JP2007100904A - 流体軸受装置およびその製造方法 - Google Patents

流体軸受装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007100904A
JP2007100904A JP2005293882A JP2005293882A JP2007100904A JP 2007100904 A JP2007100904 A JP 2007100904A JP 2005293882 A JP2005293882 A JP 2005293882A JP 2005293882 A JP2005293882 A JP 2005293882A JP 2007100904 A JP2007100904 A JP 2007100904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft member
hub
gate
hub portion
bearing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005293882A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Ito
健二 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2005293882A priority Critical patent/JP2007100904A/ja
Priority to CN2006800337790A priority patent/CN101263644B/zh
Priority to PCT/JP2006/317961 priority patent/WO2007032299A1/ja
Priority to KR1020087003608A priority patent/KR20080046635A/ko
Priority to US12/066,597 priority patent/US8107190B2/en
Publication of JP2007100904A publication Critical patent/JP2007100904A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Abstract

【課題】高い成形精度と寸法安定性を有し、かつ低コストに製造可能なハブ部を有する流体軸受装置を提供する。
【解決手段】キャビティ15の、鍔部10cの下端面10c1の外径端部に対応する箇所に環状ゲート14を設け、この環状ゲート14からキャビティ15内に溶融樹脂Pを充填することにより樹脂製のハブ部10を成形する。この射出成形により形成されたハブ部10は、その全周に亘って半径方向への樹脂配向を示す。また、ハブ部10の、鍔部10cの下端面10c1の外径端部に環状のゲート跡16が形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持する流体軸受装置およびその製造方法に関するものである。この種の軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク駆動装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク駆動装置、MD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイールモータ、あるいはファンモータなどの小型モータ用として好適に使用可能である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化等が求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の1つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑流体に動圧を発生させるための動圧発生部を備えた動圧軸受と、動圧発生部を備えていない、いわゆる真円軸受(軸受断面が真円形状である軸受)とに大別される。
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータに組み込まれる流体軸受装置では、軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部およびスラスト方向に支持するスラスト軸受部の双方を動圧軸受で構成する場合がある。この種の流体軸受装置(動圧軸受装置)におけるラジアル軸受部としては、例えば軸受スリーブの内周面と、これに対向する軸部材の外周面との何れか一方に、動圧発生部としての動圧溝を形成すると共に、両面間にラジアル軸受隙間を形成するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、上記流体軸受装置をHDD等のディスク駆動装置用モータに組込んで使用する場合、軸部材にハブが設けられ、このハブの端面に磁気ディスク等の情報記憶媒体が載置あるいは保持される(例えば、特許文献2を参照)。
特開2003−239951号公報 特開2005−45924号公報
ところで、最近では情報機器の低価格化の要求を受けて、上記流体軸受装置の製造コスト低減のための提案が数多くなされている。例えば材料コストの低減化を狙って、上記流体軸受装置の構成部品、例えばハブの樹脂化が検討されている。
しかしながら、ハブの成形時、例えば溶融樹脂をキャビティ内に充填するゲートの形状や位置の設定によっては、ハブの成形精度が低下し、これによりハブに対する下記の要求特性を満足することができない恐れがある。
一例として図8に示す形状のハブ20を樹脂で射出成形する場合、図9および図10に示すように、キャビティ21を有する成形金型(図示は省略)の、ハブ20の一方の端面20aに対応する位置に、複数の点状ゲート22を(図示例では円周方向等間隔に3箇所)設け、これら複数の点状ゲート22からキャビティ21内に溶融樹脂Pを充填する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、各点状ゲート22からキャビティ21内に送り出された溶融樹脂Pが、各点状ゲート22からそれぞれ円周方向(図9中矢印の方向)に向けて流動し、各点状ゲート22、22間の中間位置23で合流する。そのため、両円周方向から合流した溶融樹脂Pの流れ方向が中間位置23で円周方向から半径方向へと変動する。これにより、固化後の樹脂成形品(ハブ20)は、その中間位置23対応箇所において樹脂の配向状態(分子配向)を円周方向他所と比べて異ならせた形態をなす。
これでは、成形収縮量が円周方向でばらつき、例えばディスク搭載面など高い寸法精度が必要となる面の幾何精度を低下させる恐れがある。また、このハブを備えた流体軸受装置の使用時、温度変化に伴うハブの寸法変化量が円周方向で異なるため、これによりハブの軸部材に対する固定精度(直角度や同軸度等)が低下し、回転精度に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明の課題は、高い成形精度および寸法安定性を有するハブを低コストに製造可能な流体軸受装置およびその製造方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、軸部材と、軸部材に一体又は別体に設けられるハブ部と、軸部材の外周面が臨むラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備えたものにおいて、ハブ部は樹脂で形成され、かつハブ部は全周に亘って半径方向への樹脂配向を示すことを特徴とする流体軸受装置を提供する。
このように、円周方向何れの位置においても径方向への樹脂配向を示すハブ部であれば、成形時の収縮方向が円周方向でばらつくことがないため、かかる成形収縮を極力均等に生じさせることができる。また、温度変化に伴う寸法変化量の円周方向でのばらつきも極力抑えられる。従って、ハブ部に必要な寸法精度(平面度など)や軸部材に対する高い固定精度(直角度など)を確保して、高い回転精度を有する流体軸受装置を提供することができる。
また、前記課題を解決するため、本発明は、軸部材と、軸部材に一体又は別体に設けられるハブ部と、軸部材の外周面が臨むラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備えたものにおいて、ハブ部は樹脂で射出成形され、射出成形によりハブ部に環状のゲート跡が形成されていることを特徴とする流体軸受装置を提供する。ここで、ゲート跡は、軸受部材の射出成形時、溶融樹脂を成形金型内に充填する際のゲート位置を当該成形品から判別し得る箇所を指し、例えば射出成形時にゲート内部で固化した樹脂のうち、ゲートカット後も成形品表面に残存する部分を含む。あるいは、この残存部分を機械加工等により除去加工した際に形成されるゲート除去跡を含む。
また、前記課題を解決するため、本発明は、軸部材と、軸部材に一体又は別体に設けられるハブ部と、軸部材の外周面が臨むラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備えた流体軸受装置の製造方法において、ハブ部を樹脂で射出成形する射出成形工程を含み、射出成形工程において、ハブ部の成形金型に環状のゲートを設け、環状ゲートから溶融樹脂をキャビティ内に充填することを特徴とする流体軸受装置の製造方法を提供する。
このように、本発明は、また、樹脂の射出成形により成形したハブ部に環状のゲート跡を設けたことを特徴とするものである。この種のゲート跡は、ハブ部の射出成形に使用される成形金型のゲートに対応した形状に形成される。そのため、上記形状のゲート跡を有するハブ部であれば、射出成形時、環状のゲートを介して円周方向全周から溶融樹脂がキャビティ内に充填される。従って、固化後の成形品(ハブ部)は、少なくとも円周方向で見ればほぼ一様に径方向に向かう樹脂配向を示し、これによりハブ部の成形収縮を半径方向に向けてなるべく均等に生じさせることができる。
上記流体軸受装置を、HDD等のディスク駆動装置用モータに組込んで使用する場合、ハブ部にはディスク搭載面が形成され、この場合には、ゲート跡がディスク搭載面の近傍に形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、射出成形時、ゲートをディスク搭載面の近傍に配設した状態で溶融樹脂の充填が行われるので、キャビティのディスク搭載面に対応する領域を、高い射出圧を保った状態で充填することができる。そのため、当該箇所における成形収縮量を低減して寸法精度を高めることができる。
また、本発明に係るハブ部の射出成形工程においては、ゲート幅が円周方向で異なる環状ゲートを用いて射出成形を行うのが好ましい。通常、この種の射出成形において、溶融樹脂を射出する射出機のノズルから成形金型のキャビティに開くゲートとの間にはスプルーやランナーが設けられ、ノズルから射出された溶融樹脂はスプルーやランナーの分岐を経てゲートに至る。そのため、環状のゲートを設けた場合であっても、実際には、ゲート全周からキャビティ内に溶融樹脂が同時に送り出される訳ではなく、若干のタイムラグが生じることがある。本発明は、この点に着目して成されたもので、例えば、環状ゲートのうち、例えば射出ノズルまでの距離(溶融樹脂の流路長さ)が遠い側のゲート幅を大きくし、これと対向する側(射出ノズルまでの距離が近い側)のゲート幅を小さくすることで、上述のタイムラグに起因する不具合を改善することができる。従って、キャビティ内における半径方向へと向かう樹脂の流れを全周に亘って均等に生じさせ、より均一な樹脂配向を示す成形品(ハブ部)を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、高い成形精度および寸法安定性を有するハブを低コストに製造可能な流体軸受装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る流体軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2およびハブ部10を有する回転部材3を相対回転自在に非接触支持する流体軸受装置(動圧軸受装置)1と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6に取付けられ、ロータマグネット5はヨーク12を介してハブ部10に固定されている。流体軸受装置1の軸受部材7は、ブラケット6の内周に固定される。また、ハブ部10には、図示は省略するが、情報記録媒体としてのディスクが一又は複数枚保持される。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する励磁力でロータマグネット5が回転し、これに伴って、ハブ部10およびハブ部10に保持されたディスクが軸部材2と一体に回転する。
図2は、流体軸受装置1を示している。この流体軸受装置1は、軸受部材7と、軸受部材7の一端を閉口する蓋部材11と、軸受部材7および蓋部材11に対して相対回転する回転部材3とを主に備えている。なお、説明の便宜上、軸方向両端に形成される軸受部材7の開口部のうち、蓋部材11で閉口される側を下側、閉口側と反対の側を上側として以下説明する。
軸受部材7は、軸方向両端を開口した形状をなし、略円筒状のスリーブ部8、およびスリーブ部8の外径側に位置し、スリーブ部8と一体又は別体に形成されるハウジング部9とを備えている。
スリーブ部8は、例えば金属製の非孔質体あるいは焼結金属からなる多孔質体で円筒状に形成される。この実施形態では、スリーブ部8は、銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング部9の内周面9cに、例えば接着(ルーズ接着を含む)、圧入(圧入接着を含む)、溶着(超音波溶着を含む)等、適宜の手段で固定される。もちろん、スリーブ部8を樹脂やセラミック等、金属以外の材料で形成することも可能である。
スリーブ部8の内周面8aの全面又は一部円筒領域には、ラジアル動圧発生部として複数の動圧溝を配列した領域が形成される。この実施形態では、例えば図3に示すように、複数の動圧溝8a1、8a2をヘリングボーン形状に配列した領域が軸方向に離隔して2箇所形成される。
スリーブ部8の下端面8bの全面又は一部環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図4に示すように、複数の動圧溝8b1をスパイラル状に配列した領域が形成される。
ハウジング部9は、金属あるいは樹脂で略円筒状に形成される。この実施形態では、ハウジング部9は、その軸方向両端を開口した形状をなし、かつ一端側を蓋部材11で封口している。他端側の端面(上端面)9aの全面または一部環状領域には、スラスト動圧発生部として、例えば図5に示すように、複数の動圧溝9a1をスパイラル形状に配列した領域が形成される。ハウジング部9の上方部外周(上端面9a側の端部外周)には、上方に向かって漸次拡径する環状のテーパ面9bが形成される。
ハウジング部9の下端側を封口する蓋部材11は、金属あるいは樹脂で形成され、ハウジング部9の下端内周側に設けられた段部9dに固定される。ここで、固定手段は特に限定されず、例えば接着(ルーズ接着や圧入接着を含む)、圧入、溶着(例えば超音波溶着)、溶接(例えばレーザ溶接)などの手段を、材料の組合わせや要求される固定強度、密封性などに合わせて適宜選択することができる。
回転部材3は、この実施形態では、スリーブ部8の内周に挿入される軸部材2と、軸部材2の上端に設けられ、軸受部材7の開口側に配置されるハブ部10とを主に備えている。
軸部材2は、この実施形態では金属製で、ハブ部10と別体に形成される。軸部材2の外周面2aは、軸部材2をスリーブ部8の内周に挿入した状態では、スリーブ部8の内周面8aに形成された動圧溝8a1、8a2形成領域と対向する。そして、外周面2aは、軸部材2の回転時、動圧溝8a1、8a2形成領域との間に後述する第一、第二ラジアル軸受部R1、R2のラジアル軸受隙間をそれぞれ形成する(図2を参照)。
軸部材2の下端には、抜止めとしてフランジ部2bが別体に設けられる。フランジ部2bは金属製で、例えばねじ結合等の手段により軸部材2に固定される。フランジ部2bの上端面2b1は、スリーブ部8の下端面8bに形成された動圧溝8b1形成領域と対向し、軸部材2の回転時、動圧溝8b1形成領域との間に後述する第一スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。また、軸部材2の上端には凹部(この実施形態では環状溝)2cが形成されている。この凹部2cは、後述のように、軸部材2をインサート部品とする樹脂の射出成形でハブ部10を形成する場合、ハブ部10に対する軸部材2の抜止めとして作用する。
ハブ部10は、軸受部材7の開口側(上側)を覆う円盤部10aと、円盤部10aの外周部から軸方向下方に延びる筒状部10bと、筒状部10bから外径側に突出する鍔部10cおよび鍔部10cの上端に形成されるディスク搭載面10dとを備える。図示されていないディスクは、円盤部10aの外周に外嵌され、ディスク搭載面10dに載置される。そして、図示しない適当な保持手段(クランパなど)によってディスクがハブ部10に保持される。
円盤部10aの下端面10a1は、ハウジング部9の一端開口側に設けられた上端面9a(動圧溝9a1形成領域)と対向し、軸部材2の回転時、動圧溝9a1形成領域との間に後述する第二スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間を形成する(図2を参照)。
筒状部10bの内周面10b1は、ハウジング部9の外周上端に設けられたテーパ面9bと対向し、このテーパ面9bとの間に径方向寸法が上方に向かって漸次縮小するテーパ状のシール空間Sを形成する。後述する潤滑油を流体軸受装置1内部に充満させた状態では、潤滑油の油面は常時シール空間Sの範囲内にある。
上記構成のハブ部10は、例えばLCP、PPS、PEEK等の結晶性樹脂や、PPSU、PES、PEI等の非晶性樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物の射出成形で成形される。この実施形態では、軸部材2をインサート部品として射出成形することで、軸部材2を一体に設けたハブ部10が成形される。また、上記樹脂に配合可能な充填材として、例えば炭素繊維やガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカ状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、各種金属粉等の導電性充填材を挙げることができる。これら充填材は、ハブ部10の補強や導電性付与など、目的に応じて上記ベース樹脂に適量配合される。
以下、ハブ部10の射出成形工程の一例を説明する。
図6は、ハブ部10の射出成形工程を概念的に示すもので、固定型と可動型とで構成される成形金型(図示は省略)には、ランナー13、環状ゲート14、およびキャビティ15が設けられる。環状ゲート14は、この実施形態ではフィルムゲートであり、成形金型の、鍔部10cの下端面10c1の外周縁部に対応する位置(図2を参照)に形成される。ここで、環状ゲート14のゲート幅は全周に亘って一定である。また、ハブ部10の射出成形時、軸部材2はインサート部品として成形金型(キャビティ15)内の所定位置に配設されている。
図示されていない射出成形機のノズルから射出された溶融樹脂Pは、成形金型のランナー13、環状ゲート14を通ってキャビティ15内に充填される。このように、ハブ部10の鍔部10cの下端面10c1の外径端部に対応する位置に設けた環状ゲート14からキャビティ15内に溶融樹脂Pを充填することで、図7に示すように、溶融樹脂Pがキャビティ15内にその全周から均等に充填される。これにより、高い成形寸法精度を有し、かつ全周に亘って半径方向への一様な樹脂配向を示すハブ部10を得ることができる。
また、この実施形態では、キャビティ15の、ディスク搭載面10dの近傍に対応する箇所に環状ゲート14を設けたので、例えば環状ゲート14をキャビティ15の筒状部10b表面に対応する箇所に設ける場合等と比べて、ディスク搭載面10dを含む鍔部10cを高い射出圧を保った状態で成形することができる。これにより、ディスク搭載面10dの成形精度(平面度など)を高めたハブ部10を得ることができる。
キャビティ15内に充填した溶融樹脂Pが固化した後、成形金型を型開きして軸部材2と一体に成形したハブ部10を取り出す。型開きに伴い、環状ゲート14内に形成されたゲート固化部が自動的に切断され(あるいはゲートカット機構によってゲート固化部が切断され)、ハブ部10のゲート対応位置にゲート固化部の一部が環状のゲート跡16として残る。
このゲート跡16は、この実施形態では、例えば機械加工等により除去される。これにより、ゲート跡16の大部分が除去され、ゲート跡16の一部としてのゲート除去跡が下端面10c1の外径端部に残る。
上述のようにして成形されたハブ部10に、例えば磁性体からなるヨーク12を接着固定することで回転部材3が完成する。
流体軸受装置1内部に充満される潤滑油としては、種々のものが使用可能であるが、HDD等のディスク駆動装置用の流体軸受装置に提供される潤滑油には、その使用時あるいは輸送時における温度変化を考慮して、低蒸発率及び低粘度性に優れたエステル系潤滑油、例えばジオクチルセバケート(DOS)、ジオクチルアゼレート(DOZ)等が好適に使用可能である。
上記構成の流体軸受装置1において、軸部材2の回転時、スリーブ部8の内周面8aに形成された動圧溝8a1、8a2形成領域は、対向する軸部材2の外周面2aとの間にラジアル軸受隙間を形成する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間の潤滑油が動圧溝8a1、8a2の軸方向中心側に押し込まれ、その圧力が上昇する。このように、動圧溝8a1、8a2によって生じる潤滑油の動圧作用によって、軸部材2をラジアル方向に非接触支持する第一ラジアル軸受部R1と第二ラジアル軸受部R2とがそれぞれ構成される。
これと同時に、スリーブ部8の下端面8b(動圧溝8b1形成領域)とこれに対向するフランジ部2bの上端面2b1との間のスラスト軸受隙間、およびハウジング部9の上端面9aに形成される動圧溝9a1形成領域とこれに対向するハブ部10の下端面10a1との間のスラスト軸受隙間に形成される潤滑油膜の圧力が、動圧溝8b1、9a1の動圧作用により高められる。そして、これら油膜の圧力によって、回転部材3(ハブ部10)をスラスト方向に非接触支持する第一スラスト軸受部T1と第二スラスト軸受部T2とがそれぞれ構成される。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されることなく、他の構成に係る流体軸受装置に適用することもできる。
上記実施形態では、ゲート跡(ゲート除去跡)16を、鍔部10cの下端面10c1の外径端部(面取り部)に形成した場合を説明したが、このゲート跡16は、ハブ部10表面に環状につながって形成される限り、ハブ部10の任意箇所に形成することができる。
例えば図2に示すハブ部10で言えば、鍔部10cの下端面10c1や外周面10c2、筒状部10bの内・外周面10b1、10b2、あるいは円盤部10aの上端面10a2(外周端の面取り部を含む)の略全域にゲート跡16(言い換えれば、キャビティ15の下端面10c1や外周面10b2に対応する箇所にゲート14)を設けることも可能である。
また、上記実施形態では、ハブ部10の射出成形に用いる環状ゲート14として、そのゲート幅が円周方向で均一のものを使用した場合を例示したが、これに限らず、例えばゲート幅が円周方向で異なる環状ゲート14を用いることもできる。この場合には、例えば図示しない射出機のノズルまでの流路距離が最も大となる箇所のゲート幅を大きくとり、当該ノズルまでの流路距離が最も小となる箇所のゲート幅を小さくとるのがよい。図7でいえば、同図に示す真円環状のゲート14の外周面を半径方向に移動させることで、環状ゲート14の外周面を内周面に対して偏心させ、これによりゲート幅を円周方向で異ならせることができる。
また、上記実施形態では、他部材(例えばヨーク12やディスク)との接触等を避ける目的でゲート跡16(ゲート固化部)の除去加工を行ったが、ゲート跡16が、これら他部材と接触しない、又は接触しても特に問題にならないのであれば、除去加工を行わなくても構わない。
また、上記実施形態では、金属製の軸部材2をインサート部品とする樹脂の射出成形で、軸部材2と一体にハブ部10を射出成形した場合を説明したが、例えばハブ部10のみを樹脂で射出成形した後、ハブ部10とは別体に形成した金属製の軸部材2の端部をハブ部10中央に設けた孔に圧入することで一体化することもできる。あるいは、軸部材2を樹脂製とし、ハブ部10と軸部材2とを共に樹脂の射出成形で一体に成形することもできる。
また、上記実施形態では、フランジ部2bの上端面2b1とスリーブ部8の下端面8bとの間、およびハブ部10とハウジング部9との間にそれぞれスラスト軸受部T1、T2を設けた場合を説明したが、本発明は、スラスト軸受部T1、T2の形成箇所に関係なく適用可能である。すなわち、ハブ部10の下端面10a1がスラスト軸受隙間を形成するか否かは問題とならず、例えば図示は省略するが、スラスト軸受部T1、T2が共にフランジ部2bの両端面とこれらの面に対向する面との間に形成されたものであってもよい。
また、ハブ部10や軸部材2を除く流体軸受装置1の構成部品に関しても、上記実施形態に限定される必要はない。例えば図示は省略するが、ハウジング部9とスリーブ部8とを同一材料で一体に形成(軸受部材7を単一品化)する等、各構成部品間の一体化を図ったものについても本発明を適用することができる。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部T1、T2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により潤滑油の動圧作用を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、図示は省略するが、軸方向の溝を円周方向の複数箇所に形成した、いわゆるステップ状の動圧発生部、あるいは、円周方向に複数の円弧面を配列し、対向する軸部材2の真円状外周面2aとの間に、くさび状の径方向隙間(軸受隙間)を形成した、いわゆる多円弧軸受を採用してもよい。
あるいは、スリーブ部8の内周面8aを、動圧発生部としての動圧溝や円弧面等を設けない真円外周面とし、この内周面8aと対向する軸部材2の真円状外周面2aとで、いわゆる真円軸受を構成することができる。
また、第一スラスト軸受部T1と第二スラスト軸受部T2の一方又は双方は、同じく図示は省略するが、動圧発生部が形成される領域(例えばスリーブ部8の下端面8b、ハウジング部9の上端面9a)に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、あるいは波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる。
また、以上の実施形態では、スリーブ部8の側にラジアル動圧発生部(動圧溝8a1、8a2)が、また、スリーブ部8やハウジング部9の側にスラスト動圧発生部(動圧溝8b1、9a1)がそれぞれ形成される場合を説明したが、これら動圧発生部が形成される領域は、例えばこれらに対向する軸部材2の外周面2aやフランジ部2bの上端面2b1、あるいはハブ部10の下端面10a1の側に設けることもできる。
また、以上の説明では、流体軸受装置1の内部に充満し、ラジアル軸受隙間や、スラスト軸受隙間に潤滑膜を形成する流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に潤滑膜を形成可能な流体、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
本発明の一実施形態に係る流体軸受装置を組込んだスピンドルモータの断面図である。 流体軸受装置の断面図である。 スリーブ部の縦断面図である。 スリーブ部の下端面面である。 ハウジング部を矢印Aの方向から見た端面図である。 環状ゲートを用いたハブ部の射出成形工程を概念的に示す図である。 環状ゲートを用いた場合のキャビティ内における溶融樹脂の流れを概念的に示す図である。 ハブ部の一形態を示す断面図である。 点状ゲートを用いた場合のキャビティ内における溶融樹脂の流れを概念的に示す図である。 点状ゲートを用いたハブ部の射出成形工程を概念的に示す図である。
符号の説明
1 流体軸受装置
2 軸部材
3 回転部材
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
7 軸受部材
8 スリーブ部
8a1、8a2、8b1 動圧溝
9 ハウジング部
9a1 動圧溝
10 ハブ部
10a 円盤部
10b 筒状部
10c 鍔部
10c1 下端面
10d ディスク搭載面
12 ヨーク
13 ランナー
14 環状ゲート
15 キャビティ
16 ゲート跡
20 ハブ
21 キャビティ
22 点状ゲート
23 中間位置
P 溶融樹脂
S シール空間
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (5)

  1. 軸部材と、該軸部材に一体又は別体に設けられるハブ部と、前記軸部材の外周面が臨むラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で前記軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備えた流体軸受装置において、
    前記ハブ部は樹脂で形成され、かつ前記ハブ部は全周に亘って半径方向への樹脂配向を示すことを特徴とする流体軸受装置。
  2. 軸部材と、該軸部材に一体又は別体に設けられるハブ部と、前記軸部材の外周面が臨むラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で前記軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備えた流体軸受装置において、
    前記ハブ部は樹脂で射出成形され、該射出成形により前記ハブ部に環状のゲート跡が形成されていることを特徴とする流体軸受装置。
  3. 前記ハブ部はディスク搭載面を有すると共に、前記ゲート跡が前記ディスク搭載面の近傍に形成されている請求項2記載の流体軸受装置。
  4. 軸部材と、該軸部材に一体又は別体に設けられるハブ部と、前記軸部材の外周面が臨むラジアル軸受隙間に生じる流体の潤滑膜で前記軸部材をラジアル方向に相対回転自在に支持するラジアル軸受部とを備えた流体軸受装置の製造方法において、
    前記ハブ部を樹脂で射出成形する射出成形工程を含み、
    前記射出成形工程において、前記ハブ部の成形金型に環状のゲートを設け、該環状ゲートから溶融樹脂をキャビティ内に充填することを特徴とする流体軸受装置の製造方法。
  5. ゲート幅が円周方向で異なる前記環状ゲートを用いた請求項4記載の流体軸受装置の製造方法。
JP2005293882A 2005-09-14 2005-10-06 流体軸受装置およびその製造方法 Withdrawn JP2007100904A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005293882A JP2007100904A (ja) 2005-10-06 2005-10-06 流体軸受装置およびその製造方法
CN2006800337790A CN101263644B (zh) 2005-09-14 2006-09-11 流体轴承装置及其制造方法
PCT/JP2006/317961 WO2007032299A1 (ja) 2005-09-14 2006-09-11 流体軸受装置およびその製造方法、並びにディスク駆動装置
KR1020087003608A KR20080046635A (ko) 2005-09-14 2006-09-11 유체 베어링 장치, 그 제조 방법 및 디스크 구동 장치
US12/066,597 US8107190B2 (en) 2005-09-14 2006-09-11 Fluid bearing device, method of manufacturing the same, and disk drive device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005293882A JP2007100904A (ja) 2005-10-06 2005-10-06 流体軸受装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007100904A true JP2007100904A (ja) 2007-04-19

Family

ID=38028051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005293882A Withdrawn JP2007100904A (ja) 2005-09-14 2005-10-06 流体軸受装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007100904A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208669A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Ntn Corp 動圧軸受装置およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208669A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Ntn Corp 動圧軸受装置およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4531584B2 (ja) 流体動圧軸受装置およびこれを備えたモータ
KR101213552B1 (ko) 동압 베어링 장치
US8107190B2 (en) Fluid bearing device, method of manufacturing the same, and disk drive device
US8356938B2 (en) Fluid dynamic bearing apparatus
JP2007024146A (ja) 動圧軸受装置
JP5095111B2 (ja) 流体軸受装置
JP2008069805A (ja) 動圧軸受装置
JP2008130208A (ja) 流体軸受装置及びその製造方法
JP4476670B2 (ja) 流体軸受装置
JP4302463B2 (ja) 流体軸受装置及びその製造方法
JP2005337490A (ja) 動圧軸受装置
JP2007082339A (ja) 流体軸受装置およびその製造方法
JP4937659B2 (ja) 流体軸受装置
JP2008144847A (ja) 動圧軸受装置
JP2007100904A (ja) 流体軸受装置およびその製造方法
JP2005265119A (ja) 流体軸受装置及びその製造方法
JP2009011018A (ja) 流体軸受装置およびその製造方法
JP4156478B2 (ja) 流体軸受装置用ハウジングの成形金型
JP2007263309A (ja) 流体軸受装置
JP4739030B2 (ja) 流体軸受装置
JP5133156B2 (ja) 流体動圧軸受装置
JP5231095B2 (ja) 流体軸受装置
JP6625332B2 (ja) 流体動圧軸受装置用ハウジング
JP2007263225A (ja) 流体軸受装置
JP2007113778A (ja) 流体軸受装置およびこれを備えたモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090106