JP2005294243A - 赤外線加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 凹状に楕円鏡面を有する楕円反射鏡2と、前記楕円反射鏡2の第1焦点F1に配置された発熱部4とを備え、被加熱体Mを赤外線により加熱処理する赤外線加熱装置1であって、前記発熱部4は石英ガラス管10内に封入されたカーボンワイヤ6Aを密集配設した構造により赤外線を発生し、前記赤外線は、前記楕円反射鏡2に反射して該楕円反射鏡2の第2焦点F2に集光され、前記第2焦点F2に配置された被加熱体Mに照射される。
【選択図】 図1
Description
なお、このようなキセノンランプ等の発光ランプを利用した光加熱装置については特許文献1に記載されている。
また、キセノンランプ等の発光ランプでは大出力のものが製作できないため、その用途が半田付け等の低出力のものに限定されていた。
このように、楕円反射鏡に反射した赤外線を第2焦点に集光して被加熱体に照射することによって、被加熱ポイントに対し効率的に加熱加工することができる。
また、カーボンワイヤから発生する赤外線の出力は、カーボンワイヤに印加する電圧値を変えることにより容易に制御することができるため、必要以上に温度上昇することがなく、加熱時の衝撃が発生することもない。このため、被加熱ポイントおよびその周辺に与えるダメージを抑制することができ、被加熱体の素材性質の変化を最小限に留めることができる。
なお、前記発熱部の構造、すなわち石英ガラス管内に封入されたカーボンワイヤを密集配設した構造とは、発熱部が一つの塊状として形成されていることを意味している。具体的に一例を挙げれば、前記カーボンワイヤが球状螺旋状に形成された構造であることが好ましい。
さらに、キセノンランプから発生する光成分は殆ど可視光であり、加熱源としての効率が悪いが、カーボンワイヤから発生する光は殆ど赤外線であるため加熱源として効率がよい。加えて、ランプに比べてカーボンワイヤの寿命が長いため、そのメンテナンスが容易で、維持コストを低減することができる。
また、前記楕円反射鏡の第2焦点を交点とする複数の可視光を照射することにより、前記第2焦点を目視により識別可能とするポインタ手段をさらに備えることが望ましい。
すなわちカーボンワイヤにより発生し前記第2焦点に照射される赤外線は不可視光であるため、前記ポインタ手段を設けることにより、作業者は前記第2焦点の位置を目視で把握することができ、作業を効率的に行うことができる。
すなわち前記円環反射鏡に反射した赤外線は、前記発熱部のある第1焦点に集光されるようになされる。このように構成すれば、この円環反射鏡に反射した赤外線のうち、一部は発熱部を通過して前記楕円反射鏡で反射し、前記円環反射鏡の中心部に形成された穴を通過して前記第2焦点に集光され、前記被加熱体に照射される。また、前記円環反射鏡に反射した赤外線のうち、前記発熱部を通過しない赤外線は発熱部自体を加熱する。したがって、前記発熱部の温度をより速く上昇させることができるため、使用電力を低減することができ、省エネルギーを図ることができる。
すなわち被加熱体の加熱ポイント周囲を加熱したくない場合に、前記遮蔽板を設置することで安全且つ確実に作業を行うことができる。
前記発熱部4は、カーボンファイバー束からなる発熱体としてのカーボンワイヤ6Aと、このカーボンワイヤ6Aを不活性ガスと共に封入した石英ガラス管10とからなり、赤外線を発する球状螺旋部4aを備えている。この球状螺旋部4aにおいては、細いカーボンワイヤ6Aが球状に螺旋形状(球状螺旋構造)を描くと共に、それを覆う石英ガラス管10もカーボンワイヤ6Aの形状に伴って球状螺旋構造に形成されている。
また、細いカーボン単繊維の繊維束を複数本編んで作製されたものであるため、ムクのカーボン材からなる発熱体に比べフレキシビリティに富み、形状変形順応性や加工性に優れている。具体的には、前記カーボンワイヤ6Aとして、直径5乃至15μmのカーボンファイバー、例えば、直径7μmのカーボンファイバーを約1000乃至3500本程度束ねたファイバー束を2〜20束程度用いて各種直径の編紐、あるいは組紐形状に編み込んだ等のカーボンワイヤが用いられる。また、前記カーボンワイヤ6Bとしては、カーボンワイヤ6Aと同等のカーボンワイヤを更に数本〜数十本束ねることにより形成される。
また、カーボンワイヤヒータ3から発生する赤外線の出力は、カーボンワイヤ6に印加する電圧値を変えることにより容易に制御することができるため、必要以上に温度上昇することがなく、加熱時の衝撃が発生することもない。このため、被加熱ポイントおよびその周辺に与えるダメージを抑制することができ、被加熱体の素材性質の変化を最小限に留めることができる。
さらに、キセノンランプから発生する光成分は殆ど可視光であり、加熱源としての効率が悪いが、カーボンワイヤヒータ3から発生する光は殆ど赤外線であるため加熱源として効率がよい。加えて、ランプに比べて熱容量が小さくカーボンワイヤの寿命が長いため、そのメンテナンスが容易で、維持コストを低減することができる。
例えば、図4乃至図6に示すように、このカーボンワイヤヒータ3の発熱部24を、第2焦点F2の方向に螺旋しながら延設された螺旋部24aと、その頂部において折り返されて螺旋部24aの中心部を通る折返し部24bとを備える形状にしても良い。
これは、発熱部24が、前記した発熱部4のように球状螺旋構造ではなく、第2焦点F2の方向に螺旋しながら延設された突出状螺旋構造を採用した結果、第2焦点F2において、いわゆるピンボケ効果が生じたものと推察される。
その結果、例えば熱衝撃に弱い物体の加熱には、この発熱部24を有するカーボンワイヤヒータの方が、発熱部4を有するカーボンワイヤヒータより適している。
その結果、密集配設の場合の方が、そうでない場合に比べて、抵抗が小さくなり、低い電圧で同じ電流を流せることとなり、省エネルギーとなる。
図8に示す赤外線加熱装置1は、図1に示した赤外線加熱装置1の構成にポインタ手段としての複数のポインタ11(図では2つ)を加えた構成とされる。
このポインタ11は、例えばレーザポインタ装置であって、複数のポインタ11により照射される可視光レーザの交点が、楕円反射鏡2の第2焦点F2に合致するように配置されている。
図9に示す赤外線加熱装置1は、図1に示した赤外線加熱装置1の構成に前面反射鏡12を加えた構成とされる。
この前面反射鏡12は、円環状に形成されると共に、前記楕円反射鏡2に対して鏡面が相対して配置された円環反射鏡であって、前記楕円反射鏡2により集光された赤外線は、この前面反射鏡12の中心部に形成された穴12aを通過して被加熱体Mに照射されるように構成されている。
よって、この第三の実施の形態によれば、前記した第一の実施形態による作用効果に加え、次のような効果を得ることができる。すなわち前面反射鏡12を設けることにより、より速く発熱部4の温度を上昇させることができるため、使用電力を低減することができ、省エネルギーを図ることができる。
図10に示す赤外線加熱装置1は、図1に示した赤外線加熱装置1の構成に遮蔽板13を加えた構成とされる。
この遮蔽板13は、例えば耐熱金属、カーボン等により形成され、被加熱体Mの前面、すなわち楕円反射鏡2の第2焦点F2の前面に配置されている。そして、遮蔽板13には前記第2焦点F2に集光される赤外線を遮らないように穴13aが形成されている。すなわち、この遮蔽板13は、図10に示すように発熱部4から直接照射される赤外線Cを遮蔽するためのものであり、楕円反射鏡2から反射される赤外線は遮らずに第2焦点F2に集光し、被加熱体Mに照射されるようになされている。
よって本第四の実施形態によれば、前記した第一の実施形態による作用効果に加え、次のような効果を得ることができる。すなわち被加熱体Mの加熱ポイント周囲を加熱したくない場合に、前記遮蔽板13を設置することで安全且つ確実に作業を行うことができる。
図11に示す赤外線加熱装置1は、図1に示した赤外線加熱装置1の構成に、図8に示したポインタ11、図9に示した前面反射鏡12、および図10に示した遮蔽板13を加えた構成とされる。
よってこの第五の実施形態によれば、前記した第一乃至第四の実施形態による作用効果のすべてを得ることができる。
このようにポインタ用電源15によりポインタ11が駆動することで、作業者は例えばポインタ11から照射される可視光レーザにより楕円反射鏡2の第2焦点F2を確認することができる。そして、ヒータ用電源14によりカーボンワイヤヒータ3が駆動し、前記第2焦点F2に、金属M1と金属M2の溶接部位を当てることにより、容易に作業を行うことができる。
2 楕円反射鏡
3 カーボンワイヤヒータ
4 発熱部
4a 球状螺旋部
4b 端子接続部
5 端子部
6 カーボンワイヤ
7 電極
8 被覆電線
9 接続ピン
10 石英ガラス管
11 ポインタ(ポインタ手段)
12 前面反射鏡(円環反射鏡)
13 遮蔽板
F1 第1焦点
F2 第2焦点
M 被加熱体
Claims (5)
- 凹状に楕円鏡面を有する楕円反射鏡と、前記楕円反射鏡の第1焦点に配置された発熱部とを備え、被加熱体を赤外線により加熱処理する赤外線加熱装置であって、
前記発熱部は、石英ガラス管内に封入されたカーボンワイヤを密集配設した構造により赤外線を発生し、
前記赤外線は、前記楕円反射鏡に反射して該楕円反射鏡の第2焦点に集光され、前記第2焦点に配置された被加熱体に照射されることを特徴とする赤外線加熱装置。 - 前記発熱部は、楕円反射鏡の第2焦点の方向に螺旋しながら延設された螺旋部と、その頂部において折り返されて螺旋部の中心部を通る折返し部とを備えることを特徴とする請求項1に記載された赤外線加熱装置。
- 前記楕円反射鏡の第2焦点を交点とする複数の可視光を照射することにより、前記第2焦点を目視により識別可能とするポインタ手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された赤外線加熱装置。
- 円環状に形成されると共に、前記楕円反射鏡に対し、鏡面が相対して配置された円環反射鏡をさらに備え、
前記円環反射鏡に反射した赤外線は、前記円環反射鏡の中心部に形成された穴を通過して前記第2焦点に集光され、前記被加熱体に照射されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された赤外線加熱装置。 - 前記被加熱体の前面に、前記第2焦点に集光される赤外線を遮らない穴を有する遮蔽板をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかの請求項に記載された赤外線加熱装置。
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2004
- 2004-09-22 JP JP2004275201A patent/JP2005294243A/ja active Pending
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