JP2007101533A - 力学量センサ - Google Patents

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光男 鎗田
Takeshi Uchiyama
武 内山
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Abstract

【課題】 検出回路と検出素子を接続する配線の寄生容量を低減し、センサ精度をより向上させることができる力学量センサを提供すること。
【解決手段】 可動部基板に設けられた可撓性の梁は、フレームに固定されており、その中心部に錘体が固定されている。錘体に加速度などの力が作用すると、梁の作用により錘体の姿勢が変化する。信号処理回路は、この錘体の姿勢変化を、錘体と固定電極間の静電容量の変化量に基づいて検出する。信号処理回路は、信号処理基板に作り込まれており、その表面に固定電極が配設される。これにより、固定電極と信号処理回路の間隔を極めて小さくすることができるため、電極コンタクトを短く構成することができる。電極コンタクトの短縮化を図ることにより、寄生容量を低減させることができるため、信号処理回路におけるC/V変換レートが向上し、センサ精度が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体に作用する力学量を検出する加速度センサや角速度センサなどの力学量センサに関し、特に、作用する力学量を静電容量の変化から検出する静電容量検出型の力学量センサに関する。
ビデオカメラの手ぶれ補正装置や車載用のエアバッグ装置、ロボットの姿勢制御装置などの広い分野において、物体に作用する力学量を検出するための力学量センサが用いられている。
力学量センサの1つに、物体の回転運動、即ち角速度を検出するジャイロと呼ばれる角速度センサがある。
ジャイロは、物体の回転運動、即ち角速度を検出するセンサであり、取り付け部位や回転の中心位置に関わらず作用する角速度を検出することができる。
ジャイロは、その動作原理の違いによりいくつかの種類に分類され、振動体を用いたものは、振動式角速度センサと呼ばれている。
振動式角速度センサ(以下、角速度センサとする)は、可撓性を有する部材に支持された錘体を一定の周期で振動させ、発生するコリオリ力を検出することによって作用する角速度を検出する。
詳しくは、質量mの錘体をz軸方向に速度vで振動させた状態で、x軸またはy軸周りに角速度Ωが働くと、錘体の中心部には、“F=2mvΩ”のコリオリ力Fが発生する。
そして、発生するコリオリ力の作用によりねじれが生じるため、錘体は、振動方向と直交する面に対して傾く。
角速度センサは、この錘体の傾きの方向、傾き量を検出し、これらの検出された値に基づいて錘体に作用する角速度を算出する。
このような角速度センサにおいて、錘体の傾きの方向や傾き量、即ち錘体の姿勢変化を検出する方法の1つに、下記の特許文献に提案されているような電極間の静電容量の変化量を測定するものがある。このような角速度センサを静電容量検出型角速度センサという。
特開平11−101697号公報
特許文献1には、可撓部を介して筐体に支持された可動基板を備え、この可動基板が加速度などの影響を受けて生じた傾き、即ち姿勢の変化をx軸およびy軸の2軸同時に検出する加速度センサが提案されている。
詳しくは、錘として作用する作用体が固定された可動基板と、この可動基板と平行に配置された固定基板とに、それぞれの対向面に対になる電極をx軸方向、y軸方向それぞれに対して設ける。
固定基板と可動基板とに設けられた電極間距離の変化を静電容量の変化に基づいて検出する。電極間の距離の変化に基づいて、可動基板の姿勢の変化を検出する。そして、可動基板の姿勢変化から、作用体に働く加速度の向き、大きさを算出する。このようにして、作用体に働く加速度を検出する。
このように、静電容量検出型角速度センサには、錘体と対向する位置に隙間(ギャップ)を介して電極が設けられ、この電極と錘体によって形成される静電容量素子の静電容量の変化量を測定することによって錘体の傾きを検出するように構成されている。
また、上述したような角速度センサをはじめとする静電容量検出型の力学量センサでは、錘体(可動部)の姿勢変化を電気信号として検出するセンサ部と、検出された電気信号を処理する信号処理部と、がそれぞれ独立して離れた部位に形成されている。
そして、信号処理部は、センサ部から引き出された配線によって接続され、センサ部における検出信号がこの配線を介して信号処理部に入力されるように構成されている。
上述したセンサ部と信号処理部を接続する配線に寄生する容量(以下、寄生容量とする)は、配線長が長くなるほど大きくなる。
従って、特許文献1に記載されているような、信号処理部がセンサ部の外部、即ち互いに離れた位置に配置されてしまうと、配線長は長くなり寄生容量も増大してしまう。
図7は、配線の寄生容量(初期容量)とC/V変換回路におけるC/V変換レートとの関係を示したグラフである。
図7に示すように、C/V変換レート、即ち、信号処理回路における検出感度(精度)は、配線の寄生容量が大きくなるほど低下する。
つまり、特許文献1に記載のセンサのように、信号処理部とセンサ部とが離れて配設されると、配線長の増大、即ち寄生容量の増加により力学量センサの感度(精度)が低下するおそれがあった。
そこで本発明は、検出回路と固定電極を接続する配線の寄生容量を低減し、センサ精度(検出感度)をより向上させることができる力学量センサを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、中空部を有するフレームと、錘と、前記錘を前記フレームの中空部に固定する梁と、前記錘と対向して配置された第1の固定電極と、前記第1の固定電極の背面に設けられ、前記錘と前記第1の固定電極間の静電容量の変化を検出する検出回路と、前記検出回路において検出された静電容量の変化を力学量に変換する変換手段と、を備えることにより前記目的を達成する。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記第1の固定電極および前記検出回路が設けられ、前記フレームに接合される固定基板と、前記フレームの、前記固定基板と対向する端面に形成され、前記固定基板における前記第1の固定電極の配設された面に端面が当接する突出部と、前記突出部を除く前記フレームの端面と、前記固定基板とを接合する第1の接合手段と、を備える。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記第1の接合手段は、加熱前の状態で前記突出部よりも高く形成され、所定温度の加熱により変形する金属部材からなる。
なお、前記所定温度は、例えば、陽極接合処理時の加熱温度よりも低い温度であることが好ましい。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、前記錘の電位は、前記第1の接合手段を介して前記検出回路に引き出されている。
請求項5記載の発明では、請求項2、請求項3または請求項4記載の発明において、前記第1の接合手段は、Au−Sn材からなる。
請求項6記載の発明では、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の力学量センサにおいて、前記フレーム、前記錘、前記梁及び前記固定基板を格納する凹部と、リード電極と、を有するパッケージ部材と、前記第1の接合手段より低い融点を有し、前記固定基板と、前記パッケージ部材とを接合する第2の接合手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項6記載の力学量センサにおいて、前記パッケージ部材は、前記錘と対向して、前記凹部の底面に配置された、検出用または駆動用の第2の固定電極を備え、前記フレームの端面が、前記凹部の底面に当接していることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項6または請求項7記載の力学量センサにおいて、前記第2の接合手段は、Sn−Ag−Cu材であることを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項6、請求項7または請求項8記載の力学量センサにおいて、前記パッケージ部材は、セラミックス材からなることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、第1の固定電極の背面に検出回路を形成することにより、検出回路と第1の固定電極を短い配線によって接続することができる。これにより、配線の寄生容量を低減することができ、センサ精度(検出感度)を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、フレームに突出部を形成することにより、第1の固定電極と錘との間隔を突出部の高さで管理(設定)することができる。これにより、第1の固定電極と錘間のギャップ長の精度が向上し、力学量センサの固体間におけるセンサ精度(検出感度)のばらつきを抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、加熱変形する部材によって第1の接合手段を形成することにより、高電圧を印加する陽極接合を用いずに、加熱処理によって適切に固定基板と可動部基板を接合することができるため、静電引力による錘と第1の固定電極とのはりつきを抑制できる。
請求項4記載の発明によれば、第1の接合手段を介して錘の電位を検出回路に引き出すことにより、容易に錘の電位制御を行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、第1の接合手段をAu−Sn材で形成することにより、陽極接合処理より低い温度において接合処理を施すことができるため、第1の固定電極や固定基板に与える熱の影響を低減できる。
請求項6記載の発明によれば、パッケージ部材を設けることにより力学量センサの表面実装が可能になり、また、第1の接合手段より低い融点を有する第2の接合手段により、固定基板とパッケージ部材とを接合することにより、固定基板をパッケージ部材に固定する際に、第1の接合部材が再度融解してしまうことを防ぐことができる。
請求項7記載の発明によれば、フレームの端面を凹部の底面に当接させた状態で、固定基板をパッケージ部材に固定することにより、第2の固定電極と錘との間隔を、フレームの端面(底面)から錘の端面(底面)までの長さで管理(設定)することができる。
請求項8記載の発明によれば、第2の接合手段をSn−Ag−Cu材で形成することにより、220℃程度の比較的低い温度を加えることで、固定基板をパッケージ部材に固定することができる。
請求項9記載の発明によれば、パッケージ部材をセラミックス材で形成することにより、熱膨張率の低いパッケージ部材を形成することができるため、センサ精度の低下を抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜図11を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
物体に働く加速度や角速度などの力学量を、梁22で支持された錘体(質量体)23の姿勢変化に基づいて検出する。
梁22は、シリコン基板など容易に変形(撓み・反り・曲がり)が可能な部材により構成される。また、梁22は、フレーム21に固定されており、その中心部に錘体(質量体)23が固定されている。錘体23に加速度などの力が作用すると、錘体23の姿勢が変化する。
信号処理回路12(検出回路)は、この錘体23の姿勢変化を、錘体23と固定電極14とで形成される静電容量素子の静電容量の変化量に基づいて検出する。
本実施の形態では、信号処理基板1(固定基板)における可動部基板2側の面(錘体23との対向面)、即ち内側の面に信号処理回路12を作り込む。
そして、信号処理回路12の表面に、絶縁膜層13のみを介して固定電極14を配設する。
これにより、固定電極14と信号処理回路12の間隔を極めて小さくすることができるため、固定電極14と信号処理回路12を電気的に接続する電極コンタクト15(接続配線)を短く構成することができる。
電極コンタクト15の短縮化を図ることにより、寄生容量を低減させることができるため、信号処理回路12におけるC/V変換レートが向上し、結果としてセンサの精度(検出感度)が向上する。
また、本実施の形態では、互いの基板同士を高電圧を印加して直接溶着させて接合する陽極接合のような接合手法を用いずに、信号処理基板1と可動部基板2を接合する。
このように、高電圧を印加する陽極接合を用いずに、加熱処理によって信号処理基板1と可動部基板2を接合することにより、静電引力による錘体23と固定電極14とのはりつきを抑制することができる。
本実施の形態では、錘体23と固定電極14との間隔を確保(保持)するためのスペーサとして機能する突出部24を設け、この突出部24を信号処理基板1に当接させた状態で、接合部材4を介して信号処理基板1と可動部基板2を接合(固定)する。
なお、接合部材4は、比較的低温(300℃くらい)で溶解するAu−Sn(金−錫)等の金属部材からなり、突出部24の外側に配設される。
本実施の形態によれば、錘体23と固定電極14との間隔、即ち検出素子である静電容量の電極間のギャップ長は、信号処理基板1と可動部基板2同士の度あたりで精度よく管理(調整)することができる。
これにより、ギャップ長の製造精度が向上し、力学量センサの固体間におけるセンサ精度(検出感度)のばらつきを抑制することができる。
(2)実施形態の詳細
本実施の形態では、力学量センサの例として、角速度センサについて説明する。
図1は、本実施の形態に係る角速度センサの概略構成を示した断面図である。
また、本実施の形態に係る力学量センサは、半導体基板を加工して形成された半導体センサ素子である。なお、半導体基板の加工は、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いて行うことができる。
なお、角速度センサを構成する基板の積層方向と同一方向を上下方向、即ちz軸(方向)と定義する。そして、このz軸と直交し、かつ互いの軸と直交する軸をx軸(方向)およびy軸(方向)と定義する。つまり、x軸、y軸、z軸は、それぞれ互いに直交する3軸となる。
図1に示すように、角速度センサは、信号処理基板1、可動部基板2、下部硝子基板3を備えている。詳しくは、可動部基板2を信号処理基板1および下部硝子基板3によって上下方向から挟み込んだ3層構造となっている。
信号処理基板1は、主にシリコン部11、信号処理回路12、絶縁膜層13から構成されている。
シリコン部11は、例えばシリコン単結晶の表面を鏡面研磨したP型シリコンウェハにより形成されている。
そして、このシリコン部11における可動部基板2側の面に信号処理回路12が設けられている。
信号処理回路12は、角速度センサにおける信号処理回路が形成されたIC(集積回路)から構成されている。このICには、例えば、静電容量/電圧変換(C/V変換)回路が形成されている。
C/V変換回路としては、例えば、周波数の高いキャリア信号(参照信号)を静電容量素子に印加し、その出力信号の振幅の変化量を静電容量として検出する方法がある。
静電容量素子に印加されたキャリア信号の出力は、その振幅が静電容量に比例する。そのため、入力キャリア信号と出力キャリア信号の振幅を比較することによって、静電容量を検出することができるようになっている。
信号処理回路12の表面、即ち、信号処理回路12の可動部基板2側の面に絶縁膜層13が設けられている。この絶縁膜層13は、例えば、シリコン酸化膜などを堆積させた絶縁層により形成されている。
絶縁膜層13の表面、即ち、絶縁膜層13の可動部基板2側の面には、固定電極14および接合電極16が形成されている。
固定電極14は、後述する可動部基板2における錘体23と対向する部位に、例えば、アルミニウムを蒸着(積層)させることによって形成されている。
信号処理基板1には、x軸およびy軸上にそれぞれ1対の固定電極14が設けられている。対となる固定電極14は、錘体23の中心を軸として対置するように配設されている。
また、各固定電極14は、電極コンタクト15を介して信号処理回路12と接続されている。
接合電極16は、信号処理基板1における可動部基板2側の面の外周近傍(外縁の少し内側)に連続して形成された環状の電極であり、例えば、Cr−Au(クロム−金)を蒸着(積層)させることによって形成されている。
また、接合電極16は、電極コンタクト17を介して信号処理回路12と接続されている。
ここで信号処理基板1の詳細な構造について説明する。
図2は、図1に示すA部を拡大して示した図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る角速度センサでは、シリコン部11、即ち、P型のシリコンウェハからなるサブストレート上に信号処理回路12が作り込まれている。
ここでは、信号処理回路12に作り込まれる回路(IC)の一部としてNチャンネルMOSトランジスタの構造を例に説明する。
なお、実際の信号処理回路12には、例えば、NチャンネルMOSトランジスタとPチャンネルMOSトランジスタを組み合わせたCMOS型のトランジスタなどにより構成された回路が形成されている。
シリコン部11に信号処理回路12を作り込む場合、はじめに、シリコン部11にシシリコン酸化膜(SiO2)を形成する。
さらに、シリコン酸化膜(SiO2)に重ねて窒素膜(Si3N4)、レジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程(写真触刻)により回路パターンを材料膜に焼き込む。
窒素膜(Si3N4)をマスクにして、フィールド酸化膜121を形成し、さらにシリコン部11の表面にゲート酸化膜122を形成する。
続いて、ゲート電極123を多結晶シリコン膜により形成した後、イオン注入法を用いてヒ素イオンをシリコン部11の表面に注入し、N型ソース領域124およびN型ドレイン領域125を形成する。
ソース電極126およびドレイン電極127をアルミニウム膜等により形成し、最後にウェハ表面を保護するための絶縁膜層13をシリコン酸化膜等で形成する。
次に、このようにして信号処理回路12が形成された後の信号処理基板1の形成工程について説明する。
図3(a)〜(d)は、信号処理基板1の形成工程を示した図である。
図3(a)は、シリコン部11に作り込まれた信号処理回路12の表面に、絶縁膜層13が形成された後の状態を示す。
絶縁膜層13は、信号処理回路12の素子上にシリコン酸化膜等の絶縁物を気相成長させることによって形成される。そのため、図3(a)に示すように、形成部の表面に凹凸が生じる。
信号処理回路12の表面に、絶縁膜層13が形成された後、図3(b)に示すように、固定電極14と信号処理回路12を接続する電極コンタクト15、および接合電極16と信号処理回路12を接続する電極コンタクト17を形成する。
電極コンタクト15、17は、配設する部位の絶縁膜層13にコンタクトホールを形成し、これらのコンタクトホールに、例えばタングステン膜を埋め込み形成する。
電極コンタクト15、17を形成した後、図3(c)に示すように、絶縁膜層13の表面の凹凸を平坦化する研磨処理を行う。この信号処理基板1の研磨処理には、例えば、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて行う。
CMP法とは、シリカ粒子を含む液状のスラリ(研磨液)を流しながら、スピンドルに張り付けた基板の表面を、回転テーブルに表面の研磨パッドに接触させて研磨する研磨方法である。
そして、研磨処理を施した後、図3(d)に示すように、固定電極14および接合電極16を形成する。
なお、固定電極14には、図2に示すように、その表面に絶縁性の保護膜18を設けることが望ましい。
保護膜18を設けることにより、固定電極14と可動部基板2とが接触した場合であっても電極間がショート(短絡)することを防止できる。
図1の説明に戻り、可動部基板2には、シリコン基板にエッチング処理を施すことによって、フレーム21、梁22、錘体23、突出部24が形成されている。なお、錘体23は、導電性を有する可動電極として機能する。詳しくは、錘体23の上面(信号処理基板1との対向面)は、検出用可動電極として機能し、一方、底面(下部硝子基板3との対向面)は、駆動用可動電極として機能する。
可動部基板2を形成するためのシリコン基板のエッチング処理は、プラズマによる深いトレンチエッチングを施すD−RIE(ディープ−リアクティブ・イオン・エッチング)技術を利用して行う。
フレーム21は、錘体23を囲むように可動部基板2の周縁部に設けられた固定部であり、可動部基板2の枠組みを構成する。
梁22は、錘体23の中心から放射方向(フレーム21の方向)に十字方向に延びる4つの帯状の薄肉部材であり、可撓性を有している。
なお、フレーム21、梁22、錘体23および突出部24は、一体に形成されており、梁22の端部はフレーム21に固定されている。
錘体23は、4つの梁22によってフレーム21に固定された質量体である。錘体23は、梁22の作用により、外部から加えられる力により振動させたり、捩れる動きが可能となっている。
突出部24は、フレーム21の上面からフレーム21の内縁に沿って信号処理基板1方向に連続して突出する突縁(凸縁)である。即ち、突出部24は、フレーム21信号処理基板1と対向する面からフレーム21の内側の縁辺に沿ってz軸方向に連続して突出する縁部である。
突出部24の上端面、即ち信号処理基板1と対向する面は、角速度センサを組み立てた際に信号処理基板1と接触する構造となっている。
ここでは、フレーム21の上面(信号処理基板1と対向する面)を基準とした場合の突出部24の高さ、即ち突出部24の上端面までの高さをβとする。
また、梁22の上面(信号処理基板1と対向する面)を基準とした場合の突出部24の高さ、即ち突出部24の上端面までの高さをαとする。
このように突出部24を設けることにより、可動部基板2は、その固定部に肩部(段部)が形成された構造となる。
可動部基板2の外縁に形成される肩部(段部)と信号処理基板1との間に、後述する接合部材4が配設される空間である隙間26が形成される。
角速度センサの組み立ての際に、突出部24と信号処理基板1とを当接させる、即ち突き当てた状態で接することにより、梁22および錘体23の上面(信号処理基板1と対向する面)と信号処理基板1との間に可動隙間25が形成される。
可動隙間25は、錘体23を可動にするための空間である。信号処理基板1は、可動隙間25を封止するように接合されている。
梁22の下面(下部硝子基板3との対向面)および錘体23の底面、即ち下面(下部硝子基板3との対向面)と下部硝子基板3との間、さらに錘体23の周部には、錘体23を可動にするための空間である可動隙間27が形成されている。
なお、角速度センサの内部は真空状態となっている。真空状態とすることで、錘体23が動作する際の空気抵抗を低減することができる。これにより、角速度センサの検出精度を向上させることができる。
また、可動部基板2には、フレーム21の上面(信号処理基板1との対向面)における突出部24の外側の領域に接合部材4を固定するための接合電極28が設けられている。
接合電極28は、上述した接合電極16と対になる電極であり、接合電極16と対置して設けられている。
接合電極28は、フレーム21の上面(信号処理基板1との対向面)領域における内側および外側の側縁部分を除く部位に形成された環状の電極であり、例えば、Cr−Au(クロム−金)を蒸着(積層)させることによって形成されている。
上述した信号処理基板1および可動部基板2は、接合部材4によって互いに接合されている。
接合部材4は、可動部基板2の外縁に形成される肩部(段部)と信号処理基板1との間の隙間26に配設された環状(角リング状)の導電性の部材である。
本実施の形態では、接合部材4を連続した環状(リング状)に配設することにより、可動部基板2内部の空間(可動隙間25、27)が封止(シール)されるように構成されている。
接合部材4は、加熱することによって変形し、接合電極16および接合電極28との間で溶着する性質を有する。
本実施の形態では、接合部材4として、例えば、Au−Sn(金−錫)製の角リング状の基板を用いる。
Au−Sn(金−錫)は、融解点(融点)が300℃程度と陽極接合時の温度よりも低く、信号処理基板1と可動部基板2との接合時に固定電極14や信号処理基板1が受ける熱の影響を抑制することができる。
そのため、角速度センサの製造時における固定電極14の変形や、熱応力による接合部のストレスの発生などを低減することができる。
これにより、製造工程における歩留まりの低減、センサの耐久性の向上、センサ精度の向上を図ることができる。
下部硝子基板3は、可動部基板2における可動隙間27を封止するように可動部基板2に接合された硝子基板である。可動部基板2と下部硝子基板3とは、陽極接合によって接合されている。
陽極接合とは、硝子基板(下部硝子基板3)側に陰極電圧を与え、硝子−シリコン間の静電引力を利用して接合する接合方法である。
なお、可動部基板2と下部硝子基板3との接合方法は、陽極接合に限定されるものではない。例えば、接合面に金属を積層させて接合する共晶接合等を用いるようにしてもよい。
また、下部硝子基板3の可動部基板2と対向する面に、駆動電極31が設けられている。駆動電極31は、可動部基板2における錘体23の底面(下部硝子基板3と対向する面)と対置して配置されている。
駆動電極31は、例えば、アルミニウムを蒸着させることによって形成されている。
なお、図示されていないが、駆動電極31には、外部から信号を印加するための配線が設けられている。
図4は、本実施の形態に係る角速度センサの組み立てイメージを示した斜視図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る角速度センサは、上から信号処理基板1、接合部材4、可動部基板2、下部硝子基板3の順に積み重ねることによって形成される。
なお、図4に示す接合部材4は、信号処理基板1と可動部基板2の接合前の状態、即ち、接合電極16と接合電極28間に溶着する前の状態を示す。
溶着前の状態における接合部材4は、高さ(厚み)γの角リング状の部材、即ち、高さγの中空角柱状の部材である。なお、この接合部材4の高さγは、可動部基板2における突出部24の高さβよりも高く(大きく)設定されている。即ち、γ>βの関係にある。
また、溶着前の状態における接合部材4は、可動部基板2における突出部24にクリアランスを持って外嵌することができるように形成されている。
次に、信号処理基板1と可動部基板2との接合方法について説明する。
図5は、信号処理基板1と可動部基板2の接合前後の状態を示した図である。
本実施の形態では、上述したように信号処理基板1と可動部基板2との接合を接合部材4を介して行う。
詳しくは、可動部基板2におけるフレーム21の上面(信号処理基板1との対向面)に接合部材4を配置する。即ち、可動部基板2における突出部24の外側の領域に嵌め込む。
本実施の形態では、図5に示すように、接合電極28上に接合部材4が配置される。
可動部基板2に接合部材4を配置した後、接合部材4上に信号処理基板1に設けられた接合電極16が配置されるように、信号処理基板1を接合部材4の上面に積み重ねる。
この状態において、溶着前の接合部材4の高さγは、可動部基板2の突出部24の高さβよりも高く設定されているため、信号処理基板1と突出部24間には空隙(隙間)が形成される。
なお、接合前の状態におけるフレーム21の底面から信号処理基板1の下面(可動部基板2との対向面)までの高さをh1とする。
次に、接合部材4に熱を加えて溶融しながら、信号処理基板1を可動部基板2に押さえつける。即ち、接合部材4を溶かしながら信号処理基板1を可動部基板2に押圧する。
信号処理基板1は、その下面(可動部基板2との対向面)、即ち絶縁膜層13の面が突出部24に当接するまで押圧する。
接合電極16と接合電極28間は、溶融した接合部材4の界面張力を利用して接合され、これにより、信号処理基板1と可動部基板2が接合固定される。
なお、接合後の状態におけるフレーム21の底面から信号処理基板1の下面(可動部基板2との対向面)までの高さをh2とする。
本実施の形態では、図5に示すように接合部材4を溶融して接合処理を行う際に、信号処理基板1の位置が、高さh1から高さh2まで移動することとなる。なお、信号処理基板1の移動量(h1−h2)は、溶着前(接合前)の状態において、信号処理基板1と突出部24間に形成される空隙(隙間)の間隔を示す。
本実施の形態では、可動部基板2の突出部24を信号処理基板1に当接し、フレーム21における突出部24の外側の領域と信号処理基板1とを接合部材4を介して固定するように構成されている。
つまり、可動部基板2の突出部24は、信号処理基板1と直接接触するように構成され、突出部24と信号処理基板1との間には何も介在しない。
従って、信号処理基板1における固定電極14と、可動部基板2における錘体23との間隔(ギャップ長)を、突出部24と信号処理基板1との度あたり、即ち突出部24の高さα(梁22を基準とした場合)で管理(設定)することができる。
可動部基板2は、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いて精密に形成されているため、固定電極14と錘体23との間隔(ギャップ長)を精度よく形成することができる。これにより、感度のばらつきを抑制した精度の高い角速度センサを構成することができる。
また、本実施の形態では、溶融した接合部材4が、突出部24と信号処理基板1間へはみ出したり(流れ込んだり)、信号処理基板1や可動部基板2の外側(隙間26の外部)へはみ出したり(流れ出たり)することを防止するために、溶融した接合部材4の逃げ空間29(逃げ領域)を予め設けている。
この溶融した接合部材4の逃げ空間29(逃げ領域)は、図5に示す接合部材4の内側と外側に設けられている。
つまり、可動部基板2の外縁に形成される肩部(段部)と信号処理基板1との間の隙間26の体積(容量)は、接合部材4の体積(容量)に対して十分に大きく確保されている。
また、本実施の形態では、接合電極28、接合部材4、接合電極16、電極コンタクト17を介して、可動部基板2の電位が信号処理回路12へ引き出される(入力される)ように構成されている。
なお、本実施の形態では、可動部基板2の電位を接地(GND)レベルに設定されている。
次に、このような構成を有する角速度センサにおける角速度の検出動作について説明する。
角速度センサは、下部硝子基板3の駆動電極31と錘体23との間に交流電圧を印加し、両者間に作用する静電力により錘体23を上下(z軸方向)に振動させる。
錘体23を振動させるために印加する交流電圧の周波数、即ち錘体23の振動周波数は、錘体23が共振振動する3kHz程度の共振周波数fに設定されている。
このように、錘体23を共振周波数fで振動させることにより、錘体23の大きな変位量を得ることができる。
速度vで振動している質量mの錘体23の周りに角速度Ωが加わると、錘体23の中心には、“F=2mvΩ”のコリオリ力Fが、錘体23の運動方向に対して直交する方向に発生する。
このコリオリ力Fが発生すると、錘体23にねじれが加わり錘体23の姿勢が変化する。即ち、錘体23の振動の運動方向と直交する面に対して、錘体23が傾く。この錘体23の姿勢の変化(傾き、ねじれ量)を検出することによって、作用する角速度の向きや大きさを検出するようになっている。
錘体23の姿勢の変化は、信号処理基板1に設けられた固定電極14と検出用可動電極として機能する錘体23の上面(信号処理基板との対向面)とにより構成される静電容量素子の静電容量の変化を検出することによって行う。
本実施の形態では、検出素子としてx軸およびy軸にそれぞれ1対ずつ設けられた4つの静電容量素子Cx1、Cx2、Cy1、Cy2の静電容量の変化を検出することによって行う。
つまり、固定電極14と錘体23の可動電極(検出用可動電極)との距離の変化を検出することによって錘体23の姿勢の変化を検出する。
なお、電極間の静電容量は、静電容量/電圧変換(C/V変換)回路を用いて電気的に検出することができる。このC/V変換回路は、信号処理基板1に設けられた信号処理回路12に形成されている。
検出された錘体23の姿勢の変化(傾斜方向、傾斜度合い等)に基づいて発生したコリオリ力Fを検出する。
そして、検出されたコリオリ力Fに基づいて、角速度Ωを算出(導出)する。つまり、錘体23の姿勢の変化量を角速度に変換する。
図6に、外部取り出し電極の配設例を示す。
信号処理回路12において処理された信号は、信号処理基板1’に設けられた外部取り出し電極19から、角速度センサの外部へ引き出されるように構成されている。
外部取り出し電極19は、例えば、図6に示すように、可動部基板2よりも大きく形成された信号処理基板1’の表面に設けられている。詳しくは、信号処理基板1’の可動部基板2側の面における可動部基板2から張り出した領域に設けられている。
外部取り出し電極19と信号処理回路12は、引出コンタクト20により電気的に接合されている。
そして、信号処理回路12において処理された信号は、引出コンタクト20、外部取り出し電極19を介して角速度センサの外部へ引き出される。
本実施形態によれば、信号処理回路12に絶縁膜層13のみを介して固定電極14を配設することにより、固定電極14と信号処理回路12を接続する電極コンタクト15を短く形成することができる。即ち、錘体23の変位検出素子である静電容量素子Cx1、Cx2、Cy1、Cy2の近くに信号処理回路12を配設することにより、静電容量素子と信号処理回路とを接続する配線を短く形成することができる。
このように、電極コンタクト15を短く形成することにより、この電極コンタクト15、即ち静電容量素子Cx1、Cx2、Cy1、Cy2と信号処理回路12とを接続する配線の寄生容量を低減(抑制)させることができる。
信号処理回路12に形成されるC/V変換回路のC/V変換レート、即ち、信号処理回路12における検出感度(精度)は、配線の寄生容量が大きくなるほど低下する。
そのため、電極コンタクト15の配線の寄生容量を低減させることにより、C/V変換レートが向上し、信号処理回路12における検出感度(精度)を向上させることができる。
電極コンタクト15を短く形成することにより、静電容量素子、即ち固定電極14と信号処理回路12とを接続する配線を介して受ける外乱ノイズの影響を低減することができるため、センサの感度・精度をより向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、従来は硝子基板により構成されていた、錘体23の姿勢変化(変位)を検出するための検出素子である静電容量素子の一部(固定電極14)が設けられる基板、即ち信号処理基板1に信号処理回路12を作り込むことにより角速度センサの小型化を図ることができる。
従来は本実施の形態における信号処理回路12に相当する部分を、別の基板に形成して設けていたため、この基板を配設する領域(スペース)が必要であった。しかし、本実施の形態では、信号処理回路12を固定電極14を配設する基板に直接作り込むように構成されているため、従来の別の基板を配設する領域(スペース)を削減することができる。
本実施の形態によれば、可動部基板2を上方向(z軸)から封止する基板、即ち信号処理基板1をシリコン基板を加工して形成することにより、従来の硝子基板を加工して形成した場合と比較して低背化を図ることができる。これは、シリコン基板は硝子基板よりも加工精度が高く微細加工が可能であるためである。
本実施の形態によれば、可動部基板2における錘体23との間隔(ギャップ長)を、突出部24と信号処理基板1との度あたり、即ち突出部24の高さα(梁22を基準とした場合)で管理(設定)することにより高精度に形成することができるため、感度のばらつきを抑制した精度の高い角速度センサを構成することができる。
従来は、内部の真空封止を考慮して配線の引き回しを行っていたため、引出線が長くなってしまったり、ビアホールの封止構造を設けたりなど、構造が複雑になってしまっていた。
しかしながら、本実施の形態によれば、接合部材4を導電性の部材(導体)で形成することにより、信号処理回路12への電位の引出が可能になるため、可動部基板2の電位制御が容易にできる。
可動部基板2の電位制御としては、検出用また駆動用の電極として機能する錘体23の電位の取り出しやフレーム21による外側シールドの設定などがある。
本実施の形態によれば、固定電極14を形成する前に信号処理基板1の表面、即ち、固定電極14の形成面に平坦化処理(研磨処理)を施すことにより、固定電極14の精度を適切に精度よく設けることができるため、錘体23の変位検出素子として機能する静電容量素子Cx1、Cx2、Cy1、Cy2の精度を向上させることができる。
本実施の形態によれば、融解点が低温(300℃程度)であるAu−Sn(金−錫)などで接合部材4を形成することにより、信号処理基板1と可動部基板2との接合処理を、陽極接合などの高温接合と比べ低い温度で行うことができる。
これにより、角速度センサの製造時における熱の影響を受けやすい、例えばアルミニウムにより形成される固定電極14の変形や、熱応力による接合部のストレスの発生などを低減することができる。
本実施の形態では、可動部基板2を下方から封止する基板(下部硝子基板3)を硝子により形成しているが、信号処理基板1と同様にシリコン基板により形成するようにしてもよい。これにより、角速度センサのさらなる低背化を図ることができる。
また、本実施の形態では、低温度接合を実現させるために、Au−Sn(金−錫)製の角リング状の基板を接合部材4として用いている。しかし、低温度接合方法は、これに限定されるものではなく、例えばAuメッキ(金メッキ)処理が施された部材を介した接合処理を行うようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、力学量センサの例として角速度センサについて説明したが、力学量センサは、これに限定されるものではない。例えば、錘体23を振動させずに、錘体23の姿勢変化(変位)を検出するように構成することによって、錘体23に作用する加速度を検出する加速度センサを構成するようにしてもよい。
また、本実施の形態に係る角速度センサでは、可動部基板2における可動隙間25、27を封止(シール)する目的で、連続した環状の接合部材4を用いて信号処理基板1と可動部基板2を接合しているが、封止(シール)の必要がない場合には、フレーム21上の数カ所を接合するようにしてもよい。
次に、上述した信号処理基板1を用いた角速度センサのパッケージング方法について説明する。詳しくは、角速度センサの小型化(薄型化、低背化)を考慮したパッケージング方法について説明する。
図8は、本実施の形態に係るセンサ素子をリードフレーム40に組み付けた状態を示した図である。即ち、パッケージングされた角速度センサの構成を示した図である。
また、図9は、本実施の形態に係る角速度センサのリードフレーム40への組み付けイメージを示した斜視図である。
なお、ここでは、上述した実施形態に示す角速度センサと同様の構成を有する部位には同じ符号を付して説明を省略する。
本実施の形態では、可動部基板2が接合された信号処理基板1”からなるセンサ素子を、セラミックス材により形成されたパッケージ(リードフレーム40)に、マウントされる。
信号処理基板1”は、リードフレーム40への組み付け用に、上述した信号処理基板1を変形した基板である。
信号処理基板1”の図8に示すように、絶縁膜層13の表面、即ち、絶縁膜層13の可動部基板2側の面には、接合電極16の外側の領域に、リードフレーム40との接合電極51、及び、封止用電極52が設けられている。
接合電極51は、引出コンタクト50を介して信号処理回路12と電気的に接合されており、外部へ信号を引き出す電極、又は外部から信号を引き込む電極として機能する。
接合電極51は、信号処理基板1”上に複数(本実施の形態では6箇所)設けられている。
封止用電極52は、信号処理基板1”における可動部基板2側の面の外周近傍(外縁の少し内側)に連続して形成された環状の電極、詳しくは、方形の枠状の電極である。
接合電極51及び封止用電極52は、例えば、Cr−Au(クロム−金)を蒸着させることにより形成されている。
リードフレーム40は、熱膨張率の低いセラミックスの積層基板からなる、方形(箱型)のパッケージ材であり、可動部基板2におけるフレーム21や錘体23等を格納するキャビティ41、即ち空洞部を有している。
キャビティ41は、断面コの字型の方形の凹部からなり、その底部には、錘体23の底面と対置する位置に駆動電極31が配置されている。
キャビティ41の深さ方向の長さは、可動部基板2の厚み長より短く、詳しくは、フレーム21の底端面から突出部24の先端までの長さより短く形成されている。
このように、上述した角速度センサにおける下部硝子基板3の代わりに、図に示すように、リードフレーム40に駆動電極31を直接設けることにより、センサの低背化を実現することができる。
リードフレーム40には、キャビティ41の外側の段部(肩部)、即ちキャビティ41の外側の領域に、接合電極42、及び、封止用電極43が設けられている。
接合電極42は、信号処理基板1”に設けられた接合電極51と対になる電極であり、接合電極51と対置して設けられている。
封止用電極43は、連続して形成された環状の電極、詳しくは、方形の枠状の電極である。
封止用電極43は、信号処理基板1”に設けられた封止用電極52と対になる電極であり、封止用電極52と対置して設けられている。
また、リードフレーム40には、その外縁部にz軸方向に延びる凸部(突出部)45が設けられており、この凸部45の端面には、リード電極44が配設されている。
リード電極44は、角速度センサの入出力端子として機能する電極である。
凸部45は、リードフレーム40の開口側端面における、対向する一対の辺部、即ち2箇所に設けられ、それぞれの凸部45に複数のリード電極44が設けられている。
接合電極42及び封止用電極43は、凸部45の内側に設けられている。即ち、両凸部45の間に、信号処理基板1”が配設される。
なお、凸部45の高さ、即ち突出の長さは、信号処理基板1”の厚みよりも大きく形成されており、センサ素子をリードフレーム40に組み付けた状態において、信号処理基板1”がリードフレーム40からはみ出ないように、即ち、信号処理基板1”がリードフレーム40の中空部に十分に収容されるように構成されている。
本実施の形態では、センサ素子、即ち、可動部基板2が接合された信号処理基板1”をリードフレーム40にマウントする際に、接合電極51と接合電極42とを、導電性の接合部材5を介して接合(固定)する。
接合部材5は、ワイヤレスボンディング法のフリップチップ方式を用いて接合電極42、51間を接着接続する場合における、ボンディングパッド(電極)上に形成される金属バンプ(こぶ)に相当するものである。
また、本実施の形態では、封止用電極52と封止用電極43とを、環状(角リング状)の接合部材6を介して接合(固定)することによって、リードフレーム40のキャビティ41が信号処理基板1”によって気密封止(シール)されるように構成されている。
なお、接合部材6は、環状の部材に限定されるものではなく、例えば、封止用電極43上にライン状に搭載された溶融金属により形成されていてもよい。
接合部材5及び接合部材6は、加熱することによって変形し、各電極との間で溶着する性質を有する。
接合部材5及び接合部材6は、可動部基板2と信号処理基板1”を接合する接合部材4よりも低い温度(例えば220℃くらい)で溶解するSn−Ag−Cu(錫−銀−銅)の金属部材からなり、キャビティ41の外側に配設される。
このように、接合部材4よりも低い融点を有する金属部材を用いることにより、センサ素子をリードフレーム40に組み付ける際に、接合部材4が再度融解してしまうことを防ぐことができる。
これにより、信号処理基板1”と可動部基板2同士の度あたりで精度良く設定された、固定電極14と錘体23との間隔(ギャップ長)がずれることを抑制することができる。
接合部材5及び接合部材6は、FC(フリップチップ)−BGA(ボールグリッドアレイ)などにおけるインナーバンプの形成技術を用いて、リードフレーム40へ溶融金属を吐出供給するようにしてもよい。
なお、溶融金属を吐出供給する場合、接合電極42上には、バンプ状に吐出した溶融金属を搭載し、封止用電極43には、ライン状に吐出した溶融金属を搭載する。
本実施の形態では、予め上述した方法(図5)を用いて、信号処理基板1”と可動部基板2を接合する。
その後、可動部基板2のフレーム21の底面をリードフレーム40のキャビティ41の底面に当接し、リードフレーム40におけるキャビティ41の外側の領域と信号処理基板1”とを接合部材5、6を介して固定するように構成されている。
つまり、可動部基板2のフレーム21は、リードフレーム40と直接接触するように構成され、フレーム21とリードフレーム40との間には何も介在しない。
従って、リードフレーム40における駆動電極31と、可動部基板2における錘体23との間隔(ギャップ長)を、フレーム21とリードフレーム40との度あたり、即ち、梁22を基準とした場合における、フレーム21の厚み(z軸方向の長さ)と錘体23の厚み(z軸方向の長さ)の差で管理(設定)することができる。
可動部基板2は、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いて精密に形成されているため、駆動電極31と錘体23との間隔(ギャップ長)を精度よく形成することができる。
なお、図示されていないが、接合電極42とリード電極44は、積層基板からなるリードフレーム40の内部に設けられたメタル配線やビアホールなどを介して電気的に接続されている。
駆動電極31と信号処理基板1”の信号処理回路12(検出回路)もまた、リードフレーム40の内部配線及び接合部材5(または接合部材6)を介して電気的に接続されている。
次に、図8に示すようなリードフレーム40にセンサ素子をマウントした角速度センサの製造方法について説明する。
ここでは、角速度センサをウェハレベルの製造方法、即ち、一度に複数個のセンサの組み立てが可能な製造方法について説明する。
図10は、複数の信号処理基板1”が構成された信号処理ウェハの外形を示した図である。
ここでは、図10に示すような、4枚の信号処理基板1”が形成されたウェハを用いた製造方法について説明する。
図10に示すように、4枚の信号処理基板1”が形成されたウェハには、リードフレーム40を組み上げた際に、リードフレーム40の凸部45を配設するためのスリット46が設けられている。
ウェハ上では、直列に2つ並べて形成された信号処理基板1”が、スリット46を介して2列形成され、各列の信号処理基板1”は、ウェハの端部に設けられた接合領域47を介して固定されている。
図11は、本実施の形態に係る角速度センサの製造(組み立て)手順を示した図である。なお、図11は、図10に示すα−α’の部位における断面を示した図である。
はじめに、固定電極14などの各電極が設けられた信号処理基板1”と、可動部基板2を、接合部材4を300℃程度の温度で加熱溶着し接合する。
この際、信号処理基板1”における固定電極14と、可動部基板2における錘体23との間隔(ギャップ長)が、突出部24と信号処理基板1との度あたりで設定される。
予め、可動部基板2には、隣接する可動部基板2同士を固定し一続きの部材を形成するための中継部48がフレーム21の外側部に設けられている。
信号処理基板1”と可動部基板2が接合された後、図11(a)に示すように、ダイシングブレード49によって、可動部基板2の中継部48を全て切除する。
ダイシングブレード49は、ダイシングソーと呼ばれるダイヤモンド微粒を貼り付けた極薄の円形刃からなり、ウェハを精密にカットすることができる。
図11(b)は、可動部基板2の中継部48を切除した後の状態を示す。
次に、駆動電極31などの各電極、及び、接合部材5、6が配設されたリードフレーム40を並べる。
続いて、各リードフレーム40における一方の凸部45を、スリット46(図10)に嵌入させた状態で、即ちスリット46からリード電極44が見える状態で、接合部材5、6を220℃程度の温度で加熱溶着し、リードフレーム40と信号処理基板1”を接合する。
この際、リードフレーム40における駆動電極31と、可動部基板2における錘体23との間隔(ギャップ長)が、フレーム21とリードフレーム40(キャビティ41)との度あたりで設定される。
リードフレーム40と信号処理基板1”が接合された後、図10に示すように、ダイシングブレード49によって、信号処理基板1”ウェハの端部に設けられた接合領域47を全て切除する。同時に、ダイシングブレード49によって、隣接する信号処理基板1”同士の接合部を切り離す。
図11(d)は、接合領域47を切除した後の状態を示す。
上述したように、本実施の形態では、信号処理基板1”と可動部基板2が接合された後、可動部基板2の中継部48をカットするため、中継部48の厚みは、錘体23やフレーム21より薄く形成されていることが好ましい。
また、本実施の形態では、可動部基板2の中継部48をカットした後、リードフレーム40と信号処理基板1”を接合するため、環状(角リング状)の接合部材6を配設することが困難である。従って、リードフレーム40、または信号処理基板1”の電極部に溶融金属を吐出供給することが好ましい。
本実施の形態に係る角速度センサの概略構成を示した断面図である。 図1に示すA部を拡大して示した図である。 信号処理基板の形成工程を示した図である。 本実施の形態に係る角速度センサの組み立てイメージを示した斜視図である。 信号処理基板と可動部基板の接合前後の状態を示した図である。 外部取り出し電極の配設例を示した図である。 配線の寄生容量(初期容量)とC/V変換回路におけるC/V変換レートとの関係を示したグラフである。 本実施の形態に係るセンサ素子をリードフレームに組み付けた状態を示した図である。 本実施の形態に係る角速度センサのリードフレームへの組み付けイメージを示した斜視図である。 複数の信号処理基板が構成された信号処理ウェハの外形を示した図である。 本実施の形態に係る角速度センサの組み立て手順を示した図である。
符号の説明
1 信号処理基板
2 可動部基板
3 下部硝子基板
4〜6 接合部材
11 シリコン部
12 信号処理回路
13 絶縁膜層
14 固定電極
15 電極コンタクト
16 接合電極
17 電極コンタクト
18 保護膜
19 外部取り出し電極
20 引出コンタクト
21 フレーム
22 梁
23 錘体
24 突出部
25 可動隙間
26 隙間
27 可動隙間
28 接合電極
29 逃げ空間
31 駆動電極
40 リードフレーム
41 キャビティ
42 接合電極
43 封止用電極
44 リード電極
45 凸部
46 スリット
47 接合領域
48 中継部
49 ダイシングブレード
121 フィールド酸化膜
122 ゲート酸化膜
123 ゲート電極
124 N型ソース領域
125 N型ドレイン領域
126 ソース電極
127 ドレイン電極

Claims (9)

  1. 中空部を有するフレームと、
    錘と、
    前記錘を前記フレームの中空部に固定する梁と、
    前記錘と対向して配置された第1の固定電極と、
    前記第1の固定電極の背面に設けられ、前記錘と前記第1の固定電極間の静電容量の変化を検出する検出回路と、
    前記検出回路において検出された静電容量の変化を力学量に変換する変換手段と、
    を備えたことを特徴とする力学量センサ。
  2. 前記第1の固定電極および前記検出回路が設けられ、前記フレームに接合される固定基板と、
    前記フレームの、前記固定基板と対向する端面に形成され、前記固定基板における前記第1の固定電極の配設された面に端面が当接する突出部と、
    前記突出部を除く前記フレームの端面と、前記固定基板とを接合する第1の接合手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の力学量センサ。
  3. 前記第1の接合手段は、加熱前の状態で前記突出部よりも高く形成され、所定温度の加熱により変形する金属部材からなることを特徴とする請求項2記載の力学量センサ。
  4. 前記錘の電位は、前記第1の接合手段を介して前記検出回路に引き出されていることを特徴とする請求項3記載の力学量センサ。
  5. 前記第1の接合手段は、Au−Sn材であることを特徴とする請求項2、請求項3または請求項4記載の力学量センサ。
  6. 前記フレーム、前記錘、前記梁及び前記固定基板を格納する凹部と、リード電極と、を有するパッケージ部材と、
    前記第1の接合手段より低い融点を有し、前記固定基板と、前記パッケージ部材とを接合する第2の接合手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の力学量センサ。
  7. 前記パッケージ部材は、
    前記錘と対向して、前記凹部の底面に配置された、検出用または駆動用の第2の固定電極を備え、
    前記フレームの端面が、前記凹部の底面に当接していることを特徴とする請求項6記載の力学量センサ。
  8. 前記第2の接合手段は、Sn−Ag−Cu材であることを特徴とする請求項6または請求項7記載の力学量センサ。
  9. 前記パッケージ部材は、セラミックス材からなることを特徴とする請求項6、請求項7または請求項8記載の力学量センサ。
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