が11〜50%であることを特徴とする請求項13又は14に記載の積層塗膜。
- 上記メタリック塗膜の厚みが1〜20μmであることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つの項に記載の積層塗膜。
- 上記光輝材の厚みが0.01〜0.2μmであり、直径が5〜60μmであることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つの項に記載の積層塗膜。
- 上記繊維素系樹脂の重量平均分子量が30,000〜40,000であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1つの項に記載の積層塗膜。
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