JP2007100721A - 等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】等速自在継手の通気穴から、車両に組み付ける時の伸縮動作によりグリースが漏れるのを防止する。
【解決手段】等速自在継手は、内周面12にボール溝14を形成した外輪10と、外周面22にボール溝24を形成した内輪20と、対をなす外輪のボール溝14と内輪のボール24との間に組み込んだボール30と、外輪10の内周面12と内輪20の外周面22との間に介在してすべてのボール30を同一平面内に保持するケージ40と、外輪10の端部に装着したグリース漏れ防止のためのシールプレート62とを具備してなり、シールプレート62の中心部に通気穴64をあけるとともに、静止時には通気穴64を塞ぎ、回転時には通気穴64を開放する弁板66がシールプレート62に設けてある。
【選択図】 図1
【解決手段】等速自在継手は、内周面12にボール溝14を形成した外輪10と、外周面22にボール溝24を形成した内輪20と、対をなす外輪のボール溝14と内輪のボール24との間に組み込んだボール30と、外輪10の内周面12と内輪20の外周面22との間に介在してすべてのボール30を同一平面内に保持するケージ40と、外輪10の端部に装着したグリース漏れ防止のためのシールプレート62とを具備してなり、シールプレート62の中心部に通気穴64をあけるとともに、静止時には通気穴64を塞ぎ、回転時には通気穴64を開放する弁板66がシールプレート62に設けてある。
【選択図】 図1
Description
この発明は等速自在継手に関するもので、より詳しくは、等速自在継手の通気構造を改良したものである。
プロペラシャフト用等速自在継手では、高速回転時に発熱によるブーツ内圧の上昇、ブーツ寿命の低下を防止するため、通常、通気穴を設けている。従来の通気構造は、ブーツ小径部に通気穴を設ける、あるいは、シールプレートに通気穴を設ける、の2種類に大別することができる。
また、通気穴からのグリース漏れを防ぐ構造として、特許文献1には、シールプレートに開けた通気穴部をラビリンス構造にしたものが記載されている。また、特開昭49−51439号公報には、遠心力を利用した通気方法が記載されている。
特開平1−166826号公報
特開昭49−51439号公報
従来の通気構造はいずれも、搬送時や車両に組み付ける時などにグリースが漏れるおそれがある。また、ブーツ小径部に通気穴を設ける通気構造ではブーツバンドのかしめにより孔が塞がる場合があり、その結果、高速回転時に放熱がされず、ブーツ内圧の上昇、ブーツ寿命の低下を招くという問題点がある。
通気穴からのグリース漏れを防ぐ構造に関しても、特許文献1に記載された構造は形状が複雑であるため成形が容易でない。
この発明の主要な目的は、等速自在継手の通気穴から、車両に組み付ける時の伸縮動作(プランジング)によりグリースが漏れるのを防止することにある。
この発明の等速自在継手は、内周面にボール溝を形成した外輪と、外周面にボール溝を形成した内輪と、対をなす外輪のボール溝と内輪のボールとの間に組み込んだボールと、外輪の内周面と内輪の外周面との間に介在してすべてのボールを同一平面内に保持するケージと、外輪の端部に装着したグリースの漏れを防止するためのシールプレートとを具備してなり、前記シールプレートの中心部に通気穴をあけるとともに、静止時には前記通気穴を塞ぎ、回転時には前記通気穴を開放する弁板を前記シールプレートに設けたことを特徴とするものである。
なお、車両に組み付ける時のグリース漏れを防止するという課題は、とりわけプランジングによって内部容積が大きく変化する摺動式等速自在継手において顕著であるが、摺動式ほどではなくとも固定式等速自在継手においても何らかの理由でブーツが押し込まれたりすると内部容積が変動してグリースが漏れることがあるので、この発明は摺動式等速自在継手に限らず固定式等速自在継手にも適用可能である。
請求項2の発明は、請求項1の等速自在継手において、前記弁板が、前記シールプレートの中心部から離れた位置で前記シールプレートに固定した可撓性のある平板であることを特徴とするものである。弁板自体の可撓性を利用することにより、最もシンプルな通気構造が実現する。この場合、弁板が少し撓むだけで通気穴が開放されるため、弁板が備えるべき可撓性の程度は、継手の回転に伴う遠心力の作用で撓むことができる限り、わずかなものでよい。そのような可撓性のある材料としてはたとえば薄い鉄板を挙げることができる。弁板の形状は任意である。
請求項3の発明は、請求項1の等速自在継手において、前記弁板の前記通気穴側にゴム板を取り付けたことを特徴とするものである。ゴム板がシールプレートと弾性的に接して通気穴を塞ぐため、一層確実にグリース漏れを防止することができる。
請求項4の発明は、請求項1の等速自在継手において、前記弁板の、前記シールプレートの中心部から離れた位置におもりを取り付けたことを特徴とするものである。弁板におもりを取り付けることにより、より大きな遠心力が弁板に作用することになるため、弁板の可撓性の程度にもよるが、弁板の開閉の感度が向上し、一層確実に弁板を開閉させることができる。おもりの形状、材質等は任意である。
この発明によれば、シールプレートに弁板を取り付け、シールプレートにあけた通気穴を遠心力を利用して開閉するようにしたので、簡素で、部品点数も少なく、確実に通気できる通気構造が実現する。そして、この発明の等速自在継手は、車両に組み付ける前の搬送時や、車両に組み付ける時には、遠心力が発生しないため通気穴が閉じており、グリースが漏れない。車両に組み付けた後は、高速回転時は遠心力の作用により通気穴が開くので放熱によりブーツ寿命低下が解消する。なお、通気穴はシールプレートの中心部に位置し、グリースは遠心力の作用で通気穴から遠ざかる向きに押しやられるため、漏れの心配はない。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。
まず、図1を参照して等速自在継手の基本的構成を説明する。ここでは摺動式等速自在継手の例としてダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)が例示してある。図1に示す等速自在継手は、内輪10と外輪20とボール30とケージ40とを含み、さらにブーツ50とシール装置60を有している。
外方継手部材としての外輪10は円筒状で、内周面12の円周方向に等間隔に、軸方向に延びるボール溝14が形成してある。外輪10の軸方向の一端にフランジ16が形成してあり、プロペラシャフト用等速自在継手の場合、このフランジ16にてコンパニオンフランジ(図示せず)と締結される。フランジ16を設けた端部の内周にはシールプレート装着部18が形成してある。
内方継手部材としての内輪20は略球状で、外周面22の円周方向に等間隔に、軸方向に延びるボール溝24が形成してある。内輪20の中心部には、軸方向に貫通したセレーション(またはスプライン)孔が形成してある。
外輪10のボール溝14と内輪20のボール溝24は対をなし、各対のボール溝14,24間にトルク伝達要素としてのボール30が組み込まれる。ボールの数は任意であるが、具体例を挙げるならば6個あるいは8個である。
ボール30はケージ40に円周方向に配設したポケット46に収容される。ケージ40によりすべてのボール30が常に同一平面内に保持される。
ケージ40の外周面42は外輪10の内周面12と接する部分球面状であり、ケージ40の内周面44は内輪20の外周面22と接する部分球面状である。ケージ40の外周面42の曲率中心と内周面の曲率中心は、軸線方向に互いに等距離だけオフセットしている(ダブルオフセット)。
図1に示す実施の形態では、内輪20はセレーション(またはスプライン)孔26にてスタブシャフト28のセレーション(またはスプライン)軸と結合し、止め輪で抜け止めがしてある。
等速自在継手の内部にはグリースが充填される。このグリースの漏れを防ぐため、外輪10の両端開口部をブーツ50およびシール装置60で密封してある。外輪10の一方の端部に設けたブーツ50はスタブシャフト28と外輪10との間の開口部を覆う。このブーツ50はブーツ本体52とブーツアダプタ56とを含んでいる。ブーツ本体52の小径端部はスタブシャフト28に取り付けてブーツバンド54で締め付けてある。ブーツ本体52の大径端部はブーツアダプタ52を全周にわたってかしめて保持させてある。ブーツアダプタ54は外輪10の一方の端部外周に弾性変形を利用して被せ、Oリングを装着して気密・液密に保持してある。
外輪10のもう一方の端部に設けたシール装置60は、外輪10のシールプレート装着部18に装着したシールプレート62で構成される。シールプレート62は中央部に通気穴64を有している。図2に示すように、この通気穴64は弁板66によって塞がれている。弁板66はシールプレート62の中心からはずれた位置に固定してある。
弁板66は可撓性を有する材料、たとえば薄い鉄板で形成し、円、楕円、矩形、鍵穴状等々任意の形状とすることができる。弁板66が備えるべき可撓性の程度は、次の二つの条件で規定することができる。一つは、等速自在継手が回転していない時、言い換えれば遠心力が作用していない時、図1および図2に示すように、シールプレート62に接して貫通孔64を塞ぐことである。もう一つは、等速自在継手が回転すると、図3および図4に示すように、遠心力の作用で撓んでシールプレート62から離れ、貫通孔64を開放することである。
図示する実施の形態では、弁板66の片面、つまり、通気穴64に面した側面に弾性板64が取り付けてある。この場合、弾性板64が通気穴64の周囲のシールプレートと弾性的に密着してシール性が高まる。たとえば、通気穴64の内径φdよりも大きな外径の円形のゴム板を弁板66に焼き付け、あるいは接着剤で貼り付ける。
また、図2に示す実施の形態では、弁板66はシールプレート62にスポット溶接で固定(1箇所)してある。弁板66の外側の面におもり68が固定してある。弁板66とおもり68の固定にもスポット溶接を利用することができる。おもりの形状や材質は問わないが、ここでは軸受用鋼球をおもりとして利用した場合が例示してある。
図4に示すように、等速自在継手が回転に伴い、おもり68に遠心力が作用して、点Aに曲げモーメントMが発生する。この曲げモーメントMにより弁板66がたわみ、通気穴64が開く。これにより、高速回転時の発熱の問題が解消する。
通気穴64の入り口での弁板66のたわみ量δ2は次式で求められる。
δ2=(a+r−d/2)tanθ
=(δ1/tanθ+r−d/2)tanθ
=δ1+(r−d/2)tanθ
ここに、
遠心力F=mrω2
曲げモーメントM=Fx
たわみδ1=ML1 2/2EI
たわみ角θ=ML1/EI
tanθ=δ1/a
=σ2/(a+r−d/2)より
a=δ1/tanθ
m:おもりの重量
L:プレート全長
L1:プレート固定端からおもりまでの距離
r:中心からおもりまでの距離
ω:おもりの角速度
d:通気穴の内径
F:遠心力
M:曲げモーメント
θ:たわみ角
δ1:たわみによる軸方向の変位
δ2:たわみによる軸方向の変位
x:おもりの中心から曲げモーメントMが発生する点Aまでの距離
I:断面2次モーメント
E:縦弾性係数
なお、おもりの自重mgの影響は遠心力に対して十分小さいので無視した。
δ2=(a+r−d/2)tanθ
=(δ1/tanθ+r−d/2)tanθ
=δ1+(r−d/2)tanθ
ここに、
遠心力F=mrω2
曲げモーメントM=Fx
たわみδ1=ML1 2/2EI
たわみ角θ=ML1/EI
tanθ=δ1/a
=σ2/(a+r−d/2)より
a=δ1/tanθ
m:おもりの重量
L:プレート全長
L1:プレート固定端からおもりまでの距離
r:中心からおもりまでの距離
ω:おもりの角速度
d:通気穴の内径
F:遠心力
M:曲げモーメント
θ:たわみ角
δ1:たわみによる軸方向の変位
δ2:たわみによる軸方向の変位
x:おもりの中心から曲げモーメントMが発生する点Aまでの距離
I:断面2次モーメント
E:縦弾性係数
なお、おもりの自重mgの影響は遠心力に対して十分小さいので無視した。
10 外輪(外方継手部材)
12 内周面
14 ボール溝
16 フランジ
18 シールプレート装着部
20 内輪(内方継手部材)
22 外周面
24 ボール溝
26 セレーション(またはスプライン)孔
28 スタブシャフト
30 ボール(トルク伝達要素)
40 ケージ
42 外周面
44 内周面
46 ポケット
50 ブーツ
52 ブーツ本体
54 ブーツバンド
56 ブーツアダプタ
60 シール装置
62 シールプレート
64 貫通孔
66 弁板
68 おもり
12 内周面
14 ボール溝
16 フランジ
18 シールプレート装着部
20 内輪(内方継手部材)
22 外周面
24 ボール溝
26 セレーション(またはスプライン)孔
28 スタブシャフト
30 ボール(トルク伝達要素)
40 ケージ
42 外周面
44 内周面
46 ポケット
50 ブーツ
52 ブーツ本体
54 ブーツバンド
56 ブーツアダプタ
60 シール装置
62 シールプレート
64 貫通孔
66 弁板
68 おもり
Claims (4)
- 内周面にボール溝を形成した外輪と、外周面にボール溝を形成した内輪と、対をなす外輪のボール溝と内輪のボールとの間に組み込んだボールと、外輪の内周面と内輪の外周面との間に介在してすべてのボールを同一平面内に保持するケージと、外輪の端部に装着したグリースの漏れを防止するためのシールプレートとを具備してなり、
前記シールプレートの中心部に通気穴をあけるとともに、静止時には前記通気穴を塞ぎ、回転時には前記通気穴を開放する弁板を前記シールプレートに設けた等速自在継手。 - 前記弁板が、前記シールプレートの中心部から離れた位置で前記シールプレートに固定した可撓性のある平板である請求項1の等速自在継手。
- 前記弁板の前記通気穴側にゴム板を取り付けた請求項1の等速自在継手。
- 前記弁板の、前記シールプレートの中心部から離れた位置におもりを取り付けた請求項1の等速自在継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005287585A JP2007100721A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 等速自在継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005287585A JP2007100721A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 等速自在継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007100721A true JP2007100721A (ja) | 2007-04-19 |
Family
ID=38027883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005287585A Withdrawn JP2007100721A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 等速自在継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007100721A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011506869A (ja) * | 2007-12-10 | 2011-03-03 | イーエフアー−テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 長手方向シャフトの等速ジョイントのための密封兼安全保護部材 |
JP2012188019A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤ状態取得装置およびタイヤ状態監視システム |
-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005287585A patent/JP2007100721A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011506869A (ja) * | 2007-12-10 | 2011-03-03 | イーエフアー−テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 長手方向シャフトの等速ジョイントのための密封兼安全保護部材 |
JP2012188019A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤ状態取得装置およびタイヤ状態監視システム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081202 |