JP2007104411A - ノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置 - Google Patents

ノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電力線側から漏洩電磁界ノイズが発生する場合に、発生した漏洩電磁界ノイズを効果的に低減するノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置を提供する。
【解決手段】 ケーブル101と、ケーブル101に接続される電源プラグ103とを有するノイズ低減ケーブル100A、100Bであって、電源プラグ103側にフィルタ102を設ける構成とすることで、電力線通信による漏洩電磁界ノイズを効果的に低減するノイズ低減ケーブルを実現した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力線側から発生するノイズを低減させるノイズ低減ケーブル及びノイズ低減装置に係り、特に、電力線通信を行う場合に電力線からの漏洩電磁界ノイズを低減させるノイズ低減ケーブル及びノイズ低減装置に関する。
従来、ノイズを低減させるノイズ低減ケーブルとしては、PC(パーソナルコンピュータ)モニタ用ケーブル、PC用インターフェースケーブル等の高速信号用ケーブルにおいて、一般に、フェライトコア等のフィルタをAC電源ケーブルに装着することで、漏洩電磁界ノイズの対策が行われている。これらのノイズ対策は主に、機器内のノイズが機器の外部に漏洩することを防ぐために実施される。また、電源ライン上のノイズ対策としては、AC(交流、Alternating Current)ラインにトロイダルコアを巻回して、コモンモードチョークコイルとして構成することで、コモンモードチョークコイルを、AC電流に重畳するノイズを除去するフィルタとして機能させることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11―014667号公報
しかしながら、上述した従来のノイズ低減ケーブルでは、例えば、電力線通信を行う機器の場合、機器本体側の特性よりも、電力線側の特性によって漏洩電磁界成分が大きくなる傾向があるため、フィルタの装着位置を考慮せずに、フィルタをAC電源ケーブルに装着すると、ノイズ抑制効果が十分に漏洩電磁界ノイズを低減することが出来ない課題がある。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであって、電力線側から漏洩電磁界ノイズが発生する場合に、発生した漏洩電磁界ノイズを効果的に低減させるノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1のノイズ低減ケーブルは、通信装置と電源コンセントと接続し、ノイズを低減させるノイズ低減ケーブルであって、電源コンセントからの交流電力を通信装置に対して伝送自在なケーブルと、ケーブルのいずれか一端に設けられ、電源コンセントに接続自在な電源プラグと、電源コンセント側に設けられたフィルタとを備えた構成としている。
この構成により、ノイズ低減ケーブルで、通信装置と電源コンセントと接続して、電源コンセントからの交流電力を通信装置に供給する場合に、電源コンセントからノイズが発生することがあっても、フィルタが電源コンセント側に設けられているので、発生した漏洩電磁界ノイズを効率良く低減させることが出来る。
また、本発明の第2のノイズ低減ケーブルは、フィルタは、電源プラグに設けられている構成としている。
この構成により、フィルタを電源コンセント側に配置することにより、フィルタを出来るだけ電力線に近付けることが出来るので、電源コンセントから発生する漏洩電磁界ノイズを、更に効率良く低減させることが出来る。
また、本発明の第3のノイズ低減ケーブルは、フィルタは、電源プラグに内蔵される構成としている。
この構成により、フィルタを電源プラグに内蔵することにより、フィルタを電力線の近傍に配置することが出来るので、電源コンセントから発生する漏洩電磁界ノイズを、更に効率良く低減させることが出来る。
また、本発明の第4のノイズ低減ケーブルは、フィルタは、少なくともコモンモードチョークコイルを有する構成としている。
この構成により、電源コンセントからノイズが発生することがあっても、フィルタが電源コンセント側に設けられたコモンモードチョークコイルが、発生した漏洩電磁界ノイズを効率良く低減させることが出来る。
また、本発明の第5のノイズ低減ケーブルは、コモンモードチョークコイルは、100Ω以下の特性インピーダンスを有する構成としている。
この構成により、ノーマルモード信号である送信信号に影響を出来るだけ与えることなく、漏洩電磁界ノイズを低減させることが出来る。
また、本発明の第6のノイズ低減ケーブルは、コモンモードチョークコイルは、更に、遮断周波数が100MHz以上の開放インピーダンスを有する構成としている。
この構成により、漏洩インダクタンスと巻線間寄生容量の共振による影響を少なくすることが出来るので、ノーマルモード信号である送信信号に影響を出来るだけ与えることなく、漏洩電磁界ノイズを、更に低減させることが出来る。
また、本発明の第7のノイズ低減ケーブルは、ケーブルは、信号が重畳された交流電力を通信装置に対して伝送自在な構成としている。
この構成により、ノイズ低減ケーブルが、信号が重畳された交流電力を通信装置に、即ち、電力線通信を行う通信装置に接続された場合に、電力線から発生した漏洩電磁界ノイズを効率良く低減させることが出来る。
また、本発明の第1のノイズ低減通信装置は、ノイズ低減ケーブルと、ノイズ低減ケーブルの他端が接続された通信装置とを備えた構成としている。
この構成により、ノイズ低減ケーブルで、通信装置と電源コンセントと接続して、電源コンセントからの交流電力を通信装置に供給する場合に、電源コンセントからノイズが発生することがあっても、フィルタが電源コンセント側に設けられているので、発生した漏洩電磁界ノイズを効率良く低減させることが出来る。
また、本発明の第2のノイズ低減通信装置は、通信装置は、ノイズ低減ケーブルを介して電力線通信を行う構成としている。
この構成により、ノイズ低減ケーブルが電力線通信を行う通信装置に接続された場合に、電力線から発生した漏洩電磁界ノイズを効率良く低減させることが出来る。
以上のように本発明によれば、電力線通信による漏洩電磁界ノイズを効果的に低減するノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態におけるノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるPLCモデム10の外観斜視図である。ここで、PLC(Power Line Communication)は電力線通信を表している。PLCモデム10は、電力線通信を行うモデムである。PLCモデム10は、図1に示すように、ノイズ低減ケーブル100Aと、モデム本体200とを備えている。モデム本体200は、筐体201を有しており、筐体201の背面には、モデム本体200側の電源コネクタ202、及びイーサネット(登録商標)コネクタ203などの、インターフェースが設けられている。電源コネクタ202には、ノイズ低減ケーブル100Aが接続される。イーサネットコネクタ203には、LAN(Local Area Network)ケーブル(図示せず)が接続される。
イーサネットコネクタ203は、LANケーブルを介して、通信機能を有する各種の電気機器(図示せず)と接続自在である。電気機器としては、PC(パーソナルコンピュータ)、テレビ、DVDレコーダなどの他、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、ファクシミリ、電話機などの各種の家電機器や、コピー機、プリンタ、スキャナなどのOA機器がある。
ノイズ低減ケーブル100Aは、モデム本体200に交流電力を供給すると共に、電力線通信の伝送路として機能する、AC電源ケーブルである。また、ノイズ低減ケーブル100Aは、例えば平行線路で構成される、ケーブル101を有している。ケーブル101の一端には、ケーブル101側の電源コネクタ104が接続されている。一方、ケーブル101の他端には、電源プラグ103が接続されている。
ケーブル101側の電源コネクタ104は、モデム本体200側の電源コネクタ202に挿抜(抜き差し)自在であって、電源コネクタ104に接続されている。一方、電源プラグ103は、電源コンセント(図示しない)に挿抜(抜き差し)自在であって、電源コンセントに接続されている。電源プラグ103は、単相交流電源用であって、図1に示すように、平板形状の栓刃部103a、103bを有しており、栓刃部103a、103bは、平行に隣り合っている。
なお、電源プラグ103の形状は一例であって、電源コンセントは、相数や、国毎の仕様によって、その形状は適宜変更可能である。例えば、電源コンセントが3相であれば、差し込み部を3つで構成すればよく、あるいは、電源コンセントの穴が丸形状であれば、差し込み部を丸ピンの形状で構成すればよい。
ノイズ低減ケーブル100Aは、フィルタ102を有している。フィルタ102は、漏洩電磁界ノイズを低減するためのフィルタであり、トロイダルコア、コモンモードチョークコイルなどによって構成される。フィルタ102は、図1に示すように、電源プラグ103側に設けられている。
なお、ノイズ低減ケーブル100Aが接続された通信装置、即ち、ノイズ低減通信装置の一例として、PLCモデム10を示したが、特にモデムである必要はない。ノイズ低減通信装置は、例えば、モデムを内蔵した電気機器(テレビ、DVDレコーダ)であってもよい。
次に、フィルタ102をノイズ低減ケーブル100Aのどの位置に装着すると、PLCによる漏洩電磁界ノイズの低減を効果的に実現できるかを説明する。図2は、モデム本体200側と電源プラグ103側それぞれにおける、コモンモード電流の周波数特性を示した図、図3は、モデム本体200側と電源プラグ103側それぞれにおける、フィルタ102を装着した場合のコモンモード電流の周波数特性を示した図である。ここで図2、図3ともに、ノイズ低減ケーブル100Aの長さは80cmとして観測を行っている。
図2は、フィルタ102をケーブル101に装着しない場合における、コモンモード電流の周波数特性を示している。図2の実線に示すコモンモード電流Icm1は、電源コネクタ104(モデム本体200)側の周波数特性である。一方、図2の破線に示すコモンモード電流Icm2は、電源プラグ103側の周波数特性である。この観測は、同信号、同時間に位置だけを変更して行われている。なお、PLCによる漏洩電磁界ノイズは、一般的に、コモンモード電流から発生(輻射)するものと考えられていることから、コモンモード電流は、漏洩電磁界ノイズと強い関係がある。
この観測結果から、電源プラグ103側におけるコモンモード電流Icm2が、電源コネクタ104側におけるコモンモード電流Icm1よりもおよそ5dB程高くなっていることがわかる。これは、PLCの場合には、モデム本体200などの通信機器本体側で発生するノイズよりも、電源プラグ103側である電力線からのノイズが大きいことを示している。このことから、ノイズ対策は、モデム本体200側で行うより、漏洩成分が多く発生する電力線側で行うことが効果的であるといえる。
次いで図3は、フィルタ102をケーブル101に装着した場合における、コモンモード電流の周波数特性を示している。図3の実線に示すコモンモード電流Icm10は、フィルタ102が装着された電源コネクタ104(モデム本体200)側の周波数特性である。図3の破線に示すコモンモード電流Icm20は、フィルタ102が装着された電源プラグ103側の周波数特性である。
この観測結果から、フィルタ102をモデム本体200側に装着した場合のコモンモード電流Icm10は、フィルタ102を装着しない場合(図2のIcm1参照)からほとんど低減していないのに対し、フィルタ102を電源プラグ103側に装着した場合のコモンモード電流Icm20は、フィルタ102を装着しない場合(図2のIcm2参照)から最大5dB程低減している。このことから、フィルタ102は、モデム本体200側に装着するよりも、電源プラグ103側の装着した場合の方が、効果的に漏洩電磁界ノイズを低減させることが出来る。
特に、コモンモード電流は低減の度合いは、図3に示すように、高域側の方が大きいことから、漏洩電磁界ノイズの低減効果は、高域側で高い効果を得ることが出来る。このことから、フィルタ102を、出来るだけ電力線側に近づけて配置させることで、例えば2〜30MHzや2〜80MHzなどの、高帯域を含む周波数帯域を使用するPLCに好適である。なお、本明細書で述べる「フィルタを電源コンセント側に設ける」とは、例えばフィルタ102を、少なくとも、ケーブル101の中央から電源コンセント側に設けることを意味する。
次に、フィルタ102の一例について図4、図5を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態におけるフィルタ102としてトロイダルコア400を用いた場合における、ノイズ低減ケーブル100Aの一部省略斜視図である。トロイダルコア400は、図4のように、電源プラグ103が接続されている一端側に設けられ、トロイダルコア400の中心に設けられた空洞部401に、ケーブル101を通している。トロイダルコア400を構成するコアの材質としては、フェライトなどが好適である。このように構成することで、巻数1ターンのコモンモードチョークコイルを実現することが出来る。
また、図5は、本発明の実施形態におけるフィルタ102の他の変形例としてコモンモードチョークコイル500を用いた場合における、ノイズ低減ケーブル100Bの一部省略斜視図である。なお、図4と同一の要素については同一の符号を付して、その要素の説明は省略する。図5では、ノイズ低減ケーブル100Bは、図1及び図4に示すノイズ低減ケーブル100Aと同様に、電源プラグ103、ケーブル101、及びフィルタ102を有しており、更に、導電部505が設けられた基板503を有している。基板503は、ケーブル101が2つに分離されたケーブル101A、101Bで構成され、ケーブル101A、101Bは、導電部505に接続されて、接続されている。また、図5のフィルタ102は、破線で示すコモンモードチョークコイル500で構成され、トロイダルコア400を有している。
コモンモード電流による漏洩電磁界ノイズの影響をより低減するために、トロイダルコア400の外周には、第1のケーブル501及び第2のケーブル502が、複数回巻きつけられている。第1のケーブル501及び第2のケーブル502は隣接して配置されて一対となっており、トロイダルコア400と合わせてコモンモードチョークコイル500を形成している。また、第1のケーブル501及び第2のケーブル502の特性は等しい。なお、コモンモードチョークコイル500の形状は、特に図5で示した形状に限る必要はなく、例えば、EI型やEE型の分割コアを用いてもよい。この場合、ボビンなどを用いることにより、巻線を簡単に行うことが出来る。
また、導電部505は、接続端子506を有し、基板503に設けられた配線プリントパターンである。第1のケーブル501及び第2のケーブル502が有する、4つの先端504は、4つの各々の接続端子506に電気的に接続されている。また、導電部505において、それぞれ接続端子506とは反対側にある4つの他端には、ケーブル101a、101bがそれぞれ電気的に接続されている。このようにして、コモンモードチョークコイル500は導電部505を介して電気的にノイズ低減ケーブル100Bと接続されている。また、不図示ではあるが、基板503及びコモンモードチョークコイル500は例えば高分子樹脂の筐体中に固定されている。
次に、本発明の実施形態におけるフィルタ102の実装方法について、図5、図6を用いて説明する。図5では、コモンモードチョークコイル500およびトロイダルコア400を有する基板503をACケーブル101の途中に挿入している。基板503の位置はケーブル101の途中であれば何処でも挿入することは可能であるが、図3の結果より、電源プラグ103の近傍に挿入すると、効率よく漏洩電磁界ノイズの低減を行うことが可能である。
また、図6は本発明の実施形態における電源プラグ内蔵フィルタの概略図である。本実施形態では、電源プラグ103の内部において、トロイダルコア400の外周の図中左側に、第1のケーブル601を複数回巻きつけており、トロイダルコア400の図中右側に、第2のケーブル602を複数回に巻きつけている。第1、第2のケーブル601、602は一対となっており、トロイダルコア400と合わせてコモンモードチョークコイル600を構成している。また、第1、第2のケーブル601、602の特性は等しい。また、コモンモードチョークコイル600の形状は、図6以外の形状でもよい。
また、2つの各々の栓刃部103a、103bは、それぞれねじ603で固定されており、2箇所ある第1、第2のケーブルの一端604は、それぞれ栓刃部103a、103bに電気的に接続されている。このようにして、コモンモードチョークコイル600は電気的にケーブル101と接続されている。
次に、本発明の実施形態において使用されるコモンモードチョークコイル400および600の周波数利得特性に関して説明する。
PLCに用いる際のコモンモードチョークコイル400および600に要求される特性として、コモンモードノイズを十分に減衰させること、および送受信信号(ノーマルモード信号)に影響を与えないことが挙げられる。図7に示すとおり、従来の電源用コモンモードチョークコイル800は送受信信号の影響を考慮していないため、高周波領域においては送受信信号まで減衰してしまっている。
ここで図7は、従来の電源用コモンモードチョークコイル800のコモンモード信号およびノーマルモード信号の周波数利得特性図である。図7において、コモンモード信号の周波数利得特性を701、ノーマルモード信号の周波数利得特性を702で表している。PLCの周波数使用帯域は2MHz〜30MHzであり、図7の周波数特性を参照すると、コモンモードチョークコイル800により送受信信号(ノーマルモード信号)が30MHz付近では約8dB減衰している。
また、図8Aは一般的なコモンモードチョークコイルの等価回路図、図8Bは図8Aの等価回路図を、さらにノーマルモード信号に対する動作に注目して表した等価回路図である。漏洩磁束803は、コモンモードチョークコイル800を構成するコイル801および802の磁気結合が完全でないために生じる漏洩磁束であり、寄生容量804は、コイル801および802間の寄生容量である。これらの寄生成分は理想的なコモンモードチョークコイルでは考慮されていないが、実際のコモンモードチョークコイル800は、図8に示すように、これらの寄生成分がノーマルモード信号に対して高域濾過フィルタとして作用するため、図7で示したように高域側での信号の減衰を生じてしまう。以下、これを寄生フィルタと称する。
一般にフィルタの特性を決定づける指標値として、遮断周波数と特性インピーダンス(または公称インピーダンスともいう。)が用いられ、通常のフィルタ設計は特性インピーダンスと負荷インピーダンスが等しいことを前提として特性が保証される。ここで図9に12個の異なるACコンセントの周波数−電力線インピーダンス特性をプロットした周波数−電力線インピーダンス特性を示す。図9から分かるように、電力線インピーダンスの分布は2MHz〜30MHzの帯域で数Ω〜約2kΩ程度(図中上下方向の矢印範囲内)に及んでおり、電力線通信においては、このような大きな負荷インピーダンス変化に対して、通信性能に影響しないような寄生フィルタ特性をもったコモンモードチョークコイルが要求される。
次に、図10は、従来のコモンモードチョークコイル800の特性を用い、接続される電力線インピーダンスをパラメータとして変化させた場合の寄生フィルタの周波数利得特性図である。図10では、電力線インピーダンスが10Ωのときの周波数利得特性を1001、電力線インピーダンスが50Ωのときの周波数利得特性を1002、電力線インピーダンスが100Ωのときの周波数利得特性を1003、電力線インピーダンスが2kΩのときの周波数利得特性を1004としている。
図10から明らかなように、電力線インピーダンスが低い場合に寄生フィルタの利得の減衰が大きくなるため、伝送特性は悪化する。これは主に、寄生フィルタの特性インピーダンスが電力線インピーダンスに対して大きいことに起因する。理想としては、電力線インピーダンスに依存することなく、利得が「0dB」であることが望ましい。また、電力線インピーダンスが数kΩになると(図10の1004を参照のこと)、利得が「0dB」以上となる。この場合、不要漏洩電磁界が増加するなどの問題が生じる。
そこで、寄生フィルタの特性インピーダンスに対する利得を、電力線インピーダンスが10Ωの場合、2kΩの場合について考察する。図11は、使用周波数帯域である周波数が30MHzかつ電力線インピーダンスが10Ωに場合において、寄生フィルタの利得を縦軸に、特性インピーダンスを横軸にとり、遮断周波数毎にプロットした特性インピーダンス−利得特性図である。図12は同様に、周波数が30MHzかつ電力線インピーダンスが2kΩに場合おける、特性インピーダンス−利得特性図である。
図11では、遮断周波数75MHzのときの周波数利得特性を1101、遮断周波数100MHzのときの周波数利得特性を1102、遮断周波数200MHzのときの周波数利得特性を1103、遮断周波数300MHzのときの周波数利得特性を1104としている。
また、図12では、遮断周波数75MHzのときの周波数利得特性を1201、遮断周波数100MHzのときの周波数利得特性を1202、遮断周波数200MHzのときの周波数利得特性を1203、遮断周波数300MHzのときの周波数利得特性を1204としている。
図11のとおり、従来のコモンモードチョークコイルの特性インピーダンスが約500Ω程度であるから、特性インピーダンス100Ω以下のとき従来比10dB以上の改善が可能となる。また図12から明らかなように、電力線インピーダンスが比較的高い場合は(つまり2kΩの場合は)、遮断周波数の影響が支配的であり、特性インピーダンスによる利得変化はほとんど生じない。
また、寄生フィルタの遮断周波数に対する利得を、電力線インピーダンスが10Ωの場合、2kΩの場合について考察する。図13は、使用周波数帯域である周波数30MHzかつ電力線インピーダンスが10Ωの場合における、寄生フィルタの遮断周波数−利得特性図、図14は同様に、周波数30MHzかつ電力線インピーダンスが2kΩの場合における、寄生フィルタの遮断周波数−利得特性図である。
図13では、特性インピーダンスが10Ωのときの周波数利得特性を1301、特性インピーダンスが100Ωのときの周波数利得特性を1302、特性インピーダンスが200Ωのときの周波数利得特性を1303、特性インピーダンスが500Ωのときの周波数利得特性を1304としている。
図14では、特性インピーダンスの値による利得への影響よりも、遮断周波数の値による利得への影響がはるかに大きいため、特性インピーダンス10Ω、100Ω、200Ω、500Ωのときの周波数利得特性は、ほぼ同様の特性となっている。
図12を用いて同様に説明したが、図13に示すとおり、電力線インピーダンスが比較的低い場合(つまり10Ωの場合)、遮断周波数よりも特性インピーダンスの方が利得への影響が大きい。また図14から明らかなように電力線インピーダンスが高い場合は(つまり2kΩの場合は)、遮断周波数が利得変化に対して支配的になり、遮断周波数が約100MHz以上で利得が1.5dB以下、125MHz以上で1dB以下とすることが可能である。
以上の結果から、本発明の実施形態におけるコモンモードチョークコイル500、600においては、フィルタ102の特性インピーダンスおよび遮断周波数を選択し、電力線インピーダンスのばらつきの影響を抑制するようにしている。例えば図15、図16ではコモンモードチョークコイル500、600の特性インピーダンスを約71Ω、遮断周波数を212MHzとしている。
図15は本発明の実施形態におけるコモンモードチョークコイル500、600のノーマルモード信号の周波数利得特性図である。図15において、電力線インピーダンスが10Ωのときの周波数利得特性を1501、電力線インピーダンスが50Ωのときの周波数利得特性を1502、電力線インピーダンスが100Ωのときの周波数利得特性を1503、電力線インピーダンスが2kΩのときの周波数利得特性を1504としている。
図15より、コモンモードチョークコイル500、600は電力線インピーダンスが低い状態であっても、図10と比較してノーマルモード信号の減衰を低く抑えながらコモンモード(漏洩電磁界)ノイズを低減させることが可能であるといえる。
また、図16は本発明の実施形態におけるコモンモードチョークコイル500、600のコモンモード信号およびノーマルモード信号の周波数利得特性図である。図16において、コモンモード信号の周波数利得特性を1601、ノーマルモード信号の周波数利得特性を1602で表している。尚、電力線特性インピーダンスは50Ωとしている。図16から明らかなように、ノーマルモード信号への影響が図7と比較して大幅に低減されている。
また一般にコア材料に用いる磁性体は周波数特性をもつため、低周波時の漏洩磁束と寄生容量で特性インピーダンスと遮断周波数を決定すると、実際の使用帯域で大きな誤差を生じる場合があるが、この場合は通信帯域以上でのコア特性を勘案して設計することにより十分な効果を得ることが可能である。
以上のような本発明の実施形態のノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置によれば、ケーブル101と、ケーブル101に接続される電源プラグ103とを有するノイズ低減ケーブル100A、100Bであって、電源プラグ103側にフィルタ102を設けることで、電力線通信による漏洩電磁界ノイズを効果的に低減することができる。
本発明は、電力線通信による漏洩電磁界ノイズを効果的に低減するノイズ低減ケーブル及びノイズ低減通信装置に有用である。
本発明の実施形態におけるPLCモデムの外観斜視図 本発明の実施形態におけるPLC本体側と電源プラグ側それぞれにおける、コモンモード電流の周波数特性を示した図 フィルタを装着した場合のコモンモード電流の周波数特性を示した図 フィルタとしてトロイダルコアを用いた場合における、ノイズ低減ケーブルの一部省略斜視図 本発明の実施形態におけるフィルタの他の変形例としてコモンモードチョークコイルを用いた場合における、ノイズ低減ケーブルの一部省略斜視図 本発明の実施形態における電源プラグ内臓フィルタの概略図 従来のコモンモードチョークコイルのコモンモード信号およびノーマルモード信号の周波数利得特性図 従来のコモンモードチョークコイルの回路図 従来のコモンモードチョークコイルの回路に対する等価回路図 従来の12個の異なるACコンセントの周波数インピーダンス特性図 接続される電力線インピーダンスをパラメータとして変化させた場合の従来の寄生フィルタの周波数利得特性図 電力線インピーダンスが10Ωの場合の従来の寄生フィルタの特性インピーダンス利得特性図 電力線インピーダンスが2kΩの場合の従来の寄生フィルタの特性インピーダンス利得特性図 電力線インピーダンスが10Ωの場合の従来の寄生フィルタの遮断周波数利得特性図 電力線インピーダンスが2kΩの場合の従来の寄生フィルタの遮断周波数利得特性図 本発明の実施形態におけるコモンモードチョークコイルのノーマルモード信号の周波数利得特性図 本発明の実施形態におけるコモンモードチョークコイルのコモンモード信号およびノーマルモード信号の周波数利得特性図
符号の説明
10 PLCモデム
100A、100B ノイズ低減ケーブル
101 ケーブル
101a、101b 分離されたケーブル
102 フィルタ
103 電源プラグ
103a、103b 栓刃部
104 電源コネクタ
200 モデム本体
201 筐体
202 電源コネクタ
203 イーサネットコネクタ
400 トロイダルコア
401 空洞部
500 コモンモードチョークコイル
501 第1のケーブル
502 第2のケーブル
503 基板
504 ケーブルの先端
505 導電部
506 接続端子
600 コモンモードチョークコイル
601 第1のケーブル
602 第2のケーブル
603 ねじ
604 ケーブルの一端
800 コモンモードチョークコイル
801、802 コイル
803 漏洩磁束
804 寄生容量

Claims (9)

  1. 通信装置と電源コンセントと接続し、ノイズを低減させるノイズ低減ケーブルであって、
    前記電源コンセントからの交流電力を前記通信装置に対して伝送自在なケーブルと、
    前記ケーブルのいずれか一端に設けられ、前記電源コンセントに接続自在な電源プラグと、
    前記電源コンセント側に設けられたフィルタとを備えたノイズ低減ケーブル。
  2. 請求項1に記載のノイズ低減ケーブルであって、
    前記フィルタは、前記電源プラグに設けられたノイズ低減ケーブル。
  3. 請求項2に記載のノイズ低減ケーブルであって、
    前記フィルタは、前記電源プラグに内蔵されたノイズ低減ケーブル。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載のノイズ低減ケーブルであって、
    前記フィルタは、少なくともコモンモードチョークコイルを有するノイズ低減ケーブル。
  5. 請求項4に記載のノイズ低減ケーブルであって、
    前記コモンモードチョークコイルは、100Ω以下の特性インピーダンスを有するノイズ低減ケーブル。
  6. 請求項5に記載のノイズ低減ケーブルであって、
    前記コモンモードチョークコイルは、更に、遮断周波数が100MHz以上の開放インピーダンスを有するノイズ低減ケーブル。
  7. 請求項1ないし6いずれか1項に記載のノイズ低減ケーブルであって、
    前記ケーブルは、信号が重畳された交流電力を前記通信装置に対して伝送自在なノイズ低減ケーブル。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載のノイズ低減ケーブルと、
    前記ノイズ低減ケーブルの他端が接続された前記通信装置とを備えたノイズ低減通信装置。
  9. 請求項8に記載のノイズ低減通信装置であって、
    前記通信装置は、前記ノイズ低減ケーブルを介して電力線通信を行うノイズ低減通信装置。
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