JP2007106068A - 防滑性樹脂塗膜と塗膜形成法 - Google Patents

防滑性樹脂塗膜と塗膜形成法 Download PDF

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Abstract

【課題】防滑性の要求される品物の外面に耐久性と防滑性に優れた防滑性樹脂塗膜を塗布積層する。
【解決手段】防滑性樹脂塗膜を、単繊維繊度50dtex以下の繊維11によって表面が構成されている基層12の表面に防滑性樹脂による塗膜層13を積層して構成する。その防滑性樹脂の皮膜14に被覆された基層の表面の繊維が塗膜の表面に隆起し、その繊維11によって基層12の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状を塗膜層13の表面に顕出する程度に、塗膜層13を薄くする。その防滑性樹脂が発泡した気泡15を塗膜層13に形成する。その防滑性樹脂の気泡15の破壊された破壊痕16を塗膜層13の表面に露出させる。その防滑性樹脂の皮膜14の表面には防滑性樹脂によるスキン層を形成しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、防滑性の要求される品物の外面に形成される防滑性樹脂塗膜の構造に関するものである。
従来、床面、敷物裏面、握り柄、手袋、ショルダーバック肩当て、靴底、テーブルクロス、コースター、シートカバー、電気カーペットカバー、荷崩れ防止シート、運搬作業着、パッキン、搬送ローラ等の外面に防滑性樹脂を塗布することは公知である(例えば、特許文献1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12)。防滑性樹脂には、ゴムラテックス(例えば、特許文献4参照)、アクリル酸エステル・エチレンカルボン酸共重合体(例えば、特許文献5参照)、エポキシ化天然ゴムとスチレン・ビニルイソプレン・スチレン・ブロックポリマー(例えば、特許文献6参照)、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(例えば、特許文献8参照)、水素添加スチレン共役ジエン共重合体(例えば、特許文献10参照)、水素添加ポリオレフィン・ポリスチレン・ブロック共重合体等(例えば、特許文献12参照)が使用されている。防滑性樹脂の塗布される基層は、ループパイルトリコット等の有毛布帛(例えば、特許文献3、4参照)、スパンボンド不織布(例えば、特許文献8参照)、ニードルパンチ不織布(例えば、特許文献10参照)、ネット(例えば、特許文献11参照)等で構成されている。
特開昭62−63759号公報(特公平3−27698) 特開昭58−133211号公報(特公平4−5446) 特開昭62−139606号公報(特公平5−56722) 特開昭62−110980号公報(特公平6−86705) 特開平8−85180号公報(特許第2618305号) 特開平7−79803号公報(特許第2639619号) 特開平7−310210号公報(特許第2669597号) 特開平8−92857号公報(特許第2951548号) 特開平11−70041号公報(特許第3215879号) 特開平6−269347号公報(特許第3366368号) 特開平11−46966号公報(特許第3380434号) 特開平11−191792号公報(特許第3524020号)
本発明は、従来公知の防滑性樹脂によって形成される防滑性樹脂塗膜の防滑性能を高めることを目的とする。
本発明に係る防滑性樹脂塗膜は、(a) 単繊維繊度50dtex以下の繊維11によって表面が構成されている基層12の表面に防滑性樹脂による塗膜層13を積層して成り、(b) その防滑性樹脂の皮膜14に被覆された基層の表面の繊維11が隆起し、その繊維11によって基層12の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状が、塗膜層13の表面に顕現しており、(c) その防滑性樹脂が発泡した気泡15を形成しており、(d) その防滑性樹脂の気泡15の破壊された破壊痕16が塗膜層13の表面に露出しており、(e) その防滑性樹脂の皮膜14の表面に防滑性樹脂によるフィルム状のスキン層が形成されていないことを第1の特徴とする。
本発明に係る防滑性樹脂塗膜の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、防滑性樹脂の発泡倍率が2〜15倍である点にある。
本発明に係る防滑性樹脂塗膜の第3の特徴は、上記第1および第2の何れかの特徴に加えて、繊維を被覆している防滑性樹脂の皮膜の厚みが0.5mm以下である点にある。
本発明に係る防滑性樹脂塗膜の第4の特徴は、上記第1、第2および第3の何れかの特徴に加えて、基層12の表面を構成している繊維11の単繊維繊度が20dtex以下である点にある。
本発明に係る防滑性樹脂塗膜形成法は、(1) 単繊維繊度50dtex以下の繊維によって表面が構成されている基層の表面に防滑性樹脂を泡立てて塗布し、(2) その防滑性樹脂の塗布面に単繊維繊度50dtex以下の繊維によって表面が構成されている多孔質資材の表面を重ね合わせ、(3) それらの基層と多孔質資材の間に気泡の介在する防滑性樹脂の固化した塗膜層を形成し、それらの基層と多孔質資材を固化した防滑性樹脂の塗膜層を介して接合し、(4) その固化した塗膜層を層内剥離させて、それらの基層と多孔質資材を剥離し、それらの基層と多孔質資材の各表面に気泡の破壊された気泡痕の露出した厚みが1mm以下に防滑性樹脂塗膜を形成することを特徴とする。
本発明によると、(a) 単繊維繊度50dtex以下の繊維11によって表面が構成されている基層12の表面に防滑性樹脂による塗膜層13を積層して成り、(b) その防滑性樹脂の皮膜14に被覆された基層の表面の繊維11が隆起し、その繊維11によって基層12の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状が、塗膜層13の表面に顕現しており、(c) その防滑性樹脂が発泡した気泡15を形成しており、(d) その防滑性樹脂の気泡15の破壊された破壊痕16が塗膜層13の表面に露出しており、(e) 表面にスキン層が形成されていない防滑性樹脂塗膜を形成することが出来る。
本発明の防滑性樹脂塗膜では、防滑性樹脂の皮膜14に被覆された基層の表面の繊維11が隆起し、その繊維11によって基層12の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状が、塗膜層13の表面に顕現する程度に防滑性樹脂塗膜層13が薄く、而も、防滑性樹脂が発泡しているので皮膜14が柔らかく、その上、破壊痕16による細かい凹凸が介在するので皮膜14の表面積が大きいので、防滑性樹脂塗膜が被防滑品物に密着し易い。
通常、基材に発泡樹脂を塗布し、そのまま固化(ゲル化)させて発泡樹脂層を形成する場合、発泡樹脂層の内部は気泡が介在する多孔質層となるが、発泡樹脂層の表面は気泡の介在しないスキン層となる。そのスキン層は、気泡が介在しないので、内部の気泡の介在する多孔質層に比して硬く強靱なフィルムとなる。しかし、本発明における皮膜14の表面では、防滑性樹脂による硬いスキン層が形成されず、防滑性樹脂塗膜の内部と同様に気泡が介在するので、防滑性樹脂が素材として有する防滑機能を硬いスキン層に損なわれることなく発揮する。
本発明に言う「スキン層が形成されていない防滑性樹脂塗膜」とは、言わば、その塗膜の表面(皮膜14)と内部(塗膜層13)が、硬さ、柔らかさ、気泡の介在する度合い、その介在する気泡の大きさ等において同質であることを意味する。
そのように、本発明の防滑性樹脂塗膜(14)は、その表面(皮膜14)が、その内部(塗膜層13)と同質なので、発泡した従来の防滑性樹脂塗膜に比して防滑性能が優れたものとなる。
本発明による防滑性樹脂塗膜では、その基層の繊維11が表面凹凸となって塗膜層13の表面に顕現する程度に防滑性樹脂皮膜14が薄く、その防滑性樹脂皮膜14に基層の繊維11が補強材の如く介在し、防滑性樹脂皮膜14が細かく分布する繊維11を個々に被覆する樹脂皮膜の集合体の如き形態を成し、その塗膜の表面(皮膜14)と内部(塗膜層13)との間に層内剥離する余地は殆どなく、而も、基層12が単繊維繊度50dtex以下の繊維11に成る多孔質層構造を成すので、防滑性樹脂の基層12に対するアンカリング効果も大きく、皮膜14と基層12の間での層間剥離は考えられず、硬いスキン層の形成されている従来の防滑性樹脂塗膜のようにスキン層(皮膜14)が剥離して耐久性が損なわれるようなこともない。
このように、本発明によると、可撓性に富み、防滑性と耐久性に優れた防滑性樹脂塗膜を形成することが出来る。
防滑性樹脂には、天然ゴム・ラテックス(NR)、スチレン・ブタジエン・ラバー・ラテックス(SBR)、メチルメタクリレート・ブタジエン・ラバー・ラテックス(MBR)等どのゴムラテックス、アクリル酸エステル・エチレンカルボン酸共重合体エマルジョン、エポキシ化天然ゴムとスチレン・ビニルイソプレン・スチレン・ブロックポリマーエマルジョン、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン・アクリル酸メチル共重合体エマルジョン、水素添加スチレン共役ジエン共重合体エマルジョン、水素添加ポリオレフィン・ポリスチレン・ブロック共重合体エマルジョン等の公知の防滑性樹脂を使用することが出来る。防滑性樹脂には、起泡剤(界面活性剤)、充填剤、架橋剤、ゲル化剤、安定剤、紫外線吸収剤、増粘剤等の助剤や、帯電防止剤、難燃剤、顔料、消臭剤、芳香剤等の機能性薬剤を適宜配合することが出来る。
防滑性樹脂塗膜は、床面、敷物、握り柄、手袋、ショルダーバック肩当て、靴底、テーブルクロス、コースター、シートカバー、電気カーペットカバー、荷崩れ防止シート、運搬作業着、パッキン、搬送ローラ等、防滑性の要求される品物の外面に直接積層することが出来る。防滑性樹脂塗膜は、単繊維繊度50dtex以下の繊維11によって表面が構成されている基層12を有する布帛や基材に積層し、それを防滑材18として床面に置き敷きし、或いは、積み荷の間に挟み込み、或いは又、肩に当てる等して、そのまま使用することが出来る。その防滑性樹脂塗膜の積層してなる防滑材18は、床面、敷物、握り柄、手袋、ショルダーバック肩当て、靴底、テーブルクロス、コースター、シートカバー、電気カーペットカバー、荷崩れ防止シート、運搬作業着、パッキン、搬送ローラ等に貼り合わせて使用することも出来る。
防滑性樹脂は、ミキサーによる機械発泡、分解ガスの発生による化学発泡、防滑性樹脂に中空球体やマイクロバルーンを配合する疑似発泡の何れの方法によって発泡させてもよい。しかし、防滑性樹脂の皮膜内14での気泡密度を上げ、皮膜内14の表面に破壊痕16が緻密に形成され、その破壊痕16による凹凸によって皮膜14の表面積を可能な限り大きくするうえでは、直径500μm以下の細かい気泡15を均一且つ緻密に発生させることが出来る機械発泡による方が望ましい。
スキン層のない皮膜14を形成するためには、基層12に塗布した防滑性樹脂の塗布面に多孔質資材を重ね合わせ、そのまま塗膜を固化(ゲル化)させ、その後、その多孔質資材を剥離するとよい。何故なら、その剥離の際に、基層12と多孔質資材の双方に固着して一体化していた塗膜が強制的に基層12と多孔質資材との双方に引き離されることになるので、その塗膜に層内剥離が生じ、基層12と多孔質資材の双方に塗膜の断面としてのスキン層のない皮膜14が形成されることになるからである。このように、本発明のスキン層が形成されていない防滑性樹脂塗膜は、スキン層が形成される余地のない状態で防滑性樹脂の塗膜(13・14)を固化させることによって形成される。
本発明において、「防滑性樹脂の皮膜14に被覆された基層の表面の繊維11が隆起し、その繊維11によって基層12の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状が、塗膜層13の表面に顕現している」、つまり、「繊維11が防滑性樹脂皮膜14に被覆されている状態」とは、繊維11が皮膜14によって完全に被覆されており、繊維11の一部たりとも皮膜14に被覆されずに露出している状態は含まれない。
具体的に言えば、弾性樹脂を含浸し固化した不織布等をスライスして2枚同時に製造される人工皮革の表面のように、スライスされた繊維の切断面が表面に露出している状態は、本発明に言う「繊維が防滑性樹脂皮膜に被覆されている状態」には該当しない。
本発明が、繊維の切断面が露出している状態を排除する理由は、繊維の切断面が露出している状態では、その露出している繊維の切断面が防滑性樹脂の防滑機能を阻害し、その繊維の切断面が露出している分だけ、防滑性樹脂塗膜層(13)の表面(皮膜14)において、防滑性樹脂の防滑機能の発揮されるべき余地が狭められることになるためである。
本発明において、防滑性樹脂塗膜に気泡15を介在させる理由は、その塗膜の表面に破壊された痕跡として露出する気泡の破壊痕15の窪みの周囲に細かい凹凸が形成され、その凹凸が形成された分だけ皮膜14の表面積が大きくなるためであり、又、防滑性樹脂の塗布面に重ね合わせた多孔質資材を剥離するとき、基層12と多孔質資材の間で固化した塗膜(13・14)が層内剥離し易くするためでもある。
その防滑性樹脂の塗布面に重ね合わせた多孔質資材を剥離するとき、壁面下地に全面接着して施工された壁紙を剥離する場合に壁面下地に接着剤の塗膜が部分的に残る糊落ちのように、塗膜(13・14)が或る部分では基層12に厚く残り他の部分では薄く残って塗膜(13・14)の厚みが不均一になるようなことがなく、防滑性樹脂の皮膜14に被覆された基層の表面の繊維11が隆起し、その繊維11によって基層12の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状が、塗膜層13の表面に顕現するようにするためには、基層12と多孔質資材の間に塗布積層される防滑性樹脂の塗布厚みを2mm以下に、好ましくは1mm前後にし、層内剥離して現れる防滑性樹脂の皮膜14の厚みが0.5mm以下になるようにするとよい。
防滑性樹脂の発泡倍率は2〜15倍に、好ましくは4〜12倍にする。そのように防滑性樹脂の発泡倍率を2〜15倍とするのは、その発泡倍率が2倍未満の場合は塗膜(13・14)が強靱になり、重ね合わせた基層12と多孔質資材の間で塗膜が層内剥離を起こし難くなるためであり、それとは逆に、その発泡倍率が15倍を超える場合には層内剥離して現れる防滑性樹脂の皮膜14の厚みにバラツキが生じるからである。
そのように、スキン層のない防滑性樹脂皮膜14を形成するために防滑性樹脂の塗布面に重ね合わせて適用される多孔質資材は、基層12と多孔質資材の間で塗膜(13・14)の層内剥離を促すものであるから、多孔質資材には、防滑性樹脂に対して基層12と同程度の接着性を有するものが適用される。
従って、好ましい多孔質資材は、基層12と同様に単繊維繊度50dtex以下の繊維11によって表面が構成されている資材である。つまり、互いに一方が他方の多孔質資材として作用するように、2つの基層(12・12)を防滑性樹脂によって貼り合わせ、その2つの基層(12・12)の間に挟まれて固化した塗膜(13・14)を、その2つの基層(12・12)の間で層内剥離させる訳である。例えば、敷物では、その裏面に防滑性樹脂を塗布し、その塗布面にもう1枚の敷物の裏面を重ね合わせ、防滑性樹脂の固化後、それら2枚の敷物を剥離し、その各敷物の裏面に防滑性樹脂塗膜層12を積層することが出来る。手袋では、左右何れか一方の手袋の掌面に防滑性樹脂を転写塗布し、その塗布面に他の片側の手袋の掌面を重ね合わせ、防滑性樹脂の固化後、それら左右一番の手袋を剥離し、左右一番を成す各手袋の掌面に防滑性樹脂塗膜層12を積層することが出来る。
そのように、一方が他方の多孔質資材として作用するように2つの基層(12・12)を貼り合わせる場合は、その剥離後に、その2つの何れの基層(12・12)も、防滑性樹脂塗膜層13・13を構成することになり、その何れの基層(12・12)も産業廃棄物として廃棄されることがないので経済的であり、又、2つの防滑材18・18を同時に得られることになるので、防滑材18の生産効率が2倍にアップすることにもなる。
基層には、単繊維繊度50dtex以下の繊維によって構成される紙、不織布、織布、編布等の紙や布帛を使用することが出来る。その基層となる紙や布帛は、床面、敷物、握り柄、手袋、ショルダーバック肩当て、靴底、テーブルクロス、コースター、シートカバー、電気カーペットカバー、荷崩れ防止シート、運搬作業着、パッキン、搬送ローラ等、防滑性の要求される品物としての形態を成すものでもよい。
表裏が単繊維繊度50dtexの繊維によって構成される紙や布帛では、その表裏両面に防滑性樹脂塗膜層(13a・13b)を形成し、積荷の間に挟み込んで使用される荷崩れ防止シートや、床面とマットの間に挟み込んで使用されるマットズレ防止下敷シート等のように、両面防滑材として使用することも出来る。その両面防滑材を構成する表裏の基層(12a・12b)の間には、補強材や防水材、吸音材、クッション材等の中間層17を積層することも出来る。
好ましい基層12は、表面が毛羽立ったステッチボンド、スパンボンド、ニードルパンチフエルト、繊維ウエブ等の不織布、静電植毛布帛、フエルト、起毛布帛、シェニール織物、モケット、別珍、コール天等の織パイル布帛、トリコットやダブルラッシェル等の編パイル布帛等の表面立毛層と裏面基布層との二層構造を成す多層布帛等の有毛布帛、表面が毛羽立った短繊維紡績糸を織編込んで成る織編である。その表面の単繊維繊度を50dtex以下とするのは防滑性樹脂との接着性を確保し、防滑性樹脂と基層12とのアンカリング効果を高めるためである。そのためには、単繊維繊度50dtex以下の繊維11によって表面が構成されている基層12の表面を構成する繊維11の単繊維繊度を20dtex以下に、好ましくは5dtex以下にする。
単繊維繊度が5dtex以下、更には1dtex以下の極細繊維に成る布帛を基層12として防滑性樹脂塗膜層13を形成した防滑材(18)は、人工皮革や合成皮革の一種として椅子張り地や壁張り地等の内装材や衣料生地等に使用することも出来る。
[実施例]
樹脂固形分含有率を52重量%に調整したメチルメタクリレート・ブタジエン・ラバー・ラテックス(MBR)に、表1に示す通り、架橋剤3PHR(樹脂分100重量部に対する配合量が3重量部を意味する。以下、同じ)、界面活性剤6PHR、充填剤100〜200PHRを配合し、水を加えて粘度を調整した3種類の防滑性樹脂組成物(実施例1〜3)を、それぞれオークスミキサーにて発泡倍率5〜10倍に泡立て、それぞれ単繊維繊度8dtexのポリエステル繊維に成る目付360g/m2 のニードルパンチング不織布(下側基層12B)に塗布厚を1mmに設定してドクターコート法によって塗布し、塗膜質量が約100g/m2 の塗膜(13)を積層し、それらの塗布面にそれぞれ単繊維繊度8dtexのポリエステル繊維に成る目付120g/m2 のニードルパンチング不織布(上側基層12A)を重ね合わせ、塗膜(13)がゲル化(固化)した冷却後に、上下のニードルパンチング不織布(上側基層12Aと下側基層12B)を剥離して塗膜(13)を層内剥離させ、表面に防滑性樹脂皮膜14の積層された上側の防滑材(18A)と下側の防滑材(18B)との2枚1組の防滑材をそれぞれ同時に作成した。
[比較例]
樹脂固形分含有率52重量%のメチルメタクリレート・ブタジエン・ラバー・ラテックス(MBR)に架橋剤3PHRと界面活性剤6PHRを配合し、水を加えて粘度を調整した防滑性樹脂組成物をオークスミキサーにて発泡倍率10倍に泡立て、単繊維繊度8dtexのポリエステル繊維に成る目付360g/m2 のニードルパンチング不織布(基層)に塗布厚を1mmに設定してドクターコート法によって塗布して防滑材を作成した。
[防滑効果試験]
実施例と比較例の防滑材の塗膜とは反対側となる面にそれぞれ厚紙を貼り、サイズが30cm×30cmの正方形の試験片を切り取り、それらの各試験片をアルコールで洗浄して水平に支持したガラス板に塗膜を向けて載置し、それらの各試験片にサイズが30cm×30cmで質量が320gの正方形のアクリル板を載せ、そのアクリル板に重り(200g,600g,1000g)を載せ、それらの各試験片をプッシュブルゲージで水平に引っ張り、試験片が摺動し始めた時点での張力を測定し、その摺動開始時点の張力によって試験片(防滑性樹脂塗膜)の防滑性を比較し、表1に示す結果を得た。
[考察]
表1の実施例と比較例のデータが示す通り、本発明(実施例)によると、従来(比較例)の防滑材に比して防滑性能が約3倍高い防滑材に得られ、その防滑性能が防滑性樹脂組成物に配合された充填剤の配合量によって格別左右されることなく、その充填剤の配合量に応じて防滑性樹脂組成物のコストダウンを図ることが出来る。又、上側基層と下側基層とに防滑性樹脂組成物の塗膜が二分されるので防滑材の1枚当りの防滑性樹脂組成物の使用量も実質的に半減する。更に、防滑材を上下2枚1組にして同時に製造することが出来るので、防滑材の製造コストも半減する。このように、本発明によると、防滑性能に優れた防滑材を経済的且つ効率的に得ることが出来る。
Figure 2007106068
本発明に係る防滑材の一部を円で囲んで拡大して示す斜視図である。
符号の説明
11:繊維
12:基層
13:塗膜層
14:皮膜
15:気泡
16:破壊痕
17:中間層
18:防滑材

Claims (5)

  1. (a) 単繊維繊度50dtex以下の繊維によって表面が構成されている基層の表面に防滑性樹脂による塗膜層を積層して成り、
    (b) その防滑性樹脂の皮膜に被覆された基層の表面の繊維が隆起し、その繊維によって基層の表面の凹凸形状に応じた凹凸形状が、塗膜層の表面に顕現しており、
    (c) その防滑性樹脂が発泡した気泡を形成しており、
    (d) その防滑性樹脂の気泡の破壊された破壊痕が塗膜層の表面に露出しており、
    (e) その防滑性樹脂の皮膜の表面に防滑性樹脂によるスキン層が形成されていない防滑性樹脂塗膜。
  2. 防滑性樹脂の発泡倍率が2〜15倍である前掲請求項1に記載の防滑性樹脂塗膜。
  3. 繊維を被覆している防滑性樹脂の皮膜の厚みが0.5mm以下である前掲請求項1と請求項2の何れかに記載の防滑性樹脂塗膜。
  4. 基層の表面を構成している繊維の単繊維繊度が20dtex以下である前掲請求項1と請求項2と請求項3の何れかに記載の防滑性樹脂塗膜。
  5. (1) 単繊維繊度50dtex以下の繊維によって表面が構成されている基層の表面に防滑性樹脂を泡立てて塗布し、
    (2) その防滑性樹脂の塗布面に単繊維繊度50dtex以下の繊維によって表面が構成されている他の基層の表面を重ね合わせ、
    (3) それら二つの基層の間に気泡の介在する防滑性樹脂の固化した塗膜層を形成し、それら二つの基層を固化した防滑性樹脂の塗膜層を介して接合し、
    (4) その固化した塗膜層を層内剥離させて、それら二つの基層を剥離し、それら二つの基層の表面に気泡の破壊された気泡痕の露出した厚みが1mm以下に防滑性樹脂塗膜を形成する防滑性樹脂塗膜形成法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017023675A (ja) * 2015-07-19 2017-02-02 まさみ 黒田 荷物運搬補助具
KR102358077B1 (ko) * 2021-06-24 2022-02-08 박병기 박공지붕용 및 평지붕 옥상 바닥용 미끄럼방지 필름접합 복합시트

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