JP2007103444A - チップコイルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップコイルにおける磁気特性を向上する。
【解決手段】素体5と、この素体5に接触形成させたコイルパターン6と、このコイルパターン6に接続すると共に素体5の表面に設けた電極7と、コイルパターン6と素体5との接触部に介在させた下地電極層10とを備えたチップコイルの製造方法であって、下地電極層10は、素体5の一部に複数のニッケル塊をスパッタにより点在させ、このニッケル塊を核として複数の銅塊を無電解めっきにより形成して構成したチップコイルの製造方法としたものである。
【選択図】図2
【解決手段】素体5と、この素体5に接触形成させたコイルパターン6と、このコイルパターン6に接続すると共に素体5の表面に設けた電極7と、コイルパターン6と素体5との接触部に介在させた下地電極層10とを備えたチップコイルの製造方法であって、下地電極層10は、素体5の一部に複数のニッケル塊をスパッタにより点在させ、このニッケル塊を核として複数の銅塊を無電解めっきにより形成して構成したチップコイルの製造方法としたものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯電話等の各種電子機器に用いられるチップコイルの製造方法に関するものである。
従来この種のチップコイルは、図20に示されるように、感光性樹脂硬化物からなる素体1に銅からなるコイルパターン2を埋没し、素体1の表面には銅からなる電極3をコイルパターン2に接続するように形成している。また、コイルパターン2と素体1との接触部にはニッケル塊からなる下地電極層4を形成して構成していた。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2005−191408号公報
このような従来のチップコイルは磁気特性が悪いことが問題となっていた。
すなわち、上記従来の構成においては、下地電極層4を構成するニッケルが磁性を有するため、コイルパターン2が発生させる磁束に対して影響を与え、所望の磁気特性を得ることができなくなっていた。
そこで本発明は、チップコイルにおける磁気特性の向上を目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明は、素体と、この素体に接触形成させたコイルパターンと、このコイルパターンに接続すると共に前記素体の表面に設けた電極と、前記コイルパターンと前記素体との接触部に介在させた下地電極層とを備えたチップコイルの製造方法であって、前記下地電極層は、前記素体の一部に複数のニッケル塊をスパッタにより点在させ、このニッケル塊を核として複数の銅塊を無電解めっきにより形成して構成したチップコイルの製造方法としたものである。
本発明のチップコイルは、下地電極層を複数の銅塊と複数のニッケル塊とにより構成し、素体の一部に前記複数のニッケル塊を点在させ、このニッケル塊を核として前記複数の銅塊を形成させたため、コイルパターンが発生させる磁束に対してニッケル塊が与える影響を、そのニッケル塊を覆う非磁性体の銅塊により低減することができるため、磁気特性を向上させることができる。
また、銅塊と素体との間にニッケル塊が介在するため、下地電極層と素体との密着性を保つことができる。
さらに、ニッケル塊を介在させつつも、電子がこのニッケル塊を通過せず、銅塊のみを通過することができる構成としたため、下地電極層において高い導電率を得ることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるチップコイルについて図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態1におけるチップコイルについて図面を参照しながら説明する。
本実施の形態におけるチップコイルの斜視図である図1及び断面図である図2において、感光性樹脂硬化物からなる方形状の素体5には、銅などの金属からなる螺旋形状のコイルパターン6を埋没している。また、素体5の下面には電極7を形成し、この電極7は引き出し電極8、ビア9を介してコイルパターン6に電気的に接続させ、このようにして、チップコイルを構成している。そして、コイルパターン6、電極7、引き出し電極8、ビア9と素体5との界面には、銅とニッケルとからなる下地電極層10を形成している。
ここで、このチップコイルの製造方法を以下に示す。
まず、図3に示すごとく、シリコンなどの基板11の上面に、触媒付与処理によりパラジウム層12を形成し、このパラジウム層12の上面に、フォトリソグラフィ工法により電極形成部分7Aを残して絶縁性樹脂層13を形成する。
次に、図4に示すごとく、パラジウム層12表面における電極形成部分7A及び、絶縁性樹脂層13の表面に、図19に示すごとく、複数のニッケル塊10Aと複数の銅塊10Bとによりなる下地電極層10Cを形成する。
形成方法としては、まず、図18に示すごとく、スパッタによりニッケル塊10Aを絶縁性樹脂層13等の一部に点在させる。その後、図19に示すごとく、このニッケル塊10Aを核とするように、無電解めっきにより銅塊10Bを形成する。
このような構成としたため、コイルパターン(図示せず)が発生させる磁束に対してニッケル塊10Aが与える影響を、そのニッケル塊10Aを覆う銅塊10Bにより低減することができるため、磁気特性を向上させることができる。
また、銅塊10Bと絶縁性樹脂層13との間にニッケル塊10Aが介在するため、図2に示す下地電極層10と素体5との密着性を保つことができる。
さらに、ニッケル塊10Aを介在させつつも、電子(図示せず)がこのニッケル塊10Aを通過せず、銅塊10Bのみを通過することができる構成としているため、図2における下地電極層10において高い導電率を得ることができる。
その後、図5に示すごとく、完成時において電極(図示せず)を構成することになる金属層14を、下地電極層10Cを下地電極として電解めっき工法により形成する。金属層14には銅を用いることが望ましい。
次に、図6に示すごとく、金属層14及び下地電極層10Cを研磨することにより、絶縁性樹脂層13を上面に露出させる。研磨方法としては、アルミナスラリーを用いたCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)研磨を用いると、エッチングしながら下地電極層10C及び金属層14のみを選択的に研磨するので、高い精度で研磨することができ望ましい。
その後、図7に示すごとく、金属層14、絶縁性樹脂層13、下地電極層10Cの上面に、フォトリソグラフィ工法によりコイルパターン形成部分6A及び、ビア形成部分9Aを残して絶縁性樹脂層15を形成する。
次に、図8に示すごとく、絶縁性樹脂層15及び金属層14の上面に、図19に示すごとく、複数のニッケル塊10Aと複数の銅塊10Bとによりなる下地電極層10Dを形成する。
形成方法としては、まず、図18に示すごとく、スパッタによりニッケル塊10Aを絶縁性樹脂層15等の一部に点在させる。その後、図19に示すごとく、このニッケル塊10Aを核とするように、無電解めっきにより銅塊10Bを形成する。
その後、図9に示すごとく、完成時においてコイルパターン(図示せず)及びビア(図示せず)を構成することになる金属層16を、下地電極層10Dを下地電極として電解めっき工法により形成する。金属層16には銅を用いることが望ましい。
次に、図10に示すごとく、金属層16及び下地電極層10DをCMP研磨することにより、絶縁性樹脂層15を上面に露出させる。
その後、図11に示すごとく、金属層16、絶縁性樹脂層15、下地電極層10Dの上面に、フォトリソグラフィ工法により引き出し電極形成部分8Aを残して絶縁性樹脂層17を形成する。
次に、図12に示すごとく、絶縁性樹脂層17、下地電極層10D及び金属層16の上面に、図18に示すごとく、複数のニッケル塊10Aと複数の銅塊10Bとによりなる下地電極層10Eを形成する。
形成方法としては、まず、図18に示すごとく、スパッタによりニッケル塊10Aを絶縁性樹脂層17等の一部に点在させる。その後、図19に示すごとく、このニッケル塊10Aを核とするように、無電解めっきにより銅塊10Bを形成する。
その後、図13に示すごとく、引き出し電極(図示せず)を構成することになる金属層18を、下地電極層10Eを下地電極として電解めっき工法により形成する。金属層18には銅を用いることが望ましい。
次に、図14に示すごとく、金属層18及び下地電極層10EをCMP研磨することにより、絶縁性樹脂層17を上面に露出させる。
その後、図15に示すごとく、金属層18、絶縁性樹脂層17、下地電極層10Eの上面に、フォトリソグラフィ工法により保護層としての絶縁性樹脂層19を形成する。
次に、図16に示すごとく、絶縁性樹脂層19から下地電極層10Cまで、ダイシング工法などにより裁断する。この裁断は、レーザー照射などによって行ってもかまわないが、ダイシング工法を用いると寸法精度が高く望ましい。
その後、図17に示すごとく、フッ酸処理により基板11、パラジウム層12を取り除くと共に、各チップコイルに個片化することができる。
なお、パラジウム層12は、面状に形成するのではなく、パラジウムが点在するような形で形成してもかまわない。
このような工程により、図1,2に示すようなチップコイルを得ることができる。
本実施の形態のチップコイルは、図2に示す下地電極層10を、図18に示すごとく絶縁性樹脂層13,15,17の一部に複数のニッケル塊10Aを点在させ、このニッケル塊10Aを核として複数の銅塊10Bを形成する構成としたため、コイルパターン(図示せず)が発生させる磁束に対してニッケル塊10Aが与える影響を、そのニッケル塊10Aを覆う銅塊10Bにより低減することができるため、磁気特性を向上させることができる。
また、銅塊10Bと絶縁性樹脂層13,15,17との間にニッケル塊10Aが介在するため、図2における下地電極層10と素体5との密着性を保つことができる。
さらに、ニッケル塊10Aを介在させつつも、電子(図示せず)がこのニッケル塊10Aを通過せず、銅塊10Bのみを通過することができる構成としたため、下地電極層10において高い導電率を得ることができる。
本発明のチップコイルは、高い磁気特性を有し、携帯電話等、各種電子機器において有用である。
5 素体
6 コイルパターン
7 電極
8 引き出し電極
9 ビア
10 下地電極層
6 コイルパターン
7 電極
8 引き出し電極
9 ビア
10 下地電極層
Claims (4)
- 素体と、この素体に接触形成させたコイルパターンと、このコイルパターンに接続すると共に前記素体の表面に設けた電極と、前記コイルパターンと前記素体との接触部に介在させた下地電極層とを備えたチップコイルの製造方法であって、前記下地電極層は、前記素体の一部に複数のニッケル塊をスパッタにより点在させ、このニッケル塊を核として複数の銅塊を無電解めっきにより形成して構成したチップコイルの製造方法。
- 電極が銅からなる請求項1に記載のチップコイルの製造方法。
- 素体は、感光性樹脂硬化物により形成した請求項1または請求項2に記載のチップコイルの製造方法。
- 電極と素体との接触部に、銅塊とニッケル塊とにより構成した下地電極層を介在させた請求項1〜3のいずれか一つに記載のチップコイルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005288081A JP2007103444A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | チップコイルの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140139309A1 (en) * | 2012-11-20 | 2014-05-22 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Multilayer coil component |
US20190304663A1 (en) * | 2018-03-30 | 2019-10-03 | Rohm Co., Ltd. | Chip inductor |
-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005288081A patent/JP2007103444A/ja active Pending
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US9530554B2 (en) * | 2012-11-20 | 2016-12-27 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Multilayer coil component |
US20190304663A1 (en) * | 2018-03-30 | 2019-10-03 | Rohm Co., Ltd. | Chip inductor |
JP2019179842A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | ローム株式会社 | チップインダクタ |
JP2022174315A (ja) * | 2018-03-30 | 2022-11-22 | ローム株式会社 | チップインダクタ |
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