JP2007100916A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】減速機に使用される密封装置において、エンジン用オイルシールに組み付けることなく別個で簡易にハウジングに装着することができ、しかも軸の周面に対して締め代を有して摺動自在に密接させたときのトルクが低減された異物除去シールを備えた密封装置を提供する。
【解決手段】互いに相対可動自在に組み付けられた軸2とハウジング3とで形成する環状隙間をシールするもので、エンジン用オイルシール4と異物除去シール6とを備える減速機に使用される密封装置1において、支持環61により支持されている樹脂製シール部7を備える異物除去シール6をハウジング3とエンジン用オイルシール4とで挟持し、樹脂製シール部7のシールリップ74を軸2の周面に締め代を有して摺動自在に密接させることとした。
【選択図】図1
【解決手段】互いに相対可動自在に組み付けられた軸2とハウジング3とで形成する環状隙間をシールするもので、エンジン用オイルシール4と異物除去シール6とを備える減速機に使用される密封装置1において、支持環61により支持されている樹脂製シール部7を備える異物除去シール6をハウジング3とエンジン用オイルシール4とで挟持し、樹脂製シール部7のシールリップ74を軸2の周面に締め代を有して摺動自在に密接させることとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、互いに相対可動自在に組み付けられた軸とハウジングとで形成する環状隙間をシールする密封装置に関し、更に詳しくは減速機に使用され、潤滑油に含まれている異物を除去するシールを有する密封装置に関するものである。
従来、図3に示すように、減速機に使用される密封装置101においては、軸102の周面を摺動自在に密接するエンジン用オイルシール103のシールリップ104の摩耗防止を目的に、減速機側Aからグリース等の潤滑油をシールリップ104と軸102の周面との間に供給しているが、減速機に用いられている潤滑油にはシールリップ104の摩耗を促進する金属粉等の異物が混入しているので、その異物を除去する異物除去シール105をエンジン用オイルシール103の減速機側Aに組み付けている。
しかし、異物除去シール105のシールリップ106をエンジン用オイルシール103のシールリップ104に近接させ、しかも両シールリップ(104,106)を軸102に摺動自在に密接させるよう異物除去シール105をエンジン用オイルシール103に組み付けるため、両シール(103,105)の組立て精度を上げる必要が生じ、そのため密封装置101の製造コストが高くなるとの不具合点があった。
そのため、下記特許文献1においては、異物除去シールの代替としてエンジン用オイルシールの減速機側に軸が挿通する穴を中心部に有するポリエステル等の不織布からなるフィルタを設け、該フィルタをハウジングとエンジン用オイルシールとで挟持し、異物を除去することが提案されている。この場合、フィルタを通過させることで潤滑油に含まれる異物は除去されるが、中心部に設けられた穴を通過する軸の外周面に対してフィルタが締め代を有するとトルクが上がるので、フィルタの穴の内周面と軸の外周面との間に隙間が形成され、その隙間よりエンジン側に流入する潤滑油は異物が除去されていないので、オイルシールのシールリップの摩耗防止対策としては十分ではなかった。
なお、下記特許文献2においては、エンジン用オイルシールに組み付けられている樹脂リング支持部に挟持されている樹脂リングを軸径方向に移動可能として軸外周面をシールすることが開示されているが、本発明とは目的、構成等を異にしている。
本発明は上記の従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、減速機に使用される密封装置において、エンジン用オイルシールに組み付けることなく別個で簡易にハウジングに装着することができ、しかも軸の周面に対して締め代を有して摺動自在に密接させたときのトルクが低減された異物除去シールを備えた密封装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る密封装置は、互いに相対可動自在に組み付けられた軸とハウジングとで形成する環状隙間をシールするもので、エンジン用オイルシールと異物除去シールとを備える減速機に使用される密封装置において、支持環により支持されている樹脂製シール部を備える前記異物除去シールが前記ハウジングと前記エンジン用オイルシールとにより挟持され、前記シール部のシールリップが前記軸の周面に締め代を有して摺動自在に密接することを特徴とするものである。
また、請求項2に係る密封装置は、互いに相対可動自在に組み付けられた軸とハウジングとで形成する環状隙間をシールするもので、エンジン用オイルシールと異物除去シールとを備える減速機に使用される密封装置において、樹脂製シール部を備える前記異物除去シールが前記ハウジングと前記エンジン用オイルシールの内径側に嵌着している板状弾性体とにより挟持され、前記シール部のシールリップが前記軸の周面に締め代を有して摺動自在に密接することを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1に係る密封装置は、支持環により支持されている樹脂製シール部を備える異物除去シールをハウジングとエンジン用オイルシールとで挟持することで簡易にハウジングに装着することができ、オイルシールに事前に組み付ける必要がないので高度な組み付け精度が不要となり、製造コストを低減することができる。更に、異物除去シールのシール部が樹脂で成形されているので、シール部のシールリップが軸の周面に摺動自在に密接したときのトルクを低減させることができると共に、シールリップが軸の周面に締め代を有して摺動自在に密接しているのでシールリップと軸の周面との間からエンジン側に流入する潤滑油に含まれている異物を除去することができる。
また、上記構成を備えた本発明の請求項2に係る密封装置は、樹脂製シールを備える異物除去シールをハウジングとエンジン用オイルシールの内周に嵌着している板状弾性体により挟持することで簡易にハウジングに装着することができ、オイルシールに事前に組み付ける必要がないので高度な組み付け精度が不要となり、製造コストを低減することができる。更に、異物除去シールのシール部が樹脂で成形されているので、シール部のシールリップが軸の周面に摺動自在に密接したときのトルクを低減することができると共に、シールリップが軸の周面に締め代を有して摺動自在に密接しているのでシールリップと軸の周面との間からエンジン側に流入する潤滑油に含まれている異物を除去することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示して説明する。
第一実施形態
図1は、減速機に用いられる本発明の第一実施形態に係る密封装置の要部断面を示しており、この密封装置1は、軸2とハウジング3とで形成する環状空間に装着されるもので、エンジン用オイルシール4と、異物除去シール6とを備えている。
図1は、減速機に用いられる本発明の第一実施形態に係る密封装置の要部断面を示しており、この密封装置1は、軸2とハウジング3とで形成する環状空間に装着されるもので、エンジン用オイルシール4と、異物除去シール6とを備えている。
エンジン用オイルシール4は、金属製の芯金41と、ゴム状弾性体製のシール部5とを備えている。芯金41は、円筒部42と円筒部42のエンジン側B端部から内径方向に延びるフランジ部43とからなる断面略L字形状をしており、円筒部42がハウジング3に後述する固定シール部51の外周側固定シール部51Aを介して嵌合している。シール部5は、芯金41の円筒部42を覆っている固定シール部51とフランジ部43の内周端部に接着し軸2の周面をシールする内周シール部55とが一体に成形されていて、内周シール部55は、減速機側Aに向って延びる主シールリップ56とエンジン側Bに向って延びるサブシールリップ57とを有し、主シールリップ56の先端部の外周側には径方向に緊迫力を与えるガータスプリング58が装着されている。
異物除去シール6は、金属製の支持環61と、PTFE等の樹脂で成形されたシール部7とを備えている。支持環61は、中心部に軸2が挿通される内径中空部62を有する薄板円盤形状であって、外周面63がハウジング3の内周面31に内接するように形成されている。シール部7は、エンジン側B側面75が支持環61の減速機側A側面64により支持されていて、中心部に軸2が挿通される内径中空部72を有する薄板円盤形状であって、外周面73がハウジング3の内周面31に内接するように形成されている。内径中空部72の内径は軸2の外径より小さく形成されていて、これによりシール部7の内径部であるシールリップ74を軸2に対して締め代を有して摺動自在に密接させることが出来るようになっている。
上記構成の密封装置1を装着するには、減速機側Aに縮径しているハウジング3にエンジン側よりシール部7が支持環61により支持されている異物除去シール6を挿入し、ハウジング3のエンジン側端面32に異物除去シール部6の減速機側A側面66を当接させ、その後挿入されたエンジン用オイルシール4の固定シール部51の減速機側端部52に、もう一方のエンジン側B側面67が当接し保持される。
従って、上記構成の密封装置1を軸2とハウジング3で形成する環状空間に装着する場合、オイルシール4と異物除去シール6とを各別に装着することができ、事前に両シール(4,6)を組み付ける必要がないので高度な組み付け精度が要求されず、製造コストを低減することが可能となる。
また、異物除去シール6のシール部7の内径側に形成されている内径中空部72の内径が軸2の外径より小さいので、ハウジング3の内周面31に装着されている異物除去シール6の内径側にエンジン側Bから軸2を挿通すると軸2の外周面にシール部7のシールリップ74が屈曲し、締め代を有して軸2に対して密接するので、これにより減速機側Aからエンジン側Bに流入する潤滑油に含まれている異物を除去することが可能となる。
第二実施形態
図2は、減速機に用いられる本発明の第二実施形態に係る密封装置の要部断面を示しており、この密封装置1は、軸2とハウジング3とで形成する環状空間に装着されるもので、エンジン用オイルシール4と、異物除去シール6と、板バネ8とを備えている。
図2は、減速機に用いられる本発明の第二実施形態に係る密封装置の要部断面を示しており、この密封装置1は、軸2とハウジング3とで形成する環状空間に装着されるもので、エンジン用オイルシール4と、異物除去シール6と、板バネ8とを備えている。
エンジン用オイルシール4は、金属製の芯金41と、ゴム状弾性体製のシール部5とを備えている。芯金41は、円筒部42と円筒部42のエンジン側端部から内径方向に延びるフランジ部43とからなる断面略L字形状をしており、円筒部42がハウジング3に後述する固定シール部51の外周側固定シール部51Aを介して嵌合している。シール部5は、芯金41の円筒部42を覆っている固定シール部51とフランジ部43の内周端部に接着し軸2の周面をシールする内周シール部55とが一体に成形されていて、内周シール部55は、減速機側に向って延びる主シールリップ56とエンジン側に向って延びるサブシールリップ57とを有し、主シールリップ56の先端部の外周側には径方向に緊迫力を与えるガータスプリング58が装着されている。
更に、固定シール部51の内周側固定シール部51Bの内周側に板バネ8が嵌合しており、板バネ8の減速機側A端部81は、固定シール部51の減速機側A端部52より減速機側Aに突出し、その端部81は外径方向に屈曲している。
異物除去シール6は、PTFE等の樹脂で成形されたシール部7により形成されている。シール部7は、中心部に軸2が挿通される内径中空部72を有する薄板円盤形状であって、外周面73がハウジング3の内周面31に内接するように形成されている。内径中空部72の内径は軸2の外径より小さく形成されていて、これによりシール部7のシールリップ74を軸2に対して締め代を有して摺動自在に密接させることが出来るようになっている。
上記構成の密封装置1を装着するには、減速機側Aに縮径しているハウジング3にエンジン側Bより異物除去シール6を挿入し、ハウジング3のエンジン側端面32に異物除去シール部6の減速機側A側面66を当接させ、その後挿入されたエンジン用オイルシール4の内周側に嵌合している板バネ8の減速機側A端部81に、もう一方のエンジン側B側面67が当接し保持される。
従って、上記構成の密封装置1を軸2とハウジング3で形成する環状空間に装着する場合、オイルシール4と異物除去シール6とを各別に装着することができ、事前に両シール(4,6)を組み付ける必要がないので高度な組み付け精度が要求されず、製造コストを低減することが可能となる。
また、異物除去シール6のシール部7の内径側に形成されている内径中空部72の内径が軸2の外径より小さいので、ハウジング3の内周面31に装着されている異物除去シール6の内径側にエンジン側Bから軸2を挿通すると軸2の外周面にシール部7のシールリップ74が屈曲し、締め代を有して軸2に対して密接するので、これにより減速機側Aからエンジン側Bに流入する潤滑油に含まれている異物を除去することが可能となる。
1 密封装置
2 軸
3 ハウジング
32 端面
4 エンジン用オイルシール
41 芯金
5,7 シール部
51 固定シール部
55 内周シール部
56,57,74 シールリップ
6 異物除去シール
61 支持環
62,72 内径中空部
63,73 外周面
66,67 側面
8 板状弾性体(板バネ)
A 減速機側
B エンジン側
2 軸
3 ハウジング
32 端面
4 エンジン用オイルシール
41 芯金
5,7 シール部
51 固定シール部
55 内周シール部
56,57,74 シールリップ
6 異物除去シール
61 支持環
62,72 内径中空部
63,73 外周面
66,67 側面
8 板状弾性体(板バネ)
A 減速機側
B エンジン側
Claims (2)
- 互いに相対可動自在に組み付けられた軸とハウジングとで形成する環状隙間をシールするもので、エンジン用オイルシールと異物除去シールとを備える減速機に使用される密封装置において、
支持環により支持されている樹脂製シール部を備える前記異物除去シールが前記ハウジングと前記エンジン用オイルシールとにより挟持され、前記シール部のシールリップが前記軸の周面に締め代を有して摺動自在に密接することを特徴とする密封装置。 - 互いに相対可動自在に組み付けられた軸とハウジングとで形成する環状隙間をシールするもので、エンジン用オイルシールと異物除去シールとを備える減速機に使用される密封装置において、
樹脂製シール部を備える前記異物除去シールが前記ハウジングと前記エンジン用オイルシールの内径側に嵌着している板状弾性体とにより挟持され、前記シール部のシールリップが前記軸の周面に締め代を有して摺動自在に密接することを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
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JP2005294408A JP2007100916A (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 密封装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=38028060
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JP (1) | JP2007100916A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101428065B1 (ko) | 2008-03-03 | 2014-08-07 | 현대자동차주식회사 | 오일씰 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001099330A (ja) * | 1999-09-27 | 2001-04-10 | Koyo Sealing Techno Co Ltd | 密封装置 |
JP2005265078A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Nok Corp | 密封装置 |
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2005
- 2005-10-07 JP JP2005294408A patent/JP2007100916A/ja active Pending
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