JP2007103292A - 赤外線電球及び加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の赤外線電球は、炭素繊維により帯状に形成され、長手方向に延びる帯体を有する発熱体が、その長手方向と直交するように、発熱体の帯体の両側面から内側に向かって切り込みが形成された放熱領域と、繋がった炭素繊維が発熱体の両端部分に設けられた保持手段により吊設された発熱領域とにより構成されている。
【選択図】図1
Description
上記のような炭素系物質を用いた板状の発熱体は、可撓性がほとんどなく、衝撃に弱く、破損しやすい構成であるため、取り扱い上及び使用上において注意が必要であった。したがって、赤外線電球を熱源として使用する装置において、可撓性を有し、優れた耐衝撃性を持つ発熱体の開発が望まれていた。
そこで、可撓性を有する炭素繊維を発熱体として用いた赤外線電球の開発が進められている。例えば、炭素繊維の表面に樹脂を塗布して焼成することにより炭化層を形成し、可撓性を損なうことなく発熱特性の調整が可能な発熱体が開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
黒鉛結晶構造を持つ繊維状の炭素物質で形成された炭素繊維を有し、前記炭素繊維が長手方向に延びて帯状に形成された発熱体と、
前記発熱体の長手方向における両端部分に電気的に接続された保持手段と、
前記発熱体と前記保持手段を封入する絶縁管と、
前記保持手段に電気的に接続され前記絶縁管から導出されたリード手段と、を有して構成され、
前記発熱体は、前記発熱体の長手方向と直交するように前記発熱体の両側面から内側に向かって切り込みが形成された放熱領域と、繋がった炭素繊維が前記保持手段により吊設される発熱領域と、により構成されている。このように構成された赤外線電球は、発熱体がばらつきのない安定抵抗を有すると共に、発熱体が可撓性を有し、強度的にも強いため、張力や熱ストレス等による変形、ねじれ、伸びに対応可能な構成となる。
前記発熱体の長手方向における両端部分に電気的に接続された保持手段と、
前記発熱体と保持手段を封入する絶縁管と、
前記保持手段に電気的に接続され前記絶縁管から導出されたリード手段と、を有して構成され、
前記発熱体における長手方向と平行な中心線上に貫通した開口が形成され、且つ前記発熱体の両側面側において繋がった前記炭素繊維が前記保持手段により吊設されるよう構成されている。このように構成された赤外線電球は、発熱体が可撓性を有すると共に、強度的にも強いため、張力や熱ストレス等による変形、ねじれ、伸びに対応可能な構成となる。
図1は本発明に係る実施の形態1の赤外線電球の構成を示す側面図である。図1において、実施の形態1の赤外線電球は、長い帯状の発熱体1と、この発熱体1の両端を保持する保持手段10が絶縁管である硝子管2の内部に収納され、不活性ガス9が封入されている。各保持手段10にはリード手段11が接続されており、このリード手段11の一部は硝子管1の両端側から外部に導出している。
なお、実施の形態1の赤外線電球において、発熱体1の具体的な寸法は、長さが400mm、帯幅が7mm、帯厚が1.2mmであった。また、発熱体1における、切り込み1aの幅(G)は0.15mm、切り込み1aの長さ(D)は2.2mm、切れ込み1aの間隔(H)は3.8mmであった。
図4は本発明に係る実施の形態2の赤外線電球の構成を示す側面図である。図4に示す実施の形態2の赤外線電球において、前述の図1に示した実施の形態1の赤外線電球と異なる点は、発熱体13における切り込み(スリット)13aの形成位置である。したがって、実施の形態2の説明においては、実施の形態1の赤外線電球における要素と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は実施の形態1の説明を適用する。
上記のように、実施の形態2における発熱体1は、帯体における両側面側の放熱領域Bと、これらの放熱領域Bに挟まれた領域であって炭素繊維が発熱体13の両端部分(図4における発熱体13の左右端)繋がった炭素繊維で構成された発熱領域Aとにより構成されている。図5は実施の形態2における発熱体13の部分拡大図であり、図5において左右方向が発熱体13の長手方向である。なお、図5においては、説明を容易なものとするため、発熱体13を構成する縦糸群と横糸群とを単純な構成で記載している。
図6は本発明に係る実施の形態3の赤外線電球の構成を示す側面図である。図6に示す実施の形態3の赤外線電球において、前述の図1に示した実施の形態1の赤外線電球と異なる点は、発熱体14の形状である。実施の形態3における発熱体14には、切り込み(スリット)が設けられておらず、開口14aが形成されている。したがって、実施の形態3の説明においては、実施の形態1の赤外線電球における要素と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は実施の形態1の説明を適用する。
図8は本発明に係る実施の形態4の加熱装置を示す斜視図である。図8に示す実施の形態4の加熱装置においては、前述の実施の形態1から実施の形態3において説明した赤外線電球のいずれの構成でも用いることができる装置である。
実施の形態4の加熱装置は、熱源としての赤外線電球12と、赤外線電球12の背面側から放射された熱線を反射して、正面側に対して実質的に平行に放射する反射板15と、電源に接続され、赤外線電球12の入力電流を制御する制御部16とを有して構成されている。
なお、実施の形態4の加熱装置においては赤外線電球12の背面側に反射板15を配設した構成であるが、赤外線電球12の硝子管背面に反射膜を直接形成した赤外線電球を用いて、反射板を不要とした加熱装置を構成することも可能である。
また、図1に示した実施の形態1及び図4に示した実施の形態2においては、発熱体1,13に切り込み(スリット)を形成した構成で示したが、本発明は発熱体に切り込みやスリットを形成して放熱領域Bを形成したものに限定されるものではなく、炭素繊維を切断して放熱領域Bを形成する構成であれば、実施の形態1と実施の形態2の構成と同じ効果を得ることができる。
1a 切り込み
2 硝子管
3a,3b 保持部材
4a,4b 放熱部
5a,5b スプリング部
6a,6b 内部リード線
7a,7b モリブデン箔
8a,8b 外部リード線
9 不活性ガス
10 保持手段
11 リード手段
12 赤外線電球
13 発熱体
13a 切り込み
14 発熱体
14a 開口
15 反射板
16 制御部
Claims (14)
- 黒鉛結晶構造を持つ繊維状の炭素物質で形成された炭素繊維を有し、前記炭素繊維が長手方向に延びて帯状に形成された発熱体と、
前記発熱体の長手方向における両端部分に電気的に接続された保持手段と、
前記発熱体と前記保持手段を封入する絶縁管と、
前記保持手段に電気的に接続され前記絶縁管から導出されたリード手段と、を有して構成され、
前記発熱体は、前記発熱体の長手方向と直交するように前記発熱体の両側面から内側に向かって切り込みが形成された放熱領域と、繋がった炭素繊維が前記保持手段により吊設される発熱領域と、により構成された赤外線電球。 - 前記発熱体の両側面から内側に向かって形成された切り込みが、当該発熱体における長手方向と平行な中心線を超えない位置に形成された請求項1に記載の赤外線電球。
- 前記発熱体の両側面から内側に向かって形成された切り込みが、互い違いに形成された請求項1に記載の赤外線電球。
- 前記発熱体の両側面から内側に向かって形成された切り込みが、当該発熱体における長手方向と平行な中心線に対して対象に形成された請求項1に記載の赤外線電球。
- 黒鉛結晶構造を持つ繊維状の炭素物質で形成された炭素繊維を有し、前記炭素繊維が長手方向に延びて帯状に形成された発熱体と、
前記発熱体の長手方向における両端部分に電気的に接続された保持手段と、
前記発熱体と保持手段を封入する絶縁管と、
前記保持手段に電気的に接続され前記絶縁管から導出されたリード手段と、を有して構成され、
前記発熱体における長手方向と平行な中心線上に貫通した開口が形成され、且つ前記発熱体の両側面側において繋がった前記炭素繊維が前記保持手段により吊設されるよう構成した赤外線電球。 - 前記発熱体において、軟性充填剤として導電性粒子を用いて形成された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 前記軟性充填剤が、グラファイト又はカーボンブラックのいずれかである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 前記発熱体において、軟性充填剤として不揮発性の高分子化合物を用いて形成された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 前記軟性充填剤が、不揮発性のオリゴマー又はポリマー化合物のいずれかである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 前記軟性充填剤が、デンプン、ポリエチレン、及びカルボキシメチルセルロースから選ばれた一つである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 前記保持手段が、前記発熱体との接合部分に良熱伝導性を有する放熱部を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 前記絶縁管が硝子管で構成され、前記硝子管の中に不活性ガスが封入された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
- 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の赤外線電球、及び
前記赤外線電球に電力を供給制御する制御手段、を具備する加熱装置。 - 前記赤外線電球における帯状の発熱体の平面側が加熱対象と対向するよう当該加熱装置の正面側に配置され、前記赤外線電球の背面側に反射手段が設けられた請求項13に記載の加熱装置。
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