JP2007101620A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズ鏡筒50は、該レンズ群を固定する固定枠5と、該固定枠5に対して光軸方向へ移動可能に設けられた可動枠8と、固定枠5に設けられ光軸方向と垂直な方向に着磁されたマグネット1及び光軸方向と垂直な方向にマグネット1と対向するように配置されたメインヨーク2およびサイドヨーク3と、可動枠8に設けられマグネット1およびメインヨーク2の間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されたコイル4と、可動枠8に設けられた磁気スケール6と、固定枠5に設けられ光軸方向と垂直な方向に磁気スケール6と対向するように配置された磁気センサ7とを備えている。サイドヨーク3は、マグネット1の着磁方向のN極側へ突出する第1磁界調整部11aを有している。
【選択図】図1
Description
図16および図17に示すように、レンズ鏡筒は、第1レンズ群17、第2レンズ群18、第3レンズ群19、および第4レンズ群13を光軸15上に一直線に並べた構成となっている。図16および図17においては、光軸方向をX軸方向、光軸方向と垂直な方向をY軸方向としている。具体的には、第1レンズ群17および第3レンズ群19は光軸15の方向に固定されており、第2レンズ群18が光軸方向に移動して、ズーム動作が行われる。すなわち、第2レンズ群18が第1レンズ群17に接近した図16は、撮影画角が最も広角な場合であり、第2レンズ群18が第3レンズ群19に接近した図17は、撮影画角が最も望遠である場合を示している。
またこのレンズ鏡筒は、第4レンズ群13が光軸方向に移動して、フォーカス動作が行われる。すなわち、被写体までの撮像距離の増減と、第2レンズ群18の位置(すなわちズーム倍率)に応じて、第3レンズ群19と撮像素子16間の最適な位置に第4レンズ群13が移動することにより、撮像素子16上に正しく光学像を結像させる。
そこでレンズ群の移動応答性を高めるために、レンズの駆動装置としてボイスコイル型のリニアモータが用いられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。図18〜図20を用いて、リニアモータを用いたレンズ鏡筒について説明する。図18はレンズ鏡筒の斜視図、図19はレンズ鏡筒を撮像素子側から見た平面概略図、図20はレンズ鏡筒を横から見た側面概略図である。いずれの図においても、リニアモータを構成する部分のみを描いている。また図20においては、可動枠8が最も撮像素子16に近づいた状態を描いている。図18〜20においては、光軸方向をX軸方向、マグネットの着磁方向をY軸方向、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸方向としている。
マグネット1は、コの字形をしたメインヨーク2に取り付けられている。メインヨーク2は、圧入用突起12により固定枠5に固定されている。メインヨーク2の一部は第4レンズ群13を搭載した可動枠8に接着固定したコイル4を貫通している。またメインヨーク2の開放端はサイドヨーク3により閉じられており、メインヨーク2およびサイドヨーク3により磁気回路が構成されている。そして、コイル4に流す電流を増減することにより、コイル4に光軸方向への適切な駆動力を発生させ、第4レンズ群13を光軸方向に移動させる構成となっている。図示しない制御回路は磁気センサ7の出力を読み取り、コイル4に流す電流を増減することにより、第4レンズ群13の光軸方向の位置を高精度に制御することが可能となる。
磁気センサ7は磁気スケール6の発するX軸方向の磁界の変化を検出するため、磁気センサ7へ流入する外乱磁場の影響を抑える必要がある。このため従来のレンズ鏡筒では、磁気センサ7がメインヨーク2から発生する磁束の影響を受けないように、光軸方向の磁束分布の中心付近に配置されている。例えば、図20に示すようにマグネット1の中心と磁気センサ7の中心とをマグネット1の着磁方向へほぼ一直線上に配置する場合がある。なお、磁気センサ7の中心は、図20の位置に限らず、磁束分布の中心付近に配置されていればよい(例えば、特許文献4を参照。)。
そこで、第1レンズ群17、第2レンズ群18および第3レンズ群19が協調動作することによって、ズーム動作を行うレンズ鏡筒が提案されている。図21、図22にこのようなレンズ鏡筒のレンズ構成例を示す。
図21は、第1レンズ群が撮像素子16に最も近づき(X軸方向負側へ移動し)、第3レンズ群19が第2レンズ群18から最も離れたレンズの配置、すなわち撮影画角が最も広角な場合を示している。また図22は、第1レンズ群が撮像素子16から最も離れた位置に移動し(X軸方向正側へ移動し)、第3レンズ群19が第2レンズ群18に最も接近したレンズの配置、すなわち撮影画角が最も望遠である場合を示している。図21、22から明らかなように、このレンズ鏡筒では第1、第2および第3レンズ群が協調動作することによりズーム動作が行われる。したがって、レンズ鏡筒を大型化することなく、より高い光学性能のレンズ鏡筒を提供できる。
しかし、図18〜図20に示した従来の構成のリニアモータをそのまま利用できるように設計を行うと、図23に示すようにマグネット1およびメインヨーク2の光軸方向の長さを延長する必要がある。そうすると、図23から明らかなように、可動枠8が撮像素子16に最も近づいた時、磁気スケール6が光軸方向(図23のX軸方向)の撮像素子16側に大きく突き出るため、固定枠5の一部に突出部21を設けなければならない。この結果、図21、図22のレンズ構成を採用してレンズ鏡筒の大型化を回避するつもりが、逆に突出部21が突き出た分だけレンズ鏡筒の軸方向寸法が大きくなってしまう。
このレンズ鏡筒では、ヨークがマグネットの着磁方向のN極側へ突出する第1磁界調整部を有しているため、マグネットおよびヨークから磁気センサ側へ流出する磁束の一部が第1磁界調整部に引き寄せられる。すなわち、磁気センサ側の磁束の中心を光軸方向第1磁界調整部側へ移動させることができる。この結果、磁気センサを従来よりも光軸方向第1磁界調整部側へ配置することができ、磁気スケールも同様に光軸方向第1磁界調整部側へ配置することができる。これにより、磁気スケールが移動部材から光軸方向第1磁界調整部と反対側へ突出するのを防止することができ、レンズ鏡筒の小型化を図ることができる。
このレンズ鏡筒では、第1磁界調整部がマグネットの着磁方向と垂直な方向へも突出しているため、第1磁界調整部の光軸方向と垂直な面の面積が大きくなる。この面積が大きくなるにしたがって、磁束の中心を光軸方向へ移動させる効果も大きくなる。したがって、このレンズ鏡筒では、マグネットおよびヨークから磁気センサ側へ流出する磁束の一部が第1磁界調整部により引き寄せられ、磁気センサをより光軸方向第1磁界調整部側へ配置することができる。
請求項3に記載のレンズ鏡筒は、請求項1または2において、第1磁界調整部が少なくとも1つの板状の部材である。第1磁界調整部の板厚方向は、光軸方向と同一である。
このレンズ鏡筒では、第1磁界調整部の板厚方向が光軸方向と同一であるため、光軸方向と垂直な面の面積を大きくとることができる。これにより、磁束の中心をより確実に光軸方向第1磁界調整部側へ移動させることができる。
請求項4に記載のレンズ鏡筒は、撮像光学系の少なくとも一部を構成する少なくとも1つのレンズと、固定部材と、レンズが固定され固定部材に対して光軸方向へ移動可能に設けられた移動部材と、固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に着磁されたマグネットと、固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向にマグネットと対向するように配置されたヨークと、移動部材に設けられマグネットおよびヨークの間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されたコイルと、移動部材に設けられた磁気スケールと、固定部材に設けられ光軸方向と垂直な方向に磁気スケールと対向するように配置された磁気センサとを備えている。ヨークは、ヨーク本体と、ヨーク本体から光軸方向と垂直な方向であってマグネットの着磁方向と垂直な方向の少なくとも一方へ突出する第1磁界調整部とを有している。第1磁界調整部は、少なくとも1つの板状の部材である。第1磁界調整部の板厚方向は、光軸方向と同一である。
請求項5に記載のレンズ鏡筒は、請求項1から4のいずれかにおいて、磁気センサがマグネットに対して第1磁界調整部の突出する方向に配置されている。
このレンズ鏡筒では、磁束の中心が光軸方向へ大きく移動する範囲に磁気センサを配置することができる。すなわち、第1磁界調整部の効果を最大限に生かすことができる。これにより、磁気センサをより光軸方向第1磁界調整部側へ配置することができる。
請求項6に記載のレンズ鏡筒は、請求項1から5のいずれかにおいて、第1磁界調整部がヨーク本体の光軸方向の端部に配置されている。
請求項7に記載のレンズ鏡筒は、請求項1から6のいずれかにおいて、ヨーク本体からマグネットの着磁方向のS極側へ突出する第2磁気調整部をさらに有している。
このレンズ鏡筒では、ヨークが第2磁気調整部をさらに有しているため、磁束の中心を光軸方向へ移動させることができる。この場合、磁束の中心の移動量は、第1および第2磁界調整部による移動量の総和にほぼ等しくなる。
請求項8に記載のレンズ鏡筒は、撮像光学系の少なくとも一部を構成する少なくとも1つのレンズと、固定部材と、レンズが固定され固定部材に対して光軸方向へ移動可能に設けられた移動部材と、固定部材に設けられ光軸方向と垂直な方向に着磁されたマグネットと、固定部材に設けられ光軸方向と垂直な方向にマグネットと対向するように配置されたヨークと、移動部材に設けられマグネットおよびヨークの間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されたコイルと、移動部材に設けられた磁気スケールと、固定部材に設けられ光軸方向と垂直な方向に磁気スケールと対向するように配置された磁気センサとを備えている。ヨークは、ヨーク本体と、ヨーク本体からマグネットの着磁方向のS極側へ突出する第2磁界調整部とを有している。
請求項9に記載のレンズ鏡筒は、請求項8において、第2磁界調整部がヨーク本体の光軸方向の端部に配置されている。
このレンズ鏡筒では、第2磁界調整部がヨーク本体の光軸方向の端部に配置されているため、磁束の中心を確実に光軸方向へ移動させることができる。
請求項10に記載のレンズ鏡筒は、請求項7から9のいずれかにおいて、第2磁界調整部が少なくとも1つの板状の部材である。第2磁界調整部の板厚方向は、光軸方向と垂直である。
このレンズ鏡筒では、第2磁界調整部の板厚方向が光軸方向と垂直であるため、光軸方向と垂直な面の面積を大きくとることができる。これにより、磁束の中心をより確実に光軸方向第1磁界調整部側へ移動させることができる。また、ヨーク本体からマグネットの着磁方向へ突出する部分の寸法が小さいため、周辺部材との干渉を防止することができる。
1.第1実施形態
図1〜図6を用いて、本発明の第1実施形態としてのレンズ鏡筒50について説明する。図1に本発明の第1実施形態としてのレンズ鏡筒50の側面概略図、図2に本発明の第2実施形態としてのレンズ鏡筒50の平面概略図、図3にリニアモータ60を構成する主要部品の概略斜視図、図4にメインヨーク2の幅方向(Z軸方向)中央におけるXY平面内での磁場解析結果の可視化図を示す。図1〜4においては、光軸方向をX軸方向、マグネット1の着磁方向をY軸方向、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸方向としている。またX軸、Y軸およびZ軸は、図中矢印の方向を正側、逆の方向を負側としている。マグネット1の着磁方向のN極側はY軸方向正側となり、S極側はY軸方向負側となる。なお図1〜図4において、図12〜図23に示すレンズ鏡筒50と同じ構成については同じ符号を用いている。
図1〜図3に示すように、レンズ鏡筒50は、固定枠5(固定部材)と、可動枠8(移動部材)と、マグネット1と、メインヨーク2(磁性体)と、サイドヨーク3(磁性体)と、コイル4と、磁気スケール6と、磁気センサ7とを備えている。
マグネット1、メインヨーク2およびサイドヨーク3は、磁気回路を構成するためのものであり、固定枠5に取り付けられている。具体的には、メインヨーク2はコの字形状を有した磁性材料であり、Z軸方向に突出した1対の圧入用突起12により固定枠5の内部に固定されている。メインヨーク2の内部には、マグネット1が吸着または接着剤等により固定されている。マグネット1は、Y軸方向に着磁されており、メインヨーク2の一部とY軸方向に対向して配置されている。サイドヨーク3は、メインヨーク2の開放端に固定されている。コイル4は可動枠8に対して接着剤により固定されており、メインヨーク2の一部がコイル4をX軸方向に貫通している。コイル4は、マグネット1およびメインヨーク2の間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されている。また、コイル4とマグネット1およびメインヨーク2とは、X軸方向に移動可能となっている。
磁気スケール6および磁気センサ7は、可動枠8のX軸方向の変位を検出するためのものである。具体的には、磁気スケール6はX軸方向に延びるように可動枠8に対して接着剤等により固定されている。磁気センサ7は、磁気スケール6と着磁方向に対向するように固定枠5に固定されている。磁気スケール6の磁気センサ7と対向する側の面には、図1のX軸方向に沿って所定のピッチでS極とN極とが交互に着磁されており、磁気センサ7はこのX軸方向の磁界の変化を検出する。
一般に、磁気スケール6の着磁ピッチは200〜300μm程度と極めて狭く、磁気センサ7が検出すべき磁界の変化も極めて小さい。このため、微小な磁界の変化を精度よく検出するために、磁気センサ7としては磁界の変化により抵抗値が変化する特性を持つNiFeやNiCo等の強磁性薄膜を材料としたMR素子(磁性薄膜磁気抵抗素子)が用いられる。MR素子は、わずかな磁界の変化を検出できるとともに、磁気スケール6の出力が正弦波場に得られるため、磁気スケール6の移動範囲が長くなっても、同一精度で位置検出を行うことができる。
しかし、このような高精度の制御を可能とするためには、磁気センサ7へ飛び込む外乱磁場の影響を抑える必要がある。外乱磁場の影響を抑えるためには、磁気センサ7を磁気中心位置(ヨークから飛び出す磁束のX軸方向分布の中心位置)に配置する必要がある。ここでは、本発明のレンズ鏡筒50における磁気中心位置について説明する。
図4にメインヨーク2の幅方向(Z軸方向)中央におけるXY平面内での磁場解析結果の可視化図を示す。図4において、多数表示している矢印は磁束の方向を示している。また、磁束のX軸方向成分Bxの分布状態を曲線14、14a、14bとして示している。曲線14は、X軸方向成分Bxがゼロとなる位置、すなわち、磁気中心位置を示している。曲線14aは磁気センサ7が許容できる外部磁界Bxの正の許容限度に相当する位置を示し、曲線14bは負の許容限度に相当する位置を示している。
さらに、図4の曲線14aと曲線14bのX軸方向の間隔は、従来例(図25)のそれと比べて大幅に広がっていることがわかる。これは、マグネット1から磁気センサ7に向かう方向に第1磁界調整部11aを突き出しているので、磁気センサ7の比較的近傍で、メインヨーク2の上面から飛び出た磁束が第1磁界調整部11aに引き寄せられた結果、磁気中心位置近傍における光軸方向の磁束の変化量が小さくなったためである。磁気センサ7は、許容限度を示す曲線14aと曲線14bとのX軸方向間であれば、任意の位置に設けることができる。したがって、図4に示すように磁気センサ7を磁気中心位置を示す曲線14よりさらにX軸方向正側にずらして配置できる。この結果、図1に示すようにマグネット1に対する磁気スケール6の位置もX軸方向へ移動させることができるため、磁気スケール6がX軸方向負側に突き出ることはなく、固定枠5の一部に図19に示すような突出部21を設ける必要もない。以上より、第1磁界調整部11aを設けることにより、レンズ鏡筒50の光軸方向の寸法を短縮することができ、レンズ鏡筒50の小型化を図ることができる。
なお、磁気中心位置(曲線14)のずれ量や磁束の変化量(曲線14aと曲線14bの間隔)は、第1磁界調整部11aのY軸方向への突き出し量を変えることによって調整することができるため、レンズ鏡筒の構成に応じた設計が可能である。また、サイドヨーク3にY軸方向負側に突き出た第1磁界調整部11aを設けた場合には、磁気中心はX軸方向負側にずれることになる。また、第1実施形態においては第1磁界調整部11aをサイドヨーク3の一部に設けたが、メインヨーク2に一体的に設けてもよいし、別部品を追加してもよい。この場合には、第1磁界調整部11aのX軸方向の位置に応じて磁気中心位置や磁束の変化量が変わるので、第1磁界調整部11aの寸法等を調整することによりレンズ鏡筒の構成に応じた設計が可能である。
また図5(A)および(B)に示すように、第1磁界調整部11aの幅は、ヨーク幅に合致させる必要はなく、この幅を増減することによっても、磁気中心位置のずれ量や磁束の変化量を調整できる。第1磁界調整部11aのY軸方向正側への突き出し量が同じであれば、第1磁界調整部11aの幅が広くなるほど、磁気中心をさらにX軸方向正側にずらすことができる。また、Y軸方向に見て磁気センサ7に近い位置における第1磁界調整部11aの面積を増減させると、磁気中心位置のずれ量や磁束の変化量により大きくなる。図5(A)および(B)のように第1磁界調整部11aのZ軸方向の幅をメインヨーク2の幅より広くする場合でも、できるだけY軸方向正側の面積を増加させるほうがよい。したがって、第1磁界調整部11aの幅がY軸方向正側に向かって徐々に広がる形状を採用しても、好ましい結果が得られる。
図6に示すように、実測結果と磁場解析結果とは非常によく一致していることがわかる。図6における実線34のX切片が第1実施形態としての磁気中心位置であり、図6の左側、すなわちX軸方向正側にずれていることがわかる。また、実線34の傾きは点線33の傾きよりも小さくなっており、X軸方向磁束成分Bxの変化量が小さくなっていることもわかる。このように、市販の磁力測定器を用いるだけでX軸方向磁束成分Bxの分布状態は測定できるので、第1磁界調整部11aの形状を変えて、磁気中心位置や磁束変化量を最適な状態にすることができる。
また、本実施形態の変形例として、図7から図9に示すような場合も考えられる。図7に本発明の第1実施形態の変形例としてのレンズ鏡筒を横から見た側面概略図、図8に本発明の第1実施形態の変形例としてのレンズ鏡筒を撮像素子側から見た平面概略図、図9に本発明の第1実施形態の変形例としてのリニアモータを構成する主要部品の概略斜視図をそれぞれ示す。
以上に述べたように、第1磁界調整部11aの主たる働きは、マグネット1から飛び出す磁束を光軸方向に引き寄せることにある。そして、X軸に直角な面(すなわち光軸方向およびリニアモータ60の駆動方向に直角な面)の面積が広い方が、より磁束を引き寄せる効果が高くなる。すなわち、第1磁界調整部11aの形状は、光軸方向と垂直な方向(より具体的にはマグネット1の着磁方向のN極側、およびマグネット1の着磁方向と垂直な方向)へ突出すること、そして第1磁界調整部11aの板厚方向と光軸方向とが同一であることがポイントとなる。したがって、例えば図10(A)に示すようにマグネット1の着磁方向のN極側および着磁方向と垂直な方向へ突出している場合や、あるいは図10(B)に示すようにマグネット1の着磁方向のN極側へは突出していないがマグネット1の着磁方向と垂直な方向の一方へ突出している場合等であっても、同様の効果を得ることができる。また、第1磁界調整部11aがマグネットの着磁方向と垂直な方向の一方ではなく両方へ突出している場合は、一方の場合に比べて磁束を引き寄せる効果がより高くなる。さらに、図3、図5、図9および図10に示す第1磁界調整部11aを組み合わせることで、磁束の中心を引き寄せる効果をより高めることができる。
図11、図12および図13を用いて、本発明の第2実施形態としてのレンズ鏡筒50について説明する。図11に第2実施形態としてのレンズ鏡筒を横から見た側面概略図、図12にリニアモータを構成する主要部品の概略斜視図、図13にメインヨーク2の幅方向(Z軸方向)中央におけるXY平面内での磁場解析結果の可視化図を示す。以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と同一構成については同じ符号を用いるとともにその説明を省略する。
図11、図12に示すように、第2実施形態におけるレンズ鏡筒50は、サイドヨーク3が従来例と同じ形状である。そしてメインヨーク2は、下面に第2磁界調整部11bを有している。第2磁界調整部11bは、メインヨーク2からマグネット1の着磁方向のS極側、すなわちY軸方向負側に突出したX軸方向に延びる板状の部材である。第2磁界調整部11bの板厚方向は、Y軸方向を向いており光軸方向と垂直である。第2磁界調整部11bにより、メインヨーク2の下面へ流入する磁束の分布状態は図13に示すようにX軸方向負側へ偏る。このように、メインヨーク2の下面において磁気中心位置がY軸方向負側へ移動するため、その反作用によりメインヨーク2の上面から磁気センサ7に向かう磁束の磁気中心位置もY軸方向正側へ移動する。すなわち、第1磁界調整部11aに代えて第2磁界調整部11bを設けても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2磁界調整部11bはX軸方向へ延びる板状の部材であり、第2磁界調整部11bの板厚方向が光軸方向と垂直であるため、メインヨーク2からY軸方向へ突出する部分の寸法が小さく、周辺部材との干渉を防止することができる。
また、第2磁界調整部11bは、メインヨーク2にマグネット1を固定した後、マグネット1の磁力によりメインヨーク2に吸着させて固定する。その後、メインヨーク2を圧入用突起12を使って固定枠5に固定すれば、図11に示すように外部磁界調整部11を固定枠5が囲む構造になっているため、接着剤等により固定する必要がない。なお、接着剤などにより第2磁界調整部11bをメインヨーク2もしくは固定枠5に固定してもよい。
3.第3実施形態
図14、図15を用いて、本発明の第3実施形態としてのレンズ鏡筒50について説明する。図14に第3実施形態としてのレンズ鏡筒を横から見た側面概略図、図15にメインヨーク2の幅方向(Z軸方向)中央におけるXY平面内での磁場解析結果の可視化図を示す。以下の第3実施形態の説明では、第1及び第2実施形態と同一構成については同じ符号を用いるとともにその説明を省略する。
ここで、前述の特許文献3においてもヨークの一部を突出させることで磁気中心位置を移動させる点が記載されている。そこで本発明に係るレンズ鏡筒と特許文献3に記載のレンズ鏡筒とを比較する。
まず特許文献3の突起36aはヨーク36からZ軸方向へ突出しているのに対して、レンズ鏡筒50の第1磁界調整部11aおよび第2磁界調整部11bはY軸方向へ突出している。すなわち、両突起は突出している方向が全く異なっている。また、特許文献3の突起36aに比べて少なくとも第1磁界調整部11aは磁気中心位置を移動させる効果は大きいと考えられる。なぜなら、図4と図13とを比較してもわかるように、Y軸方向磁気センサ側に配置されている第1磁界調整部11aの方がその反対側に配置されている第2磁界調整部11bに比べて磁気中心位置を移動させる効果が大きいためである。これは、突出している方向と突起の配置が関係している。そしてさらに、本実施形態から明らかなように、第1磁界調整部11aおよび第2磁界調整部11bを両方設けることで、それぞれを単独で設けた場合に比べて磁気中心位置をより大きく移動させることができる。以上より、特許文献3に記載のレンズ鏡筒に比べて、本発明に係るレンズ鏡筒は突起が突出している方向およびその配置が全く異なるとともに、磁気中心位置をより大きく移動させるという有利な効果を有しているといえる。
2 メインヨーク
3 サイドヨーク
4 コイル
5 固定枠
6 磁気スケール
7 磁気センサ
8 可動枠
11a 第1磁界調整部
11b 第2磁界調整部
13 第4レンズ群
50 レンズ鏡筒
Claims (10)
- 撮像光学系の少なくとも一部を構成する少なくとも1つのレンズと、
固定部材と、
前記レンズが固定され、前記固定部材に対して光軸方向へ移動可能に設けられた移動部材と、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に着磁されたマグネットと、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に前記マグネットと対向するように配置されたヨークと、
前記移動部材に設けられ、前記マグネットおよびヨークの間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されたコイルと、
前記移動部材に設けられた磁気スケールと、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に前記磁気スケールと対向するように配置された磁気センサとを備え、
前記ヨークは、ヨーク本体と、前記ヨーク本体から前記マグネットの着磁方向のN極側へ突出する第1磁界調整部とを有している、
レンズ鏡筒。 - 前記第1磁界調整部は、前記ヨーク本体から光軸方向と垂直な方向であって前記マグネットの着磁方向と垂直な方向の少なくとも一方へさらに突出している、
請求項1に記載のレンズ鏡筒。 - 前記第1磁界調整部は、少なくとも1つの板状の部材であり、
前記第1磁界調整部の板厚方向は、光軸方向と同一である、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。 - 撮像光学系の少なくとも一部を構成する少なくとも1つのレンズと、
固定部材と、
前記レンズが固定され、前記固定部材に対して光軸方向へ移動可能に設けられた移動部材と、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に着磁されたマグネットと、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に前記マグネットと対向するように配置されたヨークと、
前記移動部材に設けられ、前記マグネットおよびヨークの間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されたコイルと、
前記移動部材に設けられた磁気スケールと、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に前記磁気スケールと対向するように配置された磁気センサとを備え、
前記ヨークは、ヨーク本体と、前記ヨーク本体から光軸方向と垂直な方向であって前記マグネットの着磁方向と垂直な方向の少なくとも一方へ突出する第1磁界調整部とを有し、
前記第1磁界調整部は、少なくとも1つの板状の部材であり、
前記第1磁界調整部の板厚方向は、光軸方向と同一である、
レンズ鏡筒。 - 前記磁気センサは、前記マグネットに対して前記第1磁界調整部の突出する方向に配置されている、
請求項1から4のいずれかに記載のレンズ鏡筒。 - 前記第1磁界調整部は、前記ヨーク本体の光軸方向の端部に配置されている、
請求項1から5のいずれかに記載のレンズ鏡筒。 - 前記ヨークは、前記ヨーク本体から前記マグネットの着磁方向のS極側へ突出する第2磁気調整部をさらに有している、
請求項1から6のいずれかに記載のレンズ鏡筒。 - 撮像光学系の少なくとも一部を構成する少なくとも1つのレンズと、
固定部材と、
前記レンズが固定され、前記固定部材に対して光軸方向へ移動可能に設けられた移動部材と、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に着磁されたマグネットと、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に前記マグネットと対向するように配置されたヨークと、
前記移動部材に設けられ、前記マグネットおよびヨークの間に発生する磁束と垂直な方向に電流が流れるように配置されたコイルと、
前記移動部材に設けられた磁気スケールと、
前記固定部材に設けられ、光軸方向と垂直な方向に前記磁気スケールと対向するように配置された磁気センサとを備え、
前記ヨークは、ヨーク本体と、前記ヨーク本体から前記マグネットの着磁方向のS極側へ突出する第2磁界調整部とを有している、
レンズ鏡筒。 - 前記第2磁界調整部は、前記ヨーク本体の光軸方向の端部に配置されている、
請求項8に記載のレンズ鏡筒。 - 前記第2磁界調整部は、少なくとも1つの板状の部材であり、
前記第2磁界調整部の板厚方向は、光軸方向と垂直である、
請求項7から9のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
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